五十嵐響子「甘えんぼのきょーこちゃん」 (41)

 モバマスの五十嵐響子のSSです。
 シンデレラガールズ劇場の第921話が元ネタです。
 独自解釈、キャラ崩壊などありますためご注意ください。

 主に台本形式で進みます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509646836


モバP(以下P表記)「うん」カタカタカタ

P「…………ん? なんて?」ピタッ

響子「で、ですから、あのぅ……」


響子「――わ、私ももっと、プロデューサーさんに甘えてみたいんです!」


 後から知ったのだが、事の起こりは以下の通りだ。

 響子は、「人に甘える」ということに自分なりに思うところがあったらしい。
 とはいえ、自他ともに認めるお世話好きな響子のこと。
 そういう行為にはとんと疎く、まず人に尋ねてみることにしたという。


響子「プロデューサーさんに甘えたことって、あります?」

 と。
 ユニットメンバーの素朴な疑問にP.C.Sの二人が答えて曰く――

卯月「そうですねー……考えてみたら、いつも甘えっぱなしというか……。いつかは甘えずにやっていかなきゃって思いますけど、でもまだ無理かなぁ」
(※アイドル活動的な意味で)

美穂「そうだね~……私も卯月ちゃんと同じかなぁ。むしろもっとべったりかも。ほら私の場合、部屋でも夜寝る時一緒だったりするし♪」
(※やはりアイドル活動的な意味で)
(※夜寝る件はぬいぐるみのプロデューサーくんについて。オイオイオイ)


 これを響子は、ばっちり額面通りに受け取ってしまったわけだ。

 で――もちろん当初の俺はそんなこと露ほども知らず、二人と同じ勘違いをした。


P「なんだ、そんなことか。もちろんいいとも、どんどん甘えてくれ!」

響子「ほ、本当ですか……っ!?」パァッ

P「そのための担当プロデューサーなんだから、何でも相談してくれていいぞ」

響子「わ……わかりました。じゃあ甘えさせていただきますっ!」

響子「あの、じゃあ、まずはこっちに……」チョイチョイ

P「ん? ソファに移るのか?」スタスタ

P(なんだろう……腰を据えて相談事でもあるのかな)ギシッ

響子「そ、それでは……。すぅーーー、はぁーーーーっ……」

P「……響子?」

響子「ちょっと待ってくださいね。今、心の準備をしてますから……」

響子「…………よ、よしっ」グッ

P「何が始まるんです?」

響子「失礼しますっ!」

   ポスンッ


P「……あのー、五十嵐さん?」

響子「は、はい……」

P「どうして膝の上に座るので?」

響子「何って、その」

響子「あ……甘えてみてる、んです、けど」カァァ

P「」

P(あっ)

P(「甘える」ってそのままの意味で!?)

響子「…………」カチコチ

P(どうする? 言うか? 「って、甘えるってそのまんまか~い! 仕事的な意味だと思ったっつーの、タハハ(笑)」とかで誤魔化すなら今だぞ)

P(このまま流すとどんどん言い出しづらくなる。決断しろ、俺!)

P「な、なあ。響子……」

響子「や、やっぱり、ご迷惑でしたか……?」シュン

P(…………言えるわけがない!!!)


P「わ、わははは! まさか! 言ったろ、どんどん甘えてくれって」

響子「そ、そうですか? よかったぁ……」

P「それよりほら、もっと力抜いていいんだぞ。そんなに緊張してたらリラックスどころじゃないだろ」

響子「そう、ですね。力、抜きますね。ほぅぅうう~~~~~~~~っ…………」プルプルプルプル

P「下手かよ」

P(とにかく……こうなったらこっちも腹をくくろう)

P「響子さん」

響子「は、はいっ」

P「では、今からあなたを甘やかします」

響子「ぁ……はい。よ、よろしくお願い、します……っ」ググッ

  ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

P(何この空気)


  サワ

響子「ふぁ」

  ナデナデ

響子「んきゅっ……」

P「ごめん、流石に嫌だったかな」

響子「ぅあ、いえ、その。ごめんなさい、ちょっとびっくりしただけで……」

響子「もっと、してもらってもいいですか?」

P「よし」

  ナデナデ サスサス モフモフ
  スリスリ フショフショ ポンポン
  スッチャスッチャ モッチャンモッチャン

P「まあ、できることと言えば撫でてやるくらいなんだけども」

響子「ぁぅ、んふ、はぁ……」

P「こんな感じでいいかな」

響子「ぁ……ふ。なんだか、ぽーってなっちゃう。きもちいです。もっと……」


P(あ、このリボン……)

