注意書き
モバマス
二次創作
誤字脱字
キャラ崩壊
二番煎じかも
かなり前にスレを落としてしまってしかもトリップも忘れてしまいましたがそれでも良い方で
以上がOKな方で
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509122789
モバP「給料日前まで残り五日……」
モバP「……」パカ
モバP「財布の中には小銭のみ」
モバP「ああ、畜生! 大体友紀達が飲み過ぎなんだよ! 一夜にして10万も酒代だけで吹っ飛んだの初めてだわ!」
モバP「はぁ……まぁ、酔っ払って正常な判断が出来なかった俺も悪いよな」
モバP「こうなっちゃ仕方がない。物を売ってお金を増やすしかないな」
……
モバP「と、色々探してみたはいいものの、俺の部屋ってガラクタばっかだな……」
モバP「使わない健康器具や筋トレグッズ。ったくどうしてこんなもの買っちゃったかなー」
モバP「まぁ、一応このPS3はお金になってくれるだろう」
モバP「さっそくヤフオクで出店――」
ちひろ「ちょっと待ってください!」
モバP「ち、ちひろさん!? どうして俺の家に……」
ちひろ「モバPさん待ってください。それ、私に売らせてもらえないですかね」
モバP「え? どうしてですか?」
ちひろ「考えてみてくださいよ。ヤフオクで出したとしても落札までに日数がかかってしまいます」
ちひろ「でも、モバPさんはすぐにお金がほしいんですよね?」
モバP「は、はい。確かにそうですけど」
ちひろ「なら、私が知ってるオークション会場でそれを売ってきます」
ちひろ「勿論仲介料は取りますけどね」
モバP(な、なんか胡散臭いなぁ)
モバP(でも、ことお金に関してはちひろさんは最強だからな……)
モバP「じゃあ、お願いしちゃおっかな?」
ちひろ「任せてください!」ニコニコ
――
二日後
モバP「あーダメだ死ぬー」グウウ
凛「大丈夫?」
モバP「このまま空腹で死ぬわ」
凛「じゃあさ……今日うちでご飯食べる?」
モバP「い、いいのか!?」
凛「うん。お父さんとお母さん今日うちにいないしモバPがよければ――」
ちひろ「モバPさん! 例の件でお話があります。こっちに来てもらってもいいですか?」
モバP「本当ですか!? 凛悪い。空腹はなんとかなりそうだからまた今度お願いな」スタスタ
凛「え!? あ、うん。わかった……」シュン
モバP「それでいくらくらいになったんですか?」
モバP(まぁ一万くらいになってくれれば御の字だなー)
ちひろ「はい。五万円です」
モバP「え!? 五万!?」
ちひろ「ふふ、私に任せて正解でしたよね?」
モバP「ど、どうやってPS3をこんな値段で売ったんですか」
ちひろ「それは企業秘密ですよ」
ちひろ(まぁ、正確には10万で落札されたんですけどね)
モバP「なんにせよ、よかったです。これで今月はなんとか乗り切れます!」
ちひろ「うふふ」ニコニコ
ちひろ「あ、もしよければまだなにかお売りしますか?」
モバP「え? あー結構家に不要なものが多いんですよ。この機会に整理するつもりで全部売っちゃおうかな」
ちひろ「是非是非!」
モバP「じゃあ、お願いしちゃいます」
ちひろ「かしこまりました!」
……
モバP(うっはー! ちひろさんに助けられちゃったな)
モバP(まさかあのゲーム機があんな高値で売れるなんて……)
紗南「……」ポチポチ
モバP「ん? 珍しいなーお前がスマホのゲームしてるなんて」
紗南「え!? そ、そんなことないよ! モバPに教えてもらってからハマってるんだー」
モバP「この前までずっとマリカーやってたじゃねーか」
紗南「あれはーそのー。まぁまぁなんだっていいじゃん! ね?」
モバP「なんだよ残念だな。俺も今度マリカー買おうと思ってたのに」スタスタ
紗南「あは、あははー」
紗南(言えないよー……モバPが持ってたPS3を落札するためにゲームを色々売っちゃったなんてね!)
――
後日
モバP「……」
ブロロロン
モバP「軽トラってちひろさん!?」
ちひろ「お待たせ致しましたー」
モバP「ちひろさん軽トラなんて持ってたんですね」
ちひろ「いえいえこれは借り物です」
ちひろ「さ、家に入ってお宝探しでもしましょうか」
モバP「お宝ってうちにはガラクタばっかですよ」
ちひろ(モバPさんにとってはガラクタでも、人によってはお宝以上なんですよー♪)
……
モバP「とりあえずいらない家電関係とか健康グッズとか色々と揃えてみました」
ちひろ「……」
モバP「どうかしましたか?」
ちひろ「弱いですね」
モバP「え?」
ちひろ「少しだけこの部屋をいじってもいいですか?」
モバP「まぁ、構いませんけど」
ちひろ(さてさて、売れそうな代物は……)
ちひろ「ん?」
ちひろ(絵本ですか……)
モバP「あ、それ懐かしいですね」
ちひろ「子供の頃に読んでいたものですか?」
モバP「はい。実家からついつい持ってきちゃったものなんですよ」
ちひろ「……これ売れますか?」
モバP「いいですけど……なんかプレミア付いた絵本なんですか?」
ちひろ「たぶんですけどね」ニコ
ちひろ「後は……これなんか最高です!」
モバP「え!? そんな抜け毛が絡みついたきったないブラシがいいんですか?」
ちひろ「いいんですよ」
モバP「はぁ……? わからないもんですね」
ちひろ「まだまだいきますよー」
ちひろ「んーっと」スタスタ
ちひろ「この辺りかな?」
モバP(ん? ちひろさん箪笥の前に立ってなに考えてるんだろ)
ちひろ「ヨイショ」ス
ちひろ「ほいほいほい」ヒョイヒョイ
モバP「うわぁぁぁぁぁ!」
ちひろ「やっぱり衣類の下に隠していましたか」
ちひろ「ふーんモバPさんはこういうのが趣味なんですね」ペラペラ
モバP「返してくださいよ!」
ちひろ「なんですかエロ本見られたくらいで」
モバP「同僚の女の子にエロ本見つけられて動揺しない男なんていませんよ!」
ちひろ「まぁまぁ落ち着いてください」
モバP「落ち着けませんよ!」
ちひろ「とりあえずこれは売りに出すんで」
モバP「いやいや勘弁してくださいよ」
ちひろ「あれ? 結構お気に入りでした?」
モバP「いや……そういうわけでは……」
ちひろ「じゃあ、いいですよね」ニッコリ
モバP「は、はい……」
ちひろ「まぁ、『今日のところ』はこんなところですかね」
モバP「最後のせいでどっと疲れましたよ」
ちひろ「お疲れ様です」
ちひろ「ふふ、じゃあ早速これをオークションに出してきますね」
モバP「なんかどれもガラクタばっかでいい値は付かなそうですけどね」
ちひろ「……それはどうでしょうね」
――
その日の夜
事務所 地下オークションスペース
ちひろ「只今より第二回モバP私物オークションを開催します」
パチパチ
ちひろ「本日も皆様のご出席を感謝します」
ちひろ(今日の参加者は150人。ふふ、みんな仮面を被っててわかりにくいけど全員うちのアイドルなんですよ!)
ちひろ(この画をみたらモバPさんはどんな感想を抱くんでしょうね)
ちひろ「では、手始めにこちらからです」
ちひろ「モバPさんが幼少期に読んでいた絵本です!」
ザワザワ
ちひろ「モバPさんが小さい頃から愛用していた絵本……」
ちひろ「そうモバPさんの幼少期の頃の手垢がべったりなんですよ!」
一同「……!!」
ちひろ「今のモバPさんの手垢だったらそこまでレアリティは低いでしょう」
ちひろ「ただし今回は幼少期! こんなレアなアイテムなかなか出てきませんよ!」
ちひろ「さぁ、では千円からスタートです!」バン!
智絵里「い……一万円……」
ちひろ「一万円他にはいませんかー!?」
文香「……三万」
みく「三万五千にゃ!」
文香「六万円……」
みく「むぐぐ! この後もあるから勝負しようか悩むにゃ……」
智絵里「10……10万!」
文香「25万……」
智絵里「あ……う……」
ちひろ「25万! 25万以上の人はいますか!?」
……
ちひろ「では21番の人で決定させていただきます!」カンカン!
文香「よかった……」ホ
文香(モバPさんが小さな頃に読んでいた本……凄く……凄く気になる……)
ちひろ(ただの絵本に25万ですか。ふふ、最初でこれはなかなかいいですね)
ちひろ(次のはもっとぶっ飛んだ額になりそうですけどね……)
ちひろ「続いてはこちら! モバPさんの抜け毛が絡みついたブラシです!」
ザワザワ!
ちひろ「これ以上の説明は不要ですね! では10万からのスタートです!」
まゆ「200万円」
シーン……
ちひろ「え、えっとー他に誰かいらっしゃいますか?」
一同「……」
ちひろ「で、では67番さんに決定しますね」
まゆ「うふふ……」
まゆ(あれを手に入れたらまずなにを始めようかしら)
まゆ(抜け毛を全部取ってブラシは毎日まゆが使うとして……)
まゆ(取った髪の毛をどう調理しよう)ワクワク
ちひろ(ふへへ、元金0で225万も今日一日で儲けた!)
ちひろ(これは次のアイテムも期待が出来ますね)
ちひろ「さぁ、続いて最後の商品になります!」
ちひろ「モバPさん秘蔵のエロ本です!」
ザワザワザワザワザワザワ!
