最原「安価で皆に仮面ライダー布教する!」 (455)
―――最囚学園 食堂……
赤松「えっ!? 最原くんと白銀さんが!?」
百田「ああ、時々二人一緒にどこぞに消えるらしいんだ」
真宮寺「僕も二人が一緒に居る所を見たヨ。なんだか楽しそうだったネ」
王馬「にしし! 何だか怪しいよね!? もしかして二人で隠れてイケナイことしちゃってるのかな~!?」
赤松「そ、そんなこと無いよ! あの二人に限って、そんな関係なはずが無いってば!」
夢野「んあ? イケナイこととはなんなんじゃ?」
春川「夢野が知る必要は無いよ」
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夜長「気になるね~! 終一とつむぎは何をしてるんだろうね~? 事と次第によっては血の雨が降るよ~!」
入間「ひぃぃっ! なんか物騒な言葉が聞こえたぁっ!?」
星「ったく……そう言うプライベートなことを嗅ぎまわるんじゃねえよ。本人たちの好きにさせてやれ」
キーボ「しかし、気になることは気になりますよ。二人でこそこそと殺人計画を練っている可能性だって否定しきれません」
茶柱「そうでなくとも女子である白銀さんが男死と二人きりだなんて……! 万が一間違いがあったらどうするんですか!?」
天海「まあ、確かにこそこそされると気にはなるっすよね……」
獄原「じゃあ、ゴン太が二人に聞いてみるよ! 二人で何してるの? ってさ!」
春川「……それをしても意味無いんじゃない? もしもやましいことがあったら隠すだろうし、本当の事を言うとは限らないよ」
獄原「あ、そっかぁ……」
東条「……ちょっと良いかしら?」
赤松「東条さん、どうしたの?」
東条「実は、もう既に二人の行動パターンは調べてあるのよ。私も気になった物だから、こっそりと後をつけてみたのよね」
赤松「ほ、本当に!? それで、二人はどうしてたの!?」
東条「地下のAVルームに入って行ったわ。そこから先は流石に調べられなかったけど……」
王馬「鍵のかかる部屋で男女が二人きり……これは、ひょっとするとひょっとするんじゃないかな!?」
茶柱「あ、あわわわわ……!? そんなの不潔です! 最原さんには徹底的なおしおきが必要ですよ!」
夜長「……まだそうと決まった訳じゃ無いよね~? なら、二人が何をしてるか調べてみたらいいんじゃないかな~?」
百田「お、おいおい! AVルームに乗り込むってことかよ!?」
夜長「もんもんと悩み続ける位なら、いっそぶち込んじまえ……神様もそう言ってるよ~!」
星「随分と暴力的な神様だな、おい」
赤松「……そうだね、そうしよう! 王馬くん、AVルームの鍵を開けることは出来る!?」
王馬「もちのロンだよ! にしし! 楽しくなって来た~!」
春川「赤松まで……はぁ、これはもう付き合うしかないか……」
夜長「そうと決まればAVルームにGO! だよ~!」
―――地下 AVルーム前
赤松「着いた! 二人は中に居るのかな?」
夢野「……何やら話し声と賑やかな音がするのぉ」
天海「普通に映画を楽しんでるだけなんじゃないっすかねぇ?」
真宮寺「いやいや、もしかしたら会話を聞き取られない様にわざと雑音を流しているのかもしれないヨ?」
王馬「もしくはドッタンバッタンの大騒ぎの音を聞かれない様にしてるのかもね! あ、ズッコンバッコンの方が分かり易いかな!?」
赤松「言い直さなくて良いから! 王馬くんはさっさと鍵を開ける!」
王馬「もう、赤松ちゃんはジョークが通じないなぁ……」ガチャガチャ…
入間「……なあ、もしも中で童貞原と地味ブス女がお楽しみの最中だったらどうするんだ? 見なかったふりして帰るのか?」
赤松・夜長「そんなことして無い(よ~)!」
入間「ひぃぃぃっ!!! ど、怒鳴るなよぉ……一応確認しただけじゃんかぁ……」
王馬「そんな会話をしている間に鍵が開いたよ! すぐにでも中に突撃出来るけど……」
夜長「よっしゃ行くぞこらーっ! ……って、神様が言ってるよ~!」ダダダ…
赤松「あっ! 待て~っ!」ダダダ…
百田「行動早過ぎだろ!? お、おい、待てよっ!」
―――ギィィ……バタン!
最原「うわっ!? ……な、なに!? どうしたの!?」
白銀「何々!? 何の音!?」
赤松「最原くん! 白銀さん! 二人でここで何を、して……?」
百田「赤松! 夜長! ちょっと待てよ! って、こりゃあ……」
最原「赤松さんに百田くん!? 皆も居るの!?」
白銀「もしかして……これを一緒に観に来たのかな!?」
キーボ「これ、って……? なんですか、この赤と青の半分こ怪人は?」
白銀「仮面ライダーだよ! 現在放送中の仮面ライダービルド! 放送されてるのを録画して、最原くんと一緒に観てるんだ!」
全員「仮面ライダー……?」
―――数分後……
赤松「……という訳なんだけど……」
白銀「あはは! 私たちが殺人計画を? ないない、な~い!」
最原「皆に黙ってたのは悪いと思ったけど、興味もなさそうだったしさ……」
白銀「最原くんがヒーロー好きなのは知ってたからね! もしかしたらと思って仮面ライダーを勧めたら大ファンでさぁ!」
最原「ここには全シリーズのDVDもあるし、ついついやって来て二人で観ちゃってたって訳なんだ」
赤松「なんだ……そうだったんだぁ……!」ホッ
王馬「ちぇ~、つまんないの~!」
天海「まあまあ、これで二人が何をしてたかもわかったんですし……もう心配事はありませんよね?」
茶柱「あります! 男女が二人でこんなところに長時間居て……間違いがあったらどうするんですか!?」
夢野「んあ~、転子はうるさいの~……」
百田「そんな気にしなくて良いだろ? たかが仮面ライダーを観てるだけなんだしよ」
白銀「むっ! たかがだって!?」ズイッ!
百田「お、おぉ!?」
白銀「たかが仮面ライダー……今、そう言ったね!? 仮面ライダーをたかがって言ったね!?」
春川「……なんかスイッチ押しちゃったみたいだよ?」
入間「オタクってこう言う所面倒臭いんだよな……」
白銀「よ~し! そこまで言うのなら皆に仮面ライダーの素晴らしさを教えてやろうじゃあないか! 平成シリーズの全ライダー作品、一気に見せてあげちゃうよ!」
百田「わわわっ! パスだパス! そんなもんやってられるか!」
白銀「なんだと~!?」ゴゴゴ…!
百田「お、俺は仮面ライダーよりもウルトラマン派なんだよ! 地球でせせこましく戦う仮面ライダーより、宇宙を股にかけるウルトラマンの方がスケールも体もでっけぇだろうが!」
白銀「ぐぅっ! ウルトラマンシリーズも面白いけど、仮面ライダーだって負けて無いんだからね!」
最原「そ、そうだよ! 仮面ライダーはせせこましくなんか……!」
星「……まあ、子供向けの作品だってことは確かだけどな」
東条「個人の嗜好を否定するつもりは無いけど、押し付けられる言われも無いわね」
入間「この歳になって子供向けの番組なんか見てられるかよ! だっせえんだよ!」
最原「うぐっ! そ、そんなことは……」
白銀「面白いんだよ、仮面ライダー! なんでわかってくれないのさ!?」
天海「いやー……俺は、あんまりテレビ番組を見ないんで……」
獄原「紳士はそういう番組は見ないんだよ! ニュースとかを見て、勉強するんだ!」
茶柱「男死の暴力性を増長する番組なんか、転子は見ません!」
夢野「殴り合いなんか馬鹿らしい、魔法で一発じゃ。プリキュアの方が良いぞい」
白銀「もう30分長く見ようよ~! 放送時間が変わってプリキュアの後になったからそのまま見てようよ~!」
春川「……そうだったんだ」
最原「と、とにかく見てみようよ! きっとみんなもはまる作品があるって!」
キーボ「結構です! 僕たちはそんなことはしません!」
夜長「終一も子供っぽい所があるんだね~! アンジーはそう言うとこ嫌いじゃないけどね~!」
赤松「う~ん……私もパスかなぁ。あんまり興味ないし……」
白銀「そ、そんなぁ……!?」
王馬「……つまり皆の意見を総括すると、『仮面ライダーみたいな子供番組を嬉々として見てる二人はどうかしてるぜ!』ってことだね!」
白銀「!?」ガーン!
赤松「ちょ、ちょっと! そこまでは言ってないじゃん!」
王馬「そこまでは言ってなくてもそれに似たことは言ってたでしょ?」
赤松「そ、そんなつもりは……って、あれ!?」
白銀「う~ん……う~ん……」
最原「あ、あまりのショックに白銀さんが気絶したーっ!? しっかりして、白銀さん!!!」
白銀「う~ん……う~ん……」
―――数分後、白銀の研究教室
最原「白銀さん、しっかりするんだ! ここを出て一緒に平成ジェネレーションFINALを見に行こうって約束したじゃないか!」
白銀「さ、最原くん……その約束は果たせそうにないよ……私はどうやら、ここまでみたい……」
最原「そ、そんなっ!? 気を強く持ってよ!」
白銀「そ、そんなことより……私は悔しいよ、最原くん……! 仮面ライダーを否定されて、私は悔しいんだよ……!」
最原「!?!?」
白銀「先が気になるストーリー、カッコいいアクション、怒涛の盛り上がりを見せる展開……仮面ライダーは、大人たちが本気で作る子供向けの番組なんだよ。大人が見ても十分に楽しめる……いや、大人だからこそ楽しめる作品でもあるんだよ……! なのに、みんなにそれを理解させられなくって、オタクとして悔しいよ……!」
最原「し、白銀さん……! 分かる、分かるよ、その気持ち……! 僕も悔しいんだ……! 大好きな仮面ライダーを否定されて、僕も悔しいんだよ!」
白銀「さ、最原くん……! こんな私の最後の願いを聞いてくれるかな……?」
最原「な、なに?」
白銀「……皆に、仮面ライダーの素晴らしさを教えてあげて……! 皆もきっと、しっかりと作品を見れば分かってくれるはずだから……! だから……っ! ごほっ、ごほっ!」
最原「白銀さん! もうこれ以上は……!」
白銀「さ、最原くん……お、お願い……!」
最原「……うん、わかったよ。どこまでやれるかわからないけど、やってみる……ううん、やるよ。僕、やってみせるから……! 皆を、仮面ライダー好きにして見せるから!」
白銀「よかった……これで、心残りが無く、逝ける……」
最原「し、白銀さん!!?」
白銀「……あ、そう言えば私、黒幕の仲間だったんだけどそれも許してくれるかな?」
最原「えっ!? ……ゆ、許すよ、仮面ライダーが好きな人に悪い人は居ないもの……!」
白銀「良かったぁ……! 最原くん、やっぱり君は、優しくて、素敵で、それで……」ガクッ…
最原「し、白銀さん……? 白銀さん!? 三つ目を言ってよ! 白銀さ~~んっ!!!」
最原(……こうして、白銀さんは僕に全てを託して眠りに就いてしまった。僕は、彼女の意思を継いでこの使命を果たさなければならない)
最原(皆に仮面ライダーの素晴らしさを教授する! それが、僕と彼女の約束なのだ!)
―――翌日 最原の研究教室
最原「……とにかく行動を開始しよう。皆に仮面ライダーを布教するんだ! でも、誰に教えれば良いのかなぁ……?」
最原(昨日の皆の様子だとあんまり興味は無さそうだったし、そう言う人たちを無理に引き込むのは難しいもんなぁ……)
最原「……良し、まずは人数を増やすんだ! 興味を持つ人が増えれば、こっちの話に耳を貸してくれる可能性だって上がるだろう!」
最原「その為にはまず今の時点で僕の話を聞いてくれる人を引き込まなきゃ! 仮面ライダーのモチーフに興味がありそうな人とかに声をかければきっと見てくれるはずだ!」
最原「あとは……昨日の会話から話を聞いてくれそうな人を割り出してみよう! 誰かニチアサヒーロータイムを見てそうな人はいなかったかな?」
最原「よ~し! 俄然やる気が出て来たぞ! 白銀さん、僕を見守っててね!」
白銀『……うん、約束だよ。君の事、見守ってるからね……』スヤァ…
ルール説明
最原くんは一日に一人声をかけることが出来ます。その際、まずはその人物が話を聞いてくれるかどうかの判定があり、それを突破した人にのみ仮面ライダー作品を一つ勧めることが出来ます。
その際に行った会話の内容からおすすめする作品を決定し、安価で答えて下さい。成功すれば、その生徒を最原くんの仲間に引き入れることが出来ます。
また、外れてしまった場合も仲間の数によっては最原くんが作品の説明を行ってくれます。興味がある方は、作者による好きな仮面ライダー作品やライダーの話を聞いてみてネ。
最後に一つ、ヒントを差し上げましょう。現状、話を聞いてくれない人もいることでしょう。そう言う人は、最原くんの仲間が増えれば話を聞いてくれる様になるかと存じます。
詰まったら誰か話し易そうな人に声をかける。もしくは、仲間になった人と仲が良い人に声をかけてみると良いでしょう。
では、最初の安価です。今日は誰に話しかけますか? 3つ下の安価で決定します。
―――入間の研究教室
最原「入間さん! ちょっと話があるんだけど……」
入間「あぁん? なんだ、ダサイ原じゃねえか! 美人過ぎる天才発明家の俺様の時間を取ろうなんざ、相当な事件なんだろうな?」
最原「う、うん……実は、仮面ライダーのことなんだけど……」
入間「あぁ!? そんなくだらねー話の為に俺様を呼び止めたってのか!? 知るか! んなもんに興味はねー!」
最原「うぅ……そこまで言わなくてもいいじゃないか……」
入間「ひゃーっはっは! 愚民が悔しそうな顔をしてるのを見るのは面白いぜ! ひゃーっはっは! ひゃーっはっは!」ゲラゲラ!
最原「……見てろよ! 皆が仮面ライダーにハマった暁には、入間さんを除け者にしてやるからな!」ダダダ…!
入間「え……? ちょ、ちょっと待てよ。そう言う脅しはズルいだろうがよーっ!」
入間さんの説得に失敗しました。残念ながら、彼女はまだ話を聞いてはくれない様です。
―――夜、AVルーム
最原「……グスン、一人は寂しいなぁ……。今までは白銀さんが居てくれたから話が出来たけど、今は独りぼっちだからなぁ……」
最原「はぁ……誰か仲間が欲しいなぁ。その為にも、頑張らないとな……」
―――翌日
最原「さあ、頑張るぞ! 今日こそ話を聞いてもらうんだ!」
誰に話をしに行きますか? 一つ下の回答で決定
―――百田の研究教室
最原「百田くん! 話をしに来たよ! 君に仮面ライダーの素晴らしさを知ってもらうんだ!」
百田「来やがったな終一! その根性は認めるが、俺はウルトラマン派から願えるつもりはねー!」
最原(よし! 百田くんは僕と話をしてくれそうだ! この調子で仮面ライダーの素晴らしさを伝えるんだ!)
最原「百田くん、君は何でそんなに頑なに仮面ライダーを認めないのさ? 仮面ライダーにだって、男のロマンがあるだろうに!」
百田「別に仮面ライダーが嫌いって訳じゃあねえが、俺は宇宙に轟く百田解斗だ! 宇宙からやって来たウルトラマンと地球から飛び出せないままの仮面ライダー、どっちに憧れるかなんて分かんだろうが!」
最原「……つまり君は、仮面ライダーが宇宙に行けないからウルトラマンより下だって言いたいんだね?」
百田「おうよ! 悔しかったら宇宙に行ける仮面ライダーを連れて来るんだな! まあ、そんなのが居ればの話だけどよ!」
最原「………」
最原(……百田くんが求めるのは『宇宙に行ける仮面ライダー』……そんなの、簡単に見つかるじゃないか!)
最原(第一話から大気圏を超え、シリーズのほとんどの回で宇宙に行っている仮面ライダー! 青春と友情をメインテーマにし、友達と力を合わせて一年間学園の平和を守り続けたあのライダーが居る!)
百田「さぁ、終一! 俺を納得させられる仮面ライダーは居るのか!? 答えて見ろ!」
最原「ああ! 百田くん、これが僕の答えだ!」
百田くんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
10月からプリキュア→ライダー→戦隊の並びになったヨ。長い歴史に幕が下りた様で、少し寂しいよネ……
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーフォーゼ】
百田「な、なんだぁ!? この白くて妙ちくりんな奴は? まさかこいつも仮面ライダーなのか!?」
最原「その通りだよ! 平成ライダー13作品目の主人公、仮面ライダーフォーゼ! これこそが君の言葉に対する僕の回答さ!」
百田「こ、こいつが仮面ライダー!? だ、だって、仮面ライダーってのはもっと虫っぽい奴だろ!? こいつはどっからどーみても虫じゃねえ! なんつーか、こいつは……」
最原「……ロケットみたい、でしょ?」
百田「お、おう! その通りだぜ! 本当にこんなライダーが居るのかよ?」
最原「勿論だよ! AVルームにDVDがあるから、一緒に見に行こうよ!」
百田「よ、よぉし! ここまで来たら付き合ってやらぁ!」
―――AVルーム
最原「はい、フォーゼのDVDだよ。本当にあるでしょ?」
百田「ま、マジか……? ロケットがモチーフの仮面ライダーがいるなんて……!?」
最原「……正直、このフォーゼは最初に姿が出た時に相当叩かれた仮面ライダーなんだ。あんまりにも異質でカッコイイとは言い難い仮面ライダーだったから、浣腸薬とも呼ばれてたんだよね……」
百田「お、おぉ……そうなのか?」
最原「うん……でも、放送が開始したらそんな声は消えてなくなったんだ! 全部の仮面ライダーに言えることなんだけど、見た目はダサく思えても動くとカッコいいんだよ!」
百田「本当かぁ? 俺にはこいつがかっこよくなる未来が見えねえぞ?」
最原「まあ、見ててよ! じゃあ、再生を始めるよ!」
視聴開始……
最原「……フォーゼの舞台は天ノ川学園って言う高校なんだ。物語は、そこに主人公である如月弦太朗が入学して来るところから始まるんだよ」
百田「こいつが主人公か……短ランにリーゼントって、相当攻めたスタイルしてんなぁ……! 俺、こう言う奴、好きだぜ!」
最原「とにかく明るくて破天荒な弦太朗を演じたのは福士蒼汰さん。今も映画やドラマで活躍する売れっ子俳優で、この作品で初主演を務めたんだ」
百田「へぇ~……どっかで見た顔だと思ったけど、まさかそんな俳優が仮面ライダーをやってたとはなぁ……」
最原「仮面ライダーはイケメン俳優の登竜門だからね。この作品に出た俳優がどんな風に活躍するのかを見るのも楽しみの一つだと思うよ!」
一話視聴中……
TV『3……2……1……!』
最原「変身っ!!!」ガバッ!
百田「!?」ビクッ!?
フォーゼ「な、なんだかわかんねえけど、宇宙、キターーーっ!!!」
百田「うぉぉぉっ!? ど、どこもかしこもうるせーっ!」
最原「ごめんごめん、ついテンションが上がっちゃって……」
百田「ったく、まあ良いけどよ……。にしても、結構変身シーンには気合が入ってるんだな。変身前のやりとりもコミカルでおもしれ―し、見ごたえあるぜ」
最原「でしょ!? フォーゼは明るい作風で、子供たちが楽しく見られる様になってるんだよね!」
百田「……でもよ、やっぱりこいつがかっこよく見える気がしねえんだよな。面白い奴ではあるけどよ……」
最原「ふふふ……! ここからがフォーゼの見所だよ!」
TV『ロケット、オン!』
百田「あ……? なんだぁ? 腕に、ロケット!?」
最原「驚いた? 驚いた!? これこそがフォーゼの最大の特徴、40個のアストロスイッチによる多彩なギミックアクションさ!」
百田「アストロ、スイッチ……?」
最原「フォーゼの両腕と両脚には、それぞれ対応した装備を呼び出すことが出来るんだ! それを制御するのがアストロスイッチって言うアイテムで、それを組み合わせることで多彩なアクションが出来るんだよ!」
百田「おお! ベルトに嵌ってるあのスイッチの事か!? 確かに色々あるみたいだな!」
最原「単体でも凄いアクションが出来るアストロスイッチだけど、組み合わせることで無限大の力を発揮する! 左腕のレーダーで敵をロックオンして、右手の銃火器と両脚に装備したランチャー・ガトリングスイッチでの一斉放射とか、ウインチでバイクにとっ掴まった状態でボードを召喚しての立体起動だとか、様々な組み合わせを見せて毎回のバトルを彩ってくれるんだ!」
百田「宇宙の様に組み合わせは無限大、ってことか!」
最原「そして、そんなフォーゼの代表的な必殺技と言えば……!」
TV『ロケット ドリル LIMIT BREAK!』
百田「お、おおっ! おぉぉぉぉぉっ!? 宇宙に行きやがったぁぁっ!?」
最原「ロケットの推進力とドリルの貫通力、それを仮面ライダー伝統のライダーキックに加えたフォーゼ必殺の『ライダーロケットドリルキック』! 宇宙に飛び出しながら放つフォーゼの代名詞さ!」
百田「すっ……げぇ! まさか、宇宙に飛び出した仮面ライダーが居るなんて……!」
最原「フォーゼは見た目通り宇宙をテーマにしたライダーでもあるんだ! 弦太朗達、学園の平和を守る仮面ライダー部の部室は月にあるラピットハッチって言って、会議の大部分はここで行われるよ。つまり、ほぼ毎回宇宙に出てるライダーってことだね!」
百田「や、やるじゃねえか仮面ライダー部……!」
最原「……何より、フォーゼの最大の魅力は熱い友情ストーリー! 僕たちと同じ高校生たちが時にぶつかり、時に協力して困難に立ち向かう姿を見れば、きっと心が燃えるはずだよ!」
百田「青春……言われてみれば、高校生の仮面ライダーってのも前代未聞だろうしなぁ……!」
最原「最初はバラバラだった仲間たちが弦太朗を中心に一つになって行き、最後には心の繋がったダチになるまでの物語は王道を行く青春ストーリー! 震災後の暗い日本を笑顔にするための作品、それが【仮面ライダーフォーゼ】なんだ!」
百田「……なるほどな。こりゃあ、確かに認めざるを得ねえよ。宇宙に行ける仮面ライダーで、ダチとの友情を描く物語なんざ、俺にぴったりじゃねえか!」
最原「でしょ! 絶対に百田くんなら楽しめると思っておすすめしたんだ!」
百田「……へっ! まだ数話見ただけだが、面白そうな雰囲気がビンビンしてやがる! お前の言う通りだな、終一! 仮面ライダーもウルトラマンに負けてねえ!」
最原「うんっ! それじゃあ、このまま一気にフォーゼを見ちゃおう!」
百田「おうっ! ……なあ、終一」
最原「???」
百田「……仮面ライダーなんか、って言って悪かった。お前と白銀の好きな物を悪く言ったこと、謝らせてくれ」
最原「……大丈夫、気にしてないよ! きっと白銀さんもそう言ってくれるよ!」
百田「そっか……良し! なら、白銀が目を覚ました時にフォーゼの話で盛り上がれる様にしておかないとな!」
最原「うん!」
百田くんがフォーゼにハマりました! 百田くんが最原くんの仲間に加わった!
そして、翌日……
赤松「ふぁぁ……おはよう、皆……」
天海「おはようございます、赤松さん。なんだか眠そうですね」
赤松「うん、ちょっとね……」ウトウト…
東条「これで、後来てないのは最原くんと百田くんだけね」
星「……遅いな? 二人して夜更かしでもしたのか?」
春川「昨日は別に特訓はしてない筈なんだけど……」
―――ガチャッ!
赤松「あっ、来た! おはよう、最原くん! 百田く……」
百田「宇宙、キターーーーッッ!!!」デデーン!
全員「!?!?!?」ビクゥッ!
百田「よう、皆! 良い朝だな!」
春川「も、百田……? さっきの雄たけびは何? ていうか、何でリーゼントになってんの?」
百田「細かい事は気にすんな! 俺は色々と生まれ変わったんだよ!」
王馬「うわぁ……ついに百田ちゃんが壊れたよ……」
百田「おっ! 王馬じゃねえか! ……ひねくれてる所もあるけど、お前も良い奴なんだよな!」
王馬「えっ? な、なに言ってんの!?」
百田「お前の事は気に入らねえが、気に入らねえ奴ほどダチになりたくなるんだよな! そのひねくれたところも全部受け入れてお前のダチになってやるから覚悟しやがれ!」
王馬「は、はぁ……?」ポカーン…
春川「……な、なにあれ? いつもの数倍うざったいんだけど……」
赤松「あの王馬くんですらポカンとするだけで精一杯みたい」
最原「いやー、どうやら思った以上にフォーゼにハマっちゃったみたいでさ! 俺も弦太朗みたいに才囚学園の全員と友達になる! って、言ってあんな感じになっちゃったんだよね」
春川「フォーゼ? な、なにそれ? どう言う事なの?」
赤松「まさか、仮面ライダー絡みの話?」
最原「うん! 昨日テレビシリーズの半分くらいは見れたかな? それでさぁ……」
百田「おーい、終一! 飯食いながら話しようぜ! フォーゼの事、色々教えてくれよ!」
最原「うん、勿論さ!」
赤松「あっ!? ちょっと、最原くん!?」
百田「いやー、本当にフォーゼの事が格好良く見えて来るもんだな! でも、俺的にはメテオの登場の仕方もカッコいいと思うんだけどよ!」
最原「流星になってやって来る奴だよね!? アレは本当にかっこ良いよ! 中盤から後半にかけて、流星が中心のお話が続くから是非とも見て欲しいな!」
百田「マジかよ!? こうしちゃいらんねぇ、さっさと飯食ってAVルームに行くぞ!」
最原「あはは! 慌てないでよ、DVDは逃げないよ!」
赤松(な、なんの話をしてるのか全然わからない……で、でも、凄く楽しそう……!)
春川(私も仮面ライダーを見ればあの中に入れるのかな……?)
皆の仮面ライダーに対する興味が少し上がりました!
最原「さて、今日は誰を誘おうかな?」
誰を誘いますか? 二つ下の回答で決定
最原「あ! 天海くん!」
天海「おや……? 最原くんじゃないっすか、どうかしたんすか?」
最原「天海くん、今少し時間良いかな?」
天海「……もしかして、仮面ライダーの話っすか? なら、俺はちょっとご遠慮させて貰いたいんすけどね……」
最原「えっ……?」
天海「俺、あんまりそういう番組見ないんすよ。休日は出かけることの方が多かったっすし」
最原「そう、なんだ……」
天海「最原くんからしれも、もっと興味を持ってくれる人を誘った方が楽しめるんじゃないっすかね? んじゃ、俺はこれで……」タタタ…
最原「あっ!? ……行っちゃった……」
天海くんの説得に失敗しました。残念ながら、まだ彼は話を聞いてくれないみたいです。
―――夜 AVルーム
百田「元気出せよ、終一。俺と一緒にフォーゼ見ようぜ!」
最原「そうだね。もう一人じゃないし、誰かと一緒に時間を過ごせるのは良い事だよ!」
百田「だろ!? ……にしても、弦太朗も演技が上手くなったよなぁ……。序盤の棒読みが嘘みたいだぜ」
最原「前にも言ったけど、仮面ライダーシリーズはイケメン俳優の登竜門的存在なんだ。知名度が上がるだけじゃなく、一年間きっちりとした環境で演技を学ぶことが出来るから、後々の仕事に繋げやすいんだよね」
百田「はぁ~、なるほどな~! 出る奴からしれ見れば良い事ずくめってわけか!」
最原「う~ん……ヒーロー役って言うイメージがついちゃうから一概にはそう言い切れないけど、メリットが大きい事は確かだね。仮面ライダーやスーパー戦隊に出演した後、一気に仕事が増えるってことは良くあることだよ」
百田「なぁなぁ! 弦太朗以外のフォーゼ出演者って今どうしてるんだ? やっぱ活躍してるのか?」
最原「………」
百田「ん? しゅ、終一? ど、どうした?」
最原「……実は、フォーゼは出演者が後々に不祥事やお騒がせ問題を起こすことが多かったって言う作品なんだよね。付いたあだ名がの呪いの作品って言う物なんだ……」
百田「の、呪いだって!? な、なんだよそれ!?」
最原「……有名どころだと、メインヒロインの城島ユウキ役を務めた清水富美加さんは、所属事務所や教団とのトラブルを経て芸名を千眼美子に改名。その間の報道は大いに賑わってニュースになったんだ。他にも、ピスケスゾディアーツ役を演じたほのかりんさんは、未成年飲酒のスキャンダルを受けて一時芸能活動を停止……他にも、芸能界を引退しちゃった人とかも多いんだよね……」
百田「うぇぇ……ま、まさか、本当に呪いが!?」
最原「……それは無いよ! だって、ちゃんと今も活躍してるキャストさんも多いからね! サブライダー、仮面ライダーメテオこと朔田流星役を演じた吉沢亮さんはドラマ【地獄先生ぬ~べ~】や実写版映画【銀魂】なんかの有名な作品にメインキャストで出演してる今も有名な俳優さんだよ!」
百田「おお! 流星も頑張ってんだな!」
最原「それだけじゃなく、ちょっとした役で出た俳優さんが後年の特撮作品に出演してることもあるんだ! ゾディアーツの役を演じた宇治清高さんは、百田くんも大好きなウルトラマンシリーズに出演してウルトラマンビクトリーに変身したし、出演回数も多かった横浜流星さんは、数年後のスーパー戦隊作品【列車戦隊トッキュウジャー】でトッキュウ4号を演じたよ!」
百田「二人目の流星も頑張ってんだな! ……なんか、そっちの方は俺たちにも凄い関りがある気がして来るんだが……?」
最原「……なんか、スーパーダンガンロンパ2ってタイトルと日向創って名前が浮かんでくるね。なんでだろう?」
百田「まあ、それはともかくだ! 俳優のその後も見てみるとまた違った楽しみ方も出来るってことだな!」
最原「うん! 現行、及び一作前のライダーの出演者がどんな活躍をするのかを楽しめるのも仮面ライダーの良い所だよ!」
翌日……
最原「よし! 今度こそ仲間を増やしてみせるぞ!」
誰を誘いますか? 一つ下の回答で決定
最原「あ、居た居た! おーい、春川さん!」
春川「あ、最原……」
最原「あのさ春川さん、出来たら……」
春川「……仮面ライダーのこと? ……別に構わないけど、私を誘ってもあんまり面白くないと思うよ」
最原「そうかな? 友達と一緒に観れば面白いと思うけど……」
春川「……実はさ、別段特撮とか子供番組に偏見がある訳じゃあないんだよ。施設では小さい子たちの面倒を見る時に一緒に観てたし、案外大人がハマるのも分かるとは思うよ」
最原「そうなの!? だったらさ……!」
春川「……でも、やっぱりああ言うのは私には合わない気がするんだよね。……ああ、別に作品自体を否定してるんじゃなくってさ……私、暗殺者でしょ? ヒーローとは真逆の存在じゃない。見てても、悪役の方に感情移入しちゃいそうでさ……」
最原「………」
春川「それに主人公も熱血漢の正直者! って奴が常じゃない? やっぱ私には合わないよ……」
最原「………」
最原(自分の境遇からか、春川さんは敵役の方に感情移入してしまうらしい。それに、主人公が明るくはつらつとしたタイプの物は好きじゃ無いみたいだ)
最原(なら……あの作品を勧めよう! 敵となる存在にもスポットライトが当てられ、主人公がとんでもない秘密を隠していたあの作品を……!)