P「響子、リボン新しいのに変えたのか?」

響子「ん……はい。今日初めて付けてきたので」

P「うん、これも似合ってる。すごく可愛い」

響子「ほ、ほんとですか♪ えへへ……んぅ……」

響子「んーっ……♡」


 響子の緊張は、もうすっかりほぐれているようだった。

 子供みたいに体をこすりつけ、くすぐったさにくすくす笑いながら、すっかりこっちに体重を預けている。
 ぱたぱた動く足が嬉しい嬉しいと言っているようで微笑ましい。


P(そういえばこれ事務所に他の子来たらどうなるんだろうな)

P(ちひろさんだったら何て説明すればいいんだ?)

P(……まあ、なるようになるか)


  ―― 小一時間後

響子「ごごご、ごめんなさい私っ、ついこんな時間まで……っ」

P「いやいや、これくらいお安い御用だって。あんな感じで良かった?」

響子「はい! 私こういうの慣れてなくって……なんだか新鮮な感じがして。えへへ、つい夢中になっちゃいました……」

P「まあ俺も夢中になってたっちゃなってたんだが……(誰も来なくてよかった)」

P「あ、そろそろ寮に着くぞ」

   ブロロン

P「じゃあ響子、今日はこれでな。ちゃんと食べて、あったかくして寝るんだぞ」バタン

響子「はい。その、今日は本当にありがとうございました!」

響子「あ、プロデューサーさんっ」コンコン

P「ん?」

響子「あの、もしよかったら、なんですけど……。今日みたいなの、いつかまたしてほしいな、って」

P「響子……」

響子「……駄目ですか?」

P「駄目なもんか。喜んで付き合うよ。その気になったらいつでも言ってくれ」

響子「……! はいっ! あ、でも恥ずかしいから、みんなには内緒で……」

P「もちろん」


 考えてみれば、響子もまだ15歳の女の子なのだ。

 仕事にレッスンに学校に、そのうえ持ち前のお世話好きもあって、寮のみんなの家事まで引き受けている。
 好きでやっていることとはいえ、世話になりっぱなしではこっちが申し訳なくなってくるというもの。

 そんな響子の気分転換になるなら、これくらいは労力のうちにも入らない。

 日々のお返しみたいなものだ。

 最初はそう思っていた。


 という次第で響子のために、秘密の「甘え時間」を設けることになったのである。

 仕事やレッスンの合間、何か結果を出した時などに彼女は俺にご褒美を要求するようになった。

 最初の頃は、それでも遠慮がちだった。こういうこと自体に慣れていないのだから仕方ない。
 ちょっとだけ撫でてほしいとか、髪を梳かしてほしいとか、背中をぽんぽんしてほしいとか、その程度だ。

