楓「酔も甘いも」 (17)
デレマスなんですよ
『かんぱーい』
から始まって今日も今日とてダラダラと
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早苗「ちょっと遅くなっちゃったけど、楓ちゃんのお祝いってことで」
楓「ふふ、ありがとうございます。前にも祝っていただきましたけどね」
友紀「早苗さんはそれにかこつけて飲みたいだけだから」
早苗「ちょっと」
楓「それでも嬉しいですよ。祝いの席がいっぱいでわーいわーいです」
瑞樹「今日は楓ちゃんがごちそうしてくれるって」
楓「えっ」
友紀「わーありがとう楓さん」
早苗「端から端まで頼もっか」
楓「あれー?」
瑞樹「ふふふ、冗談よ」
楓「川島さんもちょっと出してくださいよ」
瑞樹「えー……ちょっと大きい買い物したからお財布寂しいのよね」
早苗「あら、何買ったのよ」
瑞樹「ん、ちょっとベッドをね」
早苗「壊したの?」
友紀「壊さないでしょ早苗さんじゃあるまいし」
早苗「ちょっとぉ!」
楓「買ったんですか?」
瑞樹「いや、楓ちゃんと相談して買ったわよね?」
楓「実はそうだんですよ」
瑞樹「……」
楓「実はそうなんですよ」
瑞樹「言い直さなくていいから」
友紀「へー、ベッドかぁ」
瑞樹「クイーンサイズにしたかったんだけどさすがに置けなくてね。ダブルにしたわ」
楓「悔いーんが残る結果でしたね」
瑞樹「今日から床で寝なさい」
楓「あぁん川島さーん」
早苗「ベッドかぁ、あたしも買い換えようかなぁ」
瑞樹「壊したの?」
友紀「そうだよ」
早苗「だからぁ!」ペチ
友紀「あいて」
瑞樹「ああやってベッドも壊したのよ多分」
楓「110番しないとですね」
友紀「この人おまわりさんです」
早苗「元ね」
瑞樹「じゃなおさら問題じゃない」
早苗「んーベッドかぁ、なんかどう選んでいいかよくわかんないのよね」
楓「一時期低反発流行ってたと思ったら今度は高反発流行ってますよね」
早苗「そうそう、結局どっちなのよ」
友紀「野球選手が使ってるやつとかどう?」
早苗「あー、確かに気使ってそうねぇ」
友紀「身体が資本だからねー、こだわる人はすごいこだわってるよ」
瑞樹「選手の寝具まで守備範囲なのね……」
友紀「ていうかさー早苗さんも割とこだわる方じゃん」
楓「そうなんですか?」
早苗「んー? 自分ではそんなつもり無いんだけど」
友紀「枕高いの好きでしょ」
早苗「あー、そう言われればそうね」
瑞樹「早苗ちゃん横向いて寝る派?」
友紀「横向いて赤ちゃんみたいに丸まって寝るよね」
早苗「何よなんか文句あるの?」
友紀「かわいいと思う」
早苗「無罪」
友紀「やったー」
瑞樹「仰向けが一番美容に良いらしいわよ?」
早苗「そうなの?」
瑞樹「横向いて寝ると枕と肌擦れちゃうし……左右どっちかに重力偏っちゃうからね」
友紀「あ、じゃああたしがひっくり返すよ」
早苗「餅焼いてるんじゃないんだから!」
瑞樹「いいじゃない、友紀ちゃんが焼き餅焼いてくれてるわよ」
友紀「どゆこと?」
楓「そういえばお餅ありましたね、ここ」
瑞樹「食べたいの?」
楓「もちろん!」
瑞樹「食べたくないでしょ?」
楓「はい」
早苗「あ、そうよ、友紀ちゃん一緒にベッド選んでよ」
友紀「いいよー! どんなの買う? キング?」
早苗「置く場所考えなさいよ」
友紀「足の置き場もなかったね」
早苗「このやろ」
瑞樹「片付けなさいよ」
早苗「衣替えの途中なのよ!」
瑞樹「遅くない?」
楓「ところで見てくださいこの鱧の天ぷら。鱧と衣がええハーモニーですよ」
瑞樹「思いついたの?」
楓「思いついちゃいました」
瑞樹「じゃあしょうがないわね」
友紀「紅しょうがの天ぷらならあるよ」ゴト
楓「はい、あーん♪」スッ
瑞樹「はいは、あふっあっふ!」ハフハフ
楓「え、あっ、すいません」
早苗「何やってるの?」
瑞樹「熱かったのよ!! もー上あごの皮べろべろよ」