春川「……最原、私が好きになれそうな仮面ライダー、何かあるの?」
最原「うん! 春川さん、これが僕の答えだ!」
春川さんにぴったりな仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダー555】
春川「……これが私にぴったりの仮面ライダー? 見た感じ、その理由は分からないんだけど……」
最原「平成ライダーの第4作目、仮面ライダー555……その評価は、見た人によって分かれると言う作品なんだ」
春川「……味が濃いってこと? 好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌い、みたいな……?」
最原「正確には、引き込まれるか否か、だと思うよ。取り合えず見てみてよ!」グイッ!
春川「えっ!? あっ、ちょっと!?」
―――AVルーム
百田「おっ! やっと来たか、終一! しかもハルマキも一緒か!」
春川「最原に無理やり引っ張られて来たんだよ……」
最原「ごめんね! でも、ちゃんと555を見て欲しかったからさ!」
百田「ファイズ……? このなんかメカニカルな奴か? これ、面白いのか?」
最原「……さっき春川さんには言ったんだけど、555は見る人によっては最高に面白い作品だよ。ただ、好みが別れるのは確かだね」
春川「それなんだけど……その理由は、何処にある訳?」
最原「555はね、ストーリーが物凄く暗いんだ。鬱々としてて、シリアスで、あまり救いも無い……だけど、その中で懸命に生きようとする人間の姿を描いた作品なんだよ」
春川「……何? 暗い私にはぴったりだって言いたい訳? 殺されたいの?」
最原「そ、そうじゃないよ! 555には、言葉に出来ない深みがあるんだ! 絶対に春川さんも嵌るよ!」
百田「なあ、ハルマキ。終一がここまで言ってるんだから、ちょっと見てみようぜ。終一がお前の事を馬鹿にする様な奴じゃ無いってことは知ってんだろ?」
春川「……分かってるよ。それじゃあ、騙されたと思って観てみるよ……」
―――第一話 視聴開始……
春川「……なんか、いきなり家族が事故に遭ってるんだけど……?」
百田「な、なんだ!? 何が起こっていやがる!? って、生き返ったぁっ!? お、お化けっ!?」
最原「……彼の名前は木場勇治。この作品の主人公の一人にして、苦悩し続ける運命を背負ってしまった人物さ……」
春川「主人公ってことは、こいつが555に変身するの?」
最原「そうなんだけど……そうじゃないんだよね。555は、非常に難しい作品なんだ」
百田・春川「???」
―――少し後……
百田「お? なんかさっきからちょくちょく出て来てた奴が変身したぞ! こっちが主人公か!?」
最原「彼が555の主な変身者、乾巧。この作品のもう一人の主人公さ」
春川「変身シーン、やっぱりすごいね。赤いラインが伸びて行く所、夜なのもあって凄く映えてる」
最原「555は平成ライダーが始まって初のメカニカルな主人公ライダーなんだよね。その前にも機械的なライダーは出ていたんだけど、変身シーンは変身と言うより装着だったからなぁ……」
百田「終一! 今はそれよりも555について教えてくれ!」
最原「あっ! ご、ごめん! ……えっと、555の前には3つの仮面ライダーが放送されてたんだけど、その3つは生物的、もしくは幻想的なデザインのライダーだったわけなんだ。今回、機械的な面を押し出して制作された555は、変身シーンをはじめとして様々な特殊効果でそのメカニカルさを表現されてるんだよ」
百田「なるほどな~……! って、あれ? ハルマキ、どうした?」
春川「……木場が、怪物に……!? 従兄弟を殺しちゃったんだけど……!?」
百田「な、なにぃっ!?」
最原「……これが555のシリアスな所さ。ここから木場の苦悩は深まって行くんだよ」
春川「……ねえ最原、この555について詳しく教えてよ」
最原「わかった。……えっとね、この作品は、二人の人物を中心として、それぞれの視点からお話が進んで行くんだ」
春川「それが乾と木場の二人ってこと?」
最原「うん、そうだよ。巧の周りにはファイズギアの元々の持ち主である園田真理やバイト先の店主である菊池啓太郎と言う人たちがいて、毎回オルフェノクが出る度に巧に連絡をするんだ。一方、木場の周りに居るのは同じオルフェノクである長田結花と海道直也。人ならざる物になってしまった3人は、なんだかんだで一緒に暮らしてるんだ」
春川「ヒーロー側と悪役側ってことね」
最原「少し違うけど、まあそんな考え方で良いよ。これに流星塾って言う所に所属していた真理の友人たちや、スマートブレインって言う敵の組織が加わり、お互いがお互いに干渉しあいながら話が進んで行くんだよね」
春川「ふ~ん……ねえ、そのオルフェノクって何なの?」
百田(ハルマキの奴、結構ぐいぐい来るなぁ……)
最原「オルフェノクは、人間が進化した存在だって言われてるよ。人間が死んで、何らかの様子で生き返るとオルフェノクになるんだ」
春川「ああ……確かに、木場は一度死んでたみたいだしね……生き返って、人じゃあ無くなっちゃたんだ……」
最原「そこが555をシリアスにしている要因でもあるんだ。だってオルフェノクは元々人間で、生まれつきの怪物ってわけじゃあないんだからね。突然怪物になってしまった木場だけど、自分は人を殺す怪物になんかなりたくない……そう思った彼は、人間として生きようとするんだけど……」
春川「既に従兄弟と恋人を衝動的に殺してしまった木場も、段々と怪物になってるってわけか……」
最原「……そんな人が人でなくなる恐怖を描いたエピソードがあるんだ。ある日、木場が殺してしまった元恋人の兄が木場の元にやって来て、彼女の居場所を知らないかと尋ねて来る。オルフェノクに殺された人間は灰になってしまうから、世間的には行方不明ってことになってるんだ」
百田「なんとなく見てたけど、人が死ぬ姿が描かれてるんだな。フォーゼではほとんど見なかったから、俺は驚いたぜ」
最原「人が死ぬ描写は抑えられる様になったのは平成二期に入ってからだからね。初期の頃の作品は、毎回普通に犠牲者が出てたんだ。特に555は死に方がおどろおどろしくて一番怖いと僕は思うよ」
百田「うへぇ……確かに、人が灰になって死ぬなんて怖すぎるよな……」
最原「……話を戻そう。なんやかんやで恋人の兄を誤魔化した木場なんだけど、執拗な調査を続けた兄はその後命を落としてしまうんだ」
百田「おお! これで木場の秘密は守られたじゃねえか!」
春川「馬鹿、そんな簡単に話が終わる訳ないでしょ。それで、どうなったの?」
最原「……死んだお兄さんは、なんとオルフェノクとして復活してしまったんだ。そして、段々とその力に溺れて人を襲う様になってしまった……」
百田「うわ……それは、きついな……!」
最原「登場時には、少し行き過ぎた面もあるけど普通の人間だった彼が、あっという間に化け物に変わってしまった……その恐ろしさと切なさを描いたこのエピソードは、後の巧の名台詞と共に視聴者の記憶に刻まれているよ」
春川「……そんな恐怖に耐えながら人として生きようとする化け物たちのお話……555は、そう言う物語ってことで良いの?」
最原「うん、それで良いと思う。後……555は、夢もテーマにしてるんだ。これもいつか話すとして、物語の根幹を占める人間とオルフェノクの関りについてしっかりと見て欲しいな」
春川「……なんか、アンタが私にこれを勧めた理由がわかったよ。ヒーローらしからぬ主人公と、悪役らしからぬライバル……どっちも私が好きになれそうなキャラクターだね」
最原「出来れば、この先のお話を見ながら二人の事を見守ってあげて。どちらも物語が進むにつれて凄い変化が起きるから……」
春川「ん……じゃあ、時間の許す限り見させて貰おうかな」
百田「おっ! ハルマキも仮面ライダー部に所属か!? この三人が揃うとやっぱ違うなぁ!」
春川「仮面ライダー部って何よ……? まぁ、分かるから良いけどさ……」
春川さんが555に嵌りました。春川さんが仲間に加わった!
―――そして、翌日
赤松「ええっ!? 今度は春川さんも遅刻してるの!?」
東条「まさかと思うんだけど……ねぇ?」
天海「夜特訓で付き合ってただけなんじゃないっすか? あの春川さんが仮面ライダーに嵌る姿なんて想像できないっすよ」
赤松「だよね? そうだよね……?」
―――ガチャッ
春川「……遅くなってごめん。馬鹿二人も一緒だよ」
東条「春川さん、珍しいわね、貴方が遅刻だなんて……」
赤松「何かあったの?」
春川「ああ、うん……全部、乾巧って奴の仕業なんだ」
星「……ん? 誰だ、そいつは」
獄原「初めて聞く人の名前だね! 春川さんの友達?」
春川「………」スタスタ…
赤松「……な、なに? 何だったの、今の?」
王馬「どうやら……あの二人は分かってるみたいだね」
最原「ぷ、くくくく……まさか、あの春川さんがあの台詞を……!」
百田「ハルマキの奴、思ったより嵌ってんな!」
赤松「って、ことは……また仮面ライダー関連ってこと!? 嘘!? あの春川さんまで嵌っちゃったの!?」
天海「予想外っすねぇ……そんなに面白いんでしょうか、仮面ライダーって?」
赤松「さ、さぁ……?」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、今日は誰を誘おうかな?」
誰を誘いますか? この下の回答で決定
最原「あ、赤松さん! ちょっと良いかな……?」
赤松「最原くん! もしかして、仮面ライダーのこと?」
最原「うん、赤松さんが良ければ一緒に観ようかな~と思って……」
赤松「……ごめん、やっぱり私はあんまりそういうのに興味が無くて……」
最原「あ、そう……」
赤松「同じ男の子を誘った方が最原くんも楽しめるんじゃないかな? だから、他の人を誘ってあげなよ」
最原「う、うん……」
赤松「男の子だからね! 女の子を誘っちゃだめだからね!」
最原「え? あ、うん……」
赤松さんの説得に失敗しました。残念ながら、まだ彼女は話を聞いてくれないみたいです。
―――夜 AVルーム
最原「はぁ……」ショボン…
百田「……終一の奴、大分凹んでんな」
春川「赤松に振られたことがショックだったみたいだね」
最原「はぁ……」ショボボーン…
百田「げ、元気出せよ、終一! 今日もフォーゼを観て元気出そうぜ!」
春川「555でも良いよ。アンタの話に付き合ってあげるから、元気出しなよ」
最原「百田くん、春川さん……! ありがとう! じゃあ、少しでも楽しく仮面ライダーを見られる様に、その作品について話をさせて貰うよ!」
最原(……さて、どっちの作品を観ようかな?)
どの作品を観ますか? 下三つの回答で多かった方の作品を観ます。
―――555視聴再開
百田「……やっぱ思うけど、暗い作品だよなぁ。フォーゼとは大違いだ」
春川「そこが良いんじゃん。まあ、底抜けに明るいお話も頭を空っぽにして楽しめるから良いんだけどさ」
最原「あはは……! でも、555は平成ライダーの中でも相当特殊な作品だよ。多分だけど、今後も出て来ない要素が盛り込まれてるんじゃないかなぁ?」
春川「何? 結構特殊なのは分かってたけど、そこまで言わせるのって何なの?」
最原「555はね、人の物語であると同時に三本のベルトの物語でもあるんだ。ファイズギア、カイザギア、デルタギアの三本が誰の手に渡り、どう活躍するかのお話でもあるんだよ」
百田「あん……? どう言うことだよ?」
最原「第三話でファイズギアが敵の手に渡って、相手が555に変身して巧たちに襲い掛かって来たってことがあったでしょ? あれ、今思うと結構特殊だと思わない?」
春川「言われてみれば……主役のライダーが敵に回るなんて、普通はあり得ないよね」
最原「これ、何もこの一話に限った話じゃ無いんだ。これからもちょくちょくファイズギアは巧の手を離れて、敵であるオルフェノクが使うことにもなるんだよ」
百田「ええっ!? それって良いのかよ!? 仮面ライダーが悪人になるってことだろ?」
最原「うん、そうだね。これは、あくまで力は力でしかなく、その力をどう使うかですべてが決まってしまうってことを表現してるんだ。作中で555に変身した人間はざっと数えて5人以上……この記録は、今後も破られることは無いだろうね」
春川「主人公は巧や木場だけど、主役はベルトってことか……確かに、こんな作品は二度と出て来そうに無いね」
最原「オルフェノクになってしまった人たちもそうだけど、この555では【手に入れた力をどう使うか?】ってこともテーマにしてる気がするね。人間を守るために使うか、人を殺すために使うか……そこには、単純な善悪じゃあ語り切れない物があるんだ」
百田「オルフェノクも人を殺すことよりも、仲間を増やしたいってことの方が目的な訳だし……方法はどうあれ、ただ生き延びたいって思ってるだけなのかもしれないな」
春川「力の使い方、か……なんか、深い話なんだね。私、他人事とは思えないよ」
最原「うん……引き込まれる人は本当に引き込まれる。555は暗さの中にある微かな煌きが、眩いばかりに見える作品なんだ。絶望の中にある希望を求めるってことでは、今の僕たちにぴったりかもしれないね」
春川「……ねえ、もう少し付き合ってくれない? もうちょっとだけ、555を観ていたいな」
百田「おっ、珍しいな? まあ、俺も続きが気になるから構わないぜ!」
最原「僕も勿論OKだよ! 解説しながら続きを観て行こう!」
春川「ふふ……! サンキュ、なんかこうやって友達と一緒にTV番組を見るのって楽しいんだね……!」クスクス…
百田(……ハルマキの奴、上機嫌だな。珍しく笑ってるぜ)
最原(可愛いから普段からそうしてれば良いのにね……)
二人と仲が深まりました!
翌日……
最原「今度こそ失敗しないぞ! さて、誰に声をかけようかな!?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――夢野の研究教室
最原「夢野さ~ん! ちょっと話があるんだけど!」
夢野「んあっ!? なんじゃ、藪から棒に! 驚いてひっくり返る所だったでは無いか!」
最原「ごめんごめん! でも、夢野さんにぴったりの仮面ライダーを紹介したくってさ……!」
夢野「……んあ~、そんなことか。悪いがウチは仮面ライダーなんぞ見るつもりはないぞい。なにせ仮面ライダーは……」
最原「肉弾戦ばかりの脳筋バトルなんか見ていられないって言うんでしょ?」
夢野「んあっ!? そ、そうじゃ! プリキュアはビームを出したりしてマジカルに戦っておるぞ! ウチに仮面ライダーを見せたいんじゃったら……」
最原「魔法使いの仮面ライダーを連れて来いって言うんでしょ?」
夢野「んあ~!? 最原、お主は魔法使いなのか!? なんでウチの考えていることが分かるんじゃ!」
最原「ふふふ……そうかもね。僕も魔法使いなのかもね! さて、と言う訳なんだけれども……」
夢野「……おるのか? 魔法使いの仮面ライダーが?」
最原「おるよ! 魔法使いの仮面ライダー!」
最原(最初から夢野さんにはこのライダーを紹介することを決めていたんだ! なにせ彼女と相性ばっちりの魔法使いだもんね!)
最原(特殊なアクションとCG技術をふんだんに使い、幻想的な魔法使いの雰囲気を醸し出すことに成功した希望の護り手……この作品なら、きっと夢野さんも興味を持ってくれるぞ!)
夢野さんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定。
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーウィザード】
夢野「んあ……? ウィザード……?」
最原「魔法使い、って意味だね。そのまま訳すと、仮面ライダー魔法使いって所かな」
夢野「お、おおっ!? おるでは無いか、魔法使い! 顔もピカピカじゃし、かっこいいのぉ!」
最原「平成ライダー第14作品、仮面ライダーウィザード……キャッチコピーは、【さあ、ショータイムだ!】 魔法の力で人々を絶望から救う、最高に格好いい魔法使いの話さ!」
夢野「んあ~! そんなものがあるなら先に言えい! 良し! 今日はお主に付き合ってやるぞい! かーっかっか!」
最原「ありがとう! じゃあ、早速AVルームに行こう!」
―――AVルーム……
春川「まさか魔法使いまで居るなんてね……仮面ライダーって本当に幅が広いんだ」
百田「14作品目ってことはフォーゼの後か!」
最原「うん! フォーゼがSFに振り切れてた分、次回作は思いっきりファンタジーで行こうってことになって作られた作品なんだ!」
春川「それで魔法使いってわけなんだ……」
夢野「最原! このウィザードはどんなお話なんじゃ?」
最原「ウィザードは、ファントムと呼ばれる怪物たちと仮面ライダーこと魔法使いとの戦いを描いた物語だよ。この作品の中では、仮面ライダーよりも魔法使いと言う言葉でウィザードたちを呼ぶことが多いね」
百田「へえ、そうなのか。ライダーって言葉を聞き慣れてたフォーゼとはやっぱり違うんだな」
最原「ウィザードのこだわりは本当に凄いよ! 幻想的かつ神秘的な雰囲気を出す為に色んな努力がされている。劇中のBGMもしかりだし、スーツアクターも通常の担当に加えて特殊なアクションを担当する二人目のアクターさんが居たりしたんだ!」
夢野「まさにマジックショーを作り上げたと言う訳じゃな!」
最原「それに加えて、指輪を嵌めて戦うと言う特性を持つウィザードは、決してパンチを使わなかったんだ。華麗な足技と武器であるウィザーソードガンを使ったアクションで拳を使わないと言う違和感を見事に感じさせないどころか、様々な要素を用いて特殊な雰囲気を作り上げることに成功したんだ!」
夢野「んあ~! もう我慢出来ん! 最原、早速再生開始じゃ!」
第一話、視聴開始……
春川「……あれ、オープニングから戦いが始まるんだ。結構早いんだね」
最原「555やフォーゼとは違って、ウィザードは既に仮面ライダーとして活躍し始めてる設定だからね」
夢野「んあ~……バックで流れている曲もノリがいいのぉ! ウィザードの魔法を使った戦いとマッチして最高のショーになっておるわい!」
百田「あれ……? なーんかこの声、聴いたことがある様な……?」
最原「あ、気が付いた? ウィザードのOPテーマはゴールデンボンバーのボーカル、鬼龍院翔さんが歌ってくれてるんだ! 彼の作った曲【LIFE IS SHOW TIME】は、ウィザードの世界観に見事にマッチした楽曲で、劇中でも度々流れてるんだよね!」
百田「はぁ~……言われてみりゃあ、フォーゼのOPは土屋アンナが歌ってくれてたし、555はISSAが歌ってくれてたんだもんなぁ……結構豪華なんだな、仮面ライダー」
夢野「そんな事よりウィザードじゃ! 最初の戦いからも分かる通り、凄くカッコイイぞい!」
最原「特別な素養を持つ存在、ゲート。そのゲートが絶望することで生まれる怪物ファントムたちは、仲間を増やすためにあの手この手でゲートである人たちを絶望させようとするんだ。そんな人たちの心を救い、最後の希望となって絶望に立ち向かうのがウィザードなのさ」
春川「大切な物を奪う、壊す、踏み躙る……ファントムたちのやることはえげつないね。本当に相手を心の底から絶望させようとしてる」
夢野「でも、ウィザードは負けんぞ! カッコ良く戦って、ゲートである人々を救うんじゃ!」
最原「ウィザードの戦闘シーンは圧巻の一言さ。巨大化の魔法【ビッグ】で腕を巨大化させて敵を薙ぎ払ったり、【コピー】の魔法で自分の分身を何体も作り出したり、撃った弾丸を魔法で自由自在に操ったり……そのアクションは、先に述べた特殊なアクションを担当するスーツアクターさんの演技と合わせて、本当に幻想的なショーに仕上がっていると言っても過言じゃ無いよ」
夢野「殴り合いの様なぶつかり合いは無くとも戦いの熱さを表現しておる! しかも魔法を使って戦っておるから、見ててわくわくするぞい!」
最原「そして、ウィザードの決め技にして今作のライダーキックである【ストライクウィザード】は、全仮面ライダーのライダーキックの中でも一二を争うカッコ良さだよ!」
春川「魔法発動のエフェクトからの脚に炎が灯る演出、華麗なロンダートで空中に飛び上がり、魔方陣を浮かばせながらのライダーキック……炸裂後のアクションも華麗で、本当に完璧としか言い様が無いね……!」
夢野「ウィザードライバーも言っておったが、まさにサイコー! じゃな!」
最原「……実はウィザードに変身する操真晴人も、一度は絶望してファントムを生み出しそうになったんだ。でも、自分の強さで絶望を乗り越え、魔法使いとしての力を手に入れた……絶望の苦しみを知る彼だからこそ、その苦しみに瀕している人を決して見捨てたりしないんだ」
百田「希望の強さを知っているからこそ諦めない、か……晴人の奴も格好良いな!」
夢野「良し! ウチもこの絶望を乗り越えてウィザードになってやるぞい! そうしたら、最原たちのことを絶望から救ってやるからの!」
最原「あはは! それは頼りになるよ! ありがとう、夢野さん!」
夢野「んあ~! その為にもウィザードを観て、もっと魔法を使った戦いを勉強せんとのぉ! 今夜は寝ずに見るぞー!」
夢野さんがウィザードに嵌りました! 夢野さんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
シャバデュビタッチヘンシーン! シャバデュビタッチヘンシーン!
夢野「変身っ!!!」
フレイム! ヒー! ヒー! ヒー、ヒー、ヒー!
夢野「さあ、ショータイムじゃ!」ドヤッ!
百田「おお! やるじゃねえか夢野! 変身ポーズを完コピしてんな!」
夢野「かーっかっか! ウチの魔法にかかればこんなもんじゃ!」
春川「いや、変身のマネと魔法は関係ないでしょ」
最原「ふふふ……! 白銀さんの研究教室に全ライダーの返信グッズがあってよかった! 皆も楽しんでくれてるしね!」
百田「よっしゃ! 今度は俺の変身を見せてやるぜ! 賢吾! じゃなくって、終一! スイッチを頼む!」
春川「まったく、子供みたいにはしゃいじゃって……」
最原「春川さん、ファイズギアのCSMあるけど、装着してみる?」
春川「……ちょっとだけなら、着けてみようかな」
夢野「なんじゃ、春川も興味津々だったんじゃな! かーっかっか!」
春川「……殺されたいの?」
夢野「ひ、ひぃっ!?」ビクゥ!
最原「あはははははは!」
赤松「……また、なんかよくわからないけど……」
星「物凄く楽しそうだな……」
獄原「カッコいいポーズを取ってるね! あれ、なんなのかな!?」
東条「さ、さぁ……?」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、今日は誰に会いに行こうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
最原「おーい、星くん! ちょっと良いかな!?」
星「最原か……俺になにか用か?」
最原「うん! 一緒に仮面ライダーを観たいな~、と思ってさ!」
星「ふっ……悪いが、俺はパスさせて貰うぜ。そう言うのは俺の趣味じゃねえ」
最原「ええっ!? でも、星くんもきっと嵌るよ! 少しだけでも良いからさ!」
星「……まあ、その誘いはありがたいと思うがな……また今度、気が向いたらってことにさせて貰おうか」スタスタ…
最原「あっ……行っちゃった、かぁ……」
星くんの説得に失敗しました。残念ながら、彼はまだ話を聞いてくれないみたいです。
―――AVルーム
百田「今日は新入りは居ないか……残念だけど、しょうがねえな」
夢野「まあ、その場合はウチらの好きな作品を観れるから良しとしようではないか!」
春川「そうだね。それじゃあ、今日は何を観ようか?」
どの作品を観ますか? 555、フォーゼ、ウィザードの三つの中から選んでください。
この下の回答で決定
―――555視聴再開……
夢野「……のお、思ったことを言ってもよいか?」
春川「好きにしなよ」
夢野「うむ、では許可を得た所で……なんなんじゃこの男はーーっ!? かんっぜんに悪役ではないかーーっ!!!」
「君は邪魔なんだよ……俺のことを好きにならない奴は、邪魔なんだよ……!」
夢野「言動が完璧に悪役では無いか!? こんな奴が正義の味方をやっていて本当に良いのか!?」
百田「あー……俺ですら突っ込まなかったことにとうとう触れちまいやがったな」
春川「……いや、突っ込んだら負けな気がしてたから何も言わなかったんだけどさ……私も夢野と同じ意見だよ。最原、こいつについての説明をよろしく」
最原「OK! えっと……このキャラクターの名前は草加雅人。555においてなくてはならないキャラクターであり、良くも悪くも反響を呼んだキャラクターだよ」
春川「二人目の仮面ライダー、カイザに変身する草加だけど……何と言うか、相当に性格が悪いよね」
最原「うん……さっきの台詞が草加の性格を良く表してると思うよ。何よりも大切な真理の為ならなんだってする。彼女に愛されそうな男は排除して、自分のことを好きになって貰う為に様々な手段を用いるんだ」
夢野「んあー! こいつのせいで木場と巧が何度いがみ合ってしまう事になったことか! 何でこんなのが味方なんじゃ!?」
最原「ははは……【呪いのベルト】ことカイザギアに適合した草加は、真理を守り、オルフェノクを絶滅させる為に尽力するんだけど……そのやり方がかなりあくどいんだよね」
百田「嘘も平気でつくし、場合によっちゃ正体を隠して味方を襲って仲間同士の不信感を煽ったりしやがる! 王馬みたいな奴だな!」
最原「清廉潔白な男性と言う皮を被った草加だけど、本来の性格はそれからは考え付かない様な非道で自己中心的な男なんだ。仲間たちが自分を中心に纏まる様に奸計を用いるけど、そのせいで巧や木場の信頼関係が壊れたことも確かだね」
春川「……でも、私はこいつの事を憎み切れないな。なんだか、人間本来の姿を晒してる気がして、必死に生きてるって思えちゃうんだよね……」
最原「うん……今となってはネタキャラみたいに言われてる彼だけど、その行動の全ては善悪を超えた己の意思の下で行われてることなんだ。ただ愛する人を守り、敵を殲滅するために手段を選ばなかった男とも言えるよね」
夢野「んあ~……じゃが、ウチはどうも好きにはなれんぞ……」
最原「それで良いんだよ。彼に計り知れない魅力を感じる人もいれば、夢野さんの様に受け付けない人もいる。それで良いんだ。ただ、彼は悪い人ではあったけど、悪人では無かったと言う事だけは覚えていて欲しいな」
夢野「う~む……そうじゃな、そう言う事にしておくとするか」
最原「草加の生き様は余りにも儚く、そして鮮烈だった。沢山の登場人物が迷い、揺れた555と言う作品の中で、数少ない自分の意思を貫いた男の物語を見守ってあげて欲しいな」
春川「……一途な奴だと思っておくよ。やっぱり好きにはなれないけどね」
―――翌日
最原「今日こそは仲間を増やすぞーっ!」
誰に会いに行きますか? 下の回答で決定
―――獄原の研究教室
最原「ゴン太くん! ちょっと良いかな?」
獄原「あ、最原くん! ねえねえ、ゴン太にもぴったりの仮面ライダーを教えてくれないかな!?」
最原「えっ!? 大歓迎だけど、いきなりどうしたの?」
獄原「王馬くんに教えてもらったんだ! 仮面ライダーって、人を助けるヒーローなんでしょ? それに、虫さんがモデルになってるって!」
最原「ああ、うん。その通りだよ」
獄原「人を助けるヒーローって言うのは、ゴン太の目指す紳士みたいなものなんだ! それに、虫さんの力を使うって言うなら、ゴン太も見てみたいと思ってさ!」
最原「そっか! なら、早速ゴン太くんにぴったりの作品を紹介するよ!」
獄原「わーい!」
最原(さて……ゴン太くんは仮面ライダーの基本的な部分を知ってるみたいだ。でも、意外と平成ライダーの中では虫がモデルの作品って少ないんだよね)
最原(であるならば……やっぱり、あの作品が一番かな? ライダーが多数登場し、原点回帰を目指した演出が多々見られるあの作品なら、ゴン太くんも満足してくれるはずだ!)
ゴン太くんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
カブト
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーカブト】
獄原「カブト……? もしかして、カブトムシさんのこと!?」
最原「その通り! 平成ライダー第7作品目の仮面ライダーカブトは、原点回帰を目指しつつ更なる進化を目指した平成ライダー屈指の傑作なんだ! 特にバトルシーンは他を寄せ付けない程のカッコ良さがあるよ!」
獄原「うわぁ……! ゴン太、早くカブトさんの活躍を観てみたいな!」
最原「じゃあ、早速AVルームに行こう!」
―――AVルーム
百田「今回はゴン太が入部か! これからよろしくな!」
夢野「ゴン太もウィザードを観るが良い! きっと嵌るぞい!」
春川「はぁ……今回は最原がゴン太の為に選んだ作品を観るからウィザードはまた今度ね。で? 今回の作品はどんな感じなの?」
最原「仮面ライダーカブト……突如として飛来した隕石から出現したワームと言う怪物が存在する世界で、そのワームと戦う為の装備【マスクドライダーシステム】の適合者になった人々の話だよ。キャッチコピーは【天の道を往き、総てを司る】……これは、主人公の名前にもなっていて、彼が自己紹介する時にもたびたび使われるよ」
夢野「天道総司……おお! すっごいイケメンじゃ!」
最原「平成ライダーの主役で初の俺様キャラである天道総司を演じたのは水嶋ヒロさん。高い演技力とそのビジュアルで、見事にカブトの主演を務めたんだ! あと、カブトは平成ライダーの中でも登場するライダーが多くてその全員が美形だから、イケメンパラダイスなんて紹介をされることもあるね」
夢野「イケメンパラダイス……! 夢じゃ! ウチにとっての天国じゃ!」
春川「演じた人については大体わかったよ。じゃあ、アクションとかストーリーについてはどんな感じなの?」
最原「そのことなんだけど……まずは一話と二話を観てもらった方が早そうだから、早速観て行こう!」
―――視聴開始……
夢野「うむ……流石の活躍じゃな。登場シーンから天上天下唯我独尊っぷりが凄いぞい!」
百田「うへ~、なんつー俺様っぷりだ! 俺はこっちの加賀美って奴の方が好きだな!」
最原「加賀美もこの作品で大きな役割を果たすもう一人の主人公と言っても良い存在だよ。最初から完璧に近い天道と違ってまだまだ未熟だけど……それ故に、天道ですらたどり着けない境地に達することが出来る熱血漢なんだ!」
夢野「なんにせよ、どっちもカッコいいのぉ!」
獄原「あっ! 見てみて! カブトムシさんが飛んで来たよ! 真っ赤でキラキラしててカッコイイ! アレはなんて名前のカブトムシさんなのかな?」
最原「あれこそがカブトの変身アイテム、カブトゼクターさ! 意思を持った機械で、自分の意志で変身できる資格者を選ぶんだよ!」
百田「おおっ! カブトゼクターがベルトを持ってる加賀美じゃあなくて天道の所に!」
春川「あれ……? なんで一般市民の天道がカブトのベルトを持ってるの?」
最原「それはまあ別の機会に教えるとして……さあ、初変身だよ!」
HENSIN……!
