P「あぁ、そうだ。今までにないデッカイ仕事だぞ!」
真「えぇ〜……」
P「どうしたんだよ、浮かない顔して」
真「そんなこと言って、この前はグ○ゼの男性用下着のキャンペーンガールだったじゃないですか……」
P「アレはアレで評判良かったんだぞ? キャンペーン用のポスターにはプレミアがついてるそうじゃないか」
真「持ってったのはほとんどが女性ファンだそうですけどね」
P「だいたい、真より前にだって何人もキャンペーンガールはいるんだが」
真「それは分かりますけど……ボクはもっと可愛いお仕事だってしたいんですよ」
P「分かってる、分かってるって」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371652841
真「それじゃ聞きますけど……今度は何のキャンペーンガールなんですか?」
P「聞いて驚くなよ……」
P「高校野球だ」
真「……はい?」
真「……断れないんですか?」
P「は?」
真「だって、ボクがユニフォーム着てボール投げたり、バット振ったりするんでしょ?」
真「もしかしたらユニフォームや顔を泥だらけにして、って……」
真「確かに一生懸命な男の人ってカッコいいですけど、なんかボクのやりたい仕事とは……」
P「オーケーオーケー。真、お前はちょっと勘違いしてるぞ」
真「何がですか?」
P「ビ○ターって会社は知ってるな?」
真「聞いたことはありますけど」
P「今は社名が変わっちゃってるが、それはこの際些細な問題として、だ」
P「そこが毎年夏の風物詩として夏の甲子園を応援するキャンペーンを張ってるんだ」
P「甲子園出場を決めた学校の地元の駅や電気店、商店街を中心に、ポスターが貼られるのは恒例行事だったんだぞ」
※参考ニュースURL tml://www.asahi.com/koshien2004/news/TKY200407060235.html (9年前のニュースです)
真「へぇ、知らなかったです」
P「まぁ無理もないか。2009年を最後に経費節減の為に止めてたキャンペーンだからな」
P「ただ、昨年甲子園で活躍した高校球児が、今年プロ野球で活躍してるだろ」
真「花巻西の大浪くんとか、大阪桜蔭の藤谷くんでしたっけ」
P「そうそう、それもあってかまた高校野球が注目されていることもあって、キャンペーンを復活させたらしい」
P「そしてこのキャンペーンは例年、高校球児と同世代のタレントやアイドルが起用されていてな」
P「過去のキャンペーンガールのラインアップはそうそうたるもんだぞ。リスト、見るか?」 ピラッ
真「うわっ、菅○美穂に上○彩、石○さとみ……一流どころばかりじゃないですか!」
P「そこに、今回人気急上昇のウチの事務所に白羽の矢が立った、ってわけだ」
P「同世代で、とにかく健康的な美少女を、ってとこがイメージにピッタリだったらしいぞ」
真「本当ですか? へへっ、やっりぃ〜!!」
P「さっきまで渋ってたとは思えない喜びっぷりだな、ははっ」
真「だって、リストに載ってた昔のポスター見たらどれもこれも可愛いんですもん」
P「制服姿のポスターがほとんどだな。確かに、今までの真があまり見せなかった姿かもな」
P「それと同時に、今年の『激闘 甲子園』のイメージガールにも選ばれてるぞ」
真「えっ、あのダイジェスト番組ですよね!?」
P「あぁ、リポーターとして、各地の高校の取材もするそうだ」
P「おまけに番組のテーマソングまで担当することになったからな、これから忙しくなるぞ」
真「うわぁ……楽しみだなぁ」
P「さて、忙しくなり始めに、今度記者会見があるからな、しっかり準備しとけよ」
真「はいっ!!」
【事務所】
真「……というわけなんだ」
春香「え〜、いいな〜」
響「自分もやりたかったぞ〜」
真「春香も響もまだ来年があるじゃない、ボクは今年が高校生活最後の夏だったんだからね!」
千早「何はともあれ、おめでたいことね」
雪歩「そうだね。真ちゃん、おめでとう!」
