高垣楓「不本意なんです!」 (17)

           ~事務所~

幸子「カワイイボクが帰ってきましたよー!!」ドアバーン

楓「あ、幸子ちゃん!ちょうどいいところに!」

幸子「え、楓さん?ボクに何か用ですか??」

楓「ええ、今日は幸子ちゃんに話を聞いてもらいたいの」

幸子「は、はい、今日はお仕事も終わったので少しなら構いませんよ。それでどんな話ですか?」

楓「私、不本意な扱いを受けていると思うんです…」

幸子「え、不本意?」



楓さんが幸子と一緒に不本意な問題について議論するお話です。SSは人生二作目。
キャラ崩壊、独自解釈、別事務所が出てきます。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1508226762

楓「幸子ちゃんは私の巷での印象がどんな感じか知ってるかしら?」

幸子「もちろんですよ!美しいスタイル、圧倒的な歌唱力、ミステリアスな雰囲気でシンデレラガールを勝ち取ったトップアイドルの中のトップアイドルです!でもいつかこのボクが追い抜かしてみせm」

楓「じゃあ、ゲームやSS内での私は?」

幸子「いきなりドメタな上に辛辣!?えーーっと、言いにくいですけど…結構お酒を飲む印象ですね…あとはダジャレを言う人ですかね」

楓「そこなんです!!」クワッ

幸子「わっびっくりした!ど、どうしたんですかいきなり!」

楓「『ダジャレばっかり言う人』、その扱いが不本意なんです!!」




幸子「ええ…(実際ダジャレばっかり言ってるじゃないですか…)」

楓「今失礼なこと考えませんでしたか?」

幸子「いえいえ、そ、そんな訳ないじゃないですか!」ブンブン

楓「むう…いいです、今日はみんなのそんな考えを改めてもらいます!そのために持ってきたのが…よいしょっと!」

ドサッ

幸子「ものすごく大きな荷物ですね…中身は…全部CD??」

楓「はい、これは様々な事務所からアイマス名義で発売されたCDのごく一部です」

幸子「こんなにあるんですね…でも、どうしてCDを?」

楓「それはこれを聞いてみれば分かりますよ、はい幸子ちゃん、これを流してもらえる?」

幸子「もちろん構いませんけど…これは『Star!!』ですね」

楓「あのジャケ写どうやって撮ってるんでしょうね」

幸子「マイペースすぎません?」

カシャッ、ウィーン…


~SAY☆いっぱい~輝く~


楓「はいストップ!!」カチッ

幸子「うわっ!急に大声出さないでくださいよ!」

楓「次に流すのはこれね」

幸子「どれどれ、これは響子さんの『恋のハンバーグ』ですね」

カシャッ、ウィーン…

~あなたに tiny tiny ~

楓「はああああいストップううう!!!!」カチッ
 
幸子「さっきより気合いがすごい!?」

楓「幸子ちゃん、もう分かったんじゃないかしら?」

幸子「ああ、なるほど…歌詞の言葉遊びってことですね」

楓「その通り、歌の中に響きの似た言葉を重ね合わせる行為、これは平安時代から用いられている高度な技術なんですよ!」

楓「同じ発音で違う意味の言葉を上手に川柳に組み込めるほどそれは『洒落てる』と見なされ、高い評価が付いたんです」

幸子「『Star!!』は『精一杯』と『SAY』を重ねていますね」

楓「『恋のハンバーグ』は『あなたに』と『tiny』の発音が似ているわね、ちなみにtinyは英語で『とても小さい』という意味よ」

幸子「(知らなかった…)」

楓「他の事務所の曲も聞いてみましょう」

~Sweet Sweet Soulの場合~

幸子「『ブリンブリンを付けてサタデーナイト どやどや!こりゃ正気の沙汰でない』という歌詞がありますね」

楓「Saturday night と沙汰でない…これはとても高度なテクニックね…」

幸子「楓さんなんかライバル視してません?」

楓「特に765の曲のタイトルにはこういう洒落た組み合わせが多いのよ」

楓「『アイ MUST GO!』『神SUMMER!!』などがその代表例ね」

幸子「『愛 LIKE ハンバーガー』なんてもう意味分かりませんもんね」