早苗「ツバつけときゃ治るわよ」
楓「つけます?」
瑞樹「おすわり」
楓「わん」
瑞樹「ていうか楓ちゃんソレ食べてるじゃない、絶対嫌よ」
早苗「それ酒盗?」
楓「洗ってない足の臭いするっていうんですよ、こんなに美味しいのに」
早苗「瑞樹ちゃんの足こんな臭いするの?」
瑞樹「ちょっと」
楓「いい匂いですよ」
瑞樹「ちょっと」
友紀「早苗さんのほうが酷いよ」
早苗「ちょっと」
友紀「うそうそ美味しそうな匂いだよ」
楓「例えばこの酒盗みたいな」ペロ
早苗「じゃあやっぱ臭いんじゃない!」ペチペチ
友紀「あいて」
瑞樹「まぁ、ちゃんと歯磨いてくれればいいわ」
楓「じゃあ取り敢えずアルコール消毒しておきますね」グイ
友紀「あ、紅しょうが食べてみよ」
早苗「あたしもあたしも」
友紀「紅しょうがの天ぷら初めて食べたけど美味しいね」サク
瑞樹「ローカルなのよねーこれ」
楓「大将さんもお客さんの要望でお品書きに入れたみたいですよ?」
友紀「なるほどねー。川島さんよく食べてたの?」
瑞樹「よく食べるかって言われると微妙だけど……ほら、こっちだと食べたいと思っても見かけないからね」
楓「たまに食べたくなるんですよね」
友紀「あれ、楓さんも?」
楓「和歌山でも結構食べるんです。秘密ですよ?」
友紀「秘密なの?」
楓「いえ、別に」
瑞樹「なんなのよ」
早苗「でも食べたくなるの分かるわ。ビールに合うわねー」サクサク
瑞樹「それ何でも言ってない?」
早苗「極稀にワインとか梅酒の時もあるわよ」
瑞樹「お酒ではあるわけね」
楓「お酒を避けられませんからね、飲ん兵衛は」
瑞樹「でまた寝ちゃうのね」
友紀「おんぶして帰るぞ―」
早苗「い、一応気を付けては居るのよ?」
楓「そういえば早苗さん、ご実家は新潟でしたよね。日本酒は?」
早苗「ん……実は日本酒って、なんか手が伸びなくて」
楓「え……」
友紀「楓さんが今までに無い顔してる」
楓「に、日本酒もうめーっしゅよ……?」
瑞樹「いや日本酒でしょ?」
楓「……一本でーも日本酒ー♪」
瑞樹「もう三合目でしょ?」
楓「あっ、ほら百薬の長ですよ……?」
瑞樹「酒屋の売り文句で、本当は害しか無いらしいわよ?」
楓「で、でもイタリアの軍隊さんのご飯にも気付け薬として入ってるって亜季ちゃん言ってましたし……」
早苗「それいいわね、アイドル辞めたらイタリアで就職だ」
友紀「じゃあたしも」
瑞樹「……いやこっち見……はいはい私も」
楓「じゃあみんなでイタリアですね」
友紀「わーい」
瑞樹「どうぞどうぞじゃないの!?」
友紀「早苗さん日本酒苦手だったんだね。そういえば飲んでるの見たこと無いや」
早苗「苦手っていうか……確かに新潟ではあっちこっちで見かけたけど、なんか選択肢に上がらない、みたいな? 」
瑞樹「飲まず嫌いじゃない」
早苗「だから嫌いってわけじゃないのよ。飲んだこと無いって言うほうが正しいかもね」
楓「ふふふ……そんな早苗さんにオススメ、ありますよ」
早苗「楓ちゃんなんか情緒不安定ね」
瑞樹「もっと酔ってる時の早苗ちゃんはもっともっと酷いわよ」
早苗「嘘……」
瑞樹「まだ楓ちゃんの方がいくらかマシよ」
早苗「贔屓目入ってるでしょ」
楓「そう言われマシても、人の評価はイメージにひーきずられてしまいますからね」
早苗「言いたいだけでしょ」
楓「言いたいだけですね」
友紀「甘えんぼみたいで可愛いと思うんだけどな」
早苗「あ、でオススメってなーに?」
楓「そうですね……」
瑞樹「いつになく真剣ね」
楓「せっかくなので新潟のお酒が良いかな、と思うんですけど……うん」
楓「最初だったらコレなんてどうでしょう」
友紀「あ、見たことある。上善如水だ」
楓「コレは大吟醸なので、ちょっとお高い方ですね。スパークリングとかも有りますけど、まずはコレで」
早苗「色々あるのねぇ」
瑞樹「スキンケアまであるのよ」
早苗「随分詳しいわね?」