ちひろ「この本を使ってモバPさんは夜な夜な自家発電に耽っていたのかもしれませんね……」
ちひろ「ではでは1万円からスタートです!」
早苗「3万円!」
早苗(あんなけしからんものしっかりお姉さんが押収しないといけないね♪)
美嘉「4万円★」
美嘉(プロデューサーってどんな……その……えっちな本読むんだろう)
菜々(うう……ナナも欲しいですけどお金がどうしても足りません!)
みく「7万、7万にゃ!」
みく(あのエロ本を参考書として使わせてもらうにゃ!)
瑞樹「10万よ」
瑞樹(やっぱりあのくらいの年齢になると性欲が溜まるのよね。わかるわ)
奈緒「12万!」
奈緒(あ、あたしは全然興味ないんだけどよ……だ、誰か違う奴の手に渡るのも嫌だからな!)
真奈美「さっきからなにをチマチマやっているんだ」
真奈美「30万円!」
真奈美「ふ、財力の違うを見せつけてやる!」
ベテトレ「50万だ!」
真奈美「なに!?」
ベテトレ(アイドルだけとは限らんぞ)
マストレ「60万」
ベテトレ「え!?」
マストレ「お前だけが参加していると思ったら大間違いだ」
ちひろ「他に他にはいませんか!?」
シーン
真奈美「く……!」
ちひろ「では60万で決定です」カンカン
ちひろ(思わぬ伏兵登場ってやつでしたね……)
――
家電製品やその他の雑品を売った後……
ちひろ「ではでは本日は終了とさせていただきます」
ちひろ「また次回をお楽しみにしてください」
パチパチ
ちひろ(ふー、疲れた)
ちひろ(後は落札者にこれを渡してっと)
ちひろ(しっかしいい商売見つけちゃったなー)ニヤニヤ
ちひろ(次回はもっと高値になりそうなものをモバPさんからもらわないと)
ちひろ(さてと、今日は叙々苑にでも行きますか♪)
――
次の日
ちひろ「モバPさん!」
モバP「お! もうお金にしてくれたんですか?」
ちひろ「はい♪ これがそのお金です」
モバP「うわぁ! あれが10万になってくれたんですね!」
ちひろ「そうですよー。私に任せて正解でしたよね?」
モバP「いやー、ホントです。ちひろさんはやっぱり天使ですね!」
ちひろ「あはは、そんな褒めないでくださいよ」
ちひろ「次回もぜひぜひ私に任せてくださいね」
モバP「はい!」
――
事務所
文香「……あの」
モバP「ああ、文香かどうかしたのか?」
文香「……いえ……大したことではないんですけど……」
モバP「もしかしてアイドルとしてなにか不安なことでもあるのか?」
文香「……違います」
文香「その……ちょっとお話をしたいな、と……駄目でしょうか?」
モバP「いや全然いいぞ! 文香から話しかけてくれるなんて嬉しいなー」
モバP「いっつも本とばっかり会話してるもんな」
文香「すみません……」
モバP「ご、ごめん。そういうつもりで言ったんじゃないんだけど」
>16 訂正
× ちひろ「さぁ、続いて最後の商品になります!」
○ ちひろ「さぁ、続いて今夜の目玉商品になります!」
文香「……大丈夫です」
モバP「そ、そうか。それでお話ってなんだ?」
文香「……○○って絵本知っていますか?」
モバP「知ってる知ってる! 俺結構子供の頃好きだったんだよなー」
モバP「文香も好きなのか?」
文香「……は、はい」
モバP「へー世代違うのにわかるもんなんだ」
モバP「なぁなぁ、どの辺が好きなんだよ?」
文香「……えっと――」
……
一時間後
モバP「おっとこんな時間か。思わず話が弾んちまったな」
文香「……はい」ニコ
モバP「そんじゃ、俺は仕事に戻るわ」スタスタ
文香「……」
文香(……今日は自分から話しかけれた)グ
文香(……オークションで絵本を落札して正解だった)
文香(……やはり書は私にとってかけがえのないもの)
――
まゆ「うふふ」
モバP「……」
まゆ「あ、プロデューサーさんどうかしましたかぁ?」
モバP「やけに上機嫌だなって」
まゆ「そんなことないですよ? でも上機嫌に見えるんだったら……それはきっとプロデューサーさんのおかけです」
モバP「え? 俺の?」
まゆ「うふふ。ねぇ、知ってます?」
モバP「なにをだ?」
まゆ「人の髪の毛って食べ物とかと違って消化出来ないらしいんですよぉ」
まゆ「それって一回髪の毛を食べてしまえばずっと髪の毛が胃の中に残ってるってことですよね」
モバP「ま、まぁそうなのかもしれないな」アセアセ
まゆ「それが例えばー大切な人の髪の毛だったら……ずっとその人と一緒ってことですよね?」
モバP「いや、その理屈はおかしい!」
まゆ「どうしてですか?」
モバP「髪の毛一つでそんな発想には普通ならないぞ!」
まゆ「うふふ、例えばの話ですよ」
モバP「そ、そうか。例えか。たとえなら仕方がないな」ガクガク
まゆ「ところでまゆ昨日一人で晩ご飯作ったんですけど……」
まゆ「今までで食べた料理の中でいっちばん……美味しかったんです」ウフフフフフ
モバP「おっと俺は仕事を思い出してしまったそれじゃあな!」ビューン
まゆ「……うふふ」
まゆ「次のオークションも楽しみですね」
――
レッスンスタジオ
マストレ「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト!」
マストレ「そうだみんないい調子だぞ!」
ガチャ
モバP「おじゃましまーす」
マストレ「モバP殿か。急にどうしたんだ?」
モバP「ちょっと見学に来たんですよ。ライブも近いですからね」
マストレ「なんだ心配か?」
モバP「多少」
マストレ「だったら無用な心配だ。今アイドル達の士気は十分に高まっている!」
凛「……!」ス
みく「……!」ス
智絵里「……!」ス
かな子「……!」ス
モバP「す、凄い気迫ですね!」
モバP「どうしてこんなに気が引き締まってるんですか……?」
マストレ「なーに、一番上手く踊れたものにはある本の貸し出しを約束しているんだ」
モバP「ある本……気になりますね。教えてもらってもいいですか?」
マストレ「あーごほん。その、なんだ。乙女には秘密というものがあってだな」
モバP「そ、そういう感じの本ですか……」
凛(モバPが……!)
みく(使用した……!)
智絵里(えっちな……!)
かな子(本……!)
一同(必ず手に入れる!)ゴゴゴゴゴ
モバP「凄い燃えてますね」
マストレ「私も教えがいがあるというものだよ」
マストレ(予想以上の効果を発揮しているな)
マストレ(まぁ、数十万の価値があるかどうかはわからんが、今は役に立っている)
マストレ(いらなくなったらベテトレ辺りに売るとしよう)
――
二週間後
モバP「おはようございます」
ちひろ「おはようございまーす♪」
モバP「あれちひろさん」
ちひろ「え?」
モバP「そんないい鞄持ってましたっけ?」
ちひろ「あ、ああ! これですね。実はこの前父にプレゼントとして買ってもらったんですよぉ」
モバP「そうだったんですね!」
ちひろ「あ、あはは。そうだったんですよ」
ちひろ(危ない危ない。自然に誤魔化せてよかったー)
モバP「そういえばこの前ゴミ捨てありがとうございました」
ちひろ「いえいえとんでもない!」
モバP「忙しくって全然できてなかったので大助かりでしたよ」
ちひろ「私も大助かりでした」
モバP「え?」
ちひろ「いえいえこっちの話です!」
モバP「いやーでもスタドリ10本買うだけでごみ捨てしてもらえるなんて嬉しいですよー」
モバP「今度もお願いしちゃってもいいですか?」
ちひろ「全然構いませんよ! むしろ是非やらせてください!」
モバP「そうですか? じゃあ、次回もお願いしよっと」
ちひろ「はい……」ニコニコ
ちひろ(それにしても、まさかただのゴミにあんな値段がつくとは思わなかったですよ本当に)
第三回の結果
モバPのバスタオル 50万円 落札者 高垣楓
モバPのパンツ 100万円 落札者 渋谷凛
モバPの使用済ハブラシ 150万円 落札者 新田美波
モバPの中学生の頃の落書き帳 2万円 落札者 神崎蘭子
――
楓宅 お風呂場
楓「~~♪」
楓「今日もいいお湯でした」ザバァ
楓「えっと……どこにしまったっけ」
楓「あった」
フキフキ
楓(このバスタオルで自分の体を拭いてたのよね……)
楓(あ……ちょっとだけプロデューサーの匂いが出てきた)
楓(なんだかあの人に包まれているみたい)
楓「ふふ、落札してよかった」ギュ
――
凛 自宅
凛「……」
パンツ「……」ヤァオジョウチャン
凛「誰にも取られたくなくて勢いで落札しちゃったけど……」
凛「……」
凛(これを嗅いだら私は変態これを嗅いだら私は変態これを嗅いだら私は変態)
パンツ「……」ヘンタイデイイジャナイカ
凛「負けない……負けない……!」
パンツ「……」ラクニナレヨ
凛「うわぁぁぁぁぁ! もう変態でいいよ!」ギュ
凛「ああいい匂いいい匂い! プロデューサー匂いがスゴイするよ!」クンカクンカクンカ!