 そのうち慣れてきて、割と積極的になってスキンシップも増えてくる。
 膝枕をして欲しがったり、前から後ろからハグしてみたりと、そんな感じだ。
 
 彼女が甘え慣れするにつれ、おねだりする頻度が徐々に増え、時間も少しずつ長くなってきていた。

 まあ、一言で言えば。

 癖になったらしい。


響子「すぅぅぅ~~~~~~~っ……♡」

P「……俺のジャケットそんなに良い?」

響子「…………っはぁ♡ これ、一回やってみたかったんです。志希さんがプロデューサーさんの上着を着たことあるって聞いて、羨ましいなぁって」

P「ああ、白衣とトレードしたんだったかな。なんでだったっけ……」

響子「やっぱり、プロデューサーさんの匂いって安心します。志希さんの気持ち、わかっちゃうかも……」

P「ういやつ」ナデナデナデ

響子「へぅ」フニャッ

響子「……あのねプロデューサーさん。私今日、トレーナーさんに褒められちゃったんです」

P「お、何て?」

響子「気合が入ってるな、って。きっとこの時間のおかげです。私の調子もいつもより良くって」

響子「今日なんか、予定よりずっと先の振り付けまで覚えちゃいました。えへんっ」

響子「……えへんっ」チラッ

P「うん、すごいなぁ響子は。俺も鼻が高いよ。ほれほれ耳の後ろをわしわししてやろう」

響子「えへへへへぇ♡ あっ、くすぐったいですよぅっ」

P「ほれほれほれ」フショフショフショ

響子「はうううっ♡」

P「……よし、この辺で勘弁しといてやろう」


響子「でも私、ほんとに感謝してるんです」

P「ん? このことに?」

響子「はい。それに、なんだか不思議な気持ち」

響子「私、ずっとお姉ちゃんだったから……」

P「そうだなぁ。実家じゃ五人姉弟の一番上で、こっちでも寮の子達を世話してくれてるからな。みんなも感謝してるよ」

響子「あ、もちろん家族はみんな大好きですよ? 寮のみんなをお世話することだって好きでしてますし!」

響子「家族や仲間のみんなが私の料理を食べてくれたり、家のお掃除をしたり……。一言ありがとうって言ってもらえるだけで、胸の奥が温かくなって」

響子「でも、だからこそ、こういう風に甘えてみるのって考えたこともなかったんです」

P「……だよなぁ」

P(響子自身が好きでやっているなら、それが何よりだ)

P(けど、こういうことがほんの息抜きになるとしたら……)

P(そうだ)

P「じゃあこの時だけは妹気分っていうのはどうだ? たとえばほら、俺を兄だと思ってみるとか」


響子「え……っ?」

P「そう。仮にだけど、俺が響子のおに……」

P(いやこの提案はキモくないかいくらなんでも)

P「……っていうのは流石にアレだな。今のは忘れてく……響子?」

響子「兄だと、思って……。お兄ちゃん。プロデューサーさんが、私のお兄ちゃん……?」

響子「お兄ちゃん。……お兄ちゃん♡ 私の、お兄ちゃん……♡」フニャァ

P(かわいい)

響子「あの、あのっ、いいんでしょうか? 今だってたくさん甘えさせてもらってるのに、妹みたいになんてそんな、そんなぁ……」

P「おうとも。それで響子が癒されるなら、いくらでも付き合うよ」

響子「わぁっ」パタパタ

響子「あ、でもあの、気分、ですよね。あくまで気分っ。こうする時だけ、妹みたいな気持ちになって……」

響子「それでその、甘えちゃっても、いいんですよね……っ♡」

P(何か)

P(いかんスイッチを押した気がする)


 これがどうもツボにハマったらしい。

 そもそも「妹」という立場に、彼女は淡い憧れを持っていたそうなのだ。

 ユニット仲間の卯月と美穂は響子より二つ上。活動していく中で、二人をお姉さんのように感じたことは一度や二度ではないそうだ。
 けどそれ以上に、あの二人はステージに並び立つ仲間という意識もある。
 今回みたいに、ただただ甘えて癒されてふにゃふにゃになるみたいなことは考えてもいなかったはずだ。

 そこへきて、お兄ちゃん。

 自分の髪先を指でくりくり弄りながら、響子はしきりにえへへえへへと笑っていた。


  数日後 ――

美穂「あっ、プロデューサーさん!」ブンブン

P「お、美穂か。お疲れ。調子はどうだ?」

美穂「すっごくいいですよ! 特に響子ちゃんがすごくって!」

美穂「今日のレッスンなんか、ステップの基準になってくれて。私達、助かっちゃいました!」

   トテテ

卯月「プロデューサーさん、お疲れ様です!」ニパ

P「ああ、お疲れ卯月」

響子「あっおに――――」

P(ちょっ待っ!)

卯月「青?」

美穂「鬼?」

響子「げふっ、げふん! ごほほんっ!」

響子「プロデューサーさん、お疲れ様です!」

P「う、うん、お疲れ響子」


P「とにもかくにも、レッスンが順調そうで何よりだ」

P「このままいけば、来週のLIVEでは最高の結果が残せるに違いない」

P「健康に気を付けて、このペースを保ってくれ!」

卯月・美穂・響子「「「はいっ!」」」

P「セッティングや裏方は全部任せろ。三人はこの調子でステージのクオリティを上げることに専念してくれ」

美穂「もちろんです! ピンクチェックスクールの、大きな舞台なんですから!」

卯月「最高のステージになるよう、頑張りますっ!」

P「うむうむ、なんて頼もしいことだ」

P「したら俺は当日の打ち合わせがあるから、行ってくるな」

  タタタッ

響子「あのっ」キュ

P「……ん?」

響子「その。LIVEが成功したら、その後……」

響子「いっぱい、褒めてくれますか?」

P「……なんだそんなことか。もちろんだよ。もうめちゃくちゃ褒めまくってやるから」

響子「ほんとですか!? えへ、わかりました……っ!」


響子「えへ、えへへへ……っ」


きょーこ「お兄ちゃん……♡」


きょーこ「お兄ちゃん♡ おにーいちゃんっ♡」

P「はーい、何だいきょーこちゃん」

きょーこ「んーん、呼んでみただけぇ~っ♡」

P「なんだよう」

きょーこ「えへへへっ♡ お兄ちゃん♡ おにーいちゃーんっ♡」


きょーこ「きょーこの、お兄ちゃん……っ♡♡」


 ここで説明せねばなるまい!