百田「お、おぉっ……! 機械的な音声と変身方法、この時点で既にカッコい、い……? あれ?」
獄原「なんか、パッケージに書かれてる姿と違うんだけれど……?」
夢野「ごつ過ぎではないか? 最原に見せてもらったカブトの姿はもっとすらっとしてて、カブトムシっぽかったぞい?」
最原「ふふふふふ……! この点に関しては二話を観れば分かるよ!」
百田「二話だ! 飛ばすぞ、お前ら!」
春川「何言ってるの? ちゃんと全部見ないと話の流れがわからなくなるじゃん……殺されたいの?」
百田「うひぃっ!!!」
……十数分後
百田「よ、ようやく二話の戦闘シーンだぜ……!」
春川「そんなに時間はかかってないじゃない。大袈裟な」
夢野「だってカブトの秘密が気になるではないか! って、なんじゃあれ!? 敵が早い! 早いぞい!」
獄原「それに数も多いよ! カブトさん、大ピンチだ!」
百田「ど、どーすんだよ!? このままじゃやられちまうぞ!」
春川「……なんか、子供たちと一緒にTV観てるみたいだな……」
最原「ふふふ……ふふふふふ……!」
春川「こっちは凄い楽しそうだしなぁ……」
百田「な、なんだ? 加賀美が何か言ってるぞ!」
夢野「きゃすとおふ? くろっくあっぷ……? んあ~、初耳の台詞ばかりでよくわからん!」
獄原「カブトさーん! 負けないで―っ!」
最原「……さあ、いよいよだよ! 文字通り、カブトが本気を出す為に進化するのは!」
百田「お、おおお……? カブトがゼクターの角を倒して……?」
夢野「装甲が、浮き上がった……? 何が起きておるんじゃ!?」
獄原「まさか、これって!?」
TV『CAST OFF!』
全員「!?!?!?」
TV『……CHANGE BEETLE!』
百田「装甲が吹き飛んで……中から写真通りのカブトが出て来た!」
春川「二段変身……! これが、カブトの姿が違った理由!」
TV『CLOCK UP!』
夢野「ぬおぉぉっ!? 今度は高速移動まで!? す、ストップ! ストーップ! 一時停止じゃ、情報が多すぎて話についていけん!」
百田「終一! 解説頼む!」
最原「はいはい! ……カブトの最大の特徴は、春川さんの言った通りの二段変身であるキャストオフと、時間軸の移動を行って高速移動している様に見せるクロックアップなんだ。まずはキャストオフの方から説明するね」
獄原「ねえ、最原くん。もしかしてあれって虫さんの脱皮をイメージしてるの?」
最原「その通りだよ! 流石は超高校級の昆虫博士だね!」
獄原「えへへへへ……!」
最原「カブトに登場するほとんどのライダーは、重装甲とパワーを持つマスクドフォームとスピードに優れたライダーフォームと言う二つの姿を持っているんだ! 変身するとマスクドフォームになって、そこから脱皮ことキャストオフをすることでライダーフォームに変身するんだよ!」
夢野「まるで別物じゃな……装甲の中からカブトが出て来た時は驚いたぞい!」
春川「なるほど、基本的に活躍するのはこっちのライダーフォームってことで良い?」
最原「そうだね。どっちもカッコいいけど、ライダーフォームでしか使えない能力があるんだ。それこそがクロックアップ……この作品の中で最もスタイリッシュな能力だよ!」
春川「あれは、555のアクセルフォームと同じ高速移動ってことで良いの?」
最原「ううん、別物だよ。アクセルフォームは行動を全て千倍速くする能力で、こっちは時間の流れに干渉して行うもの。前者が純粋な高速移動で、後者は周りをゆっくりにしてるって考えた方が分かり易いかな」
夢野「よくわからんが凄い事はわかったぞい!」
最原「このクロックアップのお陰でカブトの戦闘シーンは最高にクールな仕上がりになってるんだよ! 人が吹き飛び、地面に倒れ込むまでの間に決着をつけたり、振っている雨を制止させてその中で戦ったり……道路を走る車の上を跳んで戦ったこともあったっけなぁ……」
獄原「そんなシーンがあるの!?」
最原「カブトは、自分たちが気が付かないだけでもしかしたらすぐ近くで仮面ライダーが戦ってるかもしれない、って言うことを表現する戦闘シーンを作り上げたんだ。何気なく歩いている街並みの中で、ワームの手から僕たちを守りながら戦う仮面ライダーが居るかもって想像するとゾクゾクしない?」
百田「わ、わかるかもしれねえ……! ロマンだな、ロマン!」
最原「他にも、昭和ライダーが行っていた必殺技の名前を口にしてからの発動とか、そういう部分も進化させて取り入れてるんだ!」
獄原「えっと……これかな?」
最原「うん! 天道は攻撃を仕掛けながらゼクターのボタンを押し、カウントダウンを開始する。数発のパンチで1、更に激しく責めたてて2、そして大きく敵を吹き飛ばし、3のボタンを押す……!」
獄原「………!」ゴクリ・・・!
最原「そこであえて敵に背を向けた天道はゼクターの角を倒す。そして、必殺技の発動を告げるんだ」
天道『ライダー、キック……!』
最原「ゼクターホーンを倒し、必殺技発動! 機械音声が再び必殺技の名前を告げ、頭の角に向かってタキオン粒子が昇って行く!」
獄原「て、敵がすぐ後ろに!? 危ないっ!!!」
最原「最高潮まで高まったタキオン粒子が足に戻ると共にカブトのカウンターキックが炸裂! ギリギリの所で必殺技を決めたカブトは、クールに決めポーズを取る……! 何度見ても、このシーンはカッコいいんだよなぁ……!」
夢野「お、おお……ちょっと鳥肌立ったぞい……!」
春川「自信のほどが表れてるよね。跳び蹴りじゃないライダーキックって、結構異質じゃない?」
百田「いや、でも、これはカッコいいぜ……! 認めざるを得ないな、カブト!」
最原「戦闘シーンのカッコよさもそうだけど、カブトには他にも楽しめる部分はいっぱいあるよ! 天道語録として有名になったおばあちゃんの言葉とか、多々あるコミカルなシーンとか……」
夢野「新たなイケメンの登場とかじゃな!」
最原「単純に仮面ライダーの数も多いし、一人一人が違う戦い方を披露してくれるからそれだけでも飽きないんだよね!」
獄原「うわぁ……! 凄い、凄いよ最原くん! ねえ、次のお話を観ようよ!」
百田「ははっ! こりゃ大分ハマったみたいだな!」
最原「こんな風に喜んでくれると、紹介した甲斐があったってものだよ!」
ゴン太くんがカブトに嵌りました! ゴン太くんが仲間に加わった!
―――翌日 ゲームルーム……
百田「ああっ! ズルいぞハルマキ! 俺のクロックアップ中にキャストオフすんじゃねー!」
春川「作戦だよ、作戦。短絡的なアンタが悪いんじゃん」ポチポチ…
百田「ああっ! やめろっ! 俺のザビーを虐めんじゃねえっ!!!」
夢野「んあ~、百田は弱いのぉ……」
獄原「次はゴン太とやろうよ!」
最原(……まさか、白銀さんの研究教室に幻のPS2ゲーム、仮面ライダーカブトがあるなんて……! 僕も後でやらせてもらおう!)
『1、2、3……』
春川「……ライダー、キック」
バシュゥゥゥンッ!!!
百田「ぐわぁぁぁっ! ざ、ザビーーっ!!!」
天海「……なんか、凄くうるさいと言うか、騒がしいと言うか……」
茶柱「賑やかとも言えますね……夢野さん、楽しそうです……」ジュルリ…
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「よーし! この調子でガンガン行くぞーっ!」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
メイジ「・・・・・」
ダークネクロムピンク「・・・・・」
―――茶柱の研究教室
最原「茶柱さん、ちょっと話を……うわっ!?」ドサッ!
夢野「んあ~っ! 最原、助けてくれ~っ!」タタタ!
最原「夢野さん!? 一体どうしたの!?」
茶柱「むむっ! 誰かと思えば諸悪の根源たる最原さんではありませんか! さては転子の事もかどわしに来たんですね!?」
最原「かどわすって……僕はただ、仮面ライダーを一緒に観ようと思って誘いに来ただけなんだけど……」
茶柱「それこそが男死の巧妙な策なのです! そのせいで夢野さんがあくどい男死の趣味に染められてしまったらどうするんですか!?」
夢野「ウィザードは普通に面白いぞい! あくどい趣味と言うのはやめい!」
最原「そもそも、なんで茶柱さんはそこまで仮面ライダーの事を悪く言うのさ?」
茶柱「だってそうじゃないですか! 仮面ライダーなんて、男死の暴力性を増長するだけですよ!」
最原「ひ、一昔前のPTAのクレームみたいなことを……!? そんなことないよ! 仮面ライダーは素晴らしい番組だよ!」
茶柱「いーえ! そんなことありません! あんなの、若くて顔だけは良い男死を使って女性たちを釣り、悪の道に引き込む番組じゃないです!」
最原「絶対にそんなことはない! 子供たちに夢を与えることこそが、仮面ライダーの本分なんだ!」
茶柱「夢ってなんですか!? ひょっこり現れた不思議な道具を使って怪人と戦うことですか!? あんな道具頼りのヒーローなんて、転子は認めません!」
最原「なんだとぅ……!?」
茶柱「人を救うのならば、人から尊敬される人物であるべきです! なんの努力もせず、ただ道具の力で強くなったと思い込むヒーローなんて馬鹿げてます! ネオ合気道を習い、しっかりと心身を鍛えてこそ、一人前のヒーローと言えるんです!」
夢野「んあ~……その意見を元にすると、プリキュアが全否定されるんじゃが……」
茶柱「プリキュアは良いんです! 女子ですから! か弱い女の子がいきなり戦いの場に放り出されるわけですから、多少は多めに見ないといけません!」
夢野「なんとも都合が良いのぉ……」
最原「………」
最原(世のヒーローを根本から否定することを言ってくるとは、流石は茶柱さんだ。筋金入りの男子嫌いだな。でも、仮面ライダーを舐めるなよ!)
最原「僕たちには、鍛えに鍛えてるヒーローがいる! 努力を重ねた円熟味と人から慕われる人柄も併せ持つあのライダーなら、茶柱さんの反論を抑えられるはずだ!」
茶柱さんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダー響鬼】
茶柱「何なんですか!? 何を勧められても、転子は仮面ライダーなんか見るつもりは……」
最原「……この人が、努力に努力を重ねた人だとしても?」
茶柱「え……?」
最原「平成ライダー第6作目、仮面ライダー響鬼……特別な素養がある訳でも特殊なアイテムを使う訳でも無くして仮面ライダーへと変身する戦士。その強さの秘密は、日々欠かさぬ鍛錬にあるんだ」
茶柱「な、なんとっ!? 努力だけでヒーローになったんですか!?」
最原「その通りだよ。響鬼は色々と特殊だけど、その内容は純然たるヒーロー物であり、師弟の絆を描く物語でもあるんだ。見れば、茶柱さんもきっと嵌ると思うよ!」
茶柱「むむむ……! 良いでしょう、一度だけ付き合ってあげましょう! でも、もしも転子の目に適わなかったら夢野さんを返して貰いますからねっ!」
夢野「何故ウチが景品になっておるんじゃ!?」
最原「望むところだ! 響鬼を舐めるなよっ!」
夢野「んあ~っ! ウチの話を聞かんか~っ!」
―――AVルーム
茶柱「さあ、真剣勝負です! 夢野さんは私がもらいます!」
最原「そうは行くか! 響鬼の凄さを思い知って貰うからね!」
百田「……なあ、何なんだあれ?」
夢野「ウチを争って戦う奴らじゃ! モテる女は辛いのぉ!」
春川「アンタが楽しそうならそれで良いよ」
獄原「それで? 今日はどの仮面ライダーさんを観るのかな?」
最原「今回はこれ! 仮面ライダー響鬼だよ!」
春川「響鬼……名前からも分かる通り、今回のモデルは鬼なんだね。555の時も思ったけど、仮面ライダーのデザインも多様化してるんだ」
最原「そもそもこの響鬼は、当初は仮面ライダーとして制作されていたわけじゃあ無いんだ。制作側は5作品目で区切りとして仮面ライダーシリーズを終わらせようとしてたみたいなんだけど、大人の色々な事情で結局は仮面ライダーの名前を冠した作品になったんだよね」
百田「へぇ~……悪に勝つ仮面ライダーも、大人の事情には勝てねえのか」
茶柱「そういうのはどうだっていいんです! そもそもこの響鬼と言うのはどんな作品なんですか? どうせ若い男が出て来てくるんでしょうけど……」
最原「いや、響鬼の主演は若い男性じゃ無いんだ。この作品で主演のヒビキを演じたのは細川茂樹さん、当時33歳、劇中の登場人物の年齢では31歳と、現在まで続く主演ライダーの年齢でも飛びぬけて高い年齢になっているよ!」
夢野「いわゆるイケオジってやつじゃな! でも、何でそんなおじさんを出すことになったんじゃ?」
最原「それはね、この響鬼と言うのは成長の物語だからなんだ。仮面ライダーであるヒビキさんと、彼の戦いを目の当たりにして鬼に興味を持った明日夢くんと言う少年の二人を主人公とした、師弟の物語でもあるんだよ」
最原「それはね、この響鬼と言うのは成長の物語だからなんだ。鬼と呼ばれる仮面ライダーであるヒビキさんと、彼の戦いを目の当たりにして鬼に興味を持った明日夢くんと言う少年の二人を主人公とした、師弟の物語でもあるんだよ」
茶柱「師弟、ですか……?」
最原「うん! 響鬼たち鬼は、魔化魍と呼ばれる化け物たちと戦っているんだ。魔化魍を倒すには音撃と呼ばれる特殊な攻撃方法で清めの音を出して、それで相手を浄化するしかない……それを習得し、鬼に変身する為には、長い期間訓練しなきゃならないんだ」
百田「おお、特訓か!? やっぱ特訓は男のロマンだよな!」
最原「ははは……昭和ライダーでもよく見られた特訓シーンだけど、響鬼はそれとはちょっと違うんだ。昭和ライダーは、強敵に敗れた時に新たな力を得る為に特訓をしてたけど、響鬼たちは継続的に力を鍛える為に修練を行う……厳しい訓練で心身を鍛え上げた果てに鬼に変身する能力を得る。つまり、努力の結果仮面ライダーに変身する能力を得た人たちなんだよ」
春川「へえ、珍しいね。ベルトの力じゃなくて自力で怪物と戦う力を得たなんて……」
最原「一応変身アイテムも登場するけど、それはあくまできっかけみたいなもの。普通の人が使ってもなんの意味も為さない道具なんだよ」
茶柱「な、なるほど……響鬼さんは転子が知る仮面ライダーとは違うみたいですね。しかし、それがどう師弟の話に繋がるんですか?」
最原「うん、話を戻すね。この作品の仮面ライダーである鬼は、大昔から人々を魔化魍の脅威から守って来てたんだ。その中で鬼たちは弟子を取り、自分の技術を教えつつ世代の交代を行って行く……こうやって脈々と鬼の力は受け継がれ、現代まで続いて来たって訳さ」
春川「……ああ、なるほど。そう言うことね」
獄原「あれ? 春川さんは何に気が付いたの?」
春川「ヒビキの年齢が高い理由と、師弟の話って言われる理由にだよ。つまり、今作では主役の響鬼がその明日夢くんを弟子に取って、その成長を見守る物語ってことなんじゃないの?」
最原「うん、正解かな。酸いも甘いも嚙み分けた大人の風格を持つヒビキさんは、まだ若くて様々な悩みにぶち当たる明日夢くんの成長を見守って行く……後半では鬼になりたいと思う様になった明日夢くんがヒビキさんに弟子入りする展開も待ってるんだよ!」
百田「仮面ライダーの世代交代がもろに観られるのか! そりゃあすげえ!」
最原「全てを話してしまうと勿体無いから、ここから先は見てのお楽しみってことにしておくね。前述の通り、響鬼は仮面ライダーとして作られていた訳じゃあ無いから、今までの作品とは大きく違う所があるんだ。その一つが、ライダー同士の中が非常に良いってことさ」
茶柱「……? それ、普通じゃ無いんですか?」
百田「普通じゃないな」←サブライダーは登場から長きに渡って正体を隠し、一度は主人公の命を奪った作品
春川「普通じゃ無いね」←全部草加雅人って奴のせい
夢野「普通じゃ無いのぉ」←サブライダーの勘違いのせいで暫し敵対、でもこの中では関係が良好な方
獄原「普通じゃ……無いね」←主役、出て来るライダーに喧嘩を売りまくる
茶柱「なんですとぉっ!?」ガビーンッ!
最原「この作品の仮面ライダーである鬼たちは全員が猛士って言う組織に所属してるんだ。つまりは全員が目的を同じとした同僚で、心身を鍛え上げた鬼たちは温厚で正義感の強い大人たちが多い……平成ライダーでよく見られるライダー同士のぶつかり合いがほとんどない作品だね」
茶柱「むむむ……やっぱり仮面ライダーとは、野蛮な作品なのでは……?」
最原「良識ある大人たちに導かれる若者たち、コンクリートジャングルから離れた雄大な自然の中で繰り広げられる物語、作風も明るくてシリアスな部分もあまり無い。一見異色に見える響鬼だけど、内容は非常にヒーローらしい作品に仕上がっているんだ」
茶柱「なる、ほど……野蛮な作品たちの中にも、そう言ったものもあるんですね」
最原「アクション面では大自然の中で巨大な魔化魍と戦う響鬼たちの姿に大興奮! トドメは楽器の演奏を元にした音撃だから暴力的な感じもあまりしないし、何より演出がカッコいいんだ!」
茶柱「ほ、ほぉ~……?」
最原「何より……成長するのは弟子たちだけじゃない。ヒビキさんをはじめとする鬼たちも、弟子たちとの関りの中で彼らにどう接するかを悩み、葛藤することもある……師匠たちもまた成長して行く姿を描いた響鬼は、茶柱さんにぴったりだと思うんだけどな……」
茶柱「………」
夢野「……転子、少しだけで良いから一緒に仮面ライダーを観てみんか? きっと面白いと思うぞ?」
茶柱「……そう、ですね。その通りです。男死たちの中にも、最原さんや師匠の様な良い男死も居る……野蛮な作品だと思っていた仮面ライダーの中にも、響鬼の様な作品だってあるんです。それに、実物を見たことも無いのに否定ばかりしては、仮面ライダーを作った人たちに申し訳無いですからね……」
最原「そ、それじゃあ!」
茶柱「見させて頂きます、響鬼! 観て、思ったことは口にしますが……食わず嫌いは止めにさせて頂きますよ!」
最原「わぁい! ありがとう、茶柱さん!」
茶柱「……最原さんの話を聞いて、師匠の事を思い出したんです。きっと今の転子の姿を見たら、師匠も怒るだろうなぁと思って……何事もまずは経験! そこからです!」
夢野「絶対に後悔はさせんぞい! 響鬼を見終わったら一緒にウィザードを観るんじゃ!」
茶柱「はい! 大切な友達の好きな物を知る為に、転子は頑張ります! では、お時間を頂戴しますね!」
茶柱さんが響鬼に嵌りました! 茶柱さんが仲間に加わった!
そして、翌日……
赤松「………」
天海「………」
茶柱「997、998、999……1000! 終わりっ! いや~、良い鍛錬でした!」
王馬「うわ~……茶柱ちゃん、なんかいつにも増して暑苦しいね!」
茶柱「転子は決めたんです! 心身を鍛え上げて鬼となり、魔法使いとなった夢野さんと一緒に人々のために戦うと……! その為に、もっともっと鍛えて行きますよーーっ!」ダダダッ!
赤松「……鬼、なんだ?」
天海「鬼、みたいっすね……」
東条「……仮面ライダー絡みよね?」
真宮寺「仮面ライダー絡みだろうネ……」
入間「な、なんか……妙な雰囲気になって来やがったなぁ……」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、今日は誰に話をしに行こうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――夜長の研究教室
最原「アンジーさん、今ちょっと良いかな?」
夜長「やっはー! どした~、終一~? アンジーになにか用~?」
最原「今日、一緒に仮面ライダーを観ようと思って誘いに来たんだけど……どうかな?」
夜長「ん~……ちょっと待っててね~……。うん! 神様も興味あるって言ってるし、何より大好きな終一のお誘いだからOKしちゃうよ~!」
最原「わーい! 良かった!」
夜長「でもでも~……神様を退屈させたら、バチがあたっちゃうよ~? イケニエにされちゃうかもね~?」
最原「え、ええっ!?」
夜長「終一~! 神様を楽しませられる作品、何かあるか~? 無いなんて、言わないよね~?」
最原「むむむむむ……」
最原(神様、か……平成ライダー作品の中では神様が登場したりする作品も多いけど、その中でアンジーさんにお勧めするとしたら……)
最原(初期の頃に放送されたアレだろうな。エンターテインメント性を重視し、後に続く作品たちの基礎を作り上げたあの作品なら、アンジーさんも楽しめるはずだ!)
夜長さんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原(……違う、この作品じゃない! もっと相応しい作品があるはずなんだ!)
夜長「ん~……終一も少し怖がっちゃってるみたいだし、今回はやめておいた方が良いかもね~! それじゃ、ぐっばいなら~!」スタタ…
最原「あ……! せっかく話を聞いてくれたのに、僕の未熟さのせいでチャンスを逃してしまった……白銀さんに顔向けできないや……」ションボリ
―――AVルーム
最原「……はぁ」ドヨーン…
百田「いつにも増して落ち込みっぷりがヤバいな」
春川「初の説得失敗だからね。しょうがないんじゃない?」
夢野「んあ~! 元気を出さんか、最原! 絶望したらファントムになるぞ!」
茶柱「気合ですよ、気合!」
獄原「今日も仮面ライダーを観て元気出そうよ! ゴン太たちに色々教えてよ!」
最原「皆……! うん! それじゃあ今回は気分を変えて映画の作品を観てみようか!」
どの作品の映画を観ますか? この下の回答で決定
仮面ライダーフォーゼ みんなで宇宙、キターッ! 視聴開始……
百田「へへっ! 初めて見る仮面ライダーの映画がフォーゼとは、俺もツイてるぜ!」
夢野「んあ~、ウィザードが観てみたかったが仕方が無い……最原、説明を頼む」
最原「うん! 『仮面ライダーフォーゼ みんなで宇宙キターッ!』は、夏に公開されたフォーゼの劇場版で、作中の終盤に起こった話と言う設定だよ。平成二期に入ってから劇場版の公開は作品の終わり間際になってるから、色々と自由に設定出来るようになってるんだよね」
春川「設定が固まり切ってない序、中盤になるより、クライマックスを迎えて大体の話の流れが分かってる終盤の方がお話を組み立てやすいもんね」
最原「そう言うことだね。では、ここでこの映画の簡単なストーリー説明をさせて貰うよ」
最原「仮面ライダーフォーゼ・如月弦太朗たち仮面ライダー部の元に、宇宙の平和を守るとある組織から連絡が入る。彼らは仮面ライダー部の活動を承知しており、フォーゼとメテオの力を信頼してとあるミッションを遂行して欲しいと依頼して来たんだ」
百田「そのミッションってのは、なんなんだ?」
最原「宇宙に存在する完成間近の衛星兵器、XVⅡ(エックスブイツー)の破壊と、それを利用して人類の全滅を図ろうとする宇宙鉄人のスカイダイン、グランダインの破壊さ。このミッションを完遂するために、仮面ライダー部のメンバーたちは全員で宇宙に飛び出すんだ!」
百田「おおっ! つーことは、本格的な宇宙ミッションに仮面ライダー部が力を合わせて挑むってことだな!」
最原「うん! ……でも、このミッションを妨害する第三勢力、インガ・ブリンクとブラックナイトの登場や、戦いの裏に潜む陰謀を巡って話が二転三転して行くんだ。フォーゼたちはその陰謀に負けずに世界を救う事が出来るのか? それは見てのお楽しみ!」
百田「おぉぉぉぉっ! 燃える王道的展開じゃあねえか! 良いな、おい!」
最原「この映画の見所は何といっても宇宙を舞台にした激しい戦闘! ラストバトルは巨大なメカと宇宙でぶつかり合うダイナミックなものになっているよ!」
獄原「他には何かあるの?」
最原「この映画限定のフォーム『仮面ライダーフォーゼ メテオフュージョンステイツ』の登場と、その誕生の為に今まで登場したキャラクターが一挙に登場する展開かな! 友情とダチを大事にするフォーゼだけあって、友情出演にはちからを入れてくれたみたい! その戦いっぷりも凄くて、メテオとフォーゼの必殺技を同時発動してのラッシュ攻撃は大興奮物だよ!」
百田「うおぉぉっ! 早く観てみたいぜ!」
最原「それと……次回作の先行登場として、仮面ライダーウィザードもフォーゼの助太刀に来てくれるんだ! 映画のスクリーンで繰り広げられる初の魔法アクションは、夢野さんも喜んでくれると思うよ!」
夢野「おお! 実質のウィザードの初舞台か! なら、ウチが見ない訳にはいかんのぉ!」
茶柱「良かったですね、夢野さん!」
最原「機会があれば、ウィザードとの共演である【MOVIE大戦 アルティメイタム】も紹介するよ! でも、今は『みんなで宇宙キターッ!』を楽しもう!」
百田「おうさ! 早速観てみようぜ!」
最原「とっても面白い作品だから、気になった人は見てみてね! DVDは各地でレンタルされてると思うし、PSネットワークを使える人は350円くらいで二日間のレンタルが可能なはずだよ!」
翌日……
最原「もう失敗しないぞ! 今日は誰に会いに行こうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――キーボの研究教室
最原「キーボくん! ちょっと良いかな?」
キーボ「むむっ! 来ましたね、最原くん! しかし、僕は仮面ライダーを見るつもりはありませんよ!」
最原「ええっ!? なんでそう、藪から棒に……?」
キーボ「当たり前じゃないですか! スーパー戦隊ならともかく、仮面ライダーの中ではロボットはやられ役の敵ばかり……同類が倒されて行く姿を見る趣味は、僕にはありません!」
最原「そんな! 君は仮面ライダーを誤解しているよ!」
キーボ「そんなことはありません! 仮面ライダーは、ロボット差別を露にした嫌な作品です! ロボットが主役級の活躍をするスーパー戦隊を少しは見習って下さい!」
最原「ええ~っ……?」
最原(……ロボットが倒されることが嫌いなキーボくん、そんな彼にあの作品を紹介しても良いのだろうか? あの作品は、機械生命体が相手だし……)
最原(……考えるのは止めだ! 仮面ライダーはロボット差別をする作品なんかじゃない! 主人公の苦悩する姿や、各キャラクターたちの姿を見てくれればキーボくんだって分かってくれる! 頼むぞ! 仮面ライダーならぬ、仮面ドライバー!)
キーボくんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダードライブ】
キーボ「むむむむむ……! 何やら機械的な方が出て来ましたね。しかし、これだけでは僕も首を縦には振りませんよ!」
最原「平成ライダー第16作品目、仮面ライダードライブ! 機械生命体ロイミュードと警察官である泊進ノ介たちの戦いを描いた平成二期の名作さ!」
キーボ「機械生命体!? と言う事は、この仮面ライダーはロボットをやっつけると言う事じゃないですか! こんな作品、僕は絶対に観ませんからね!」
最原「違う! ロイミュードは敵ではあるけれど、悪役では無いんだ! ドライブは、主役である泊進ノ介が戦いの中で正義とは何か? を苦悩しながら突き進み続ける物語で、その物語の中ではロイミュードたちとの関りが切っては切れない物として描かれているんだよ!」
キーボ「でも、結局はロボットをやっつけるお話なんでしょう!? 僕はそんな作品は絶対に……」
最原「うるさい! 取り合えずひとっ走り付き合えよ!」
キーボ「え? あの、最原くん!?」
最原「もう僕は誰にも止められないぞーーっ!!!」ダダダッ!
