鷺沢文香は読書に夢中 (22)


これはモバマスssです


「ただいま戻りましたー」

 本日の業務を終え事務所の部屋へと戻るも、俺のただいまに反応する声は返ってこなかった。

 既にちひろさんは帰ってしまったのだろうか。
 窓の外を見れば、まだ18時だというのに真っ暗だ。
 この寒い季節、更に寒くなる遅い時間にならないうちに帰ろうとするのと当たり前の事かもしれない。
 電気と暖房を点けっぱなしにしておくなんてちひろさんらしくないな……などと考えながら、俺は帰るために暖房を消そうとして……

「うぉっ?!」

 ソファで本を読んでいる文香を見つけ、一瞬跳び上がった。

 誰も居ないと思っていた時に人を見つけた驚きはなかなかのものだろう。
 成人男性として情けない声を出してしまった。
 けれど文香はそれに気付くことなく、本のページを捲る手を止めない。
 それはそれで少し寂しくなる。

 そう言えばどんな環境でも本に集中出来る、と言うのが文香の特技だか習性だった気がする。

 噂程度に聞いていたが本当だった様だ。
 そして、だとしたらちひろさんが電気と暖房を点けっぱなしにしていたのも納得出来る。
 もしかしたら、文香は俺が帰ってくるのを待っていてくれたのだろうか。
 それとも単純に、本に集中し過ぎて帰っていないだけなのだろうか。



「おーい、文香ー」

 ……反応は無い。

 それほどまでに、文香の集中力は凄いということだろう。
 本の世界に没頭している時、彼女はここまで外の世界をシャットアウト出来るのか。
 こうなると、この集中力がどのくらい強いのか試したくなってくる。
 声を掛けた程度ではダメ、となると……

 ぽんぽん、と軽く背後から肩を叩いてみる。
 ……反応は無い。
 ぎゅっ、と両肩を肩を揉んでみる。
 ……それでもまだ、反応は無い。

 凄いな、本人に直接触れているのに無反応だとは。
 サラサラした綺麗な髪を撫でながら、どうやったら気付いて貰えるか考えた。
 流石に本を取ったり視界を塞げば気付くだろうが、そうした時不機嫌になられても困る。
 さて、どうしたものか……

 ……ん?と。
 俺は一つの考えに至った。



 今なら、どんなイタズラをしても気付かれないんじゃないだろうか。
 今なら、少し危ないラインのボディタッチもバレずに済むんじゃないだろうか。
 具体的に言うと、胸とか触っちゃっても大丈夫なんじゃないだろうか?と言うことではあるが。
 本来ならダメと分かっていても、バレないなら良いんじゃないか?的思考が俺の良識を鈍らせる。

「……」

 文香の肩に乗せていた手を少しずつずらしてゆく。
 二の腕へ、横肋骨へ、そして。
 ふー……と息をついて。
 文香の数値通りとは思えない豊満なそれに、胸と二の腕の間から軽く触れてみた。
 
 ……ワンダフル。
 少し触れただけでわかる。
 これは……世界だ。
 世界が詰め込まれている。

 マシュマロのような感触が癖になり、何度もむにゅむにゅと指で押す。
 セーターと下着の上からでも柔らかさが分かるなんて……もし直接触ったら、一体どんな感触がするのだろうか。
 気になる、非常に気になる。
 一度走り出した好奇心は止まらず、俺の理性なんて吹き飛ばした。

 文香のセーターの下から手を入れ、下着越しに両胸を下からすくう。
 掌から溢れるほど質量感のあるそれが、より一層俺を興奮させる。
 文香はまだ本から目を離さない。
 ならば、もう少し……



 下着の下から指を滑り込ませ、文香の下乳に直接指を当てた。
 温かく柔らかい、頬とも違う感触。
 それを何度か指で揉んだ後、俺は片手でブラのホックを外す。
 そして……

 むぎゅ

「……んんっ!」

 掌全体で、文香の胸を堪能した。
 小指と薬指で下から持ち上げ、人差し指でその頂点を押す。
 流石に文香も反応するかと思ったが、未だ彼女の視線は本から外れない。
 もっと、色々としても大丈夫そうだ。

 再び両手で彼女の両胸に当てがい、少し強めに揉みしだいてみる。
 むにゅむにゅと形を変えて、少しずつ熱を帯びる。
 少し湿ってきているのは彼女の汗だろうか。
 そんな事は御構い無しに、俺は両手を使って乳首を弾きつつぐにぐにと揉んだ。

「……んぁ……ん……っ!」

 人差し指と中指で、先端を執拗に弄る。
 その度クネクネと身体を攀じらせるが、それでも文香は本から手を離さない。
 柔らかすぎるその両胸に指を沈み込ませて堪能し。
 時に軽くなぞり、時に強く押し込む。