 響子は「俺に甘え倒す」という、秘密の息抜き法を会得した。
 更にこれが進化して、本来考えたことすらない「疑似お兄ちゃん」までもゲットしてしまったわけである。

 これがまあなんというか本人の普段使ってないスイッチをビシバシ連打してしまったらしく、もうドハマりだった。

「周りに誰もいない」「お世話する必要がない」「今日一日頑張った」という条件を満たした時、
 響子はただ、「お兄ちゃん」にごろにゃんするだけの可愛い妹と化してしまうのだ。

 オンとオフの切り替わり、その最たるものだろう。

 公私共に家庭的、お世話大好きな「お嫁さんにしたいアイドルNo.1」の、ちょっとした秘密の息抜きタイムだと言えなくもない。


 言えなくもないが、モードが切り替わった時の落差がマジで凄いことになった。
 俺はこの状態の響子を、便宜上「きょーこちゃん」と呼ぶことにしている。


P(……そして、そのようなモードを作ってしまったのには俺の責任が当然大きい) 

きょーこ「もーっ、お兄ちゃんったらちゃんと聞いてるー?」プリプリ

P「聞いてる聞いてる。昨日の寮の夕食のことだよな」

きょーこ「うん。あのね、きょーこね、昨日みんなにハンバーグ作ったの」

P「ハンバーグかぁ。きょーこちゃんのハンバーグはうまいからなぁ」

きょーこ「でもでも、いつも同じだと飽きちゃうかなぁって思って、本とかネットとかいろいろ調べて……」

きょーこ「それで、新しいオムバーグにしたの!」

P「へぇー、オムバーグかぁ。めっちゃうまそうだなそれ。みんな喜んだろ?」

きょーこ「うんっ。おいしいおいしいって言ってくれた! いっぱいがんばって良かった!」

きょーこ「……いっぱい、がんばったよ?」チラチラッ

P「よぉーしよしよしっ! きょーこちゃんは偉いなあ! かしこいなぁ!」ワシワシワシワシ

きょーこ「えへへへへへぇ~~~~~っ♡♡」パタパタパタパタ


P(このままだと何かまずいことになるような気がする。だいいち、歯止めが利かなくなる)

P(ここは一度、線引きをきっちりしておく必要がある……)

P「ところでな、響子……」

きょーこ「きょーこね、みんなだぁーい好きっ♡ これからもいっぱいお世話してあげたいなぁ。……でもぉ」

   クテッ

きょーこ「今だけは、お兄ちゃんの妹だもーん……♡」ニヘェ

P(……いっかもう何でも!! 可愛いから全部オッケー!!!)


P(そして俺は折に触れ、響子を甘やかして甘やかして甘やかし倒した)

P(だが、それがいけなかった)



響子「プロデューサーさん、おはようございます!」

きょーこ「お兄ちゃんっ♡ きょーこ今日もがんばったよっ♡」

響子「ここの振り付けはこうで……こうきたら、こうして……」

きょーこ「ね、ね、なでなでして? わしゃわしゃ~って……はぅぅうううっ♡」

響子「リビングのお掃除完了っ。次は大浴場まで一気にやっちゃいましょう!」

きょーこ「きょーこ今日も大変だったから、ぎゅーってするのがいいなぁっ♡」

響子「はいっ! P.C.Sのメンバーとして、舞台に立つのが楽しみですっ!」

きょーこ「やだやだやぁだぁ♡ 膝枕してくれなきゃやだぁっ♡」

響子「みんなーっ、ご飯できたよーっ!」

きょーこ「えへへぇ、好き好きっ♡ きょーこ、お兄ちゃん大好きっ♡」


  ―― LIVE会場

 ワアアアァァァ……

P(ステージは大成功だった。ファンの熱が未だ冷めやらない)

P(掛け値なしに、神懸ったクオリティと言ってもいい)

P(それもこれも、この日のために頑張ってきた三人の成果だ)