キーボ「ちょ、ちょっと!? うわーーーっ!!!???」ズルズルズル…
―――AVルーム
キーボ「ひ、酷い目に遭いました……」ボロッ…
百田「よう、キーボ! お前も仮面ライダーを見に来たのか? 歓迎するぜ!」
茶柱「どう考えても無理やり引きずられて来たようにしか見えませんけどね」
キーボ「くぅぅ……こんな方法で連れられてきてしまった僕ですが、内なる声が『取り合えず、見ておけ!』と言って来るので見ておくことにします……」
春川「本人の許可も得た所で……最原、作品の説明をお願い」
最原「任せて! 仮面ライダードライブの主役、泊進ノ介を演じたのは今人気絶頂の若手俳優、竹内涼真さん! 熱血漢であり、正義感溢れる警察官を一年間に渡って演じ、その名を全国に轟かせたんだ!」
夢野「おお! こやつもなかなかイケメンじゃのう!」
最原「だらけ切った無気力な姿と、エンジンがかかった真剣な姿を演じ分けた竹内さんのお陰で、進ノ介は魅力的なキャラクターになったんだ! じゃあ、ここからは一話を見ながら説明を始めるね!」
―――第一話、視聴開始……
キーボ「……少し前の時間軸からお話が始まる訳ですね。ここでロイミュードたちが人間を滅ぼしてしまえばよかったのに……!」
獄原「き、キーボくん、怖い事言わないでよ……。ゴン太、ロイミュードさんとも仲良くしたいな!」
最原「2014年、ロイミュードによる大規模な人類侵略を機に、周囲のあらゆるものの動きが鈍くなる現象が多発する様になった世界。その現象は『重加速』や『どんより』と呼ばれるようになり、ロイミュードたちによる侵攻は『グローバルフリーズ』と呼ばれるようになったんだ。主人公である泊進ノ介は、グローバルフリーズの日に重加速の影響で銃を誤射、共に事件を追っていた相棒に大怪我を負わせてしまう。その罪の意識から無気力になってしまった進ノ介は、特状課と呼ばれる部署に左遷されてしまうんだ」
百田「俺で言えば、終一に怪我させちまったってことか……それは、結構心に来るものがあるよな……」
最原「無気力になった進ノ介はヒロインである詩島霧子に注意されながら仕事をこなす日々を送るんだけど、そんなある日、人の全身が真っ赤になり意識不明になると言う怪奇事件が多発するんだ。不思議な事件を担当する特状課のメンバーは事件の調査に乗り出すんだけど、そこでロイミュードたちが暗躍している痕跡を見つける訳だね」
春川「警察ドラマらしいミステリーもちゃんと組み入れてるんだね。しっかりしてるじゃん」
最原「ドライブはシナリオに力が込められているんだよ。物語の完成度と後半の盛り上がりに関しては、平成ライダーでも屈指の素晴らしさを誇るね!」
夢野「んあ……? 最原、進ノ介は車にばっかり乗っているが、バイクはどうしたんじゃ? 仮面ライダーなら、バイクに乗らねばならんじゃろう?」
最原「実はね……ドライブは、作中一度もバイクに乗らなかったライダーなんだ! 今、進ノ介が運転している車『トライドロン』こそが、ドライブのライダーマシンなんだよ!」
茶柱「え、ええっ!? あの響鬼さんですら、最終的にはバイクに乗ったと言うのに……それじゃあ、仮面ライダーじゃあなくて、仮面ドライバーじゃないですか!」
最原「その通りさ! 放送開始前は色々と言われてたけど、さっきも言った通り後半の盛り上がりとシナリオの完成度の高さ、そして何より初の車型ライダーマシンであるトライドロンのカッコ良さに触れた視聴者たちは、その事については何も言わなくなっていたんだ!」
キーボ「なるほど……おや? このベルトは、意思を持っているんですか? ベルトさん、と呼ばれているみたいですが……?」
最原「彼こそがトライドロンやドライブの変身システムを開発したクリム・スタインベルトの全記憶を持った人工知能であるベルトさんさ! 進ノ介の良きパートナーとして活躍しながら、彼をドライブに変身させるベルトの役目もになっているんだよ!」
百田「喋って意思を持つベルトか……何気に珍しいんじゃねえのか?」
最原「そうだね。仮面ライダーカブトやキバでもこう言った意思を持つ変身アイテムは存在したけど、ベルト自体が意思を持つって言うのは初めての事だと思うよ」
キーボ「なるほど、ヒーロー側にも機械生命体は居るんですね。ちょっと安心しました」
夢野「そんなベルトさんと進ノ介が力を合わせて変身するのがドライブなんじゃが……なんなんじゃ、こいつ!? 体にタイヤがぶっ刺さっておるではないか! 痛くは無いのか!?」
茶柱「男死の身を案じるなんて流石は夢野さん! お優しい! まるで天使!」
最原「異質に見えるデザインだけど、車をモデルにしたドライブは基本的にはカッコいいデザインをしてるんだよね。スポーツカーをモデルにしたタイプスピードは、その名の通りのスピーディな戦闘を繰り広げるドライブの基本フォームさ!」
百田「ひとっ走り付き合えよ! ……痺れる決め台詞だな! すげーカッコいいぜ!」
夢野「確かに最初は面食らってしまったが、動き出すと気にならなく……って、タイヤが変わったぞい! あれは絶対痛いじゃろ!?」
春川「最原、説明!」
最原「これこそがドライブの最大の特性である『タイヤコウカン』さ! 意思を持つ小さな車型アイテム『シフトカー』を左腕に装備した『シフトブレス』に差し込むことで、ドライブは様々な効果を使えるんだ!」
百田「この炎みたいな奴はなんなんだ!?」
最原「それはマックスフレア、ドライブの攻撃に炎属性を付加する効果を持つシフトカーだよ!」
夢野「また変わった! 今度はトゲトゲの痛そうなやつじゃ!」
最原「ファンキースパイク! 棘の付いたタイヤを回転させて、相手を削り取る攻撃が得意だよ! 他にも、忍者の様な身のこなしや分身が可能な手裏剣型タイヤのミッドナイトシャドーや、スロットの出目によって威力が変わると言う一風変わった特性を持つドリームベガスと言うシフトカーを使ってドライブは戦いを繰り広げて行くんだ!」
獄原「今回の仮面ライダーはタイヤを変えることがフォームチェンジの代わりになっているのかな? と言う事は、カブトさんみたいにあんまりフォームチェンジはしないの?」
最原「そうでもないよ。シフトカーを使う事で別の姿に変身することも出来るんだ! シフトワイルドを使えばRV車をモチーフにしたタイプワイルドに、シフトテクニックを使えば特殊技能車をモデルにしたタイプテクニックに変身可能だよ! 前者はパワフルな効果を持つダンプカーやクレーン車と言ったタイヤと、後者は消防車や氷雪除去車みたいな特殊な能力を持つタイヤと相性が良くって、ドライブは相手によって使い分けてる感じかな」
春川「ちゃんと車をモデルにした部分を活かした設定になってるんだね。感心したよ」
キーボ「……ドライブが凄い事は分かりました。でも、やっぱりロイミュードたちがやられ役なのは変わりないじゃないですか! 結局、ロボットは人間に倒される存在だってことじゃないですか!」
最原「……そうじゃないよ。ドライブは、物語が進むにつれて様々な真実が明らかになって行くんだ。進ノ介の父親が殉職した事件の謎、ロイミュードの誕生の秘密、グローバルフリーズの日に活躍した戦士『プロトドライブ』の正体……そう言った数々の謎を追って行くにつれ、登場人物たちも様々な葛藤を抱えることになるんだ。そしてそれは、人間とほぼ同じ思考を持つロイミュードたちも変わらないんだよ」
キーボ「え……?」
最原「ロイミュードの幹部たちである三人組、リーダーの『ハート』、参謀の『ブレン』、死神『チェイス』……この三人に途中から加わる女性型ロイミュード『メディック』を加え、ロイミュードたちの物語も進んで行く。ネタバレを避ける為にあまり詳しくは言えないけど、4人とも様々な悩みを抱えながら自分たちの取るべき行動を選んで行くんだ。特に、チェイスは物語の根幹に関わる役目を担っているんだよ」
春川「555と同じ、敵にもスポットライトが当てられた物語ってこと?」
最原「うん……警察官である進ノ介は、ロイミュードと戦う中でリーダーであるハートの仲間を思いやる心に触れ、守るべき筈の人間の醜い部分を見ることになる。そう言ったロイミュードたちと関わる中で、進ノ介は『ロイミュードを撲滅することは正義と呼べるのか?』と言う事に悩むことになるんだ」
キーボ「敵を倒すことを迷い始めると言うことですか?」
最原「警察官として、市民の生活と安全を脅かすロイミュードを許す訳にはいかない。でも、彼らにも彼らの信念と事情があり、決して悪ではないと言う事にも気付き始める……真の悪とは何なのか? その答えを見つけ出すこともこのドライブの魅力だと思うな」
キーボ「なるほど……人間ではないロイミュードを単純な悪役とはしなかったことは評価出来ますね」
最原「むしろ、人間ではないはずのロイミュードが人間とほぼ同じ感情を持って行動するからこそドライブと言う作品は奥深くなったんだと思うよ。その最骨頂たる終盤のブレンの選択は、それまでネタキャラとして扱われて来た彼を一気に格好良くするものになったんだ。ドライブで一番好きなキャラクターを上げたら、僕はブレンを選ぶかな」
春川「主役では無くて敵を好きになる、私もよく分かるな。555と同じ様な作品なら、私も好きになれるかもだし」
最原「様々な思惑と陰謀、秘密が絡み合うドライブだけど、ストーリーは王道のヒーロー物兼警察ドラマに仕上がっているんだ。ライダーじゃなくてドライバーだけど、初心者にもお勧めできる作品だよ!」
キーボ「……まだ、僕は完全に仮面ライダーを素敵な作品だと思っている訳ではありません。しかし、僕が思っている以上に深い作品であることはわかりました。最原くんに解説して貰ったお礼として、僕もドライブを観てみようと思います」
最原「うん! それじゃあ、続きを観て行こう! ロイミュード072が出るお話まで見れば、きっとキーボくんも嵌ってくれるよ!」
キーボ「本当ですかねぇ……?」
―――数時間後……
キーボ「……あ、あんな、あんなに良いロイミュードだったのに……! 人間とも分かり合える、人類とロボットの懸け橋となる存在だったのに……! め、メディックーーっっ!! 僕はあなたを許しませんよっ! 同じ機械をここまで憎んだことは未だかつてありません!」
百田「嵌ったな」
獄原「みたいだね」
夢野「ちょろいぞい」
茶柱「ですね」
春川「……ドライブも面白いなぁ」
最原「あははははは……楽しんで貰えたみたいで、何よりだよ!」
キーボくんがドライブに嵌りました! キーボくんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
キーボ「ぼ、僕はどうすれば良いんでしょうか……? 大切な人たちの為に戦うべきなのか、それとも人類を滅ぼすべきなのか……?」
赤松「き、キーボくん!? なに物騒なことを言ってるの!?」
キーボ「ああ、赤松さん! 僕はどうすれば良いのでしょうか? もしも明日第二のグローバルフリーズが起きたとしたら、僕は人間とロイミュードのどちらに味方をすれば良いんですか!?」
赤松「ちょ、ちょっと! 良く分からないことを言われても困るだけだって! もしかしてまた仮面ライダー絡みの話なの!?」
キーボ「う、うぅ、答えが出せない……! 内なる声! チェイス! 僕を導いてくださ~い!」
赤松「あ、ちょっと! ……行っちゃった……とうとうキーボくんまで仮面ライダーに嵌っちゃって……あそこまでおかしくなるなんて、一体最原くんたちは何をしたんだろう?」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、今日は誰の所に行こうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――真宮寺の研究教室
最原「真宮寺くん、ちょっと良いかな?」
真宮寺「おや、最原くんじゃないか。もしかして、僕を仮面ライダーの視聴に誘いに来たのかい?」
最原「実はそうなんだ。真宮寺くんもどうかな?」
真宮寺「ふむ……喜んでご一緒させて貰うヨ。最原くんをはじめとした超高校級の高校生たちを魅了する魅力がどれほどの物なのか興味があるからネ」
最原「ほ、本当に!? 嬉しいな!」
真宮寺「ククク……君からの誘いってこともあるんだけどサ。……でも、ネ……」
最原「???」
真宮寺「やっぱり作り物だってことが念頭にあるから、その部分は気になっちゃうと思うんだよネ。リアリティこそが重要だって言うのは、僕の譲れない部分だからサ」
最原「リアリティ、かぁ……」
最原(……真宮寺くんの求めるリアリティ。現実味のある作品を目指した作品は、確かあったはずだ)
最原(人間ドラマとしての色を濃く残しながらヒーローの復活を大々的に宣伝したあの作品ならば、きっと真宮寺くんの期待にも応えられるはずだ!)
真宮寺くんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダークウガ】
真宮寺「ほう……どうやら、この作品なら僕の心配事を解消出来ると最原くんは思っているみたいだネ?」
最原「平成ライダーの第一号にして全ての始まり、仮面ライダークウガ! この作品は、真宮寺くんの言うリアリティを追求した作品でもあるんだ!」
真宮寺「なるほど……人に物事を教えるには、一番最初の物から教えるのが基本……その作品と相性が良いなんて、どうやら僕は相当にラッキーみたいだネ」
最原「詳しくはAVルームで説明するよ! きっと真宮寺くんも気に居ると思うよ!」
真宮寺「ククク……それじゃあ、楽しみにさせて貰おうかな? ククククク……!」
―――AVルーム
最原「と言う訳で今日は真宮寺と一緒にクウガを観よう! 皆、準備は良い?」
百田「平成ライダーの初の作品かぁ……なんか、ちょっと厳かな気分になるな!」
茶柱「平成ライダーと言う流派の真祖と言う訳ですからね! 期待が高まります!」
春川「それじゃあ最原、今回も説明をよろしく」
最原「うん! ……平成ライダーの記念すべき第一作品、仮面ライダークウガ。古代から蘇った戦闘民族グロンギと、それを退治していた超戦士【クウガ】の力を得た主人公【五代雄介】が戦いを繰り広げる物語さ! 主役はオダギリジョーさん! 見事な演技力でクウガと五代を演じ、後に続く仮面ライダーのイケメンブームに火をつけたんだ!」
真宮寺「最原くん、どうしてこの作品を僕に勧めたのかな? その理由を教えてもらっても良いかい?」
最原「クウガは、今までの仮面ライダーにもあった色々なお約束に理由をつけて出来る限りリアリティを感じさせようとした作品なんだ。例えばなんだけど、毎回登場する怪人って一体ずつだよね? これってよく考えればおかしいと思わない?」
キーボ「確かに……本当に仮面ライダーを倒したいのならば、複数の怪人を派遣するのが正しい戦術ですよね?」
最原「他にも、何でキックを受けただけで怪人が爆発するのか? とか、警察の様な部隊は悪の組織を相手に何をしているのか? と言った疑問点に様々な答えを用意して作り上げられたのがこのクウガと言う作品なんだ! 魅力的なストーリーや役者さんの演技と相まって、今もなお平成の最高傑作と呼ぶ人も多いよ!」
真宮寺「なるほど、創作作品でありながらリアリティを追求すると言うその姿勢は美しいと呼べるネ。他には、どんな魅力があるのかな?」
最原「それは見てのお楽しみってことで! ……ただ、一つだけ注意してね」
真宮寺「ん? 何をだい?」
最原「このクウガ、555同様に子供が見る物とは思えない程残虐な描写が多いんだ。個人的にトラウマの製造量ならもう一つの作品と並んでNo1だと思うんだよね。だから、少し心構えを持ってから視聴して欲しいんだ」
春川「平成二期の作品を観ちゃうと余計にそう感じそうだね。555なんかを観てる私には問題なさそうだけど……」
百田「フォーゼやウィザードを観慣れちまった俺や夢野には厳しい作品ってことか」
最原「決してグロテスクな訳では無いんだけど……当時リアルタイムで見ていた人たちは、色々なトラウマを植え付けられたと思うよ。有名なのはジャラジって怪人の話だけど、『バックします……』とか『振り向くな』とか、他にも凄いシーンはあるんだよね」
夢野「な、なんか、聞くだけでおしっこをちびりそうな言葉じゃのう……」
最原「でもクウガは本当に面白い作品だよ! 色々と問題もあるけど、間違いなく平成ライダーの傑作に選ばれる作品の一つだね!」
真宮寺「ふむ……デメリットに関してはいつか聞くとして、このクウガが後の作品に影響を及ぼした所ってどこにあるのかな?」
最原「例えば、今は普通にほとんどのライダーが行っているフォームチェンジだけど、その始まりはこのクウガと言えるんだ! 正確には昭和ライダーの『ストロンガー』や、『BLACK RX』から行われていたものなんだけど、○○フォームと言う言葉を作ったのはこのクウガなんだよね」
真宮寺「戦闘の基礎を作り上げたと言えるわけだネ?」
最原「うん! バランスの取れた能力を持ち、徒手空拳で戦うマイティフォーム。素早さと跳躍力を武器に、専用武器であるドラゴンロットを用いて戦うドラゴンフォーム。超感覚と言うメリットにもデメリットにもなる能力を持った斬新な設定の『ペガサスフォーム』。堅牢で男らしい容姿をした『タイタンフォーム』と言う四つの基本フォームを武器にクウガは戦うんだ! 番組の後半からは各フォームの強化形態も登場して、更に戦闘を盛り上げるよ!」
キーボ「状況に応じて戦い方を変える。まるでドライブの様ですね!」
春川「いや、クウガの方が先だからね? そう考えると、本当にクウガの影響って大きいんだね」
春川「いや、クウガの方が先だからね? そう考えると、本当にクウガの影響って大きいんだね」
最原「なにより、主人公である五代雄介の性格はまさにヒーローの鏡と言えるものなんだ。皆の笑顔の為に自分が傷つくことを厭わず、暴力を振るう事に悲しみと疑問を感じながらも守るべき人々の為に戦い続ける……人類の味方だと言う事を理解されず警察に攻撃されることもあったし、何度も死にかけたこともあった。それでも雄介は戦い続けたんだ」
獄原「うぅ……! 凄いよ、雄介さん! ゴン太も雄介さんを見習って、立派な紳士になるよ!」
真宮寺「自己犠牲の精神と何かを守ると言う確固たる信念を持つヒーロー、か……なんとも素晴らしいことだネ」
最原「……だから、そんな雄介が感情を爆発させる時には視聴者も心を揺さぶられるよ。有名な後半のとある回では、雄介がグロンギに対する怒りを爆発させるシーンがあるんだ。そこに至るまでの経緯とその回のお話を見れば、雄介もまた人間であることをしっかりと感じられるんじゃないかな?」
真宮寺「なるほどネ……なら、早速観てみようか? 僕もクウガと言う作品に興味を持って来たヨ」
最原「良かった! ……それに、真宮寺くんなら絶対に嵌るって言える根拠がもう一つあるんだよね!」
真宮寺「おや? それはなんだい?」
最原「それも観てのお楽しみってことで!」
真宮寺「クク……期待させてくれるネ、最原くん……! それじゃあ、それが何なのか予想しながら楽しもうじゃないか……!」
真宮寺くんがクウガに嵌りました! 真宮寺くんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
赤松「……あ、真宮寺くんだ! おーい、真宮寺くーん!」
真宮寺「……ジャガ、ガバラツガン。ゴビゲンジョグ」
赤松「え……? ええっ? 今、なんて……?」
真宮寺「……おっと、ごめんヨ。徹夜でグロンギ語の解読を進めててネ、すっかり口調がそれになってしまったみたいだヨ」
赤松「ぐ、グロンギ語……? 何、それ? どこの言葉?」
真宮寺「今の君に話しても無駄だろうから解説は避けておくヨ。君もクウガを観れば分かると思うけどネ」
赤松「クウガ? もしかして仮面ライダーのこと?」
真宮寺「クク、そうだヨ。案外面白かったから、君も観ればいいのにネ」
赤松「え、っと……」
真宮寺「まあ、好きにすれば良いサ。結局は個人の自由だしネ。でも……」
赤松「???」
真宮寺「ガギバサブンロ、ビリゾラデデスドゴログジョ。ジャガベ」
赤松「あ、ちょっと! せめて日本語で話してってば、真宮寺く~ん!」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「良い感じに仲間が増えて来たぞ! さて、今日は誰に声をかけようかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――夜長の研究教室
夜長「お~! 終一、また来たね~! それで、アンジーと神様に紹介する作品は決まったの~?」
最原「もちろんさ! 今度こそちゃんと君を仮面ライダーの虜にして見せる!」
最原(……今度こそ失敗しないぞ! アンジーさんに紹介するのは、初期の頃に放送されたエンターテインメント性に優れたあの作品だ! 前作の失敗を反省して作り上げられたあの作品は、初心者にもぴったりだしね!)
アンジーさんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーアギト】
夜長「お~! なんかカッコイイの出て来たね~! これがアンジーと神様におススメするライダーなの~?」
最原「平成ライダー2作品目の仮面ライダーアギト! 初心者にもおススメしやすい、非常に完成度の高い作品なんだ!」
夜長「なるなる~! それじゃあ~、早速観に行こうか? 終一、しっかりアンジーと神様に説明するんだよ~!」
―――AVルーム
茶柱「むむむ! なんだか油断ならない方がやって来てしまいましたね!」
夜長「およよ~? 転子はアンジーが来て嬉しくないのかな~?」
百田「まあまあ! ここは素直に新しい仲間の参加を喜ぼうじゃねえか!」
夢野「ウチはアンジーが来てくれて嬉しいぞい!」
夜長「にゃはは~! 秘密子は良い子だね~! 神様も褒めてるよ~!」
春川「はぁ……最原、これ以上話が脱線する前に今回紹介してくれる作品の説明をよろしく!」
最原「OK! ……平成ライダー第2作品、仮面ライダーアギト。前作のクウガで世の中に仮面ライダーの復活をアピールした制作側だったけれど、クウガは作り手たちの意欲が高すぎて色々と問題があった作品でもあったんだ。その反省点を活かし、エンターテインメント性と後に続く様々な要素を作り上げた平成ライダーの原点と言っても良い作品だね!」
茶柱「一つ前の作品の問題点を反省し、より良い作品を作る……良い心掛けですね!」
百田「後の作品に続く要素ってのはどんなもんがあるんだ?」
最原「まず、アギト以降は恒例とも言えるサブライダーの登場だね。この作品には主役のアギトの他にも初期から活躍する仮面ライダーが二人いて、その三人がそれぞれ主役と言える活躍をしていくんだ」
茶柱「サブライダーであり、主役ライダーであるってことですか?」
最原「うん! ……じゃあ、彼らがそれぞれどんな人物なのかをこれから説明して行くね! まずはタイトルでもある仮面ライダーアギトからいくよ!」
夜長「主役さんってことで良いのかな~?」
最原「そうだね。仮面ライダーアギト、変身者は津上翔一と言う記憶喪失の青年で、作中では自分を引き取ってくれた美杉家に居候しつつ家事手伝いとして働いているよ。性格は温厚と言うよりも天然ボケと言えるレベルで、あまりにもマイペースな人物なんだ」
真宮寺「雄介の変則系の人物を想像すれば良いのかな?」
最原「そんな感じかな。でも、敵であるアンノウンの気配を察知するとその雰囲気は大きく変わるんだ。精悍かつ寡黙になり、変身後は基本的に掛け声以外は発しない。だから、彼がアギトだって気が付く人物はそうそう居ないんだよね。ちなみに彼は、公式から【既に仮面ライダーである男】と呼ばれているよ」
夢野「ウィザードと同じ様に最初から仮面ライダーになっていると言うことか?」
最原「うん……この様な別称は、他の二人のライダーにも用意されてるんだ。次は、仮面ライダーG3に変身する氷川誠を紹介するよ」
キーボ「G3……なんだか、メカニカルな名前ですね!」
最原「キーボくんの言う通り、G3は警察が作ったパワードスーツなんだ。だから、今作における唯一のそして平成初の人工ライダーと言えるかな」
キーボ「なるほど……! ドライブたちのご先祖さまと言う訳ですね!」
最原「ちなみに氷川は【仮面ライダーになろうとする男】と言われているね。超人的な能力を持つ他のライダーたちと比べてG3は戦闘能力が低いんだ。まだまだ未熟なれど人々を守る警察官として、G3の装着者として成長を続けて行くんだ! 最終決戦の彼の言葉は、今もなお語り継がれる名台詞になっているよ!」
キーボ「警察官でもあるんですね! 本当にドライブの先輩だなぁ……!」
最原「……と、ここまで前向きなライダーを紹介して来たけど、最後の一人は悲劇的な運命を背負った人物、葦原涼を紹介するね。彼が変身するのは仮面ライダーギルス、アギトの不完全形態と設定されたライダーさ」
獄原「不完全な、アギト……?」
最原「不幸な交通事故によって完璧でない形でアギトに目覚めてしまった涼は、自分の体が異形の化け物に変わってしまうと言う現象に苦しめられる。毎回変身する度に後遺症で体は傷つき、変身後の姿を見た恩師や恋人からは敬遠されて孤独を深めて行くんだ」
春川「うわ……それは、きついね……」
最原「……でも、涼は決して困難から逃げたりはしなかった。【仮面ライダーになってしまった男】は、得た力を正しい事に使う事が出来る人間だったんだ。不幸な入れ違いからアギトやG3とは何度も戦う事になるけど、彼もまたヒーローの一人だったんだよ」
茶柱「もうなっている人、なろうとする人、なってしまった人……確かに、全員が主役になってもおかしくないですね」
最原「話の根幹になるのは記憶喪失の翔一の過去にまつわる話で、一つの謎が解明される度にまた新たな謎が出現すると言う展開を取っているんだ。これも後の仮面ライダーに採用されているお話の作り方だね」
百田「あー、なるほどな! 確かにそんな展開が多いわな!」
最原「さらに、クウガの戦闘シーンを見直したスタッフは、アギトの戦闘シーンをエンターテインメント性に富んだ物にすることに成功したんだ! CGの使用や三者の戦い方を上手く分けることでそれぞれの戦いに個性を出しつつ、クウガのやや地味だった戦いから新たな戦闘の形を作り上げたんだよね」
真宮寺「確かに……後半はまだしも、序盤のクウガの戦いは地味だったからネ。そこを改良した結果が、今の派手な戦いと言う訳かな?」
最原「重厚かつ凛々しい格闘戦を繰り広げるアギト、様々な銃火器装備を使い分けて戦うG3、ワイルドかつ暴力的な戦いを見せるギルス、それぞれの必殺技は全く趣が違って、見ていてカッコいいと思えるものばかりだよ!」
春川「それぞれの特性を活かしつつ、被らない戦い方を考案したって訳か……デザインもそうだけど、一見して同じ作品に出てるやつだとは思えないよね。凄いよ」
夜長「……ねー、終一。ちょっといいかな~?」
最原「え……? どうしたの、アンジーさん?」
夜長「アギトが面白そうなのは分かったけど~、どうしてアンジーにアギトを勧めたのかがわかんないだよね~! どうしてなのかな~?」
最原「それはね……アギトの敵が、神様だからだよ」
夜長「!?」
最原「アギトたちと戦う敵、アンノウンは神様の使いと言う設定なんだ。アンノウンたちはアギト……神様に近しい能力を得た、神様を脅かす能力を持つ人間たちを殺す為に活動しているんだよ」
夜長「ん~……アンジーの信じる神様とは別物だね~。アンジーの神様は~、そんな事しないと思うよ~!」
最原「アンノウンたちは神様に近づこうとする人間を殺す。でも、只の人間たちを殺すことはしない。神様は基本的には人を愛しているから、神様の意向通りに只の人間を殺めたりはしないんだ。その不可思議な行動も、アンノウンたちの人ならざる物としてのイメージを強めていると思うよ」
夜長「ふ~ん……なるほどね~! 終一は、アンジーにアンジーの神様のすばらしさを再確認させてくれようとしたんだね~!」
最原「正確には、神様が出ると思えばアンジーさんも興味を持ってくれるかな~、と思ってさ。少しズルい方法かもしれないけど……」
夜長「ううん、終一がアンジーのことを考えてくれたってだけで十分だよ~! それじゃあ、アギトを一緒に観て行くのだ~!」
最原「うん! って、あれ……?」
夜長「んふふ~……♡」
百田「……なあ、アンジーの奴、終一との距離が近くないか?」
春川「近いね、引っ付いてるって言うのが正しい位だ」
茶柱「これだから油断出来ないんですよ……!」
最原「あ、アンジーさん、ちょっと近いと思うんだけど……?」
夜長「にゃはは~! ラッキーだね~! それじゃあ、アンジーに色々教えてね~! 頑張れ~! 終一~!」
アンジーさんがアギトに嵌りました! アンジーさんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
夜長「ねーねー終一! アギトの他にも面白いライダーってあるの~? 教えて欲しいな~!」
最原「う、うん。色々あるけど、どれに嵌ってくれるかなぁ……?」
夜長「終一が教えてくれるなら何でも良いよ~! 二人で楽しく観ようよ~!」
赤松「………!」イライラ…!
夜長「……ふふふ」クスクス…!
赤松「っ!!?」イラッ!
最原「な、なんか怖い……! 何だろう、この空気……?」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さ、さあ、気を取り直して皆に会いに行こう!」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――赤松の研究教室
最原「あ、赤松さん! ちょっと良いかな!?」
赤松「最原くん! ……もしかして、仮面ライダーについての話?」
最原「うん! 皆も一緒に観てくれる様になったし、赤松さんも楽しんで貰えるんじゃないかと思って……」
赤松「……案外私を誘うのが遅かったね。他の女の子はあっさり誘ってるのに……」
最原「えっ!? あ、ご、ご、ごめんっ!!!」
赤松「ふふふ……! 冗談だよ! 一回断っちゃったし、しょうがないよね! でも、待った分面白い作品を教えて欲しいな!」
最原「う、うんっ! 赤松さんにどの仮面ライダーを紹介するかは、もう決めてたんだ!」
最原(……そう、一番最初に決めてたんだ。赤松さんにどの作品を紹介するか迷ったけど、彼女の好きな音楽のことを考えるとこの作品が一番だよね)
最原(主演キャストたちが歌う沢山の楽曲とライダー作品では唯一の恋愛に重点を置いた作品。きっと、赤松さんだって満足してくれるはずだ!)
赤松さんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーキバ】
赤松「えっと、これが私におススメする仮面ライダー?」
最原「うん! 平成ライダー第9作品目、仮面ライダーキバ! 音楽と親子の絆、そして恋愛物語を主軸に置いた実質的な平成一期最後の作品さ。きっと赤松さんも気に入ってくれると思うよ!」
赤松「そっか……なら、早速見せて貰おうかな?」
最原「OK! それじゃあ、AVルームに行こう!」
―――AVルーム
百田「やっと来たか、赤松! 終一も大分待ってたんだぜ!」
赤松「あはははは……! 赤松楓、今日よりこの集まりに参加させて貰いますっ! ……なんてね!」
夜長「ちぇ~……もう少し終一を独り占めできると思ったのにな~……!」
春川「それで? 赤松にはどの作品を紹介するの?」
最原「えっと、この仮面ライダーキバを紹介するつもりだよ。色々と斬新な設定が組み入れられていて、ストーリーの絡みが複雑な分それが紐解かれて行く爽快感は一見の価値があるね」
夢野「キバ……見た感じ、ヴァンパイアみたいな恰好じゃのう」
真宮寺「吸血鬼と……ジャック・オ・ランタンもそうなのかな? ポップさと恐ろしさを併せ持つデザインになっているネ」
最原「夢野さんと真宮寺くんの言った通りだよ。キバのモチーフはその二種類で、モンスター感を表現するものになっているんだ。キバの敵もファンガイアと言う人の生命力【ライフエナジー】を吸い取る化け物が相手で、これも吸血鬼がモチーフだってことがすぐに分かるね」
茶柱「と言う事は、キバのお話は暗めの物なんでしょうか?」
最原「そんなことは無いと思うよ。どちらかと言うとキバは軽めのお話になっていると思う。でも、所々にシリアスさとダークさを見せう展開があるのも確かだね」
春川「ふ~ん……じゃあ、いつも通りにストーリーの解説をよろしく」
最原「うんとね……このキバは、非常に珍しいお話なんだ。現代と過去、二つの時代で起きた出来事を交互に見せて、過去に起きたことが現代にも関係していることを示しつつお話が進んで行くんだよね」
赤松「今と昔のお話って、それって結構難しいんじゃない?」
最原「子供が理解するのは難しいと思うよ。色々な理由があるけど、キバは大人が見た方が楽しめる作品だと僕は思うな」
百田「えっと、一応確認するけどよ、キバの主人公は現代の方の登場人物で良いんだよな?」
最原「うん! ……キバの主人公である『紅渡』は、酷い人見知りで内気な青年なんだ。顔を隠し、人との接触を避けながら亡き父が作り上げた最高のヴァイオリン【ブラッティ・ローズ】を超える作品を作り上げようとしているヴァイオリン職人なんだけど、その性格が災いして色々なトラブルを引き起こしちゃうんだよね……」
赤松「……ん? んん?」
最原「渡は相棒であり変身アイテムである【キバットバット三世】と共に生活していて、ファンガイアの出現を知ると本能に突き動かされる様に現場に向かうんだ。戦闘する時のアクロバティックさや積極性からは普段の彼の様子は微塵も感じられないから、ほぼほぼ別人と思えちゃうんだよね」
夜長「なんかアギトみたいな感じなんだね~」
最原「キバの変身プロセスは相当カッコいいよ! キバットに手を噛ませると顔にステンドグラスの模様の様な紋章が出現。同時に腰にドライバーが出て来るんだけど、その出て来る演出もカッコいいんだ! 是非とも変身シーンを見て欲しいな! とっても重厚で格好良いから!」
キーボ「そうなんですか……後で確認してみます!」
最原「ライダーキックの演出も格好いいし、キバはそう言った演出にこだわった作品だと言えるね。サブライダーであるイクサの必殺技も凄く作りこまれていて、素晴らしい出来上がりになっているよ!」
春川「それじゃあ、今度は過去の方の主人公を教えてくれない?」
最原「わかったよ。……渡たちが活躍する現代から22年前の過去編、その物語の主人公は渡の父である『紅音也』……えらーい人さ! 性格は……渡とは対照的で自信家の女好き、大胆不敵な天才ヴァイオリニストさ」
茶柱「むむむむむ……なんだか転子が嫌いな男死の気配が……!」
最原「あはは……確かに音也を初めて見た時はただの軽薄で軟派な男に見えるけど……彼は、凄い人間だってことがお話を見て行けば分かると思うよ。過去に何があったのか? その結果、現代にどんな影響を及ぼしたのか? それを実際に見れるのもキバの面白い所だと思うね」
百田「なよなよした男とチャラ男が主人公か……確かにまあ、異質っちゃ異質だな……」
最原「キバには他にも特徴があるよ。渡役を演じた瀬戸康史さんをボーカルに据えたスペシャルユニット『TETRA-FANG』をはじめとする主要キャスト陣が歌うキャラクターソングの数は、合計すると20曲は下らないとはずだよ。これがたった一年の間に作り上げられたんだから凄いよね」
春川「音楽をメインテーマに置いた作品だからこその展開ってことなんだね」
最原「うん……でも、キバの一番の特徴は特撮作品でありながら恋愛物語にも力を入れたストーリーかな。過去と現代で数々の人物たちが恋をし、愛を育み、関係性を変化させていく……戦いの中で繰り広げられるラブストーリーは、キバの物語を盛り上げるのに一役も二役も買っているはずさ!」
夢野「ら、らぶすとーりー……!? 大人な雰囲気がするの……!」
最原「そう言った面でもキバは大人向けのお話だって言えるかな? 子供には少し難しいかもしれないね」
夢野「んあ~! ウチは大人のレディじゃから問題なく見れるぞい! ばっちり見てやるわい!」プンスコ…
百田「……とまあ、キバはこんな感じの話らしいぜ! どうだ赤松、気に入ったか?」
赤松「ふふふ……! うん! 面白そうだと思うし、仮面ライダーのことを熱く語る最原くんも見ていて面白かったよ!」
最原「か、からかわないでよ、赤松さん……!」
赤松「それにさ、渡くんって最原くんにそっくりだよね! 人を避ける為に顔を隠すところとか、性格とかそっくりだよ!」
最原「え、ええっ?」
百田「確かにな! ……それだったら、過去編のヒロインはハルマキそっくりだな! 気の強い所とかそっくりだぜ!」
春川「はあ? 殺されたいの?」
百田「照れんなよ! 良いじゃねえか、ヒーローとヒロインに似てるって言われてんだからさ!」
最原「あ、あははははは……でも、僕は渡みたいにはなりたくは無いかな……」
夢野「んあ? なんでじゃ?」
茶柱「その気持ちわかりますよ! なよなよしてると言われるより、やっぱり男らしくなりたいものですよね! そういう時はネオ合気道です! 今日から特訓を開始しましょう!」
最原「そ、そういう訳じゃ無いんだけど……ははは……」
赤松「???」
最原(……言えないよなぁ。渡もゆりも【好きな人と死に別れる】だなんて……。特に渡は、自分の手で初恋の人を殺しちゃったと思い込んで酷く落ち込むし……)
最原(でもまあ、結局は創作物のお話だし、そこまで似る訳ないよね。僕も春川さんもそんな目に遭う訳が無いし、ただの気にしすぎ……だよね?)
