女「バンド組もうよ!!」 男「・・・(またけいおんの影響か・・・)」(183)


女「バンドとかちょーかっこいいよね!」

男「(・・・はいはいそうですね)」

女友「でも難しそうじゃない?ギターとかってすごいめんどくさそう」

女「大丈夫だよ!唯ちゃんだって高一から始めても大丈夫だったんだし」

男「(いや・・・あれは漫画の世界であって)」

女友「マジ?じゃ女ギターやってね。うちボーカルやるから」

女「えー!ずるーい私もボーカルやりたーい!」

男(・・・・・・相変わらずボーカルだけは古今東西人気だよな)


女友「はぁー?それだと女ギター引きながら歌うことになんじゃん。できんの?」

女「んー・・・わかんないけど練習すれば出来るんじゃない?」

男(おいおい・・・寝言はまずギターを弾けるようになってから言いやがれ)

女友「だとしてもずるいじゃん。二つ一緒にやるとか」

女「そっかー。じゃあいいよ!私あずにゃん目指すから」

女友「じゃあ決まりー!」

男(どうして初心者バンドはギターとボーカルから決めたがるんだ?)

女友「他のパートじゃあどうする?」

女「んー?どうしよっか・・・あ、そうだ!男ー!」

男「(うわ・・・きたよ)」

女「男って確か楽器やってたよね」

男「・・・ああ。やってるよ」

女「一緒にバンド組まない?」

女友「えー?こいつ入れるのー?」

女「いいじゃん。経験者いたほうが絶対いいって!」

女友「えー。ガールズバンド目指そうよ!放課後ティータイムだってそうじゃん」

女「あ、そっか。確かにそのほうがかわいいかも」

男「・・・・・・」

男「あのさ・・・」

女「ん?何?」

男「お前らバンド組むのはいいけど。全員初心者って一番グダる典型的パターンだぞ?」

女友「え?そうなん?」

男「どうせお前ら音符の長さとかもわかんないだろ?」

女「長さ?なにそれ」

男「・・・・・・」

女友「あれじゃない?オタマジャクシの縦の長さとか?」

女「えー?あの長さって法則があるのー?」

男「・・・・・・」

女友「てかさーそういう音楽の知識って本読めばなんとかなるっしょー」

女「だよねー。それよりメンバー集めだよ。どうする?他に経験者いるかなー」

女友「あ、うち友達で楽器持ってるって子知ってるよー。他校だけど」

女「マジ?ちょっといま電話してよ」

男(他校・・・・・・典型的なダメパターンだろ・・・)

女友「もしもし?ギャル子?」

ギャル子『もしもーし!女友?おっ久ー!」

女友「久しぶりー!元気してたー?」

ギャル子「ビミョー・・・うち、彼氏と別れちゃって」

女友「えー!マジ!なんで?」

ギャル子『あいつの浮気だよ浮気』

女友「はぁー?それひどくね?」

男「・・・・・・(早くしろよ)」

女友「そういやさー。ギャル子楽器持ってなかった?」

ギャル『あーもってるよ。元彼んだけど』

女友「なんだっけ?ベースとか?」

ギャル『いや、ギター』

女友「あー・・・そっか・・・」チラ

女「えー、ギターなの?あたしとかぶるじゃん」

男(・・・・・・)

女「まあ放課後ティータイムもギター二人だし別にいいよね」

女友「ギャル子ーあとさー。あんたの友達に楽器やってる子いない?」

ギャル子『えー?あーそういえばいたねー。ちょっと待って・・・・ギャル美ー!!あんた楽器やってなかった?』

女友「・・・・・・」ソワソワ

男(嫌な予感しかしない)

ギャル子『えー?ギター?了解ー!あ・・・女友?ギター持ってる子ならいるよ』

女友「えー?ギター?」

女「ギター三人かー」

男「(だ・・・だめだ・・・このパターンは・・・)」

女「まあ人数多いことに越したことないし・・・なんとかなるっしょ」

男(無駄に数だけ増えていくギター・・・)