真「へへっ、みんなありがとう! ……でもね」
春香「どうしたの?」
真「いや、やりがいのあるお仕事だとは思うんだけど……ちょっと不安がね」
響「どうしたんだ? 真らしくないぞ?」
真「高校野球のお仕事で球児の取材もするらしいんだけどさ」
真「ボクの場合、身近なところにそういう人たちがいないから……」
千早「あぁ……そういえば」
雪歩「真ちゃん、女子校だったもんね」
真「それで、同じ高校生組のみんなに野球部ってどんな風なのかちょっと聞いてみたくってさ」
響「……と言われてもなぁ」
千早「私はあまり接点が無いし」
春香「私だって、学校に行った日でも授業終わったらすぐこっちだし」
真「2時間かかるんだっけ? それじゃ仕方ないかなぁ。で、雪歩は……」
雪歩「はぅっ! や、野球部って男の人たちだよね……お、男の人怖いよぅ」
真「だよね」
春香「でも、勿体ないなぁ」
千早「何が?」
春香「ほら、雪歩がマネージャーとかやったらすごく似合いそうなのにな、って思って」
響「あ、何だかそれすっごくよく分かるぞ!」
真「確かに確かに。練習終わってヘトヘトのところに、雪歩が『あ、あのぅ……これ飲んでください』ってお茶なんて出されたら」
響「うんうん、何杯でも飲んじゃいそうな気がする」
雪歩「えぇっ!? む、無理だよぉ……私みたいにひんそーでちんちくりんでダメダメじゃマネージャなんてとても出来ないよぅ……」
千早「なんだかそのままグラウンドに穴まで掘っちゃいそうな勢いね」
春香「トンボかけに時間がかかりそうだなぁ」
真「そこへいくと、千早はどうなるだろうね」
千早「えっ? わ、私?」
響「千早がマネージャー……? なんだか想像がつかないぞ」
真「もし、の話だって。この際興味のあるなしはおいといてさ」
春香「きっと、断るに断れずに引き受けちゃうんだよ、『まぁ、なんでもいいですけれど』って言いながらも」
千早「む、昔の話じゃないそれは……」
雪歩「ふふ、そんなこともあったよね。でも、段々頑張るみんなに感情移入しちゃいそうだよね」
響「最後の夏が終わったら、選手以上に号泣しちゃったりして」
真「あぁ、それいいなぁ、すっごく絵になりそう」
千早「も、もういいじゃない///」
野球部スレ?
とりあえず期待
千早「そ、そういう我那覇さんはどうなのよ?」
真「そういえば、プロデューサーが沖縄は野球も盛んだって教えてくれたような」
雪歩「えっ、そうなの?」
真「冬が明けて春になったら、春の甲子園に出る学校が調整の合宿に来たりするんだって」
響「らしいね、沖縄の学校と練習試合したりするって聞いたことあるぞ」
春香「へぇ〜。でも響ちゃんがマネージャーだとどうなるのかな?」
真「夜な夜なみんなの為に必勝祈願の御守とか作ったりするんじゃない?」
雪歩「うわぁ、なんだかそれもすごくいいよね」
響「自分、編み物はするけど、刺繍とか縫い物ってそれとはまったく別物のような気がするぞ?」
春香「みんな、っていうのもいいけど、私的には愛しのキャプテンだけに、ってのもアリだと思うなぁ」
千早「なんだか甘酸っぱくなってきたわね」
千早「そ、そういう我那覇さんはどうなのよ?」
真「そういえば、プロデューサーが沖縄は野球も盛んだって教えてくれたような」
雪歩「えっ、そうなの?」
真「冬が明けて春になったら、春の甲子園に出る学校が調整の合宿に来たりするんだって」
響「らしいね、沖縄の学校と練習試合したりするって聞いたことあるぞ」
春香「へぇ〜。でも響ちゃんがマネージャーだとどうなるのかな?」
真「夜な夜なみんなの為に必勝祈願の御守とか作ったりするんじゃない?」
雪歩「うわぁ、なんだかそれもすごくいいよね」
響「自分、編み物はするけど、刺繍とか縫い物ってそれとはまったく別物のような気がするぞ?」
春香「みんな、っていうのもいいけど、私的には愛しのキャプテンだけに、ってのもアリだと思うなぁ」
千早「なんだか甘酸っぱくなってきたわね」