赤松さんがキバに嵌りました! 赤松さんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
赤松「でさー! あのシーンがさ! それでね!」
最原「うん! 他にも沢山面白い所があってね……!」
東条「……ふふっ! なんだかあの二人、楽しそうね」
星「良い事じゃねえか。何時くっつくのか歯がゆかった二人だ、このまま一気に行くところまで行ってくれりゃあ良いさ」
東条「……この場合、キューピットは仮面ライダーと言う事になるのかしら? 不思議な話ね……」
星「……まあ、良いんじゃねえか? にしても、人生何がどう働くかわからねえもんだな……」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「よ~し、この調子で頑張るぞ!」
今日は誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
もっと奥深く説明したいところなんだけど、難しいんだよネ。あまりに深く書きすぎるとネタバレになっちゃうし……
まあ、本編が終わった後でオマケコーナーみたいなものを作ってみるヨ。そこで語り切れなかった部分を紹介させて貰うネ。
―――東条の研究教室
最原「東条さん、ちょっと良いかな?」
東条「ああ、最原くんじゃないの。私に何か依頼かしら?」
最原「いや、ただ皆と一緒に仮面ライダーを観ようって誘いに来たんだけど……駄目かな?」
東条「……いえ、駄目では無いわよ。AVルームに集まる人たちも増えて、そろそろお世話が必要だと思ってた頃だし……良い機会だからご一緒させて貰うわ」
最原「本当!? うわぁ、嬉しいなぁ!」
東条「皆のTV鑑賞をより快適なものにすることを約束するわ。飲み物や簡単な食事も用意した方が良さそうね」
最原「あ、い、いや! そう言うんじゃなくって、東条さんにも一緒に仮面ライダーを楽しんで欲しいんだけど……」
東条「……その気持ちも分かるのだけれど、どうしてもそうしちゃうのよね。滅私奉公、それが私の生き方だもの」
最原「う~ん……」
最原(滅私奉公、かぁ……それって、言い換えれば自己犠牲の精神ってことだよね? なんだか東条さんを見てるとあの主人公を思い出すんだよなぁ……)
最原(最終回において最大の自己犠牲を見せて世界を救ったあの主人公。番組の前半では色々と言われてたけど、全部ひっくるめて僕はこの作品が好きだ。この作品なら、東条さんの頑なな心を溶かせるかもしれないぞ!)
東条さんにぴったりな仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダー剣】
東条「あら、これは……?」
最原「平成ライダーの第5作品、仮面ライダー剣! 剣と書いてブレイドと読むよ! トランプのスートをモチーフにしたライダーと不死身の怪物【アンデット】との戦いを描いた物語なんだ!」
東条「へえ、そうなの。それで、今日はその作品を観るのかしら?」
最原「うん! ……東条さん、僕たちと一緒に剣を観てくれないかな? メイドとしてじゃ無く、友達としてさ……」
東条「……そう言う依頼だと受け取らせて貰うわ。とにかく、AVルームに行きましょうか」
最原「うん!」
―――AVルーム……
最原「改めて剣のことを紹介すると、本作に出て来る仮面ライダーは基本的に仕事として仮面ライダーをやっているんだ。職業・仮面ライダーってことだね」
赤松「え……? そんなお仕事ありなの?」
最原「主人公である剣崎一真は、人類基盤史研究所ことBOARDと言う機関に所属する新米職員で、様々な生物の始祖と呼ばれる不死身の生命体【アンデット】を倒す仕事をしていたんだ。アンデットは殺すことは出来ないから、ブレイドたちライダーシステムが持つ封印システムでカードの中に封じ込める必要があるんだよね」
春川「殺せないから閉じ込めるってことね」
最原「剣崎は先輩ライダーの橘朔也こと仮面ライダーギャレンと一緒に戦っていたんだけど……ある日、BOARDはアンデットの攻撃で壊滅してしまうんだ。おまけに橘は戦う剣崎を見捨てて失踪を遂げ、剣崎はいきなり孤独な戦いを強いられることになってしまう」
百田「それがこのシーンってことか……っておい! 校長だ! 校長が居るぞ!」
最原「あ、そうそう! 今作で橘朔也役を演じた天野浩成さんは、後にフォーゼで速水公平役を演じているよ。前者では仮面ライダー役を、後者では敵幹部の怪人役を演じた珍しい役者さんなんだ!」
百田「ほへぇ~、そうだったのかぁ……!」
最原「さて、話を剣に戻してっと……アンデットと戦う剣崎は、その最中新たなライダーであるカリスと出会う。カリスの正体は相川始と言う青年であり、どうやら彼はアンデットの様だった。しかし、剣崎は普通のアンデットとは違う様子を見せる彼を封印することはせず、見守る選択をするんだ」
赤松「人間が作った仮面ライダーのシステムとアンデットが生み出したライダーの二つが出て来るってことだね」
最原「うん。ここに4人目のライダー、レンゲルも加わってお話は加速して行くんだけど……やっぱり、剣の特徴と言えばラウズカードを使った多彩な攻撃かな」
夢野「らうずかーどとはなんじゃ? カードなのはわかるがの」
最原「さっき言ったアンデットを封印したカードのことだよ。アンデットを封印したラウズカードには、そのアンデット特有の能力が封じ込められている。ブレイドたちはそれを使ってアンデットたちと戦っていくんだ! 今作では、カードを組み合わせて使うと言う最もカードバトルの醍醐味を表現した戦いを見せてくれているよ」
夢野「カードを組み合わせる……? トランプタワーでも作るのか?」
最原「いや、そうじゃなくって……例えば、仮面ライダーの必殺技としておなじみのキックがあるでしょ? キック力増強のカードを使うだけでも強力だけど、そこに電撃を付与する能力を加えたらもっと強くなると思わない?」
夢野「おお、なるほど! そう言う事か!」
真宮寺「現実のカードゲームで言う、コンボってやつだネ。なるほど、確かにこれは本来のカードゲームに最も近しいと言えるネ」
最原「様々な能力を持つラウズカードをどう組み合わせて使うのか? それを想像するのも楽しいと思うよ! 後はまあ、オンデュル語とかもあるんだけどあまり紹介する意味は無いかなぁ……」
赤松「な、なんか気になるワードが……なんなの、それ?」
最原「……文章で説明するのは難しいから、実際に何かの動画で観てみることをおススメするよ。でも、これはしょうがなかったんだってことを先に言っておくね」
赤松「あ、うん……」
最原(まあ、後々には改善されるし、スーパー戦隊にも近しい人が出て来たから問題は無いでしょ。うん、剣崎のせいじゃない!)
東条「……なるほどね。職業で仮面ライダーをやるって言うのは、ある意味では私に近いわね。私もメイドとしての仕事には責任を持っているわけだし……」
最原「う~ん……そうじゃないと思うよ」
東条「あら……? どういう意味かしら?」
最原「さっきも言った通り、剣崎は仕事場であるBOARDを無くして孤独な戦いを強いられることになる。それでも戦いから逃げ出さなかったのは、義務や使命感を超えた人へと愛があったからなんだ」
東条「人への……愛?」
最原「戦えない全ての人々を、自分を支えてくれる仲間たちを、そして大切な友を……その全てを愛していたからこそ、剣崎は最後まで戦い抜けた。そして、最後にはその愛を最も顕現した選択をすることになる。自己犠牲を厭わない真の愛情が、そこにはあったんだ」
東条「………」
最原「東条さんだって義務感だけで僕たちの面倒を見てくれてる訳じゃあない、でしょ? と言うか、そうであって欲しいんだけど……」
東条「ふふふ……そうね、その通りね……。私はメイドだけど、それ以上に皆のことが好きだからこうして世話を焼いている部分もあるわ。メイドであると同時に、私は皆の友達だものね」
赤松「その通りだよ! いっつも感謝してるけど、この時間だけは一緒にお喋りして仲良くしたいな!」
茶柱「女子同士の親交を深めるのは良い事ですからね! ……あ、男死は結構です!」
夜長「斬美は良くやってるって神様も褒めてたよ~! 少しぐらいはのんびりしちゃってもバチは当たらないのだ~!」
東条「ふふふ……皆、ありがとう。そうね、少しくらいは羽を伸ばさせて貰いましょうか。せめて皆と一緒に仮面ライダーを観てる時くらいはそうしないと、皆も落ち着いて番組をみれないものね?」
百田「……へへっ! 東条の奴、ちょっと雰囲気が柔らかくなったんじゃねえか?」
真宮寺「これも仮面ライダーのお陰……ってことで良いのかな?」
獄原「良いと思うよ! だって、皆の笑顔を守るのが仮面ライダーの使命だもんね!」
最原「うん! 本当に良かった!」
東条さんが剣に嵌りました! 東条さんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
星「……まさか東条までもが嵌るとはな。意外なもんだぜ」
天海「そうっすね……でもまあ、楽しみが出来たってことは良い事なんじゃないっすかね?」
星「まあな」
入間「うぅぅ……いつの間にか俺様の周りには童貞臭い野郎どもしかいない……! 処女臭い女どもも、誰一人としていなくなると寂しいな……ぐすっ」
王馬「あはは! 入間ちゃん、ハブられてやんの~! ぼっちだぼっち~!」
入間「うぅぅ……ぐすっ! なんだよぉ……傷心の俺様を慰めろよぉ……」
皆の仮面ライダーへの興味が上がりました!
最原「さて、今日はどうしようかな?」
今日は誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――星の研究教室
最原「星くん、また誘いに来たんだけど……今度は付き合ってくれるよね?」
星「ふっ……お前も飽きねえなぁ。しょうがねえ、その根気に免じて付き合ってやるか」
最原「本当に!? ありがとう、星くん!」
星「……けどまあ、あんまり乗り気では無いな。犯罪者の俺がヒーロー物の番組を見るなんざなぁ……」
最原「そう? 案外似合うと思うけど?」
星「ははっ、面白い事を言うじゃねえか! じゃあ、一応聞くが……仮面ライダーの中に犯罪者は居るのか? 冤罪とか正義の行いの為に犯した犯罪じゃ無くて、正真正銘の犯罪者だぞ?」
最原「え、居るよ」
星「……何? 本当か? 仮面ライダーって言うのは、正義の味方なんじゃあ無いのか?」
最原「あ、うん……彼は特例と言うか、出て来た作品が特殊と言うか……」
最原(この作品、出て来るライダーにまともな人間がほとんど居ないからなぁ……。でも、間違いなく平成ライダーのその後に貢献したことは間違い無いんだよね)
最原(その内容と設定から子供たちに数々のトラウマを植え付け、PTAからはクレームの嵐を食らった平成最大の問題作……星くんも気に入ってくれると良いんだけどな)
星くんにぴったりな仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダー龍騎】
星「ほぉ……こいつが件の作品か?」
最原「平成ライダー3作品目、仮面ライダー龍騎だよ! 平成一の問題作であり、子供たちにとんでもないトラウマを植え付けた作品だね」
星「ふっ、仮面ライダーの中の問題作か。超高校級の中で一人だけ犯罪者である俺みたいな奴だな」
最原「でも、この作品のお陰で後の仮面ライダーは盛り上がったと言えるんだよね。せっかくだから一緒に観ようよ!」
星「まあ、そのつもりだったから構わないぞ」
最原「よし、早速行こう!」
―――AVルーム 龍騎、視聴開始……
最原「……本当に気を付けてね。龍騎は、慣れない人が見るとトラウマの連続になる作品だから」
赤松「そ、そこまで言うんだ……?」
最原「この作品は他の仮面ライダーとは毛色が違い過ぎるんだよ。なにせ、仮面ライダー版バトルロワイアルとまで言われてる作品だから」
真宮寺「バトルロワイアルって、あの殺し合いの作品のことかい? 映画にもなった話題の……」
最原「うん、そうだよ。なんとこの龍騎は、仮面ライダー同士の殺し合いを描いた作品なんだ」
夢野「んあっ!? ヒーロー同士が殺し合うじゃと!?」
最原「仮面ライダー龍騎……この作品の仮面ライダーはそれぞれカードデッキと言うアイテムを手に入れた人間たちで、全員が何らかの願いを持っているんだ。昏睡状態の恋人を目覚めさせたいとか、不治の病を克服したいとかね」
春川「もしかして、戦いに勝ったライダーはその願いが叶うって事?」
最原「正解! 鏡の中の世界【ミラーワールド】に住まうミラーモンスターたちと契約したライダーたちは、最後の生き残りをかけて戦っていく。龍騎は、そんな過激な内容で物議を呼んだ作品なんだ」
星「そんな我欲に塗れた連中がヒーローになるたぁな……そりゃあ、今までの仮面ライダーのファンからしちゃあ複雑な気分だろうよ」
原「一応、主人公である『城戸真司』は戦いを止める為にライダーバトルに参加して、人を捕食するミラーモンスターから人間を守ろうとする様な人間なんだけどね。でも、その他の登場人物が凄いんだよ……」
夢野「んあ~、そんな奴の一人と蓮が戦っておるぞい。カニみたいな奴じゃ」
最原「仮面ライダーシザース、須藤雅史だね。龍騎における仮面ライダーの方向性をはっきりと示してくれた登場人物だよ」
赤松「最原くんの話を聞いてたから見逃しちゃったんだけど、この人ってどういう人物なの?」
最原「一言で言うと『汚職警官』だね。警察官として働く傍ら、仮面ライダーの力を使って自分の悪事を抹消していた人。段々とライダーの力に溺れ始めて、罪も無い人を襲って自分の契約モンスターである『ボルキャンサー』に食べさせてはその力を強くしてたんだ」
茶柱「な、なんと酷い男死でしょう! 外道の極みです!」
最原「そんな彼と戦うのはこの龍騎のもう一人の主人公である秋山蓮こと仮面ライダーナイトさ。龍騎たち全員に言えることだけど、騎士の甲冑みたいなモデルとぴったりマッチングしてるカッコイイライダーで今も人気が高いんだよね」
夢野「変身する人もイケメンじゃしのぉ! いけー、やれー、ナイトー! 必殺技の撃ち合いじゃー!」
最原「あ~……夢野さん、ちょっとこっちに来てもらって良い?」
夢野「んあ? なんじゃ?」
最原「ごめんね~……」ダキッ&ミミフサギー
女子「!?!?!?」
茶柱「さ、最原さん!? 一体何やって……」
最原「………」チョイチョイ
赤松「え……?」
TV『け、契約が!? 馬鹿なっ!? 私は、絶対生き延びて……』
―――ボリボリグチャグチャ、グチュッ……
TV『あ、あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ……』
星「……酷いな」
百田「ああ、なるほどな……」
春川「……これ、本当に朝の8時にやったの?」
夢野「んあ~! 急になんじゃ!? ウチが魅力的なれでぃなのは知っておるが、マナーがなっておらんぞい!」
最原「ああ、うん、ごめん」
夢野「さて、どうやらナイトが勝ったようじゃし、巻き戻して詳しい内容を見るとするか!」
茶柱「いえいえ! そんな必要は無いですよ! ええ、巻き戻さなくて結構です!」
夢野「んあ~……?」
赤松「えっと……今のシーンで龍騎がどんな作品なのかは大体わかったよ」
最原「これまでの仮面ライダーとは大きく違うデザイン、ライダー同士の殺し合いと言うシナリオ、カードを使った新機軸の戦い、悪の仮面ライダーの登場と、今までの仮面ライダーの概念をぶっ壊した龍騎のお陰でここから先の仮面ライダーは作り方が自由になったんだ。平成ライダーにおいて最も貢献した作品だと僕は思うよ」
百田「確かに、これを許したんなら何でも行ける気がするわなぁ……」
キーボ「車に乗るとか携帯電話で変身だとか、そう言うレベルじゃあ無いですもんね」
最原「見る時には覚悟が必要だけど、決してそこまで重い物でも無い。龍騎は非常にバランスが取れた作品なんだ。クウガが平成ライダーの復活を示し、アギトがその基礎を作った。そして龍騎が後に続く自由さを作ったからこそ、平成ライダーは数多の作品を生み出してこれた。見て損はさせない作品だと思うよ」
夜長「出るライダーも13人も居るんだね~! すっごく多いんだね~!」
最原「劇場版限定とは言え初の女性ライダーを登場させたのも龍騎だし、『仮面ライダー』とはっきり名前を付けた悪のライダーを登場させたのも龍騎が初めてだと思うよ。本当に龍騎は凄い作品なんだ。海を越え、アメリカでリメイクされるほどにね」
真宮寺「過激さだけじゃない、人間の望みをかけた命がけのバトル……そこで垣間見える人間ドラマもまた、龍騎の魅力なんだろうネ」
星「仮面ライダーってのは正義と悪がドンパチやってるだけのイメージだったが、そうでも無いみたいだな。こりゃあ、俺も認識を改めるか」
百田「よっしゃあ! 今日は全員で龍騎を観尽くすぞ~!」
最原「うん! ……ねえ、星くん」
星「あ?」
最原「皆と一緒に何かをするのって、結構楽しいでしょ?」
星「ふっ……まあな」
星くんが龍騎に嵌りました! 星くんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
王馬「あはははは!」
天海「えっと……」
入間「う、うぅ……残り三人だと? この俺様が、ボッチに着実に近づいているだと……!? どうなってんだよぉ、俺様を誘いに来いよ、最原ぁ……」
天海「いや、俺と入間さんは一回断ってますし、そのせいで来るのが遅れてるんじゃないっすかね?」
王馬「あはははは! 最原ちゃんの申し出を断ったゲロブタビッチにもう一度手が差し伸べられる訳ないじゃん!」
入間「ひぃぃぃっ……! な、なんだよぉ、そんなこと言ったら、お前は誘われても無いだろぉ? お、お前の方が救いがないじゃないかよぉ……!」
王馬「え……? ひ、酷いや、入間ちゃん……! 人が気にしていることを言うなって、酷いよぉぉぉっ!!!」
入間「えっ!?」
王馬「呪われろ! ボッチになれ! 入間ちゃんなんて、膝を抱えて研究室でふて寝してれば良いんだっ! うえぇぇぇぇんっ!!!」
入間「そ、そう言うのやめろよぉ……! な、泣くぞ? 私もないちゃうからなっ! うえぇぇぇぇんっ!!!」
天海「……誰か助けて下さいっす」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、誰を誘おうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――入間の研究教室
入間「遅ぇよぉ~! もう二度とこないかと思って心配しちゃったじゃんかよ~っ!」
最原「あ、そうなの? 僕としてはハブっちゃっても良いかな~、って思ってたんだけど……」
入間「ひぃぃぃっ! じょ、冗談だよな? この美人過ぎる天才発明家の入間美兎様を除け者になんかしないよな?」
最原「え~……」ジーッ…
入間「え……? 割とマジ? さ、最原ぁ、この間のことは謝るからさぁ……! おっぱい触っても良いから、許してよ。ね?」
最原「あはは! 別に怒ってないから構わないよ! さて、入間さんに紹介する作品はと……」
入間「ひゃっはーっ! この天才であるこの俺様に紹介するんだ、相当面白くなきゃ欠伸して眠っちまうぜ! ぎゃーっはっは!」
最原「………」ジーッ…
入間「ひぅぅ……冗談だよぉ……。おっぱい好きなだけ揉んで良いから許してぇ……!」
最原(……まあ、入間さんを虐めるのはこの辺にしておいて……さっきからずっと入間さんの口にしてるフレーズが気になるんだよなぁ)
最原(新しい方……と言うより一番新しいけど、この作品を紹介するのが最もメジャーな道なのかもしれないぞ!)
入間さんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダービルド】
入間「あ、これ見たことあるぞ! 確か最初に俺様たちがAVルームに行った時にお前たちが見てた奴だよな?」
最原「平成ライダー19作品目にして、現在絶賛放送中の作品である仮面ライダービルドだよ! 主人公が天才物理学者だから、どこか入間さんに似てるな~と思ってさ!」
入間「ああん? この俺様以上に天才な奴が居る訳ねえだろ! しかも、それに加えて俺様は美人過ぎるわけだしなぁ!」
最原「まあ、とにかくAVルームに行こうよ。そこで皆と一緒に作品を観よう」
入間「しょうがねえ! 愚民どもに付き合ってやるか!」
最原「……いやなら来なくても良いけど?」
入間「行きます! 行かせて下さい!」
―――AVルーム……
最原「と言う訳で、現在放送中の仮面ライダービルドについての説明を始めるよ。今から番組を見る際の参考にしてね」
百田「見た目としては普通に格好良いな、赤と青の半々ボディか」
最原「その理由については後で詳しく説明するとして、まずは舞台設定から教えるね」
最原「……火星からもたらされたパンドラボックスと呼ばれる物体が引き起こした事件。それは、日本に『スカイウォール』と呼ばれる巨大な壁を出現させてしまう物だった。その結果、日本は『東都』『西都』『北都』よ飛ばれる三つの国に分断されてしまったんだ」
春川「あれ? 平成二期は基本的に同じ世界観に混在しているんじゃなかったっけ? それじゃあ設定が合わないね」
最原「うん、ビルドだけは別世界のお話になってるみたい。次の映画の予告を見るにそんな感じらしいね」
春川「ふ~ん……ちょっと残念だな」
最原「話を戻そう。そうやって三つに分かれた日本の東都では、謎の怪物『スマッシュ』による被害報告が相次いでいた。正体不明のスマッシュたちと戦う戦士こそ、主人公『桐生戦兎』が変身する仮面ライダービルドさ!」
入間「おお、名前に兎の文字が入っていやがるじゃねえか! 肩書と言い、やっぱり俺様の影響が出てるんだろうな!」
最原「戦兎は記憶喪失の青年で、自分の過去を追っていた。そんな時、脱獄犯である万丈龍牙が自分の記憶の鍵を握っていることを知るんだ。龍牙の無実を証明し、自分の過去の謎を解き明かす為にスカイウォールを越え、情報を集めて行くんだけど……その中で戦兎は裏に蠢く陰謀に直面する、って訳さ」
夢野「そ、壮大なストーリーじゃのう。日本全土を舞台にしておるなんて……」
最原「平成二期はあんまり広い範囲を物語の舞台にすることは無かったからね。学園一つとか、大きくて町一つだった今までの作品と比べると規模が大きいと言えるよ」
星「ストーリーについて最原に聞くのは野暮ってもんだな。なにせまだ放送中の作品だ、知りたいのならその目で確かめた方が良い」
最原「そうだね! それじゃあ、ストーリーとは別のアクション面について語らせて貰うよ! ビルドが半分このボディをしている事には皆気が付いているよね? これは、二つの『フルボトル』と呼ばれるアイテムを使って変身しているからなんだ!」
百田「フルボトル……? それが今回の変身アイテムか?」
最原「うん! フルボトルには色んな生物や物質、現象の情報が詰まっていて、それをビルドドライバーに差し込むことでその力が使えるんだ! そして、その中でも相性の良い組み合わせは『ベストマッチ』と呼ばれ、凄い力が出せるんだよ!」
赤松「じゃあ、この赤と青の姿もベストマッチなの?」
最原「そうだよ。兎と戦車の力を併せ持つビルドの基本形態『ラビットタンクフォーム』……跳躍力と頑健さを併せ持つ姿なんだ!」
キーボ「他にはどんなベストマッチがあるんですか!?」
最原「ゴリラの怪力とダイアモンドの硬さを融合させた『ゴリラモンド』や、飛行しながら銃弾を連射する『ホークガトリング』なんかの姿があるね。どんなフルボトル同士がベストマッチするのかを考えるのもビルドの楽しい所だと思うな」
赤松「へえ、面白そうだね!」
最原「フルボトルを入手し、その組み合わせを確かめながら戦うビルドの戦いは、正に実験そのもの! ベストマッチを見つけ出した戦兎が作り出す発明品の数々も面白くて格好いいものばかりだよ! 多種多様な組み合わせを見せるフルボトルの組み合わせによる戦闘も楽しんで欲しいな!」
百田「なにより、今放送中ってのが良いな! 皆同じわくわく感を持って作品を観られる!」
最原「そうだね……既に放送された作品だと、僕は内容を知っちゃってるからみんなと同じ気持ちでは見られないからね。だから、わくわくしながら見られるビルドは現在放送中って言う他のライダーには無い強みを持っているよね」
春川「初心者にも勧めやすいし、勧められた側も観易い。やっぱり、現在放送中って強いね」
最原「取り合えず、今までのお話は全部録画してあるから観てみようか? きっと楽しいよ!」
入間「へっ! しょうがねえなぁ……俺様も一緒に観てやるか!」
最原「いや、だから別に一緒に観なくても良いんだよ?」
入間「ふえぇ……そんな事言うなよぉ……! ツンデレ的な反応を見せただけじゃないかよぉ……」
入間さんがビルドに嵌りました! 入間さんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
天海「………」
王馬「……ねえ、天海ちゃん」
天海「……なんすか?」
王馬「どっちが先に呼ばれるんだろうね? ドッキドキじゃない!?」
天海「ええ、まぁ……」
王馬「最後の一人は嫌だもんね! にしし!」
天海「……はぁ~」
皆の仮面ライダーに対する興味が上がりました!
最原「さて、どっちに会いに行こうかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――天海の研究教室
最原「天海くん! ちょっと良いかな?」
天海「ああ、最原くん……良かったぁ……!」
最原「え? どうしたの?」
天海「あ、いえ、こっちの話です。それで、また俺を仮面ライダーの視聴に誘いに来たんすよね?」
最原「そうだけど……まだ気持ちは変わらない?」
天海「……皆AVルームに行っちゃって、寂しくなってた所なんすよ。だから、そのお誘いには乗らせて貰います」
最原「良かった! ……それでなんだけど、天海くん的にはどんな作品が見たいとかのリクエストはある?」
天海「いえ、特には無いっすね。最原くんに勧められたものを観ようかと……」
最原「う~ん……天海くんは掴みどころが無いから難しいんだよなぁ……」
天海「あはは……すいません、なんか困らせちゃってるみたいで……無欲に教えてもらったのを観るんで、あまり悩まなくっても良いっすよ?」
最原「!!!」
最原(無欲……それだ! 実際、あの作品は結構初心者向けだし、内容としても申し分ないぞ!)
最原(主人公の雰囲気もどこか天海くんに似てるし……きっと、気に入ってくれるはずだ!)
天海くんにぴったりの仮面ライダーは何? この下の回答で決定
やあ、どうも。いつも安価に協力してくれてありがとうネ。今回はちょっとした小咄をしに来たヨ。
誰かが質問していたけど、平成二期の仮面ライダーって言うのは最新作のビルドを除いて同じ世界観の物語なんだ。これは、10作品目のディケイドとWから始まった『MOVIE大戦』のせいだろうネ。
この現行ライダーと一つ前の仮面ライダーが共演する冬の醍醐味となった劇場版作品のお陰で、平成二期の仮面ライダーは同一世界観の中の出来事として描かれることになったんだ。ああ、ディケイドに関しては元々が色んなパラレルワールドを巡る物語だから、お話の統合が取れているんだヨ。
ただ、フォーゼの時点で昭和ライダーを含める仮面ライダーたちが活躍していたと言う都市伝説が出回っていることを考えると、平成一期ももしかしたら同一の世界観なのかもしれないネ。実際、アギトの世界は『クウガの出来事の様な事があった世界』として認識されているヨ。(劇中で未確認生命体=グロンギの名称が出ている。ただし、クウガ本編での出来事と統制が取れていないので直接の繋がりは無さそう)
さて、今回の安価についてなんだけど……昭和ライダーの名前を書いてはいけないと注意してなかった僕のミスサ。故に、有効と判断させて貰うヨ。
ただし、これ以降は平成ライダーの名前を答えて貰いたい所だネ。そこのところをよろしく頼むヨ。
では、この後もどうぞ楽しんで行ってネ……!
最原(違う、もっと相応しい答えがあるはずだ!)
