ちひろ「泰葉ちゃんに?」 モバP「おあずけくらわせる」 (39)

ちひろ「何言ってるんですか急に」

P「まあまあ聞いて下さいよちひろさん」

ちひろ「いやいや、そもそもおあずけって何ですか。そんな犬みたいに」

P「そこなんですよ!」

ちひろ「はあ?」

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P「ほら、今の泰葉ってすっかりベッタベタでしょう? まあ、その……俺に対して」

ちひろ「はあ。まあ移籍当時の泰葉ちゃんは見る影も無いですけど」

P「その時の泰葉にシカトなんてしたらどうなると思います?」

ちひろ「まあ無関心……ってところじゃないですか? ドライでしたし」

P「その可能性もあるでしょうね。でも多少は信頼してくれていた面もありましたし、精神の不安定さと相まって相当ヤバいことになるってセンもあり得たでしょう」

ちひろ「どちらにせよロクな結果にはなりませんね」

P「そこで、ですよ」

P「今の泰葉ならどうなるか気になりません?」

ちひろ「ええ……」

P「見たいなあ。ショボくれる泰葉みたいなあ」

ちひろ「そんなしょうもない理由でシカトする気ですか……。大体、そんなんで仕事は出来るんです?」

P「もちろん仕事に支障の無い程度にですよ。それにシカトじゃなく、おあずけです。スキンシップに制限かける程度ですよ」

ちひろ「まったく、いい大人が何言ってんだか……。っていうか、あれだけベッタリならかえってマズいことになるかもしれませんよ?」

P「様子見てマズいようなら切り上げますよ。ギリギリまでは粘りますが」

ちひろ「もう好きにしてください……」


────────


泰葉「……」

ペラ、ペラ・・・


ガチャリ


泰葉「! Pさん」

P「まだ何も言ってないのによく分かったな」

泰葉「分かります、そのくらい。ふふ、貴方のアイドルですから」

P「勉強か?」

泰葉「あ、いえ……ただの読書です」

P「どれ……お、雑誌か」

泰葉「はい。なんか意外って顔してますね」

P「実際ちょっと珍しくないか? ファッション誌か……」

泰葉「ええ。これでもアイドルですから」

P「あー、まあな。それにモデル」

泰葉「ふふ、ですから流行には目を通しておかないと。ちょっと私に合うものは少ないかもしれませんが……」

P「何でも似合うよ、泰葉は」

泰葉「そう言って貰えると嬉しいです。……本当に」

泰葉「Pさんに言ってもらえるのは……やっぱり、特別です」

泰葉「そういうことを言って頂けるような機会は、人より多かったはずなんですけどね」

P「ん……そっか。嬉しいな、俺も」

泰葉「……あの、Pさん。二人きり……です」

泰葉「ちひろさんは別室ですし、内線を繋いでるそうなので電話の心配もないんですって」

泰葉「スケジュールも確認しておきました。……しばらくは、このままですよ」

泰葉「だから……その……いい、ですか?」





P「そのことなんだがな、泰葉」

泰葉「え?」

P「急用が入った。またすぐ出なきゃならないんだ」

泰葉「え、あ、そうなんですか?」

P「はい、コレ! お土産だけ置いておくからな! それじゃ!」


タッタッタ・・・

バタム


泰葉「…………」

泰葉「……仕方ない、よね。忙しい人だから……」

泰葉「…………」

泰葉「お土産……ココアかあ」

泰葉「スケジュール、チェックしてたのにな……」

泰葉「そういうチェックは得意なつもり、だったのに……」


○スタジオ


悠貴「あ、Pさんっ! わざわざ見に来てくれたんですか……って、ええっ!?」