瑞樹「前に楓ちゃんに貰ったのよ」
楓「川島さん、日本酒にならないかなーって」
友紀「楓さん、お酒の飲み過ぎで頭が……」
早苗「ほんとお酒は人をダメにするわね」
楓「お酒は悪くありません。人が元々ダメだって教えてくれるだけですよ」
早苗「じゃ楓ちゃんがダメね」
友紀「じゃ早苗さんもダメだ」
早苗「友紀ちゃんもでしょ」
友紀「あっはっは」
瑞樹「全員ダメじゃない」
早苗「まぁ、お酒でダメになった楓ちゃんが言うなら味は信用できるわね」
楓「ふふ、お試しください」
早苗「……」
楓「どうでしょう」
早苗「これはアレね。水ね!」
瑞樹「お酒よ」
楓「元々は栄え水から来ていてつまりは水で」
瑞樹「お酒よ」
楓「というのは冗談ですけど、人によってはそっけないというぐらい癖がなくて飲みやすいんですよね」
早苗「んー、まさに水の如し、ね。なんかもっと飲みづらいものだと思ってたわ」
楓「もちろん、十酒十色ですからね。癖の強いものもするっと入ってくるのもみーんなお友達です」
瑞樹「お友達……?」
早苗「うーん、多少は知ってるつもりだったんだけど、身近に有っても知らないものね」
楓「灯台下は暗いですからね。少し目を向けたくらいではわからない素敵なものが隠れてるものですよ」
早苗「美味しいってわかったらどんどん飲みたくなってきたわね! 他のおすすめは?」
楓「次は久保田か八海山か……」
早苗「もちろん両方!」
瑞樹「気を付けてるって言ってたの誰だったかしら」
友紀「いやー、こうなったら止まらないよ」
楓「ふふふ、さぁ、酒グルイましょう」ドヤァ
瑞樹「何よその言ってやったわみたいな顔」
友紀「この後どうなるか賭けてみる?」
瑞樹「賭けにならないんじゃない?」
―――――――――――――――――――――――――――――――……………
早苗「すぅ……」
瑞樹「ね、言ったでしょ賭けにならないって」
友紀「知ってた知ってた」
楓「凄いペースで飲んでましたもんね」
瑞樹「凄いペースで飲ませてたでしょ、もう」ムニ
楓「んひゅ、うれひくへふいふい」ムニニ
友紀「長っ尻も野暮だしね、そろそろお開きにしよっか」
瑞樹「任せて、今日は楓ちゃんの奢りだから」
楓「まぁ、たまには甲斐性を見せないとつっかえでーと思われてしまいますからね」
友紀「えーでも、あたしも早苗さんも結構のんだからなー」
楓「じゃ、また今度、その時にお願いしますね。その方が、次の口実になりますから」
友紀「それもそうだね! 楓さんありがとー」
―――――――――――――――――――――――――――――――……………
ガララ
楓「ん……流石にもう、寒いですね」
友紀「やっぱ衣替え、ちょっと遅いよね」
瑞樹「そうよねぇ……早苗ちゃん任せちゃって悪いわね」
友紀「良いんだー。あたしが好きでやってるから」
瑞樹「早苗ちゃんも小さい方だけれど、それでも大人一人背負ってるわけだから。大丈夫かしら、って」
友紀「へへ、鍛えてますから! ……それにね、なんか早苗さんおんぶすると余計ちっちゃく感じるんだ」
楓「あら」
瑞樹「あら」
友紀「普段はそんなの全然思わないのに、不思議だねー」
楓「ふふ、友紀ちゃん、逃がした魚は大きいけれど、逃したくない魚はちょっとだけ大きく見えるらしいですよ?」
友紀「なるほど、そうかな、そうかも」
瑞樹「……さ、風邪引かないうちに帰りましょ?」
楓「それじゃあ、友紀ちゃん、また」
瑞樹「気をつけてね」
友紀「はーい、川島さんも楓さんもね!」
おしまい
意味ありげなタイトルでまたまたまたゆるーっと話すだけでした
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読んでくれた人ありがとう、また次があればよろしくおねがいします
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