楓「そして極めつけはこれ!」

幸子「なになに…これは『WOW! I NEED!!~シンキングモンキー 歌唱拳~』ですね、双海真美さんの曲です」

楓「これは中国語の『我愛你(あなたを愛しています)』と英語をかけているんですね」

幸子「『アチョー!』って歌ってますしまあ確実ですよね」

楓「これ以外にも『侠気乱舞』やユニット名の『炎陣』など挙げだしたらきりがありませんが」

楓「つまりこういう言葉遊びは知識が豊富でないとそもそも理解できない場合だってあるんです!」

楓「ね?私が普段からダジャレばっかり言うキャラっていうイメージも皆さん改めるべきだと思いませんか?」

幸子「なるほど、言葉遊びは歌詞の韻を踏むためにも必要な技法であり、知性も要求される高度な技術、」

幸子「その点についてはボクも同意しても良いかもしれません」

楓「ね?ね?」








幸子「それではここでモバマスやデレステでの楓さんのダジャレを探してみましょうか」

楓「げっ、ちょっ、待っ」

~モバマス編~

「このステッキ、とても素敵…」

「バレンタインに呼ばれたいんですか」

「一杯と言わず、いっぱい飲みましょう」

「トレーニングで体が火照ったのでほたっての照り焼き食べたいですね」

「未成年は熱燗アカン…」

「ヴォーカルレッスンはゔぉーかりまっか?」

楓「やめて!立て続けにはやめて!」

幸子「デレステは…あんまり無いですけどやっぱりこれが酷いですね」


李衣菜「楓さん、ロックってなんですか!」

楓「54よ」





幸子「弁解の言葉はありますか?」



楓「」


楓「消えてしまいたい…」

幸子「他にも『焼酎もしょっちゅう飲むんです』『肴を逆撫で』『おちょこでちょこっとだけ飲みます』など、明らかにお酒にまつわるのが多いですね」

幸子「これは明らかに歌詞のような高尚なものではなく、その場のノリと勢いだけで飛び出すダメなシャレ、まさにダジャレです!」

楓「」ガーン

楓「で、でも幸子ちゃん、これとかも見て?」

楓が指差した先には『プロデューサーとならきっとスマイルのチャンスまいる』、『you gotta 夕方』など、なるほど確かに楓のダジャレにしてはマシな部類に、もしかしたら三流のラッパーならば用いているかもしれないフレーズが書かれていた。

しかし幸子は無言で『胡蝶のように…コチョコチョ』『ウイスキーがほんのすこっち効いてしまいました』などが書かれた当たりを指差して尚も続ける。

幸子「打率が低すぎるんですよ!数打てばいいと思ってるでしょう!平安時代の歌なんて一発勝負ですよ?最初が駄作ならもう聞いてもらえないんです」

幸子「いまの歌だってそうです!いかにキャッチーなタイトルやフレーズを出せるかの勝負なんですよ!」

幸子「なので楓さんのダジャレと同じ扱いを受けるのは歌の方が不本意だと思いますよ…」

楓「グスッ…何もそんなに言わなくても…」

幸子「な、何も泣かなくても…確かに言い過ぎたとは思いますけど…」

楓「ヒック…ヒック…」

幸子「ん?もしかして………やっぱり飲んでるじゃないですか!心配して損しましたよ!」

楓「だって…だって私も…真美ちゃんみたいなかっこいいタイトルの曲が欲しいんだもん…もうタイトル案も考えてるし…」ヒック

幸子「そうなんですか?良ければ教えてくれませんか?(嫌な予感がしますけど…)」











楓「『Seeking Sake(しーきんぐ せいく)』」

幸子「禁酒」

おしまい


こんなオチでごめんなさい、楓さん大好き、いつもギャグ言った後に「…ふふっ」って付けて楓さんの所為にしてごめんなさい。

ちなみに相方が幸子な理由は僕の持っているトリコロールSSRが楓さん、幸子、周子だったのでツッコミ要員として。

まあ今はどちらのユニットもメインではなく限定もりくぼのクール特化ユニットです。さようなら43000円。

それではさよならアンドロメダ聞いて寝ます、おやすみなさい。

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