男「女友。一回電話切れ」

女友「え?なんで?」

男「いいから」

女友「ちぇー・・・ギャル子またねー」ピッ

女「どうしたん?男」

男「どうしたもこうしたもない。お前ら本当にバンドやる気あるのか?」

女「えー?あるに決まってんじゃん」

男「だったらギターは一人に絞れ。メンバーが多いってのはそれだけグダりやすいんだぞ」


女友「えー・・・人数いた方がわいわいできるじゃん」

男「そういうのは放課後のマックでやれ。それにお前ら一番大事なパートを忘れてる」

女「やっぱ最初にキーボード決めとくべきだった?ムギちゃん?」

男「違うわ。ドラムとベースだ。こいつらがいないとバンドはお話にならない」

女友「確かにドラムはいないとだめだよねー」

女「うん。でもベースは別にあとでもよくない?」

女友「てかベースって必要なの?澪ちゃんには悪いけどさ。キーボードのほうが絶対要るって」

女「だよねー!なんかベースって存在感薄いし」

男「っ!」ダンッ

女・女友「ひっ」ビクッ

男「ベースのいないバンドはなぁ・・・骨格のないタコといっしょなんだよ」

女「え?」

男「ふにゃふにゃのでろでろだ。意味がわかるか?」

女友「ええと・・・しっかりしてないってこと?」

男「それだけじゃない。いわば、バンドに心臓がないってのとおんなじなんだ」

女「心臓?それ言いすぎじゃない?」

男「マイケルジャクソンは裸足じゃ絶対にムーンウォークはできない・・・わかるな?」

女「なんでマイケルジャクソン?」

男「マイケルジャクソンは革靴を履いていないとそれができないんだよ。つまり」

女友「つまり?」

男「ベースのないバンドは、革靴を履いていないマイケルジャクソンなんだよ!!」ダンッ

女・女友「」ビクッ

女「わ、わかったから!ごめんね男!ベースが重要だってわかったから」

女友「うん、うん!私、ベースなめてたよ!ごめん!」

女「じゃあまずベースから探そうか」

男「その必要はない」

女「え?」

男「女友、お前がベースをやれ」

女友「は?うち?」

女「女友はボーカルだよ男!」

男「お前な・・・先にボーカルから決めるのは愚の骨頂なんだよ」

女友「え?なんで?」

男「確かにボーカルってのはバンドの顔だ。ボーカル次第で売れるか売れないかが決まる」

女友「じゃあ重要じゃん!最初に決めたほうが・・・」

男「だが、たかが高校生の身分のアマチュアバンドの場合話は別だ」

女「ほよ?」

男「初心者バンドで最も重要な点は、売れるか売れないか、人気になれるかどうかじゃない」

男「いかに長く続けられるか。つまり演奏が形になるまでバンドが存続を保っているかどうかだ」

女友「えー?そんなん続くに決まってんじゃん!うちら仲いいしさー。放課後ティータイムだってちゃんと夏の文化祭までに形になってたし」

男「あのな・・・・・・漫画の世界を現実とごっちゃにするな。統計をとってるわけじゃないが、俺の経験上、初心者同士で組んだバンドの半分以上は形になる前にポシャン」

女「えー?嘘だー」

男「いやマジだ。これで俺も割と苦い経験が・・・」

女友「え?どういうこと?」

男「いや、なんでもない。話を戻すよ。俺が言いたいのは、ボーカルよりも優先事項があるってことだ」

男「初期メンバーはまず楽器で固めたほうがいい。ボーカル以前に、バックがいないとバンドが成立しない。だからボーカルよりもまずは他のパートを固めないと。ひとりよがりにやりたいことだけ言ってもだめ」

女友「えー!私歌上手いよー!」

女「そうだよ!女ちゃんカラオケ上手いよー!」

男「(・・・・・・そういう奴に限ってそうでもないという)」

男「ボーカルは割と替えが効くし、一番練習時間が必要ない。そういう意味では、女がギターを弾けるレベルまでなるのに、女友がずっとまっていなきゃいけない羽目になるぞ」

女友「あ、そっかー。歌に関しては歌詞覚えるだけだもんねー」

女「えー!私すぐギター弾けるようになるよー!唯ちゃんだって楽勝だったし」

男「ェ・・・まあいいや。ともかく、女友がベースをやるのがこの場合最も近道なんだ。いるメンバーで融通しあおう」

男「楽器陣ってさ、結構意思疎通多いから、仲いい奴同士だと続きやすいと思うぞ。ボーカルはあとから引っ張ってくればいいんだよ。一緒に楽器を上手くなっていくのを見せ合うのもすごい楽しいぞ。ボーカルだとそうはいかない」