※ >>14はエラー表示の後で再投稿したら連投扱いになったっぽい すまぬ
響「じ、自分で妄想するのは勝手だけど……一番甘酸っぱそうなのって春香だと思うぞ」
春香「えぇっ!? わ、私が?」
真「あぁ、確かに! なんだか疲れを癒すような甘いもの作ってきそうな気がするよね」
千早「得意のクッキー……じゃ、ちょっと渇いたノドには厳しいかしら」
雪歩「でも、春香ちゃんが何か手作りで持って行くのは間違いないよね」
響「それこそ、さっき春香が言ってたみたいに愛しのキャプテンに、ってのが一番ありそうだぞ」
真「こんな感じ? 『あっ、あのっ、キャプテン! レモンのハチミツ漬けを作ったんですけど……そ、その……食べてくれませんか?』」
千早「あ、甘酸っぱいわね……二重の意味で。ププッ……」
春香「なるほど、それはアリだね……よし、今度プロデューサーさんに……」
真「あ、なんだか変なスイッチが入っちゃったみたい」
千早「でも、もし真がマネージャーだと……」
響「う〜ん、なんか違うんだよなぁ……春香みたいに甘酸っぱい想像はなんだか出来ないというか」
雪歩「真ちゃんの場合、意気投合してお友達になっちゃいそうだよね」
春香「いわゆる、悪友ってことかな。男女間の友情、ってのもいいと思うんだけどね」
真「えぇ〜……そ、そうなっちゃうのかな」
春香「でも、やっぱりうらやましいなぁ、ものすごいビッグチャンスだもん」
響「夏休みとか、宿題やりながら気がついたらテレビつけて高校野球をぼんやり見てたりしてね」
雪歩「うちのお父さんも毎年楽しみにしてたなぁ」
千早「そう考えると、今回のお仕事で老若男女に真を知ってもらえるってことなのよね」
春香「アイドルのことをあまり知らなさそうな人もいっぱいいるもんね」
真「な、なんだかそう考えると、絶対に失敗できないような気がしてきたなぁ……」
ちょっと思いのほか時間かかってしまった
続きは今夜にまた改めて
>>12
それに絡んで、ちょろっとオリキャラみたいなのにご登場願うかも
恋仲にはならん予定なのでご容赦を
おつん。
オリキャラ男ならジュピター補完でおなしゃす
帰宅&再開
>>20
頭捻ってはみるけど、期待には沿えないかも
【数日後】
P「真、最初の取材校が決まったぞ」
真「えっ、どこになったんですか?」
P「ラインアップとしては優勝を目指す強豪校から、復活を目指す古豪、期待の新鋭、そして歴史に幕を下ろす学校……色々あるが」
P「まず最初は無難に強豪校から、ということで」
P「春の優勝校のBL学園からスタートだ」
真「あぁ、あの有名な」
※元ネタの学校は今年またやらかしましたが、当SSとは一切関わりありません あしからず
P「そうだな、やっぱりBL学園といえば投打の両方に超高校級の選手が……」
小鳥「まずはエースの清田くん、抜群のコントロールと投球術で相手を翻弄!」
真「こ、小鳥さん!?」
小鳥「打つ方でもセンス抜群でエースで4番になっててもおかしくなかったの!」
P「だが、その清田をも上回る打棒の持ち主が……」
小鳥「1年生から不動の4番の桑原くん、すぐにプロに行っても通用するって言われてるわ!」
小鳥「甲子園で1試合に3本もホームランを打ったりするパワーはまさに怪物よ!」
真「この二人ならボクも聞いたことありますね」
P「この二人、人呼んで"KKコンビ"だが……」
小鳥「みんなは"桑原×清田"派が多いみたいだけど、あたしは断然"清田×桑原"派なのよね……」
小鳥「ほら、やっぱりエースになるようなピッチャーって我が強いらしいし、きっとタチだと……」
P「とまぁ、野球にあまり興味のない音無さんでも知ってるくらい有名な学校だな」
真「……知っている理由が少し歪んでいたのは気にしないことにしますね」
P「二人以外にもハイレベルな選手が揃い、優勝候補筆頭、春夏連覇待ったなし、って前評判だな」
P「というわけで、今度そこまで取材にいくわけだが、大丈夫か? リポートしたりインタビューしたりって初めてだろ」