悠貴「ど、どうしたんですか、そんなにやつれた顔してっ!」


P「……いや、何……。思ったより自分にもダメージが来ててな……」ゲッソリ


悠貴「……?」


悠貴「…………?」


────────


ブロロンブロロン


泰葉「車、なんか変わりました?」

P「ああ。その辺は美世に任せっきりなんだが……なんか芸能人仕様にしたとかなんとか」

泰葉「? 高級なパーツにした、とかでしょうか。詳しくないのでよく分かりませんが」

P「あー、いや。そういうんじゃなくてな」

P「乗るときに気付かなかったか? 窓とか変えてあるみたいだが」

泰葉「あー……そういえば真っ暗に見えました」

P「特注のスモークガラスにしてあるそうだ。車検はパスできるのに、まるで中が見えないとかなんとか……」

泰葉「い、一体どういう仕組みで……」

P「まあウチの事務所、めちゃくちゃな財力と科学力があるからな……」

泰葉「そう、なんですか……。車内の様子って外から見えないんですね……」

P「まあそういうことになるな」

泰葉「……」


ブロロンブロロン・・・


泰葉「あ、Pさん。信号変わります」

P「ん、ありがとう」グッ

泰葉「この先渋滞みたいですね」

P「みたいだな」

泰葉「週末だし、かなり混んでるみたいです」

P「ああ、大変だろうなあ」

泰葉「どうしましょう、全然進みそうにないですけど」

P「ん。……丁度良かったな」

泰葉「はい。こんな機会、なかなかないですし…………え?」


泰葉「あれ、ウィンカー?」

P「ああ、丁度良かったよホント。ここで曲がるからさ」

P「渋滞は避けられそうだ。いやあ、ラッキーだったな」

泰葉「え、あ……そう、ですね。はい、ラッキーでした」

P「お、信号変わる」

泰葉「…………」



ブロロンブロロン


○テレビ局


ほたる「あ、Pさん……?」

P「よ、迎えに来たぞ」

ほたる「そうなんですか……。すみません、ありがとうございます」

ほたる(来るなんて言ってなかったのに……ラッキー、なのかな?)

ほたる「助手席……あ、泰葉さん」

泰葉「お疲れさま。ゆっくり休んでてね」

ほたる「は、はい……」


泰葉(…………)ムスー


────────


泰葉「はあ……」

泰葉(最近、なんだか上手くいかないっていうか……)

泰葉(すれ違ってる、ような……)

周子「ん、どしたん?」

泰葉「あ、周子さん……」

周子「おひさー。最近忙しいからねー、お互い」

周子「ため息なんてめずらし……くはないか。って言ったら怒る?」

泰葉「いえ、あまり否定できないかもしれませんね。どうも調子がよくないみたいで……」

周子「そっかそっか。でもまあ具合が悪いっていうよりは……欲求不満?」

泰葉「よ、欲求――!?」

泰葉「い、いえ、そういうのではなくて!」

周子「あれ、図星?」

泰葉「ち、違います! ただちょっと寂しいだけで、そんな、その……カラダの話では……」

周子「……ふーん」ニヨニヨ

周子「おねーさんに相談してみる? 今ならたった一食オゴってくれるだけで――」

泰葉「いいんですかっ」

周子「い、いやいや冗談冗談。年下からごはんタカらないってば」

泰葉「でも、私の方が先輩ですし……!」

周子「まあ落ち着きなって。ほら、Pさんそろそろ帰ってくるんと違う?」

泰葉「え、あ……そんな時間ですね」

周子「じゃ、しゅーこおねーさんはここらでクールに去ろっかね」

泰葉「い、いえ! そんな気遣いは別に……いや、うーん……」


ガチャリ

P「ふぃー、ただいま戻りましたー」

泰葉「っ! Pさんお帰りなさい」テテテ

周子(おーおー、わんこみたいに……)

