モバP「どうしようどうしようどうしようやべえよやべえよ」
モバP「昨日は久々のオフなのに、珍しく誰の誘いもなかったから」
モバP「ぶっ倒れるように昼までガッツリ寝てから、久々にサウナなんか行っちゃってたっぷり汗ながしてさあ」
モバP「明るいうちからビールなんて飲んじゃって、つい休憩所でもうひと眠りしちゃってさあ」
モバP「やっべもう日付変わっちゃったじゃん、帰ってちゃんと寝ようとロッカーで着替えながらスマホを見るとね」
モバP「着信メールラインアホみたいにつきまくってて、こんな感じよ」
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プロデューサーさん、幸子ちゃん待ってるよ ずっと
あの そろそろ 来てくれないと困るんですけど……
連絡付き次第大至急返信お願いします。
流石にまゆもそちらには伺えませんので、急いでくださいねえ
おい、いいかげんヤバいぞ
モバP「血の気が引くとはこのことだね」
モバP「そうだった、今日、いや正しくは昨日は幸子の誕生日」
モバP「だからこそのオフ、だからこそみんな気を使って誰も誘ってこなかった」
モバP「一日幸子のために体を開けて、祝ってやる、喜ばせてやるはずだった」
モバP「なのに、半年にも及ぶ連続勤務! 張り詰めた糸が切れた瞬間!」
モバP「大事なことがすっ飛んじまった! 忘れるはずがないから! スケジュール帳にも書いてなかった!」
モバP「なんというミステイク! なんという落とし穴!」
モバP「そういうわけで晶葉すまん! タイムマシンだタイムマシンで俺を昨日に戻してくれたのむ」
晶葉「まったく、助手はあきれた男だな」
モバP「返す言葉もございません! 何卒、何卒お願いいたします!」
晶葉「実に見事な土下座だが、頭を下げる相手が違うのではないのかね?」
モバP「まことにおっしゃる通りでございます! もうこれは、全面的に俺が悪い!」
モバP「謝って済まされるならいくらでもする! 償えるならなんだってする!」
モバP「しかしながら、しかしながら!」
モバP「幸子に謝罪する、という事は、誕生日を祝うことができなかったという事象が確定してしまうという事」
モバP「仮に俺が許されたとしても、祝われなかった、忘れられていた、という幸子の心の傷は癒えることは無い」
モバP「ですのでここはこれが最善手」
モバP「大天才池袋晶葉教授の手によって、事象が確定する前に修正ができれば誰も泣かずに済むのです!」
モバP「どうか、どうかお願いいたします! タイムマシンを! 何卒!」
晶葉「なるほど論理的だ。だが無いぞ」
モバP「え?」
晶葉「タイムマシンなど、無い」
モバP「マジで? こんなこともあろうかと用意してるもんでしょ!?」
晶葉「無いものは無いんだ。科学にだって不可能なものはある」
モバP「 」
晶葉「さあ、幸子に謝りにいこう? 土下座強制機なら開発してあるが、助手には必要ないだろう?」
モバP「焼き土下座……それじゃ足りねえ……謝罪……指一本……いや足りねえなあ……左腕を落とすか……」
バーーン!!!
??「ちょぉーーーっと待ってください! 話は聞かせてもらいました!」
モバP「あ、あなたは!?」
菜々「昨日に戻りたい、あの頃に帰りたい、その気持ちよーくわかります!」
菜々「ウサミンパワーで解決しちゃいましょう、プロデューサーさん!」
モバP「なるほど、毎年毎年いくつになっても17歳に戻るすべを知っている菜々さんなら」
晶葉「誕生日を遡る事も可能という訳か」
菜々「いやいやいや、そんな難しい事じゃないんです、兎に角、あまり時間がありませんから急いで」
菜々「晶葉ちゃん、ラボにロケットはあるよね? ニンジン型の」
晶葉「ああ、あるにはあるが」
菜々「じゃあプロデューサーさんは乗り込んじゃってください! 晶葉ちゃん、発射準備!」
モバP「おいおいどういうことだウサミン星にでも行くわけじゃあるまいし」
晶葉「なるほどそういう事か! だがロケットはまずい。制空権があるからミサイルと間違われると国際問題だ」
バーーン!!!
??「話は聞かせてもらいましたわ!」
モバP「あ、あなたは!?」
桃華「こんなこともあろうかと、Pちゃまのために自家用ジェットを用意しておきましたの!」
晶葉「流石は桃華だ、助かるな!」
モバP「どんなことがあったら用意してあるのかはわからんが助かった!」
菜々「さあ乗って乗って! 目的地はアメリカ、サンフランシスコです!」
~~サンフランシスコ~~
モバP「ギリギリだったな」
晶葉「ああ、ギリギリだった」
菜々「でも、間に合ったじゃないですか」
桃華「お役に立てたようでよかったですわ」
晶葉「サンフランシスコまでの飛行時間が9時間、時差が-17時間で日付変更線を跨ぐ。ギリギリで11月25日だ」
菜々「これで幸子ちゃんの誕生日を今日中に祝うことができますね!」
桃華「でも、Pちゃま、プレゼントとか用意してありますの?」
モバP「ああ、大丈夫だ、飛行機の中で考えておいたからな」
モバP「都合良く調達もできた」
モバP「菜々、お前にカメラをまかせるから、見届けてくれ」
モバP「幸子、お前がいつか見せた勇気、それに応え、祝うにはこれしかねえぇぇ!!!!」
サンフランシスコといえば名物ゴールデンブリッジ。
飛行機からくすねてきたパラシュートを背負い一気にダイブだ!!
モバP「幸子ォォォォォォ!!!! たァァんじょォォォォびィィィィ!!! おォォめでとォォう!!!!!!」
晶葉、菜々、桃華、ありがとう。ありがとうアメリカ、ありがとうサンフランシスコ。
これでなんとかなったかどうかはわからない。幸子には申し訳ない事をした。
それでも、祝いたかったんだ。忘れてたけどなんとかして祝いたかったんだ。
USA民パワーで日付をチェーンジ!! END!!!
リアルで日付が変わってから昨日誕生日だったのに気付いて書き始めました。
あ、結局幸子出てねえわ、すまぬ。
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