凛「こんなレアなアイテム誰にも渡したくないよー!」
コンコン
凛「……」ピト
凛母『ちょっと凛? 大丈夫?』
凛「……うん。大丈夫」
凛母『そ。あんまり夜はうるさくしないでね』
スタスタ
凛「……」
凛(パンツには勝てなかったよ……)
――
洗面所
美波「……これがモバPさんが使っていた歯ブラシ」
美波「……」ジー
美波「い、行くよ!」ドキドキ
美波「……!」ハム
美波「ん……」ゴシゴシ
美波(これってモバPさんの口の中に入ったものだから……)
美波(つ、つまりは関節ディープキスみたいな感じってことだよね!)
美波「んく……」ゴシゴシ
美波(あ……そう考えると段々頭がポーッとしてきちゃった……)
美波(とっても幸せな気分……!)
ペー
美波「はぁ……はぁ……」
美波「今日から歯磨き一つで疲れちゃいそう」ニコ
――
公園
蘭子「……」ジー フムフム
蘭子「ごほん」
蘭子「闇よりもなお昏きもの 夜よりもなお深きもの 混沌の海よ」
蘭子「たゆたいし存在 金色なりし闇の王 我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う」
蘭子「我が前に立ち塞がりし全ての愚かなるものに 我と汝が力もて 等しく滅びを与えん事を!」
蘭子「重破斬(ギガ・スレイブ)!」
蘭子「……」プルプル
蘭子「ちょーかっこいい!」キラキラ
蘭子「は……!」
蘭子「ごほん」
蘭子「友より授かりし闇の辞典は我が心を昂ぶらせた!」(モバPさんの落書き帳にあったこの詠唱凄くかっこよかった!)
蘭子「闇の辞典には未知なる可能性が秘められている……」(まだまだいっぱい呪文の詠唱とか魔法陣とかが載ってる……)
蘭子「我が力の糧にするためいざ解読を!」(もっともっと読んでみよっと♪)
……
モバP「……」ブルブル!
ちひろ「どうかしましたか?」
モバP「いや、今なんか見られたくないものを見られている気分になったというか……」
ちひろ「?」
――
二週間後
モバP「おっかしいな」
芳乃「そなたーどうかなさいましてー?」
モバP「いや、最近やけにちひろさんが贅沢してる気がするんだよ」
芳乃「と、言いますとー?」
モバP「鞄や財布がブランド物になってたり、ランチもいつもより豪勢だったり……」
モバP「給料は変わってないはずなのにおかしいんだよなー」
芳乃「それは嵐の前触れかもしれませんわけでしてー」
モバP「嵐の前触れ? どういう意味だ」
芳乃「まだ確定しているわけではないのでーわたくし詳しくは言えませぬー」
芳乃「今言えることは一つだけでしてー」
芳乃「よくない気がこの事務所の地下を中心に渦巻いているのですー」
モバP「地下? この事務所に地下なんてないけどな……」
芳乃「わたくしも探しているわけでしてーけれど、見つからないのですー」
モバP「なるほどな。俺もなんか情報があったら教えるわ」
芳乃「はいー。では、よろしくお願い致しますー」
モバP「了解」
モバP(まぁ、とりあえずちひろさんがなにしてようが、どうでもいいけどうちのアイドル達は巻き込まないで欲しいな。うん)
ちひろ「おはようございます」
モバP「おはようございます」
モバP(今日は指輪が増えてる……)
――
夜
モバP「終わらない終わらない……」カタカタ
ちひろ「頑張りましょう。後もう少しです」カタカタ
モバP「ちひろさん申し訳ないです。俺に付き合わせてしまって……」
ちひろ「いいえー。あ、でもなにかお礼はしてもらいたいですね」クスクス
モバP「俺にできることだったらなんでもやりますよ!」
ちひろ「ん? なんでもやってくれるんですか?」
モバP「もちろんですよ!」
ちひろ「じゃあ、モバPさんを一日好きに出来る券をください」ニッコリ
モバP「券ですか? 口約束でも別に……」
ちひろ「いやいや、口約束で逃げられたくないですからね」
モバP「まぁ、別にいいですけど……」
ちひろ「では明日中に券を用意しますね!」
……
次の日
モバP「わぁ、凄い本格的に作りましたね」
ちひろ「やるからには全力ですよ! さ、モバPさんはここにハンコを押してください」ニコ
モバP「了解です」
ペコ
モバP(一日好きに出来るっていっても、いくらちひろさんでも酷い頼みとかはしてことないだろう)
ちひろ「……」ニヤ
――
事務所 地下
ちひろ「これより第四回モバP私物オークションを開催します!」
パチパチ
ちひろ「えー、皆さんに最初謝らなければいけないことが一点あります」
ちひろ「本日の商品はお一つのみです」
ザワザワ
ちひろ「しかし、安心してください。その一品はどんなものより価値があると思いますので」
ちひろ「その商品名は……!」
ちひろ「モバP一日好きに出来る券です!」
オオオオオオオオ
ちひろ「この通りしっかりモバPさんのハンコも押されているので私が勝手に作っているものではございませんよ!」
ちひろ「さぁ、では10万からスタート!」
まゆ「100万! 100万です!」
まゆ(この券だけは誰にも渡さない!)
亜里沙「150万!」
まゆ(この前の200万のせいで財力が……!)
早苗「200万!」
早苗(おねえさんが絶対に押収してやるんだからね!)
比奈「300万ス」
比奈(まぁ、モバPさんを好きに出来るならこれくらい安いでスよね)
晶葉「1000万」
晶葉(助手への人体実験……楽しみだ)
ザワザワザワ
ちひろ(い、一千万!?)
志希「1500万♪」
志希(一日プロデューサーのいい匂い嗅いでもいいんだよねー!)
晶葉「1700万」
志希「2000万」
晶葉「……2500万」
志希「3000万♪」
晶葉「4000万!」
志希「5000万♪」
晶葉「く……!」
ザワザワザワザワザワ
ちひろ(いやー乱世乱世。まさかこんな額になるとは思いませんでしたよ)グフフ
ちひろ「他に誰かいらっしゃいますか?」
ちひろ(まぁ、これで終わりでしょう)
ちひろ(さすがにこれ以上の額を提示する人はうちの事務所にはいな――)
桃華「一億ですわ」
ザワザワザワザワ!
ちひろ「い、いちお……!」
志希(その額以上はさすがに~……)
ちひろ「他に他に誰かいませんか!?」
桃華(ウフ、わたくしとPちゃまを邪魔するような存在はもういないはずよ)
桃華(あ~Pちゃまとどんな一日をお過ごししようかしら)ワクワク
琴歌「1億2000万ですわ」
桃華「なんですって!?」
琴歌(モバP様を一日好きにさせていただける券……)
琴歌(……)ポ
琴歌(わ、私ったらはしたない。モバP様とはまだそういうのは早いですわ)
桃華「ぐぬぬ! 一億五千万!」
琴歌「2億」
桃華「3億!」
琴歌「3億8000万」
桃華「4億!」
ちひろ(ああ、これはもう切りがなさそう!)
ちひろ「えっとー、一つだけ提案させて頂いてもよろしいでしょうか」
桃華「……なんですの?」
琴歌「……どうぞ」
ちひろ「このままじゃらちがあかないので」
ちひろ「実はこの券……二枚あるんですよ」
ちひろ「ですので……一枚五億でお二人一枚ずつ落札するのはどうですか?」
桃華「まぁ、本来ならお二つほしいところですが、それで譲歩致しましょう」
琴歌「私もそれで構いません。もともとこのように争うような形は嫌いですので」
ちひろ「ではそれで決定ということで」
ちひろ(よかったー。こんなときのために二枚もらっておいて)
ちひろ「では本日はこれにて終了させていただきます!」
パチ……パチパチパチ
――
同日
ちひろ宅
ちひろ「……」プルプル
ちひろ(す、凄い。こんな額の小切手初めて見たわ)
ちひろ「う、うふふふ、うふふふ!」
ちひろ「一体なにを買おうかしら! 洋服? アクセサリー? 車?」
ちひろ「ううん! 家よ! 豪邸が買えるわ!」
ちひろ(来てる! 間違いなくビックウェーブが!)
とりあえず眠いので起きてから再開させていただきたいです。
結構前に立てたものなので覚えている方がほとんどいないと思いますが、よろしくお願いします。
――
翌日 事務所
モバP「おはようございます」
ちひろ「おはようございます」
ちひろ「あ、この前もらった券なんですけどー」
モバP「あれですね。今日使うんですか?」
ちひろ「実は桃華ちゃんと琴歌ちゃんに譲ってしまいましたぁ」
モバP「ええ!? ま、またどうしてですか?」
ちひろ「そのぉ、実は買収されてしまいましてぇ」
モバP「ば、買収って……」
ちひろ「私もお金には変えられない言ったんですけどぉ」
モバP「はぁ……どうせあいつらが強引に迫ったんでしょ」
モバP「いいですよ。あいつらも最近なにかと頑張ってるし俺が体張って機嫌をとります」
ちひろ「あ、じゃあ桃華ちゃんと琴歌ちゃんにこのお金を返しておいてください」ニヤァ
モバP「うわぁ、一万ずつ出したんですか。無茶するなぁあいつらも」
ちひろ「ふふ、本当ですよねぇ」
ちひろ「でも、元はと言えば私がこんな券作ってしまったのが原因です」
ちひろ「本当に申し訳ございません」
モバP「そんな! いいですよ頭をあげてください」
ちひろ「いいんですかぁ?」
ちひろ(桃華ちゃんと琴歌ちゃんには口裏合わせてもらえるように頼んだからこれで大丈夫)
ちひろ(私がタダで譲ったなんていうとモバPさん怪しんじゃいますからね)
ちひろ(そうでなくても最近勘付き始めているし……)
ちひろ(次でオークションは最後にしますか。また新しい商売を考えればいいだけですし)
ちひろ(ふふ、それにしても本当に申し訳ございませんモバPさん♪)ニタァ
芳乃「……」ジー
――
芳乃「そなたーそなたー」
モバP「どうかしたのか?」
芳乃「この前の件なのですがー」
モバP「この前のってああー、地下がどうのうって奴か」
芳乃「ほんの少しだけ一筋の光明が見えたのでしてー」
モバP「光明?」
芳乃「はいー。後もう少しでそなたとわたくしの疑問も解けましょう」
モバP「おお、そうか。それじゃあ頼りにしてるな」
芳乃「おまかせあれー」
モバP「おまかせあれって……」
芳乃「冗談でしてー」
――
マンション一室
桃華「さぁ、上がってくださいませ」
モバP「ああ、うん。いいんだけどさ」
モバP「このマンションはなに?」
桃華「この日のために買ったのですわ」
モバP「えぇ……」
桃華「棟ごと!」
モバP「棟!?」
モバP「ま、まぁ今更そんなのには驚かないけどさ……」
モバP「そのエプロンはなに?」
桃華「ふふ、今日はPちゃまにわたくしの花嫁修業に付き合ってもらいますわ」
モバP「花嫁修業……ね」
モバP(おままごとをするにしては規模がでかすぎるだろ)
桃華「まずは料理を作りますのでそちらにかけてくださいませ」
モバP「お、おう」
モバP(桃華って料理とかしたことなさそうだけど大丈夫なのか?)
