女騎士「くっ……殺せっ!」悟空「なに言ってんだおめぇ。」 (660)

悟空「そんなことよりここどこだ?」

女騎士「(人間だと!?)助けっ……」

女騎士「……。(いやしかしこの砦は魔の森の霧深き場所だ。王国の強者でも容易に来れないハズ…だから私は人質のように連れ去られたのだった……つまりこやつは)」

悟空「なぁーって。」

女騎士「(醜きオーク共め。人間の姿を真似る魔術で私を追い詰めるつもりか!そうはさせるか)」

女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」


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女騎士「私はお前らなんぞに…屈指はしないぞっ!」

悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」

女騎士「だ、黙れ!貴様らがひん剥いたのではないかっ!」

女騎士「(そうだ……国王様より賜った鎧を盗られ魔王に献上するといって持って行かれた。)」

~~
オーク「ぐへへ。この鎧は魔王様に相応しい。」

女騎士「や、やめろおおお!貴様らが触れていい物ではないわっ!」

オーク「ぐへへ。繋がれてまだ生意気な口をきくか。」

ガシャガシャ

女騎士「っ……」

オーク「人間の女は裸になると黙るって本当なのな。ぐへへ」

女騎士「わ、私はお前らなんかに……」

オーク「ぐへへ。これを届けたらお楽しみだなぁ」

女騎士「(なんという下卑た笑いだ……うぅぅ…父上私はもう…)」

~~

女騎士「死してなお貴様らを葬ってくれようぞっ!」

悟空「よくわかんねぇけど、とりあえずこれ着とけよ?チチが女は寒さに弱いって言ってたからな。」

イソイソ

女騎士「チチ!?私の体は私のものだっ……貴様らなんぞに」

スッ

女騎士山吹色「……」

悟空「しっかし、めえーたっぞ。飛んでたら変な穴に吸い込まれちまってよ。早くしねーとタイムバーゲンが終わって怒られちまう。」

女騎士山吹色「(なんなんだこのオークは……)」

悟空「で。そろそろここどこか教えてくれねぁか」

女騎士山吹色「(敵ではない……?いやしかし……)」

おっす!mateの堀川の文字に運命を感じるぞ

女騎士山吹色「…ここはオークの砦だ。」

悟空「へえ?おーくのとりで?」

女騎士山吹色「貴様。オークでは無いのか?」

悟空「オラか?オラ孫悟空ってんだ。」

女騎士山吹色「ソンゴクウ。」

女騎士山吹色「……」ジー

女騎士山吹色「(なんと屈強な戦士だろうか。鍛え上げられた肉体は鋼のようだ)」

女騎士山吹色「(だが気を許してはいけない。奴らこうやって何人もの…くっ!)」

悟空「オラそのおーくのとりでっちゅーのは良くわかんねえからなぁ。」

悟空「さっきも占いババの所にいたアックマンみたいなのに聞いたらいきなり攻撃してきやがったし…さっぱりだ」

女騎士「(アックマン?どういうことだ?つまり悪魔族とは敵対しているのか?)」

悟空「んでウロウロしてたらおめぇが素っ裸でいるしよ」

女騎士「ソンゴクウ。貴様人間か?」

悟空「変な事聞くなぁ。オラサイヤ人だけどちゃんと地球育ちだぞ」

女騎士山吹色「ちきゅう?サイヤ人?」

女騎士山吹色「……ハハハハッ!正体を現したな!危うく騙されるところだった」

バサッ

女騎士「こんなものっ!」

女騎士「恐らくは魔翌力の篭った服であろう!」

女騎士「さぁ殺せっ!!慰みのもになるくらいなら殺せえええ」

悟空「ど、どうしたんだよ。落ち着けよ。ブルマよりヒステリックじゃねーか!?」

女騎士「うるさい!閃いたぞ。舌を噛むと[ピーーー]ると聞いたことがある。フフフ。フフフ。」

カツンカツン

オーク「騒がしいやつはどーこだ。ぐへへ。」

悟空「お?」

女騎士「(やつが戻ってきたか……)」

オーク「おっまったせっ。」

ゾロゾロ

女騎士「(4匹も引き連れてきたか……フフフ。死にゆく私をにはもはやどうでもいい)」

悟空「ところで。そんな死に方すると閻魔のおっちゃん手続き面倒って嘆いてたからやめた方がいいぞ」

女騎士「お前が我々の言葉を介さぬのはもはや周知。貴様ら近づいた瞬間に噛み切ってくれるわっ!」

オーク共「威勢がいいこと。この魔翌力の杖で……ぐへへ。楽しみだなぁ

オーク共「それはそれとしてまずはこの妙な侵入者を血まつりに上げてからだよなぁ。」

ジー

オークリーダー「まぁまて。のこのこ待っててくれたんだ。男は半殺しの後で見世物にしてやろう。」

女騎士「どういうこだ。お前も仲間だろう!」

オークリーダー「仲間だぁ?俺達が貧弱な人間を仲間にするって?」

ギャハハ

オークリーダー「お前の人生最後のギャグは最高にわらえたぞ」

女騎士「……」

  
悟空「なぁおめぇこいつらの知り合いか?」 

チラッ

女騎士「馬鹿なことを…この状況でそんなハズはなかろう。私は連れ去らてきたのだ。」

悟空「わりぃやつらってことか」

女騎士「(フッ。皮肉なものだもしかしたら問答などせず、助けてくれと頼んでいたなら違った結末があったのではないだらうか…)」

女騎士「ソンゴクウとやら。すまなかった」

オークリーダー「お別れはすんだかぁ?げひげひ。やっちまぇ!!」

女騎士「(せめてソンゴクウだけでも逃げれるようにせねば)」

女騎士「うおおっ!逃げろソンゴ……クウ?」

悟空「……」

シュンッ!!

オークの群「」

女騎士「……」

悟空「もうおしめぇか?動いた気がしねえぞ」

オークリーダー「ば、ばばばかな!?人間如きに!!岩より硬い俺達の身体だぞ!わけがわからねぇ!」

悟空「悪いことは言わねえ。こいつを開放してやれ」

オークリーダー「っ!?そ、そんなのさせるわけねぇーだろっ!!」

ダッ

悟空「そうか。」

シュン!バシュ

オークリーダー「」

女騎士「(な、なにが起こった?オーク共が急に倒れた?)」

悟空「悟飯もグレートなんとかって変な格好して懲らしめる気持ちがちっとわかったぞ」

女騎士「(助かったのか?……グレートなご飯?謝礼の要求だろうか)」

女騎士「(いやしかし)ソンゴクウ。」

悟空「ん?」

女騎士「お前は何者だ」

悟空「変なやつだなぁ。オラ名乗ったばかりじゃねぇーか」

女騎士「いやそうじゃなくて……」

悟空「まぁいっか。とりあえず外に出てーぞ。こいつら風呂へーってんのか。くせぇからよ」

スンスン

女騎士「嗅ぐな!」

女騎士「(こいつは敵ではない。そうだ。私は助かる)」

女騎士「(そうなる急に恥ずかしくなってきた……私裸じゃないか)」

イソイソ

女騎士山吹色「……」

悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」

女騎士山吹色「恩に着る…」

悟空「んでよぉ。どこ行けば良いんだ?」

女騎士山吹色「お前が来た道を戻ればいいんじゃないか?私はご覧の通り人質だ。内部構造も知らぬ」

悟空「オラは場所聞きに来ただけだからなぁ。まぁ上に行きゃいいんか」

女騎士山吹色「そういうことだ。」

~~
地下→一階

ヒソヒソ

女騎士山吹色「くっ!まだあんなに魔物どもが!ソンゴクウ見つからないように進むぞ」

悟空「おっ?そうか。厄介なことには慣れっこだけど流石に腹減るからな」

女騎士山吹色「腹って……」

女騎士山吹色「フフフ。ここから出られたら腹一杯の礼をしよう」

悟空「おっ?ほんとか!?オラ西の都でたらふく食うつもりだったからよぉ」

女騎士「西の都か…商業都市で盛んな街な。私も昔は父上に連れられて行ったものだ」

女騎士山吹色「それが今じゃ占領下に……」

悟空「おめぇもいく予定だったんか?」

女騎士「あぁ。我が騎士隊は都市開放の任で向かうところだった」

悟空「んじゃ西の都までオラが連れてってやるよ。人助けしてたっていやぁチチも納得すんべ」

~~

一階→出口

女騎士山吹色「ここまで来ればもう…私は生きて帰れるのだな」

悟空「おーげさなだなぁ」

女騎士山吹色「おおげさって現に」

グオオオオン

女騎士山吹色「!?」

悟空「なんだぁ?」

オークキング「逃さぬぞおおおお」

ズシンズシン

女騎士山吹色「っっ!あ、あんな奴がいたとは……」

ズシンズシン

オークキング「オマエらを生きて返すわけにはいかねえ!!」

悟空「うひゃーー!でっけぇーー!」

オークキング「俺様が魔王様より賜った城から人間を逃したなどど、あってはならぬ!」

女騎士山吹色「ここまできたのに。畜生!」

オークキング「アリが2匹。一気に踏み潰してくれるう!」

ズキャン

悟空「あぶねぇ!」

ドンッ

女騎士山吹色「!?」

ドサッ

女騎士山吹色「ソンゴクウううう!」

オークキング「グヘヘへ。一匹は逃したが一匹は俺様の足の下でぺちゃんこだ」

女騎士山吹色「そ、そんな……そんな……」

オークキング「さぁーって残り…うおおおおお!?なんだ!?足が勝手に!?!?」

ズオオオン

女騎士山吹色「!?ひっくり返った?」

土煙モクモク

悟空「ふぅー。急に来るんだもんなぁ。」

女騎士山吹色「ソンゴクウ!」

悟空「よぉ。でーじょぶか?」

女騎士山吹色「あ、あぁ私はおかげで無事だが…そのお前は…」

悟空「オラは平気だ。ちーっとびっくりしちまだたけどなンハハハ」

女騎士山吹色「そ、そうか。それは何より?」

オークキング「うつつつう…おのれおのれ!!」

グワン

オークキング「なんで生きてる!?なんでだあぁ!もう許さん!俺様の本気を見せてやる」

ウオオオオオオオ

女騎士山吹色「っ!」

悟空「いーっ!?」

オークキング真魔「フルシユユユユユユ」

女騎士山吹色「(こ、こんな化物相手に我々は戦いを挑もうとしていたのか)」

女騎士山吹色「(桁外れの魔翌力、桁外れの肉体、人間には到底勝てない!)」

オークキング真魔「フキドバジデヤル」

スウウウウウーーー

女騎士山吹色「あれは魔翌力の咆哮!もうだめだぁお終いだ……逃げられない……」

悟空「ひゃー!すげぇー力を感じるぞ!」

ワクワク

女騎士山吹色「ソンゴクウも恐怖でおかしくなってしまうか……」

悟空「かー」

女騎士山吹色「フフフ」

悟空「めー」

女騎士山吹色「出陣前に教会で祈っても所詮我々は抗えぬのだ」

悟空「はー」

女騎士山吹色「神の…」

悟空「めー」

キュイイイイン

女騎士山吹色「慈悲はない!!」

オークキング真魔「ズアアアアアアアアアアアア」

悟空「波アアア!!!!」

カッ

女騎士山吹色「フハハハハ……はぁ!?」

オークキングは砦城ごと吹き飛んでいた

悟空「ふぅ。人造人間みたいに力を吸い取られてたけどな」

イエーイVサイン

女騎士山吹色「……」

悟空「流石に今ので疲れちまったぞ」

女騎士山吹色「ソウカ。ソレはタイヘンだな。うん。タイヘンだ……」

バタッ

悟空「お、おめえでーじょぶか!?なぁおい!?」

女騎士山吹色「……」失神


ナレーション「はてさて異世界にやってきた悟空と女騎士の出会い。これから先一体どうなることやら」

オッス オラ悟空!
また見てくれよな!

おしまい。

読んでくれてありがとう
ごめんなさいまだ終わってません

~~
モワモワモワモワ

ピッコロ「孫。聞こえるか。」

女騎士「な、なんだ!?声が頭に響いてくるぞ」

ピッコロ「孫?いや違うな。お前は誰だ。」

女騎士「ソン?ソンとはなんだ!」

ピッコロ「デンデ、本当に孫に繋がっているのか?」

デンデ「そのはずですが、おかしいですね。悟空さん聞こえますか?」

女騎士「な、なんなんだいったい!」

デンデ「もしかして悟空さんとこの女性の精神が混濁しているのかもしれません。どうしましょう……」

ピッコロ「全く。落ち着きがない奴め。孫悟空という者に出会ったらこう伝えるんだ」

ピッコロ「ドラゴンボールの1つを探せ」

女騎士「ドラゴン?」

ピッコロ「ドラゴンボールだ。いいか必ずだぞ」

デンデ「ピッコロさんもう少し言い方を」

ピッコロ「占いババが時間がないと言っていだろ」

デンデ「で、ですがこう――」

女騎士「お、おい!?私にどうしろと?」

女騎士「おい!!」

モワモワモワモワ

~~

女騎士山吹色「はっ!!」

ガバ

女騎士山吹色「……私は一体…ここは…」

悟空「いよぉ。目が覚めたんか」

夜のタキギ

女騎士山吹色「……お前は確か」

悟空「おめぇいきなりぶっ倒れちまうんだもんな。オラ焦ったぞ」

女騎士山吹色「…ソンゴクウ…か。そうだ!あれからどうしたんだ」

キョロキョロ

悟空「うぉーし、もういいな」

女騎士山吹色「な、なんだその生き物は」

悟空「何って魚だぞ。」

女騎士山吹色「いやいやいや。4メイルの魚なんて見たことない……」

悟空「つってもよ。こいつしか食えそうなのいなかったしなぁ。食うか?」

女騎士山吹色「……」グゥ

女騎士山吹色「いただこう」

モグモグモグモグ

悟空「食う元気あるなら、でーじょぶだな」

女騎士山吹色「……私は魔の砦のオークキングから出るときに倒れたんだな。ここは確か。魔の森か」

悟空「そうそう。んでよぉ人里に向かってたんだがよ。全然森からでれねえわ、腹減るわで」

女騎士山吹色「そうしてキャンプを張ったというわけか」

悟空「おかしなところもあるもんだな。それに気を感じねぇ」

女騎士山吹色「キ?……」

女騎士山吹色「ここは魔の森。霧深きところだ。入ったら二度と出れぬと言われている魔族の土地」

悟空「上にも行ったが天地がひっくり返ったみてえーになるし。オラお手上げだ」

女騎士山吹色「木を登って確かめたのか。無駄なこだ。魔翌力を帯びた土地は人間には不利になる。……なるほど、ソンゴクウ。お前の言う通り木の息吹を感じないな。」

悟空「おっ!おめえ気わかるんか?ビーデルのやつが聞いたら驚くぞ!ンナハハハ」

女騎士山吹色「ふっ。私は騎士だが多少魔術をかじっているからな」

悟空「へぇ!修行すりゃいい線いくんじゃねーか」

女騎士山吹色「修行か、そうだな。もっともっと私は強くなりたい。それに、いつか地上よりはるか空にあるという天空城に行くのが私の夢だ」

悟空「てんくうじょう?カリン様のところか、神様の神殿みてえなところか」

女騎士山吹色「カリン様は知らぬが、そうだな神がいると言われている場所だ。叡智の力を授けてくれるとの話。まぁ伝説の類だな」

悟空「それならオラが今度案内してやんぞ」

女騎士山吹色「ハハハハ。いいんだソンゴクウ。私を担がなくても。夢見るお嬢様と言われてこのかた数年だ。」

女騎士山吹色「だがこんな世の中だ。夢を見るくらいは甘えさせてほしいと私は思う」

悟空「いいんか?ミスターポポの修行はけっこう効くんだけどな。ちなみに超神水ちゅーのはオススメしねぇーけど」

女騎士山吹色「フフフ。ソンゴクウの夢もなかなか凝っているな‥」

女騎士山吹色「……ん?夢?」

悟空「どした?」

女騎士山吹色「いや、夢と言えば何か…」

女騎士山吹色「だめだ思い出せない」

女騎士山吹色「大事な何か……」

女騎士山吹色「いや何でもない。」

悟空「そうか」

女騎士山吹色「まぁともかく、夢の話なんて聞いてもらったのは久々だった。尊厳はもとより生命の危機を救ってくれたソンゴクウに改めて礼を述べよう。」

女騎士山吹色「ありがとう」

悟空「いいっていいって!それにオメェと約束したしな」

女騎士山吹色「腹一杯食べさせる か」

悟空「ンナハハハ!期待してっからよ!」

女騎士山吹色「フフフ。さて、夜も更けてきたことだ。脱出は魔の力が低下する朝にしよう」

悟空「おう」

zzZzzZ

~~

翌朝 霧深き魔の森

女騎士山吹色「(思えば寝食を共にした男はソンゴクウが初めてではないのか……)」

女騎士山吹色「(えーい!馬鹿な。朝から私は何を考えているんだ)」

悟空「ほっほっほっ」

シュバ!シュババババ!
シュン ババババ

女騎士山吹色「……(速すぎてよくわからないがきっと)」

悟空「オッス」

女騎士山吹色「訓練か」

悟空「サボると鈍るからな。欠かさねぇーんだ」

女騎士山吹色「(ソンゴクウの力の源はこういう積み重ねか)」

女騎士山吹色「確かに」

女騎士山吹色「それでは出口を探そう」

悟空「そういやオメェ道わかるんか」

女騎士山吹色「ここの一帯の主は昨日。ソンゴクウが屠ったから、私でも大丈夫だ。任せよ!」

―森―
―森―
―森―
―森谷―
―森―
―森―

~~

魔の森 出口

女騎士山吹色「ハァハァ…ソンゴクウ見ろ!やったぞ!」

悟空「すげぇーぞ!森なのに谷底に進んだ時は流石のオラもおかしいと思っちまった」

女騎士山吹色「くっ!そんな時もあるっ!」

女騎士山吹色「そ、そうだ!もしかしたら私の隊がまだ駐屯しているかもしれない!」

ダッダッダッダ

女騎士山吹色「あっ!!」

悟空「おっ?」

女騎士山吹色「おぉーい!!お前達っ!おぉーーい!」

姫騎士隊「!?あ、あれは隊長!!」

姫騎士隊「隊長おおお!」

ドッドッドッドッ

女騎士山吹色「やったぞソンゴクウ!私達はこれで本当に助かったんだ!」

悟空「良かったな!」

女騎士山吹色「あぁ!」

ドッドッドッドッ
ゼンタイ トマレーイ

副隊長「隊長!ご無事で……!?」

ザワザワザワザワ

女騎士山吹色「ん?…あぁ!副隊長。私はこの通り無事だ!心配をか」

副隊長「な、なんというお姿……ど、とんな辛いめに……」

女騎士山吹色「ど、どうしたんだ?私は別に」

副隊長「いいえ。いいえ。何も仰られるな…」

副隊長「そのようなボロ切れ一枚のお姿…」グスン

副隊長「えぇい!早く隊長に着るものを!」

姫騎士隊「はっ!!」

ザッザッザッザッ
アレヨアレヨ ト

女騎士「……」

副隊長「さっ!早くお屋敷へ帰りましょう!」

副隊長「そして傷を癒やしましょう」

女騎士「い、いやそれよりもだな」

チラッ

悟空「」ポツーン

女騎士「あの者を案内してもらいたいのだが」

副隊長「……」

ジッ

副隊長「……そうでした」

副隊長「そこの者、着いてくるがいい」プイ

悟空「なんだかわかんねぇーがそうさせてもらうよ」

副隊長「さっ。行きましょう隊長」

女騎士「あ、あぁ……」

女騎士「(何か妙な?)」

~~

女騎士の邸宅


女騎士私服「命の洗濯というのだろうか」

お風呂でサッパリ

女騎士私服「生きているを実感した気持ちになれるな」

侍女「お嬢様、本当に心配したんですよ?」

女騎士私服「あぁ。すまなかった。」

女騎士私服「ところでソンゴクウはどうしている?不都合はないだろうか。命の恩人なんだ」

侍女「……お嬢様」

女騎士私服「どうした?」

侍女「その…申し上げにくいのですが…あの者は魔の眷属の疑いがありとの事で王都へ連行となりました」

女騎士私服「馬鹿な!なんだそれは!!」

女騎士私服「いったい誰がそんなことを申した!!」

侍女「き、祈祷師様にございます」

女騎士私服「祈祷師だと?……そんな者がいつ」

女騎士私服「いや、今はそれよりもだ」

ダッ

邸門

女騎士私服「ソンゴクウ!待ってろいろよ!」

パカラッ

悟空「なんだ出んのか」

女騎士私服「……」

パカ…ラ

女騎士私服「なぜ居るのだ」

悟空「飯ご馳走してくれんだろ?オラ朝から何も食ってねーからよ。」

女騎士私服「…まぁそのつもりではあるが、いや、待て待て」

女騎士私服「(整理しよう。)」

女騎士私服「ソンゴクウ。貴様は魔の者……ではないよな」

悟空「よくわかんねーけど違うと思うぞ」ウンウン

女騎士私服「すまない。ただの再確認だ。本気で思ってはいない」

女騎士私服「こんなところで何をしているんだ?」

悟空「あいつ等のことか?」

ただの妙な連中「」

悟空「おめぇの知り合いか?いやははは。や!悪気があったんじゃねーぞ!そのな、チーーっとばかしすっ転ばしまって」

女騎士私服「おお…」

バッ

ただの妙な連中「」ピクピク

女騎士私服「(い、生きてる)…いや知らない輩だ」

悟空「そか。いきなりオラに馬車に乗れって」

~~

妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」

悟空「飯食ってからじゃ駄目なんか?」

妙な連中「お前に審判を下すために連れてゆく。乗れ」

悟空「だけどよぉ。あいつ食わしてくれるって」

妙な連中「逆らうか。ならば強制。」

悟空「めぇーったなぁ。通じてんのか不安だぞ」

ポリポリ

妙な連中「……」
オシタリ ヒイタリ

びくともせん

悟空「乗ってもいいけど後じゃダメ……なんだよなぁきっと。」

妙な連中「……」スッ

魔翌翌翌力のナイフ

悟空「ンッ!」シュン

パシッ

妙な連中「!?」

悟空「流石にそいつは危ねえ気がする。悪く思うな…よっと!」

バシュン

~~


悟空「ってな。」

女騎士私服「なるほど。そこにあるナイフはもう力がないが魔道具だ」

女騎士私服「それにこやつら」

ただの妙な連中「ウーン」

女騎士私服「伸びてはいるが傀儡の力を感じる」

悟空「ふーん?」

女騎士私服「つまり、操られていたということだ」

悟空「ひぇそんなこと出来んのか」

女騎士私服「祈祷師か」

女騎士私服「……なるほど。フフフ。奴らはソンゴクウに目をつけたようだな」

悟空「いぃ!?あいつ等のみたいになっちまうってのか?オラいやだぞ」

女騎士私服「早々に見つけ出してやる!」


ナレーション「勘違いな会話を続ける悟空と女騎士。そんな二人は無事森の抜けたのだったが、出たのもつかの間、謎の祈祷師が何やら暗躍している様子。悟空は元の世界へ帰れるのだろうか」

オッス オラ悟空!
女騎士はなんか妙にやる気だし、オラはどうすればいいんかわかんねぇーぞ!

読んでくれてありがとう
通りで翌とかついちゃう訳だった……ありがとう!

牽制として真っ裸みても悟空は興味無しのつもりです
女騎士は女だし脳内お花畑になるかもしれません!