天海「……やっぱ難しいっすかね? なら、また今度教えてくれれば良いっすよ。次に会うまでに良い作品を考えておいてくださいね」
最原「あ……ごめん、天海くん……」
天海「いえ、じゃあ俺はこれで……」スタスタ…
最原「はあ、失敗しちゃったなぁ……」
―――AVルーム
最原「でも僕は挫けないぞ! なにせこんなに仲間が居るんだもんね!」
赤松「ふふふ……! 最原くん、強くなったね!」
夜長「これも仮面ライダーとアンジーたちのお陰だね~!」
春川「それで? 今日はどうすつもり? また映画でも観る?」
最原「いや、この機会に見せたい作品があってさ。それを紹介しようかな~って」
百田「おっ、なんだなんだ!?」
最原「仮面ライダーは基本的にニチアサヒーロータイムに放送されてたものだけど、他にも映画限定のものやTVSP限定、更にはネット配信限定の物も存在しているんだ。今回紹介するのは、その中の一つだね」
キーボ「へぇ~……仮面ライダーにも色々あるんですねぇ」
夢野「面白そうじゃのう! それで、その作品はなんて名前なんじゃ?」
最原「ええっとねぇ……」
最原(……今回紹介するのはネット動画で配信された作品だ。その名前と同じ配信サービスでビデオ配信されたんだよな)
最原(ハードかつバイオレンスな作風と描写が多い大人向けのこの作品は、きっと僕たちが見ても楽しめる。目にする機会の少ない作品だから、これを機にもっとみんなに知って欲しいな)
最原くんが紹介しようとしている作品は何? この下の回答で決定(この問題は正解が出るまで続きます)
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーアマゾンズ】
百田「赤と緑の……二人のライダー? こいつが終一が紹介してくれる奴なのか?」
春川「アマゾンズ……複数形ってことは、この二人が主人公ってことで良いの?」
最原「ネット動画サービスのアマゾンプライムで二期にわたって放送された動画作品、仮面ライダーアマゾンズ。昭和ライダーでも異色の作品と言われている仮面ライダーアマゾンをリブートした、大人向けの仮面ライダーだよ」
夢野「アマゾンズをアマゾンで放送するとは洒落が利いてるのぉ!」
最原「全体的にグロテスクかつバイオレンスな描写が多い作品で、人食や四肢欠損なんかのゴアな表現が多いんだ。これは、動画サービスサイトを視聴するのが主に高校生や大人と言ったテレビ作品を観る子供たちよりも高い年齢層であることも一因しているね」
真宮寺「動画サービスサイトだからこその作品ってことだネ」
最原「一期はゴア表現を抑えてテレビ放送されたけど、二期は絶対に無理だね。うん、絶対に無理」
赤松「言い切れちゃうレベルなんだ……」
最原「今回はテレビ放送された物を観ながら解説して行くよ。それじゃ、始めよう!」
―――アマゾンズ視聴開始……
春川「最原、ストーリーの解説をよろしく」
最原「はーい。……この世界にある野座間製薬と言う大手の会社は、秘密裏に『アマゾン』と呼ばれる人工生命体の研究を行っていたんだけど、不慮の事故によって4000体ものアマゾンが逃げ出しちゃうんだ」
入間「4000!? そ、そりゃあ、スゲー数だな……!」
最原「アマゾンたちは、人間を食べる食人本能を有している。普段は腕に取り付けられたバングルに注入されている薬液でそれを抑えているんだけど、薬がバングルから無くなるとそれを止める術はないから……」
茶柱「人間を襲って食べ始める、と言うことですね?」
キーボ「ひぃぃ……! なんて恐ろしいんでしょう、ロボットである僕は平気ですけどね!」
最原「当然、そんな事実が明るみに出るのは困るから、野座間製薬は系列会社であるノザマペストンサービスと言う害虫駆除会社に駆除班と呼ばれるアマゾン狩りの特殊部隊を設置した。様々な事情を持つ部隊の隊員は莫大な報酬と引き換えにアマゾン狩りを引き受けているって訳さ」
百田「じゃあ、主人公はその駆除班の人間なのか?」
最原「いや、違うよ。物語の始まりはアマゾンたちが脱走してから2年後から始まるんだ。じゃあ、ここからは主人公たちの話をしようか」
夢野「うむ! まずはこっちの緑色のから教えてくれい!」
最原「そっちは仮面ライダーアマゾンオメガ、主に物語の中心を担う青年『水沢悠』が変身する【養殖のアマゾン】さ」
赤松「養殖のアマゾン……?」
最原「ネタバレになっちゃうけど、悠はアマゾンの体組織を形成している【アマゾン細胞】に人間の細胞を移植して生まれた実験体なんだ。経過観察の為に生まれてからずっと世間から隔離された部屋の中で幽閉されていて、他のアマゾンたち同様に食人本能を抑える薬を毎日注射されているんだよ」
真宮寺「なるほど、確かに養殖のアマゾンだネ。人間に近しいけど、実際はアマゾンとほぼ変わらない生き物ってことかな」
最原「日課である注射をサボってしまった悠は、抑えつけられない本能に従って自身の部屋を飛び出してしまう。その後、悠が辿り着いた場所では駆除班が見守る中でアマゾンと戦う一人の戦士が居た」
夢野「それがこっちの赤い奴じゃな!」
最原「正解だよ! 仮面ライダーアマゾンオメガ、元野座間製薬会社研究員の鷹山仁が変身する【野生のアマゾン】さ」
最原「正解だよ! 仮面ライダーアマゾンアルファ、元野座間製薬会社研究員の鷹山仁が変身する【野生のアマゾン】さ」
赤松「や、野生……? なんかワイルドそう……」
最原「仁に関してはその性格故にそう呼ばれているんだ。豪放磊落を絵にかいたような人物で、基本的には自分が殺した生物以外は食べないって言う生活をしているんだよね」
春川「基本的に?」
最原「食べなきゃ死んじゃう場合は別。捕まった時に出された食事は食べる人」
春川「……生き延びる為なら何でもしそうな人間だね」
最原「仁は、人間でありながら自分の体にアマゾン細胞を移植して後天的にアマゾンになった存在なんだ。性格からもそうなんだけど、悠とは真逆の存在と言えるね」
百田「この二人は協力するのか? それとも……」
最原「……二人は共闘することもあるけど、その思想は大きく違っているんだ。心優しい悠は人を襲わないアマゾンは倒したくないし、逆に人に危害を加える悪人は倒してしまいたいと思っている。でも、仁はその真逆。人間ならばたとえ殺人犯だろうと守る、アマゾンならばたとえ人間の味方だろうと殺す。そんな明確な思想を持っているんだ」
キーボ「これは……どちらが正しいとは明確には出来ませんね。ヒーローとしての考え方に近いのは悠の方ですが……」
春川「仁だって間違ってない。今は人間の味方でも、薬が切れたらアマゾンは人を襲う様になる。だったら今の内に倒した方が良いもんね」
最原「そう言った思想の違いからぶつかる両者は、戦いの中で自分たちの進む道を決めて未来へと突き進んで行く……最終的に未覚醒のアマゾンたちを守る選択をした悠は生き残りのアマゾンたちを連れてどこかへ消え、仁もまた恋人の七羽と共にどこかへ行ってしまう……大分はしょったけど、これがシーズン1のストーリーだね」
百田「細かい部分はこれから観るからな! あんまりネタバレしてもよくねえから丁度良いぜ!」
春川「基本的にグロテスクかつゴア表現が多く、子供が観るのには向いてないってことで良いの?」
最原「そうだね。でも、僕たち位の年齢なら問題は無いかな? 特に一期に関しては、テレビ版ならなんの問題もいらないと思うよ」
入間「うぅ……でも、俺様は繊細だからなぁ……。血を見るのは嫌だぜ……」
最原「そう言う人は二期を見るのはやめた方が良いかもね。新しいアマゾン、【仮面ライダーアマゾンネオ】も登場する一期から5年後を舞台に繰り広げられる新たな物語は、非常に表現がグロテスクなんだ」
入間「ま、まじかよ……!? 聞くだけで気分が悪くなって来た……うぇぇ」
最原「とりあえずシーズン1を観て、そこで判断した方が良いと思うよ。まだまだ余裕、って人はシーズン2も問題無いと思うから」
赤松「最原くん、シーズン2に関しては説明しないの?」
最原「そこは興味を持って皆が観ることを期待するよ。ぶっちゃけ、シーズン2に関してはネタバレの宝庫だから、解説が難しいってのもあるんだけどね」
赤松「分かった! それじゃあ、とりあえずシーズン1を観てみようか!」
最原「うん!」
―――そして、翌日……
最原「さて、今日はどうしようかな?」
誰に会いに行きますか? この下の回答で決定
―――天海の研究教室
天海「あ、最原くん! 俺に紹介する仮面ライダーは決まったんすか?」
最原「もちろんだよ! 今度こそ紹介するね!」
最原(……落ち着いて考えるんだ。主人公がどことなく天海くんに似てて、無欲そうな人間である作品。そして、仮面ライダー初心者にも優しい内容のあのライダーを紹介しよう!)
天海くんにぴったりな仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーオーズ】
天海「これが俺に紹介してくれる仮面ライダーっすか?」
最原「うん! 仮面ライダーオーズ……Oが3つでオーズって読むんだ! 平成二期の中でも結構初心者向けの仮面ライダーだと思うよ!」
天海「そうっすか。こうやって教えて貰うとなんだかわくわくしてきますね」
最原「それじゃあ、AVルームに行こう!」
―――AVルーム
最原「早速、オーズの説明をさせて貰うよ。平成ライダー12作品目にして、記念すべき仮面ライダーシリーズ放送1000回を迎えた作品【仮面ライダーオーズ】は、欲望と言うキーワードに焦点を当てて作られた作品なんだ」
天海「欲望……っすか? なんか、ドロドロしてそうっすね」
最原「そんなこと無いよ! オーズのストーリーは主人公の『火野映司』のキャラクター性もあって軽快で爽やかに感じられるし、その中にも昭和ライダーの頃に重視されていた様々なファクターが盛り込まれている正統派なものなんだ!」
赤松「う~ん……でもやっぱり、ストーリーの内容がわからない事には想像がつかないね」
春川「と言う訳で最原、ストーリー解説をよろしく」
最原「OK! ……2010の秋、とある博物館に収蔵されていたオーメダルの封印が解かれ、その中に封印されていた『グリード』と呼ばれる5体の怪人が復活。グリードたちは自分たちが不完全な復活を遂げていることに気が付き、自分たちの体を構成する【メダル】の入手を目論む……」
夢野「んあ? メダル……? メダルで出来ている怪物なのか?」
百田「その辺のことは後で詳しく聞くとしようぜ、今はオーズのストーリーを聞くことに集中すんぞ!」
最原「……主人公である映司は、様々な偶然が重なりあった結果、復活したグリードの一体であるアンクと出会うことになる。腕一本の状態で復活したアンクから変身ベルトである【オーズドライバー】を受け取った映司は、他のグリードが生み出した怪物【ヤミ―】を止める為にオーズに変身して戦うことになるんだ。ここに様々な人間の思惑が絡んで進んで行くのがオーズのストーリーなんだけど……その前に、色々と解説しなきゃならないことがあるね」
キーボ「そうですね……ではまず、メダルについて聞かせていただきましょうか」
最原「わかったよ! 今作の特徴の一つとして、メダルの争奪戦と言うものがあるんだ。これは、オーズの変身やグリードたちの復活にも密接に関わって来るから、詳しく説明させてもらうね」
天海「えっと、それじゃあ質問っす。メダルで構成された化け物って、どう言う事っすか?」
最原「グリードたちの体は、二種類のメダルで構成されているんだ。体の大半の部分を構成する【セルメダル】とグリードたちの力の源にして意思の部分を司る【コアメダル】……オーズたちが奪い合うのは、主に後者だね」
赤松「コアメダルって、この色が付いたメダルで良いのかな? なんだか動物の姿が書かれてるけどこれはなに?」
最原「コアメダルはさっきも言った通りグリードたちの力の源なんだ。グリード一体につき頭、上半身、下半身の三部位のメダルが三枚ずつ用意されていて、合計9枚のコアメダルが集まった時、グリードたちは完全復活するんだよね」
百田「なるほどな……オーズのドライバーに入ってるこれも、コアメダルで良いんだよな?」
真宮寺「と言う事は、敵と同じ力を使って変身するライダーと言う訳だネ」
最原「そうだね。その辺は初代仮面ライダーたちと同じだね。さて、このコアメダルなんだけど、基本的に昆虫系、猫系、重量系、鳥系、水生系の5種類に分けられているんだ。合計45枚のこのメダルを奪い合って、オーズとアンクはグリードたちと戦いを繰り広げて行く訳だね」
茶柱「あれ……ちょっと待ってください! コアメダルは3部位存在して、それが5種類の動物の系統に分かれているってことは、それを使って変身するオーズの変身形態はとんでもない数になるんじゃないですか!?」
最原「鋭いね、茶柱さん! 設定上、オーズの変身形態は100を超える数になるんだよ! これは現在まで続く仮面ライダーシリーズにおいても最多の数なんだ!」
茶柱「ひえぇ……! そこまで多いとどんな能力があるのか覚えきれなそうですね……」
最原「オーズの凄い所は、形態一つ一つの能力をはっきりさせていることさ。鷹の目、虎の爪、バッタの脚力なんかの各パーツごとの能力を明確に設定することで、必要のないメダルが存在しない様にしたんだ」
星「そりゃすげえが、そうなると逆に変身する側からしてみると形態の選択が難しそうだな。どの状況でどんなフォームになれば良いか迷いそうだ」
最原「その問題も解決しているよ! 劇中では、変身者である映司は戦いに集中し、相棒であるアンクが戦いに応じた最適なメダルを判断するブレーン役を担っているんだ。こう言った設定からも、映司とアンクの協力関係を作り上げているんだよね」
星「ほぅ……そう言う風に設定を活かすのか、なかなかやるな」
最原「そしてもう一つのメダルの種類である【セルメダル】は、コアメダルと違って数は多いけど大した力は持ってないんだ。でも、オーズの必殺技を発動する為や様々なサポートメカを使う為に複数枚必要だから、こっちも争奪戦になる。グリードたちとメダルの争奪戦を繰り広げて行く間に映司たちの所持メダルも変わって来るから、前回まで変身出来た姿にもなれなくなってしまうこともあるんだ」
真宮寺「単純な強化で次々と手持ちの戦力が増えて行った過去のライダーとは違って、一回の戦い毎にその場の手札で最適な戦闘方法を考えなきゃいけない……過去に持っていたメダルが有効だと分かっていながらもそれを奪われていた時は、きっと苦しい思いをするんだろうネ」
最原「各メダルにも相性がある。そのことを考えて使うメダルを選択することも重要だから、毎回アンクは頭を悩ませるわけなんだよね……」
夢野「……んあ~、ちょっと良いか?」
最原「ん? どうしたの夢野さん?」
夢野「コアメダルが3枚ずつ、体の3つのパーツがあることは分かった。では、そのパーツ3つで変身したらどうなるんじゃ?」
キーボ「つまり……同じ色のメダル3枚で変身した場合に起きる事柄を知りたいと言うことですか?」
最原「良い質問だね! 同じ系統のメダル3枚で変身した場合、それはコンボとなって特殊な能力が発動出来るフォームになるんだ!」
天海「コンボ……フォームとは違う言い方なんすね」
最原「基本形態であるタトバコンボを除き、基本的には同じ系統のメダル3枚で変身するコンボには凄い能力が秘められている! その力は、是非とも自分の目で確かめて欲しいな!」
夢野「勿体ぶりおって……仕方が無い、観てやるとするか!」
最原「串田アキラさんが歌うコンボソングは必聴さ! 一度聴いたら耳に残り続けちゃうんだよね!」
天海「……オーズが楽しそうだってことはわかりました。改めて最原くんに質問したいんすけど……オーズの一番面白い部分って、どこなんすかね?」
最原「オーズの一番面白い部分、か……」
天海「………」
最原「……アンクと映司の絆、かな」
天海「へえ……そこまで多種多様な形態を持ちながら、戦闘よりもストーリーの方が魅力的だと?」
最原「自己犠牲の精神が強くて他者の為に一生懸命な映司とメダルの為ならどんな犠牲も厭わない利己的なアンク……対照的な二人は、最初はお互いの目的の為に手を組んでいた。でも、お話が進むにつれてその関係性にも変化が訪れる。人間とグリードと言う別々の存在であった二人の間には、いつしか強い絆が生まれていたんだ」
赤松「絆……友情とかじゃなくって、絆なんだね……」
最原「二人の間にあるものは複雑で、それでも切っても切れない強い物。ぶつかり合いと協力を経て輝くそれは、最後の最後で最高に熱い展開を生み出す……最終回の戦闘とそこに至るまでの流れに関して言えば、オーズは間違いなく平成屈指の作品さ。僕は多分、この作品の最終回が一番好きかな」
天海「……最原くんがそこまで言うのなら、結構期待出来そうっすね」
最原「本当に熱いよ。剣やクウガの最終回も評価が高いけど、オーズは瞬間最高熱量を誇ってると思う。うん、あの戦いの熱さは歴代No1だと思うな」
百田「……気になるな、最終回」
夢野「いっそ色々飛ばしてみてしまうか?」
春川「ばーか、こういうのはそこに至るまでの流れが大事なんだよ。飛ばしたら何が何だか分からなくなるじゃん!」
最原「春川さんの言う通りだね。オーズはしっかりと全てのお話を通して観て欲しい作品なんだ。内容も比較的軽めで、初心者にもオススメしやすい作品だから是非ともここから入って欲しいね!」
天海「ふふ……それじゃあ、俺もご一緒しましょうかね。楽しませて貰うっすよ!」
最原「大歓迎だよ!」
天海くんがオーズに嵌りました! 天海くんが仲間に加わった!
OO=∞ をOVERする
O,s=王s
と言う意味もあるネ。
ちなみに、主人公である映司の名前は、おうずの文字を一つずつ前に戻すと出て来る名前だヨ
―――そして、翌日……
王馬「最原ちゃ~ん! 酷いや酷いや!」
最原「わっ!? お、王馬くん? どうしたの?」
王馬「何で俺を除け者にするのさ!? 普通、こういう役目は人間じゃないキーボかひねくれボッチの入間ちゃんのポジションじゃんかよ~!」
最原「あ、気にしてたんだ……ごめんごめん、今日こそ誘おうと思ってたんだよ」
王馬「え~、本当に~? ……じゃあ、俺を楽しませる作品をちゃんと教えてよね!」
最原「そのつもりだよ。仮面ライダーはどれをとっても面白いと思うから、何を紹介しても良いんだけどね」
王馬「にししっ! ……コロシアイゲームも始まらなくって退屈してたんだよ。最原ちゃん、俺を楽しませてよね!」
最原「勿論さ!」
最原(……王馬くんを満足させるには、並大抵の作品じゃ駄目だ。でも、複雑に張り巡らされた伏線を確実に回収し、ストーリーの展開に全くの無駄が無かったあの作品ならば十分に対抗出来る!)
最原(彼に教えてあげようじゃないか! コロシアイなんかよりもエキサイトなこのGAMEを!)
王馬くんにぴったりな仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーエグゼイド】
王馬「へぇ……それが、俺に紹介する仮面ライダー?」
最原「平成ライダー第18作品、仮面ライダーエグゼイド。その内容は……」
王馬「ああ、タンマタンマ! そう言うのは後で良いから、まずはAVルームに行こうよ! 説明はそこで、ね?」
最原「わかった。それじゃあ一緒に行こうか!」
―――AVルーム エグゼイド視聴開始……
最原「改めてエグゼイドの説明をさせて欲しいんだけど……まあ、僕の話は本編を見ながらのもので構わないよ。結構長くなるだろうから、話半分で聞いてね」
天海「なんて言うか、独特のデザインをしてるっすね」
茶柱「アニメ調のキャラクター、仮面ライダー初のはっきりとした目の採用、コミカルなデザイン……なんともまあ、不思議なものです」
最原「エグゼイドのモチーフはゲームキャラなんだ。主役ライダーのエグゼイドは、作品内に登場するゲーム【マイティアクションX】のキャラクター【マイティ】がモデルになっているんだよね」
星「ゲームだと……? おい、エグゼイドの舞台は病院じゃあ無いのか? 命を救うはずの病院とその命の価値が軽いゲームなんざ、まったく真逆の存在じゃあねえか」
東条「確かにそうよね……。そう言った相反する点をどうやって解消したのかしら?」
最原「じゃあ、ここでざっくりとしたストーリーを説明させて貰うよ。星くんの言った通り、主人公であり、エグゼイドに変身する宝生永夢は、駆け出しの研修医なんだ。心優しく真面目な青年で、患者を笑顔にする為に一生懸命な好青年だよ」
王馬「ふ~ん……若干のヘタレっぷりも感じられるから、最原ちゃんを見てる気分になるね! ねぇねぇ、永夢ちゃんについてもっと教えてよ!」
最原「研修医として働く永夢だけど、彼にはもう一つの顔があった。巷を騒がせる様々なゲーム全てに達人級の腕前を持っている【天才ゲーマーM】の正体こそが、ほかならぬこの永夢のことなんだ!」
天海「なるほど、ここで医療とゲームと言う接点を結ぶ要因があるんすね」
赤松「でも、何でお医者さんがゲームに関わることになるの?」
最原「それは、エグゼイドたちと戦う敵『バグスター』の特徴にあるんだ。バグスターは、ウイルスとして人間に感染し、ストレスを与えることによって成長して行く……バグスターが完全に成長してしまうと、感染した人間は消滅して死んでしまうんだ」
獄原「ええっ!? そ、そんな怖い病気があるの!?」
真宮寺「バグスター……ゲーム用語のバグとモンスターを合わせた造語かな? なかなか良いネーミングセンスだネ」
最原「様々なゲームキャラの姿をしているバグスターを倒すには、同じゲームのキャラクターになるしかない。天才ゲーマーMの力を見込んだ衛生省のエージェント【仮野明日那】こと【ポッピーピポパポ】にスカウトされた永夢は、勤務する病院の特別部署である【CR】に配属してエグゼイドとしてバグスターたちと戦い続けるんだ」
東条「ゲームと医療をそう言った形で融合させたのね」
最原「ちなみに、バグスターウイルスに感染することを劇中では『ゲーム病』と呼称しているよ。そして、感染したバグスターを排除することをオペと呼んでいるんだ」
百田「戦いを手術と呼んでるわけか! 文字通り命懸けのオペだな!」
最原「……ゲーム病が進行してしまえば、当然患者は死亡する。それに加え、医者である仮面ライダーたちも戦いに敗れてゲームオーバーになってしまうとそのまま消滅してしまうんだ。命を懸けているの患者だけじゃないってことだね」
春川「驚いた……ポップな見た目に反して、案外重い内容なんだね」
キーボ「纏めると……エグゼイドたちは、ゲーム病と呼ばれる病気に感染してしまった人々を救う為、その感染源であるバグスターを倒す戦いを続けてると言う訳ですね?」
最原「そう言う事だね。ざっくりと理解するなら、それで十分だよ」
王馬「エグゼイドのストーリーは分かったよ。じゃあ、今度は戦闘面について教えてくれる?」
最原「OK! ……エグゼイドはゲームをモチーフにしたライダーなだけあって、その戦いもゲームの雰囲気をたっぷりと出しているんだ! 攻撃がヒットした時や必殺技のエフェクト、各ライダーの戦い方や武器なんかも、ゲームをモデルにしてることがよくわかるね! それに加え、エグゼイドの最大の特徴と呼べるのが【レベルアップ】さ!」
赤松「レベルアップって、ゲームとかでおなじみのあれ?」
最原「そうだよ! エグゼイドたちは、『ゲーマドライバー』と呼ばれるベルトに『ガシャット』よ呼ばれるゲームソフトを挿入することで変身するんだ! 変身直後はレベル1と呼ばれる形態で、二頭身のゆるキャラみたいな姿をしているね」
夢野「ああ、これのことか……自分では『アイム ア 仮面ライダー』と言っておるが、これを仮面ライダーと呼んで良いのか?」
最原「相当叩かれた部分だからそう思うのはしょうがないけど……まあ、これも決して無駄では無いんだよ。ゲーム病に感染直後の人たちからバグスターを分離させるのは、レベル1じゃあ無いと出来ないんだ」
真宮寺「手術の第一段階ってことだネ?」
最原「そう! そして、バグスターを分離させたら、能力を上昇させるレベルアップの時間さ! ゲーマドライバーの前部に取り付けられた扉を開くと、仮面ライダーたちはレベル2へとレベルアップ出来るんだ!」
夢野「おお! 普通の人型になったぞい! まだ違和感はあるが、レベル1よりはましじゃ!」
最原「仮面ライダーエグゼイド・アクションゲーマーレベル2……アクションゲーム特有の俊敏な動きと、専用武器『ガシャコンブレイカー』を使用した近接戦闘が持ち味のライダーだね。天才ゲーマーである永夢の実力も相まって、高い戦闘能力を有しているよ!」
王馬「なるほどね~! ゲームらしく、ステージに隠されたアイテムを使って戦ったりもするんだ! やるじゃん!」
最原「更に、ガシャットを複数使う事でエグゼイドたちは更にレベルアップするよ! エグゼイドの場合、ロボットゲームのガシャットである【ゲキトツロボッツ】を使う事で、ロボットアクションゲーマーレベル3へとレベルアップ出来るんだ! 強敵と戦うにはレベル上げが重要だっていうゲームの特性をしっかりと表しているね!」
百田「ほへ~! 色々種類があるんだな~! 終一、他にはどんなライダーが居るんだ?」
最原「ゲームをモチーフにしたエグゼイドには、序盤から多数のライダーが登場するよ。これは、ゲームなら多人数プレイが鉄則と言う考えに基づいた設定だね」
春川「ゲームにはあんまり詳しくないけど……やっぱり、RPGゲームは鉄板じゃない?」
最原「永夢と同じCR所属の医師で、天才外科医と呼ばれる鏡飛彩が変身する【仮面ライダーブレイブ】がそうだね。騎士の様な姿とそれに相応しい剣技で戦うライダーさ」
天海「剣があるなら銃もあるでしょう? シューティングゲームは根強い人気を誇っていますからね!」
最原「仮面ライダースナイプ……元CR所属で、現在は無免許医である花家大我が変身する一番最初に生まれたライダー。全てのバグスターを殲滅することを望み、他のライダーからガシャットを奪おうとする仮面ライダーだよ」
百田「そんならレースゲームはどうだ!? 今も昔も大盛り上がりのゲームだろ!?」
最原「嘘つきな監察医、九条貴利矢が変身する【仮面ライダーレーザー】はそのレースゲームがモチーフのライダーだよ! レベル2でバイクに変形すると言う特徴を持った一風変わったライダーなんだ!」
赤松「ならさ、音ゲーもあるんじゃない? メジャーなジャンルだもんね!」
茶柱「武道を嗜むものとしては、チャンバラの様なゲームもあってくれると嬉しいのですが……」
キーボ「戦闘機で戦うコンバットアクションゲームも有って然りでしょう!」
星「スポーツゲームってのもありかもしれねえな」
東条「あとは……対戦格闘ゲームなんかはライダーにしやすいんじゃないかしら? あと、パズルゲームも面白そうね」
王馬「皆わかってないな~! 時代は四人協力の狩りゲーでしょ! デカいモンスターを協力してやっつけるのってわくわくしちゃうよね!」
最原「今出た種類のゲームは全て存在しているよ! 徹底的にゲームのジャンルを網羅し、それに合った戦いを作り上げたエグゼイドは、作り手と演者たちの努力がこれでもかと滲み出る作品なんだ!」
百田「ま、まじかよ……エグゼイド、おそるべしだな……!」
最原「ここに黒いエグゼイドこと【仮面ライダーゲンム】も加わった5人のライダーが序盤から登場するんだけど……まあ、ゲンムの正体やそのキャラクター性は本編を見て楽しんでよ。色んな意味で魅力的なキャラクターだからさ!」
白銀(ぶははははは! ほうじょうエムゥ! エムゥゥゥ……!)
最原「はっ!? 今、どこかから白銀さんの声が!?」
赤松「え? 何も聞こえなかったけど……?」
百田「疲れてるんじゃねえのか?」
王馬「ストレスが溜まるとゲーム病の進行が早まるよ!」
最原「そ、そうなのかなぁ……?」
白銀(ぶはははは! ぶはははははははーーっ!)
最原「……と、ここまでエグゼイドのバトルと仮面ライダーとしての魅力について語って来た訳なんだけど……エグゼイドの最大の魅力は、全話に無駄なく散りばめられた数々の伏線を自然にかつ盛り上がる展開で回収して行く見事なストーリー展開なんだ」
天海「元々、医療ドラマとしての側面もあるわけっすから、ストーリーの部分にも力を入れるのは当然っすね」
最原「エグゼイドは全45話と一年間放送された仮面ライダーシリーズの中では一番短い記録を持っているんだけど、その短い話数に凝縮されたストーリーは、映画版も含めてすべてに伏線が混じっていると言っても過言では無いんだ。そう言った複雑なストーリーを展開しながら、命の大切さをしっかりと説明する部分も両立させている……その完成度の高さから、放送中は神展開の連発と言われ続けて来たんだ」
キーボ「当然ながら、ストーリーは作品の重要な部分ですからね! そこが良ければ他の問題点もあまり気にならなくなります!」
最原「エグゼイドはそのデザインから敬遠されがちだけど、中身は本当に素晴らしい作品なんだ! 是非とも本編、平成ジェネレーション、そして夏映画の『トゥルー・エンディング』を見て欲しい! 決して損はさせない作品だから!」
王馬「にしし! 最原ちゃんがそこまで言うなら、俺も乗らせてもらうよ! まったく、心が躍るなぁ!」
最原「え……? あ、あれ? 王馬くん?」
王馬「まあ、つまらない作品だったらノーサンキューってことで見るのを止めさせてもらうけど……俺のことをノーコンティニューで誘えたんだから、最原ちゃんを信じてみますかね!」
最原「……王馬くん、もしかしてなんだけどさ……君、エグゼイド見てたでしょ!?」
王馬「えー! なんでそんな事言うのさ~! もう俺、ピプペポパニックだよーっ!」
最原「あー! 君ってば最初から仮面ライダーを見てたんだな!? それなのに知らないふりして!」
王馬「にしし! でも、そのおかげで楽しい日々が過ごせたでしょ? 仲間も増えたし、良い事ずくめじゃん!」
最原「そうだけど! そのせいで白銀さんが眠り続けてるんだよ!」
王馬「ごめんごめん! これから俺も布教に力を貸すから、許して欲しいな!」
最原「まったく、君って奴は……!」
王馬くんはエグゼイドに(既に)嵌ってました! 王馬くんが仲間に加わった!
―――そして、翌日……
最原「……白銀さん、とうとう僕はやったよ……! 皆を、仮面ライダー好きにすることが出来たよ……! この光景を見てくれてるかい?」
最原「でも……君がいないと、やっぱり寂しいな……! 君も、この輪の中に加わって欲しかったな……!」グスッ…
白銀(……最原くん、最原くん……!)
最原「はっ!? 何処からか白銀さんの声が聞こえるぞ!」
白銀(最原くん、私は今、あなたの心に直接語り掛けています……これ、地味に凄くない? って言う話は置いておいて……私も、そろそろ目覚めたいと思っているんだよね~)
最原「え、じゃあ起きてよ! 普通に目覚めればいいじゃないか!」
白銀(そうなんだけどさぁ……それだと流石に地味すぎるって言うか、味気ないって言うか……つまらないと思うんだよね!)
最原「え~……? じゃあ、僕はどうすれば良いのさ?」
白銀(あ、最原くんはAVルームに行ってくれれば良いよ。多分、皆が頑張ってる所だからさ!)
最原「……え?」
―――AVルーム
赤松「う~ん、う~ん……」
百田「ど、どの作品だ? やっぱフォーゼか!?」
春川「アンタの基準で語らないの! ……まったく、難問を突き付けてくれちゃって……!」
最原「あ、みんな! 一体どうしたの?」
天海「実は、さっき白銀さんに脳内に直接語り掛けられてですね……」
茶柱「『こんな芸当が出来るのって地味に凄くない!?』、と興奮気味に話された後……」
獄原「『私を目覚めさせたかったら、私の一番好きな作品を当ててみろ』って言って来たんだ!」
星「それも、最原の力抜きでって話だ……まったく、あんまり詳しくない俺たちに無茶言ってくれるぜ」
入間「間違えたら地味に嫌なオシオキをしてやるって言ってるし……こ、こええよぉ……!」
キーボ「しかし、白銀さんはヒントをくれました。彼女の好きな作品は、今までで僕たちに紹介された作品の中には無い様です」
真宮寺「だから、平成ライダーの残っている作品からそれらしいものを探しているんだけど……やっぱり、難しいネ」
東条「紹介されてないってことは、私たちには一切の知識が無いってことだからね……やっぱり、難しいわ」
夜長「難しいね~! 神様もよくわからんって言ってるよ~!」
夢野「白銀の奴、ウチらを虐めて楽しんでいるんじゃないじゃろうな?」
最原「……そんなことは無いと思うよ」
赤松「え……?」
最原「白銀さんは、友達にそんな意地悪をする人じゃあ無いよ。同じ趣味を持つ仲間、それも初心者を虐める真似は絶対にしない。だから、逆に考えれば良いのかもしれないね」
春川「逆に考える? どう言う事?」
王馬「……初心者でも分かる、知っている様な作品が好きだって可能性が高いってことだよ。つまり、知名度が抜群に高い作品を選べば良いの」
獄原「知名度って言われても……馬鹿なゴン太は、どの仮面ライダーが有名なのかわからないよ!」
王馬「ったく、しょうがないなぁ……! 良いか、ゴン太? 普通に考えて知名度が高い作品って言うのは、出来る限り新しい作品ってことになるだろ? その場合、一番可能性が高いのは現行ライダーであるビルドだけど……」
赤松「入間さんに紹介されたビルドは候補から外れる! つまり、それ以外の理由で知名度が高い作品を探さないと!」
百田「演じた役者の活躍ぶりはどうだ!? その後の活躍が凄けりゃ、デビュー作として有名になんだろ?」
春川「その後のゲスト出演の回数とかは違う? オリジナルキャストが後輩ライダーと共演すれば、それはすなわち知名度の上昇につながらないかな?」
王馬「良い所を突くねえ! ……実はその通りなんだよ。主演は今もなお俳優界の第一線で働き続け、作品の特性を活かしてオリジナルキャストが後々の映画に出演しやすい作品が、ね……!」
最原「放送終了から数年間、毎年そのライダーを主演として映画が作られ、今もなお抜群の知名度を誇る作品。皆も一度くらいは名前を聞いたことがあるはずだと思うよ」
王馬「何より、その作品のおかげで平成ライダーには『ある習慣』が生まれたんだ! さあ、皆にはわかるかな~?」
夢野「うぅ……そこまで言われてもウチにはさっぱりじゃ……」
茶柱「転子もです……一体どうすれば……?」
赤松「……ねえ、みんなでこれじゃないかって作品を指さしてみようよ!」
星「山勘ってことか?」
天海「いや……良い考えかもしれないっす! どこかで耳にした作品を指さしてそれが一致すれば、正解の可能性もぐっとあがりますよ!」
東条「全員の記憶を辿る勝負ってわけね……」
春川「やってみようよ、少しでも可能性があるならそれに賭けるべきだ」
百田「よっしゃ! それなら、いっせーので行くぜ!」
キーボ「はい! 内なる声、僕を導いてください!」
最原(……大丈夫、皆ならきっと分かるはずだ! あの作品の知名度は、本当に半端じゃない!)