――
桃華「できましたわ!」
モバP「……意外と美味しそうだな」
桃華「意外とって失礼ですわね」
モバP「味は……あれ? 美味しいぞ」
桃華「ふふ、これからわたくしなら当然の出来ですわ」
……
モバP(ふー、腹がいっぱいになったから眠くなってきたな)
桃華「……さ、Pちゃまどうぞ」
モバP「いや、どうぞってなにが?」
桃華「食べたばかりで体に悪いでしょうが、眠たいのでしょう?」
桃華「わたくしの太ももを貸してさしあげますわ」
モバP「もうそれ花嫁修業と関係ない気が……」
モバP(まぁ、付き合ってやるか)
モバP「……」
桃華「ふふ、どうでしょう」
モバP「あー、うん。悪くないな」
モバP(適度に太ももが暖かくて眠気がより一層)
モバP「……」
桃華「……寝てしまいましたのね」
桃華(あー、なんて幸せな時間なのかしら)
桃華(少々高くついてしまったと思いましたが、五億でも安いくらいですわ)ナデナデ
――
琴歌 自宅
琴歌「本日はよろしくお願い致します」フワリ
モバP「……燕尾服とか初めて着たんだけど」
琴歌「とってもお似合いですわ」ニッコリ
モバP「一日執事って俺に本当にできるのか?」
琴歌「そんなに難しい作業はございません」
琴歌「一日中私の傍にいていただいて手を貸してもらうだけですから」
モバP「それならいいんだけどさ」
モバP(まぁ、これも仕事の一環ってことで頑張るか)
モバP「では、本日はなにを致しましょうお嬢様」
琴歌「……!」
モバP「……やっぱり似合わないか?」
琴歌「いえ……そのお嬢様と呼ばれてちょっと気恥しかったといいますか……」
モバP「普通に呼ぶか?」
琴歌「ど、どうかそのままで!」
モバP「お、おう」
……
琴歌「では、まず私と一緒に部屋の掃除をお願いします」
モバP「かしこまりました」
……
琴歌「次は一緒にテーブルゲームでも致しましょう」
モバP「かしこまりました」
……
琴歌「私の髪をといてください」
モバP「かしこまりました」
……
琴歌「続いては私に本を読んでください」
モバP「ほ、本? かしこまりました」
……
琴歌「私に料理を食べさせてください!」
モバP「……か、かしこまりました」
……
琴歌「着替えるのを手伝ってください!」
モバP「は!? あ、いや、かしこまりました」
……
琴歌「体を洗ってください!」
モバP「」
……
琴歌「添い寝をしてください!」
モバP「あ、0時を回ったからもう券は無効だな。ということで俺は帰る!」
本日はここまで明日またやります
……
事務所 内
芳乃「うーん……」ウロチョロ
杏「……」グテー
芳乃「少しお聞きしてもよろしいですかー?」
杏「え? なに杏?」
芳乃「探しものをしているのでしてー」
杏「えーそんなの杏にわかるわけないじゃーん」
芳乃「いえー、ものというのは間違えでしてー」
芳乃「情報提供をしていただきたいのですー」
芳乃「事務所に居る時間の多いお方なら有益な情報を持っていると考えましたのでー」
杏「嫌だ無理、眠い面倒」
芳乃「そーおっしゃらずにー」ユサユサ
杏「大体君ならよくわからない力でなんとか出来るんじゃないのー?」
芳乃「万能ではないのでしてー」
杏「……」グカァ
芳乃「それー」ファサ
杏「飴玉ー!」パク
芳乃「……」ニコ
杏「あ……」
杏「もぉ……はいはい。とりあえず聞くだけ聞いてあげるよ」モグモグ
芳乃「実は地下で渦巻いている悪い気を調査しているのでしてー」
杏「悪い気?」
芳乃「はいー。とても禍々しく狂気を孕んでおりますー」
杏「……ふーん。そっかぁ」
芳乃「なにか心当たりはありませぬかー?」
杏「生憎杏はよくわかんないや。ただ――」
――
芳乃「……」ソ
乃々「……!」ビク
乃々「も、もりくぼになにか用ですか……」
芳乃「はいー。ちひろさんの件といえばわかって頂けると杏がー」
乃々「……!」
ガタ
輝子「……」ガクガク
芳乃「あらー。こちらの下にもいらっしゃったのですかー」
乃々「も、申し訳ないんですけど……」
輝子「わ、私たちからはなにも言えない……」
輝子「あ、あいつらが……」
芳乃「手帳とお友達を人質に取られているのでしょうー?」
二人「……!」
芳乃「偶然杏が一部始終を見ていたとー申していたのでしてー」
芳乃「わたくしにー詳しく話してみてはいかかでしょー」
――
芳乃「というわけでしてー」
モバP「……」
モバP「ちひろさんが俺の私物でオークションを……」
芳乃「はいー。乃々と輝子が話してくれたのでしてー」
芳乃「どうやらちひろさんは特定のアイドルにオークションを開くことを連絡していたらしくー」
芳乃「それを偶然乃々と輝子が目撃してしまったらしいのでしてー」
芳乃「人質を取られて口封じされていたらしいのですー」
モバP「……」プルプル
モバP「まぁ……元はといえば俺がものを売るなんて言わなければこんなことにはならなかったんだけどさ……」
モバP「本来であれば大切な娘さんであるアイドル達を親御さんから預かり……」
モバP「それを守り健全で夢が広がる世界へと導いていかなければならない存在の俺ら大人が……」
モバP「あいつらを食い物にするなんて……」
芳乃「ちひろさんは物凄いやり手でしてー」
芳乃「怪しいと思い身辺を洗っても最初は何も出ませんでしたー」
芳乃「手馴れた感じから見てもこれがー最初ではないでしょうー」
モバP「……なぁ、芳乃」
芳乃「安心なさってー。そなたにわたくしは付き従いますゆえー」
モバP「そうか……」
芳乃「どうするのでしてー?」
モバP「アイドルから巻き上げた金を全部奪い返す。どんな手を使っても」
――
翌日 事務所内 面談室
モバP「とりあえず被害状況の確認からだな」
芳乃「それは難しいのでわー?」
モバP「言い出しにくいってことだろ」
モバP「まぁ、それは大丈夫だ。今日オークションで物を買った人間はここに集まることになってる」
芳乃「おー。どんな手法をー?」
モバP「話してくれた人間には返金と俺を一日好きにできる券を配布することをメールで送った」
モバP「っと、そろそろ時間だな」
モバP「プライバシーのためにも芳乃は席を外してもらえるか?」
芳乃「かしこまりましたー」
――
コンコン
モバP「どうぞ」
ガチャ
紗南「……」
モバP「勇気を出してよく来てくれたな。まぁ、とりあえず座って」
紗南「う、うん」
モバP「それでなにを買ったんだ」
紗南「PS3だよ……」
モバP「あれか……確かちひろさんから5万もらったから6万位で買ったのか?」
紗南「じゅ、十万……」
モバP「じゅ、え!? あれそんなにいいやつじゃなかったはずだけど!?」
紗南「ま、まぁなんだっていいじゃん。人の価値はそれぞれなんだからさ!」
モバP「芳乃と同じこと言うのな……はぁ……いいか」
モバP「これに懲りたらちひろさんの怪しい商売には関わるなよ」
モバP「はいこれお金。物は返さなくていいからな」
紗南「……」キョロキョロ
モバP「どうかしたのか?」
紗南「も、もしかして手渡しでこれからも渡していくの?」
モバP「そりゃそうだ」
紗南「お金足りる?」
モバP「そこそこ用意したはずだから大丈夫だと思うが…・…」
紗南「そ、その……頑張ってね!」
モバP「? お、おう」
――
コンコン
文香「失礼します……」
モバP「文香か。まぁ、とりあえず座れよ」
文香「……はい」
モバP「今日はありがとうな」
文香「いえ……そんな……私も悪いことをしているという自覚は少しありましたし……」
モバP「俺もちひろさんに加担してた人間だからな。気にするな」
文香「それでこれが……」ス
モバP「ああ、あの絵本か」
モバP「なるほどな。これで文香は知ったのか」
文香「……そうなりますね……」
文香「……すみません……ずるいですよね……」
文香「……知らないふりをしてあなたが昔読んでいた絵本の話をするなんて」
モバP「……じゃあ、俺もずるいってことになるかな」
文香「え……?」
モバP「これさ。お前好きなんだってな」
文香「その本は……」
モバP「あはは、昔文香の親御さんと話している時にちょっと聞いてな」
モバP「大分、分厚い本だから読むのに時間がかかったけど……」
文香「どうして……」
モバP「これを読めば文香に近付けるかなって」
モバP「お前もそう思ってこの本を買ったんだろ?」
文香「はい……」
モバP「じゃあ、二人共ずるいってことでこれは終わりだ」
文香「……」
モバP「どうかしたか?」
文香「いえ……」
文香「モバPさんは私よりも、もっとずるい人だなってそう思ってしまいました……」ニコ
モバP「……そっか」
モバP「そうだ。返金だな。いくらで買ったんだ?」
文香「25万です……」
モバP「」
――
モバP「絶対……絶対ちひろの野郎から取り返す……」
コンコン
ガチャ
まゆ「失礼しまぁす」
モバP「お、おお。まゆか……」
モバP(い、一番やばそうな奴が来てしまった)
まゆ「まゆが買ったのはこれです」
モバP「なにも聞かずに自分から……ってこれ」
モバP「……」
まゆ「ブラシです♪」
モバP「……」
まゆ「ブラシです♡」
モバP「いや、まぁ、見ればわかるんだけどさ」
モバP「これ髪の毛めっちゃ残ってたよね」
まゆ「はい」
モバP「君、この前髪がどうのうって言ってたよね?」
まゆ「はい」
モバP「……このブラシについてた髪の毛はどこへ?」
まゆ「……フフ♪」
モバP「す、捨てたんだよな! よーしわかった。うん。捨てた捨てた」