女騎士私服「さぁソンゴクウ、私がいない数日の間で、屋敷にまんまと取り入った祈祷師やらを探そう!着いてくるが良い」

悟空「邪魔してもいいんか?」

女騎士私服「そなたが狙われているのだ。なるべく一緒の方がいいだろう。」

悟空「そんなら、一個ばかしおねげぇがあんだが」

女騎士私服「願い?」

悟空「オラ腹へっちまて、そうだ!別にただでなんて言わねーからなぁ!オラに出来ることならなんでもすんぞ」

女騎士私服「全く……自分が狙われてるというのにノンキな奴だ」

女騎士私服「しかし確かに森を抜けてからもう大分時刻を回っていることだしな」

女騎士私服「(食事ついでに屋敷の者に聞くか)」

~~
女騎士 邸宅

女騎士私服「約束だったな!ソンゴクウよ。遠慮なく食べてくれ」

悟空「いっただっきまーーっす!」スゥ

………
……

給仕「あ、あのぉ~お食事中に申し訳ありませんが…そのぉお嬢様…」

女騎士私服「……」

悟空「うぉ~んめぇー」ガツガツガツ

悟空「!!」カッ ガツガツガツ

悟空「スープおかわりいぃ!」

悟空「おっといけねぇ。チチに他所様のところでは紳士にって言われてたんだわ」

悟空「ゴホンッ。も、もう一皿いいんか?」

チラッ

女騎士私服「……あぁ。……なんなら他に追加させようか?ハハ、なんて」

悟空 ニコッ

女騎士私服「な…追加か。追加なんだな」

女騎士私服「…」チラッ コクン

給仕「か、かしこまりました」

~~

厨房

給仕「つ、追加ですぅ!」

料理長「へっ!長年努めて来たが、ここまで食べてくれるとはありがたいねぇ!」

~~

………

女騎士私服「すまないが、直ぐには出来上がらないので、ちょうど良い機会だ。ソンゴクウお前の事を尋ねてもいいだろうか」

悟空「ん?オラに何を聞きてぇーって?」

女騎士私服「ふむ。」 チラッ

執事「かしこまりました」スッ タイセキ

女騎士私服「ソンゴクウ。貴方は何者なのだ?いや、そもそもどこから来たのだ。確か西の商業都市に向かうつもりだったのだろう?」

悟空「オラ、チチに頼まれて西の都のバーゲンセールに買い物に行く途中だったんだ。まぁもうおせぇーから、終わっちまってるぞ。」

女騎士私服「占領下にある都市で買い物……」

女騎士私服「……。産まれはどこだ?」

悟空「パオズ山でオラ育ったぞ」

女騎士私服「ぱおずやま?」

悟空「おう。しらねーんか?ここからだと……たぶん、ずっと東の方向だと思うだけどよ。」

女騎士私服「地図を持ってこよう」

……


女騎士私服「大陸地図だ。ここが我が父の領土になる」

悟空「んぅー?なんだこりゃ」

女騎士私服「ソンゴクウ、貴方がいう東はここの辺りだろうか」

悟空「いや、オラ知らねぇ。それになんて書いてあんのかも読めねぇーぞ。記号か?」

女騎士私服「?」

悟空「?」

女騎士私服「……この本のタイトルを読めるか?」

悟空「わかんねぇ」

女騎士私服「(簡単な公国語のはずだが)」

女騎士私服「(記憶が……というわけでもない)」

女騎士私服「(大陸外から来たというのか?しかし言葉は通じているのはどういうことだ)」

悟空「世界は一通り見た気がすんだが、ここは知らねぇぞ」

女騎士私服「ふむ。謎だ。少なくとも私にはパオズ山という地名は聞いたのこともない。そもそもタイムバーゲンとはなんだ」

悟空「服とかほーせきが安く買えるってやつだぞ」

女騎士私服「戦火で高騰している今、そんな酔狂な店主がいるのだろうか…いや、大陸外から危険をおかして買いに来るなどすでにか……」


女騎士私服「ちなみ西で一番の商業都市は地図ではここだ」 スゥ

悟空「んー見覚えねぇ」

女騎士私服「そうか……ソンゴクウ。1つをわかったことがある」

悟空「おっ?」

女騎士私服「貴方の存在が謎という点だ」

悟空「??」

女騎士私服「仮に大陸外の東に戻ったところで、貴方の知っている場所はないだろう」

悟空「いぃ!?…めぇーたなぁ。オラ帰れねぇんか」

女騎士私服「いや、私も混乱していたが、確か穴に落ちたとか言っていたな」

悟空「おう。飛んでたらな」

女騎士私服「そうそれだ。事故か…何かの拍子で崖から落ちた時に魔の歪を通ったと思われる」

悟空「海の真上だったと思うんだがなぁ。」

女騎士私服「?ハハ。海の上に崖は存在しない。衝撃でその辺混濁しているのだろう」

悟空「身体は頑丈な方だと思うんだがなぁ。」

女騎士私服「跳んでいたのだろう?」

悟空「飛んでたな」

女騎士私服「……」

悟空「……」

女騎士私服「ともかく、魔の歪を通って何処から来たという話しだ、帰れるとしたらまた同じ場所に向かうしかないが、しょっちゅう出くわすものではない」

悟空「帰れるんか?」

女騎士私服「可能性の域だがおそらくな」

悟空「そっか。探すきゃねぇーな」グゥ

女騎士私服「……ノンキ過ぎな腹だな」

悟空「ハハハ」

トントン オリョウリ デキマシタ

女騎士私服「だそうだ」

悟空「待ってました!」

………
……

料理長「……もう腕が上がらねぇ…へへっ見ろよ…俺の指…痙攣してんだろ?」

料理長「前パーティで20人前作って自信で俺は自惚れていたのかもな……」

料理長「明日、旦那様帰って来る間に戻ってることを神に祈るよ……」

バタリ

料理人「料理長おおおお!」

……
………

悟空「ごっつぉさん!いやぁ食った食った!」

女騎士私服「まるでドラゴンのような胃袋だな…」

女騎士私服「…ドラゴン。?」

~~
女騎士執務室

女騎士私服「執事よ。確認したいことがある」

執事「なんでございましょう」

女騎士私服「ソンゴクウの連行は正式なものではないよな?」

執事「はい。急ぎ使いを出した、ところそのようです」

女騎士私服「だろうな」

女騎士私服「(そもそもオーク共に捕まった時点で生きて帰れぬだろういた私だ……)」

女騎士私服「(それがこのような急に手が回るとなると、砦の生き残りが先回りしたという具合か)」

執事「いかがいたしますか」

女騎士私服「父上に相談したいところだが、ソンゴクウをなんと紹介すべきか……」

執事「お嬢様の隊の皆さまがおっしゃってましたが、その…破廉恥な格好でお帰りなされたとか」

女騎士私服「くっ、屈辱的なことを言うな!……むしろソンゴクウの道着(と言っていたな)がなければ私などすでに尊厳を無くしていたわ!」

執事「いや、我々は信じてますから問題ないのですが、旦那様のお耳に恐らくは届くのも時間の問題かと……」

女騎士私服「ふ……む。いや成ればこそ、ソンゴクウがいなければ尚のこと私は…」ブルブル

女騎士私服「あっ。そうだ、借りた道着はどうした?」

執事「お嬢様がお持ちでは?」

女騎士私服「帰ってきたとき隊の服であろう。あずかっておらぬか?」

執事「いえ。」

女騎士「そうか……」

女騎士「(隊のものが預かっているのだろうか。……)」

モワモワモワモワ

悟空「??なんでもいいけどよぉ。おめぇそんな格好で寒くねぇのか?」

女騎士「こんなものっ!」

女騎士「恐らくは魔力の篭った服であろう!」

女騎士山吹色「……」

悟空「ハハ。やっぱりさみーんじゃねーか」

女騎士山吹色「恩に着る…」

モワモワモワモワ

女騎士私服「……」

執事「お嬢様?」

女騎士私服「いや。なんでもない。」

女騎士私服「それで留守の間に来たという祈祷師の情報はどうなっている」

執事「それが、どうも祈祷師なるものの家に私兵を向かわせたところもぬけの殻でございまして、近隣にも訪ねましたが、そもそも数年空き家との話でございます」

女騎士私服「やはりか。おのれ」

女騎士私服「父上かお前が応対していれば、正式なものかどうか確認できたものだが、その点はどうなっているか」

執事「はっ。旦那様はお嬢様が捕まったと聞き王都へ向かわれまして、私は近隣諸侯に兵を挙げて頂くよう御用を仕っておりました。」

執事「ですから、その際は……」

女騎士私服「どうした」

執事「侍女が会っていたとのことにございます……」

女騎士私服「……本当か…?」

執事「直接はまだ確認してませんが、万が一を考えてメイド長に遠まわしに確認の段階です」

女騎士私服「…そうか」

女騎士私服「ご苦労であった。この件は私が預かろう。休んで良い」

執事「かしこまりました」

スッ

女騎士私服「ふぅ。侍女がか。長年そばに居てくれたあの者が。いや早計だな。ソンゴクウでこりたろう。早とちり」

女騎士私服「今はそう思おう。」

ポツポツポツ

女騎士私服「雨か。……荒れそうだな」

………
……

客室 IN

悟空「zzzZ」ゴガガガ

悟空「zzZ」ガゴーアゴゴガガ

侍女「……」

侍女「貴方は悪魔…」

侍女「お嬢様をたぶらかす悪魔ッ」

侍女「魂を縛る悪魔をこのツルギで刺せばお嬢様は解放される…」

スッ
ブルブル

侍女「(い、いくら人の形を取ろうが、この人は悪魔なのよ)」

侍女「(お嬢様の為。お嬢様の為ッ!!)」

侍女「えいっ!!」

ズシャ!!

……
………

~~
モワモワモワモワ

ピッコロ「おい女。聞こえるか」

女騎士「……」

キョロキョロ

ピッコロ「聞こえていたら返事をしろ」

女騎士「…どこかで聞き覚えがあるような」

ピッコロ「チッ。俺はピッコロという。孫。孫悟空には会えたか?」

女騎士「そうだ!お前は前に夢で語ってきた奴だな!お前、いや前は二人いたな。何者だ!」

ピッコロ「……やかましい奴め。二度も説明する気はないが、重要なことだ。孫悟空に会えたか答えるんだ」

女騎士「仮に会えたらどうしようというのだ!」

ピッコロ「ふん。つまり会えたのだな。遠回しはよせ。で、ドラゴンボールを追えと伝えたか?」

女騎士「くっ。」

女騎士「……ドラゴンボール?」

ピッコロ「……」

女騎士「あっ!!夢やらドラゴンで引っかかったのはそれか!」

ピッコロ「この女…。夢で、しかもお前だけしか俺の声が伝わらない。いいか覚えておけ。『ドラゴンボールを追え。そうしないと悟空は帰れない。』」

女騎士「帰れない?」

ピッコロ「そうだ。鍵はドラゴンボールの一つだ。何かの拍子にそっちに転がり込んだりようだ」

女騎士「ドラゴンボールとはなんだ?」

ピッコロ「その辺は孫に聞け。俺からの伝言と言えば伝わる。」

女騎士「……」

ピッコロ「今度は目が覚めても忘れるなよ」

女騎士「ぜ、善処する」

モワモワモワモワ
~~

~~

女騎士寝間着「……」ウウーン ノビノビ

ザァザァ

女騎士寝間着「外は雨か」

女騎士寝間着「夢で……伝、言。ドラゴン、ボール」

女騎士寝間着「ソンゴクウに。」

女騎士寝間着「ピッコロ」

女騎士寝間着「はっ!そうだ!」

メモメモ

女騎士寝間着「ソンゴクウが帰るためには『ドラゴンボールを追え』『一つ』『ピッコロ』だ!」

女騎士寝間着「シャキッとしないと!」

……

ダッダッダッダ

トントントントン!

女騎士私服「ソンゴクウ!入るぞ!いいか!?急ぎの用だ!」

ガチャ

悟空「……」

女騎士私服「ソンゴクウ、ピッコロというものから言伝が」

悟空「……」

女騎士私服「ソンゴクウ?」

ザァザァザァザァ


ナレーション「状況が少しわかってきた悟空ではあるが、自体は刻々と変わっていく。思い出した女騎士はピッコロからの伝言を悟空に伝え、悟空は行方知らずのドラゴンボールを追うことができるのであろうか。」

オッス オラ悟空!

ようやくオラがどうなっちまっているかわかってきたきたけど、オラの知ってる場所がねぇーってまじぃぞ。

それにオラが寝てる間にてぇーへんなことになっちまってるしよぉ

頼むぞ女騎士!

女騎士私服「ソンゴクウ?」

悟空「……」

タッタッ

女騎士私服「腕、腕に……あ、ち、赤い…ち、血が……」ブルブル

女騎士私服「なにが、何があった……」

女騎士私服「(落ち着け!)…風の精と水の精よ!かの者の傷癒やしたまえ!」

キュワキュワキュピーン

女騎士私服「だ、誰か!!誰か来てくれ!」

~~

………
……

お抱え医師「お嬢様のお力で傷は問題ないのですが……」

女騎士私服「ど、どうしたというのだ!」

お抱え医師「目が覚める気配がないのでございます」

女騎士私服「……」

お抱え医師「呪いの可能性がありますなぁ」

お抱え医師「…寝ているときに何か痛みがあった場合普通なら起きますよね?」

女騎士私服「あ、あぁ…」

お抱え医師「また、仮に真夜中に襲われていた場合、今と言うことは、失血死でもおかしくはない」

女騎士私服「!?ソンゴクウは息をしているのであろう!?」

お抱え医師「えぇその点は大事ありません。不思議なことに、先程見分致しましたところ、さほど血が出ておらぬ様子」

女騎士私服「そ、そうか……」

女騎士私服「(私は気が動転していたのか)」

お抱え医師「寝相はまぁさておき、起きて抵抗した様子もないし、荒された様子もない」

女騎士私服「つまり刺された瞬間に呪いが発動したというのだな……」

お抱え医師「わしの見解ですが。可能性は高いかと」

女騎士私服「どのような呪いかわかるか?」

お抱え医師「専門家に見せればわかるやもしれませんが、わしには判断がつきませんわい」

女騎士私服「…承知した…」

~~

女騎士私服「……呪いか」

女騎士私服「くそっ!」

侍女「……お、お嬢様、そのようなお言葉、はしたないです!」

女騎士私服「あぁ…すまない…」

女騎士私服「(一体誰かこのようなことを)」

女騎士私服「(祈祷師か…いやしかし門番はもとより巡回すら何も聞いていないと言う)」

侍女「……お嬢様ご気分は…その、いかがでしょうか…」

女騎士私服「気分か……見てわかろう…」

侍女「さようで…ございますか」

女騎士私服「(気分か。呪いの程度が分かれば少しは検討もつくというのに)」

女騎士私服「…お前は昨夜何か見たり聞いたりしていないか?」

侍女「い、いえ私は特に…何も……」

女騎士私服「そうか」

女騎士私服「(医師は確か物盗りの類ではないと言っていたな)」

女騎士私服「(致し方ない)」

女騎士私服「お前こそ気分が優れない様子だな。何か悩みがあるのか?」

侍女「い、いえ!私…特に、大丈夫です」

女騎士私服「そうか」

女騎士私服「ソンゴクウの呪いについて、このまま行くとどうなると思う?」

侍女「わ、私にはさっぱりです!」

女騎士私服「なに、ただの考えだよ。閃きがないだろうかとな。なんでもいい。言ってみてくれないか?」

侍女「…し、素人として思いますに…目覚めぬ呪いなのではないでしょうか」

女騎士私服「目覚めぬ呪いか。なるほど…。」

侍女「でも、き、きっと違いますよ!」

女騎士私服「目覚めぬ呪いならば、昔本で読んだことがある。その解呪方もな」

侍女「…えっ…」

女騎士私服「なんでも古来からの伝統的な方法だそうだ。皆知っているのではないだろうか」

侍女「わ、私には検討もつきません」

女騎士私服「こんな話だよ」

……


『昔々、それはそれは美しいお姫様がおりました。』

『聡明でいて、誰にでも優しいお姫様は国王様、お妃様はもちろん、国中からも愛されていました。』

『ある時、噂を聞きつけた隣国の王様より、息子である王子との縁談の話が来ました。』

『お会いになるや、二人はお互い惹かれ、恋をしました。』

『互いの国同士は幸せそうな二人を祝福し、結婚の準備を始めたのです。』

『ある時、お姫様のところに手紙と一緒に1つの贈り物が届いたのです。』

『内容は"幸せになれる果実が手に入りました。僕らの先に幸多きことを祈って ―王子より―"でした。』

『お姫様は嬉しくなり、贈り物である果実を一かじり。』

『するとどういうことでしょうか、お姫様はそのままお倒れになったのです。』

『皆は慌てて介抱しますが、一向に目が覚めません。それは姫様が口に果実に眠りの呪いがかかっていたからです。』

『王様は隣国に言いましたが、そのような物は贈っていないとのこと。』

『あらゆる手を使いましたが、みるみる弱っていく、お姫様。』

『そんなある晩、疑いをかけられていた王子様が内緒でお見舞いに来たのです。』

『そしてお姫様の様子を見て嘆きました。』

『何ということだ愛しい姫よ。そなたの声が聞きたい、そなたの笑った顔が見たい。』

『愛しい姫よ。目を開けておくれ――』

『王子様は奇跡の魔法を使ったのです。』

『それは恋せる二人だからこそ使える魔法。』

『愛しき者から愛しき者への"口づけ"という名の魔法でした。』

『そっとくちびるを離すと、お姫様は目を覚まされたのです。』

『おぉ姫よ。』

『暗い暗い夢より覚まさせてくれたのは、やはり貴方様だったのですね。愛しの王子様。』

『お目覚めになったお姫様より、王子様の疑いは晴れました。』


『お互いの国同士、力を合わせて調べたところ、果実を贈ったのはどうやら王子様に密かに恋をしていた、魔女だったのです。』

『お姫様は言いました。』

『貴女も恋をしたのですね。ですが、その方法はいけません。正々堂々と勝負なさいませ。』

『お姫様の口添えにより魔女の罪にはならず、やがて改心した魔女は、お姫様と友達になり、お姫様と王子様の結婚式の際は、大いに幸せの魔法を使い盛り上げました。』

『めでたしめでたし』


……

女騎士私服「という話しだよ。幼き頃一緒に聞いたではないか」

侍女「……」

女騎士私服「どうだろうか。私でも試してみる価値は」

侍女「い、いけません!!」

女騎士私服「…しかし、あてがないからなぁ」

侍女「そ、それにお話の中だけでございましょう!う、感染る呪いだったら大変です!」

女騎士私服「……なるほど。そうだな感染る可能性を考えいなかったよ」

侍女「え、えぇ!お止めになってください!」

女騎士私服「ハハハ、本気に取るな」

侍女「わ、私少しは御用を思い出しました!失礼します!」

女騎士私服「あぁ。」

ガチャ
タッタッタッタッ

女騎士私服「……」

女騎士私服「執事よ」

スゥ

執事「なんでございましょうか」

女騎士私服「頼みを聞いてくれ」

執事「何なりと」

女騎士私服「まず父上の足止めと、それから――」

~~
夕刻

執事「た、大変だ!皆来てくれ!!」

バタバタバタバタ

メイド長「そんなに慌ててどうしたっていうんだい」

侍女「な、なにかあったのですか?」

料理人「どうしたんです?」

料理長「なんでぇ?珍しく大声なんて挙げて」

私兵達 ザワザワザワザワ

執事「そ、それが……お嬢様を呼びにお部屋に行ったのですが、居なく、ソンゴクウ様のところかと行ったら……」ワナワナワナ

執事「お、お嬢様も…お嬢様もお倒れに……なっておりました…」

ザワザワザワザワ

侍女「そ、そんな……」

メイド長「なんてことだよ…」

料理長「おいおいおい!どーすんだよ!?」

執事「今医師が診ております。……ですが、おそらくソンゴクウ様と同じ症状かと。」

執事「それと不思議ことに傷がないとの事です」

私兵「き、傷ってあのお客人のようなのですか?」

執事「えぇ。医師が言うには伝染かもしれぬと」

料理長「こ、こんなこと言っちゃならねぇが俺たちはその……」

執事「ご懸念はもっともです。良いですか?遅れていらっしゃる旦那様には私からご相談に参ります。」

執事「皆さんはそれまで、絶対にお嬢様のところへは向かわぬようお願い致します」

ザワザワザワザワ

~~

客室 夜 IN

女騎士私服「……」

悟空「……」

侍女「こんな……こんなことって……」グスッ

ユサユサ

侍女「お目を、お目を開けてくださいまし……」

ユサユサ

女騎士私服「……」

侍女「私がよ、よけいな事を…言ったばかりに…」グスッ

侍女「目覚めぬの呪いだなんて……」グスッ

侍女「……」

侍女「待っててくださいね…私が、私が…」キッ

ガチャ
タッタッタッタッ

女騎士私服「……」

スウゥ

お抱え医師「ふぅーむ」

お抱え医師「もうええようです」

女騎士私服「……」スクッ

女騎士私服「行った……か」

お抱え医師「どうしますかね」

女騎士私服「私が先行する。念のため皆に退避を」

悟空「……」

女騎士私服「待っていろよソンゴクウ」

~~
地下の荷物屋

侍女「出てきて!」

影「……」

侍女「出てきなさい!いるんでしょ!!」

ブォン

祈祷師「私に何用ですかねぇ?ソンゴクウは息絶えましたか?」

侍女「どういうことよっ!貴方の言う通りしたのに!」

祈祷師「はてさて?なんのことですか?」

侍女「とぼけないで!あの人…ソンゴクウをツルギで傷つければ、お嬢様の悪魔に魅入られた魂を解放できるんじゃないの!?」

祈祷師「そうでございますよ?何か不都合がありましたか?」

侍女「お嬢様は暗くなる一方よっ!そ、それに呪いはお嬢様にまで感染るなんて聞いてない!」

侍女「今すぐ呪いの解き方を教えなさいよ!」

祈祷師「はて?……感染る?」

侍女「そうよ。お嬢様はソ、ソンゴクウと……お嬢様をもとに戻してっ!」

祈祷師「状況が飲み込めませんが、そうですか。そうですか。お嬢様は眠りになられたのですか」

ケケケケッ

祈祷師「ヒャーハッハッハッ!」

侍女「!?」

祈祷師「これはこれは好都合!笑いが……ケーヒャヒャヒャ!止まりませんなぁ!」

ドロン

侍女「きゃ……」

コウモリ公爵「おっと!笑い過ぎて変身が解けてしまいましたよ!ケッケッケ」

コウモリ公爵「……貴女の役目はもう終わりですよ」

コウモリ公爵の目が妖しく光る

侍女「あ、…悪魔…だったのね」


コウモリ公爵「ここにきたあの男は未知なる者。魔王様の邪魔になる力を持っているからなぁ…。あの者を封じるには、やはり周りから囲わなくては叶いませんからねぇ」

コウモリ公爵「知ってます?あの男は不潔なオークキングを一撃で倒したんですよ?」

コウモリ公爵「いやはや、俺様もあれには驚きましたよ」

コウモリ公爵「もしかしたら世界の救世主になったかも知れませんねぇ」

コウモリ公爵「おっと!こんな事を言ったら魔王様に怒られますねぇ!」

コウモリ公爵「あっ!内緒ですよ?」

コウモリ公爵「え?喋っちゃう?ケーケッケッ」

コウモリ公爵「ざんねーん!貴女は今から口が聞けなくなりまーす!」

バサハザハサ

コウモリ公爵「俺様に食われるからさあ!!」

グアァン

侍女「キャーーーー!!」

スゥゥゥ

女騎士「!!」

ガキンッ!!

コウモリ公爵「なっ!?」

女騎士「……」

侍女「お、お嬢……様っ…」

女騎士「さすが、私の侍女だ。奴を足止めばかりか正体をさらけ出させるとはな」フッ

コウモリ公爵「なぜお前がここにいる!」

女騎士「立てるか?」

侍女「は、はい。で、ですが呪いは……」

女騎士「話は後だ。下がっていろ!」

侍女「!」コクン

コウモリ公爵「騙しましたねぇ!」

女騎士「騙すだと?どの口が言うか」

コウモリ公爵「キィエエエエ!」

女騎士「ハァァ!!」

カキン!ガキン!

コウモリ公爵「キィイイイ!」

ギャリン

コウモリ公爵「チィィ!脆弱な人間め!オーク共に捕らえられていたのが嘘のようだぜ!!」

女騎士「どうした!段々と口調変わってきているぞ!!」

ハァァァ セイヤァ
グワッ

コウモリ公爵「忌々しい忌々しい!!」

コウモリ公爵「王都攻略までとっておきたかったが……」

コウモリ公爵はみるみる姿を変えた

コウモリ大公爵「シヤァァァァァ!!」

女騎士「醜悪なっ!だが貴様にはお似合いだっ!」

デイリャァァ

コウモリ大公爵「カッ!!」

首から下げているの赤い玉が光る

ドクエキ

女騎士「くっ!」

スッ スッ

女騎士「せいやぁぁ!」

バシュン

コウモリ大公爵「グギギギギッ」

コウモリ大公爵「チョロチョロチョロと!」

赤い玉が光る
ドクエキ

コウモリ大公爵「ガッ!!」

バシャ

女騎士「くっ……!」

侍女「お、お嬢様!」

女騎士「し、心配無用…だっ!」

女騎士「み、水の精よっ!」

キュワキュワピキーン

コウモリ大公爵「ガッ!!」

赤い玉が光る

バシュンバシュン

女騎士「土と風の精よっ!!」

ボウフウヘキ

女騎士「水の精よっ!」

コウモリ大公爵「グへへへ!いつまで持つカナ!」

赤い玉が光る
バシュンバシュンバシュン

女騎士「くっ!!」

侍女「(このままじゃいけない!お嬢様が!何とかしなくちゃ…何とか…ッ!)」

ダッ!

女騎士「馬鹿者!前に出るな!」

侍女「アレをなんとかしなくちゃ!」カチャ

コウモリ大公爵「先に逝きたいようだなぁ!」

赤い玉が

侍女「えぇぇぇい!」
宝物 トウテキ

砕け散る

コウモリ大公爵「な!?!!小癪なまねを!」

グオン

侍女「キャーーーーッ!」

侍女は壁に吹き飛ばされ

女騎士「危な――」

シュン

女騎士「あぁっ」

侍女「ッ――」パチクリ

コウモリ大公爵「クソックソォォォォ!!後少しだったのに!!お前ェェェェ!」

悟空「よぉ。間に合ったみてぇーだな」キン

悟空「よっとっ」
ストン

悟空「平気か?」

侍女「あっ…と…は、はい」

悟空「おめぇもでーじょふか?」

女騎士「あ、あぁ。ソンゴクウ目が覚めた…んだよな」

悟空「おう。なんでかわかんねぇーが、パッとな、おかげで全快だぞぉ」

悟空「そしたら、おめぇの気と大きな気がぶつかり合ってるし、瞬間移動してこりゃ正解のようだな」

コウモリ大公爵「グギギギギィ」

悟空「前の奴のみてぇな感じだな。悪さしてるちゅーのは間違いねぇな」

悟空「ちとばかし、し過ぎたんじゃねーかおめぇ」 ギュイン

コウモリ大公爵「グ、グアアア」

トッシン

悟空「フンッ!」ドスン

悟空「うりやあぁあ!」ガシッ ブンブンブンブン

バッコーーーン

悟空「いけね!天上ぶっ壊しちまった!」

女騎士「天上など構わぬ!」スチャ

女騎士「トドメは私がつける!」キュイイン

女騎士「焔を剣に!」

女騎士「波アアア!」

ボッ

コウモリ大公爵「――!!」シュ

~~

翌日

侍女「申し訳ございません!!」バッ

悟空「いいっていいって!おかげでオラ、グッスリ眠れたしよぉ」

侍女「しかしそれでは……」

女騎士私服「ソンゴクウ、皮肉に聞こえるぞ」

悟空「これならどうだ?」
シュババババババ

悟空「な?全快してんだろ?」

女騎士私服・侍女「……」

女騎士私服「すまないが、正直言おう。速すぎて見えない」

悟空「かぁ!」

女騎士私服「私からも、ソンゴクウ。すまなかった」

悟空「もう勘弁してくれよぉ」アセアセ

ピコン

悟空「オラ閃いたぞ!そんなに言うなら、おねげぇが――」

女騎士私服「飯食わせろ」

悟空「ありゃ?ンァハハハハ。バレてら」

女騎士私服「ということだ。命令だ侍女よ!」

侍女「は、はひぃぃぃ!」ペコ


ナレーション「潜んでいた祈祷師、もといコウモリ公爵を女騎士と復活した悟空が見事に蹴散らし、万事解決したわけだが、肝心な事をやはり忘れている女騎士。そして、コウモリ公爵が洩らした王都攻略とは?はたして」

オッス オラ悟空!

オラが眠ってる間にそんなこと起こってたんか。全然気づかなかったぞぉ
まっ!おかげでまた飯にありつけちまったけどよ

ん?王都へ行く前に女騎士の親父がオラにあいてぇーんか

~~
領主部屋 夕刻

女騎士私服「この度は都市開放作戦の任を与えられたにも関わらず、私情に駆られ単身によるオーク共への突撃、あまつさえ返り討ちにあい、おめおめと捕まる始末、お家に、そして父上の名に傷をつけ――」クドクドクド

領主公「……」

女騎士私服「重ねて屋敷内への魔族の侵入の件にて発生しました、屋敷の損壊、並びに非常時とはいえ希少な宝物の破壊につきましても――」クドクドクド

領主公「ウォッホン」

女騎士私服「本屋敷の委細について既にお聞き及びかと存じますが、侍女は私を思っての行動、責任については主として、いや友人として――」クドクドクド

女騎士私服「父上ご心配をおかけいたしました」バッ

ヘイフク

領主公「(ほんと、もうそればかりわしは気が気じゃなかった!!)」

領主公「………あぁ」キリッ

領主公「(しかし、相変わらず堅いのなよなぁ。もっと砕けた間柄になれんかなぁ)」

領主公「(天の国にいる妻よ、わしは娘の教育をどこで間違ったのだろうか)」

領主公「(それによりにもよって姫騎士隊だよ)」

領主公「(あんのわがまま姫。誰か好き好んで愛娘を戦場に送るかっての!)」

領主公「(他パパさんだが巻き込んで断固反対したのにさ)」

領主公「(王家の印発動だって。命令は絶対よって…はぁ……)」

領主公「(もう娘に辛い思いはさせまい)」

女騎士私服「……」 ヘイフク

領主公「(おっといかん)」

領主公「面をあげよ」キリッ

女騎士私服「はっ。」

領主公「休んでよいぞ」イゲン

女騎士私服「……父上」

領主公「なんだ」

女騎士私服「その……」

領主公「申してみよ」

女騎士私服「やはりソンゴクウと共に――」

領主公「ならーーん!!ならぬぞ!!」

女騎士私服「で、ですが、かの者がいなければ、ここは元より、オーク共やコウモリ公爵の魔手の被害は拡大し、領民にも伸びていたことでしょう!騎士として無下にするなど」

領主公「(そんな現状はわかっかとるわっ!わしが言いたいのはっ!)」

領主公「そなたはなんだ?」

女騎士私服「わたし?」

領主公「そなたは、騎士である前にわしの娘である。この意味がわかるか?」

女騎士私服「?」

領主公「公爵家の令嬢の自覚はないのか問うておる!それにお前はもう姫騎士隊ではないわっ!」

モワモワモワモワ

~~


邸宅内パーティー広間

ダッタッタッタッタ
ガチャ

領主公「娘よっ!無事かっ!?」

悟空「ンムッ!!」ガツガツガツガツガツガツ

侍女「つ、次いきまーーっす!」

悟空「オォォォ!」ガツガツガツガツガズルズルツガツ

料理長「おらおら!早く材料持ってきやがれってんだ!」

料理人「ただいまっ!」

悟空「おはわひっ!」ズルズルズゾオオオオオ

執事「お嬢様っ手が止まってますぞっ!」

女騎士コック「す、すまぬっ!」

メイド長「追加の材料届きましたよっ!」

料理長「お嬢様それじゃ焦げちまうよっ!ほらどいた!」

女騎士コック「くっ!!」

侍女「あぁ、空きのお皿がそこを尽きそうです!」

メイド長「参ったねぇ……空いた皿をまわすよっ!持っておいで!」

女騎士雑用「ま、任せよっ!」

ソウゼン アゼン

領主公「な、なにごと……だ…」

私兵「こ、これは旦那様っ!おかえりなさいませ!」トンテンカンテン

領主公「……お前は何をしているのだ?」

私兵「はっ!我々はお屋敷の修繕ですっ!」
トントントントン ギコギコ

領主公「……してあれらは」

私兵「はっ!ソンゴクウさんのお料理と我々も途中つまめるようにとのご配慮です!」

領主公「??」

ウオーイ ハヤク モッテコーイ

私兵「今行くっ!それでは旦那様失礼しますっ!」 

ダッタッタッタッタ

領主公「意味がわからない……」

カツカツカツカツ

領主公「執事よ」

執事「こ、これは旦那様お迎えに上がらずに申し訳ございません」

領主公「よい。この騒ぎはなんだ?屋敷は無事なんだろう?そ、それに」チラッ

女騎士雑用「あ、あぁしまっ――」

ガッシャーーーン

侍女「お、お嬢様っ!お怪我は!?」

悟空「でーじょぶか!?」

メイド長「全く何やってんだい!皿減らしちゃもともこうもないじゃないさっ」

女騎士雑務「す、すまぬ」シュン

領主公「(あぁ愛しの娘よっ!生きててわしはわしは……!)」

執事「詳しくは後ほどお嬢様よりお話するそうにございますゆえ」

執事「今は感謝も含めた、ソンゴクウ様へ料理をお出ししているところございます」

執事「また、お屋敷の修繕もしなければなりませんので兵達も都度食べられるよう、ここで作り、ここで提供させていただいております」

領主公「ふ……む。まぁ、理に適ったようではあるが、いささか品位に欠けるのではないか?」

執事「申し訳ございません。お嬢様よりどうしてもと」

領主公「あやつが」


ツカツカツカツカ

領主公「娘よ。息災だったか」ヘイゼン

女騎士雑用「……私のせいで皿が…」サッサッサッサッ

領主公「……」

女騎士雑用「余計な手間が……フフッ。私にはゴミ処理がお似合いだ」チリトリ サッサッサッサッ

領主公「(おぉ……聞く耳持たずネガティブ独り言を言うのは死んだ母にそっくり……まさしく我が娘ェ)」

トントン

女騎士雑用「……ん?」チラッ

領主公「うんむ」コクリ

領主公「元気そうだな」

女騎士雑用「ち、父上っ!」

バッ!バッ!