  タタタッ

美穂「はぁぁぁ~~~~……っ! プロデューサーさんっ、私達やりましたっ!」

P「美穂! 凄かったぞ、P.C.Sのステージ! 美穂のパフォーマンス、最高だったな!」

卯月「がっ、頑張りましたっ、私達最後まで頑張れましたっ! ファンやみなさんのおかげです!!」

P「一番にはお前達三人のおかげだ! 卯月、素晴らしいセンターだったぞ!」

響子「………………っ」プルプルプル

卯月・美穂「「響子ちゃんっ!」」

P(余韻がまだ抜けてないんだな……。無理もない、あれほどのLIVEをやりきった後だ)

P(まだ夢の中にでもいるかのような気分なんだろう。まだ、その夢に浸っていてもバチは……)


きょーこ「…………♡」ニヘェ


P(あっ)

P(アカン)


卯月「あれ?」

美穂「響子ちゃん……?」

  スタタタタッ

きょーこ「お兄ちゃん、おにーちゃんっ! きょーこがんばった! すっごいがんばったよっ!」

P「!? きょーこちゃ……響子! 今はそういう時じゃ……!」

(((((お兄ちゃん!?)))))
 
きょーこ「ねぇ、なでなでして? ぎゅーってして? いつもみたいにいっぱい、いーこいーこしてっ♡」

(((((いつもみたいに!?)))))

P「待てって響子! 人が! 人が見てるから!」

きょーこ「やぁだぁ、きょーこがんばったんだもん! いっぱい褒めてくれ、な……きゃ…………」サーーーーーーーーッ

卯月「」

美穂「」

スタッフ一同「」

響子「」


響子「しにます!!!!」ダッ

P「ま! 待て響子!! いのちだいじに!!!」ダッ

卯月「はっ……!? ま、待ってください二人とも~っ!!」ダッ

美穂「す、すいませんお騒がせしてっ! 私達、ちょっとあの、あれがあれなのでっ!!」ダッ


卯月「な……なるほど」

響子「きえてしまいたい」

美穂「そ、そういうことだったんですね……」

響子「かたつむりになりたい」

卯月「きょ、響子ちゃん落ち着いて? 人間はかたつむりになれませんよ?」

美穂「そ、そうだよ! それに妹っぽい響子ちゃんすっごくかわいかったよ!」

P「フォローになってない気がする」

P「……とにかくそういうことで、響子は何もおかしくないし、悪くもない」

P「それもこれも、線引きをはっきりしなかった俺の責任だ。びっくりさせてすまなかった」

卯月「そ、そんな! それを言うなら、誤解させるようなこと言った私が悪くて!」

美穂「そうですよ! 私なんか毎晩一緒に寝てるなんて言っちゃったんですよ!?」

響子「ち……ちが、違うんです。プロデューサーさんに甘えすぎた私が、一番悪くて……」

P「いやいやいや」

卯月「いやいやいやいや」

美穂「いやいやいやいやいや」

響子「いやいやいやいやいやいや」


卯月「……なんだか」

卯月「みんな、おんなじくらい悪いって感じですね」

P「ムゥ……ある意味そうかもしれんが……」

美穂(それにしても、いいなぁ響子ちゃん……妹、かぁ……)

美穂「お、お兄ちゃん」ボソ

P「」

美穂「…………な、なんちゃって……♡」

P「So cute……」

卯月「あぁっ、そうだ!!」ガタッ

美穂「わ! ど、どうしたの卯月ちゃん!?」

卯月「私達もみんな妹になっちゃえばいいんですよっ!」

響子「え……」


卯月「三人で、プロデューサーさんのことお兄ちゃんってっ。それで、私と美穂ちゃんは響子ちゃんのお姉ちゃん!」

卯月「そしたら、響子ちゃんだって恥ずかしくありませんっ! どうですか、このアイディア!?」

P「天才かよ」

響子「二人も、プロデューサーさんの妹……? それで、私の、おね、お姉ちゃん……二人とも……わたし、妹…………いちばん下…………」

響子「はぁぁ…………♡♡」フニャァァァ

美穂(へにょってなった!)

卯月(アリっぽいですね!)

P(う……うむ! なんだか興奮してきたよ!)