モバP「じゃあ早速返金についてなんだが」
まゆ「200万です」
モバP「ん?」
まゆ「200万円で落札しました」
モバP「……200円?」
まゆ「万です」
モバP「は、ははは、冗談きついぞー」
まゆ「冗談じゃないです」キリ
モバP(これまじのやつだ……まゆならやりかねん)
モバP「……ちょっと銀行行ってくるから待っててくれ」
まゆ「あ、返金しなくてもいいですよ」
モバP「はぁ? でも……」
まゆ「うふふ……まゆぅ……とーっても満足しましたから……」ニッコリ
モバP「こっちがそういうわけにはいかないんだ」
まゆ「わかりました。モバPさんがそこまでいうならそれに従います」
モバP(はぁ……いい子なんだけどなぁ……)
モバP(まぁ、これもまゆの魅力の一つか)
とりあえず後は明日書きます。
今月中には終わる……はず。
――
モバP「……ついに定期貯金に手を出してしまったか」
モバP「これだけは絶対に手を出したくなかったのに」
モバP「くそ……将来の子供にとっておいた教育費が」
コンコン
モバP「……!」ビク
マストレ「失礼するぞ」
マストレ「どうしてモバP殿が怯えているんだ?」
モバP「……いや、その、単刀直入にいいますけどなに買いましたか?」
モバP(頼むからまゆみたいな金額にならないでくれ!)
マストレ「それならこれだ」
ス
モバP「い、いやぁぁぁぁぁ!」
モバP「こ、こ、これ!」
マストレ「そうだ。君のエッチな本だな」
モバP「ち、ちひろさん……いや、ちひろの野郎……」
マストレ「そう恥ずかしがるな。私はこれを有益に使わせてもらった」
モバP「え、有益に使ったってマストレさん……」
モバP「それを使って……」
マストレ「ば、馬鹿者! 仕事としてだ!」
モバP「す、すいません。勘違いしてしまいました」
モバP「でも仕事って……」
マストレ「これはプライバシーにも関わるから私からはなんとも言えん」
モバP「そうなんですか?」
マストレ「ああ、とりあえず返金についてだったな」
モバP「そうですね。いくらかかったんですか?」
マストレ「60万だ」
モバP「……」プルプル
マストレ「まぁ、震える気持ちもわかる」
モバP「なに考えてみんなそんな額を出してるんですか……」
マストレ「時に乙女心は狂気に変わるのだろう」
モバP「次世に生かします……」
――
モバP「もう……もう終わってくれ……」
モバP「自分にも責任があるとはいえ……」
ガチャ
楓「失礼します」
モバP「ああ……メイプルさんじゃないですか」
楓「め、めいぷ…・…疲れた様子ですが大丈夫ですか?」
モバP「あの子に憑かれて疲れてます。なーんて」
楓「私のアイデンティティを取るまで疲れている……」
モバP「それで楓さんも例の件の被害者なんですか?」
楓「被害者ではないですよ」
楓「私達が買わなければそもそも起きなかったことですし」
楓「原因はアイドルにもあります」
モバP「いやいや、間違いなく俺とちひろさんのせいですよ」
モバP「それでなにを買ったんですか?」
楓「これです」
モバP「タオル……ですか。またどうしてこんなものを」
楓「いえ……その……ちょうど家のタオルが古くなってて」
楓「新しいタオルがほしいなって思ってたんですよ」
モバP(よかった。そういう理由なら高くはなさそうだな)
モバP「いくらで落札したんですか?」
楓「……五十万です」
モバP「……」
楓「あまり驚かないんですね」
モバP「ええ、今は後悔しています。なぜちひろさんからお金を取り返してから返金しなかったのかって」
楓「私はそれでも構わない、というよりお金はもう払ってしまったので戻ってこなくても……」
モバP「いえ、こういうのはしっかりしないと」ス
楓「どこに行くんですか?」
モバP「財形の解約申請をしようかと」
楓「」
モバP「申請から引き出しまでどれくらい時間が要するのかはわかりませんが」フラフラ
モバP「なるべく早く返金するので待っててください」ボー
楓(あ……ああ、プロデューサーの心が壊れる音を私は聞いてしまったかもしれない)
――
事務所 休憩室
モバP「……」
薫「せんせぇー! どうかしたの~?」
モバP「薫か……先生は今疲れてるんだ」
薫「そうなんだーっ! じゃあ、薫が肩を叩いてげんきにしてあげるー!」
薫「家でおとーさんにやるとすごいよろこんでくれるんだよー!」
モバP「……頼もうかな」
トントン
薫「上手でしょ~」
モバP「なぁ薫……先生が一文無しになっても先生はかおるの傍にいてもいいか?」
薫「当たり前だよ! せんせぇはかおるを『ぷろでゅーす』しなきゃいけないもん♪」
モバP「!」
薫「それにせんせぇがいなくなったらかおる寂しいよ?」
モバP「肩叩きありがとうな。やること思い出したから戻るわ」
薫「元気出た?」
モバP「ああ!」
――
面談室
モバP(そうだ俺はアイドルをプロデュースし続けなければならない)
モバP(そのためには被害状況をしっかりと確認してちひろに報復を決行する)
モバP(大切なアイドルを食物にしたあいつを――)
コンコン
ガチャ
凛「今、大丈夫?」
モバP「………」
凛「どうかしたの?」
モバP「……」
凛「ねぇ、なにか答えてよ」
モバP「凛さん。その頭に被ってるものはなに」
凛「……」
モバP(……大切なアイドルが俺のパンツを頭に被ってるんですけど)
モバP「……あの」
凛「うん。言いたいことはわかるよ」
凛「でもその前に私の話を聞いて欲しい」
モバP「お、おう」
凛「プロデューサーのパンツがオークションで出品された」
凛「それを手に入れないわけにはいかない」
モバP「いや、なんでだよ」
凛「手に入れたら後は……こうなる」
モバP「ならねーよ」
凛「違うの! 最初は私だって抗ったんだよ?」
凛「でも、パンツがそこにあるとどうしても嗅ぎたくなって」
凛「やめようやめようと思っても気がついたらまた吸って……」
凛「挙句の果て嗅いでないと落ち着かなくなりこうなったの」
モバP「俺のパンツはシンナーかなにかか」
凛「まぁ、近いような感じかもね……」
モバP「まるで変態みたいだァ……」
凛「変態という名の淑女だよ」
モバP「いや、変態を認めるな」
モバP「とりあえず頭のやつとらないか?」
モバP「アイドル的にそのビジュアルはまずい」
凛「……」
凛「じゃあ、アイドルやめるしかないね」
モバP「そんなに嫌か」
凛「アイドルはやめたくない。でもこの匂いの快楽から逃れるのは無理」
モバP「とんでもない麻薬だな」
モバP「はぁ……こんなに深刻な奴がいるとはな」
凛「……ごめん」
モバP「まぁ、いいさ。ちょっとずつでいいから元に戻っていこう」
モバP「俺も協力してやるからさ」
凛「プロデューサー……」
モバP「それで、いくら払ったんだ?」
凛「100万」
モバP「とりあえず今手持ちがないから手続きが終わるまで一ヶ月くらい待っててくれないか?」
凛「随分落ち着いてるね」
モバP「もうその金額で慌てることがねーよ……」
訂正
モバP「はぁ……こんなに深刻な奴がいるとはな」
凛「……ごめん」
モバP「まぁ、いいさ。ちょっとずつでいいから元に戻っていこう」
モバP「俺も協力してやるからさ」
凛「プロデューサー……」
モバP「それで、いくら払ったんだ?」
凛「100万」
モバP「とりあえず今手持ちがないから貯蓄を崩す手続きが終わるまで一ヶ月くらい待っててくれないか?」
凛「随分落ち着いてるね」
モバP「もうその金額で慌てることがねーよ……」
――
ガチャ
モバP「トイレ休憩終了っと……」
モバP「ん? なんだこの歯ブラシ」
モバP「置き手紙までおいてあるし」
『オークションで買ったものです。お返しします。お金はいりません』
モバP「……」ピピピ
トルゥゥゥゥ
美波『は、はいッ!新田で、で、です!』
モバP「面談室に来い」
美波『……はい』
……
美波「どうしてわかったんですか?」
モバP「筆跡でだよ」
美波「プロデューサーさん何者ですか……」
モバP「本題に入ろうか。これいくらで買ったんだ?」
美波「……あのその前に引いたりとかしないんですか?」
モバP「よかったな。お前の一つ前に来た奴が強力過ぎてなにも思わないんだ」
モバP「それで値段は?」
美波「150万です」
モバP(ああ……もうどうにもならない金額まで行ってしまったな)
モバP(銀行でお金を借りるしかないか……)
モバP「すぐには返さないけど、なるべく早く返金するから待っててくれ」
美波「いえ……その……私はべつに……」
モバP「ダメだ。絶対に受け取ってもらうぞ」
モバP「それにしてもなんでこんなものに……」
美波「こんなものじゃありません!」グワ
また明日よろしくお願いします。
続きは17時くらいから投下します
明日じゃないですね今日でしたね
美波「この歯ブラシを巡ってどれだけの争いが起きたと思っているんですか!」
モバP「争いって……歯ブラシなんてそこらへんで買えるだろ」
美波「プロデューサーさんのだから意味があるんです!」
美波「使えばそれはプロデューサーさんとキスしているのと一緒なんですよ!」
モバP「いやその理屈はおかしい」
モバP「え、てか普通に俺のやつで美波が歯を磨いたのか?」
美波「それ以外どんな用途があるんですか!」
モバP「えぇ……ちなみにこいつがないと落ち着かなかったりする?」
美波「い、いえ。そんなことはないですけど……」
モバP「ああ、じゃあ大丈夫だ」