女友「あ、それいいかも。下手っぴから一緒に高めあっていくみたいな?」

女「おおー!燃えてきたー!」

男(・・・・・・誘導成功)

女友「じゃあうちベースやるよ。澪ちゃん何気かっこいいし」

女「決まりー!男ー!次はー?」

男「え・・・俺の聞くのかそれ・・・まああとはドラムかな。ドラムなー。一番これがきっついんだよなー」

女「え?なんで?」

女友「わかった!ドラムって多分高いんだよきっと」

女「あ、たしかにドラムってなんかごちゃごちゃしてるよねー」

男「まあ大きな理由の一つはそれかな。あとそれに生ドラムは日本の都会とか、家と家の間が狭い土地だと近所迷惑にしかならないし」

女「え?ドラムってそんなうるさいの?太鼓みたいなもんでしょ?」

男「太鼓も十分うるさいだろ・・・今度ドラム触ってみ?おもったより音大きいから。俺も初めて触った時ビビった」

男「まあ最近じゃあ割と安価な電子ドラムもあるけど」

女友「電子ドラム?なにそれ」

男「ドラムパッドを叩くと電気信号を伝ってヘッドホンとかスピーカーから音を出すドラムだよ。ドラムってか機械に近いけど。これだと音がほとんど周りに伝わらないから、近所迷惑にならないし」

女「あっあれでしょ!ドラムマニアみたいなやつ!」

男「ああ、イメージはあれに似てるな。ただ安いやつ買うとすぐ壊れるから気をつけたほうがいいかもしれないな。ドラムパッドの作りが雑なのとかあるらしいし」

女「ふーん。でもそれも幅とるんじゃない?」

男「間違いなく幅とるな。俺の部屋に置いたら邪魔すぎて発狂しそうになる」

女友「え?そんなに幅取るの!」

女「あっ・・・女友。自分の部屋基準で考えないほうがいいかも」

男「ん?」

女「女友の部屋って犬が全速力で駆け回れるくらいの大きさはあるから」

男「あっ・・・そう」ショボン

女友「なんかバンドって難しそうだねー」

女「やっぱ止めとこっか?」

女友「うん止め止め」

女「あ、明日カラオケ行かない?」

女友「あー行く行く!!」

男「…」

こうなんだろ最後

女友「じゃあどうやってドラム練習するの?お金もないし置く場所もない人は」

男「(急にイヤミに聞こえ始めてきたぞ・・・)そ、そうだな。俺の周りは基本スタジオを個人練習で借りて練習してるよ」

女「スタジオ?何それテレビ番組作るの?」

男「ああ・・・普通はそう思うのね・・・スタジオはスタジオでも、バンドとか楽器を練習するようのスタジオってのがあってね・・・」

女友「あ!知ってる!けいおんであったじゃん!唯達が練習しに行く回」

女「あ・・・そういえばあったね。わすれてた」テヘペロ

男「そのスタジオにはギターとかベースはないけど、ドラムはおいてあるんだよ。ドラム買う余裕なかったりする人は大体スタジオ借りて触るのが初めてのが多いかも」

女「へぇー、じゃあスタジオ借りれば私でもドラムさわれるんだー!それって買うよりお得じゃない?」

女友「確かに!練習したいときにスタジオ行けば、買うより安上がりだよねー」

男「いやいや・・・そうでもないぞ。だって借りるっても時間制限あるし。納得のいく練習してないのに時間が来てハイ終了ってこともあるし・・・なにより、スタジオって予約制のところがほとんどだから、ほかの人との兼ね合いもあって
なかなか思うように借りれなかったりするぞ」

女「ああ・・・そっか」

男「特に文化祭シーズンはだだ混みだな。一週間前から練習したい高校生バンドが放課後に鬼のように予約殺到するし」

男「そういう意味じゃ自分の家にドラム持ってるってのは相当なアドバンテージなんだ。そんな金も場所もある奴なかなかいない。だから練習時間が取れない。だからドラムやる人ってのは相対的に少ない」