P「採用」

卯月「やったぁっ!」

卯月「私一人っ子だから、お兄ちゃんが欲しかったんです! えへへっ」ペカー

P「Angel……」


P(という次第で)

P(響子限定だった妹的甘え時間を、三人までに拡張することになった)

P(もちろん、みんなには内緒である)


卯月「プロデューサーさん、おはようございますっ」

P「ああ、おはよう」

P「えーっと三人はこれから音楽誌のインタビューと、グラビアの撮影だったな」

卯月「はい、頑張りますっ!」

響子「行ってきますね、おに……あっ」

美穂「響子ちゃん、ここではまだダメだよっ」ヒソヒソ

響子「うぅぅ、ごめんなさい……」ヒソヒソ

響子「じゃあ後でたっぷり、そう呼ばせてくださいね……っ♡」ヒソヒソ

P「かわいいかよ」


凛「はい、お茶」コト

P「あ、ああ。ありがとう凛」

凛「…………ずいぶん楽しいことしてたみたいだね、『お兄ちゃん』?」ジロッ

P「ングッ、エフッ、エフン!」

奈緒「へぇ~~~、プロデューサーさんって妹キャラが好きだったんだな。なんか意外だよ」ジトー

加蓮「ほーんと。彼女できたら自分のことお兄ちゃんって呼ばせるんじゃない?」シラー

P「待ちたまえ君たち! これには事情があってだね!」

未央「話は聞かせてもらったよっ!」バァン

P「ヌゥッ未央率いるポジパの面々!」

未央「もー水臭いなぁ、そーゆー呼び方して欲しかったんなら早く言えばいいじゃん! ねっプロデューサー、もとい、あーにきっ♪」

茜「お互いを血の繋がった家族のように思い合う、なるほど素晴らしい絆の深め方ですね!!!! さすがです、兄さん!!!!!!!!」

藍子「あ、あはは……。なんだか不思議な感じですね、に、兄さん……♡」

P「テンションのアップダウンが激しい(そしてかわいい)」


P「――――はっ。待てよ、何だこの気配は……?」


  カチャッ

  キィィイィィイ……


まゆ「おに~いちゃぁん…………♡♡♡」


P「」


~オワリ~

 以上です。お付き合いありがとうございました。
 ちょっとオマケも投下します。



〇 オマケ

P(……)

薫「あっ、せん……おにーちゃん! おつかれさまでーっ!」

仁奈「になはいつでもバッチコイでごぜーますよっ、あにじゃーっ!!」

P(……流行った)

ちひろ「……人の口に戸は立てられませんねぇ、お兄ちゃん?」ヒソッ

P「ちひろさんまで……やめてくださいマジ……」

桃華「もうっ、お兄ちゃまったら! 何をそんなにげんなりしていらっしゃるの?」

ありす「そんな顔だと、ついてくるみんなが不安になりますよ。ちゃんと自分の立場をわかってらっしゃるんですか? 兄さん?」

晴「よー兄貴ぃ、この後ヒマ? ちょっとリフティングの練習に付き合ってくんねぇ?」

ありす「あっ、もう、晴さん! 兄さんは仕事があるんですから……!」

梨沙「そうよ晴、コイツこのままこき使うと死にそうなんだから。適当なとこでほっとけばいいんじゃない?」

晴「そーかぁ? 結構イキイキしてるように見えるんだけど……」

晴「つーか梨沙、お前兄貴のこと兄貴って呼ばねぇのな」

梨沙「はぁ!? 何言ってんのよ、コイツがあたしのお兄ちゃんってありえなくない!?」

梨沙「だいたいっ、あたしのお兄ちゃんってことはパパの血を受け継いだ男なのっ! だとしたら、あたしのお兄ちゃんはこんな冴えない男なわけないの!!」

梨沙「だからコイツはあたしのお兄ちゃんじゃないっ! ただのプロデューサーよっ! そこらへんわかってんでしょうね!?」

P「梨沙!」

梨沙「っ! な、なによ……!?」

P「プロデューサーって、もっと言って……お兄ちゃんじゃなくてプロデューサーって、連呼して……」

梨沙「キモッ!!」


早苗「ゔぅ゙~……迂闊だったわね……昨日飲みすぎた…………」

P「またそんな……ほら、ポカリですよ」スッ

早苗「あ゙ぁ助かるわぁ……ほんとありがとね、お兄ちゃん……」

瑞樹「ちょぉっとハメを外しすぎちゃったわねぇ。ほんとごめんねっ、お兄ちゃんっ♡♡♡」キャピルンッ

心「まーもうちょいしたら姐さんちゃんと復活すっから、それまで待っといてな、マイブラザー☆」

菜々「いつもありがとうございます、お兄様っ!」キャハッ

P「……なーんか納得いかねー! このグループに兄呼ばわりされんの納得いかねぇ!!」

菜々「な゙ぁっ!? な、ナナは17歳ですからねっ!? ずうっと年下なんだからアリですよね!? ねっ!?」


~オワリ~

 おしまいです。
 HTML化依頼出しておきます。

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