モバP(よかった。手放せないとか言われたらどうしようかと思った」
――
コンコン
ガチャ
蘭子「……」オドオド
モバP「蘭子か」
モバP「まぁ、とりあえず座れ」
蘭子「は、はい」
モバP「それでお前はなにを買ったんだ」
蘭子「これです」
モバP「」
モバP「お、お前それ……」
蘭子「闇の辞典……です」
モバP「な、中は見たよな……?」
蘭子「うむ! 我が渇望を満たす辞典であった!」(はい! とても素敵な内容でした)キラキラ
蘭子「特筆すべきはこのギガ・スレイブ!」
モバP「やめろぉぉ俺の心にギガ・スレイブを打たないでくれ!」
モバP(あああ、恥ずかしいあの頃を思い出してしまう)
モバP(あのノートを見ながらポーズと詠唱の練習してたっけな……)
蘭子「素に銀と鉄――」
モバP「やめろ! 学生時代の俺が召喚でもされたらひとたまりもない!」
蘭子「す、すみません」
モバP「……ちなみにいくらで買ったんだ?」
蘭子「……いや……あの……」
モバP「いいにくいのはわかる」
モバP「だが、どんなに大きい額でもしっかりと俺に報告してくれ」
蘭子「2……です」
モバP「20万か? 200万か?」
蘭子「2、万です」
モバP「……」
蘭子「ぷ、プロデューサーさん?」
モバP「蘭子……その背中に生えてる白い羽はなんだ?」
蘭子「!?」
モバP「あ……ふふ、羽が落ちてるじゃないか。後でちゃんと掃除しないとな」
蘭子「ぷ、プロデューサーさん! 幻覚が見えてますよ!?」
――
モバP(い、いかん。二万も結構大金のはずなのに蘭子が天使に見えてしまった)
ガチャ
桃華・琴歌「……」
モバP「」
モバP(あ、むーりぃーな人たち来ちゃった)
桃華「Pちゃま? 顔色が優れませんよ?」
琴歌「私の掛かり付けのいいお医者を紹介致しましょうか?」
モバP「いや、いいよ……」
モバP「まぁ、お前らが買った商品は検討がつくな」
モバP「ちひろさんにあげた俺を一日どうにか出来る券だろ」
桃華「あらさすがPちゃま。理解するのが早いですわ」
モバP「それでいくらで落札したんだ」
琴歌「五億ですわ」
モバP「……」
桃華「Pちゃま。ちなみに言うなら一人五億なのでお間違えのないよう」
モバP「あ、ああああああ!」
モバP「確かに人を一人自由に出来る券を購入ってのは一番わかるけどさ!」
モバP「額には限度ってものがあるだろ!」
モバP「俺の臓器全部じゃ足りないだろ!」
琴歌「このくらい払わないとプロデューサー様を自由になんてできませんし」
桃華「それよりもその様子だと用意するのは難しいようですわね」
モバP「うぐ……ちひろさんから取り返したら返すよ」
琴歌「でも、100%戻ってくるとは限りませんわ」
モバP「それは……確かに」
桃華「そこでわたくし達は考えたのです」
琴歌「もしお金が戻って来なかった場合は……」
桃華「わたくしの旦那様になってもらいますわ」
琴歌「私の『なんでも言うことを聞く』執事になってもらいますわ!」
モバP「」
桃華(正直言うとお金はどうでもいいのですけど)
琴歌(このチャンスを逃すわけにはいかないですわ!)
モバP「わ、わかった」
モバP(だ、大丈夫。すべて取り返せばいいんだ)
モバP(すべて……取り返せるよね?)
モバP(なんかちひろさん色々と買ってたけど大丈夫だよな?)
――
事務所 夜
芳乃「結果はどうでしょうー?」
モバP「ああ、大体の被害額は確認できた」
芳乃「こちらも少し情報を集めましたー」
芳乃「どうやらオークションの他にもー」
芳乃「そなたのアイドルには見せない一面を綴ったー」
芳乃「有料めるまがを配信していたようなのでしてー」
モバP「……そんなことまでやってたのか」
モバP「まぁ、それも含めて取り返すか」
モバP「ていうか絶対取り返さないと俺の人生が……」
芳乃「どうかしたのでしょうかー?」
モバP「なんでもない」
モバP「とりあえず取り返し方は後日考えよう」
モバP「ほら、家に送ってやるから先に言っててくれ」
モバP「デスクの整理したら俺もすぐに行くから」
芳乃「はいー」テクテク
……
ちひろ「―――」
モバP(ん? あれはちひろさんか誰と電話してるんだ?)
ちひろ「うん……もうすぐ借金が全部返せるから……」
ちひろ「お客さんには悪いけどもらったアクセサリーとか鞄を売れば、ほぼ返済できると思う」
ちひろ「あはは大丈夫よ。これでお姉ちゃんも夜のお仕事やめられるわ」
ちひろ「うん……うん。お金のことは全部お姉ちゃんに任せて」
ちひろ「……もうお父さんとお母さんがいなくなってから五年も立つのね」
ちひろ「事業が失敗して多額の借金だけ残した二人はどこに行ったんだろうね」
ちひろ「ん…‥? 泣いてないわよ何言ってるの」
ちひろ「お姉ちゃんは今でも元気マックスよ」
ちひろ「あ、それから今日はスーパーの特売だから――」
モバP(嫌な話聞いちゃったな……)
モバP(そうか。だからお金が必要だったんだな)
モバP(前鞄を父からプレゼントされたって言ってたけど、夜のお客さんからって意味だったんだな)
モバP(やけに定時に上がりたがっていたし飲みかにもあまり来なかったのも納得が出来る)
モバP(あれ。でもこの前夜まで俺、付き合わせちゃったような)
モバP(そういえば俺が頼んだ時ちょっと急いでる感じだったし……)
モバP「俺はそんな人からお金を返せというのか?」
モバP(いや、でもアイドルから巻き上げたお金だし)
モバP(ただちひろさんも切羽詰ってやってはいけないと思っててもやってしまったのかもしれない)
モバP(……ほとんどのアイドルにはかなり無理をすればお金を返せる)
モバP(桃華と琴歌に関しては俺が条件を飲めばどうにかなるみたいだし)
モバP(……俺はどうすればいいんだ)
ちひろ「じゃ、家に帰ったらまた話そう」
モバP(やばい俺もさっさとここから離れよう)スタスタ
ちひろ「……」
ちひろ「ふ、ふふ……」
ちひろ(だめよちひろ……まだ堪えるの)
ちひろ(ち、近くにはまだモバPさんが……)
ちひろ「うくくく、はははは!」
ちひろ「きっと優しいモバPさんのことだからすぐに信じてしまったでしょうね」
ちひろ「これでなにも私に仕掛けなくなればいいんですけど」
ちひろ「仕掛けてくれば……」
ちひろ「ふふ、絶対に私のお金は渡さないわ」
「……そこまでしてお金がほしいの?」
ちひろ「あら、あなただって同じじゃないの?」
ちひろ「杏ちゃん」
杏「杏はべつにだらだらするだけのお金がほしいだけだから」
ちひろ「わかっているわ。はいこれお礼」ポン
ちひろ「ふふ、感謝しているんですよ?」
ちひろ「モバPさんが影で動いていることを教えてくれるなんて」
ちひろ「でもいいんですか? 大好きなお兄ちゃんのような存在を私に売って」
杏「べつに好きじゃないよ。働け働けっていつもうるさいし」
ちひろ「ふふ、杏ちゃんも黒いですね」
ちひろ「じゃ、私はエステがあるのでこの辺で」
杏「……」
杏「確かに杏は色んな意味で真っ黒かもねー」
――
一週間後
モバP「ちひろさん……」
ちひろ「どうしたんですか? そんな深刻そうな顔をして」
モバP「実は知ってしまったんですよ。ちひろさんが俺の私物を売ってオークションをしていることを」
ちひろ「……なるほど」
ちひろ「それでモバPさんはどうするんですか?」
モバP「どうもしませんよ」
ちひろ「え?」
モバP「よく考えてみたんですけど、元はといえば物を売った俺が悪いんです」
モバP「それにアイドル達も欲しくて買ったんですから俺からなんか色々言うのも違うなって思ったんですよ」
ちひろ(思ったよりこの前のやつが効いたみたい……)
モバP「売上についても全部ちひろさんにお渡しします」
モバP「この商売を考えたのはちひろさんなんで」
ちひろ「……」ニヤァ
ちひろ(あ、いけない。演技しないと……)
ちひろ「でもそれじゃあモバPさんが……」
ちひろ「その事情があって確かに私はお金が必要なんですけど」
モバP「い、いいんですよ!」
モバP「この件で誰かが傷ついたってこともないですし」
モバP「最初は俺もアイドル相手になにやってるんだってなりましたけど」
モバP「でも今は……そんなこともないので」
ちひろ「モバPさん……」グス
ちひろ「いつか……このお礼は絶対するので……」
モバP「あ、じゃあ、俺にちひろさんを一日自由に出来る券をくれませんか?」
モバP「それでおあいこってことで」
ちひろ「そんなんでよければ全然いいですよ!」
モバP「じゃあ、この券にハンコをお願いします」
ちひろ「は――」
ちひろ(ちょっと待って。話が出来過ぎじゃないかしら)
ちひろ「……」
ちひろ「ごめんなさい。この前ハンコを落としてしまったので」
ちひろ「後日押しても大丈夫ですか?」
モバP「ええ、それでも構いませんよ」
――
ちひろ(とりあえず杏ちゃんに連絡を取ろうかしら)
ちひろ(モバPさんの監視を頼んでいたし)
ピ ピ ピ
トルゥゥゥゥ
杏『もしもし』
ちひろ「モバPさんの動向を聞きたいの」
杏『んー、最近ずっと悩んでる様子だったよー』
杏『芳乃ちゃんの話だと落とし所を考えてたみたい』
ちひろ(なるほどね)
ちひろ(裏も取れたしハンコを押して上げますか)
――
ちひろ「はい。これでいいですか?」
モバP「ありがとうございます!」
モバP「それじゃあ今から仕事なんで」
ちひろ(ふふ、こんなんで納得しちゃうなんてモバPさんは優しすぎますねぇ)
ちひろ(さって、有給の申請しなきゃ!)