女騎士私服「お見苦しいところをっ」

領主公「良い良い」

領主公「お前は何をしているだね?」

女騎士私服「はい。実はですね色々積もる話が――」

チカクニイタ ヘイシ

休憩中私兵「なぁ聞いたか?お嬢様とソンゴクウさん出会い」モグモグ

私兵「なにそれどんな?」ヒョイ パク

休憩中私兵「それが姫騎士隊の人から聞いたんだけど、お嬢様行方不明になってたって話だろ?」

休憩中私兵「オーク共に捕まってて、ひどい拷問中だったそうだ」

休憩中私兵「んで、あられもないお格好をしたお嬢様をこうっ、ばびゅーーんとお救いになられたのがソンゴクウさんだってよ。そんで決め台詞!」

『俺が来たからもう安心だ』

休憩中私兵「もう感極まって胸に飛び込んだってよっ~くぅ!ソンゴクウさんうらやましいな!」

私兵「ばびゅーーんってなんだよ、そこ重要じゃん!ってかお嬢様超元気じゃん!」

休憩中私兵「俺も聞いただけだしさぁ。本当だったら健気だよなぁ……後でそこんとこソンゴクウさんに聞いてみようぜっ」モグモグ

私兵「ったく噂好きだなお前は」

テクテクテクテク


領主公「(えっなにそれ)」

女騎士私服「――という次第であり、ソンゴクウは私の」

領主公「(あ、あらあらあら、あられもない?)」

女騎士私服「父上?聞いておられますか?」

領主公「(ご、ごうもん!?えっ?)」

領主公「(危機ハ二人をチカクシタ)」カッ

領主公「ソンゴクウとやらに会ってくる」

女騎士私服「では私がご紹介しま」

領主公「お前はここにいなさい」
 
領主公「(辛い思い出になるやもしれんっ!)」

ツカツカツカツカ


領主公「キミがソンゴクウくんか」

悟空「ンぅ」ゴクゴク

悟空「オッス」

領主公「ハジメマシテ、この屋敷の主だ」スッ

悟空「お、おう。ごちそうになってんぞぉ」スッ

アクシュ アクシュ

領主公「率直だが、娘と最初に会った時にどういう状況だったのか教えていただこう」クワッ

悟空「最初?おぉ。そだなぁ~」

悟空「やったら怒ってな」

悟空「殺せなんてオラに頼んでくるしよぉ」

領主公「……。(じ、自暴自棄…いや。待て待て待て待て)」

領主公「そ、それで」

悟空「オラそんな事したくねぇし、あそこが何処知りたかっただけだったんがな」
 
悟空「んでもアイツ話なんだか聞いてねぇみてぇで参ったぞ」

領主公「あ、アイツ……」

悟空「そんで悪ぃ奴らってのが来たからオラがやっつけちまった。ってこんなんでいいんか?」

領主公「そうかそうかそうか!君はすぐに駆けつけて来てくれたのか!いやぁなんという勇敢な」ホッ

悟空「すぐかどうかわかんねぇが、あっ!」

領主公「どうしたぁ!」

悟空「そういやぁオラの道着返してもらってねぇーや」

領主公「?」

悟空「アイツ、裸だったんで寒そうでオラの貸したまんまだぞ」

領主公「」フラッ

悟空「おめぇ、とーちゃんならアイツに言っといてくれねえ」

領主公「」バタンキュー

悟空「お、おい!」

ザワザワザワザワ

メイド長「だ、旦那様ぁ!!」

………
……

女騎士私服「貴方は父に何を話したのだ?」

悟空「おめぇのとーちゃんがオラと会った時にのこと聞いてきて話ただけだぞ?そしたら急によぉ」

悟空「おめぇらソックリだな」

執事・メイド長・侍女
ウンウン

女騎士私服「……どこを見てそう思ったのだ」


領主公「う、うーーん……」ハッ

女騎士私服「父上!」

領主公「娘よ……」

女騎士私服「急にお倒れになられて……どこか具合が悪いのでございましょうか?」

領主公「……」ブワッ

領主公「つ、辛い思いを」ウッ ウッ

領主公「辛い思いをしたのだなぁ」ダキッ

女騎士私服「!?」アタフタ

女騎士私服「み、皆の前です!」

領主公「死んだ妻になんと申せばッ!!」ギュ

領主公「もうお前は休んでよいのだ…休んでよいのだよ」ウオーーン

女騎士私服「急にな、何を」

領主公「……決めたぞ」


ハナシテクダサイ

領主公「執事よ」

執事「は、はい」

領主公「娘の任を解く。至急国王様へ除隊の旨を伝えよ」

ヨイッショ

女騎士私服「な、なに仰られる!」

領主公「お前は黙っていなさい」ギン

女騎士私服「!?!?」

執事「しかしそれでは」

領主公「あのわがまま王女のことは気にするな」

女騎士私服「父上!」

領主公「……」無言の圧力

執事「…かしこまりました」

タッ


領主公「ソンゴクウくん」

悟空「お、おう…」

領主公「娘を取り返してくれて感謝する」

悟空「いいって」

領主公「それで君はこれからどうする?」

悟空「そうだなぁ。オラ帰るために、こいつが言ってた魔の歪ちゅーの探すぞ」

領主公「魔の歪を?ふむ……」

領主公「魔術についてはわしの知り合いに詳しいのがおる。紹介状を仕立てよう」

悟空「ほんとかぁ!助かるぞぉ」

領主公「あぁ。その者は王都へ住んでおる。行くがいい」

悟空「でもオラその王都ってとこわかんねぇーぞ」

女騎士私服「……王都」


女騎士私服「……王都」

女騎士私服「(理由はわからぬが、除隊の件止められるかもしれない)」

女騎士私服「私が」

領主公「ならんぞ!ここから出ることを許さん!」グワァァ

女騎士私服「な、何故ですか!?」

領主公「これは命令だ。ソンゴクウくんには別の者が王都まで案内する」

女騎士私服「くっ……」

領主公「話は以上だ。ソンゴクウくん後でわしの部屋へ来るが良い」

バッ タッタッタッタッ

女騎士私服「なんなのだ!いったい!」ダンダン

侍女「いつになくご立腹でしたね」ブルブル

メイド長「アタシもここ数年見たことなかったよ」

女騎士私服「話をしてくる」

メイド長「お嬢様お言葉ですが、時間を置いた方がいいってもんだよ」

女騎士私服「…わかった……」

女騎士私服「しかしいきなりの除隊勧告、それにソンゴクウの案内すらできず、家にいろとは納得ができない」

女騎士私服「(父上はいったいどうなされたのだ……)」

モワモワモワモワ

~~ 

領主部屋 夕刻

領主公「お前が立派に姫のためにと騎士の勤めを果たしていたことも知っておる」

領主公「だが、わしの娘でもある。つまりゆくゆくは婿をとりこの家を守っていくことにも繋がる」

女騎士私服「……」

領主公「一人娘のお前を失ってしまってはどうなるか。わかるな」

女騎士私服「……」


領主公「都市開放など、本来ならばお前が行くことはない」

領主公「敵に捕まったらどうなってしまうか、もう身を持って知ったことだろう……」ウッ

領主公「(いかん涙が)」キッ

領主公「十分役目を果たしたのだ。後の者にたくすがよい」

女騎士私服「父上……父上はそのようなことを」ワナワナワナワナワ

領主公「(父の気持ちわかってくれたのか)」

女騎士私服「父上は私を政治の道具としてしか見ておられぬのか!!」ダンッ

領主公「!」

女騎士私服「公爵の娘だから婿をとれ?魔が蔓延る世にそんなことを言ってられますか!」

女騎士私服「公爵に見合う者など軟弱ものばかりかではないですか!!」

女騎士私服「知ってますか、下の者にばかり任せ自分は安穏と高みの見物をする貴族らを!」

女騎士私服「剣の稽古、魔術の修行、素晴らしき師がいるにもかかわらずサボるしまつ!」

女騎士私服「私まで軟弱になれと!?そう申すのですか!」

女騎士私服「公爵の娘はただのお飾りではありません!」

女騎士私服「決められた結婚など……私より強い者すらおらぬというのに……わかりました」

クルッ

領主公「ど、どこへゆく!」

女騎士私服「報告は以上です。失礼します!」

タッタッタッタッ バタン

領主公「えぇ……」


ナレーション「帰れる手段の魔の歪を知る者の情報が手に入り先が見えたのだが、行き違いから親子の絆に暗雲が立ち込める。何やら女騎士に思惑があるようだが……のんびりしてる場合ではないぞ悟空よ」

オッス オラ悟空!

流石のオラも険悪な空気に黙っちまっぞ!
同じ親父としてベジータみてぇに厳しい感じ出したほうがいいんかな。

なんだよ女騎士青い顔して?オラに息子がいるって言ってなかったか?
お、おいどこ行くんだよ。オラ道わかんねぇーてば!

~~
邸宅 廊下

悟空「よぉ。ここでいいんか?」

女騎士私服「……」

ツカツカツカツカ

悟空「?」

ガチャ

悟空「おっ。いたいた」

領主公「……」ウツムキ

悟空「くれぇ顔してでぇーじょぶか?」

ムクリ

領主公「…君か……」

悟空「紹介ってのしてくれんだろ?」

領主公「あっ、あぁ。そうだったな」

ペン ソイソイソイ スラスラスラスラ

領主公「…。ソンゴクウくん。君のご家族はいるのかね?」

デキタゾ

悟空「サンキュー!」

悟空「家族か。へへっ。いんぞ」

悟空「何日もけぇーってねぇから、きっと怒られちまうけどな」ハハハハ

領主公「厳しい母君のようだな」

悟空「かーちゃん?まぁかーちゃんだけどよ」

領主公「?」

領主公「ともかく親の心子知らずとはまさにこの事かと思ってね」

悟空「チチもそんなこと言ってたけ」

悟空「オラは悟飯には伸び伸び育って欲しかったんだが、今思うとチチのキョウイクネッシンってーのかなぁ、案外悪くねかったんだと思うぞ」

領主公「そうであろう。そうであろう。わしも娘には結果的に幸せになって欲しいのだ」

悟空「そだな。オラ途中死んじまって余計に苦労かけちまってたし」ンハハハハ

領主公「ハハハハ?」

悟空「お互い苦労してんだな!まっ!いつかわかってくれっぞ!」

領主公「そうねが……まて」

悟空「ん?」

領主公「……君のご家族…いや君がご家族か?」

悟空「いみわかんねぇーぞ」

領主公「すまん…」ナンダ コノ イワカン

領主公「失礼だが君の母君は御健在であろうか」

悟空「生きてるかっちゅーことけ?それならオラには、とーちゃんもかーちゃんもいねぇぞ。」

悟空「死んじまったけど、じいちゃんにオラ拾われて育ててもらったんだ」

領主公「!……悪いことを聞いてしまったようだ……すまなかった」

悟空「別に気にしてねぇーなぁ。もう昔の事だしな。じいちゃんの思い出は今でも覚えてるし」

領主公「そうか。するとキミの言うかーちゃんというのは…その…もしかして、奥方……か?」

悟空「おぉ。チチって名前ェでよ。おっかねぇーけど、料理がめちゃんこうめぇんだ!」

悟空「早く帰らねぇと飯に抜きにされちまう」アセアセ

領主公「キミは随分と若く見えるようだが、ハハハ」

領主公「若夫婦であったか!」

悟空「若ぇってのはよく言われけどよぉ、オラ実際」ゴニョゴニョ

領主公「はっ!?えっ!?ハハハハ!」

領主公「冗談がうまいな」

悟空「嘘じゃねーって。まぁオラ気にしねぇーけどな」ンハハハハ

領主公「(わしとほぼ同じではないか……)」

領主公「…奥方がいるのなら…その子供はいるのかね」

悟空「おう。息子が二人な。悟飯と悟天ってんだ。悟飯はしっかりしてんだけどよぉ、悟天の方がちゃらんぽらんしってからなぁ」

悟空「あいつ修行さぼってトランクスと遊んでばっかしてんじゃねかぁな」

領主公「ふ、二人もいるのか」

悟空「もうすぐ悟飯のとこに子供が産まれるってんでチチのやつ張り切っててな、いやぁ実はオラも楽しみでよぉ」

領主公「……」

領主公「そ、それは早く帰ってあげなきゃ…な」

悟空「んだな!これサンキューな!」

悟空「そだ、オラから言えんのは娘もそういう年頃だから、一歩離れて見るといいんじゃねぇーかな」

領主公「あぁ、ありがとう…ございます」

………
……

領主公「……孫。羨ましいイイイイ!」

……
………

客室 IN

ベット ダイブ

悟空「明日には王都ってところかぁ。この紙持っていきゃいいんかな」

トントントン

女騎士私服「ソンゴクウ。良いか?」

悟空「いいぞぉ」

ガチャリ

女騎士私服「寝る前ですまない」

悟空「でぇーじょぶだぞ」

女騎士私服「明日のことなのだが、やはり私が王都迄案内することになった」

悟空「おめぇとーちゃんから止められてなかったか?」

女騎士私服「それについては問題ない。私の意思は私のだ」

悟空「オラは別どっちでもいいけどよ」

悟空「とーちゃん心配してんじゃねーか?」

女騎士私服「父上…いや、あの人のことはいいんだ」

悟空「……」

女騎士私服「……」

悟空「まっよろしく頼むわ!」ニッ

女騎士私服「あぁ!任せよ!」

女騎士私服「そうそう明日私は先に出ているからな。この屋敷を北に進んだところにある湖で待っている」

悟空「一緒に行くんじゃねーんか?」

女騎士私服「所用だ。所用だから誰にも言わなくていい。皆にはすでに伝えてあるからな。絶対、私のことは話さなくてもいいからなっ!絶対だぞっ!」

悟空「お、おう」

女騎士私服「ふむ。それだけだ!」

ガチャ
バタン

悟空「変な奴だなぁ」

ガチャ

悟空「!?」

女騎士私服「お休み!!」

悟空「お、おう、お休み!」

ガチャ
バタン タッタッタッタッ

~~
明朝
邸宅門

侍女「さびしくなります」ウッ ウッ

メイド長「ほれ、泣くんじゃないよ!」

侍女「だっで…あ、あんなごめいわぐを」ヒック

悟空「ハハハッ!」

料理長「いつでも来いよ!腕によりをかけて振るうからよ」

悟空「ごっそぉさんだったぞぉ!」

料理人「はいソンゴクウさん!道中にでも食べてください!」

悟空「サンキュー!!」

執事「はて?案内の者が来ませんなぁ」

悟空「?」

私兵「王都から来るんですよね?」

執事「その手筈ですな」

私兵「見てきましょうか?」

執事「二度手間になりますゆえ、ソンゴクウさんはここから少し行った先にある湖でお待ちいただいても宜しいでしょうか」

悟空「かまわねぇーけど?」

領主公「王都についたら、衛兵に昨日渡した紹介状を見せるが良い」

悟空「りょーかい」

侍女「……お嬢様来ないですねぇ…」

悟空「?」

領主公「そっとしておいてやれ」

侍女「で、ですが!」

私兵「別れが辛いんですよ!ねっ!ソンゴクウさん!」ウィンクウィンク

悟空「?でも、あいつならよぉ」

領主公「やめたまえ……不毛な話だ…」ワケシリ ウンウン

領主公「さぁ!引き止めては悪い、魔の力が強まるから暗くなる前に出立したほうがいいぞ」

侍女「ソンゴクウさーん!またいらしてくださいね!!」

執事・メイド長「お達者で!」

料理長・料理人・私兵達「さよならぁ!」

領主公「……」スッ フリフリ

悟空「ありがとうよっ!!」

~~
街道

悟空「へへっいい奴らだったな」

テクテクテクテク

悟空「こうして見るとオラのとこと、てぇ~して違わなねぇ」

テクテクテクテク

……

悟空「おっ、あそこけ」

ヒトカゲ

悟空「オッス!」

女騎士旅装「来たか」

悟空「な、なんだその荷物」

女騎士旅装「何を驚く。これくらい普通だぞ」

悟空「ひぇ~パンパンじゃねーか」

女騎士旅装「屋敷から王都まで2日はかかるからな」

女騎士旅装「(馬には逃げられてしまった……)」

モノカゲ

正規案内者「!!」ウンムーウンムー

女騎士旅装「(しばらくすれば外れる魔導の蔓だ。許してくれ)」チラッ

悟空「けっこう歩くんか?」

女騎士旅装「そうなるかな。だが何、心配無用だ。邸宅から王都までの道は整備されている」

女騎士旅装「途中、領地内の宿に泊まることになるだろう」

悟空「おっし。そんじゃ行くとすっか」

………
……

悟空「おっ?ありゃなんだ?」

女騎士旅装「アレはクレイジーモンキーピッグバードと言う」

悟空「牛にしかみえねぇーぞ」

………
……

悟空「おっ?なんだあの丸っこいの!?卵に足生えてんぞ!」

女騎士旅装「岩竜の子だな。足だけ先に出して大きくなる。あの殻が割れる頃は一人前ということだ」

悟空「へぇーあんな小せえのに修行してんかぁ」

アーダコーダゴーデアーダ

通りすがりの農夫婦「あら新婚さん?フフッ仲がいいのね」

女騎士旅装「な、ば、ちが」

悟空「お?ちげぇーぞぉ」

女騎士旅装「そ、そうだ!私はこ、こやつの道案内をだな」

通りすがりの農夫婦「ありゃ、こりゃすまんこった」

………
……

女騎士旅装「フフッ」

悟空「なんでぇ?」

女騎士旅装「いや、なんでも」フ、フフフフ

ザックザッグザック

………
……

女騎士旅装「丁度よい場所があるから、そこでお昼にしよう」

昼 丘の上

女騎士旅装「あ、あれぇ?」ゴソゴソゴソ

悟空「オラはこれ貰っちまったからな」ガサガサガサ

悟空「ひょ~、んまそぉ~!」

悟空「おめぇは食わねぇんか?」ハムハム

女騎士旅装「(無いぞ!私のお弁当……入れ忘れてしまったのか!くっ……)」

女騎士旅装「……」ジッ

悟空「んー!」ハムハム

女騎士旅装「」グゥゥゥ

悟空「んー?どうしたんだよ?まさかおめぇ飯ねぇーか!」

女騎士旅装「くっ!私としたことがっ!」グッウウウウ

女騎士旅装「(3時くらいから作っておいたのに!)」

悟空「しょーがねぇーやつだなぁ」アキレ

悟空「オラ取ってくっからよ。家にあんのけ?」ヨッコイセッ

女騎士旅装「そのはずだが……いやいや!待て今から引き返したら宿場まで時間を過ぎすぎてしまうぞ」

女騎士旅装「な、なぁに別に食べずとも――」クウウッ

悟空「オラが逆に気になっぞぉ。ちょっこらいってくる」フワァ

女騎士旅装「ほ、本当にい……」アゼン

スゥーーーーー

女騎士旅装「と、飛んで…えっ…エエェェェェェェ!!!」

~~

邸宅

領主公「ハァ……まさか家出するなんて……ハァァァァ……」

執事「案内人が言うには既に経っていますし、やはり王都へ向かったのでしょう」

領主公「そうか……それしかないよなぁ」

トントントン

領主公「こんな時に誰だ…」

領主公「入れ」

侍女「だ、旦那様ソンゴクウさんがいらしてます」

領主公「なに?」

領主公「(引き返してきたのか?なぜ?)」

領主公「そうか!なるほど。娘を説得してくれたのだな!」

バッタッタッタッタッ

侍女「あっ!旦那様っ!」

執事「どうしたのだね」

侍女「ソンゴクウさんはお一人でしたのです…」

~~
邸宅門

メイド長「これだよきっと。全く……」

悟空「サンキューな」

料理長「しかしわざわざご苦労な奴だなぁ」

ワイワイワイ

タッタッタッタッ

領主公「ソンゴクウ!」

キョロキョロ

悟空「いよぉ」

領主公「……そ、それで?」

悟空「ん?あぁオラこれ取りに来ただけだ」

ジュウバコ ヨンダンヅツミ

領主公「?」

悟空「なんか弁当忘れちまったみてぇーでな、流石にオラも横で見られてっと食いづれぇからよ」ハハ


領主公「き、キミは誰かと一緒なのかい?それはもしかして娘かね?」

キョロキョロ ドコダ

悟空「おぉ。そだぞ。丘のとこだっけかな。そこにいんぞ」

領主公「一緒に引き返してきてないだと!?」

領主公「なんてことだ……そのような場所に一人で……」

領主公「こっからまた戻るのでは倍かかるではないか!」

領主公「キミはそれでも紳士かね!」

悟空「?すぐに持ってけばいいんだろ何をそんな慌ててんだぁ」

領主公「いやだってキミ!」


悟空「そいじゃオラいくとすんぞ。じゃーな!」フワッ

料理長「お、おう!なんだかわかんねぇーがまたな!」

メイド長「長生きはするもんだねぇ」

領主公「……」アゼン

ビューーーン

………
……

領主公「…」ユビサシ

メイド長「あたしらはソンゴクウが戻ってきた時に同じ事しましたからね」

料理長「あの食いっぷりですぁ、俺は何かすげぇー奴だと思ってましたよ」

領主公「(娘はトンデモない奴に関わってしまったようだな)」

……
………

丘の上

フワッ
悟空「待たせたかぁ」

女騎士旅装「いや……あっという間な気がする」

悟空「そか。ほらよっ!オラじゃわかんねぇーからメイド長に探してもらったぞ」

女騎士旅装「それはお手数を……」

悟空「気にすなって!それじゃ昼飯再開すんぞ」イッタダッキマース

女騎士旅装「いったい空を飛ぶなんて何と言う魔術だ……靴に魔導が?いや感じがしない…」

悟空「ぶつぶついってねぇーで食えよなぁ」

女騎士旅装「う、うん…」ハッ

女騎士旅装「(そうだお弁当。忘れた時は絶望したが早起きしてなんとか形にしたのだ)」

ゴソゴソゴソ

女騎士旅装「あ、あーたいへだーおべんとーつ、作り過ぎちゃったなぁーどーしよー」

悟空「」ハムハムハム

女騎士旅装「……」チラッ

女騎士旅装「ゴホン」

悟空「んー?」

女騎士旅装「ソ、ソンゴクウ。良ければその、手伝ってくれないだろうか」

ヨンダンベントウ ススッ

悟空「くれんのか?」モグモグ

悟空「おめぇが良いってんならオラ喜んでいただくぞぉ」

ヒョイパクヒョイパク

女騎士旅装「(わ、私にこれほどの勇気があるとはっ!)」ハワワワ

女騎士旅装「どどどどど…どうかな味の方は…」

悟空「なかなかいけっぞ!」モシャバリバリ

悟空「!」

女騎士旅装「ほ、ほんとか!」パァァ

悟空「おっ?こいつぁ」

女騎士旅装「そのエビはなかなかの上出来だぞ!」ワクワク

悟空「んめぇーな!チチのやつが作った味に少し似てんぞっ!」バリモシャモシャ

女騎士旅装「う、うまいか!そうかそうか!チチさんとやらと似て……」

スッーーー

女騎士旅装「……」マガオ

悟空「おぉ、ちっとばかしちげぇー気がするがな」ヒョイパクヒョイパク

女騎士旅装「ソウ言えばイツだっタかチチがどうこう言っテイタな」

女騎士旅装「ソンゴクウ……チチさんとはドコノダレサマでしょうか」

悟空「チチか?チチはオラの嫁だぞ」ヒョイパクヒョイパクモシャシャ

女騎士旅装「」


ナレーション「王都へ向けて出発した悟空と女騎士。道中なかなかウキウキだったのも妙な空気に。この天気ははたして晴れるのであろうか。そしてドラゴンボールの行方は」


オッス オラ悟空!

ついに王都へ向けて出発になったぞ。
なぁ女騎士このもらった紙切れをみせればいいんだろ?

ありゃ女騎士おめぇどうしちまったんだ?
イィ!?おめぇから邪悪な気をかんじっぞ!

