女の子達が漫画について語るだけのSS (6)

女の子達が漫画について語るだけのSS


漫画研究部 部室

ガラガラガラッ

後輩「おはようございま~す。あ、先輩達もう来てた」

金髪「うーっす」

眼鏡「おはようございます。後輩さん」

後輩「あー!金髪先輩ワンピース最新巻読んでる!あとで見せてくださいっ」

金髪「ん…いいけど」

後輩「ワンピース面白いですよね~、先輩」

金髪「うん」

眼鏡「ワンピースですか…確かに一般受けする漫画作品としては良く出来ています。が、反面連載の長期化に伴う中弛みや読者の年齢の変化等で「もういいや」という気持ちにさせてしまい途中で脱落してしまう者が多いのもまた事実。いくら素晴らしい作品とはいえ無闇に長い間続ければいいという訳ではないと思います。あとは…」

金髪(やべ、話長くなりそうだ)

後輩(この人一度スイッチ入るとなかなか止まらないんだよなぁ…)

ガラガラガラッ!!

部長「それでもいいじゃない!ワンピース面白いんだから!!」

後輩「部長!!」

眼鏡「部長…おはようございます。しかし…」



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部長「眼鏡ちゃん…貴女、昔はワンピースの大ファンだったじゃない」

眼鏡「今でも毎週欠かさず読んでいますよ。ですが、長い間見続けていれば不満も出てきます。好きだからこそ許せないものもあります」

部長「それは分かるわ…ぶっちゃけ貴女の言ってることも同意なんだけども、でも…何か大事な事を忘れていないかしら?」

眼鏡「え?」

部長「それでも貴女が見続ける理由はやっぱり好きだからでしょう?私もそう」

部長「そしてここには私達みたいにひねくれた見方をせず純粋に漫画を楽しんでる子もいるの(金髪ちゃんと後輩ちゃん)」

部長「漫画なんてジャンプかサンデーくらいしか知らないのに漫画オタクを名乗ってる可愛い後輩ちゃんに…」

後輩「それ褒めてますか…!?」

部長「いかつい顔に似合わず怖がりでうしおととらの衾をみてマジ泣きして一日寝れなかった可愛い金髪ちゃん」

金髪「おいコラそれ言うなって…!」

部長「そんな純粋な目で見てる読者にはね、貴女のさっきの長台詞はただの怖い人しか見えないの。読者は貴女だけじゃないの」

眼鏡「…!」

部長「貴女も思い出しなさい…純粋な目で素直にワンピースやNARUTOを楽しんでいた頃を…」

眼鏡「…そうですね…すみません。私も興奮し過ぎていました」

眼鏡「もう少し純粋な気持ちで、楽しもうと思います」

部長「ふっ…これで解決ね」

後輩(ものすごく無理矢理な気がしたけど…)

金髪(まあいいや…)

部長「さて、では落ち着いたところで~、部活動を始めまーす」

眼鏡「今日は何について語りますか?部長」

漫画研究部では一日に一回漫画1作品について部員同士で語り合う

金髪「つーかさー、ウチだらだら漫画読めるかと思ってこの部活入ったのに語り合いとか面倒くせえんだけど」

部長「あのね、漫画だらだら読むだけなんて部活とは言えないから」

後輩「私は好きですよ、色々な漫画を知れて楽しいです!」

金髪「…まあそうだな…」


部長「あんた後輩ちゃんには優しいわよね。ていうか、それなら自宅でポテチ食いながらでも出来るでしょ?」

金髪「いや、ポテチ食いながらは読まないけど…本汚れたら嫌だし」

部長「あら、意外としっかり者!?」

眼鏡「部長は色々な漫画を持っているから借りるのは楽しいのですが、たまにお菓子の欠片が挟まってたりするのが嫌です」

金髪「…」

後輩「わ、わ、私も…お菓子好きですよ!お菓子食べてから漫画読んでますよ!」

金髪「それフォローになってない」

部長「さ~っ!!話を戻そう!ええー、最近はマイナー寄りな漫画ばっか話してたからメジャーものを行ってみよう!!」

部長「今日のテーマは…進撃の巨人!!」

眼鏡「そういえば進撃の巨人はまだ話していませんでしたね」

部長「さて、進撃の巨人なら二人も見たことはあるでしょう?」

後輩「はい、アニメの範囲まで持ってるけど面白いです!」

金髪「まあ…」

部長「この進撃の巨人、まず面白いところはね…」

部長「ストーリーの説明に個人差がある」

金髪「…どゆこと?」

部長「まず貴女、進撃の巨人のストーリーを説明しなさい」

金髪「え、っと…巨人に食べられて全滅しかけて壁を作った人間と巨人が戦って巨人を全滅させる話でしょ?人が食べられて悪趣味だから途中までしか読んでないけど」

部長「あー、うん。わかった。たぶんかなり序盤しか見てないわね、5巻前後くらい?」

金髪「え!?あ、当たってるけど…」

部長「次は後輩ちゃん」

後輩「ら、ライナーが…ハンネスさんが…」グスッ

部長「うん、その範囲ならそこにショック受けるのはわかるけど…ストーリーの説明してね?」

後輩「敵側も主人公側も子供達の悲劇の運命を描いた物語です!」

金髪「…は?」

部長「次、最新まで見てる眼鏡ちゃん」

眼鏡「エルディア人同士の哀しき戦いを描いた物語であり、エルディア人の自由と解放を目指すための話であります」

金髪「はああ!?」

部長「と、このように読んでる巻数に応じてストーリーの説明も変わるのです。しかも大幅に」

部長「ちなみに眼鏡ちゃんの説明はしっかり一巻からのストーリー解説になってます」

金髪「な…訳がわからない…」

後輩「エルディア人ってなんですか?」

眼鏡「気にしないでください。先まで読めばわかります」

金髪「あと…進撃の巨人のおまけページみたいなとこにある、現在公開可能な情報ってのもなんだかめんどくさくて嫌なんですよ。『どうだ、こんな設定もあるんだよ。覚えないと駄目だぞー』って感じで」

後輩「え?そんなのありましたっけ?」

金髪「え?」

部長「あー、あれね。実を言うと私は全く見てないわ。でも23巻まで読んでて全く困ったことはないわよ」

眼鏡「私は隅々まで見たい派ですから見ましたが…別に見なくても大丈夫ですよ。本当にただの裏設定的なオマケですから」

金髪「そうだったのか…てっきり情報量の多いごちゃごちゃした漫画だと…」

眼鏡「まあ…情報量の多いごちゃごちゃした漫画なのは否定できませんが」

部長「でもあれ、過程が複雑そうに描かれてるだけで謎が明かされたあと冷静に整理すると意外と分かりやすくて単純なのよ。ネタバレになったら悪いから詳しくは言わないけど」

金髪「もう一度読んでみるかな…」

部長「うん。あなた鋼の錬金術師は読んだことあるよね?」

金髪「え?うん」

部長「現在公開可能な情報なんてカッコつけた言い方してるけどね…」

部長「あれはもう、ハガレンの最後のオマケギャグ4コマと同じよ!それぐらいの気分でいなさい!」バーン!

眼鏡「いやその例えは極端でしょう部長…それなら巻末の嘘予告がありますし」

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