ちひろ(旅行先はどこがいいかしら。 沖縄? ハワイ? 欧州旅行もいいわね!)
ちひろ(旅先で車を購入してそのまま運転しながら景色を楽しんで……)
ちひろ(いい! いいわ! 夢が広がっていく!)
パリン
ちひろ「!」
ちひろ「も、もう。急にコーヒーカップが割るなんて」
ちひろ「あー、書類にコーヒーが……」
芳乃「……」ジー
―――
朝
ちひろ宅
ちひろ「ああ、もう。ちょっと寝坊しちゃった」
ガチャ
バタン
ブルルルル
ブルルル
ちひろ「あれ? エンジンが……」
ちひろ「ああもう! 電車よ電車」
芳乃「……」
――
ちひろ「ああ、もう急がないと……」
パキ
ちひろ「きゃ!」
ちひろ「ひ、ヒールが……」
ちひろ「もうなんなのよ……」
芳乃「……」
――
ちひろ「なんでこんなところに犬の糞が!?」
芳乃「……」
……
ちひろ「な、なんで私の周りだけ雨が降ってるの!?」
芳乃「……」
……
ちひろ「もうなんな――」
ボコ
少年「すみません! 野球ボールが当たっちゃいました!」
ちひろ「あ、朝早くから練習熱心ね……」
芳乃「……」
―――
ちひろ「厄日だわ」
ちひろ(我慢しましょう。後ちょっと仕事をすればバカンスよ)
ちひろ(今日みたいな一日もバカンスで綺麗さっぱり忘れるわ)テクテク
ヒュー
ガシャン
ちひろ「きゃぁ!」
ちひろ「……」
ちひろ「な、なんで鉢植えなんか……」チラ
ちひろ「あそこから落ちたんだろうけど誰もいないわね」
ちひろ「……」ビクビク
芳乃「……」
――
ちひろ「……罰が当たったのかも」
ちひろ「でもまぁ……」
ちひろ「このくらいの罰で済むなら全然プラスよね!」
芳乃「ちひろさんー」
ちひろ「あ、あら芳乃ちゃん? どうかしたの?」
芳乃「少しお願いがありましてー」
ちひろ「お願い?」
――
コツコツ
ちひろ(ここはオークション階段に続く階段……)
芳乃「まさか本棚の裏に隠し通路があってー」
芳乃「こんな階段があるとは考えないのでしてー」
ちひろ「それで芳乃ちゃんは私になにをしたいの?」
芳乃「着けばその謎が解けるのですー」
ちひろ「ふーん……」
ちひろ「なんでもいいけど早く終わらしてね。ちひろさんお仕事があるから」
ちひろ(芳乃ちゃんにはこの場所教えてないのによく気づいたわね)
芳乃「……」
――
芳乃「着いたのでしてー」
ちひろ「こ、これは……」
茄子「はーい。皆さんご注目です♪」
茄子「今回の商品はこの○○プロの事務員さんを一日自由に出来る券です!」
会場内 『ウオオオオオオオオオオオオオオオ!』
ちひろ「なに……これ……」
芳乃「見慣れた光景ではー?」
ちひろ「あれは私がモバPさんに渡した……!」
ちひろ「それよりもこの熱気は何!?」
芳乃「この会場は志希が作った気分が高揚する薬を散布しているのでしてー」
ちひろ「人数も人数よ! こんな人数……」
芳乃「桃華と琴歌に頼んで色々と声を掛けてもらいー」
芳乃「最初は渋った二人を説得するのは大変だったそうなー」
ちひろ「あの二人……!」
ちひろ「……」
ちひろ「……お金を取り返す手段がこれってわけね」
芳乃「……」
ちひろ「私も甘かったわ。裏をかかれるなんて」
ちひろ「帰るわ」
芳乃「ほーう」
ちひろ「あんな紙切れ一つどうとでもなるわ」
ちひろ「無理矢理ハンコを押されたとか、最悪雲隠れでもして」
芳乃「それは無理なのでしてー」
黒服『……』ス
ちひろ「なに……この人たち……!?」
芳乃「今日は櫻井家と西園寺家両家が関わっていてー」
芳乃「どんな手を使ってもちひろさんを従わせるでしょうー」
ちひろ「ちょ、ちょっと離して!」
芳乃「大人しくしてくださいませー」
芳乃「それにここから逃げてもー」
芳乃「わたくしの思いはどこへでも届きますゆえー」
ちひろ「……!」
芳乃「心辺りがあるようでしてー」
芳乃「本来ならば人を導く力なのでー」
芳乃「無為に使わせぬよーご協力をー」
芳乃「ただーそちらがその気ならわたくしも頑張らねばとー」
ちひろ「どうしてよ……」
ちひろ「アイドルだって喜んで買っていたじゃない!」
ちひろ「わたし一人が裁かれるのはおかしいわ!」
芳乃「人の恋心を利用する商売はー」
芳乃「あまりいいものではないのでしてー」
ちひろ「そんなの言ったらバレンタインデーとかもそうじゃない!」
ちひろ「あれだって人の恋心を利用したものでしょ!」
ちひろ「バレンタインデーといって限定SRを作ったりとか!」
ちひろ「智絵里ちゃんの前でどれだけのプロデューサーが散ったと思っているの!」
芳乃「その件についてはわたくしはなにも言えないのでしてー」
ちひろ「そうだ……杏ちゃん!」
ちひろ「杏ちゃんは私から賄賂を受け取ってあなたたちの情報を流していたわ!」
芳乃「それは良いのですー」
ちひろ「え」
芳乃「ふふー」
ちひろ「う、裏切ったのね……あの子……」
芳乃「オークションが始まる前にー」
芳乃「皆さんの声を聞いてみましょうー」
ちひろ「声……?」
『じ、じ、じ、じ、自由ってことはなに、しても……い、い、いいんだよね……」
『ちひろさんの太ももちゅっちゅさせてくれー!』
『ちひろさん……ちひろさん……! うっ』
『ハァハァちひろさんの眼球ペロペロ……」
『早くちひろさんの型をとりたいなぁ……」
『あ^~ちひろさんの足指の間の匂いが嗅ぎたいじゃ~」
ちひろ「ヒッ!」
芳乃「以前感じた気よりもー」
芳乃「何十倍もの禍々しい気になっておりますー」
芳乃「これも薬の効果でしょうかー」
ちひろ「お金! お金を返すわ!」
ちひろ「だからこんなことはやめましょう。ね? 芳乃ちゃん」ニッコリ
芳乃「それは叶えられぬ願いでしてー」
ちひろ「そ、そんな!」
芳乃「ただわたくしも鬼ではないのでー」
芳乃「はいー」
ちひろ「これ、番号札?」
芳乃「ちひろさんにはー」
芳乃「このオークションに参加してもらいます」
ちひろ「……自分で取り返せってことね」
ちひろ「いいわ」
ちひろ(……どういうことなのかしら)
ちひろ(いくら私を自由に出来るからといって、アイドルたちが払ったお金に達することは到底ないと思うんだけど)
ちひろ(もしかしたら10億もいくと思ってるのかしら)
ちひろ(ふふ、ありえないわ。そんな財力がある人間がここにいるはずもないし)
ちひろ(それにたった1日のためにそこまで払う人間がこの世にいるわけがない)
訂正
芳乃「はいー」
ちひろ「これ、番号札?」
芳乃「ちひろさんにはー」
芳乃「このオークションに参加してもらいますー」
ちひろ「……自分で取り返せってことね」
ちひろ「いいわ」
ちひろ(……どういうことなのかしら)
ちひろ(いくら私を自由に出来るからといって、アイドルたちが払ったお金に達することは到底ないと思うんだけど)
ちひろ(もしかしたら10億もいくと思ってるのかしら)
ちひろ(そんな財力がある人がここにいるはずもないし)
ちひろ(たった1日のためにそこまで払うなんてありえないわ)
ちひろ「芳乃ちゃん。どんな結果になっても私があれを獲得したらもうなにもして来ないでね」
芳乃「約束しましょうー」
ちひろ(勝った――)
茄子「それではまいりますよー♪」
茄子「まずは100万から」
『200!』
『300!』
ちひろ(ふふ……ここはまゆちゃんがやった戦法を真似しますか)
ちひろ「一億!」
『……』
シーン
ちひろ(ふふ、安いものね。芳乃ちゃんには悪いことしちゃったかしら)
『1億1000!』
ちひろ「え!? どうして……」
ちひろ(そういえば桃華ちゃんと琴歌ちゃんが声をかけたって言ってたわ……)
ちひろ(なら財力はクリアしているわね……)
芳乃「ふふーここに集まっている者はみなちひろさんを愛している方が多いゆえー」
芳乃「それから最近志希が惚れ薬の開発に成功したそうなー」
ちひろ「くっ……使ったのね!」
芳乃「それはどうでしょうー」
ちひろ「二億!」
『三億!』
ちひろ「さ、三億五千!」
『四億!』
ちひろ「お、おかしいわ! いくらなんでも釣り上がりすぎよ!」
ちひろ「どうしてここまで……」
茄子「……」ニコニコ
ちひろ(も、もしかして……茄子ちゃんのおかげ……?)