読んでくれてありがとう
今日はまだうっぷできそうです

女騎士旅装「」ボォー

悟空「ハハハ。早くしねぇーとオラが全部食っちまうぞ」ナンテナ

女騎士旅装「あぁ。食べてもいいぞ」マガオ

悟空「じょ、じょーだんだってば!」アセアセ

女騎士旅装「私は少し歩いてくるよ」マガオ

悟空「おう?」

………
……

女騎士「(なんだろうか。ポッカリと穴が空いた気持ちだ)」

テクテクテクテク

女騎士「(私は何をやっているのだろうか)」

女騎士「(除隊を止めるために着いてきたはずだろ?)」

女騎士「(朝早く起きて私は何をウキウキしていたのだ)」

女騎士「(人生の分岐点だというのに)」

テクテクテクテク

ガサガサガサガザ

嫉妬の蛇女「みーつけたぁー」シャーー

女騎士「!?」

嫉妬の蛇女「あら嫌だ。なぁに貴女みっともない邪な、き・も・ち。」

嫉妬の蛇女「そーいうの大好きよぉん」オーッホッホッホッ


女騎士「な!?き、きさまっ!!」スカッ

女騎士「(しまった!剣を置いてきてしまった!)」

嫉妬の蛇女「おいしそうな感情ねぇ!頂きましょうか!」

シャーーーー

女騎士「う、うわーーー!」

……
………

悟空「よぉ。でーじょぶか?」

女騎士魔「あぁ大丈夫だ。王都へ行くとしよう」

タッタッタッタッ

悟空「あっおい!荷物荷物!」

~~
街道 午後

悟空「おっ?ありゃなんてーんだ?」

女騎士魔「知らぬ」

………
……

悟空「ハハハハ見ろよあれっ!」

女騎士魔「……」

………
……


子供ら「ワーイワーイ」キャキャ

子供「こんにちはぁー」ペコリ

女騎士魔「邪魔だ!どけっ!」バシッ

悟空「あっ!おい!」

子供「!?う、うえええええええん」

女騎士魔「……」キッ

タッタッタッタッ

悟空「でぇーじょぶか?」ヨット

………
……

悟空「なぁ、さっきからどーしちまったんだよ?」

女騎士魔「何か問題でもあるのか」マガオ

悟空「なんか雰囲気ちがくねぇーか?」

女騎士魔「……」

タッタッタッタッ

悟空「…めぇーったな」ポリポリ

無言の道中

女騎士魔「……」

悟空「……」

~~
宿場町 夕刻

悟空「ここが宿場町けぇ!」

ワイワイワイガヤガヤガヤ

客引き「よっ!そこのお二人さん!今日の宿はもうお決まりですかぁ!」

女騎士魔「……」キッ

客引き「あっ…と……へへっお呼びでないっと…」シツレイシマシタァー

悟空「な、なぁけっこうあるいたからよぉ何か食わねぇーか?」

女騎士魔「……」

スタスタスタスタスタ

~~
町外れの宿屋

女騎士魔「……今日はここに泊まる」

ガチャ キイイイイーー

宿番「イーッヒッヒッヒッヒッヒ。お泊りですかぁ」

女騎士魔「あぁ」

宿番「二名様ですねぇ。ヒッヒッヒッヒ。あいにくと一部屋しか空いてませんのでご一緒でいいでしょうかぁ」ニヤァ

女騎士魔「かまわない」

悟空「オラもどっちでもいいぞっ」

キョロキョロ スンスン ウヘェー

宿番「お部屋は二階の1番奥でございます。どーぞごゆっくりヒーッヒッヒッ」

トントントントン

悟空「みょーなオッちゃんだったなぁ」

女騎士魔「……」

ガチャリ

~~

ベッドが二組の簡易な部屋

悟空「よっと」ドサリ

女騎士魔「……」スッ

悟空「こんな場所でも人気あんのかなぁ。さては飯がうめぇーんだろ」

女騎士魔「ここにそんなものはない」

女騎士魔「外で食べてこい」

カネポーイ

悟空「おっと……」チャリーン

悟空「おめぇ行かねーんか?」

女騎士魔「いい。用事がある」

悟空「そっか。……」ヨット

悟空「んじゃいってくっぞ」

ガチャ バタン

……


女騎士魔「……クッ、クハハハハハ!」

女騎士魔「ねぇー聞こえるぅ?」

女騎士「くっ……!!おのれっ!私に身体を返せっ!」

女騎士魔「だぁーめぇよん。こんな素敵な感情。とーっても気持ちいいのだからねぇ」オーッホッホッホッ

女騎士魔「でもそうねぇ。返してあげるわよ」

女騎士「?」

女騎士魔「あの男が死ねばねぇ!」オーッホッホッホッ

女騎士「っ!そ、そんなことはさせん!」

女騎士魔「フフッ。今の貴女にどうやって防げるのかしらねぇ~」

女騎士「そ、それは……」

女騎士魔「ワタシは貴女のことなぁーんでも知ってるのよぉ。」

女騎士「……どういうことだ」

女騎士魔「彼カッコイイわよねぇ~」

女騎士「!」

女騎士魔「たくましい肉体、素敵な笑顔、優しい人柄」ニマニマ

女騎士「……」

女騎士魔「でも残ー念ー!そんな彼のいっしんを受けるのは貴女じゃない別なオ・ン・ナ」

女騎士「……」

女騎士魔「ウフフフフ。いいわいいわよん!嫉妬嫉妬嫉妬!」オーッホッホッホッ

女騎士魔「力がみなぎるわ」

女騎士「…わ、私は…別に…嫉妬など…」

女騎士魔「強がっちゃって、でもいいのよ。内に秘めたほうが高まるから」

女騎士「…っ……」

女騎士魔「さぁーってあの男に正攻法で戦うわけにはいかないわよねぇ」

女騎士魔「フフッ。貴女ここがどこか知ってるかしらん」

女騎士「?……宿であろう」

女騎士魔「間違いじゃないけどぉ~。お嬢ちゃん、男と女の欲ってのが足りないわよん」オーッホッホッホッ

女騎士「な、な、なっ」

女騎士「何をするっ!!」

女騎士魔「うぶねぇん」

女騎士魔「所詮あの男も欲には勝てないわよねぇ~~」

シナッ シナッ シナッ シナッ

女騎士魔「お風呂でもはいっておこうかしらん」

クネッ クネッ クネッ クネッ

………
……

ガチャ

悟空「ふぅ。食った食った」

女騎士魔「……」ヨコシマ ナ メ

悟空「ほれぇお土産だぞ」スッ

女騎士魔「ありがとうぉ」アワイ ヒトミ

悟空「それ食って元気だせよぉ?おめぇ今日なんか変だし」

女騎士魔「ねぇ~」

悟空「ん?」

女騎士魔「そんなことより、私の貴方のことを聞きたいわぁ」ネットリ

悟空「オラのか?」

女騎士魔「お話して下さるぅ?」シットリ

悟空「いいけど、オラの何が聞きてぇーんだ?」

女騎士魔「そうねぇ~貴方何者なのぉ?」ツツツツツ

悟空「まぁたそれけぇ~。……なんべんも言ってるがオラは孫悟空、地球育ちのサイヤ人だってば」

女騎士魔「??ま、まぁいいわ……」

女騎士魔「次にそうねぇ……貴方のご家族について詳しく聞かせてぇ」ジットリ

女騎士「!!」

女騎士魔「(いいわよいいわよっ!この負の感情ォォォ)」

悟空「そういやぁ言ってなかったっけか」

悟空「オラには」

女騎士「いやだいやだいやだ聞きたくない聞きたくない聞きたくないッ」

女騎士魔「オラには?」オーッホッホッホッ

悟空「チチって嫁と、悟飯と悟天っちゅー息子が二人いんだ」

女騎士「……息…子」

女騎士魔「そ、そうなのぉ」

女騎士魔「(ど、どうしたのよ。ほら愛しい人と思っていた男には息子がいたのよ!ほら嫉妬しなさいよっ)」

悟空「あぁ。そんでビーデルっちゅー悟飯の嫁がいてだな、後はそうだなぁミスターサタンってのがな」

女騎士「…息子に…嫁……」

女騎士魔「……」

悟空「あっそうそう、もうすぐその二人に赤ちゃんが誕生すっから、計7人だな」

女騎士「……息子……子供…」

女騎士魔「(ち、力が抜けるッ!?)」

女騎士「……ソウカ、ソンゴクウには孫にナルワケダ」

女騎士魔「な、ななななな」ブルブルブルブル

悟空「お、おい!?本格てきにまじぃーんじゃねーか?い、今医者呼んでくっからよぉ!」

ダッ ガチャ

女騎士魔「どうしちゃったのよおおおおお」

ブンリ

女騎士悟り「ワタシは悟ったのですよ」

嫉妬の蛇女「……!」ブルブルブルブル

女騎士悟り「ソンゴクウはお爺さんになるのです」

嫉妬の蛇女「……」ブルブル

女騎士悟り「知ってますか?お爺さんです。きっと彼は好々爺になるでしょう」

嫉妬の蛇女「そ、それがなによ……」ガクガク
  
女騎士悟り「仮にワタシがソンゴクウに恋をしたとしましょう」

嫉妬の蛇女「げ、現にそうじゃない…」

女騎士悟り「端から想像できませんか?思い浮かべるのです。さぁさぁ!」

モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ

女騎士「す、好きだソンゴクウ!!」

悟空「ワシみたいなジジィにはもったいないわい」

モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ

女騎士「紹介しよう!私の好きな人だっ!」

悟空「照れるなぁ」

孫「おじいちゃん遊んでぇ~」

モワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワモワ


女騎士悟り「悟空おじいちゃん。それが付き纏うのです」

女騎士悟り「耐えられますか?」

嫉妬の蛇女「…あ、」

女騎士悟り「愛に年の差など関係ない?」

女騎士悟り「関係あります。確かにソンゴクウはカッコイイ。ですがおじいちゃんの称号を手にしてしまったのです」

女騎士悟り「その幸せの家系に抗える者など愚か者なのですよ」

女騎士悟り「ワタシの願いはもうハッキリと見えました。ソンゴクウ。孫悟空は……!」ブォォォン

女騎士悟り「光よ我に集いでカノ者に祝福を!」

嫉妬の蛇女「アッアッアッアッアッアッ」

アァァァァァァァァァー

女騎士「……ありがとう礼を言う」トオイ メ

~~

悟空「おめぇ本当にでーじょぶか?」

女騎士「あぁ。問題無い!むしろスッキリしているのだ」ニッ

悟空「そうけ!」

バシバシ

女騎士「(これだ、この師と弟子のようなスキンシップ!)」

女騎士「孫…悟空。私を弟子にしてくれないだろうか」

悟空「いぃ!?おめぇがオラの!?なんでまた」

女騎士「色々考えたのだが、ほら前に私に才能がありそうな事言っていたではないか。悟空さえ良ければ私に修行を頼みたい」ウワメ チラッ

悟空「しょーがねぇなぁ。どこまでやれっかわかんねぇーが、いいぞ!」

サムズアップ

女騎士「本当か!よろしく頼みます!悟空師匠!」パッ

悟空「かてぇぞぉ!いつも通りでいいぞぉ」ンハハハハ

女騎士「そ、そうか!ゴホン」

女騎士「さっそくだが、では何をすれば飛べるようになるのだ!?」ワクワク

悟空「そうだなぁ気の使い方ちゅーところからだな」ウーン


ナレーション「道中にふと現れた来訪者。女騎士が乗り移られていたことなど露知らず悟空は困り果てるのであるが、人知れずに勝ち得た女騎士。その顔は晴天のようであった」


オッス オラ悟空!

憑き物が落ちたみてぇーに元気になってよかったぞ。しかもオラに弟子入りしてぇーちゅーし。まっ!前よりは全然いいけどな!
おっ!女騎士、飛ぶときはゆっくりだぞ!はしゃいでっと落っこちちまう!
……あっちゃ~

~~
色宿屋

ドスンバタンドスンバタン

店番「ヒーッヒッヒッ……おさかんですねぇ」

~~

女騎士「む、難しいな」

セイシントウイツ

悟空「そうそう。浮かんだら次は、この辺によぉ、なーんかあちぃの感じねぇか?」

ハラ サスサス

女騎士「この辺に集中せよというのか……よ、よし」 ポカポカポカ

フゥワァ

悟空「そそっ!」

女騎士「で、で、で!?」フゥーワァン

悟空「で?」

女騎士「で?ではない!こ、このまま浮かぶ私は――」

バリーーーン

アアァァァ ホラミローーー
悟空「あっ!おい!!」

マドノ ソト ノゾキ コム

ドチャ

女騎士「」

悟空「あっちゃ~……」

トントントントン

店番「お、お客さん、もう少し静かにしてくれやしっ ヒ、ヒヒヒヒ」

悟空「お、おう。すまねぇ」

………
……

女騎士「……」zzZ

チラッ

悟空「気を蓄えるりきはあるんだがなぁ。コントロールが苦手みてぇーだぞ」

悟空「オラのいたとこと空気がちげぇのが原因か……」ファァァーット

悟空「パワーがたりねぇー…んか…ンガアア」zzZzzZ


~~
色宿屋 翌朝

女騎士「」ガバッ

女騎士「わ、私は」キョロキョロ

女騎士「確か空を飛ぶ練習中に……あ、頭が痛い?」

チラッ

悟空「……」zzZzzZ

女騎士「……フッ。昨日の今日でとは思ってみたが、やはり」ヨット
  
女騎士「寝食をともにしようが悟空は悟空だな」

女騎士「実に気持ちがいい」

女騎士「顔を洗ってくるか」

ガチャ トテトテトテ

………
……

泊まり客ら「……」ヒソヒソヒソヒソ

女騎士「?」

泊まり客ら「!!」ヒソヒソヒソヒソ

店番「フアァァ~……おや。昨夜はおたのしみでしたね」

女騎士「!!」

………
……

ドタドタドタドタドタ
ガチャ!!

女騎士「お、お、お、お、お、おっ!!」

ユサユサユサユサ

悟空「……」zzZzzZ

女騎士「おおおお、おぉぉぉお!」

ユサユサユサユサ

悟空「ん~もちっとねか」zzZzZZ

女騎士「起きるんだ悟空ゥゥゥ!!」

………
……

悟空「急に出るってオラまだねみぃーぞ」フワアアワイワイ
   
女騎士旅装「……」

スタスタスタスタスタ

女騎士「(そうだ。すっかり忘れていたが私達が泊まっていたところはい、い、い色宿ではないかっ!)」

女騎士旅装「ぐ、愚図ついた天気になりそうだからな!王都へ早めに進まねば!」ウンウンウン

悟空「朝日が眩しいけどなぁ~」

テクテク

女騎士旅装「そんなことよりもだ。昨晩の舞空術とやら道すがらできないだらろうか」ワクワクキラキラ

悟空「そうだなぁ。オラ昨日寝るめぇーに思ったんだがよぉ」

女騎士旅装「む?」

悟空「オメェの気はつぇーんだがな、なんか別に漂ってる空気があんだよ」

女騎士旅装「別の気?」

悟空「オラがオメェってわかる気と、オラが何となくしか感じれねぇ気っちゅーんかな」

女騎士旅装「難問だな……」ハテ

女騎士旅装「それは私だけということか?」

悟空「いやぁ、ありゃそうだな。確かにオメェの親父にもかんじられたぞ」

女騎士旅装「ふむ……」

女騎士旅装「私らに有って、悟空にないものか」

悟空「そんなんあんのか?」

女騎士旅装「パッと思いつくのが、魔術だろうか」

悟空「前おめぇがやってた力け?」

女騎士旅装「そうだ。悟空にはまだ言ってなかったな」

女騎士旅装「この世界に火水風土光闇という自然概念を使った力が栄えているのさ」

悟空「ほぉ~」

女騎士旅装「それらの理を少しだけ操作し、具現化する」フッ

女騎士旅装「火の精よッ!」

ボッッ

女騎士旅装「っと。このようにな」

悟空「おっでれぇーた!手品みてぇだぞ!」

女騎士旅装「……悟空は皮肉屋なのか?」

悟空「??」

女騎士旅装「ま、まぁ攻撃は火、守りは土といった概念に基づき、各様々な組み合わせで発動するのが魔術の基本的ところだ」

悟空「……」ウーン

悟空「つまり、そいつと気が混ざっちまってるんか」

女騎士旅装「私には気というのものの概念がサッパリだが、実際教えてもらうと、そうなるのであろうな」

女騎士旅装「あっ!そうか!魔の森で悟空が言っていた天地がひっくり返るはそれか!」

悟空「あぁ上なら見晴らしいいと思ってな」

女騎士旅装「なるほど!誰も試したことないから、木に登ったところでと思ったが……力は上空まで及んでいたか」

女騎士旅装「手見上げには十分だ」

………
……

悟空「王都ちゅーとこまではどんくれぇーなんだ?」

女騎士旅装「折り返しまで来たがそうだな」

女騎士旅装「(まてよ、私の弁当を持ってきたときの早さを見ると、悟空が本気だすとすぐ着くのではないか?)」

女騎士旅装「……悟空師匠、お願いがございます!」

悟空「急になんだよ」

女騎士旅装「私いまいち飛ぶという感覚が摑めないのだが、もしかして師匠ならあっという間につくのではないだろうか」

悟空「オラに乗りてぇーってことかぁ?」

女騎士旅装「はい!」チョウワクワク

悟空「良いけどよぉ」ポリポリ

悟空「オメェ、まぁた倒れちまうぞ?」

女騎士旅装「大丈夫だ!私はこれでも国一番の駿馬を乗りこなせるからな!」

悟空「飛行機よりはえぇーんか?」

女騎士旅装「??」

女騎士旅装「それはどんな生き物だ?」

悟空「こう――」

リョウテ ヒロゲ

悟空「びゅーんと」

女騎士旅装「?よく分からないが、これも修行の一貫としてな」

悟空「ま、いっか!」

悟空「ほら、オラにおぶされ」

スッ

女騎士旅装「うむ!では本気で頼むぞ!」

スッ

悟空「おっし。本気でいいんだな?オラ道わかんねぇーから、案内頼むぞぉ」

ファァァ

女騎士旅装「(悟空の本気か。空を飛ぶなんていい土産話になるな)」

女騎士旅装「(フフッ)」

悟空「そぉーれぃ!!」

バッ 
バババババババババ

ドヒューーーーーーン

女騎士旅装「」仰け反り

女騎士旅装「(あっ、これ無理だ)」

悟空「あっちでいいんだよなぁ?」

ズオオオオオオ

女騎士旅装「」失神

モワモワモワモワ

ピッコロ「で。女。もうそろそろ吉報を持ってきたろうな」

女騎士「すまぬ……すまぬぅ……」

ピッコロ「……」

女騎士「いや待て!私にもう一度機会をくれ!なっ?なっ!?」

女騎士「私にも色々あったのだ!それに悟空は一緒だ!目覚めたらもう大丈夫だ!」

ピッコロ「いったい何か大丈夫なのか」

ピッコロ「……ある意味お前が頼みの綱なのは間違いない」

ピッコロ「あまり俺を怒らせるなよ」

女騎士「あぁ!その任しかと承った!」

女騎士「(言葉で殺される威圧感……)」ブルブル

モワモワモワモワ

………
……

女騎士旅装「……」ピクピク

女騎士旅装「はっ!」

悟空「きーついかぁ?」

女騎士旅装「!!」

女騎士旅装「ピッコロ!!」

悟空「?」

女騎士旅装「ピッコロだぞ!悟空!ドラゴンボールだ!ピッコロ1つだ!」

悟空「お、落ち着けって!水のんむか?」

女騎士旅装「あぁ、すまない……」ゴグゴク

悟空「おめぇピッコロしってんか?」

女騎士旅装「……あぁ。そうだ!夢の中でだが伝言を預かった」

女騎士旅装「伝えよう伝えようとしてはいたが」

悟空「へぇアイツおめぇの夢にでてこれんのか」

女騎士旅装「私も正直よくわからないが、こういっていた」コホン

アーアー

女騎士旅装「孫悟空に会ったら伝えろ。お前が帰るにはドラゴンボールを追え。何かの拍子にドラゴンボールの一つがそちらに転がり込んだ」

テイオンボイス

女騎士旅装「以上だ。ドラゴンボールとはなんだ?」

悟空「ンナハハハ。似てねぇーぞぉ!」

女騎士旅装「こ、これなら信じてもらえるであろうとなるべく、聞いたとおりにしたのだが……」ハズカシイ

悟空「おぉ信じる信じる!」ハハハハハ

オーハライテェ

女騎士旅装「くっ……!」

女騎士旅装「……で?ドラゴンボールとはなんだ?それが関係しているのか」

悟空「お、おぉ。ドラゴンボールってのはな――」

………
……

女騎士旅装「す、凄いな……7つ集めるだけで願いがかなうというのか。おとぎ話のようだ」

女騎士旅装「それなら何か力が宿っている可能性があるなあ」

悟空「ピッコロがそういうならまちげぇーねぇなぁ」

悟空「ドラゴンボールか。でもめぇったぞ、ドラゴンレーダーオラ持ってねぇや」

女騎士旅装「ドラゴン、レーダー?」

悟空「ブルマが作ったんだがドラゴンボールを探す為の道具だぞ」

女騎士旅装「そのような魔導具が……天才術師か」

女騎士旅装「(魔導具なら代用品がありそうな)」

女騎士旅装「ちなみだが、最初に叶えた願いとはなんだっんだ?」キョウミシンシン

悟空「ひんしゅくをかうってブルマに言われてっけど、オラの友達にウーロンってのがいてな、そいつが叶えたのが」

女騎士旅装「叶えたのが!?」

悟空「ギャルのパンティーだぞ」

女騎士旅装「……」マガオ

悟空「あんときは世界征服を阻止する為ってことだったんだけどもな」

女騎士旅装「……」マガオ

女騎士旅装「目的地はもうすぐだ。グズグズするなよ」キリッ

ザッザッザッ

悟空「あっおい!」アセアセ

~~
王都外門

悟空「ひゃー!すんげぇ!オラこういう場所見たことねぇーぞ!」

ザワザワザワザワ
ガヤガヤガヤガャ
ワイワイワイガヤガヤカ

女騎士旅装「フッフーーン!そうであろう!そうであろう!」トクイゲ

女騎士旅装「我が国の首都だ!」ジマンゲ

悟空「おおー」

キョロキョロ

女騎士旅装「さっ!まずは入場許可をもらってからだ」

………
……

番兵「ようこそ!無事のご到着、心より歓迎します」

女騎士旅装「あぁ。二名分の許可証を頼む」

悟空「オッス」

番兵「二名様ですね。ではこちらにご記帳を」

女騎士旅装「うむ」

サラサラ

悟空「ここになめぇ書けばいいんか」

女騎士旅装「あぁ。そう――」

悟空「そんごくうっと」

女騎士旅装「あっ!」

番兵「ん?」ジッ

女騎士旅装「(しまった。悟空はここの文字を知らない)」

番兵「……これはなんですか?」

悟空「?」

女騎士旅装「(しまった!くっ……私としたことが)」

番兵「どこの国から来ましたか?」

女騎士旅装「そ、その者だかな」

番兵「貴女にお尋ねしてません」ビシッ

悟空「どこの国って言われてもなぁオラこの国のこと知らねぇーぞ」

女騎士旅装「(あっバカ者!)」

番兵「怪しい奴……ちょっとこっちに来い!」

ゾロゾロゾロ

悟空「な、なんだってんだよ」

女騎士旅装「すまぬ」

番兵「お前もだ!」


ナレーション「女騎士はピッコロの伝言をようやく言え、1つの任をこなしたわけだが、王都につくなり、またもや嫌疑をかけられてしまう。こんなとこで躓いている場合ではないぞ悟空」

オッス オラ悟空!

ピッコロからってのはおでれーたぞぉ。ドラゴンボール1個見つけりゃいいんか?難しそうだぞ。
それになんだかオラ捕まっちまうし。
どーなっちまうんだよ!

~~
城門前 兵士詰め所

番兵「で?本当の目的はなんだ」

女騎士旅装「だから何度も言っているではないか!」

女騎士旅装「私の公爵の娘で――」

番兵「だーかーら、その証拠を見せなさいといっているだろ!」

番兵「それに聞けば、公爵様のご息女は魔の森で行方不明と聞き及んでいるぞ?」

女騎士旅装「聞いてないのか!私は無事に帰ってこれたのだぞ!」

女騎士旅装「それを助けてくれたのが、先程の男だ!」

番兵「あやしぃ~なぁ~」

番兵「……魔物達がなにやら不穏な動きをしていると騒いでおるが……まさか」

女騎士旅装「断じて違う!」

女騎士旅装「えぇーい!埒が明かない!姫騎士の者ら誰でもいい!連れてこい!」

番兵「俺らより位が高くておいそれと会えるかっての……まぁしょうがない待っていろ。嘘だったら覚悟しておくことだ」

女騎士旅装「あぁもうなんでもいい」

………
……

番兵「し、しっつれをば……」

副隊長「やっほー隊長!迎えに来たよ」キャルルン

女騎士旅装「ふぅ……」

番兵「え、えへへ。そのですね」

副隊長「もしかして無礼働いちゃった?」

番兵「い、いえ!そ、そのようなななななな……」

チラッチラッチラッ

女騎士旅装「……いや。大事ない。仕事熱心だった」

番兵「……!」ハワヒワヒワハワ

………
……

女騎士旅装「まさか副隊長が来てくれるとは思わなかったよ」

副隊長「まぁ実のところたまたま偶然目撃しただけですけどねぇ」

副隊長「隊長のお屋敷から急に除隊するって聞いて、向かうところだったんですよぉ」

女騎士旅装「……やはりそうなってしまっているか」

女騎士旅装「私はそれを撤回するために来たのだ」

副隊長「やっぱり!そぉーですよねぇ~辞めませんよね!」

副隊長「ではさっそく参りましょうぉ~」

女騎士旅装「いや待ってくれ。悟空がまだ別室にいるではないか」

女騎士旅装「早く誤解を解かなくては」

副隊長「……ゴクウってどなたです」

女騎士旅装「どなたって、お前も会ったではないか、魔の森から」

副隊長「あぁ。あぁ。あの男の人ですか。なるほど。そのようなお名前だったんですねぇ」

女騎士旅装「あぁ。孫悟空と。言わなかったか」

副隊長「知りませんでしたよぉ」

ベツニ シリタクモ アリマセンガ ネ

女騎士旅装「何か?」

副隊長「いえ別に。あっ!それなら私が連れ出しておきますから、隊長は先に王宮の執務室へ行っててくださいよ」

女騎士旅装「いや、しかしだな…」

副隊長「早くしないと手遅れになりますから!それに姫様もご心配になられてますよぉ~」

女騎士旅装「ふ…む。姫様が……わかった。では、よろしく頼むよ」

副隊長「はいはーい」ニヤッ

………
……

悟空「オラそんなんじゃねぇーてばぁ」

番兵「そういう奴が一番怪しいのだ!」

悟空「めぇーたっぞぉ……」

番兵「吐いたほうが楽になるぞ!お前は暗号を使って何を企んでいる!」

番兵「しかし、まさか我々にその暗号を見せるとは些か頭が悪いようだなぁ」クフ フフフフ

ガタンッ!

番兵「!?」ビクッ

悟空「あっ!そーだそーだ!これこれっ」ゴソゴソ

番兵「な、何をする気だ!」シャキン

悟空「へへ。見ろよこれっ!」

番兵「…なんだその紙切れは」

悟空「いいからよぉ」ホレェ

番兵「!!」ヨミヨミ

番兵「こ、これは公爵様の印!?魔術研究の第一人者である老様宛……ソンゴクウについて魔の歪みについて伺いを立てたい…だと…」

番兵「ソンゴクウ……お名前はなんと言われましたっけ」ヘヘ アセアセ

悟空「孫悟空だぞ!」ニッ

番兵「あっあっあっ」アワワワワワ

番兵「た、たたた大変しつ――」

ガチャ スゥ

副隊長「偽物ですよ」

番兵「へっ……なん…と?」

副隊長「それは偽物と言ったのです」

番兵「にせ?えっ?で、ですが、こ、この印は確かに――」

副隊長「公爵邸での魔族襲撃の話はそなたでも聞き及んでいよう。印その際に盗まれたのだ」

番兵「な、なるほ……ど?」チラッ

悟空「いぃ!?嘘なんかじゃねーぞぉ!」

悟空「確かにあいつの親父に直接書いてもらってっからよぉ」

副隊長「公爵様をあいつよばわり?フフッ。無知も甚だしいですねぇ」

副隊長「コイツは私連れて行く」

番兵「…いえ、しかし、一度確認してからの方が…」

副隊長「その間に逃げられたら君……責任とれるの」ギンッ

番兵「うっ!そ、それはそのぉ…」

副隊長「フフッ。大丈夫よぉ~責任は私がちゃーんと持ってたあげるから」

番兵「り、了解であります」

副隊長「というわけだ、ソンゴクウとやら」


副隊長「とっておきの場所へ案内する!」

………
……

番兵2「お前んとこにきたな姫騎士の副隊長だよな?かわいいよなぁ~」ウットリ

番兵「ば、馬鹿言うなよ!確かに顔はかわいいが…」ブルブル

番兵「洒落にならん怖さだそ……」

番兵2「姫騎士隊は揃いも揃って美人隊だろ。それの3大姫と呼ばれているのが我が国の姫様、それを護る姫騎士隊長、副隊長!」クゥ~

番兵2「お前直に話して緊張してだけだって!」

番兵「そ、そうかなぁ……」ブルブル

~~
王宮内 執務室

姫騎士隊 ワーワーキャーキャー

女騎士「皆心配かけたな。隊を離れるとは誤解なのだ」

姫騎士隊「誤報でなによりです!もう副隊長は聞いたそばから飛んでいきそうな勢いでしたよ!」

女騎士「ふむ。すまなかった」

女騎士「フフッ」

姫騎士姫「どうかされたんですか?」

女騎士「いや、飛んでいきそうかとな」フフ

姫騎士隊「例えですよ?」

女騎士「あぁそうだな。知ってるよ」

女騎士「(悟空はもう解放されているだろうか)」

パタパタパタ
トントントン

衛兵「失礼します!火急の用です!姫騎士隊長はおられるか!」

女騎士「(来たか)」

女騎士「あぁ」

ガチャ

ダッダッダッダッ

姫「!!」バッ ダキ

女騎士「ひ、姫様ッ!」

姫「離さぬぞ!」

衛兵「と、という次第です!では某はこれで」ケイレイ ササッ

姫「そなた、わらわに嘘を申したのだ!」

女騎士「嘘など、めっそうもございません」

姫「ならばなぜ隊を辞めると申したのだ!」

女騎士「誤解にございまする。父の早合点です。それを撤回するために急いで駆けつけました」

女騎士「(色々あったけど)」

姫「ほ、本当か!?」

女騎士「はっ!整えが終わり次第、陛下にお頼みいたします」

姫「そ、そうか!そうか!」パッ コホン

姫「ならば許そう」ビシッ

姫「……して、整いというのは何か?」

女騎士「はっ!連れを待っているのです」

姫・姫騎士隊「連れ?」ザワザワ

姫「そ、それはどんな連れだ……?」

女騎士「は?そうですねぇ、なんと言えば良いのか」

女騎士「私の命の恩人友言いますか、師匠と言いますか、友人と言いますか」

姫騎士隊「ま、まさか……あの時の男の人でしょうか!?」ワクワク

姫「!?」

女騎士「な、何をキラキラした目で……」

姫騎士隊「そりゃもうーねぇー」ワイワイワイ

女騎士「なっ、ばっ、悟空はそんなのではないぞ!」

姫騎士隊「キャーもうお名前を」キャーキャー

女騎士「勘違いするな、私は悟ったのだぞ…いいか…悟空はな」

姫「お、お、お、お、男か……男が出来たのか…」ワナワナワナ

女騎士「姫様?」

姫「そ、そ、そ、そ、それで…姫騎士隊を辞めると言うのだな…」

女騎士「い、いえですから」

姫「ち、父上にけ、け、結婚とやらを報告するのだな!?」

姫「えぇい!この裏切者が!嘘つき!ずっとわらわに仕えると申したのにッ!お前なんか……」

姫「お前なんかどっか遠くで幸せになるがよいわっ!」ナキ

バッ パタパタパタパタパタパタ

女騎士「ひ、姫様お待ちをっ!」

バタン

女騎士「……なぜだ」

姫騎士隊「遠くで幸せにって…懐いていらっしゃいましたし、お寂しいのですねぇ」

女騎士「そうではなくてだな!……えーい」バッ

ガチャ

女騎士「そうだ、ここに副隊長と悟空がきたら待っているよう伝えてくれ!」

バタン

………
……

パタパタパタ

姫「(嘘つき嘘つき嘘つき)」ウッ ウッ ウッ

姫「(わらわに仕えるのに飽きたのか!ワガママばかり言うわらわが嫌いになったのか)」ウッウッ

パタパタパタ

ヌゥーーン
ドスン

姫「きゃ!」シリモチ

姫「ぶ、無礼者!前をよく見」グシグシ

スゥウウ

………
……

女騎士「姫様?」

女騎士「(どこに行ってしまわれたのか)」

女騎士「部屋にもいない……」

~~
王都郊外 地下牢
コツンコツンコツン

悟空「薄いぐれぇーぞぉ」

副隊長「そりゃそうですよ~」

副隊長「ここは一級犯罪者を入れておく施設ですもん。貴重な資源の無駄にはしませんよ」

悟空「燃料もバカになんねぇーってチチが嘆きてたっけか」

副隊長「貴方随分と能天気ですねぇ。自分がどこに向かっているかご存知ですかぁ」

悟空「?おめぇーがどっか連れてくってんで着いてきたんじゃねーか」

副隊長「いやぁまぁそうですけど」

副隊長「牢屋ですよ牢屋」

悟空「牢屋ぁ!?オラを!?なんでぇ」

副隊長「貴方邪魔なんですよぉ」

悟空「おめぇとオラが会ったんはこのめぇ初めてじゃねぇーか?」

副隊長「そうですよぉ。あの時に私ピーンと来ちゃいました」

副隊長「貴方がいると隊長はおかしくなるとね……」ゾワゾワゾワ


悟空「わけわかんねぇーぞ?」

副隊長「とにかく、私と隊長の仲を裂く存在は許さないのです」

悟空「?」

副隊長「後で貴方はどこかに消えたとでもしておきましょう」

副隊長「厄介な紹介状は私の手にありますからねぇ」フフフフ

コツンコツンコツン

副隊長「さぁ着きましたよぉ。貴方は一生ここで――」

悟空「ん!?」

悟空「危ねえ!」バッ

副隊長「へっ?」

シュン

ジャキン

幽霊騎士「………」

悟空「おめぇ何もんだ!」

副隊長「な、なんですのぉぉぉ」


ナレーション「悟空にはわからぬ世界があるようではあるが、連れてこれた先にまたもや敵の気配が。今度の敵は幽霊?消えた姫はどこへ。妙な組み合わせがまた妙なことに」

オッス オラ悟空!