 少しずつ文香の吐息が荒くなってきた。
 それでも、彼女は此方に気付かない。
 いや、もしかしたら気付いているのかもしれない。
 それなのに、何も言ってこないと言う事は……



「んんっ~~っ!……んっ!んはぁ……っ!」

 先端を摘んで、更に全体を強く揉む。
 スリスリと擦って刺激を加えてくすぐったさと気持ち良さを与える。
 どんどんと指の動きは速くなり、無我夢中で俺は文香の両胸を攻めた。
 そして……

「~~っ!!んんっぁっ!!」

 ビクンッ!と一度大きく文香の身体が跳ねた。

 ……流石にバレてしまっているだろう。
 幾ら何でも取り繕い切れないし、俺も言い訳の余地はない。
 勢いに任せてとんでもない事をしてしまった気がする。
 謝罪程度では済まされないだろうな。

「……文香、その……」

「……」

 一瞬だけ文香と目があう。

 けれど。
 文香は再び、両手に抱えた本に視線を移した。
 もしかしたら……
 先ほどの物欲しそうな視線は……

 俺の理性は、粉微塵に破壊された。
 実質合意なのだとしたら。
 彼女が『次』を求めているのだとしたら。
 ここで止まる理由なんてないだろう。




 文香の視線を妨げない様に、彼女を持ち上げ太もも上に乗せる。
 所謂対面座位の体をとり、ロングスカートを捲り上げてソコへと指を伸ばした。 

 くちゅ

 既に、下着越しでも分かるくらい湿っていた。
 一度絶頂を迎えているからだとは思うが、幾ら何でも濡れ過ぎじゃないだろうか。
 イヤらしいシミを作っている彼女の秘部を、下着越しに軽く撫でた。
 優しくなぞった、それだけなのに。

「んっ……っ!」

 文香の肩が跳ねる。
 どうやらかなり感じやすい体質な様だ。
 周りを指でなぞり、ソコの食い込みを上下に擦る。
 どんどんと溢れる彼女の愛液を潤滑油として、更に擦る速度を上げた。
 
 さて……

 指を彼女の下着に潜り込ませ、彼女の秘部を直接触った。
 既に見なくても分かるくらい手がビショビショに濡れている。
 下着とソコにテラテラと光る糸がかかり、その光景がより俺を興奮させた。
 入り口部分の肉を、人差し指と中指で開く様に弄る。




「んっ……んぁっ!……んふぅ……っ!」

 文香が本を強く握りしめているのが分かる。
 吐息も先ほど以上に荒い。
 それでも何も言ってこない。
 むしろ、早く早くと急かされている様だ。

 上下にスライドさせる動きをやめ中指をその膣内へと挿入すると、急に締め付けが強くなり指が抜けなくなる。
 仕方がないので第二関節を上向きに曲がる。
 追加で垂れてくる粘性の高い液。
 もう掌は愛液塗れだった。

「ふぅっ……んっ……ぁっ……!」

 少しキツイかなと思いながらも、俺は更に人差し指も挿し込んだ。
 きついながらも、ぬるぬるなおかげでもう動きには困らない。
 だらしなく下の口から蜜を垂らす文香。
 もっと強い刺激を、もっと快感を与えたい。

 ピンッ

「んっっっ~っ!!んんっ!んぁっ!んっ……っ!」

 親指で陰核を弾いて押した。
 文香の手がぷるぷると震えて押し寄せる快楽の波に耐えている。
 だが、そろそろ限界らしい。
 不規則に吐く吐息が絶え間なく続く。

 ぐいっ、ぐいっ
 彼女のキモチイイ部分を、二本の指で何度も強く刺激した。
 そして……

「んぁっ!!んぁぁぁぁっっ~~っっ!!」

 破廉恥な声を晒し、彼女の身体が俺へともたれ掛かってきた。
 未だに痙攣を続ける膣内の動きが指に伝わってくる。
 流石にそろそろ終わりだろうか。
 そう思ったが、文香はそれでも本から視線を外そうとはしなかった。



「……いいんだな?」

「っ……!……」

 最後のライン。
 それでも、やはり文香は変わらない。

 ならば……

 俺はズボンのジッパーを下ろし、硬く上を向くソレを取り出した。
 一瞬文香が息を飲む音が聞こえる。
 既に俺の方も準備万端な様で、先端は少しカウパーによってコーティングされていた。
 あとは、これを……