最原(これがクライマックス! 白銀さんの為に、正解を導き出してくれ!)
白銀さんが一番好きな作品は何? この下の回答で決定
ディケイド「俺たちの」
鎧武「出番は」
ゴースト「あるのかな?」
赤松「これが私たちの答えだ!」【仮面ライダー電王】
赤松「……って、ノリと勢いで決めちゃったけど……大丈夫かな?」
夢野「しかし、この仮面ライダーはよく見る気がするぞい! 映画のCMとかによく映っておった!」
百田「結構な頻度で見ることが多いよな!」
キーボ「しかし、それが正解かどうかは別問題です。これが白銀さんの好きな仮面ライダーであっているんでしょうか?」
――テロリラリラ テロリラリラ……♪
獄原「あれ? 何か変な音が……?」
星「これは……電車の到着音か?」
最原「こ、この音は!?」
白銀「時を越えて、私、参上っ! いや~、良く寝た、良く寝た~!」
最原「し、白銀さん!? 目が覚めたの!?」
白銀「うん、ついさっきにね! ここ数日の間ずっと寝続けてたから、体中が痛くて痛くて……」
最原「良かった……! 本当に良かった!」
白銀「そんなことよりさぁ……皆、電王の話してるでしょ!? 私を差し置いて電王の話をするなんて、百年早いんじゃないかな!?」
赤松「ってことは、白銀さんが好きな仮面ライダーは、この電王であってるの?」
白銀「正解も正解、大正解だよ! 私、この電王には感謝してるんだよね~!」
春川「それじゃあ、目が覚めて早々悪いけど白銀に電王の紹介をして貰おうか」
白銀「はいはい! こんなのお茶の子さいさいだよ!」
最原「僕も手伝うよ。電王は結構紹介する要素が多いからね」
白銀「それじゃあ、早速一話を観てみよう!」
―――一話、視聴開始……
白銀「仮面ライダー電王は、平成ライダー第8作品目の作品だよ。この作品で主役を務めたのは佐藤健さん、今も映画やドラマに数多く出演する彼の、出世作の一つだと言えるね」
最原「佐藤さんが演じた【野上良太郎】は、気弱で運動音痴で、おまけに運もかなり悪い史上最弱の主人公なんだ。そんな彼が、ある日自分に秘められた【特異点】としての力を見初められたことで戦いが始まる……」
夜長「スト~ップ! ……終一、特異点ってなぁに?」
白銀「あ~、その話をする前に電王の敵について話さなきゃならないかな。電王の敵は『イマジン』と言って、時間の改変を目的とした怪人の集団なんだ」
キーボ「時間の改変、ですか?」
白銀「そうだよ! イマジンは、各自でランダムに選んだ人間に憑依し、その人間の望みを無理やり叶える。そして、その代償としてその人物が強く思う日にタイムスリップして、そこで大暴れしちゃうんだ!」
入間「そ、そうするとどうなっちまうんだ?」
最原「一番簡単な所だと、そこで人が死ぬとその人に関わる運命が全て変わる。例えば、入間さんのお母さんが殺されたりしたら、その時点で入間さんが産まれなくなっちゃうわけでしょ?」
入間「ひぃぃ! 世界的に大損害が出るじゃあねえか! 恐るべし、イマジン……!」
白銀「建物を壊せばビルが無くなる、建材を壊せば建築中の建物も消える……そうやってイマジンたちが暴れ回った結果、その時代が取り返しのつかない崩壊を迎えてしまうことだってあるんだよ。それを防ぐのが、電王ってわけ!」
最原「時を駆ける列車【デンライナー】に乗って、電王は過去や未来に飛んで回る! 全ての時間を守る戦いを続ける電王になれるのは、時間改編の影響を受けない特異点だけなんだ」
星「なるほどな、そう言う事か」
百田「お、俺にはさっぱりだ……終一、俺にも分かる様に説明してくれ!」
王馬「はぁ……これだから脳筋は困るんだよなぁ。仕方が無い、俺が説明してやりますか!」
百田「お前には頼んでねー! 俺は終一に頼んでんだよ!」
王馬「まあ、文句は聞き流してっと……あのね、特異点と呼ばれる人間は、『過去で何があっても正しい歴史を覚えていられる人間』なの。特異点が未来を覚えている限り、過去で何があっても歴史は修復されるんだよ」
百田「お、おぉ?」
最原「えっとね……例えば、僕が特異点だったとしよう。そして、過去でイマジンが暴れてしまったことによって、赤松さんが死んでしまったとする。この場合、赤松さんはその時代で死んでしまって、ここでこうやって僕たちと出会うことは無いと言う事になる。当然、皆は出会ったはずの赤松さんのことを知らなかったと言う状態になるんだけど……」
白銀「特異点である最原くんがその時代や赤松さんを覚えている場合、過去の問題点が解決すれば歴史は修復される! 最原くんの記憶を元にその時代の記憶が形作られ、歴史は正しい航路を取り始めるんだよ!」
百田「ま、まだ俺にはわからねえ……」
最原「本当に分かり易く言っちゃうと、特異点とは【1、破壊された正しい歴史を覚えていられる】【2、電王に変身出来る】【3、イマジンの干渉を最小限に留められる】存在だって覚えてくれたら良いよ」
百田「お、おう、そうしとくぜ!」
白銀「さて、小難しい話はここまで! ここからは、電王の特徴について語っちゃうよ!」
夢野「まっておったぞい! チンプンカンプンな話で眠くなっておった所じゃ!」
白銀「電王の魅力、それは平成ライダーでトップクラスのノリの良さ! OPテーマであるAAAの【CLIMAX JUMP】は、軽快な音楽と『イージャン、イージャン、スゲージャン!』の歌詞が耳に残る名曲だよね!」
最原「その軽快なノリに拍車をかけているのが、良太郎に味方するイマジンたちの存在だよ。電王が今もなお有名なのは、彼らの存在が大きいね」
白銀「喧嘩っ早いけどとっても良い奴なモモタロス、軟派癖のあるお調子者ウラタロス、人情に篤いキンタロスに子供らしいわがままな性格のリュウタロスの四体のイマジンがデンライナーの中でわちゃわちゃする姿は、声優さんたちの演技も相まって非常にコミカルなんだ!」
赤松「ねえ、なんでその四体が居ることで電王は有名になったの?」
白銀「良い質問だねぇ! あのね、モモタロスたち四体は、平成ライダーシリーズで初の『怪人体が基本のレギュラーキャラ』なんだよ!」
赤松「えっと……?」
最原「例えばなんだけど、555なんかでは怪人側の登場人物として木場たちが出てたでしょう? 彼らは基本人としての姿で過ごして、戦いの時に怪人に変身するんだけど……」
王馬「モモタロスたちはその逆! いつもは怪人体でいて、戦いの時に良太郎に憑りついて電王に変身する! つまり、怪人が主体ってこと!」
最原「モモタロスたちは毎回登場する。良太郎たちとコミカルなやり取りを続ける味方怪人である彼らには、有名な声優さんたちが声を当ててくれたんだ!」
白銀「そのおかげでオタク女子たちが仮面ライダーに興味を持ってくれた! その点に関しては賛否両論あるけど、単純にファンを増やしてくれたことはありがたいよね!」
王馬「そして、声優は俳優と比べて拘束時間が短い。本編終了後、主役を演じた俳優さんたちは売れっ子になってなかなかスケジュールが合わせられない。仮面ライダーシリーズは撮影のスケジュールがシビアだから、当然演者さんたちの脚も遠のいちゃうけど……」
白銀「声優さんならその限りじゃない。イマジンの声だけなら確実に本人出演が出来る! だってそれが本業だから!」
最原「事実、電王の映画出演回数とゲームの本人登場回数は間違いなく最多だよ。本編終了後もいくつもの映画が撮られたんだ!」
白銀「キバとのクロスオーバー作品である『クライマックス刑事』、電王だけが主演を演じた最後の作品の『さらば電王、ファイナル・カウントダウン』。その翌年にまさかの復活を果たした『NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』に三人のライダーと主演を務めた『超・電王トリロジー』……他にもまだまだたくさんの映画があるんだ!」
最原「ちなみにこれ、本編終了後に作られた作品だけだからね。それも比較的主演に近しい作品だけの奴」
王馬「他にも、オーズとのW主演である『レッツゴー・仮面ライダー』や今年の春に公開された『超スーパーヒーロー大戦』なんかでも主役に近い活躍をしてるね。ゲスト出演だけなら、他にもたっぷり出てるよ!」
茶柱「声優さんたちがイマジンとして電王を盛り立ててくれているから、今も認知度が高いと言うことですね!」
白銀「単純に時代を駆けるデンライナーの設定も大きいけどね。でも、間違いなく電王のネームバリューは平成随一だと思うよ! 声優アワードでもシナジー賞を受賞したし、仮面ライダーの名を世の中に大きく知らしめたよね!」
最原「アクション面も凄いよ! スーツアクターである高岩成二さんは、全く性格と戦闘方法が違う電王の4つのフォームを演じ分けたんだ。どれも全部同じ人が演じているとは思えない程の演技力だから、じっくりとその目で確かめて欲しいな!」
王馬「わがままなイマジンは戦略も無視して自分が戦いたいと前に出る。良太郎に勝手に憑りついて、そのせいでピンチになっちゃうことだってあるんだけど……それもまあ、ご愛敬だよね!」
白銀「コミカルな演出、ノリの良いテンポ……それに、電王のお陰で今も続く仮面ライダーの風習が出来たんだ!」
最原「それが決め台詞……モモタロスが発した『俺、参上!』の台詞から始まり、この電王の中でイマジンたちが発した戦闘前の決め台詞は、当時の子供たちにも馬鹿受けしたんだ!」
白銀「結果、翌年のキバも『キバって行くぜ!』と言う決め台詞が生まれた。その翌年も、翌々年もそう! この電王のお陰で、仮面ライダーシリーズに新たな風が吹いたんだ!」
王馬「ま、決め台詞は分かり易く盛り上がるからね……子供たちにはヒットするでしょ!」
赤松「そっかぁ……電王は、しっかりと見ていた子供たちの心を掴んだんだね」
白銀「……でもね、決して子供騙しの作品じゃあ無いんだよ。明るい作風に隠されているけど、電王のお話は非常にシリアスな物なんだ。大人でも理解しきれない特異点の説明からでも分かったと思うけど、物語は難解で、とっても複雑なんだよ」
最原「電王は誰かから内容を聞くよりもしっかりと見て欲しい作品だと思う。他の作品にも言えるけど、見ることによって評価が変わる作品だと思うからさ」
王馬「有名どころだし、エンターテインメント性も優れてる。DVDやブルーレイも簡単に手に入ると思うよ」
白銀「まずは見て、そして知って欲しい……電王は、仮面ライダー入門にも、ベテランの人にもおすすめ出来る良い作品だからさ!」
真宮寺「そうだネ……まずは自分の目で確認すること、何事に関してもそれが重要サ」
天海「では、このまま続きをガンガン観て行きましょうか!」
白銀「うん! ……最初に言っておく、電王はかーなーり、面白い!」
夢野「……んあ? もう最初では無いと思うがのぉ」
赤松「うん、そうだよね……?」
白銀「あ、そっか……皆、知らないんだもんね……」ショボン…
皆が電王に嵌りました! 白銀さんが復活した!
―――そして、翌日……
最原(……みんなが仮面ライダーに嵌り、白銀さんも目を覚ました。もうこれで、僕に思い残すことは無い……! 本当に、本当に良かった!)
赤松「なーんて思ってるんじゃないよね、最原くん?」
最原「え……?」
夜長「終一~! まだ一人、お勧めのライダーを教えて貰ってない人が居るよ~!」
最原「えっ!? そ、そんな!? 僕はみんなに仮面ライダーを紹介したはず……」
白銀「あはは! なにか大事なことを忘れてないかな~?」
最原「え? え?」
赤松「……君だよ、最原くん」
最原「は……?」
白銀「最原くんの好きな仮面ライダーをまだ教えて貰って無いんだよ! 皆は、皆の好きな仮面ライダーを考え付いた君の一番好きな仮面ライダーを教えて欲しいんだよ!」
最原「僕の……?」
赤松「最原くんの好きな仮面ライダー、是非とも私たちに教えて欲しいな!」
夜長「終一の好きな物、アンジーたちに教えてよ~!」
最原「えっと……それじゃあ、紹介しちゃおうかな!」
白銀「うん! まあ、私は予想できてるけどね!」
最原(……そうだよね。僕の好きな仮面ライダーなんか、すぐに分かっちゃうよね)
最原(だって僕は超高校級の『探偵』だもの! なら、僕が選ぶのはこの作品しかない!)
最原くんの選んだ仮面ライダーは何? この下の回答で決定
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーW】
白銀「あはっ! やっぱりそうだよね! 最原くんならそれを選ぶと思ってたよ!」
赤松「これが、最原くんの好きな仮面ライダー?」
入間「なんだかビルドに似てやがるな」
最原「平成ライダー第11作目にして、平成二期の最初の作品である仮面ライダーW! Wと書いて、ダブルと読むよ!」
天海「ダブル……察するに、右半身と左半身の力を組み合わせるライダーってことっすかね?」
入間「なんだよ。そしたらまるっきりビルドとおんなじじゃねえか!」
白銀「ふっふっふ~……甘いよ入間さん! Wには、他のライダーには無い特殊な設定があるんだよ!」
入間「へっ? そうなの?」
最原「うん! とりあえずAVルームに行こう!」
―――AVルーム……
百田「へへっ! ようやく終一の好きな仮面ライダーの鑑賞会か! なんだか感慨深いもんがあるよな!」
春川「ここまで私たちに仮面ライダーを紹介して来た奴の一番好きな作品だからね。期待も集まるよ」
赤松「さて、と言う訳で最原くん、説明をよろしく!」
最原「わかった! ……仮面ライダーWは、架空の都市である【風都】を舞台に二人組の探偵が活躍する物語さ! ドライブの様な、謎解きみたいなお話も多々あるね」
真宮寺「へぇ……探偵かい? それは最原くんが好きになるわけだヨ」
キーボ「最原くんは超高校級の探偵ですからね! 同じ探偵の肩書を持つWは、当然お気にいりになるでしょう!」
最原「Wの主人公は二人いるよ。一人目は、師匠である鳴海荘吉の後を継いで探偵の仕事を行っている【左翔太郎】。ハードボイルドに憧れているけど、お人好しな二枚目半の性格から非常になり切れない男性で、その様子から半熟野郎(ハーフボイルド)と呼ばれることが多いね」
白銀「探偵事務所では主に情報収集を担当する行動班って所だね。物語は基本的に彼の視点から描かれているよ」
最原「そしてもう一人、翔太郎の相棒となる存在こそが記憶喪失の魔少年【フィリップ】……地球(ほし)の本棚と呼ばれる特殊空間にアクセスすることで、数々の知識を得ることが出来る特殊能力者さ」
白銀「翔太郎が集めた情報を元にキーワードを絞り込み、フィリップが地球の本棚で検索をかけることで事件の解決を目指す……それが、仮面ライダーWの主な大まかな流れだね」
最原「二人の探偵が立ち向かうのは、風都の裏に潜む秘密結社【ミュージアム】と、そのミュージアムの手で作り上げられた【ガイアメモリ】と言うアイテムを使って人間が変異した【ドーパント】と呼ばれる怪物たち。ドーパントは、人間を超えた力を用いて数々の犯罪を引き起こす存在なんだ」
夜長「ん~……ちょっと不思議な単語が多く出て来たね~! 終一~、解説よろ~!」
最原「ああ、ごめん。ちょっと熱くなりすぎちゃったね。えっと……まず、ガイアメモリって言うのは、Wのベルトにも刺さってるUSBメモリ型のアイテムの事さ。これにはあらゆる『地球の記憶』が収められていて、表面にはそのメモリになんの記憶が収められているのかを示すイラストがイニシャルを用いて描かれているんだ」
白銀「ガイアメモリには色んな種類があってね。マグマや気候みたいな地球の現象から鳥、ゴキブリみたいな生物の記憶を収めた物。宝石とか、変わった所だと遺伝子の記憶を封じ込めた物もあるよ!」
最原「これを人体に差し込むことによって生み出されるのがドーパントと呼ばれる怪物なんだ。ガイアメモリには副作用があって、性格の凶暴化やメモリへの中毒を引き起こしてしまうんだよ。そのガイアメモリを開発、販売しているのが……」
百田「秘密結社ミュージアムって訳か! 許せねえ奴らだな!」
最原「街を泣かせる奴は許さない……そんなポリシーの下、ミュージアムの生み出したドーパントたちの巻き起こす事件に立ち向かう翔太郎とフィリップは、ドーパントに変身した人間を救う為に戦いに赴く。正気を失った彼らの体からガイアメモリを排出させる能力を持つ仮面ライダー、それこそがWなんだ!」
天海「なるほど……二つのメモリを組み合わせて戦うから、ダブルなんすね」
入間「ひゃ~っはっは! ハーフボイルドがダブルだなんて、笑えるギャグじゃねえか! 翔太郎も大変だな!」
獄原「え……? Wに変身するのはフィリップくんじゃ無いの?」
入間「あん……? いやいや、Wは翔太郎視点で描かれてる作品なんだろ? なら、翔太郎が変身するのが筋じゃねえか」
獄原「で、でも、フィリップくんには地球の本棚に入れるって言う凄い力があるんだよね? そんな凄い人が変身する方が自然なんじゃないかな?」
星「……おい、最原。一体どっちがWに変身するんだ?」
最原「ふふふ……二人とも、半分正解だよ。二人の答えを組み合わせると完璧だね!」
東条「二人の答えを組み合わせるってことは……」
茶柱「変身するのは……二人ってことですか?」
夢野「わかったぞい! Wは、翔太郎とフィリップが必要に応じてそれぞれで変身する仮面ライダーなんじゃ! つまり、正式な変身者が二人いるんじゃな!」
最原「ああ、凄く惜しい! そうじゃないんだよ、夢野さん!」
夢野「んあ? そ、そうなのか?」
白銀「ふふふふふ……! Wはね、仮面ライダーの中で唯一の『二人で一人の仮面ライダー』なんだよ!」
赤松「二人で一人の……」
春川「仮面ライダー……?」
最原「……Wドライバーを介してフィリップの意識が翔太郎の体に転送され、彼の体をベースにして誕生する戦士、それこそがW! 一つの体に二人の意識が入っている仮面ライダーなんだ!」
百田「でえぇっ!? な、なんだよそれ!? そんなのありなのか!?」
王馬「ありあり! ありに決まってるよ! 二人の意識は半分ずつ翔太郎の体を支配していて、それぞれが左と右の半身を担当しているんだよ!」
最原「左半身を担当するのは翔太郎で、Wの戦い方や武器を決めるボディサイドのメモリを担当しているよ。右のフィリップは、特殊能力や属性を決めるソウルサイドを担当しているんだ」
白銀「高い身体能力を誇る切り札の記憶、ジョーカー! 素早く俊敏な動きを得意とする疾風の記憶、サイクロン! この二つのガイアメモリを組み合わせて誕生するWの基本形態! それこそがサイクロンジョーカー!」
最原「緑と黒のカラーリングと首に巻かれたマフラーは、初代仮面ライダーのデザインを元にしているよ。スマートで、誰が見ても仮面ライダー! って分かる正統派の姿をしているね」
夢野「半分この姿が正統派って、それで良いのかのぉ?」
春川「体にタイヤが突き刺さってたり、顔が宝石になっているよりかは正統派って言えるんじゃない?」
最原「他にも、専用武器である【メタルシャフト】を用いたパワフルな接近戦が持ち味のメタルや、トリガーマグナムと言う銃を使った遠距離攻撃が特異なトリガー。熱と炎を自在に操るヒート、伸縮自在の幻影メモリのルナと言うメモリがあるよ。Wは、この6つのメモリを組み合わせて戦いを繰り広げるんだ」
王馬「TVとかでWが紹介される時って、サイクロンジョーカーの必殺技の『ジョーカーエクストリーム』ばっかりが取り上げられてるんだけど……正直、Wのアクションはそれ以上に凄い奴ばっかりなんだよね」
最原「半分こキックであるジョーカーエクストリームが目立つのは分かるけど、ハーフチェンジと言う史上初の試みに挑んだWのアクションは、それぞれのメモリの持ち味を十二分に引き出す素晴らしいものに仕上がっているはずなんだ。出来れば、そっちの方にも注目して貰いたいな」
赤松「そっか……半分ずつのフォームチェンジって、何気に今までにあった訳じゃ無いもんね」
天海「色んな意味でオーズの先輩ってことになるんすね」
最原「何より、Wは二人で一人の仮面ライダーと言う設定からくるバディの絆を描いた物語が素晴らしいんだ。お人好しの翔太郎とどこか残酷で浮世離れしているフィリップ、性格が反対な二人は、時にぶつかって、喧嘩をして、それでも一緒に戦っていく……お互いの足りない部分を補い、そしてお互いに強くなっていくんだ!」
白銀「誰も完璧じゃない……師、そして恩人の教えを真に理解した時、二人は仕事仲間を越えたかけがえの無い相棒として相手を思う様になる。Wは、平成二期のスタートを飾るに相応しい作品なんだ!」
赤松「……良いね、その言葉。誰も完璧じゃない、か……!」
星「……人は一人じゃ生きていけねえからな。誰かに支えられ、誰かを支えることで生きている実感を得られるってもんだ……かけがえの無い相棒が居る人生ってのは、もしかしたらどんな人生よりも幸せなのかもしれないぜ」
東条「あら、珍しいわね。星くんがそんなロマンチックなことを言うなんて」
星「……こっぱずかしいことを言っちまったな、忘れてくれや。それよりもWを観るんだろ?」
百田「よっしゃあ! そんじゃあ終一、Wの変身ポーズを勉強して、俺と一緒にやってみようぜ! 肉体派の俺と頭脳派の終一なら、翔太郎とフィリップにぴったりだろ?」
王馬「え~! 魔少年な俺がフィリップで、なんだかんだでお人好しな最原ちゃんが翔太郎って言う組み合わせが一番だと思うけどな~!」
赤松「はいはい……二人ともやれば良いじゃん。今はWを落ち着いて観ようよ」
夜長「せっかく終一がお気に入りを教えてくれたんだからね~! 仲良く皆で観るのだ~!」
最原「ふふふ……! なんだか嬉しいな、こうやって皆と好きな仮面ライダーを見れるなんて……!」
皆で仲良くWを観ました!
春川「……ところでなんだけどさ」
最原「ん? どうしたの、春川さん?」
春川「平成ライダーって、今19作品まで作られてるんだよね? 私たちに紹介したのは16作だから、あと3作品は残ってるってこと?」
最原「うん、そうなるね」
春川「なら、その残りの奴も教えてくれない? ここまで来たら、全部観ちゃった方がすっきりしそうだし」
最原「そう!? 春川さんが仮面ライダーにここまで興味を持ってくれるなんて嬉しいなあ!」
春川「……まあ、結構面白かったしね。施設に帰った時に子供たちと話せるかもしれないし……そんな訳だから、よろしく」
最原「うん! それじゃあ、どれから解説しようかな……?」
残る作品から一つ選んでください
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダー鎧武】
春川「えっと……ガイムって読めば良いの?」
最原「うん、そうだよ。平成ライダー15作品目、仮面ライダー鎧武……一つの町で起きた出来事が、徐々に世界を巻き込んで行く事件に発展する壮大な物語だよ」
春川「へえ……? でも、なんかその……このライダーたち、なんか不思議と見覚えがあるような……?」
最原「ふふふ……! それじゃあ、その既視感の正体を知る為にもAVルームに行こうか!」
―――AVルーム
最原「と言う訳で、今回紹介するのは仮面ライダー鎧武だよ! さて問題です! この仮面ライダーたちのモチーフはなんだか分かるかな?」
赤松「え……? ぱっと見で分かるのは……鎧武者、かな?」
百田「俺も同じ意見だぜ! 和洋中の鎧武者、それが正解だろ!?」
最原「う~ん……正解なんだけど、惜しいなあ……。鎧武たちには、もう一つのモチーフがあるんだよ。それが何か分かる?」
夢野「ん~? 鎧武者以外のモチーフじゃと……?」
茶柱「でも確かに、何か見覚えがある様な……?」
春川「……あ!」
白銀「おっ!? 春川さん、何かに気が付いたね!?」
春川「もしかしてなんだけど……フルーツ?」
天海「フルーツ……? 果物ってことっすか?」
入間「おいおい、そんなことがある訳ないだろ~……って、おい!?」
星「言われてみりゃあ、これは……!」
東条「みかん、ね。それに、こっちの赤い仮面ライダーはバナナに見えるわ」
最原「春川さん、大正解! 鎧武たちのモチーフは、鎧武者とフルーツなんだ! そして、彼らの驚きの変身プロセスがこちら!」
TV『オレンジ!』
百田「うおぉぉっ!? 空から、空からオレンジがーっ!?」
TV『オレンジアームズ! 花道、オンステージ!』
赤松「な、なるほど……! おっきなみかんがああいう風に展開して、鎧になるんだ……!」
天海「これは確かに度肝を抜かれるっすね」
王馬「にしし! 皆のハートを鷲掴みにしたところで、詳しい解説をよろしく!」
最原「了解! 鎧武は、架空の都市である【沢芽市】が中心になって繰り広げられる物語なんだ。沢芽市では、ビートライダーズと呼ばれる若者たちのダンス集団が、毎日自分たちの縄張りを巡って争いを続けていた」
王馬「喧嘩による被害は沢芽市を大きく傷つけてしまっていて、ちょっとした問題になっちゃったんだよね! だから、大規模な喧嘩の代わりに【インベスゲーム】って言うゲームで勝負しましょう、ってなった訳」
白銀「インベスゲームって言うのは、【ロックシード】ってアイテムを使って呼び出す怪物【インベス】を操って戦うゲームのことで、これによって町の治安は安定化したんだよ」
最原「ビートライダーズたちは強いロックシードを手に入れて、インベスゲームに勝つべく必死になっていた。そんな中、元ビートライダーズの『チーム鎧武』に所属していた葛葉鉱汰は、チーム鎧武のリーダーであり、親友でもある住井裕也に呼び出された先で謎の空間の切れ目を発見するんだ」
百田「おお、いきなり長展開だな……!」
最原「同じく裕也に呼び出されていた高司舞と共に空間の切れ目に入った鉱汰は、その先にあった森の中で【戦極ドライバー】を発見する。それと同時にインベスに襲われた鉱汰は、舞を守るために戦極ドライバーとオレンジロックシードを使って仮面ライダー鎧武に変身! 何とかインベスを撃退するんだけど……」
白銀「……戦いの中で現れた舞そっくりの謎の少女が言う通り、この瞬間から鉱汰は逃げられない戦いに身を投じることになってしまったんだよ」
王馬「鎧武の脚本を担当したのは虚淵玄やニトロプラスの高名な脚本家たちで、その実力を遺憾なく発揮してくれてるよ! 序盤は明るかった物語が、段々と暗くシリアスなものに変わって行く様は流石の一言だよね!」
春川「単純にライダーが多いと画面が賑やかになるよね。それぞれの武器も違って、見分けもつきやすい」
最原「果物が描かれている錠前、ロックシードを変えることでフォームチェンジを果たすライダーたちは、その都度使用する武器も変わる。同じロックシードを使わない限りは武器は被らないから、それぞれの戦い方を楽しめるってわけだね」
星「しかし、同じ多人数ライダーである龍騎とは結構違うな。カブトよりの作品なのか?」
最原「う~ん……その辺の判断は難しいね。鎧武は、今までのライダーとはかなり違う作品だからさ」
茶柱「違うと言うと、どんな点が違うんですか?」
最原「まず、平成二期で初の多人数ライダー作品だって事。Wからウィザードまでは、基本的に二人のライダーを活躍させる方式をとってたけど、この鎧武でそのパターンは打ち砕かれたんだ」
星「これで所謂多人数ライダー方式の作品に分類される様になったわけだ。んで、他には何かあるのか?」
最原「今までの作品の様な『二話完結』のストーリーじゃなく、一話一話のお話を続けていく連続ドラマ方式を取ったことかな? エグゼイドやビルドの先駆けとなった作品なんだよ」
王馬「そのせいで一話見逃すとお話の流れがわかりにくくなっちゃうんだよね。だから、鎧武は一気見した方が良い作品かもよ!」
白銀「ビートライダーズ同士の抗争が繰り広げられる【ビートライダーズ編】から始まり、【ユグドラシル編】、【オーバーロード編】、そして【最終決戦編】の4つの区切りで物語は作られているね。この区切りの中で登場人物がどう動き、どんな風に人間関係を変化させていくのかを見るのも楽しみの一つだよ!」
王馬「俺、チーム鎧武の呉島光実が好きなんだよね~! ……最初は鉱汰を慕う弟分として協力してるんだけど、お話が進むと……?」
白銀「私は初瀬ちゃんが好きだな~! まどマギで言うマミさんポジションのキャラだし、出番は少ないけど鎧武に必要不可欠な存在だったと言えるしね」
最原「僕はみんな好きだけど……あえて一人を上げるなら、ザックかな。一貫して町の為に戦い、一番の成長を見せた人物だと思うんだよね」
赤松「へぇ~……主役じゃない人たちも凄く輝いてるんだね!」
最原「鎧武は色んなチームや組織の人々が登場するストーリー柄、キャラクターの数が凄く多いんだ。白銀さんも言ってたけど、そういう人たちがどんな風に関係を結ぶのかを見るのが楽しい作品でもあるんだよ」
王馬「世界の為、自分の為……それぞれの目的を持った人間たちが、その望みを果たす為に誰かと協力し、誰かを、世界を裏切る。人間の醜さを描いたって点に関しては、鎧武はトップクラスだよ!」
最原「でも、鎧武はそれ以上に人の美しさを描いた作品でもあるんだよ。苦しみや裏切りを乗り越える人の強さを見守り、感情移入することが出来る。登場キャラクターが多いから、そんな風に自分を重ねられるキャラが一人は要る筈さ」
白銀「もし明日、自分が世界を変えられる程の力を手に入れたら。そして、その力で何かを成すことが出来る様になったとしたら……『キミはこの力、どう使う?』」
入間「け、結構重い作品みてえだな……! 玩具みたいな見た目の変身アイテムの癖しやがって……!」
最原「あ、言い忘れてたけど、鎧武は結構なトラウマ製造作品だから視聴の際は気を付けてね!」
入間「ひぃぃぃっ! そ、それを早く言えよぉっ!」
最原「あと、TVシリーズで初の正変身者が女性のライダーが登場した作品でもあるんだ! 平成ライダーに色んな変革を与えた鎧武、是非とも楽しんでよ!」
皆が鎧武に嵌りました!