おっかねぇ副隊長がいうには牢屋なんてオラ流石に入りたくねぇーぞ。
と思ってたらまぁーた妙な敵が現れちまうんだもんなぁ。
ありゃ?オラの攻撃が当たらねぇーって!

幽霊騎士「……」フシュゥッゥ

ガコン

副隊長「何よアレェ」シャキン

悟空「なんも気を感じねぇ」

副隊長「へぇ?」

幽霊騎士「……」ガコン

悟空「くるっ!」スッ

幽霊騎士「……!」ダイトウ

ブンォンブォン

悟空「ふっ!」サッサッ

悟空「なかなかはぇーぞ」

悟空「だったら…っ!」フンッ

スカ

悟空「……へ?」スッテン

副隊長「!」

幽霊騎士「……」グルリ

副隊長「こ、こんのぉ!」パラララララ

副隊長「火の精よッ!」ポォォ

ハッ

幽霊騎士「……」ジャギン バシュン

副隊長「こいつ!」

幽霊騎士「……」ジッ

副隊長「ってか衛兵はどこほっつい歩いているのよ!」

キョロキョロ

悟空「よそ見すんじゃねぇ!」シュン

副隊長「へ?」シュン

幽霊騎士「……」ブンォン

シュン ドゴォン

悟空「あぶねぇあぶねぇ」フゥ

副隊長「あっ、えっ」ポカン

悟空「でりゃぁ!」フンフンフンフン

スカスカスカスカスカ

幽霊騎士「……」ブンォン

悟空「よっ!よっ!」シュン シュン

トントントントン

悟空「どーなってんだぁ?全然あたんねぇーぞぉ」

副隊長「な、なんで私を助けるのよ……」

悟空「?」

副隊長「……」ダッダッダッダッ

悟空「あっ、おい!」

幽霊騎士「……」ブンォン

悟空「っと!」

………
……

地下牢 奥

ダッダッダッダッ…
タッタッ

副隊長「(なんなのよ、あの化物!あんなのいるなんて思っても見なかったわ)」

副隊長「(でも好都合だわっ!)」チクリ

副隊長「……」フルフル

副隊長「……違うわ…」

副隊長「私はもう」

ガチャガチャ ヒッヒッヒッヒッ

囚人「わっ!!」

副隊長「ひゃ!」ビクッ

囚人「ヒャヒャヒャ」ガシャガシャ

副隊長「(しゅ、囚人共か)」キッ

囚人「お、女ァァ」グヒェヒェヒェ

囚人「女だぁ」ガシャガシャ

囚人「俺にも拝ませろぉ」グヘッヘッヘッ

副隊長「(チッ!醜悪な…これだから男は!)」

ジリッ

囚人「イーヒェヒェヒェ」ヌゥン

ガシッ!

副隊長「なっ!その汚い手を!は、離せぇ」ガンガンガン

パッ

囚人「やわらかい手だったなぁ」ヌラリ レロレロレロ

囚人「切り刻みたいなぁ」グヘッヘッヘッ

副隊長「!!」

副隊長「(なんておぞましい……今すぐ灰にしてやりたいが、ここの衛兵を見つけてさっさと逃げないと)」

キョロキョロ

囚人「ヒャヒャヒャ」ジーーー

囚人「……」ジーーー

囚人「……」ジーーー

副隊長「な、なによ!」

囚人「だーれを探しているのーかーなー」

副隊長「なっ…なぜわかっ」ハッ

囚人「へっへっへっ」

ギィィ ギィィ ギィィ ギィィ……

副隊長「か、鍵が、ど、どうしてですの!!」

囚人ら「へっへっへっ」ジュルルルル

牢内衛兵ら「………」

副隊長「あ、貴方達なにしてるのよっ!」チラッ

牢内衛兵「……」

囚人ら「イーヒェヒェヒェ。呼んでも無駄だぜぇ」

囚人ら「そうさ間抜けな奴らはオネンネ中だよーん」

ゾロゾロゾロ

副隊長「そ、そういう事ね…やたら挑発してたのは近づけさせる為…」

囚人ら「ビャハッハ。アンタなかなか来ないし、し、辛抱たまらんしで…なぁおい」

囚人ら「ゲヒャヒャ」ハァハァ

ゾロゾロゾロ

副隊長「近づかないでちょうだい!さもないと…」

囚人ら「どーするってぇ」

副隊長「こうするのよっ!火の精よッ!」パラララララ

ボッ!ボッ!ボッ!ボッ!

囚人ら「グ、グアアアアアア」アーレー

副隊長「身の程知らず共め」

囚人ら「アアアアアア」ボォォオォ

囚人ら「アアアアアア……アーヒャヒャヒャ!」シュゥゥゥゥ

副隊長「えっ……」

囚人ら「火遊びは終わりですかぁ」ニタニタ

ザッザッザッ

副隊長「ど、どうして」ジリジリ

囚人ら「鍵がどうとか言ってたなぁー」

囚人ら「あの御方に開けていただいたのよぉ」

副隊長「あの…御方…?」ジリジリ

囚人ら「幽霊騎士様よぉ」ジリジリ

副隊長「あの化物が…!」ドンッ

副隊長「(追い込まれ…た!)」

囚人ら「もう観念しなぁ」ヒタヒタヒタ

副隊長「よ、寄るな……」

囚人ら「グヘヘ、グヘヘッ」

副隊長「(た、隊長……!)」メ ツムリ

ガッ

悟空「……!」シュッッン

囚人ら「な、なんでてめぇ!どっから現れやがった!」

バッ

副隊長「……!」

ダッダッダッダッダッダッダッダッ

………


~~
数分前

悟空「ハァァァ!でりゃあああ!」

幽霊騎士「……」ブンブンブン

悟空「……!」シュン シュン

悟空「らちがあかねぇ!」

チラッ

悟空「あいつでーじょぶかな」

幽霊騎士「……」ズォオォン

悟空「くっ」ガシュ

悟空「つぅ~~」

バックステップ

悟空「あいつの攻撃だけ当たるなんて卑怯だぞぉ……」

悟空「……」

幽霊騎士「……」ザックザッグザック

悟空「そぉーか!」

悟空「おめぇ、なんでかオラの攻撃すり抜けちまうが、そいつは当たんのか!」シュン

幽霊騎士「……!」

悟空「そいつをマズへし折っちまえば!」ハァァァ

ダッ!

悟空「もらったぁ!」

ガンッッッッ

幽霊騎士「……」

幽霊騎士「……」

悟空「……」

幽霊騎士「……」スッ

ブォォォン

悟空「げぇ!!かってぇーーー!」

ブォォォンブォォォン

悟空「くそぉーー!」

幽霊騎士「……」スゥゥゥ

仁王立ち

幽霊騎士「……!」ギュンギュンギュン

悟空「う、うぐぐぐ、へ、変だぞ、行き成り攻撃を止めたと思ったらオラのち、力がど、どん…と」 

ギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュン

悟空「や、やべぇーぞ!」

悟空「…悔しいが、い、一旦退却くう」シュッ

~~

~~
地下牢 奥 荷物置き場

悟空「ふぅ」

副隊長「……」ウズクマリ

悟空「無事か?」

副隊長「……」ブルブル

悟空「……くそぉ仙豆がありゃ」

副隊長「……」ブルブル

悟空「勢いで奥に来ちまったが、ここもまじぃーんか?」

副隊長「……」ガタガタガタガタ

悟空「……」ポリポリ

悟空「そぉー心配すんな!なんとかなっからよぉ~」ニヘッ

副隊長「……」ピクッ

悟空「あいつに攻撃があたりゃだけどな」ンナハハハハ

副隊長「……どうして」

悟空「ん?」

副隊長「どうしてそんなに能天気ですのよぉぉ!」ガバッ

副隊長「アナタだって負けたのでしょう!?おめおめと逃げて来て……」

悟空「たははは、いてぇーとこつくぞぉ」

副隊長「逃げ…逃げられる元気があるなら……どうして…」

悟空「体力吸われちまってギリギリだけどな」

副隊長「……どうして私なんかの方に…アナタを貶める為に」

悟空「ワケなんてねぇーぞ」

副隊長「……!」

悟空「おめぇアイツの友達なんだろ?」

副隊長「で、でも……」

悟空「おめぇがオラを恨む理由はわからねぇが、オラはオラの意思でおめぇを助けた。それでいいじゃーか」

悟空「まっ、細けえことは気にすんな!」

ポカーン

副隊長「細けえって……フフッ…アーハッハッハ!」

悟空「ど、どした!?抱えたときにどっか頭打っちまっんか!?」

副隊長「ハハハ、なんでもないわよ。…私の意思で笑っただけよ」

スクッ

副隊長「そうね…あんな奴ら放置なんてしていられないわ」

悟空「つってもよぉ~オラの攻撃当たりゃしねぇーし、なんかあてがあんのか?」

副隊長「あの大刀をなんとか破壊できれば」

悟空「オラもそー思って力はいっぱいやってみたけど、硬えなんてもんじゃねぇぞ?」

副隊長「貴方みるからに脳筋ぽいわよね」

副隊長「素手一辺倒でゴーストを相手に思ってるのが間違いよ」

副隊長「魔術…なんてできないわよね?」

悟空「あの手品見えてぇのか。オラには出せねぇ」

副隊長「だろうと思ったわよ。いい事?ゴーストタイプは必ず依代となるものが必要なの」

悟空「?」

副隊長「魂を現世に膠着させるために何らかの物とか必要ってことよ。わかりまして?」

悟空「そいつがあの剣ちゅーんか」

副隊長「素手で挑むってんだから、相当なパワーがあるのよね?」

副隊長「それでも破壊できないなら、本体は大刀じゃないわ。フェイクよ」

悟空「んー。オラには検討がつかねぇーぞ」

副隊長「そうほいほい。わかったら苦労しないわよ」

副隊長「でも、必ず幽霊騎士が持ってるはずよ」

悟空「そいつを見せたら…か」

副隊長「ご明察。でも貴方が接近してバシバシしてたら、その隙きはできない」

悟空「距離を置くんか?」

副隊長「そんなことしてたら、隙きなんてできませんわ」

副隊長「私が遠距離から仕掛けるから、貴方は一定の距離保ちつつ避けなさい」

副隊長「必ずどこか魔術が通る場所ができるはずよ」

悟空「よっし!」バシバシ

副隊長「……隊長の魔力なら良かったんだけどね」

~~

囚人ども「ちぃ!見失った」

囚人ども「おそろしくはぇーやつだぜ」

囚人ども「なぁ、ほっといて外にでようぜ」

囚人ども「そうだそうだ、早く街で暴れてぇ」グヒェヒェヒェ

カツンカツン

副隊長「させると思っていらして?」

悟空「おめぇら悪さして捕まったんだろ?」

囚人ども「お前らの方からノコノコ出てきてくれるたぁなぁ!」

囚人ども「こ、こいつらやっちまってパーっと華添えてや、やる」ヒッヒッヒッヒッ

副隊長「……私はこんな奴らに怯えてしまっていたのね……」ハァァァ

副隊長「貴方はこんな奴らに無駄な体力使う必要はないわ」

囚人ども「急に威勢が良くなりやがって……」

ゾロゾロゾロ

囚人ども「覚悟しなぁ!!」

副隊長「あの幽霊騎士に魔を与えられたってわかれば、もはや敵ですらないわ」スッ

副隊長「私こういう性格だけど、本当は光魔法に精通している……のよっ!」ポワポワポワポワ

副隊長「光あれ!」

シュゥゥゥゥ

囚人ども「な、なんだ!?か、身体が!」

囚人ども「ち、ちか、ちから……がぁぁ……!」

バシューーン

囚人どもの骸「」

悟空「いぃ!?骨になっちまっぞ!?」

副隊長「…魔の力を得た代償はその命よ…」

悟空「ひぇー」ナムナム

………
……

地下牢 入り口

幽霊騎士「……」シュココォォオ

副隊長「さぁ本場よ!」

悟空「へへっ!もうおめぇに負けねぇーからな!」

幽霊騎士「……」ギャリン

ザックザッグザック

副隊長「来たっ!手筈通りよ!」

悟空「おっし!」ハァァァ

幽霊騎士「……」ブォォォン

悟空「よっ!」スッ

バッバッ

副隊長「火の精よッ!」ボッ

幽霊騎士「……」ズゥ バシュン

タッタッタッタッ

副隊長「次!火の精よッ!」ボッ

幽霊騎士「……」グルリ バシュン

幽霊騎士「……」ギンッ ダッ

悟空「こっちだ!」ハァッ

ガンガンガン

幽霊騎士「……!」ダイトウ ガンガンガン

悟空「やっぱ硬えぇ」

バッバッ

副隊長「土の精よッ」メコッ モワッ

幽霊騎士「……」ガッ ヒョイ

悟空「そりゃそりゃ!」ガンガンガン

バッバッ

副隊長「風の精よッ!」シュルシュル

幽霊騎士「……!」ビャンビャンボワァンビャン

副隊長「!」

幽霊騎士「……」ブォォォンブォォォン

悟空「おっとっと!」ヒュン

副隊長「今の見た!?」

悟空「腹のちょい右下が変だったぞぉ」

副隊長「体内に仕込んであるようね……魔の透過ですり抜けるからくりよ」

悟空「どうすんだ?」ヨット

副隊長「私の威力じゃ突破できないから、貴方に託すわ」

悟空「託すわって」

副隊長「私副隊長なの。役目は隊長のサポート」ポワポワポワポワ

副隊長「一気に決めてよね!」ポワポワポワポワ

幽霊騎士「……」スッ

仁王立ち

ギャンギャンギャン

悟空「またあれだ!力吸いとられんぞ!」くっ

副隊長「……まだよっ!」ポワポワポワポワ

ギャンギャンギャンギャンギャン
ポワポワポワポワポワポワポワポワ

悟空「くぅぅぅ!ま、まだか!?」

副隊長「もぉーーすこし……ハァァ!」

ハッ!

悟空「おっ!!」キュィン

右手が輝く

副隊長「き、決めちゃってよね」

幽霊騎士「……!」

悟空「ダァァァァァァァ!!」バッ

カッ!!!!!

パリン……

…………
……

地下衛兵「あ、ありがとうございました!!」バッ

地下衛兵「なんとお礼を言えば」ウッ

悟空「ハハッ。無事で良かったぞ」

副隊長「もぉー、くったくただわ……」

地下衛兵「まさか囚人達が魔に目をつけられるなんて」

地下衛兵「自分は一足先に報告に参ります!」タッ

副隊長「……それにしても貴方想像以上に凄いんですね」

悟空「おめぇもなかなかだったおもうんだけどな」

副隊長「はぁ……」

副隊長「それから、その、ごめんなさい」バッ

副隊長「貴方がその隊長を取っちゃうんじゃないかって…勝手に敵視して…」

悟空「オラが何を取るって?」

副隊長「……わからないならいいのよ」

副隊長「でも、本当ありがとうございました!」

ニコッ

タッタッタッタッ

地下衛兵「た、大変です!!お、王宮が!!」


ナレーション「強敵だった幽霊騎士を副隊長と協力し撃破した悟空。わだかまりもとけ安息かと思いきや、風雲急を告げる声。一体何が起こるのか」

オッス オラ悟空!

世の中ひれぇなぁ!副隊長がいなかったらちと危なかったぞぉ。
とにかくオラ力吸われて疲れちまった。
王宮がどうしたって!?お、おい女騎士!無茶すんのはよせ!

地下牢衛兵「た、大変です!王宮が!」ハァハァ

地下牢衛兵2「一体どうしたというのだ」

地下牢衛兵「はっ!それが……その禍々しい光に包まれおります!」

地下牢衛兵2「な!?」ダッダッダッダッ

地下牢衛兵「ここの囚人はもうおりませんので、さっ!お早く!」

コクン

副隊長「ほら貴方も!」ダッダッダッダッ

悟空「お、おう!」ダッダッダッダッ

~~
王都郊外

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

地下牢衛兵2「な、なんというこだ……」アゼン

副隊長「何よあれ」アゼン

悟空「すんげぇーやな気を感じんぞ」キン

副隊長「えぇ。一体王宮は……」ハッ

副隊長「こうしてはいられませんことよ!」

副隊長「もしもの為に、ここをセーフティハウスにします!衛兵さんあなた私の指示に従ってちょうだい」

地下牢衛兵2「も、もしもとは……その…」

副隊長「考えるのは後!結果の準備をします!」

副隊長「あなたは近隣に走って避難誘導を!」

地下牢衛兵2「はっ!!」ビシッ

悟空「オラはどうしたらいいんだ?」

副隊長「……心苦しいのですが貴方には王宮へ行って、隊長をお願いしますわ」ポワポワ

キュピーン

悟空「なんかあったけぇーぞ?」

副隊長「全力とまではいきませんが少しだけ回復しましたのよ」

副隊長「私ではあの中を突破できそうにありませんから……」ショボン

悟空「サンキューな!」ニッ

悟空「それとおめぇ」

副隊長「なんです?」

悟空「しゃべり方変わっちまってんな!」 

副隊長「これでも伯爵家の生まれですのよ。素はこっち!……ってそんなことはいいのよ!」

悟空「ハハッ」

副隊長「…くれぐれも宜しくお願いします」ビシッ

悟空「おうっ!」ファァァ

バシューーン

地下牢衛兵2「……そ、空飛んでいきましたね」

副隊長「……ハハハ……」

~~
王宮上空→王宮

ゴゴゴゴ

悟空「うひゃー街全部がひかってらぁ」

悟空「王宮ってんはあの丸い建物か」シューーン

シュタ

悟空「……やけに静かだな」オーイ

シーン

悟空「誰もいねぇ…でも嫌な感じがすんぞ」

タッタッタッタッ

悟空「ん?この扉だけなんか雰囲気ちげぇ」

ガチャ

老師「ハァァァァ!」ボッボッ

ドッ!

悟空「ッ!」スッ

バシュン!

悟空「いきなりなにすんだっ!」バッ

老師「魔物……ではなさそうじゃな」フゥ

悟空「オラ孫悟空だ」スッ

老師「ソンゴクウ。はて、聞かぬ名じゃが…ワシの術を容易く避けるとはのぉ」

老師「何か不思議な力を感じるわい」

悟空「じっちゃんこそ何もんだ?」

老師「ワシはここで魔術の研究をしとってな、それがいきなりの魔族襲来じゃわい。急いで陣をはっとっておるのじゃよ」

ザワザワザワ

悟空「他に誰かいるんか?」

老師「あぁ。助手や、城勤めの者達じゃ」

老師「とりあえず一番安全な場所はもうここだけじゃてのぉ」

悟空「いってぇー何が起こってんだ?」

老師「子細はわらぬが、おそらく魔王の右腕たる闇の貴公子じゃろう」

老師「王宮は聖なる場所。聖と魔は反発する。おいそれとは攻め入られる心配は無かったんじゃが」

老師「恐ろしいことじゃが、それを上回る力を手に入れた…ということなんじゃろう」

悟空「そいつはつぇーんか」

老師「強い?ほっほっほっ。強いなんてもんではないぞ。遠い南国をたった一人で手中に収めたほどの腕じゃ」

悟空「つぇーんんだな」ニッ

老師「?…ともかくアンタははよぉ逃げなされ」

悟空「オラ平気だ。そうだ!じっちゃん、女騎士見なかったか?」

老師「姫騎士隊のお嬢ちゃんかね?ここには居らぬの」

悟空「こんなか誰もいねぇーしよぉ、オラたのまれてんだが」

老師「ふぅーむ……ワシとおなじく結界を張っておるか、はたまた……」

悟空「めぇーったなぁ」

老師「このままジリ貧じゃて、流石のワシも長くは持たん」

ザワザワザワザワ

助手「そ、そんな老先生!我々はどうなるのです!?」

奉公人「う、嘘だろ……俺には田舎に残した家族が」

メイド達「こ、怖いわ」ガタガタ

悟空「んー……」ピトッ

老師「何をしとるんじゃ?」

悟空「ダメだな。やっぱアイツの気を感じとれねぇ」

老師「気?そ、それは生命の波動のことか!?」

悟空「気は気だぞぉ」

老師「ふむ……ワシの長年の夢の糸口がこうも目の前にいるというのに、よりにもよって闇の貴公子とはのぉ」

ザワザワザワザワ

老師「お前さん、街の中の様子を見なかったか?」

悟空「オラ一番にここに来ちまったから見てねぇーぞ」

下男「お、俺は見てきたぞ……ま、街の皆はい、石にされちまった…」ガクガクガク

下男「運良く……ここまで逃げてこれたが……」

下男「ま、街には石にする化物、王宮には闇の貴公子……も、もうおしましだ」

ザワザワザワザワ

悟空「……しょーがねぇ。おめ達ここは危なそうだし、副隊長のとこに行っとくか?」

老師「この人数を連れ街の外にか?それは危険じゃ、いい的になるのがオチじゃよ」

ザワザワザワザワ

悟空「ちぃっと待ってろよ。聞いてくるから」ンッ

老師「?」

シュィン

~~

王都郊外

シュィン

副隊長「良し…私ではここまでしかできませんが…なんとか形にできましてよ…」

副隊長「隊長か老術師様がいてくれましたら」ハァ

パッ

悟空「おっ、当たりだ。オッス!」

副隊長「!?!?!?」

悟空「ここに人連れてきてもいいんだよな?」

副隊長「ど、どどどどうやって?今?えっ?」

悟空「瞬間移動ってやつだ!おめぇ見たろ?」

副隊長「しゅんかん?移動?私が?いつ!?」

悟空「少しめぇだが、それよりいいんか」

副隊長「え、えぇ結界なら今しがた。地下には衛兵さん達と近隣の方々で整備していますから、人手が増えるのはありがたいかと」

悟空「よっし!じゃオラ今連れてくっからな。じっちゃんの気はちと変わってから…こいつか」ンッ

副隊長「はっ?いえ、それより隊長は!」

バシュン

~~
王宮 魔術研究所

シュィン

悟空「良いってよ!」

ザワザワザワザワ

老師「お、お主一体…」

ザワザワザワザワ
キエタトオモッタラ デテキタゾ

悟空「皆オラに掴まれ」

老師「いったいどうするのじゃ?」

悟空「いいからいいから。ほれ!」

助手「老先生、な、なんですかあれ」

老師「わしにもさっぱりじゃが」

助手「ま、魔族の類では?」

老師「ソンゴクウとやらからは、そうは感じられん。ここに居てもしょうがない」スッ

老師「では頼むぞソンゴクウ。お主に触れればいいんじゃな?」

悟空「おう!ちと人数多いからこりゃ二回くれぇだな。それとじっちゃんは最後にしてくれ。気を感じられんのはじっちゃんだけみてぇだしな」

老師「あいわかった。皆のもの先に行くが良い」

ザワザワザワザワ
ナンダカ ワカラナイガ ニゲレルナラ

ピトッ ピトッ ピトッ……

悟空「そんじゃいくぞ」ンッッッ

シュィン

~~
王都郊外

副隊長「……」ポカーン

悟空「そんじゃ次だな」ンッ シュィン

ザワザワザワザワ

助手ら一行「へっ」

………
……

悟空「これであそこにいたのは全員か」

老師「これこれは…全く摩訶不思議じゃて」

ザワザワザワザワ

老師「お主いったいこの技はなんじゃ」

悟空「瞬間移動ってやつでな」

副隊長「……」ハッ

副隊長「老術師!」

老師「ん、おぉ。無事じゃったか」

副隊長「はい!師もご無事で良かったですわ」

副隊長「王宮はどうなっているんですの?」

老師「それがのぉ――」

…………
……

副隊長「そ、そんな」ヘナヘナ

老師「陛下や妃様、それに姫様も見ておらぬ…」

副隊長「姫騎士隊の皆も、隊長ぉ…」

老師「安否も含め何か手を考えねば」

老師「ほれほれ。しゃきっとせいきっと無事じゃて」

副隊長「は、はい…」

………
……

地下 セーフティハウス

老師「近隣の住人はひとまず全員かの」

地下牢衛兵「はっ!」

副隊長「しかし王都には何千人もの人が取り残されいますわ」

老師「攻め入るにはまず街に現れた石の魔物じゃな」

副隊長「厄介ですわねぇ」ウーン

悟空「なぁそいつはどんなやつなんだ?」

老師「その昔は北の山の神として崇められていたのじゃが、そこが魔王降臨の際に根城になっての」

老師「旅人を癒やす力が、今では人を石に変える力を持ってしまったんじゃよ」

悟空「石か。ダーブラみてぇだな」

老師「ダーブラ?聞かぬ名じゃ」

悟空「めぇーにな。あんときはどーしったって言ってたってけかなぁ」

副隊長「やつ4つの瞳に見られると人は石になるそうだ」

悟空「見なきゃいいんじゃねぇーか?」

副隊長「そんな単純なことではなくってよ」

副隊長「両目2つに、背中に1つ、尾に1つのありますの。そして、その大きさから見上げずにはいられませんのよ」

悟空「ひぇー。すきがねぇーんか!?」

副隊長「そういうこと」

悟空「なら、今までどうしてたんだ?」

副隊長「それはそのですね」

老師「聖獣いや、魔物は魔王城の番犬として鎮座しておってな」

老師「もはやそれすら不要になったと考えるべきことじゃよ」

悟空「石になっちまった人らはどーなんだ」

副隊長「……王都が落ちたらやつらの餌になる」

悟空「いぃ!?食われちまうんか」

老師「直接ではない、再度石化を解かれた者は抜け殻となるんじゃよ……」

副隊長「……残酷…です…わね」

悟空「解凍みてぇーなもんか…そいつはやべぇーぞ」

老師「……」ン

老師「解凍」ソウジャ

老師「奴を凍らせればいけるかもしれんぞい」

副隊長「凍らせる…ですか?」

老師「そうじゃ、混合魔術は知っておろう」

副隊長「それは一応。水と風を使って急激に冷やす方法ですわよね。氷の魔導が必要ですが」

老師「左様。風はわしがなんとかするから、お主は水を目一杯するんじゃ」

副隊長「しかし、それではやつの石化の目から逃れられません」

老師「それはほれ。なぁ」チラッ

悟空「ん?」

老師「ソンゴクウ。お主こうパッと明るくする技は」

副隊長「そのような都合のいい大規模な照明などありませんわよね。光の魔術でも小規模ですし」

悟空「ん?あんぞ。目くらましすりゃいいんか?」

副隊長「やはり別の手を」

老師「ほっほっほっ」ニタリ

副隊長「……もはやなんでもありじゃないですか」

………
……

~~

王宮 謁見の間 闇の結界内

女騎士「くっ……」ハァハァ

闇の貴公子「もうお終いか」

姫魔「……」ズモモモ

女騎士「ひ、姫……様っ!気づいてくださ…」ガクッ

バタン

姫魔「……」

闇の貴公子「ふん。くだらん」

闇の貴公子「さて、ではここ魔の扉を開こう」スッ

闇の貴公子「クックック……」ズァン


ナレーション「暗雲立ち籠める王宮内で出会った老術師一行。彼らを無事に外に連れ出すことにした悟空。街には人を石に変えるという魔物が立ちはだかるが、対抗策を見つける。一方女騎士のと姫の身に何が、闇の貴公子の目的は」

オッス オラ悟空!