 文香の両脇に腕を通し、少しだけ持ち上げ手前によせて。
 お互いの性器を、直接触れ合わせた。

「……ふぅー……んっ……」

 そして。
 彼女の身体を、ゆっくり少しずつ下ろす。
 



「んっぁっ!んあぁっっ!」

 俺の付け根が、文香の太ももへと密着する。
 一番奥まで届くと、かなり大きい文香の愛嬌が漏れ出た。
 ぬるぬるで気持ちが良く、油断したら一瞬で出てしまいそうだ。
 まだ動いていないのに、彼女の膣内は形を変えて俺に刺激を与えてきている。
 
 しばらく軽い前後のグライドで彼女の身体を慣らす。
 その必要があるか分からないくらい膣内はぬるぬるに濡れているが、念には念を。
 彼女には、耐えてもらわなければいけないのだから。
 ずっと本に視線を向けていてもらわなければならないのだから。

 ぐいっ

 少しだけ、更に奥へと押し込む動きをした。
 際限なく刺激を求めるように、膣内が動いて反応をする。
 やさしく、小刻みに。
 それでいて確かな刺激を与え続けると、彼女の肩が再び大きく跳ねた。




 そろそろ、動いて大丈夫だろうか。

 そう判断した俺は、少しずつ動きを大きくした。
 腰を軽く引き、下から突き上げる。
 ぱんっ、と小気味良い音が文香のスカートの中に響く。
 締め付けが一層強くなるが、もう抽送に問題はない。

「んっ!んぁっ!あっぅんっ!んっぁっ!」

 連続して腰を振ると、文香はもう抑えられなくなった愛嬌を連続して漏らす。
 ぬちゅぬちゅと下品な音を立てて秘部がぶつかりあい、更に音を大きくさせる。
 既に文香の本をめくる手は止まっていた。
 視線だけは何とか保とうとしているが、それでも時折宙を向く。

 ぱんっ、ぱんっ

 今文香のスカートの中は物凄いことになっているだろう。
 軽く捲り上げると、それだけで卑猥な香りがただよってきた。
 それが更に俺を昂らせ、どんどんと動きを強くする。
 快感に耐えられなくなった文香がもたれ掛かってくるが、すると更に奥が刺激されて身体を跳ねさせる。



「んんあっ……んっぁ!ぁっ!あっぅっ!!んぅっあっ!!」

 何度も何度も抜き挿しを繰り返し、お互いの快感を高め合う
 ぬるぬる過ぎて抜けそうになった男根を無理やりぐいっと挿し入れると、かなり手前の方を押してしまった。

「んあっっ~っんっ!!んぁぁっ!!!」

 先ほど指で押してる時もそうだったが、この辺りが文香の弱いところらしい。
 ソコを重点的に突く動きに変えて、更に執拗に攻めたてる。
 ゴリゴリと膣壁を抉り、壊れてしまうんじゃないかと言うほど乱れた。
 何度も痙攣を繰り返し、文香はもう意識を保つのでようやくくらいになっている。

「ふぅっ……んっ!んはぁ……んぁっ!んっっ!」

 それでも耐えようとしている文香が、堪らなく愛おしい。
 でも、そろそろ俺も限界だった。

 むにゅり

「んゃぁあっ!ぁあぁっ!!」

 両手で文香の胸を揉む。
 先端の綺麗なピンクを摘みながら、全体を強く揉みしだく。



 ぎゅぅぅっ!

 膣内の蠢動きが痙攣ばかりに変わる。
 そして一気に彼女の膣内が激しく締まった。
 俺の脳ももうぐちゃぐちゃになり、ただしい思考が出来ない。
 押し寄せる波に逆らう事なく、何度も一番奥を突き上げ。

 一気に、溜め込んでいた精を注ぎ込んだ。

「あぁっ!んぁぁぁあっっっっ!んんんっっっ~~っっ!!」

 何度も繰り返される痙攣に、残っていた精も全て吸い出される。

「……ふぅ……んっ……んぁ……」

 トロンとしたその目は、もう本を見てはいない。

 しばらく俺たちは、そのまま抱き合っていた。






「……あ、プロデューサーさん……その、お疲れ様です」

「ん、あ、あぁ。お疲れ様、文香」

 彼女としては、一応読書していて気付かなかったと言う体をとるつもりらしい。
 いかんせん無理があると思うが、彼女の尊厳の為にのっておこう。

「私、読書をしていると他の事に気付かなくて……」

 実際、最初に肩を揉んでいた時は気付いてなかったのだろう。

「ですから……その……」

 一瞬だけ躊躇い、頬を赤くそめて。
 文香は更に、言葉を続けた。

「また、私が本を読んでいる時は……私は、絶対に気付きませんから……」



以上です
二作目ですが、如何だったでしょうか
お付き合い、ありがとうございました

前作です、よろしければ是非
鷹富士茄子「煩悩塗れの大晦日」
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