次の作品を選んでください
あれはゲスト出演ですぐにいなくなってしまったから除外しちゃったんだよネ。でも言葉が足りなかったかな?
レギュラー出演の女性ライダー(正変身者)としては、鎧武のマリカが初だったはずだヨ。
……これで良いかな?
あれは同名のライダーが多数いる上に劇場版ではこれでもか! って出て来たからネ
バトライド・ウォーでも雑魚キャラとして大量に出て来たから量産型ライダーの枠に入れちゃったけど、少し違うのかな?
モノクマ劇場『女性ライダーの歴史』
モノクマ「はいは~い! オマエラ、元気にしているかい? みんなのアイドル、モノクマだよ!」
モノクマ「今日は、ボクが直々にオマエラに女性ライダーについて教授してやるから、しっかり聞くんだよ! 居眠りした奴はオシオキだかんね!」
モノクマ「……さて、それじゃあ早速始めようか。平成に入って一番最初に現れた女性ライダーは、仮面ライダー龍騎の劇場版に搭乗した『仮面ライダーファム』。演じたのは加藤夏希さんで、今でも初の女性ライダーの変身者として数々の番組に呼ばれることも多いからオマエラも知ってるんじゃないの?」
モノクマ「多人数ライダーであり、ライダー同士のコロシアイと言う今までの常識をぶっ壊した龍騎だからこそ出来た女性ライダーの登場。これにより、今後の作品にも女性のライダーが数多く登場することになるよ」
モノクマ「翌年の555ではベルトが移動した結果、敵や味方の女性が仮面ライダーに変身することもあった。でも、これはあくまでその場だけの変身……正変身者としてでは無かったんだよね」
モノクマ「その後も剣の劇場版で仮面ライダーラルク、響鬼の本編で朱鬼、キバ本編で麻生親子がイクサに変身した訳なんだけど……正変身者でかつ、TV本編で物語に継続的に出演するライダーでは無かった訳だ。じゃあ、その風潮が変わったのはいつか? はいここテストに出るよ!」
モノクマ「量産型では無く、物語に長らく関わった最初の仮面ライダー……それは、仮面ライダー鎧武に登場した【仮面ライダーマリカ】だろうね。マリカの変身アイテムは、それまでネットの受注販売限定だった女性ライダーの変身アイテムと違って、一般販売もされているよ!」
モノクマ「鎧武もまた龍騎と同じ多人数ライダー作品。それまでの常識をぶっ壊す作品って言う所も一緒。やっぱり、世界を変えるのは大胆な発想と恐れを知らない大人たちの無謀さなんだよね!」
モノクマ「その数年後、再びTV本編で物語に関わる仮面ライダーとしてエグゼイドで『仮面ライダーポッピー』が登場! ヒロインが変身する仮面ライダーとして話題を呼んだよ! オマエラもこれは知ってるんじゃないの?」
モノクマ「……とまあ、ここまで語って来た訳なんだけれども……実は、『TVに登場した女性ライダー専用の変身ベルト』ってまだ無いんだよね~。平成も19作品やってて、結構な女ライダーが出てるのに意外じゃね?」
モノクマ「来年で平成は終わっちゃうわけだし、ビルドや翌年の作品で初めての例が作られることを期待しておこうか。んじゃ、ボクはこれで帰るよ。ば~いくま!」
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーゴースト】
白銀「!?」
赤松「あ! また別の仮面ライダーだね! えっと……仮面ライダーゴースト?」
真宮寺「ゴースト……お化けの事かい? 実に興味深いネ……!」
百田「お、お化けっ!? な、なあ終一、この作品の紹介はまた別の機会にしないか?」
王馬「なっさけないなぁ、百田ちゃんは! 仮面ライダーなんだから、そんなホラーになるわけないでしょ?」
白銀「…………」
星「……おい、最原。なんだか白銀の様子が変じゃねえか?」
夢野「白銀もお化けが苦手なのかのぉ?」
東条「そうだったかしら? そんな素振りを見せたことは無かったと思うのだけれど……?」
白銀「う、うぅっ……! ゴースト、ゴースト……!」グスッ…
入間「って、いきなり泣き出したぞ!? 情緒不安定なんじゃないのか!?」
最原「あー、いや、その、うん……ゴーストは、色々と賛否両論と言うか、何と言うか……」
入間「え? 駄作ってことか?」
白銀「そんなわけないでしょ!? ぶっ飛ばすよ! オメガドライブで弾き飛ばすよっ!」
入間「ひぃぃぃっ!? なんかよくわからないけど、謎の迫力があるぅっ!?」
春川「はぁ……最原?」
最原「あ、うん……仮面ライダーゴーストは、18歳の誕生日に【眼魔(がんま)】と呼ばれる怪人に殺されてしまった主人公【天空寺タケル】が、ゴーストとなって現世に戻って来るところから始まると言う物語なんだ。デザインや変身プロセスも評判が良いんだけど……」
入間「それ以外の所が駄目なんだろ? やっぱ駄作じゃねえか! って、あいだだだだ!?」
白銀「この口かっ!? そんなことを言うのはこの口かぁっ!?」グイーッ!
入間「いだいっ! いだいぃぃっ! だずげでぐれぇぇっ!!!」ジタバタ!
王馬「……ゴーストはね、色々と惜しい作品なんだ。分かり易く言っちゃうと、『神作になる機会を逃した良作』って所かな?」
赤松「神作になれなかった……? それってどう言う事なの?」
最原「序盤のゴーストは、【眼魂(アイコン)】と呼ばれるアイテムを集めることを主体に物語が進んで行く。この眼魂は、15個集めることによってどんな願いも叶えられると言う能力を持っているんだ」
キーボ「ドラゴンボールみたいですね!」
最原「ただし、タケルがゴーストとして現世に留まれるのは99日のみ。その間に急いで眼魂を集めなきゃ、タケルは今度こそ本当に死んでしまうんだ」
王馬「だがしかし! 眼魂を狙うのはタケルだけではない! タケルの命を奪った眼魔たちも眼魂を狙っているし、謎の戦士【仮面ライダースペクター】も妹の復活の為に眼魂を集めているんだよね!」
最原「第一シーズンは、ゴーストが彼らと戦いながら英雄の魂が込められた眼魂を集めると言うものなんだけど……」
王馬「……話がワンパターンなんだよねぇ。毎回、新しい英雄の魂を発見してその眼魂を収集しようとする。でも眼魔が現れて……みたいなのの繰り返し。これが何回も続くから、いい加減飽き飽きしちゃってさ……」
最原「毎回出る新フォームもあまりぱっとしないと言うか、武器が変わっただけと言うか……」
王馬「スピィーディな展開は間違いなく素晴らしい物なんだけれどもさ、クリスマスに合わせてアイテムの登場を急がせ過ぎた感は否めないんだよね」
最原「続く第二クール、集めた眼魂を使ってスペクターの妹を蘇らせたことによって、スペクターの変身者【深海マコト】もタケルの仲間になった。彼と共に眼魔と戦い続けるタケルは、亡き父に言われた英雄の心を繋ぐ方法を模索し続ける……そんな中、新たなライダーである【仮面ライダーネクロム】が登場! ゴーストとスペクターを凌駕するネクロムに対し、タケルたちは協力して立ち向かう!」
夢野「おお! 本格的に物語が動き出したではないか!」
最原「夢野さんの言う通り、ここからゴーストのお話は動き出す。三人のライダーの戦いや眼魔の世界で動く敵幹部たちの様子も見れるようになって、お話は複雑化していくんだよ」
獄原「ここからがゴーストの本番なんだね! ここまで来ればもう安心……」
王馬「……CV・関智一」
白銀「ぐふぅっ!」ドサッ!
入間「し、白銀が倒れたっ!? どうしたんだよ、おい!?」
最原「……眼魂の中には数々の英雄の魂が存在している。大剣豪である宮本武蔵や発明王エジソン、学者であるニュートンや女王卑弥呼なんかのジャンルに捉われない英雄が多々登場するんだけど……」
王馬「それが全員、同じ声。み~んな、同じ人が声を当ててるんだよね!」
赤松「え……? そ、そうなの?」
白銀「うぅ……そこをケチるなよぉ……お陰で違和感がばりばり過ぎて気になってしょうじゃないじゃんかぁ……! おまけに第一シーズンで99日過ぎてるのにタケル殿ってば復活しちゃうし……【ヒーローは、一度死んで蘇る】ってこの時点で二回死んでるんですけど……?」
王馬「ちなみに後にもう一回、劇場版でも一回死んだみたいな扱いになってるから、実質4回は死んでるね!」
白銀「げふっ!」
赤松「し、白銀さ~ん!?」
最原「……とまあ、こんな風に命の切なさを描こうとしている割には主人公が何回も死んだり、ネタになってしまう要素にも事欠かなくってさ……」
王馬「第三シーズンでは眼魔を超える強敵【ガンマイザー】が出現! この強敵はゴーストの最強フォームでしか太刀打ち出来ない強さを誇っている!」
夢野「つ、強い敵が出ればお話は盛り上がるじゃろ! ここまで来れば大丈夫……」
天海「な、なんか、俺もオチが読めて来たっす……!」
白銀「……ゴーストの最強フォームでしか太刀打ち出来なくなっちゃった結果、今まで集めた英雄の魂も仲間になったスペクター、ネクロムの協力もあまり意味が無い物になってしまった……」
百田「能力インフレ系の話でよくある展開だな……」
王馬「その間に増えた様々な伏線も回収しきれず、結果としてVシネマや小説に持ち越し。ごちゃごちゃしたストーリーの粗が多すぎたって感じかな」
茶柱「なんと不憫な……」
キーボ「総合するに、ゴーストは駄作と言う事でよろしいでしょうか?」
王馬「何言ってんだこの鉄くず! お前、俺の最初の話を聞いて無かったのかよ!?」
キーボ「ええっ!? な、なんですか、王馬くん!? と言うより、ロボット差別は止めてくださ~い!」
白銀「……王馬くんが言った通り、ゴーストは沢山の問題点がある……でも、それをもってしても良作と言えるんだよ!」
最原「信じていた物や人に裏切られ、真実を知った登場人物たちが悩みながらも自分なりの決断を下して成長して行く姿は、観ている僕たちの胸を熱くするものがある。僕は、仮面ライダーネクロムの変身者であるアランが覚醒する話が大好きだよ」
白銀「たとえどんなに苦しくとも、辛くとも……その心のままに歩み続ける。あの話は熱さが半端無いよね」
王馬「ああ、あとさっき言った本編では回収しきれなかった伏線もVシネマや小説でしっかりと回収してるよ! 逆に、ここまで見ることでゴーストは完結するって感じかな!」
最原「本編、映画、Vシネマ、小説……この順でゴーストを見れば、きっとその魅力が分かる筈さ! 色々と惜しいけど、間違いなくゴーストは面白い作品だよ!」
赤松「なんだか最初はどうしちゃったのかと思ったけど……やっぱり仮面ライダーは面白いんだね!」
最原「好みの差はあるかもしれないけど、どれも面白い作品だと思うから観てみてね!」
最原「……これが最後の作品だ。ここまで僕の話を聞いてくれた皆に感謝の思いを込めて、しっかりと紹介させて貰おう!」
最原「これが僕の答えだ!」【仮面ライダーディケイド】
白銀「とうとう最後だね……しかも、この作品が最後となると感慨深いな……!」
王馬「俺もこいつは好きだよ! なにせ俺と同じ立場だからね!」
百田「なんだぁ? このバーコード顔は……?」
最原「平成ライダー10作品目にして、平成一期の最後を締めくくった仮面ライダー。その名もディケイド! その特徴と後に与えた影響の大きさから今でも知名度が高いライダーだよ!」
春川「へえ……これがねぇ?」
白銀「まあ、確かにぱっと見は百田くんの言う通りのバーコード顔だけど……ディケイドは本当に凄いんだよ!」
王馬「なにせ一人でクウガからキバまでの全部の仮面ライダーになれちゃうんだからね!」
赤松「え!? なにそれ、どう言う事!?」
最原「ディケイドは『カメンライド』と言う特殊能力を使う事によって、平成一期の仮面ライダー全ての力を使う事が出来るんだ! つまり、これまでのライダーが戦う姿をまた見れる作品ってことなんだよ!」
真宮寺「なるほどネ……クウガやアギトなんかの古い作品を今の子供が見ることが出来るし、当時のファンが改めて好きだったライダーの活躍を見ることも出来るってことだネ」
最原「そう言う事! しかも、作品の中にはオリジナルキャストも多数登場してくれてるんだよね。懐かしい顔ぶれを見ることが出来るのもディケイドの魅力の一つかな」
春川「へえ、そうなんだ……それで、ストーリーはどうなってるの?」
最原「うん! ……主人公『門矢士』は記憶喪失の青年。光写真館と言う写真屋で居候をして過ごしていた彼は、ある日世界を巻き込む大異変に直面してしまうんだ」
白銀「突如として歴代平成ライダーたちが戦って来た敵たちが無数に出現し、街やそこに住む人々を襲い始めた! 士は自分が仮面ライダーであることを前作の仮面ライダー、キバの主人公である紅渡から知らされ、そのままディケイドへと変身して悪役たちと戦う事になる」
最原「555や響鬼にカメンライドして何とか敵を倒した士だったんだけど……結局、世界の崩壊は止まることは無かった。渡とその仲間が世界の崩壊を食い止めている間に並行世界を旅し、その融合を防ぐと言う使命を任された士は、ヒロインの光夏海や彼女の祖父であり光写真館のオーナーである光栄次郎と共に歴代仮面ライダーのパラレルワールドを巡る旅に出た……と言うのが、ディケイド一話の大まかな流れだね」
夢野「なんか一話からいきなり超展開じゃのう」
王馬「ディケイドはお祭り作品としての側面が強い上に放送期間も短かったからね。ちょっと強引なストーリー展開も必要だったんだよ」
最原「士は、旅した世界に居る平成ライダーたちと時にぶつかり、時に協力し合って危機を打破して行く。その度に新たな力を手に入れ、強くなって行く訳なんだけど……」
白銀「……実は、ディケイドは世界の破壊者と呼ばれる存在でもあった。ヒロインの夏海も無数の仮面ライダーたちと戦うディケイドの姿を夢に見ている上に、旅先で出会う鳴滝という謎の人物がディケイドの旅を妨害して来ることも合わさってその恐怖感を強めて行くんだ……」
最原「果たしてディケイドは旅の果てに本当に世界の破壊者になってしまうのか? それとも、世界を救う救世主となるのか? ……それを見守る物語も、スリルがあって良いと思うな」
春川「力を得た先に何が待っているのか? か……なんか、深い気がするな……」
最原「ストーリー自体は二話完結のシンプルなもので、一つの世界でその世界で戦う仮面ライダーとのお話が繰り広げられることになっているよ。彼らと共に戦う中で士はその思いを知り、心を繋ぎ合わせる。そうして力を手に入れた士と仮面ライダーの織り成す最高の力が、『ファイナルフォームライド』さ!」
入間「ふぁいなる……? ええい、なんだよそれは!?」
王馬「ディケイドがその世界で手に入れた特殊なカードを使う事で、なんと! 歴代平成ライダーがその作品に登場したアイテムへと変身しちゃうんだよね! サポートメカになったり、武器になったり……その変形は多種多様!」
最原「例えばだけど、仮面ライダークウガは劇中で活躍した『ゴウラム』に変形したりするよ。他の仮面ライダーが何に変形するのかを予想するのも楽しそうだよね!」
春川「……オートバジン? いや、ファイズブラスターの可能性も……?」
獄原「う~ん……カブトさんって何かあったかなぁ?」
茶柱「色々とぶっ壊してる作品なんですねぇ……!」
最原「……ちなみになんだけど、ディケイドは後の作品にも多くの影響を与えたんだ。MOVIE大戦シリーズが始まったのはディケイドとWからだし、今はおなじみのオールスター映画も始めたのはディケイド。更に多くの本人客演を始めたのはディケイドだって言えるね!」
白銀「物語の後半にはまさかの人物とライダーが登場! お父さんも大喜びの演出と演技が見れるから、是非とも確認して欲しいな!」
最原「半年とちょっとと言う放送期間だったから話数も少ないし、歴代ライダーをディケイドで知ってからその作品を観るっていう逆輸入パターンもありだと思うよ」
王馬「なんにせよ、ディケイドはお祭り作品に相応しい豪華な作品に仕上がってるから、一見の価値あり! ってことだね!」
星「ふぅん……まあ、面白そうではあるな」
茶柱「歴代ライダー集結の劇場版は是非とも見てみたいです!」
最原「それじゃあ今から『オールライダーVS大ショッカー』を見に行こう!」
全員「おーっ!!!」
――最後の問題です。
本日、12月9日より公開された、レジェンドライダーも大活躍する映画のタイトルは何?
――ある日のAVルーム……
最原「そう言えば、最近白銀さんの姿を見ないなぁ」
赤松「皆で仲良く仮面ライダーを観れる様になったから、色々と話が聞きたいんだけど……どうしたんだろう?」
東条「あら? 彼女の研究教室には誰も居なかったのだけれど……?」
茶柱「えっ!? と、という事は、白銀さんが行方不明!?」
王馬「まさかどこかで死体になっちゃってたりして!」
夢野「んあ~! 縁起でもないことを言うでない! でも、本当に白銀は何処に行ってしまったんじゃ?」
白銀「お~い! 皆~!」タタタ!
最原「あっ! 白銀さん!」
赤松「良かった! 無事だったんだね!」
白銀「いや~、ごめんごめん! ちょっと野暮用があってさ……」
百田「あん? 野暮用って一体何だよ?」
白銀「これこれ! これを取って来たんだよ!」
星「これは……映画のフィルムか?」
天海「平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー? なんすかこれ?」
最原「え……? えぇぇぇっ!?」
赤松「うわぁっ!? さ、最原くん、いきなり大声を出してどうしたの?」
最原「な、なんでこの映画のフィルムがここに……? だってこれ、ついこの間公開された作品じゃあないか!?」
王馬「ほんの数日前に公開されたばっかりだもんね。当然、映像ソフト化なんてまだまだ先の話のはずだし……」
白銀「そりゃあ、東映の奴らとちょっとバトってちょろまかして来たんだよ! いや~、警備が厳重で大変だったよ~!」
夢野「泥棒では無いか!?」
白銀「そんな事は良いんだよ! 仮面ライダーが大好きになった皆と一緒にこの作品を観る為だったら、私は何でもするよ! さあ、早速皆で映画を観よう!」
赤松「な、なんて強引な……!?」
春川「……でもまあ、正直興味はあるかな」
王馬「にししっ! フィルムを取り返される前にさっさと観ちゃわないとね!」
白銀「そう言う事! それじゃあ、軽く本編のあらすじと内容をネタバレしない程度に紹介しておくね!」
最原「……この映画の物語は、エグゼイドの夏映画である【トゥルー・エンディング】から続いている。トゥルー・エンディングのラストでいきなり現れたビルドは、エグゼイドの力を奪ってそれをボトルにしてしまった。この一連の流れを夢に見た戦兎は、いつの間にか自分が入手していたボトルから『ドクター』と『ゲーム』のフルボトルを生成する」
白銀「それと時を同じくして敵が出現! ネビュラガスとバグスターウイルスが融合して生まれた『ネビュラバグスター』に苦戦するビルドは、先に手に入れた二つのボトルを使ってエグゼイドに変身、ゲームの力を使って敵を撃破する!」
王馬「しかし、そこに『レフトカイザー』と名乗る謎の敵が出現! カイザーは自身の発明品である『エニグマ』を使い、仮面ライダークローズこと万丈龍我を別の世界に飛ばしちゃうんだよね!」
最原「龍我が飛ばされたのは、永夢たちが活躍するエグゼイド(ビルド以外の平成二期のライダーたちが存在する)世界。そこでも出現していたネビュラバグスターたちに対し、ドクターライダーたちは懸命に戦いを続けていた」
白銀「何とかネビュラバグスターを退治したライダーたちだったんだけど……そこにもう一人のカイザーである『ライトカイザー』が現れ、ゲーマドライバーを使用不可能にしてしまった! しかも、永夢たちの頭上にはもう一つの地球が出現し、お互いに引き合い始める!」
王馬「カイザーたちの目的が『二つの世界をぶつけ合い、お互いに消滅させる』と言う事だと知った戦兎と永夢は、お互いにパートナーを入れ替えてその野望を阻止すべく立ち上がる! 残り24時間と言うタイムリミットの中、果たして二人は世界を救えるのか? レジェンドライダーと二つの世界を巻き込んだ戦いの火蓋が、今切って落とされた!」
春川「この映画を見る限り、やっぱりビルドの世界は今までの平成ライダーの世界とは別物だってことがわかるね」
最原「本編でもパラレルワールドってことが明言されてたし、これで確実な物になったって所かな?」
白銀「さて、この映画の感想なんだけど……滅茶苦茶面白かったよ!」
王馬「各レジェンドライダーの出番が少なめだったり、前作の様な全員同時変身が無かったのは残念だけど、それを補える程の演出と見所が満載! アクションシーンもド派手だし、小ネタも随所に含まれれてて見てて飽きなかったね!」
白銀「前作とは違い、一人、また一人と言う感じで登場するレジェンドライダーたちの活躍は少なくともきっちりとあったし、何より懐かしのキャストや変身シーンをまた見れるって言うのは長年のファンにはありがたいものだよね!」
最原「今回は、現行ライダーよりも過去作のライダーの活躍が目立った印象かな? 特にオーズファンは感涙ものの作品に仕上がっているから、是非とも観に行ってね!」
白銀「勿論、そのほかの仮面ライダーの活躍も存分に描かれているよ! そして最後にはちょっとしたサプライズと共に、今後のビルドに関する伏線も描かれているからそれも楽しみにしててね!!」
王馬「この映画を最大限に楽しむには、オーズ、フォーゼ、鎧武、ゴースト、エグゼイド、そしてビルドを映画も含めて全部観る必要があると思うけど……まあ、それをしなくても楽しめるから安心して良いよ」
最原「でも、分かる人には分かる小ネタも用意されているから、やっぱり観ておいた方が良いかもね! 取り敢えず、仮面ライダー最高! とだけは言っておくよ!」
――視聴終了後
赤松「いやー、面白かったね! ……って、ちょっと待って! 白銀さんはどうしてこのフィルムを持って来れたの!?」
白銀「あ、そこ聞いちゃう? 実はね……」
モノクマ「どれもこれもお前らのせいだよ!」
最原「う、うわぁっ!? も、モノクマ!?」
赤松「私たちのせいってどう言う意味!?」
モノクマ「それはねぇ――」
事情説明中……
最原「ま、まさか……そんな……!? 僕たちの生活が、全て外に放送されてただなんて……!?」
赤松「しかも、私たちの記憶は全て作り物……!? フィクションの存在になっちゃってたって言うの!?」
モノクマ「そうなんだよ! でもまあ、今はそんな事はさておき……何で仮面ライダーに嵌っちゃったのさ!?」
白銀「いや~、なんか良く分かんないんだけどそうなっちゃったんだよね~」
モノクマ「お陰で外の世界はダンガンロンパじゃ無くって仮面ライダーに夢中! コロシアイに誰も興味を持たない様になっちゃって、ダンガンロンパは打ち切り確定だよ!」プンプン!
獄原「え……? そ、そうなの!?」
夢野「と言う事は……ウチらは、外に出られるのか!?」
モノクマ「もう勝手にしちゃってよ……まさかの大コケをした以上、もう君たちを監禁する必要も無いしさ……ダンガンロンパV3はこれにて終了です、ご協力ありがとっした~」
赤松「や、やった……! なんかよくわからないけど、皆無事に外に出られる!」
百田「やったぜ! やった~っ!」
モノクマ「……まあ、ボクたちもこのままでいるつもりはないけどね」
最原「……え?」
モノクマ「ここまで負債を抱えたんだ、もう何も怖いものなんて無いさ! だったら、世の中の仮面ライダーブームに乗っかてやるよ!」
赤松「あ、あなた、何を考えているの!?」
モノクマ「今日より、チームダンガンロンパはその役目を変えます! コロシアイの仕掛け人から、世の中を大混乱させる悪の組織へと華麗なる大転換を遂げちゃうもんね! これからは大犯罪を起こしまくって、世界を滅茶苦茶にしちゃうぞ~っ!」
茶柱「そ、そんなのっ! 許せるはずがありませんっ! そんなバカげた考えは捨てなさいっ!」
モノクマ「やだよ~だ! これはボクたちを見捨てた世の中への復讐なんだ! ダンガンロンパをオワコン扱いしたことを後悔するが良いさ! あ~っはっは!」ピュ~ン!
春川「あ……行っちゃった……!」
夢野「こ、これからどうなるんじゃ……!? せ、世界は、モノクマたちによって支配されてしまうのか?」
東条「一介の企業であるチームダンガンロンパにそこまでの力があるとは思えないわ。でも、エグイサルの様な超技術を扱えるとするなら、決して軽視できる相手では無い事も確かね」
キーボ「そ、そんなぁ……!? それじゃあ、モノクマたちは本当に悪の組織として活動出来るってことですか!?」
星「もしそんな事が現実になったとしたら、多くの犠牲が出るだろうな。エグイサルレベルの兵器を大量生産なんざされたら、ちょっとした都市ならあっという間に崩壊するぜ」
天海「技術力が無い国、インフラが整ってない国なんかも危険っす。抵抗する術も、救助を求めることも出来ない……」
入間「い、一体、どうすりゃあ良いんだ……?」
赤松「……戦おうよ」
最原「えっ!?」
赤松「今、モノクマたちの企みを知っているのは私たちだけ……それに対処出来るのも私たちだけなんだよ! ここで迷っている間にも、モノクマたちは世界を混乱させる準備を整えてる。なら、私たちもそれに対抗する方法を整えて戦おうよ!」
獄原「で、でも、どうやってモノクマたちと戦うの? ゴン太でもエグイサルに勝つことは出来ないし……」
白銀「……ここの研究教室を使ったらどうかな?」
赤松「え? 白銀さん……?」
白銀「事態の発端を作った私が言うのもなんだけど、皆に植え付けた記憶は偽物でも才能は本物……当然、この才囚学園にある皆の研究教室にもそれに相応しい設備が整ってる。それを使えば、モノクマたちと戦える装備が作り出せるんじゃないかな?」
最原「……発明家としての才能を得た入間さんが装備を作り、茶柱さんや春川さんの様な戦闘能力が高い人たちが戦闘を行う……それなら、確かにエグイサルにも勝てるかも!」
キーボ「で、でも、それはかなり危険なことなのでは? モノクマたちと戦うってことなんでしょう?」
獄原「ゴン太は戦うよ! 世界中の皆のピンチを見過ごすなんて、紳士として許せない!」
茶柱「当然、転子も戦います! 転子の体と魂に刻み込まれたネオ合気道の技、モノクマたちに叩き込んでやりますよ!」
入間「へ、へへっ……! この美人過ぎる天才発明家である俺様を利用したこと、後悔させてやるぜ! それに、なんかこう、この状況には燃えるものがあるからな……!」
天海「俺も……俺に何が出来るかはわからない。でも、助けを求めて伸ばされた手を掴む事は出来ます……そこで手を伸ばさないと、絶対後悔すると思うっす」
星「ふん……俺の記憶が嘘だって言うのなら、犯罪者だって記憶も嘘なんだな? ……なら、好きに生きてみるか。手始めに、友と一緒に馬鹿げた祭りに飛び込んでやるとしよう」
東条「メイドの役目はお役御免ね。なら、今日からは……愛する皆の為に戦うとしましょう。私は、皆を愛しているから戦えるわ!」
夜長「もう、神様の声は聞こえない……でも、アンジーがしたい事は分かるよ。アンジーは、終一と一緒に頑張る!」 そう決めたのだ~!
王馬「にししっ! こんな面白そうなこと、乗らない訳がないじゃん! 悪の組織の総統として、ノーコンティニューでクリアしてやるよ!」
真宮寺「例えこの記憶が偽物だとしても、大切な人を失った時の胸の痛みは本物サ……こんな思い、世界中の誰にもさせちゃいけないよネ?」
キーボ「僕も……考えるのは止めましょう! ロボットとして、皆さんの友達として、僕も戦います!」
白銀「私も、元は敵の裏切り者だけど……でも、皆と一緒に頑張るよ!」
夢野「う、ウチも! ウチも戦う! 大切な皆と一緒に頑張るぞい! ここからが、ウチのショータイムじゃ!」
春川「まだ現実を受け止めきれてないし、悩んでる自分が居るのは確か……でも、迷ってる間に人が死ぬのなら、私だって……!」
百田「よっしゃあ! 才囚学園仮面ライダー部の旗揚げだ! 青春と友情パワーで、モノクマなんざぶっ飛ばしてやろうぜ!」
最原「皆……!!」
赤松「……テレビの中の様にはいかないかもだけど、同じフィクションの存在なら、皆で協力して何かに立ち向かうストーリーの方が良いよね! さあ、最原くん……キバって行こうか!」
最原「うん! 僕たち皆で、世界を守るんだ!」
モノクマ「う~ん! 実に計画通りに動いてくれてるよ! ダンガンロンパを廃止して良かったぁ~!」
モノクマ「……え~、という訳でも皆さま。今回をもちまして、ダンガンロンパV3は終了となります。次回からは、超高校級の才能を持った生徒たちが、悪の組織と戦う青春学園ヒーロー物語……名付けて、『仮面ライダンガンロンパⅤ3』が始まりますよ~!」
モノクマ「いや~、なかなか高視聴率が期待出来そうじゃない! どれもこれも仮面ライダーのお陰! やっぱり仮面ライダーは最高だね!」
――世界を滅ぼさんとする白と黒の悪の組織『チームダンガンロンパ』。超技術を用いて世界を混乱に陥れる彼らは、面白半分で世界を滅ぼそうとしていた!
そんな悪の組織に立ち向かう希望の戦士たち、『才囚学園仮面ライダー部』の戦いが今、始まる!
新番組『仮面ライダンガンロンパV3』 来週日曜日、朝9時から放送開始! 観なきゃオシオキだよ~!
安価で皆に仮面ライダーを布教する!……お終い
という訳で、今回も無事に終わりを迎えられたヨ。途中、所々更新出来ない事があってゴメンネ。
仮面ライダーには、文章に出来ない魅力と愉しみがある。僕が何時も言っている通り、最大の経験は体験すること……このssで仮面ライダーに興味を持ったら、是非とも実際に仮面ライダーを見てみてネ。
さて、僕は暫く研究に没頭することになりそうだから、また暫く消えるとするヨ。またいつかssを書く日が来るかもしれないから、その時はまた皆と愉しめると良いな。
じゃあ、またネ……!
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