人を石にする魔物か。ちと厄介だぞ。
じっちゃんや副隊長がなんとかしてくれるみてぇーだし、オラもがんばんぞ!
でも闇の貴公子がなんか狙ってるみてぇーだし、女騎士無事だといいんだがなぁ

読んでくれてありがとう!!
そして誤字すまんせんすんません
貼り付ける際に見直してるが、たった一人の文書校正だと抜作になるう

~~
女騎士邸宅

シュン

悟空「よぉ!急ぎで頼みてぇーことあんだが、ちといいかぁ!」

領主公「!?ソンゴクウくんどこから」

悟空「王都がてーへんなんだよ!」

領主公「な、なに!?」

………
……

領主公「なんということか…娘がまたもや行方しれずばかりか、魔の侵入を許すとは」グッ

悟空「そんで、じっちゃんがおめぇなら氷の道具持ってるってんでオラ取りに来たんだ」

領主公「あ、あぁ……宝物庫にそれはある」

領主公「(娘の為に暑い夏を快適に過ごしてもらおうと、せっせと老師に開発費用を渡して造ってもらったのが、まさかこのような形で役に立とうとはな)」

………
……

悟空「ヘヘッ!これでなんとかなんぞぉ~」

領主公「……おめおめと指を咥えて待ってるわけにはいかんな。私も行こう」

執事「旦那様それはっ!」

領主公「私も父として行かねばなるまい」

執事「かしこまりました。無事のご帰還お待ちしております」スッ

~~

地下セーフティハウス

シュィン

領主公「…ふむ…」

悟空「持ってきたぞ!」

副隊長「こ、公爵様っ!?ど、どうしてこちらに」

領主公「私とて国の上役である。先頭に立たずしてどうするか」

副隊長「は、はっ!失礼しました」バッ

ツツツツ

副隊長「ちょっ、ちょっと貴方、どぉーして公爵様をお連れしてるんですのよ」ヒソヒソヒソ

悟空「どーしてって、あいつが来てぇってんだからなぁ。まじぃんか?」

副隊長「馬鹿ねぇ、公爵様にもしものことがあったらどうするんですってことよっ!」

副隊長「私の代わりはいくらでもいるけど、公爵様よ?偉いのよ!?」オワカリ?

悟空「?別にいいんじゃねーか?」

オーイ ソンゴクウ モッテキタンジャロウナ

悟空「おう!んじゃちと渡してくらぁ」タッタッ

……

領主公「ハッハッハ。聞こえたよ副隊長くん。私の代わりもいくらでもいるのだよ」

副隊長「!はっいえ!も、申し訳ございません…ですが!」

領主公「いい、いい。本音を言えば娘がただ心配なだけさ」

副隊長「公爵様……」ウルル

領主公「それそうとしてキミ。少し雰囲気変わったね」

副隊長「そ、そうでしょうか…」

領主公「あぁ。前のキミはなんだか軽薄なのだが、どこか近寄り難い雰囲気をしていたからね」

領主公「それが少し見ない間にソンゴクウくんとそんなに仲がよくなるなんてね」

副隊長「そ、それは、話しやすいといいますか、気兼ねをしないといいますか」

領主公「うんうん。彼はどことなく人を引きつれる魅力があるのかもしれない」

副隊長「そ、それを仰るなら公爵様も、ソンゴクウと何やらご親密な様子ではありませんか」

領主公「ふむ。そう見えるかね?フフッ」

領主公「なんせ彼とは同じ父親として、さらに彼は先輩にあたるのだから!」

副隊長「は?」

領主公「なんだキミしらないのかね?彼あぁ見えても、もうすぐ孫ができるそうだよ」

領主公「あぁ~孫。なんていい響きだろうか」

副隊長「……嘘でしょおお!?」

………
……

悟空「こいつでいいんだよな?」

老師「よしよし」イソイソイソ

ヒョォォォォォ

老師「具合もよかろうて」

チラッ

老師「なんじゃあの親バカも連れてきたのか」

ワイワイワイ ギャーギャー

悟空「きてぇーってんでな」

老師「外面は慇懃無礼のきらいがあるが、中身はあの通り、ただの親バカじゃ」

悟空「ハハッ。そうみてぇーだな」

カチッ ヒョォォォォォ……

老師「さて、急いでし損じるわけにもゆくまい」

老師「作戦を詰めるのじゃ」

………
……

副隊長「師と私が詠唱している間に、ソンゴクウがそのタイヨウケンとやらで、魔物の動きを一時的に封じ、公爵様が魔導を設置する……ですか」

老師「左様」

領主公「なかなかスリルがある役目じゃないか」

副隊長「ほ、本当によろしいのですか?」

領主公「あぁ。問題点はなかろう」キリッ

副隊長「そうですか……」

老師「なぁにこやつもただのボンクラではないさ」

領主公「ハハッ。そうとも」

副隊長「わかりました。それで、タイヨウケンというのは信用できるんですの?」

悟空「あぁ。オラ何回かピンチを脱出できたしな。えぇーと、折り紙付きたぞ!ただ、ちゃんと見てくれねぇと意味ねぇけどな」

副隊長「効果の程は測りかねますが、貴方がピンチというのですから、よほどのことだったのでしょう」

老師「そういうと、凄い技のように聞こえるのぉ」ホッホッホッ

領主公「全くだ」ハッハッハ

老師「問題点を上げるとして、そうじゃのぉ、いかにしてソンゴクウに魔物の注意、それも全部の目を向けるかじゃが」フム

領主公「背中と尾は裏手に回ればいいが、そうなると正面が隠れるな」フム

副隊長「真正面からでは、両目がありますし、そもそも立ち向かえる大きさではありません」フム

悟空「なぁ姿形ってどんなんだ?」

老師「聖獣だからのぉ。実のところは獣のそれじゃよ。もの静かで草木を食し、毛は美しく黄金に輝いとったわい」ナツカシイヒビ

悟空「そうか。オラそん時に会ってみたかったぞ」

老師「……」

領主公「しかし今はもはや魔獣と化したのだ。魔王が倒させるまで眠っていてもらおう」

副隊長「ソンゴクウは何か案はありまして?」

悟空「んーそだなぁ、オラが小せえ頃でも飯捕まえんのは真正面からだったしなぁ」

副隊長「……貴方、そんなに野生児だったの…」

領主公「いやはや恐れ入る……」

悟空「やっぱ、餌でつりゃいいんじゃねーか?」

副隊長「餌で釣られた魔獣の突進を受け止めろと?無茶ですわよ」

領主公「ふむ。餌で釣るか。悪くないのではないか?」

領主公「王都に落とし穴を作るわけにはいかぬが、こちらにおびき寄せ巨大な穴を落とす。さすれば、魔獣は上を見上げるしかない」

老師「ほっほっほっ。なるほど。身動きとれぬ、わしらも好都合じゃわい」

副隊長「お二人共本気ですか!?第一巨大な穴など」ハッ

副隊長「……はぁ。一応聞いておきますが、貴方、巨大な穴なんて短時間で作れまして?」

悟空「ヘヘッ」ニィ

副隊長「はぁ……」

領主公「まぁどの道、この作戦が失敗すれば我々に未来はないだろうからな」

老師「そうじゃとも」

~~
王都近郊の鉱山帯

副隊長「……くれぐれも他に被害が出ぬようにお願いしますわよおお!」

オーイ

悟空「わーかーったーー!離れてろよぉぉぉ」

ウッシ

悟空「あんまりやり過ぎっとやべぇからな」

スゥゥゥ

悟空「かー」

悟空「めー」

悟空「はー」

悟空「めぇぇ」ビキュュュュュン

ゴゴゴゴ

副隊長「……!す、凄い力ですわ」

老師「こりゃたまげたわい」

悟空「派ァァァァァ!」

カッ!!!

ドッッッカーン

モクモクモクモク

領主公「もはやあれで倒せるのではないのか……」

副隊長「ハァ……」

老師「ほっほっほっ。はやいとこ魔王を倒して聖獣にしてやらねばのぉ」

~~
クレーター

悟空「そんじゃオラその魔獣ってのつれてくんぞ!」ファァァ

老師「あぁ。頼むぞ」

副隊長「気をつけてね」

領主公「途中で目隠し付け忘れるなよ?見られた瞬間に終わるからな」フリフリ

バシューーン

~~
王都

王都民「はぁはぁ……み、みんな石になっちまった……ど、どこか隠れなきゃ」ガタッ

北の魔獣「グルルルル」ドァッ

ドスン

王都民「み、見つかった!う、うわあああ」ピキピキピキ

北の魔獣「グルルルル」ノッシノッシ

王都民一家「あぁ……また一人石に……」ガタガタ

王都民一家「も、もうこの国はお、お終いだ…逃げる場所なんてないんだよぉ……」

北の魔獣「グルルルル」クルリ ジッ

ノッシノッシ

王都民一家「き、気づかれた!く、くるなああああ」キャーーー

北の魔獣「グルルルル」ジッ

スゥゥゥ

悟空目隠し「やいやい!おめぇ!!」ガァァァ

悟空目隠し「見えねぇけど気配でわかんぞ!!」

北の魔獣「グルルルル……」グァァ

悟空目隠し「ここだここだ!!」

北の魔獣「グアアアアア!!」

悟空目隠し「たぶん気ぃついたでいいんかな?」

悟空目隠し「おめぇ!いい加減にしとけとよぉ!」

北の魔獣「グアッグアッ!」ダッタッタッタッタ

悟空目隠し「オラの方に向かってるなぁ」ニヤ

悟空目隠し「そらそら!こっちだ!」バシューーン

北の魔獣「グルルルル」ドシンドシンドシン

………
……

ドシンドシンドシン

悟空目隠し「じっちゃん達の気は、こっちか」バシューーン

ドシンドシンドシンドシンドシンドシン

………
……

老師「来たか」ザッ

ドシン……

領主公「フフッ」ザッ

ドシンドシン……

副隊長「ふぅ~」ザッ

ドシンドシンドシン!!

悟空目隠し「連れてきたぞぉぉ!」

北の魔獣「グアアアアア!!!」

老師「今じゃ!」

老師・領主公・副隊長「土の精よッ!」メコメコメコメコ

北の魔獣「グア!?」ジメン モコモコ

北の魔獣「!!」ジャンプカイヒ

IN クレーター

北の魔獣「ガ、ガアアアアア!!」モガモガモガ

悟空目隠し「ここだここだ!」真上

北の魔獣「グアアアア!」ギョロリン

老師「詠唱に入るぞい!風の精よッ!!」ブアアアアア

副隊長「はい!水の精よッ!」ゾアアアアアア

領主公「よしっ」ダッタッタッタッタ

悟空目隠し「ほんじゃいくぞぉぉ!目はつむっとけよぉぉぉ!」

バッ バッ バババッ

悟空目隠し「たいよぉーけーーん!」カッッ

ピッカーーーーーーーーン

北の魔獣「!!!」モガモガモガ

領主公「そーーら!娘のバカンス用、私の魔力つきだ!味わうがいい!」ヒョォォォォォヒョォォォォォ

ポーイ

ダッタッタッタッタ

老師・副隊長「氷の精よッ!!」

大冷却

北の魔獣「グアアアア!!」ピキピキピキピキピキピキ

キラーーン

………
……

老師「皮肉なもんじゃのぉ。自らが止まるとは」

領主公「これはこれで美しいな」

副隊長「持って帰れませんわよ」

悟空「近くでみっと、なんとかキングよりでっけぇなぁ」

北の魔獣氷結「」カチコチ

副隊長「今更ですが近くにいて大丈夫なんでしょうか」

老師「なぁーに心配いらぬよ。魔氷といってな、中におる者からは外が見れんのじゃ」

副隊長「そうでしたか」

悟空「これどんくらいもつんだ?」

老師「何もせねば半永久といったところかのぉ」

悟空「そか」サスサス

悟空「おめぇ元に戻れたらいいな」

パチンッ

領主公「さぁいよいよ王宮奪還に入ろうではないか!」


ナレーション「女騎士の父親である公爵の力もかり、石にするという魔物を退けた悟空達。これでようやく、王宮へと踏み入ることができるわけだが、いったい中の様子は」

オッス オラ悟空!

はえーとこ街の皆も戻さなきゃいけねぇみてぇだし。
ん?お、おい女騎士またなんか変じゃねぇーか!?
オラ達の前に立ち塞がるってなんだよ!

~~
地下セーフティハウス

ザワザワザワザワ
ワイワイワイ
キャキャキャ

地下衛兵達「皆様!お疲れ様ですっ!!」バッ

女衆・メイド達「キャーキャー!公爵様ァァ!」ステキィ

男衆・奉公人達「うっおおお!副隊長ォォォ!」カワイィィ

助手「老先生!ご無事何よりです」

老師「なんじゃ、なんじゃ騒がしいやつめ」

領主公「フッ」キリッ

副隊長「何事ですの!?」

ザワザワザワザワ

地下衛兵「はっ!皆様のご活躍の一報を知らせた所、このように」バッ

悟空「ンァハハハッ!おめ達すんげぇ人気あんだなぁ」

副隊長「男共から黄色い声だされても嬉しくないわね」プリプリ

領主公「おんやぁ?キミもしかして特殊な――」ジロジロ

副隊長「!!ち、違います!違いますのよ!?」

悟空「ンァハハハハ」

老師「やれやれ。本題はここからじゃて」

………
……

老師「さて、敵方はもう街に居座った魔物が倒された事を掴んでおるじゃろうな」

領主公「私の屋敷に現れたというコウモリ公爵めが、すぐさま計画をたて陰謀を巡らせたという話だ」

副隊長「すると私達も動くなら早いほうがいいんでしょうか」

領主公「あぁ」ウンム

老師「となると、目下一番は厄介は闇の貴公子の撃破じゃな」

副隊長「難しいですね……」ウーン

悟空「なんでだ?」

副隊長「なんでって……いや、しかし?」

副隊長「師よ。ソンゴクウならば」

老師「わしもそう思っとったところだわい」

副隊長「!」ウンウン

悟空「オラがなんだって?」ン?

副隊長「無謀も無茶も貴方なら覆せるかも知れないって話よ」ニッ

領主公「おぉ!なるほど!」ポンッ

老師「ほっほっほっ」

悟空「?」

副隊長「ソンゴクウ。貴方に頼みたいことがあるわ」

副隊長「闇の貴公子を倒してちょうだい!」

悟空「ヘヘッ!そいつ、つぇーんだろ?」ワクワク

副隊長「やってくれますのね!」

老師「ほっほっほっ。こりゃ頼もしいわい」

領主公「さすが、我が娘が見込んだけはある!」アーハッハッハッ

………
……

老師「では、お主達に任せるぞい」

領主公「娘、いや皆を頼むぞ」

副隊長「はっ!!」バッ

悟空「任せとけ」サムズアップ

~~
バシューーン

王宮上空

悟空「じっちゃん達はあそこで留守番でいかったんか?」

副隊長「逆ですのよ。師と公爵様でなければ、結界維持と魔物からの迎撃ができませんの」

悟空「へぇー。やっぱ、じっちゃんらつえぇーな」

副隊長「……貴方から強い強いと言われるとなんだか、馬鹿にされているようで、ちょっと前の私なら思っていたでしょうねぇ」

悟空「オラそんなこと」

副隊長「知ってますことよ。貴方が本気で仲間だとそう思ってくださるのがね」ニコッ

悟空「そっか!」ニッ

副隊長「さて、お喋りはここまでのようね。私は別口に入って皆を探すから、貴方はなんとしても闇の貴公子を倒してね!」

悟空「おう!」

スゥゥゥ スタッ

副隊長「師が言うには謁見の間…そうね。あそこを目指しなさい」

悟空「あの窓からへぇれねぇーんか?」

副隊長「んー、幽霊騎士と同じ現象で物理的突破はできそうにないわね」

悟空「そーけぇ。迷っちまいそうだぞ」

副隊長「頑張りなさいよ!あぁそうそう。はいこれ」ゴソゴソ

ジャジャーン
光の結晶

悟空「なんだこりゃ?」

副隊長「それが光ったら人がいる証拠ね」

副隊長「もしも人が居たら、師の部屋に連れてきて。一応ことが済むまで拠点にしてるから」オナジノ ジャラリ

副隊長「じゃ!また後で!」

悟空「おう!」

~~
王宮 一階 正門

ガガガガガ

悟空「めぇよりやな気が増してんぞ」キッ

コツコツコツコツコツ

悟空「それになんかいやがんな?」バッ

魔物「ギイイイイイ!」バッバッ

シャアアアアア

悟空「ンッ!」

ドスドスドス

魔物「」

悟空「……」

コツコツコツコツコツ

バッバッバッ

魔物達「シャアアアアアア!!」

悟空「うりゃぁ!」バッ

ドスドスドス

魔物達「」

悟空「うひぃ…数が多くなって来たぞ」

コツコツコツコツコツ

~~
正門→大ホール

コツコツコツコツコツ

鉄巨人「ズアアアアア」ジャラジャラジャラ

鉄球

悟空「おっと!」バックステップ

鉄巨人「オマエ トオサナイ!」ジャラジャラジャラ

ブォォォン ズガァァァン

悟空「うひぃ!馬鹿力だぞ!」

鉄巨人「ウガアア!」ジャラジャラジャラ

ドッシャーーーン

悟空「よっ!」スッ

鉄巨人「ンギギギ」

鉄巨人「トリ オサエ ロ」スゥゥゥ

ギャギャギャギャキャ

魔物達「シャアアア!!」バッバッバッ

悟空「ん!?」

ガシガシガシ

鉄巨人「ウガアア!」ジャラジャラジャラ

ドゴーーーーン!

鉄巨人「ツ ツブレ タ」

モクモクモクモク

悟空「……」テッキュウ ガシッ

悟空「へへっ!」

鉄巨人「ナ!」

悟空「そらぁおかえしだぁ!」ズォォォ ピューーー

ガァァァァン

鉄巨人「」ドサリ

~~
大ホール→分かれ道

悟空「確か上行きゃいいんだから、あそこの階段でいいんかな」

ボァンボァンボァン

悟空「ん?ひかったぞぉ」ボァンボァン

悟空「あっちのでっけぇ扉の向こうに誰かいんのか?」

悟空「こんな敵だらけんなかじゃ、まじぃぞ」

ダッタッタッタッタ

キィィィィ……

ボァンボァンボァン

~~
大ホール→礼拝堂

ボァンボァンボァン

悟空「暗ぇな」

ボァンボァンボァン

悟空「誰かいんかぁぁ?」

シーン

ボァンボァンボァン

悟空「んー?あれぇこの気」

スッ コツンコツンコツン

女騎士「悟空か…」

悟空「おっ!やっぱし!!」ヨォ

悟空「ヘヘッ!おめぇ無事だっんかぁ~」イヤァ

女騎士「あぁ。お前こそな」

コツンコツンコツン

悟空「おめぇとはぐれちまってから、てぇーへんだったぞぉ」

コツンコツンコツン
ピタリ

女騎士「あぁ。私もだ」ウツムキ

悟空「ヘヘッ。こりゃおめぇの親父もよろこぶな」

悟空「そうだそうだ!副隊長。あいつも今ここに来てんぞ」

女騎士「副隊長……それに父上もか。元気であろうか」ウツムキ

悟空「おぉ!元気元気!おめぇの親父はじっちゃんのとこだけどな」

女騎士「じっちゃん…老師様もご無事だったのだな」ウツムキ

女騎士「そうだ悟空、貴方はどうしてここに?」ウツムキ

悟空「オラか?ヘヘッ、オラ実は皆に頼まれてよ、闇の貴公子っちゅうのに会いに来たんだぞ」ワクワク

女騎士「闇の貴公子……そうか」ウツムキ

女騎士「そうか……」キッ スチャ

ジャキン!!

女騎士「闇の貴公子…に敵対する者は私が…」
 
悟空「お、おい!どーしちまったんだよ!」

女騎士「私が斬るッ!!」ブォォ

ヒュン

悟空「っ!」

バックステップ

女騎士「ハァァァァァァ!」ブォォォ

悟空「あぶねぇーて!」ヒョイ

女騎士「せいっ!」ヒュン

悟空「ッ!」ヒョイ

女騎士「ヤァァ!」ヒュンヒュン

タッタッ……

女騎士「風の精よッ!!」

シーン

女騎士「……」カシャン

悟空「なぁおめぇ」

女騎士「フフッ。精の声も届かぬか」

女騎士「それにやはり悟空は強いな。私では到底かないはしまい」フゥ

悟空「……」

ズズズズズズズズズ

悟空「ンッ!?」ピョンピョン

ズズズズズズズズズ

女騎士「ハアアアアアアアアア」

悟空「な、なんだ!?おめぇの周りに暗ぇんが集まってくぞ!」アセアセ

ズズズズズズズズズ

女騎士「!!」

バシューーーーーン

魔女騎士「……」

悟空「その格好、いってぇどぉーしちまったんだ?」

魔女騎士「もはや人の身に非ず…」

魔女騎士「ハアアアアア!」ォォォン

禍々しい炎

悟空「ンッ!?」ジュ

悟空「グッ、な、なんだこりゃ」

魔女騎士「刈り取る炎だ」

悟空「うぐっ、右腕にち、力が、は、入らねぇ…ぞっ!」ブラン

魔女騎士「立ち塞がるものは皆無」

魔女騎士「ハアアアア!!」ォォォン

狂乱の嵐

悟空「くっ!!」ガガガガガ

魔女騎士「その傷はやがて毒を育む」

魔女騎士「ハアアアア!!」ォォォン

古毒な水

悟空「!」ビシャビシャビシャ

悟空「う、うぎゃあああ」ビビビ

悟空「か、からだが、が、が、が、し、しびれ」

バタリ…

悟空「お、お、めぇ、ほん…と、どうしちっ」

魔女騎士「ただの死人には墓標無し」

魔女騎士「ハアアアア!」ォォォン

失墜の沼

悟空「う、うぐぐぐぐ!」ズルルルルル

悟空「し、し、しず、んじ、ま、う……」

ズル ズル ズル

「………」

魔女騎士「……悟空…」ウツムキ

………
……

~~
王宮 謁見の間 闇の結界内
カツカツカツカツ

魔女騎士「……」スッ

闇の貴公子「いやぁ実に素晴らしい」パチパチパチ

闇の貴公子「もっと苦悩するかと思っていたんだがな」フフフフッ

魔女騎士「……」ヒザマズキ

闇の貴公子「ねぇ姫様」カミ サラァ

姫魔「……」チンザ

魔女騎士「……姫様に触るなッ」キッ

闇の貴公子「……ククククククッ」

闇の貴公子「随分反抗的だなぁ。だが今日のボクは気分がいい」

闇の貴公子「なにしろ突然現れたあの男が死んだのだ」クククククッ

クルリ

闇の貴公子「そう。お前の手でな」ビシッ

魔女騎士「くっ……」グッ

スタスタスタスタ

闇の貴公子「さあ姫よ。扉を開ける続きを」スッ

スクッ

姫魔「……」ズモモモモ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ナレーション「何ということであろうか。悟空の前に突如として女騎士の刃が迫った。沈みゆく悟空。女騎士は本当に敵になってしまったのであろうか」

オッス オラ悟空!

女騎士のパワーがすんげぇーぞ。
こいつはオラもしかすっとやべぇんじゃねーか?