周子「おかえりー」

P「おお、二人ともお疲れさん。この後は……帰るだけか?」

泰葉「はい。Pさんも今日はすぐ上がり、ですよね?」

P「んー……まあ、な」

周子「あれ、なんか歯切れ悪くない? ほら、泰葉が何か言いたいことありそうだけど」

泰葉「周子さん!?」

P「どした?」

泰葉「いえ、あの……ただ、お仕事が終わるまで待っていようかな、と……」

P「……あー」

泰葉「そこまで遅くならないようですし、寮の門限ならまだ大丈夫ですから――」

P「すまん、泰葉!」

泰葉「……はい?」

P「この後飲みに行かなきゃならなくなった! お偉いさんに気に入られててな、上手くやればお前達の今後の仕事にも繋がる大事な用件なんだ!」

泰葉「は、はあ……そういうことなら、仕方ないですね。分かりました……」

周子「ズルいなー。あたしも仕事でごはん行きたーい」

P「悪い! ってな訳で仕事早く済ませなきゃならん!」



ドタドタ・・・



泰葉「……」シュン

周子「……ドンマイ?」


○某料理店


グビグビ


「おお、今日はいつにも増して飲んでるねえ」

P「はいっ! お、コレなんかどうです? ウチのお嬢様組から聞いたんです」

「そりゃ期待できるなあ。君がそう言って勧める店にはハズレが無いからね。いやあ、君のところのアイドル達は幅広くて良い」

P「ははは、どんなシチュエーションにも対応できるってのが自慢ですから」グビグビ


P(そろそろおあずけはやめとくか。しょんぼりする泰葉は十分楽しんだし、何よりこっちの身が持たん……)



────────


○女子寮


周子「まあそう落ち込まないでさ」

泰葉「だって……もうこれで一体何度目ですか? いつも『ここ!』ってタイミングで……」

周子「よーしよし聞いたげよう。今夜は夜更かししちゃう?」

泰葉「い、いえ、それは……」

周子「まーまー」


────────


────────

────────────



P「あー、ヤケ起こすもんじゃあねえな……」

P「肝臓はかなり鍛えられたつもりだったんだが……あー久しぶりに飲み過ぎた……」

P「なんで帰ろうとして事務所に来てんだろ俺……」

P「……しゃーない、このまま事務所で寝るか……」


ゴロン


P「……スカー…………」


────────


カチャリ・・・


泰葉「やっぱり、ここにいた……」

泰葉「酔ったらわざわざ事務所まで戻ってきて眠るって本当だったんですね……」


P「……ンー…………」


泰葉「……はあ、本当にぐっすり寝てますね」

泰葉「ちひろさんが洗いざらい話してくれましたよ。まさか、そんな理由で振り回されてたなんて……」

泰葉「子供みたいに……うりうり」


グリグリ


P「グム……ンー……」


泰葉「まったく、律儀に本当に飲みに行っちゃって……。ま、ヤケ酒も兼ねてたんでしょうけど」

泰葉「はーあ。私、門限破っちゃいました……夜更かしもしちゃいました」

泰葉「誰のせいだと思ってるんですか? まったくもう……もうっ」


ぺし


P「……カー…………」


泰葉「本当に起きませんね……。寝たふりくらいなら見抜けるつもりなんですが……」

泰葉「ただの芝居じゃバレるから、わざわざ全部実行してたのかな……?」


泰葉「ともかく、本当に起きないならイタズラしちゃいますからね……?」

泰葉「こっちだって収まりつかないんですから……誰かさんのせいで」

泰葉「何度も何度も良い所で……」

泰葉「悪いのはPさんなんですから……」



カチャカチャ・・・


ズル・・・


ズル・・・




――じゅるっ、れる、れろ……


はぁぁ…む、ん……


んぐっ、んっ……じゅるる……


んじゅる……ちゅぽっ……れろ……


ぷあっ……はむっ……んっ……


んー……じゅる……れる……んぐっ……ちゅるるる……



――音、立てすぎたかな……?

――起きてないよね……? 疲れてるみたいだし……起こしちゃ悪いかな……



――はむっ……ん……



────────

────────────



ほたる(……昨日の夜中に誰か出て行ったような気がしたけど……)

悠貴「……よく寝てますね。二人、ぴったりくっついて……」

周子「うわー、まさかマジで実行した……?」

悠貴「……? 何をですかっ?」

ほたる「え、それってまさか……」

周子「んー……ノーコメント」

悠貴「…………?」

ほたる「あ、あわわ……」カアアアア




P「ンー…………ンガ…………」zzz...

泰葉「すう……すう……」



別に何をしたかは言ってないからセーフだろ!!
何かを脱がして何かをしゃぶっただけだろ!!!!
じゃあ何をしゃぶったか?
言う訳無いだろ!!!!
健全だろ!!!!!!!!!


以上! 解散!!


この手のSS何本かやったけどどれか動画化してみたいなあ……とか思ったり(小声)
効果音とか音声ネタは伝わりにくいしね

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