真「そりゃ、不安は不安ですけど……なんとかなりますって!」
P「インタビューなんて普段はされる側だからなぁ」
真「そう考えるとなんだか新鮮な感じがしますね」
P「まぁ、自分がインタビューされて感じの良かった人を思い出してやってみればいいんじゃないか?」
真「それもそうですね。よ〜し、頑張るぞっ!!」
【さらに数日後】
P「というわけで、さっそく学校までやってきたぞ」
真「やってきたはいいですけど……ずいぶん早くないですか? まだお昼過ぎですよ?」
P「まぁ、学校にもよるんだろうが、体育科がある高校だと普通の授業は午前中だけで終わるところもあるんだ」
P「午後からは丸々部活に充てているような学校も少なからずあるってことだな」
真「うわぁ……グラウンドに大きな照明塔も立ってますよ!」
P「これが煌々と輝く夜遅くまで練習が続くわけだな。もちろん、朝練だってある」
真「なんだか野球漬け、って感じなんですねぇ」
P「まぁ、ここまで野球だけに集中できる環境もそうそうないと思うけどな。他の部活とグラウンドを分け合ってる学校の方が大多数だろう」
P「まぁ、午後丸々部活、ってのは学生としてはどうなんだ、って声もあるけどな」
P「ただ、勉強で身を立てたいって学生がそういう高校やコースに進んで、他よりハイレベルな勉強をするように」
P「スポーツで身を立てたい、って学生がこんなカリキュラムを組んでいてもいいんじゃないか、とも俺は思うけどな」
真「ボクたちが午後からレッスン、っていうのと似たような感覚なんでしょうか?」
P「捉え方は人それぞれ、だとは思うけどな」
真「あっ、ランニングしてますよ!」
P「さっそく準備運動、ってわけだな。まずはしばらく練習風景を見てもらうぞ」
P「ある程度見学したところでインタビューを録って終了、ってとこだな」
真「はいっ、分かりました!」
カキーン カキーン
真「うわ、ものすごい打球……外野のネットの一番上に当たりましたよ?」
P「時には越えてったりもするらしいぞ……アレでみんな真と同い年か、年下だっていうんだから驚きだよな」
真「なんか、そう考えるとすごいことなんだなぁ、って思っちゃいますね」
P「それは真にも言えることだけどな。同世代から見れば、バリバリのアイドルってのは別世界の人間に感じるかもしれないしな」
真「そういえば、インタビューはまだですか?」
P「そろそろ頃合だな、撮影スタッフの皆さんも用意が出来たらしいからもうすぐだろ」
【インタビュー中】
真「普段の練習でツラい、って思ったことは……」
桑原「そうっすね……」
P(真もなかなかインタビュアーが板についてるじゃないか)
P(今回のインタビューはKKコンビに真を加えて"トリプルK"と題したタイトルになるらしいな)
P(番組の一発目としては結構なインパクトになりそうな気がするぞ)
清田「……っすかね」
真「どうもありがとうございました、最後に一つ、いいですか?」
P(ん?)
真「あの……二人と対戦、してみたいんですけど」
P「えっ」
P「ちょちょちょ、ストップストップ! カメラ止めてくださいっ!!」
真「あっ、何で止めちゃうんですか、プロデューサー……」
P「当たり前だろ……二人と、ってことは投げたり打ったりするわけじゃないか」
真「何か問題が?」
P「あのな……もし打球や投球が顔や体に当たってみろ……大ケガじゃ済まなくなるかもしれないんだぞ?」
桑原「俺らなら大丈夫っすよ?」
P「え?」
清田「間違ってもそんなことにはなりませんから」
真「ホラ、二人もそう言ってくれてますし、番組的にもきっと面白くなりますって!」
P「う、う〜ん……万一の事を思えば俺はうん、とは言いづらいが……そこまで言うんなら」
真「ホントですか!? へへっ、やってやるぞ〜!」
ちょっと眠気が限界です
明日は休みなので、日中を使ってまた続きを投下します
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