ご安心か期待外れで申し訳ないが超展開はございませぬうううう

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

闇の貴公子「いいぞ。では、その調子で励むのだ」サッ

闇の貴公子「ボクは他の侵入者を消してくるからな」クククククッ

コツ…コツ…コツ…

姫魔「…」ズモモモモ

魔女騎士「……姫様」

モワモワモワモワ

………
……

女騎士「姫様は見なかったか?」

奉公人「いえこちらには」

タッタッタッタッ

女騎士「(陛下のところだろうか)」

カツカツカツカツ

女騎士「(いや、確か今日は遠方から来賓を招いているとか。そのような時行くまい……)」

ナ、ナニモノダ

女騎士「(謁見の間!?)」

ガチャ キィィィィ

大臣「が、あああああ!」バシューーン

近衛兵「だ、大臣さまっ!!」ジャキン

南国大商人「……」

国王「お、おぬし、な、何をする!」

妃「キャーー」

南国大商人「……」スッ

近衛兵「う、うぐっ、ぐっ、か、体が…」ファァァ バシューーン

女騎士「(な、何が起こっている!?大臣や近衛兵達が消えた…)」ハッ

女騎士「陛下!」ダッタッ

国王「お、おぉ!」

ジャキン

女騎士「何者だ!」キッ

南国大商人「……」スッ

女騎士「その手はなんの真似だ!」シャキン

南国大商人「……?」クビヒネリ

ニギニギ

南国大商人「お前、なぜ効かない」スゥ

女騎士「なんの話だ!」

女騎士「陛下達はお早く!」

国王「お、おぉ、す、すまない」ダッタッ

南国大商人「逃がすと思っているのか」ギンッ

国王・妃「あっ、がっ、……」

女騎士「き、貴様ッ!!」ダッタッタッタッタ

女騎士「セイヤァァァ!」ヒュン

南国大商人「ふん」スカスカ

女騎士「くっ!」ヤァァァ

スカスカ

女騎士「(当たらないッ!?)」

女騎士「陛下達を離せぇ!」ヒュンヒュン

女騎士「火の精よッ!」ボッ

南国大商人「…ほお」ボオオオオ

チリチリチリチリ

女騎士「(やったか!?)」

ブォォォン

南国大商人「ぬるいな」

女騎士「な、なんだと」

南国大商人「はぁ」ボゥンンン

ブォォォン

女騎士「く、黒い炎!?ま、まさか!」

ボゥンンン

女騎士「ぐはっ!」バリバリバリ

女騎士「ハァハァ…き、キサマは魔族、か…」ヨロヨロ

南国大商人「ククク。そうとも」パチンッ

ズァァァァァン

闇の貴公子「ククククククッ」ファサァ

女騎士「!!」

女騎士「ば、馬鹿な!闇の…貴公子!」キョウガク

女騎士「王宮に入れるはずが……いったいどうやって…」

闇の貴公子「それを教えるとでも?」クククククッ

闇の貴公子「ハッ!」

国王・妃「……!」バシューーーーーン

女騎士「あ、あぁ、そ、そんな……」ガクッ

女騎士「おのれぇ!!」ジャキン

闇の貴公子「お前の相手は彼女にして頂こう」パチン

コツ コツ コツ コツ コツ

姫「……」

女騎士「ひ、姫様ッ!ここは危険です!来ては!」

コツ コツ コツ コツ コツ

闇の貴公子「ククククククッ」

スッ

姫「……」ウツロ

女騎士「ひ、姫様…?」

姫「……」ズモモモモ

女騎士「(禍々しい気配!?)」

バァァァァン

姫魔「……」スッ

ボボボボボボ

女騎士「くっ!!」ドゴンドゴンドゴン

女騎士「…ぐ、ぐはっ…」ヨロヨロ…

女騎士「いったい…ど、どうして、姫、さまッ…」

姫魔「…」ボボボボボボ

ドゴンドゴンドゴン

女騎士「(だ、誰を……呼ばな…くては)」トビラ チラッ
 
闇の貴公子「クククッ。無駄だ」

闇の貴公子「ここには闇の結界がはってあるのだよ」ファサァ

女騎士「……!」

闇の貴公子「そもそもお前が入ってこれたのが不思議だったのだがな」

闇の貴公子「だが、それももはや知り得た事で意味はない」パチンッ

姫魔「……」ボボボボボボ

ドゴンドゴンドゴン

女騎士「くっ……」ハァハァ

闇の貴公子「もうお終いか」

姫魔「……」ズモモモ

女騎士「ひ、姫……様っ!気づいてくださ…」ガクッ

バタン

姫魔「…」ボボボボボボ

闇の貴公子「ククク。まぁ待て。こいつは使える」

闇の貴公子「あの男を抹殺する為に」ブォォォン

闇の貴公子「ボクの手足となって働いてもらおう。そう!麗しの姫を取り戻したいならなぁ」ハーハッハッ

モワモワモワモワ

………
……

魔女騎士「(そうして魔の力を与えられしまっていた……)」

姫魔「……」ズモモモモ

魔女騎士「(…姫よ。私は貴女の姫騎士にございまする)」

………
……

~~
天空城

悟空「……」

ゴポポポポポポポ

悟空「…!?」ボハァァ

悟空「い、息が…」ハァハァ

悟空「…オラ確か女騎士にやられちまって……」ニギニギ

悟空「?腕が動く…」

悟空「ここはどこだ?」キョロキョロ

ツカツカツカツカ

女神「気づきましたか。孫悟空よ」サラサラリーン

悟空「ん?おめぇ誰だ?どしてオラの名めェ知ってんだ」

女神「ここは天空城。そして私はこの世界の神です。世界の全てを知る者。わからぬ事はございません」

悟空「この世界の神様!?」

女神「えぇ。ですが、そんな私も孫悟空という名前だけ」ニコッ

悟空「するてぇーと、地球でいうデンデみてぇーんか?」

女神「デンデ?」

悟空「地球の神さまだぞぉ」

女神「そう。では貴方の記憶を少々拝見します」スッ

悟空「ん?」ピトッ

ホワホワホワホワ

女神「ほぁ……これはまた…ずいぶんと…」パッ

悟空「なんかわかったんけ」

女神「壮絶な戦いの日々。なるほど、これがドラゴンボールですか」

悟空「おめぇドラゴンボールって」

女神「ええ。貴方の世界より偶然か必然か、願いを叶えるという不思議な玉が1つのだけやってきました」

ツカツカツカツカ

女神「その1つが、この世界の均衡を崩す結果に繋がった」

ツカツカツカツカ

悟空「どこにあんのか知ってんか」

女神「えぇ。それは魔王の手に」

悟空「魔王……」

女神「その闇の貴公子は今、王宮にて魔の扉を開こうとしてます」

悟空「そいつが開くとやべぇーんか?」

女神「えぇとても。完全に開くと、魔が世界を覆いやがて、暗黒の時代へ世界は移り変わるのです」

女神「扉の鍵は王家に連なる姫」

悟空「姫ェ?」

女神「そう。扉は遠い昔、私、いえ私達が魔王を退けた際にともに封印しました」

悟空「おめぇつえぇんだな!」

女神「こう見えて、私も勇者様達と旅をしたんですよ」ウフフフ ナツカシイナァ

女神「それで完全に倒すことは叶わくても、聖なる王宮に扉を隠していたのですが……」

悟空「それが見つかっちまったんだな」

女神「はい」シュン

女神「そこで孫悟空。異世界からの来訪者である貴方におねがいがございます」バッ

女神「魔王を倒し、あの人の子孫である姫を、そして世界を救ってください」

悟空「……」

女神「孫悟空?」

悟空「そのめぇーに1つのいいんか」ゴゴゴ

女神「な、なんでしょうか」

悟空「オラ腹へっちまって」グォォォォ

女神「……」

悟空「へへへ」ポリポ

………
……

女神「ふぅ……」コキコキ

悟空「いやぁ食った食った」ポンポン

女神「他の人の食事など何千年ぶりかしら。久々で」

悟空「んまかったぞ!」グッ

女神「ほっ」

悟空「にしても天空城かぁ。女騎士が知ったら驚くぞぉ」アッ

悟空「そうだ!女騎士!!めぇーったな。あいつ敵になっちまったんか?」

女神「ご安心を彼女の意思ではございません」

悟空「そ、そかぁ~いやぁ良かった」

女神「ですが、やがて完全に魔に魅入られれば人には戻れません」

悟空「いぃ!?まじぃぞ!アイツには色々恩があんだ。副隊長やアイツの親父に頼まれてるし」

女神「これをお持ちください」スッ

天空の羽衣

悟空「この布っきれをどうすんだ?」

女神「闇の鎧を破壊したのち、彼女に着せてあげてください」

悟空「闇の鎧を壊す?でもオラあいつに攻撃なんてしたくねぇーぞ」

女神「フフッ優しい人。貴方ならできますわ。魔には魔を。反発せずに打ち消すことができます」

悟空「ちんぷんかんぷんだぞぉ」

女神「いいですか?貴方は既にいくばくかの魔の力をその血に取り込んでいるのですよ」

悟空「オラが?いつ?」

女神「それは最初に来た時、一番最初に食べたではありませんか」

悟空「最初に食べ……あぁー」

モワモワモワモワ

………
……

悟空「うぉーし、もういいな」

女騎士山吹色「な、なんだその生き物は」

悟空「何って魚だぞ。」

女騎士山吹色「いやいやいや。2メイルの魚なんて見たことない……」

悟空「つってもよ。こいつしか食えそうなのいなかったしよ。食うか?」

女騎士山吹色「……」グゥ

女騎士山吹色「いただこう」

モグモグモグモグ

モワモワモワモワ

……
………

悟空「あの魚かぁ!?」

女神「フフッ。運命って恐ろしいですね。魔の森に普通の食べ物なんてありません」

悟空「は、ハハハ」

女神「使い方はそうですねぇ。こうグッとしてモワモワっとしたら、ドッカーンです」スッ スッ

悟空「お、おう?」

女神「貴方ならすぐわかると思います」

悟空「よっし!そんじゃ、オラ行くよ」シュタ

女神「はい。ではどうぞ、よろしくお願いします」ペコリ

悟空「そだ!」ブァン

女神「なんでしょう」

悟空「今度女騎士連れてきてもいいんか?」

女神「それはもちろん!」

サムズアップ

悟空「待ってろよ!皆ァ!」

バシューーーーーン


ナレーション「姫を守る為に悟空に立ち向かった女騎士。一方悟空は天空城にて女神より事の真相を受けたのだった。行くのだ悟空」

オッス オラ悟空!

ドラゴンボールは魔王ってのが持ってんか
だが、そのめぇに闇の貴公子をなんとかしなくちゃな
待ってろよ、今行くぞ!

読んでくれてありがとう

修正前はっちまったぞぉ!
まっいっか!

~~
王宮 魔術研究所

副隊長「結局誰もおりませんでしたわ」ハァ

副隊長「老師ももう少し整理してくだされば」

副隊長「ソンゴクウはどうなってるのかしら」

コンコンコン

副隊長「!!」ビクッ

副隊長「……」ソォ

副隊長「(だ、誰かしら……ソンゴクウが?)」

副隊長「(いえ。そんなはずはありませんわね。すぐに声をかけるはずな気がしますし)」ソォ

コンコンコン コンコンコン

副隊長「(すると敵…)」ギュ シャキン

ガチャ ガチャ…キィィィィ

副隊長「風の精よッ!!」シューー

バァーーーン

闇の貴公子「ふむ」

副隊長「なっ!?」ヒキ

闇の貴公子「どんなネズミかと思えばつまらん」

副隊長「あ、あなたど、どうして」

闇の貴公子「どうしてだと?」カツ カツ カツ カツ

闇の貴公子「それはボクの質問だ。お前のような小物が我が屋敷に何用か」ファサァ

副隊長「我が屋敷?何を言ってますの!」

副隊長「ここは王宮!国王陛下のおわすところ、アナタのような者は門前払いがオチよ!」シャキン バッ

副隊長「やぁぁぁぁ!」バッ

闇の貴公子「ふん」ブァァァン

スカッ

副隊長「ッ!……のぉ!!」クルッ シャキン

スカッ

闇の貴公子「無駄なこと」

副隊長「力が通らない……!」ポァポァポァポァ

副隊長「光の」

ズゥゥゥゥゥン
ガシッ

闇の貴公子「小細工など不要だが」ジッ

副隊長「は、離しなさいよッ!」ジタバタシタバタ

闇の貴公子「クククッ。良いことを思いついた」ブォォン

ドスッ

副隊長「……」グッタリ

~~
王宮 謁見の間 闇の結界内

闇の貴公子「そら土産だ」ポイッ

魔女騎士「……?」ハッ

ドシャ

副隊長「……」グッタリ

魔女騎士「……」グッ

姫魔「……」ズモモモモ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

闇の貴公子「ふむ。なかなか進みが遅いようだが」コツコツ

闇の貴公子「それでボクは考えた」クルッ ファサァ

魔女騎士「……」

闇の貴公子「結界内にも関わらずということはだ」ジッ

魔女騎士「…言いたい事はなんだ」

闇の貴公子「微弱ながら鬱陶しい聖なる気配が阻害しているのではとな」ニィ

魔女騎士「まさか。この領域にそのようなものは無い」

闇の貴公子「ククク。もはやあの男は消えたのだ」

魔女騎士「……」

闇の貴公子「さてキミの希望とやらはどこに向けられているのか」ジッ

闇の貴公子「それはどこかにいるという神か?」ファサァ

魔女騎士「……」

闇の貴公子「残念ながらお前には改宗してもらわねけばならないようだ」

闇の貴公子「魔王様という素晴らしい主をな」アーハッハッハッ

魔女騎士「……!」

コツ コツ コツ コツ

闇の貴公子「この者の息の根を止めろ」スッ

副隊長「……」グッタリ

魔女騎士「……」キッ

闇の貴公子「クククッ。まさかとは思うが」コツコツ

姫魔「……」ズモモモモ

闇の貴公子「逆らうのか」サラァ

魔女騎士「……」シャキン ツカツカ

副隊長「……」グッタリ

魔女騎士「(もはや私は修羅の道…すまない副隊長あの世で詫びよう…)」スッ

魔女騎士「(フッ、そうだな。私が落ちるのは副隊長がいる場所でない…か)」バッ

闇の貴公子「クククッ。さぁ!これでお前も闇の眷属となるのだああ」アーハッハッハッ

魔女騎士「(…神の慈悲は)」

シャ

ドガァァァァァァーーーーン!!

モクモクモクモクモクモクモクモク……

闇の貴公子「……」

窓大破

闇の貴公子「貴様……」

魔女騎士「……」ガシャン

魔女騎士「…あぁ……」ツ-

魔女騎士「…また…また来てくれたというのか」ブァ

闇の貴公子「なぜ生きている」

マドノフチ

悟空「オッス!」

シュタ

魔女騎士「……悟空…」

悟空「待たせちまったな」ニィ

闇の貴公子「クククッ。どういう事か知らぬが」

闇の貴公子「つまり、お前はボクを裏切っていたということか」コツコツコツ

姫魔「……」ズモモモモ

魔女騎士「……!」ハッ フキフキ

魔女騎士「ば、馬鹿な!」

闇の貴公子「ではなぜあの男がそこにいるのか。ボクに説明するのだな」サラァ

魔女騎士「し、知らぬ!私は…確かに…こ、この手で」ブルブル

悟空「オラのことか?ヘヘッ。ちとある所に行ってたんだぞ」

闇の貴公子「ほお。では、今度こそ消してくれるのだな」クククッ

魔女騎士「……」グッ

闇の貴公子「麗しの姫がどうなっても」

魔女騎士「くっ」スッ シャキン

悟空「……」

闇の貴公子「さあ!行け」

魔女騎士「う、うわああああ!」ダッタッタッ

ブォォォォン

悟空「……」シュン シュン シュン

スカッ スカッ スカッ

魔女騎士「!!」

魔女騎士「魔炎よッ!」ォォォン

悟空「……」キッ ハァァァァァ!!

バシューーン

魔女騎士「かき消された…くっ…!」

悟空「おまめぇもうその辺で止めとけ」

魔女騎士「まだだ!!」ォォォン

魔女騎士「嵐の渦よ!」ゴポッズァァァァァ

バリバリバリ

悟空「……!」ツァァァァ ゴゴゴゴ

ハァァァ!

バシューーン

魔女騎士「…私が…私が姫を守るんだアァ!」

魔女騎士「氷結せよッ!」ォォォン カッ ガガガカキン

悟空「ウリャリャリャリャリャアア!!」

バキンバキンバキンバキン!
キラキラキラキラキラ

悟空「……」スゥ

魔女騎士「…なせだ…なぜ…」

悟空「おめぇを守るためだ」

魔女騎士「……私……を…」

悟空「なんたって、おめぇはオラの弟子だからな」ニィ

魔女騎士「……!」 ケン ガシャン

魔女騎士「……」ダッタッタッタッタ

悟空「オラのおもてぇ一撃受けとけよぉぉ!」バッ

魔女騎士「師匠ォォォ!私の最後の一撃です!」ォォォン

『グッとしてモワモワっとしたら、ドッカーンです』

悟空「だりゃぁぁぁぁぁぁ!」

ピキッ ビキッ

悟空「……」

魔女騎士「……」

バギーーーーン……

女騎士「……」フラッ

悟空「おっと」ガシ

女騎士「……あぁ…悟空…貴方という人は…本当に…凄い…人…だ…」

悟空「もう休んどけ、次は魔王んとこだかんな」

女騎士「フ、フフ…魔に魅入られた…者…の、だ…代償…は、その者の…命…わ、私は…もう」

悟空「大丈夫。しんぺぇーすんな!」

女騎士「…さ、最後ま、まて…悟空は…優しい…の、だ…な…」ウッ

女騎士「…姫、さ、様を…頼……む…」ガクッ

悟空「お、おい!聞いてっか!?」

悟空「……」スッ

天空の羽衣

女騎士「……」ファサァ…

………
……

闇の貴公子「いやはや」パチパチパチ

悟空「……」スクッ

闇の貴公子「全く。実にくだらん芝居を見せてくれたものだ」フゥ

悟空「おめぇが闇の貴公子か」ギン

闇の貴公子「そうだとも。ボクが魔王様の右手腕」コツコツコツ

闇の貴公子「キミのせいで計画が全て狂ってしまった」コツコツコツ

悟空「……」

闇の貴公子「第一に魔の森でのオークキング撃破」コツコツコツ

闇の貴公子「知能が低いオーク共には手勢として人間共の殲滅を担当していた」

悟空「あんときのでっけぇーやつか」

闇の貴公子「第二にコウモリ公爵の撃破」

闇の貴公子「オーク共がここ以外を制圧せしめた際に、内側から王都を混乱に落としれる布石だった」

悟空「女騎士の家を襲ったあいつか。残念だったな」

闇の貴公子「第三に蛇女の撃破」

闇の貴公子「あれには王都攻略の際に邪魔になる兵達を狂わせる予定であった」

悟空「オラのそんなやつ知らねぇぞ」

闇の貴公子「そして最後は王宮に近付けぬ代わりに手足となる、幽霊騎士と罪人どもの撃破」

悟空「……」

闇の貴公子「全部全部、ボクの計画がパーになった」ギリギリギリ

闇の貴公子「おかげてボクと北の魔獣が出張ってくるはめになるとはな」

悟空「あのケモノなら今頃凍ってんぞ」

闇の貴公子「クククッ」ファサァ

闇の貴公子「お前はとことん邪魔をしてくれる!」

悟空「…女騎士やあの姫さまを操ったんもおめぇでまちげぇーねぇんだな」

闇の貴公子「…だったら、どうしたというのだ」  

悟空「おめぇはゆるさねぇぞ」ブァブァ

闇の貴公子「ほお。だったらかかってくるがいい!」バッ

バババババババ

ダッ ダッ

バババババババ

シュン シュン バババ

悟空「はぇ!」バッ

闇の貴公子「そらどうした!」バッ

シュン シュバババババ

ドゴン

ガラガラガラガラ

悟空「つぅ~」ガク

闇の貴公子「クククッ」ヒュン

悟空「すんげぇ力だっ!」

闇の貴公子「そらどうした」バッドゴドゴドゴドゴ

悟空「……!」バシバシバシ

悟空「ハァアアアア!」シュ シュ バッ ダダダ

闇の貴公子「ぬるい!」カッ

悟空「……いってぇーどうなってんだ…」ハァハァ

闇の貴公子「魔王様のお力のおかげだ」ファサァ

悟空「……」

悟空「ヘヘッ。つまりはドラゴンボールってことか」ヨロヨロ

闇の貴公子「?」

悟空「おめぇなーんも知らねぇーんか…」スクッ

闇の貴公子「なんのことだ」ハァァ ダダダダ

ボゴォボゴォ

悟空「ぐぎぎぎっ」

シュン シュタ

闇の貴公子「ハァァァ!闇よ!」ブォォォォン

悟空「っ!」サッ

ブォォォアア…チリチリチリチリ…

悟空「あ、あぶねぇ~」ピョン

悟空「うっし!」ハァァァァァ

闇の貴公子「ん?」

ゴゴゴゴゴ

悟空「ハアアアアアアアアア!!」

闇の貴公子「力が上がっているのか」

シュン

闇の貴公子「!?」ドゴォォォ

ガラガラガラガラ…

闇の貴公子「ちぃ……」ハァァァァァ

シュン シュン

悟空「うりゃぁぁぁ!」シュン ガゴンッ

闇の貴公子「ボクの速さを上回っているのか」クッ

シュン シュン
バババババ

悟空「りゃぁぁぁ!!」ダダダダ

闇の貴公子「ぐっ…ふっ!」ヨロ

シュタ

悟空「……」キンッ

闇の貴公子「……全く、お前はいったいどこから現れたのか」パッパッ

闇の貴公子「底が知れぬ」ズァァァァァ

悟空「ん!?」

闇の貴公子「このままではボクが押し切られるのではとね」ズァァァ

悟空「力が高まっていくぞ…」

闇の貴公子「ハアアアアアアアアア!」

バシューーーーーン

悟空「それが本当の姿か」

闇黒の貴公子「行くぞ」バッ

悟空「!!」ドッ

ガラガラガラガラ…

悟空「な、なにが…」ウッ

闇黒の貴公子「そら!」シュン バババ

悟空「うぐぐぐ」ハァァァ キュイン

悟空「うりゃぁぁぁぁぁ!」バッ ダダダダ

闇黒の貴公子「効かぬ効かぬ!」モワモワ

悟空「なっ!?手応えが、」ングゥ

ドォーーーン

闇黒の貴公子「そのような攻撃なぞ通用せぬわッ!」シュン

バババババ ドスドスドス

ガラガラガラガラ…

悟空「ち、ちくしょぉ…へ、へんだぞ、気ィ溜めてもあっちが数段上だ…」ボロボロ

闇黒の貴公子「クククッ」シュタ

………
……

副隊長「…うっ……」

副隊長「こ、これは…一体…」アゼン

副隊長「な、なんですの王宮がボロボ…!!」

副隊長「あそこにいるのはソンゴクウ!?」

副隊長「一体……」

キョロキョロ

副隊長「た、隊長!?」ダッ

副隊長「あぁ…隊長ォォ…ようやく」ユサユサ

女騎士「……」

副隊長「…そ、そんなまさ…か…」バッ

ドクンドクン

副隊長「あぁ…良かった…」ハテ コノ ヌノハ

姫魔「……」ウツロ

副隊長「あっ!!こ、これは姫様も……?」

副隊長「姫様?」

………
……

闇黒の貴公子「ハアアア!」ギュイン

闇黒の貴公子「斬り刻め!」ジャキンジャキンジャキン

ババババババ

悟空「くっ!!」シュ クルクルクル

……

副隊長「ソンゴクウが押されてますの!?」トオメ

副隊長「一体…それに姫様の様子もなんだか」フルフル

副隊長「今はソンゴクウの援護しなくては…でもどうやって…」ジッ-

副隊長「…魔がやけに濃い…よう、な」ハッ

副隊長「そ、そうです!闇の結界と、あのとんでもない扉から漏れてる力をなんとかすれば、弱体化を狙えますわ」シカシ

副隊長「どうやって…」

女騎士「……」キラキラキラキラ

副隊長「あれ?隊長なんだか光ってますわね……」

……

悟空「ハアアアアアアアアア!」ギュインギュイン

悟空「!!」バッ ダダダダダ

闇黒の貴公子「ふん!」パシッ パシッ パシッパシッ

闇黒の貴公子「はあ!」ダダダダダ

悟空「きっ」ガード ドドドドド

闇黒の貴公子「闇よッ!」ブォォォォン

悟空「くっ」クルッ クルクルクルッ

……

女騎士「」キラキラキラキラ

副隊長「な、なんですの?布が隊長を包んで――」

シュルシュルシュル キュピーーーン

聖女騎士「……」パチクリ

聖女騎士「私は…確か…」スクッ

副隊長「た、隊長!!」

聖女騎士「副隊長ではないか!気がつ」

キョロキョロ

副隊長「そ、そんなことよりもソンゴクウが!」アレ アレ

聖女騎士「悟空!」バッ

バヒューーーン

副隊長「……飛んだ…?」

……

闇黒の貴公子「終焉だ消えよ!」ブォォォォン

ボボボボ

悟空「くっ!間に合わな」

バヒューーーン スタッ

聖女騎士「ていゃぁぁぁぁ!」ジャキン

キラキラキラキラ

シュ……

闇黒の貴公子「なんだ貴様」ギロン

悟空「お、おめぇ」

聖女騎士「大丈夫か悟空!」

悟空「き、きぃつけろよ、あいつとんでもねぇー力だぞ」ヨロヨロ

闇黒の貴公子「クククッ。その男より弱いお前が相手をしてくれるのか」

聖女騎士「フッ。お前の相手は悟空だ」

闇黒の貴公子「アーハッハッハッハ!つまり見捨てるのか」

聖女騎士「そう。私が斬るのは」バッ

バヒューーーン

姫魔「……!」

斬ッ!!

聖女騎士「姫様だっ!」キラキラキラキラ

副隊長「ちょっ!!た、隊長ォォォ!」

姫魔「…うっ、うぐっ…」シュワワワワワ

パタリ キャッチ

姫「……」

聖女騎士「(ようやく……)」グッ

バヒューーーン

斬ッ!!

闇の結界

パリーーン

闇黒の貴公子「な、馬鹿な!?」

ギ、ギイイイイイ バタン

闇黒の貴公子「扉が……お、おのれぇぇ!!」バッ

聖女騎士「!」

シュン

パシッ

悟空「ヘヘッ。おめぇの相手はオラってこいつが言ってたん忘れたんか」ハァァァァァ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

闇黒の貴公子「う、うぐぐぐ!」

悟空「てめぇはもう許さねぇ!!!」

聖女騎士「聖印よッ!」キラキラキラキラ

闇黒の貴公子「ば、馬鹿な!う、動か」

悟空「オラのとっておきをくれてやる!!!」ギュィィィィィン

悟空「かーー」ギュンギュンギュン

聖女騎士「貴様だけは許さん!」キラキラ

悟空「めーー」ギュンギュンギュン

闇黒の貴公子「ち、く、」

悟空「はーー」ギュンギュンギュン

聖女騎士「良くも皆をッ!」キラキラキラキラ

悟空「めーー」ギュィーン

闇黒の貴公子「しょぉぉぉぉぉぉ!!」

悟空「波ァァァァァァァァ!!」カッ

………
……

~~
曇りなき空

副隊長「いやぁ~晴天ですねぇ」

国王「なかなかいい眺めではないか」

妃「えぇあなた」

老師「長年王宮にいたが、まさか謁見の間から大空が見えるとはのぉ」

ワイワイワイ ザワザワザワ

王国民「い、石から戻ってくる…えっえっ」

王国民「なんだか、わからなかったけど助かったわ!」

ワイワイワイ ザワザワザワザワ

姫騎士隊「副隊長ォォー」ダッタッタッタッタ

副隊長「まぁ皆様お目覚めになったのねぇ」

姫騎士隊「いったい何がなんだか」

副隊長「隊長が石にされた皆さんと、亜空間に閉じ込められていた、陛下達を戻してさしあげたのよ」

姫騎士隊「えぇ!?それはどういう」

副隊長「後で詳しくね。今はそれよりも」

………
……

悟空「よぉーそんな怒んなって!なぁ」アセアセ

ドンドンドン

姫「そうよ!貴女は栄誉ある行いをしたのよ!」

姫「出てきなさいっ!命令よっ!」

引っ込み女騎士「無、無理だ!私はもう外を歩かない!」

悟空「オラも知らなかったんだってばぁーなぁ」

引っ込み女騎士「う、うるさい!そもそも断りもなくあ、あ、あのような物を被せるのがおかしいのだ!」

悟空「そりゃおめぇ、オラの話途中で聞いてなかったんだろ?」

引っ込み女騎士「だいたい、私はアレで最後だと思って…か、かっこよく散り様をだな」ゴニョゴニョ

姫「聞こえませんわ!」

………

姫騎士隊「あそこでなにしてるんですか?」

副隊長「それがねぇ。隊長、力を使い果たしたら、なんと、纏っていた物がシュルシュルーって」

姫騎士隊「まさか」

………

領主公「愛しき娘よ、大丈夫だ!私がお前の裸をものの見事に隠したではないか!」

引っ込み女騎士「くっ!!」


ナレーション「王都奪還を終えた悟空達。少しだけ皆に笑顔が戻ったわけだが、次に挑むは最後の強敵魔王。何やら物語も終わりに近づいている様子」

オッス オラ悟空!

女騎士そう怒んなって。でも色々取り戻せていかった。
ヘヘッいよいよ行くんだろ?オラワクワクしてきたぞ!

読んでくれてありがとう。全てはファンタジー世界です
タイトルからこうも進むとは…長いけどもちっとだけ続くんじゃ

~~
しばらく後 王都 大広間

ザワザワザワザワ

大兵士長「皆のもの良く聞くのだ!」

大兵士長「長らく我々を苦しめてきた憎き魔王軍も残るは西の都市、そして奴の居城である北の山を残すのみとなった!ゆえに我々は陛下の――」

ザワザワザワザワ

民1「ま、マジかよ!?防戦すら危うかったってのに!」ワイワイ

民2「なんでも魔王幹部共を軒並み倒したって、人らがいるってよ!」

ウッソダァー

民3「アタシ知ってるわ!なんでも姫騎士隊の皆様って話よ」ワイワイワイ

民1「あ、あの公爵様っとこの隊長さん達か」フムフム

民2「俺が聞いたところだと武芸者集団だったが」

民3「絶対姫騎士隊よっ!」

民1「美しく、そして強いって、お、俺なんか興奮してきた」

ワイワイワイ ギャーギャ-

……

とある一家「…絶対信じてもらえないね」

とある一家「そうだなぁ、あの街を襲った化物相手に、謎の空飛ぶ人が現れたって話は胸に秘めとこうな」

……


大兵士長「――であるからして、全兵力を二部に分け、速やかに西の都市奪還、そして魔王城にて魔王を討つこととなった!」

シーン

大兵士長「皆の者!これが最後の戦いである!我らは負けぬ!覚悟はよいかぁ!」

ウ、ウオオオオオオオ!!!

