【ミリマス】周防桃子「モモコの日記」 (20)
〇月〇日
きょうはお外でおともだちといっしょにあそんだ。
とてもいい天気だったので、公園でみんなでだるまさんがころんだをした。
おに役はモモコがいちばんうまくて、みんなをたくさんつかまえた。
たくさんあそんでいたらいつのまにか夕方になっていて、私もみんなもお母さんといっしょにかえった。
あしたもいっぱい遊びたいなあ。
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――
―
「アイツいつも一人だよな」
「来たと思ったらすぐに帰っちゃうし」
「話したことないから何考えてるかわかんないよね」
「いつもテレビでみるけど雰囲気ぜんぜんちがわない?」
「あ、それよりも昨日のさ―」
「……」ピロリン
「……」
「……」スッスタスタスタ
ガラガラ
「――」ガヤガヤ
〇月△日
きょうのお父さんはおかしかった。
だってメガネを頭につけながら「メガネメガネ…」って探してるんだもん。
なんだかおかしくなってモモコ、笑っちゃった。
お母さんとお兄ちゃんもくすくすわらっていて、何のことだか分かっていないお父さんが余計に面白かった。
ちなみにあとでこっそりとお母さんがお父さんに教えてあげていた。
お父さんとお母さんは今日もなかよしです
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「だからあなたはいつもいつも―」
「俺だっていろいろあるんだよ!だいたいお前こそ―」
「結局あなたは自分が一番大事なだけなんじゃない」
「お前こそ俺の気持ちを考えたことあるのかよ」
「あなたはあの子の将来を考えたことが―」
「父さん、母さん、もうやめようよ……」
「……」
□月〇日
今日は学校でみんなと仲良くおしゃべり。
今日の宿題。昨日のテレビの話題。気になる子のこと。いろいろなことを話した。
「モモコは好きな人いる?」って聞かれたけどモモコは男子にあまり興味がないからよくわからないって答えた。
そういえばモモコ、このまえレアシールをゲットしたんだけどそれをみんなに見せたらとても驚かれたんだ。
みんな「いいなあ」って言ってくれてモモコはたちまち人気者。ちょっぴり気分がよかった。
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「いい加減にしてよ!」
「何?桃子、本当のこと言っただけなんだけど」
「その態度がムカつくのよ。何よ、ちょっと演技がうまいからって」
「だってそうでしょ。絶対に桃子のほうがあなたより上手いし」
「だからって調子に乗らないでよ!大人に可愛がられてるからって」
「なんだ、またあの子たち喧嘩してるのか」
「ああ、また周防ちゃんと揉めてるみたいだぞ」
「まあ妬むのもわからんでもないが。でも周防ちゃんもあんなにキツイ性格じゃあなあ。友だちとか少なそうだなあ」
「おい、声でかいぞ」
「……」
△月☆日
今日のご飯はハンバーグ!モモコ、お母さんのハンバーグだいすき!
家族4人で食べる夜ご飯はすっごくおいしかった!
お父さんとお母さんの話はとても面白くて、私とお兄ちゃんはずっと笑っていた。
ご飯を食べたらみんなでテレビをみた。テレビの中の女の子はとてもかわいかった。モモコもいつかあんなふうになりたいな。
△月☆日
今日のご飯はハンバーグ!モモコ、お母さんのハンバーグだいすき!
家族4人で食べる夜ご飯はすっごくおいしかった!
お父さんとお母さんの話はとても面白くて、私とお兄ちゃんはずっと笑っていた。
ご飯を食べたらみんなでテレビをみた。テレビの中の女の子はとてもかわいかった。モモコもいつかあんなふうになりたいな。
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―――
――
『おかえりなさい。お母さんちょっと遅くなるから作っておいたごはん温めて先に食べておいて』
「……」
「今日はハンバーグ…」
「……」チン
「……」モグモク
「また、みんなでいっしょに食べたいなあ……」
〇月☆日
今日、アイドルにスカウトされた。
お兄ちゃんはそのままモモコの家にやってきてお父さんとお母さんに説明をしていた。
もちろんモモコはアイドルになりたかったからお兄ちゃんと一緒に必死にお父さんとお母さんを説得した。
結果、お父さんもお母さんもいいよって言ってくれてモモコは晴れてアイドルになった。
これでモモコもあのテレビの向こうに立つことができるんだ。
もちろんたくさんレッスンしないといけないけどモモコ、絶対にあきらめないから
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「お兄ちゃんが桃子の担当になるの?」
「なんか頼りなさそう。本当に大丈夫なの?」
「言っとくけど、この業界じゃ桃子のほうがお兄ちゃんより先輩なんだから」
「芸能界じゃ先輩の言うことはゼッタイだよ!お兄ちゃんも桃子に従うこと。いい?」
「それじゃあこれからよろしくね。お兄ちゃん」
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――――――」
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持っていた日記を閉じて桃子は控室の机の上に置いた。
書き始めたきっかけはもう覚えていない。
日記というよりは桃子の想像が詰まったノート。今思い出すと少し恥ずかしい。
もしも桃子が子役になっていなかったら。普通の女の子としてあの楽しかった思い出をずっと続けていられたら。そんな妄想がつまったノート。
あるときは友達と元気に遊んで。
またあるときはお母さんたちと楽しくおしゃべり。
何でもない日常。心のどこかで桃子が欲しがっていた日常。
桃子にはできないことをモモコはなんでもしてくれた。
あったかもしれない未来をモモコは桃子に教えてくれた。
でも、もうその必要はない。
アイドル桃子には一緒におしゃべりをする友達がいる。一緒に笑いあう仲間がいる。
モモコに頼らなくても私が欲しかったものはそこにある。
だからもう最後にしよう。桃子の日記は今日その役目を終える。
舞台袖からたくさんのお客さんが見えた。みんな桃子たちのために来てくれている。
「ありがとうモモコ。桃子はもう大丈夫だよ」
桃子はそう呟いてステージへと飛び出した。
11月6日
今日は桃子のバースデーライブ!みんなといっしょにたくさん歌って踊った!
劇場は満員。お客さんもとっても盛り上がってて、会場全体がすごい熱気につつまれていた。
桃子の誕生日をこんなにたくさんの人が祝ってくれるのは初めてですっごくうれしかった。
なかでも今日一番うれしかったのが、お父さんとお母さん、お兄ちゃんが最前列で見てくれてたこと。
3人ともオレンジのサイリウムをいっしょうけんめい振っていてなんだかおかしかった。
特にお父さん。あんなに「桃子ォー!」って叫んでてこっちが恥ずかしくなっちゃった。お母さんとお兄ちゃんも横で苦笑していたし。
今日のライブは今までで一番楽しかった!これからもずっと楽しい思い出を作っていきたいな。
終わりです
雑談スレをみてイベントを走りながら話を考えてイベントが終わってから仕上げました。
>>1の過去作です。よかったらどうぞ
【ミリマス】P「美奈子が料理を作れなくなった」
【ミリマス】P「美奈子が料理を作れなくなった」 - SSまとめ速報
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