『五億!』
ちひろ「だ、駄目! それ以上あがらないで!」
『五億五千!』
『ちひろ……ちひろォ!」
ちひろ「ろ、六億!」
『ああ、普段は優しい笑顔のちひろさんを地面に這い蹲らせたい……』
『七億!』
『いい髪の匂いがするんだろうなー切ってガラスケースの中に保存しないとぉ』
『八億!』
『あ^~ちひろさんの耳の垢を舐めとってあげたいんじゃ~』
ちひろ「……く!」ビクビク
芳乃「……楽しみな一日が待っておりますゆえー」ニッコリ
ちひろ「十億! 十億よ!」
シーン
ちひろ「はぁ……はぁ……」
ちひろ「これで満足?」
『十一億!』
ちひろ「え?」
ちひろ「ちょ、ちょっと芳乃ちゃん……」
ちひろ「もう取り返せてるんだからそろそろやめにしない?」
芳乃「わたくしは最初から取り戻そうとは思っておりませぬー」
ちひろ「え?」
芳乃「ムシれるだけムシりとるー」
芳乃「それがわたくしの考えでしてー」
ちひろ「」
芳乃「まだオークションは続いておりますよー」
ちひろ「一二億!」
『13億!』
ちひろ「一三億千……!」
『一四億!」
ちひろ「あーもう! 一五億!」
ちひろ「これ以上は出せませーん!」
カンカンカーン!
――
一週間後
モバP「……」
ちひろ「……」ドゲザ
モバP「えっと、どうしたんですか?」
ちひろ「わたくし千川ちひろはモバP様の大切なアイドルを食物にし商売をしておりました」
ちひろ「よって、アイドルに巻き上げたお金をお返しすると共に迷惑料を支払います」
モバP「え、えっと? え? 状況が全くわからん」
モバP「それよりもちひろさんいいんですか!」
モバP「確か借金がどうとかって……」
ちひろ「そ、そうなんです――!」
芳乃「……」ニコニコ
ちひろ「……あれは全部嘘ですはい」
モバP「うそ!?」
ちひろ「モバPさんを騙すために一芝居打ちましたすみません!」
モバP「そ、そんな……」
モバP「まぁでも、よかったですよ」
ちひろ「え?」
モバP「ちひろさんが不幸の最中にいるんじゃなくて」
モバP「あー、でもアイドルを食物にした件は絶対に許しませんからね」
モバP「許してもらいたかったら、これからもアイドルのために誠心誠意働いてください」
ちひろ「モバPさん……」ブワ
モバP「それから迷惑料の分はいりません」
モバP「これでアイドル達にご飯でも食べさせてあげてください」
ちひろ「そんな……」
モバP「いいですから」
ちひろ「私、今日から変わります! 誠心誠意働くので見ててください!」タッタッタ!
ちひろ(なんかモバPさんなにも知らない様子だったけど誰があの作戦を企てたんだろう……)
ちひろ(ま、いっか)
モバP「……俺がきらりと木場さんに海外旅行に連行されてる間になにかしたのか?」
芳乃「んー」チラ
杏「……」グテー
芳乃「わたくしはなにもしておりませぬー」
モバP「またまた芳乃様ったらー」
モバP「まぁ、穏便にことを運べたからよかったわ」
モバP「でもこの動きまくった大金をどう処理すればいいんだ……」
芳乃「そこは桃華と琴歌が上手くやると申していてー」
モバP「ああ……あの二人に任せれば大体なんとかなりそうだな」
モバP「とりあえず今回の件はありがとうな」
芳乃「いえー先程も申したようにー」
モバP「お、やばい。時間だ。スタジオに行ってくるわ」
モバP「またなにかあったら頼むわ! それじゃ」タッタッタ
芳乃「……」
芳乃「いいのでしょうかー」
杏「それってもしかして杏に言ってるのー?」
芳乃「あのメールを送ってきたのは杏でしょうー」
杏「最近芳乃ちゃんに連絡なんてしたっけー?」
芳乃「裏切った杏ーというちひろさんの言葉で確証しましたー」
杏「……」
芳乃「アイドルへの根回しやー」
芳乃「説得、券の入手、わたくしへの指示をー」
芳乃「すべて杏が考えてーわたくしに連絡したのでしょうー」
杏「……ふーん」
芳乃「正直に申しますと理解できない部分も多いゆえー」
芳乃「説明していただけないでしょうかー」
杏「簡単でいいならいいよ」
芳乃「お願い致しますー」
芳乃「まずアイドル達をどうやって説得をー?」
杏「まぁ、頑張って話をしただけだよ」
杏「みんなちひろさんの催しを楽しんでたから、後ろめたさもあってすぐに協力ってなってけどさ」
芳乃「なるほどー」
芳乃「それとあの方をどうして海外へとー?」
杏「プロデューサーを使ってちひろ自由券を入手しようと思ったんだけどねー」
杏「演技下手だし、ちひろさんの嘘を完全に信じちゃってたから使い物にならないなって」
杏「だから、晶葉ちゃんのメカPを借りて券を入手したんだよ」
杏「その間プロデューサーは邪魔だから、きらりと木場さんに頼んで無理矢理国外に出したんだよ」
杏「あ、この金はちひろさんからもらったお金から出した」
芳乃「ふむふむー」
杏「後は芳乃ちゃんの知ってる通り」
杏「芳乃ちゃんがちひろさんを脅して、お嬢様二人に頼んで人を集めてもらって、志希ちゃんの薬を使う」
杏「最後、ちひろさんにプロデューサーに土下座をして謝るなら迷惑料とこれまで巻き上げたお金の返金で許すといって和解する」
杏「ちひろさん自ら渡さないとプロデューサーが受け取らない可能性があったからねー」
芳乃「ほーう。よく考えておりましたねー」
芳乃「最初からわかってたいたのでしてー?」
杏「うーん、まぁ、ちひろさんが怪しいメルマガを配信した辺りからバレたらプロデューサーが許さないなって」
杏「ただちひろさんのことだからプロデューサーは上手くやられてなにもできずに終わっちゃうってわかってたんだよね」
杏「だから、杏が予め内部に潜伏しておいていざとなったらその位置を有効に使ってプロデューサーを助けようと思ってたわけさー」
杏「はい。疲れたからここまで。杏はもう寝るよ」
芳乃「……最後に一番気になることがありましてー」
芳乃「なにもかもが面倒だとおっしゃっているのにー」
芳乃「なぜ今回に限りこんなに協力をー?」
杏「……」
芳乃「……あーこれが『野暮』というやつでしてー」
芳乃「それでは失礼しますー」スタスタ
杏(誰かが支えてあげなきゃいけないんだよ)
杏(アイドルのわがままに付き合っていつも家を燃やされたり変な薬飲まされたり)
杏(ヘンテコな機会に振り回されててさ)
杏(文句をいいながらでも結局最後は許しちゃう)
杏(そんなの誰かが影で支えてあげないと絶対に壊れちゃうよ)
杏「……はぁ。まったくバカだよね」
杏「杏はあんまり動きたくないんだから心配かけさせないでほしいよー」
『大好きなお兄ちゃんのような存在』
杏「……」
杏「間違ってはないか」ボフン
end
二年くらいかかってしまいましたね。
当時読んでいただいていたかた達や新規の皆様に満足してもらえる内容だったらよかったです。
書き溜めなしでそのまま投稿してたので誤字やあれ? と思う部分は多かったと思いますが、付き合ってくれてありがとうございました。
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