女友「なるほど。ギターとかベースやってる人ってたまに聞くけど。ドラムやってる人ってあんまり聞いたことないのはそういう理由か」

男「最も、ドラムはある程度タム・・・ああ、太鼓の場所とか、手の動かし方、足の動かし方をスタジオで一通り習得すれば、どこでも練習が可能なんだ」

女「え?今スタジオでしか練習できないっていったじゃん」

男「ドラムのリズムパターンをある程度習得すると、スティックさえあれば、目の前にドラムがあると仮定して手の振り、足の動かし方だけは練習できるだろ?例えばこういう風にジャンプを机に配置して・・・よっ」スティック タンタン

女「あ、そうやってジャンプをドラムに見立てるんだ。・・・自分の膝も叩いてるよ・・・いたそー。」

女友「なるほど、自分で太鼓の場所を設定して、叩いて実際に音を鳴らしてるみるふりをするのね」

男「上級者は頭の中でちゃんとした音が鳴ってるからいいのさ。これなら椅子と、足と手を自由に動かせる場所なら、ドラムの手の動きや足の動きを確認したりできる」

男(まあ・・・たまに公衆の面前でドラムの練習してる俺カッケー的な奴がいるんだけどな・・・)

女「へー・・・そういう意味じゃドラムってやっぱり安上がりじゃん」

男「まあ、つってもドラムは形になるまでがハードだからな・・・一回スタジオ借りて、ほいできたってのはまずないし・・・練習時間はとれないし・・・」

男「やっぱりドラムもってるやつには適わない。そういう意味じゃ、一番初心者がバンド挫折する理由はドラムなのかもな。ドラムをちゃんと叩ける人が見つからないのさ」

女友「へー。てことはさ。ドラム持ってればいいんだよね」

男「へ?」

女「・・・あ。まさか女友」

女友「うち部屋にドラム多分おけるよ?壁防音だし。それでドラムやる子をうちに呼んで練習させればいいじゃん!!あたしあったまいいー!逆にうちの方がドラム上手くなっちゃたりしてー!ドラムもいいかもー」

女「ああーー!!それいいじゃん!そうしようよ!」

男(うわあ・・・・・・いるよこういう奴・・・練習環境を余裕で解決できる金持ち・・・けれど家にドラム置いてものの結局置物と化奴・・・・・・)

男「まぁ・・・・・・それができるならこしたことはないが・・・ただし絶対バンドはやめるなよ?そこまでする余裕がある人が死ぬほど羨ましい奴だっているんだぞ」

女友「なにムキになってんの?ひょっとして」

女「ああーー!男ー!羨ましいんでしょーー!」

男「ち、ちがわい!だ、誰が練習環境がなくて一人寂しく膝を叩きすぎた結果青痣を作るかっ!べ、別に羨ましくなんか」

女「それはそうとドラムの子どうするー?」

女友「そうだなー・・・委員長にでも頼む?」

男「あの・・・べ、別に俺がやってやってもい、いいんだ」

女「えー?男はなー」

女友「なんかこう・・・違うっていうか・・・ないっていうか」

女「最初誘ったのも気の迷いというか」

男「えー・・・・せっかくこんなに教えたのに・・・それはなくね?」

女「まあ、教えてくれたのことには感謝するけど・・・」

女友「つかうちら別に頼んでなくね?あんたが勝手に語りだしたんじゃん」

女「ちょwwww女友wwwww」

男「・・・・・・」

女友「そんなにうちらのバンドに入りたいなら入れてやってもいいけど?カスタネットとかで」

女「あはははは!それ最高!うんたん!うんたん!」

男「・・・・・・」プルプル

女友「うんたん!うんたん!」

女「うんたんたんたん!うんたん!うんたん!」

男「・・・・・・」ピクピク

女友「一・生!膝・で・も!た・た・い・て・ろ!」

女「あははははははあはっは!」


男「・・・・・・」フイッ

女「あ、それ!一生!童・貞!」

女友「童・貞!矮・小!」

男「・・・・・・」テクテク

ア!ニゲタ! モウイイヨ! ホットコウ!


 ガヤカヤ  ガヤガヤ


男(かわいそうに・・・・・・)テクテク

男(俺と関わったバンドは必ず解散するというジンクスも知らないで・・・)テクテク



END

男(まあ、だから俺もバンド続かないんだけど)

確かに

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