大兵士長「それにあたり陛下よりお言葉を賜る!」

サッサッサッ

国王「……皆もよく――」

………

悟空「ひぇー、こんなにいたんかぁ」ドッヒェェ

女騎士「王都だからな」フフン

姫「そうよ。ご先祖様、お祖父様、そしてお父様達が創り上げた国よ!魔物なんかに負けるハズがありませんわ」フフン

悟空「あのおっちゃん、なんか頼りねぇー感じすんのにすげぇーぞぉ」

姫「な!?あ、あなた今はなんて仰って!?」キッ

女騎士「悟空!陛下に向かっておっちゃんとは何事か!」ガッ

領主公「まぁ、実際にどこかぽわぽわしているのは事実ではあるがな」

老師「ほっほっほっ」

女騎士「父上!?」

姫「あ、あなた達…」ワナワナ

タッタッタッタッ

副隊長「姫騎士隊及び第一から第八師団準備整いました!」バッ

女騎士「いよいよか」

悟空「結局どうすんだっけ?」

女騎士「悟空、貴方も作戦会議に参加していたろう」

悟空「いやぁそれがよ、外からいい匂いがしててな、オラのちっとも聞いてなかったんだ」ンハハハハ

女騎士「……」

姫「貴方が王都奪還を成し得たなんて何かの冗談だと思えますわね……」

悟空「だってよぉ」

老師「じゃとも、作戦司令室が大破、仕方がなく外でやっとんたんじゃ。街の炊き出しが匂ってきても不思議じゃなかろう」

老師「わしもそっちばかり気を取られとったわい」ホッホッホッ

悟空「だぁーろ!」ナッ カタクミ

女騎士「師まで……」

女騎士「もういいですよ…先程大兵士長も言っていたが作戦はこうだ」

女騎士「第一に西の商業都市奪還」

女騎士「あそこから北上すると大山脈があって、そこを抜けると猛者共がいる雪国に繋がっているのだ」

悟空「へぇーそんな国があったんか」

女騎士「あぁ。そこを根城にしていた妖魔を倒した今、国は解放され、我が軍は兵力の底上げができる状況にある」

女騎士「第三師団から第八師団とその猛者達が合流し奪還作戦となる」

悟空「そのヨウマってどんなやつだったんだ?」

女騎士「……」

女騎士「(蛇女の件なんて説明できるかッ!)」

女騎士「さ、さぁ。嫌な奴だったのではないかな」ハハハ

女騎士「ゴホン。本来ならば我々、姫騎士隊が都市内部に入り、根城にしている敵を討つ予定だったが……」

副隊長「隊長が途中でオーク共めぇって方向転換しちゃたんですよねぇ」

領主公「それで、む、娘は……」ウッ

女騎士「その件はもう説明しましたよねっ!」

領主公「ほんと、ありがとうソンゴクウくん」ガシッ

女騎士「で!…南国を拠点していた忌々しい闇の貴公子を倒した今、南国の食料援助をうけ、一斉に叩くという参段だ」

姫「……」

女騎士「あっ。姫様その」

姫「いいのじゃ。わらわの代わりにお主が討ってくれただけで、嬉しいぞ」キュ

副隊長「……」ムッ

領主公「おやおやぁ」ジッ

副隊長「べべべつに!」

悟空「そんでオラ達はどうすんだ?」

女騎士「うむ。我々、姫騎士隊と第一から第二師団で敵に本拠地。つまりは魔王城で残存する敵、及び西都市に向かう増援を断つ」

悟空「ふーん」 

女騎士「知ってる者が少ないが、私と悟空。それから老師は魔王城に乗り込むのだぞ」

悟空「3人でか?いいんか?」

女騎士「何を言うか。最小の人数かつ最高の戦力だぞ」

老師「わしは皆のケア、お嬢ちゃんが突破口、そして対魔王はソンゴクウお主じゃよ」

悟空「おっ?」ワクワク

女騎士「フッ。それでこそ悟空。魔術に精通していない悟空では不足に陥ると我々…というより恐らく世界は終わる」

悟空「へへっ。オラまだまだ戦えっからな」ニィ

副隊長「本当なら全軍で!と行きたいところですが、足手まといしかなりませんからねぇ」フゥ ナヤマシイ

女騎士「ということだ。わかってくれたか」

悟空「おう!オラが魔王相手にすりゃいいんだな!」

女騎士「それと、悟空。1つ聞きたいのだが」

悟空「なんだぁ?」

女騎士「貴方まだなにか力を秘めていないか?」

悟空「んん?オラが?」

女騎士「聖なる羽衣を身につけた時に少し感じられたんだが」

悟空「んー」

女騎士「先に聞いた方がいいではとな。出し惜しみせず、全力で……と頼める義理ではないが」

悟空「そだな!オラにかかってるなんて聞いちまったら、手なんて抜けれねぇ」ヘヘッ

悟空「ちっと見せてやんぞぉ」シュタ

ザワザワザワザワ

姫「何が始まりますの?」ソワソワ

副隊長「まだソンゴクウに何かあるようなこと隊長言ってましたねぇ」

悟空「ハアアアアアアアアア!!」ズオオオオオ

バリ バリバリバリバリ

老師「ふぅーむ……」

領主公「な、なんと!」

超悟空「へへっ」シュインシュインシュイン

女騎士「ご、悟空!?な、なんだそれは!」アゼン

姫「つ、ツンツンしてますわね……」

副隊長「いやいや。そうじゃなくて、凄い力というか、精が逃げ失せてますし……」

超悟空「スーパーサイヤ人ってんだ」シュインシュインシュイン

女騎士「す、スーパー……?」

超悟空「こいつなら、いい線いくんじゃねーかな」シュインシュインシュイン

ザワザワザワザワ

女騎士「……びっくりを通り越す…が…」

超悟空「なんかダメなんか?」シュインシュインシュイン

女騎士「いや、うーん……偶然か、貴方の勘かわからぬが、その言いにくいのだが、精が周りから失せる力が働いているのだ」

超悟空「?」シュインシュインシュイン

女騎士「この世界の法則は精」

女騎士「単純に言って風の精がいなくなると言うことは、呼吸ができなくなるという事だ……」

超悟空「いぃ!?」シュインシュインシュイン…

フッ

悟空「おめぇそれを先に言えよ!!!!」

女騎士「ま、まさか精を散らす力があるなんて普通の思わないだろ!?なぁ」

ウンウン ウンウン!!

悟空「めぇーったなぁ」

領主公「しかし実にもったいない。そのトンデモパワーがあれば直ぐ様、方を付けられたであろうに」

姫「息を止めてる間に仕留めるというのはどうじゃ!?」

女騎士「いや、さ、流石に魔王相手では厳しいかと……」

姫「いい案じゃと思うんだがのぉ」

女騎士「なるべく私が魔王の闇の力を削るよう努力しよう」

副隊長「仮に精が逃げなかった場合、そのすーぱーで倒せるんですかぁ?」

悟空「やっみなくちゃわからねぇぞ」

女騎士「そういうことだ。悟空の体力は温存で行くとしよう」

老師「そうじゃのぉ、吸収でもされればいっきに破滅じゃ」

シーン

………
……

国王「――いざ!出陣!!」

ウォォォォォォ

……

女騎士「で、では我々も行こうではないか!」ザッ

………
……

~~
魔王城 深部

ピカッ ゴロゴロゴロゴロ

魔王「……」

ドラゴンボール コロコロコロ…

魔王「……」ニヤァァァ

ピカッ ゴロゴロゴロゴロ

側近「魔王様、人間共が徒党を組んでこちらに向かってきます」

ピカッ

魔王「……」

魔王「センメツ セヨ」ニギッ

ゴロゴロゴロゴロ

………
……

~~
北西駐屯地

大兵士長「ではそちらは任せたぞ!!」バッ

女騎士「はっ!!」バッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッ
ザッザッザッザッザッザッ

………

悟空「あいつ一番えれぇーんじゃねーんか?」

女騎士「大兵士長か。そうだな」

悟空「こっちじゃなくていいんか?」

女騎士「西の商業都市に最後の幹部が巣食っているからな。どんなやつかはわからぬが、我らにも意地はある」

悟空「先にオラ達がそっちじゃいけねぇーんか」

老師「魔王城から溢れ出る魔物は無尽蔵じゃ。お主、それら全部いったり来たりしてやっつけても、キリがないわい」

悟空「うげぇ」

女騎士「そういうわけだ。我らは魔王に集中して全てを終わらせる」

ザッザッザッザッザッザッザッザッ

…………
……

~~
魔王城 側 野営地

ゴロゴロゴロゴロ ビガァーーン

女騎士「……」

悟空「すんげぇ稲妻」

副隊長「あ、あれが魔王城……」ゴクリ

ザワザワザワザワ

老師「士気が下がっとるな」イカンノォ

領主公「ふむ…では私が発破をかけてこよう」サッサッサッ

女騎士「……」トオメ

副隊長「そ、それにあそこでうじゃうじゃ動いて見えるのって…そのぉ…」ゾワゾワゾワ

女騎士「……魔物共か」

ビガァーーン

副隊長「ひっ」ビクッ

女騎士「フフッ。怖気づいたか?」

副隊長「そ、そんなことは!……す、少しだけ…」

女騎士「アレを見てみよ」スッ

悟空「うひゃーー!アレと戦うんか!」ワクワク

女騎士「な?」アキレ

副隊長「……本当に変わってますのね…」

女騎士「この世界に来たのか悟空じゃなかったら、果たして…火を見るより明らかだろうな」

副隊長「確かに」

女騎士・副隊長「フッ、フフフフフ」ハハハハ

悟空「ん?なんか変なもん食ったんか?」オッ

女騎士「ハハハハッ!食うのは後のお楽しみであろう!」

副隊長「そういうことですよぉー」

ザッザッザッザッ

領主公「兵達も十分やる気になったぞ」

領主公「おや?何やら楽しげな」

老師「ほっほっほっ。ひょっとするとのぉ」

悟空「へへっ」

バッ

聖女騎士「では、行くぞぉぉ!!」

ウォォォォォォ ウォォォォォォ ウォォォォォォ


ナレーション「各地より応援が集まりいよいよ魔王軍との決戦と相成った。全ては悟空の双肩にかかっているが、秘策のスーパーサイヤ人が何なら怪しい様子。そして邪悪な笑みを浮かべた魔王は」

オッス オラ悟空!

いぃ!?スーパーサイヤ人になっと息吸えねぇってそんなんありか!?
姫さまの言うとおり息止めりゃいいんかなぁ
そんでもオラ達がやらなきゃなんねーぞ!
待ってろよ魔王!

~~
決戦場

ワーワーワーワー

聖女騎士「隊列を崩すなッ!」キビキビ

ワーワーワーワー

ガキン ガキン ワーワーワーワー

領主公「これはこれは」ボゥゥゥウン ハッ

バッ!!ババババババ

領主公「なかなか壁が厚いのではないか」

聖女騎士「余裕です!」キラキラキラキラ

聖女騎士「(魔王城の入り口はいったい)」

キュピーーーーーン

ワーワーワーワーワーワーワーワー

ワーワーワーワーワーワーワーワー

………
……

~~
魔王城 側 野営地 夜 天幕

第二師団長「見張りの人数を増やしておけよ」

ハッ!! ザワザワザワザワ

ツカツカツカツカ ファサァ

一団各位勢揃い

領主公「皆なかなかの働きであった」

第一師団長「しかし数が多いのが、キツイところですな」フゥ

第二師団長「国の精鋭揃いではあるが、あれを抜けれるのですか?私は不安です!」

領主公「これこれ、キミが不安がっていたら下に示しがつかぬぞ」キリッ

第二師団長「す、すみません……」

領主公「まぁ何キミの考えも間違いではないさ」

領主公「私も娘に言ってみたところ余裕だそうだよ」フフ

第二師団長「お嬢さんが?」

領主公「うむ。あれでいてなかなかどうして」

第一師団長「こっちも助けてもらっているからなぁ」

第二師団長「そういえば今どうしているんですか?」

領主公「負傷者の手当に勤しんでいるのさ」

……

聖女騎士「さぁもう大丈夫だ」キラキラキラキラ

兵士「う、うぅぅぅ……」スゥスゥ

聖女騎士「ひとまずは安心だな」

衛生兵「お疲れ様です」バッ

聖女騎士「しっかり休ませてやるのだ」

………

聖女騎士「そっちはどうだ?」

副隊長「何人か張り切っちゃいまして」ポワポワ

姫騎士隊「いつつつ、か、かすり傷です!」アタタ…

聖女騎士「無茶するなよ」

副隊長「隊長も今のうちに休んだ方がいいですよぉ」

聖女騎士「だが、魔は夜に力をあげるから」

副隊長「大丈夫大丈夫。なんせ隊を半分に分けたとは言え、何人いると思っているんですか」

聖女騎士「それはそうだが」

副隊長「連敗ももうこれまでですから」

聖女騎士「そうだな。うん」

聖女騎士「悟空達はどうしている?」ソウイエバ

副隊長「老師様の天幕でなにやらしているようですよ」

………

悟空「じっちゃんまだかぁ?」

老師「もちっとな!?もちっとだけじゃ」ドゥルドゥル

悟空「っ!」ウヒャヒャヒャヒャ

聖女騎士「馬鹿でかい声を出して何をしているのだ…」

老師「おぉ。お嬢ちゃんか。ちょうどよかったわい。ほれ」ポーイ

聖女騎士「む?……なんですこれは」ジッ

老師「ソンゴクウの気というのを結晶にしたものじゃよ」
コレ ウゴクンジャナイワイ

聖女騎士「気?」ワタワタワタ

聖女騎士「一体どうやって抽出したんですか?」

悟空「笑いおっ死んじまうとこだったぞぉ」フゥ

老師「汗とか鼻水とかまぁ色々な。ほれ、わし魔術研究しとるじゃろ」

聖女騎士「……」ポロッ

老師「捨てるでないわ!」マッマタク

老師「…生命の波動の糸口をコヤツから見て取れるような気がしての」

聖女騎士「師が長年研究している、えっと、あらゆる生きるものには波があるでしたっけか」

老師「そうじゃ。わしら人、動物、海、そして草花あらゆるものには共通の波のような動きを見せる精がいるのではいかとな」

聖女騎士「それが悟空とどういう?」

老師「いやぁそれはまだわからんが、この結晶にちょいとだけ精を当ててみなされ」

聖女騎士「?」

老師「ちーっとだけじゃぞ。ちーっとだけ」コレクライ

聖女騎士「は、はぁ……火の精よッ!」ポッ

ブアアアーーーン

老師「あつ!あつ!あつ!!」

聖女騎士「なんですかこれ!必要以上に燃えましたよ?」

老師「それがよくわかっとらんのじゃよ」フゥーフゥーフゥー

聖女騎士「悟空これはどういうことだ?」

悟空「オラに聞かれてもなぁ」ポリポリ

悟空「トレーニングをずっとやらされたり、くすぐられたり、じっちゃんが何したかったかオラが聞きてぇぞ」 

老師「まぁしょうがない…続きはまた今度じゃて」

………
……

~~
決戦場

ワーワーワーワー ガキンガキン

領主公「彼を投入しようと思うのだが」

聖女騎士「まだ入り口見つかってないですよ!」

領主公「斥候が頑張って闇の濃い箇所を見つけたのだよ」 

聖女騎士「本当ですか!?」

領主公「あぁ。いよいよだ」

聖女騎士「では、急いて向かいます!」

領主公「……娘よ。やはりお前は残り――」

聖女騎士「……」キッ

領主公「……そうか。うむ…」スゥゥ

領主公「では宜しく頼むぞ!!」バッ

聖女騎士「身命を…いえ!全員で帰還します!」バッ

バシューーーーーン

………

副隊長「隊長絶対に絶対に絶対に帰ってきてくださいよ!!」ギュ

聖女騎士「無論だ。皆後は頼むぞ!」

姫騎士隊「はっ!!」

……

~~
決戦場 闇の障壁

斥候「あそこです」コソコソコソ

老師「なんともまぁ、一際濃いのぉ」

聖女騎士「よく見つけてくれたな。ありがとう!……気をつけて戻るのだ」キラキラキラキラ

斥候「はっ!では後はお願いします!」サッサッ

悟空「いよいよってやつか」ウッシ

聖女騎士「あぁ……」ドックンドックン

聖女騎士「(あれを越えたらもう引き返せないな……)」キリッ

聖女騎士「聖なる印よ!我が剣に宿りて闇を裂け!!」

闇の障壁

斬ッ!!

ピキッ ピキッ バリーーーン

聖女騎士「突入!!」

悟空「ほれっ!」ガシッ フワッ

老師「うほっほぉーーい」ガシッ

バシューーーーーン………

………
……

~~
魔王城

聖女騎士「てやぁぁぁぁ!」ザシュ

強魔物ら「ぐ、ぐぎゃぁぁ」

悟空「おりゃ!!」シュン ドスドス

鉄巨人団「」ズォーーン

老師「ほいほい!!火の精よッ!」ボッボッボッボッ

魔獣達「ガァァ!!!」ジュワァ

聖女騎士「一気に行くぞ!!」

………
……

~~
魔王城 大広間

聖女騎士「開けたところに出たか」ハァハァ

老師「何も居ないが、気配が一段と凄いわい」

悟空「なんかいんぞ」バッ

ズァァァァァン

魔王側近「ここまで入り込んだのはどんなヤツ  らかと思えば…クックック」

魔王側近「……たった3人で何がしたいのか、私には考えが及びませんよ」

聖女騎士「見くびらないでもらおうか!」シャキ

悟空「おめぇは1人でいいんか!」バッ

老師「逆にお前さんの方が運が無いのぉ」スッ

魔王側近「残念ながら戦いに来たのではないのですよ」

悟空「んだよぉ、やらねぇーんか」

魔王側近「私は私の役目を果たすまでです

老師「役目じゃと?」

魔王側近「ええ。私は魔王様より、この城に入った者は連れてこいとの伝言を承っているのですよ。クックック」

聖女騎士「な!?ば、馬鹿などういう理由だ!」

魔王側近「さぁ。私はただの伝言役」

魔王側近「それでは参りましょうか」クルッ

聖女騎士「罠でしょうか……」ヒソヒソ

老師「はて…じゃが連れて行くっていうならむやみに体力を使うことはなさそうじゃな」ヒソヒソ

悟空「いかねぇーんか?」

魔王側近「私はどちらでもいいのですよ」チロッ

聖女騎士「……」コクン

老師「ほっほっほっ」ザッザッ

カツン カツン カツン カツン カツン

~~
魔王城 深部

魔王側近「こちらにおいでです」スッ

聖女騎士「すんなり過ぎるが…魔王……」ゴクリ

老師「なんと強大な魔力……か」アセッ

悟空「ここに魔王ちゅーんがいるんだな!すげぇパワーを感じんぞ」ソワソワ

魔王側近「魔王様、人間をお連れしました」スッゥゥゥ

ギッ ギィィィィィィ……ガゴンッ

……
ボッ ボッ ボッ ボッ

ズァァァァァン…

子供「やぁ、ようこそ僕のお城へ!」ニッ

悟空「んお?」

聖女騎士「えっ……」

老師「………」

悟空「あ、あれが魔王?まだガキンチョじゃねぇか」

聖女騎士「いや私も見たことはないからな……想像ではもっとこう…」オオキクテ エラソウデ ミブリテブリ

老師「先程までの魔力の気配が消えとるわい…」

老師「お主何者じゃ!」

子供「僕?いやだなぁ、僕のお城って言ってるでしょ」キャハハ

子供「つまり僕が魔王ってことだよ」

聖女騎士「私達を連れてきてどういうつもりだ」

聖女騎士「今更平和的などと言わせぬぞ!」キッ

子供「僕は君達に聞いてみたいことがあるんだよね」

聖女騎士「聞きたいことだと……?」

子供「そっ。連戦連敗のよわっちぃ君達がどうやって城までこれたのか。不思議だなぁって」

聖女騎士「なっ!」

老師「あまり挑発に乗るでないぞ」スッ

老師「…答えは簡単じゃて、わしらには頼もしい助っ人が二人できたんじゃよ」

子供「へぇそれってこの二人?」スッ スッ

悟空「頼もしいなんて、なんか照れるじゃねーか」ポリポリ

聖女騎士「師よ、わ、私は違いますよ。そうさ悟空が頼もしい助っ人だ!」イヤイヤイヤ

老師「ほっほっほっ。全てはお嬢ちゃんが引っ張ってきてくれたお陰じゃて」

聖女騎士「……いやしかし、別に…」ワタシジャナクテモ

子供「ふーん。するとその二人が君達人間の最後の希望なんだね。へぇ~……」

老師「……」スッ

老師「今じゃ!!火の精よッ!!」ボッボッボッボッ

ボォォオォォ

聖女騎士「なっ!!」

悟空「お、おい、じっちゃんいきなりなんすんだよ!?」

モクモクモクモク

老師「馬鹿者が!構えんか!!」

聖女騎士・悟空「!!」

ズァァァァァン

魔王「……」ギュルン

デッデェェーーーン

魔王「ナラバ、ソノ、キボウトヤラヲ、ケシサッテクレヨウ!!」

グアアアアアアア!!


ナレーション「ついに城に乗り込んだ悟空一行。連戦かと思いきや魔王のところまで案内を受けた。これが最後の戦いになるか果たして」

オッス オラ悟空!

魔王がガキンチョなんて思ってたら、じっちゃんいきなり攻撃すんのにはおでれぇたぁー。

そしたらガキンチョからとんでもねぇーのになっちまったし。

魔竜「グアアアアアアア!!」バンッ!!

ズガァァァァァァン

辺りのテーブルは粉々になった

ブーーン

聖女騎士「なんという力だ……!」ポワポワポワポワ

悟空「助かっぞぉ」フゥ

老師「邪竜の化身という噂は本当だったか」

老師「お嬢ちゃんがとっさに、盾してくれんかったら、わしら今ので吹っ飛んどったわい」キューーーーン

聖女騎士「天空の羽衣の力が上手いこと働いてくれているみたいだ!」

魔竜「ハイ、ニ、ナレ」スゥゥゥ

ゴオオオオオオオオ

大火炎

老師「水と風の精よッ!!」ザッパッーーン

バックステップ

グツグツグツグツグツ…

老師「こりゃ隙きをつかれるとやられるのぉ」

魔竜「オイボレ、ニ、シテハ、ソノ、マリョク」

ズッ…ズッ…ダンッ!!!! 大爪の撃

悟空「そんならオラがッ!!」ハァァァァァァ シュン

大爪はいなされた

魔竜「グルルルルルル」

空「少ししか下がらねぇ」

聖女騎士「魔王相手に下がらせられること自体凄いと思えっ!」ハァァァァァァ

老師「それ魔力アップじゃ!」ピカン!

聖女騎士「てりやぁ!!」ザシュザシュ

魔竜「グッ」ブシュ

悟空「りゃぁ!!」ハァァァァァァ シュン

ドスドスドスドスドスドス 連打

悟空「りゃりゃりゃりあああ!!」

ドスドスドス

魔竜「…グアアアアアアア!」ビュン

ズガァァァァァァン!

悟空「っ!!」ガード

バゴーーーン!!

聖女騎士「ご、悟空!!」

老師「風と水の精よッ!」キュワキュワピキーン

悟空「ぐはっ……」ハァハァ

悟空「さ、サンキューじっちゃん」スクッ

聖女騎士「無事か!」

悟空「あぁ、なんちゅーパワーだ」

魔竜「ガアアア!!」スゥゥゥ

ゴオオオオオオオオ!!大火炎

老師「水と風の精よッ!」ザッパッーーン

グツグツグツグツグツ…

悟空「りゃああああああ!!!」バババババババ

シュン

魔竜「グルルルルルル!!」

大アギト

聖女騎士「か、風の精よッ!」キュ

聖女騎士「せいっ!!」ヒッパリ

悟空「うおっ!」キュ

グシャァァァァ!! スカッ!

悟空「うひぃ!!」

聖女騎士「むやみに飛び込むな悟空!」

聖女騎士「(狙いをつけねば…)」ピコンッ

聖女騎士「老師様!私に硬化を唱えてください!」

ダッダッタタタタタ

老師「!よしっ、土の精よッ!」ゴゴゴゴピキュン

聖女騎士「!!」ササァ゙ッ!!! ストップ

魔竜「グルアアアア!!」

ズッ…ズッ…ダンッ!!!! 大爪の撃

聖女騎士「っ!!」ギャリンギャリン!!

聖女騎士「ッ!!くぉんのォォォォォォ!!」

爪は地面へと突き刺さる

聖女騎士「ご、悟空いまだ!!」

悟空「おっし!!こんならどうだ!!」
ハァァァァァァ
ゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴ

老師「赤い渦じゃと!?」

老師「ひ、火の精よッ!!かの者に力を!」ボッ

悟空「!!!」ヒュ…

魔竜「グ!」

バッ!! ドッゴオオオオオオオオーーーーン!

モクモクモクモク…

聖女騎士「魔王が、ふ、吹き飛んだ……」ハァハァ

老師「なんという力じゃ……」ヒィヒィ

悟空「ふぅ………」シュイン

聖女騎士「ご、悟空なんだあれは!スーパーとやらではないのか!?」

悟空「へへっあんましやっとオラすげぇ疲れちまうんだが、界王拳ってんだぞ」

聖女騎士「カイオウケン……」

老師「火の精の加護に似ておるわい…」

悟空「じっちゃんのさっきので、さらに力があがったぞ」

聖女騎士「…最初から言っておいてくれれば!!」

悟空「お、おめぇがそれを言うんか」

聖女騎士「くっ!」

聖女騎士「だ、だが凄まじい威力をくらったのだ、魔王ですらひとたまりもあるまい…」

ガラッ

悟空「ん……」バッ

悟空「そーでもねぇーみてぇーだなぁ」

ガラッ…ガラッ…

聖女騎士「な、なんだと…」キョウガク

ムクッ

魔竜「……」

老師「早々には終わらんようじゃな…」

魔竜「グ グ グ……」

聖女騎士「と、とどめを!」ハッ

老師「待つんじゃ!近づいてはならぬっ!」

聖女騎士「ですが!」ピタッ

悟空「様子が変だぞ!」キッ

魔竜「イカイ、ヨリ、キタ、オトコ…カ」

魔竜「コノ、ケイタイ、デハ、ナ」

シューーーー……

聖女騎士「魔の瘴気が取り込まれて」

魔竜「グアアアアアアア!!」

魔王はみるみる姿を変えた

バシューーーーーン…

大魔王「滅ッ!」バッ

ボッ ボッ ボッ ボッ ボッ ボッ

ブーーン

聖女騎士「いけない!後ろへ!!聖なる印よッ!」キラキラキラキラ

大魔王「破ッ!!」ジュ

ズガガガガガガガガ

聖女騎士「くっ!!お、押し切られッ!!」

バ リーーーーン

悟空「あぶねぇ!!」シュン

聖女騎士「くっ」パッ

老師「!!」パッ

シュイン!!!

モクモクモクモク……

大魔王「……流石に素早い」

悟空「でーじょぶか」

聖女騎士「あ、あぁ。だが魔王は…私の盾が破壊されるほどに魔力にあがっている……」

老師「そういう魂胆か」

悟空「んならオラがまたやってみっぞ!」

聖女騎士「そ、そうだ!先程のカイオウケンとやらなら!」

悟空「カイオウケン!!」ハァァァァァァ
ゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴ

ヒュ…

大魔王「……」フッ

ドップン…

悟空「でりゃぁぁぁぁ!!」

スカッ!!!

悟空「いぃ!?!?き、消えちまった」

ドップン

聖女騎士「ご、悟空後ろだ!」

大魔王「滅ッ!!」ビィーーーーン

悟空「ぎゃああああ!!」バババババ

悟空「……」バタリ

聖女騎士「悟空ーー!!」

老師「い、いかん!風と水の――」スゥ

ドップン…

大魔王「遅いわッ!」バッ

ボッ バシュン!!!

老師「ぐ、ぐおお……!」

聖女騎士「老師さま!!」

老師「…」バタリ

聖女騎士「そ、そんな……」

大魔王「フフフ、その方で最後だ」

聖女騎士「おのれ…よくも!」キッ

聖女騎士「うわーーー!!」ダッ ギラギラギラ

大魔王「これで人間共の希望も潰える」スッ

大魔王「破ッ!!」

聖女騎士「っ!!」バシュ バシュ バシュ

聖女騎士「ぐ……」ヨロヨロ…

ヨロヨロ

聖女騎士「まだだ…まだ倒れは…しな…」

大魔王「破ッ!!」ボッ ボッ ボッ ボッ

ダンムゥンダムゥン

聖女騎士「……」ヨロヨロ…

ズサッ…ズサッ…ズサッ…

聖女騎士「…まだ…だ…私が…た、倒れて…は…」

ズサッ…ズサッ…ズサッ…

大魔王「ほぉ。死力とやらか」フフフ

大魔王「よかろう。灰も残さず消してくれよう」

ゴゴゴゴゴゴゴ

聖女騎士「…」

聖女騎士「(皆…すまない…私は…ここまでの…よう…だ…)」チラ

聖女騎士「(師よ……そして…悟空……貴方を巻き込んでしまってすまない…ここまで着いて来てくれたこと…)」

大魔王「消えよッ!!」ビィーーーーン…

聖女騎士「(ありがとう……)」

カッ!!!

ズギャーーーーーーン……

モクモクモクモク…

大魔王「……これで」フフフ

大魔王「ファーーーハッハッハッハッ!!」バッ!!!


………

大魔王「さて、外の虫けら共を一掃してくれようか」ザッ

ドックン…ドックン…ドックン…

悟空「…」ドックン…ドックン…

大魔王「!」バッ

悟空「……」スッ

大魔王「…ほぉ。あれをくらってまだ生きておるか」ボッ ボッ

悟空「…女騎士の声が…」

大魔王「滅ッ!!」ビィーーーーン

シュン!!!

大魔王「な!?」

シュン!!!

悟空「聞こえた」ピキッ ピキッ

キョロキョロ

悟空「…気を感じられねぇ…」ピキッピキッ

悟空「…なぁあいつはどこにいんだ?」ジッ

大魔王「…あの女はこの世から消え失せたわ」

悟空「……」ピキッ ピキッ

大魔王「お前も後を追わさてやろう」フフフッ

悟空「…消えた…だと」ゴゴゴゴゴゴゴ

ゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴ

大魔王「魔よッ!!」ズオオオオオ!!!

大魔王「消えよッ!!」バ

悟空「てめぇはオラが…俺がぶっ倒す!!」

バリバリバリバリバリバリバリ!!!!

超悟空「りゃあああああああああ!!」シュ

大魔王「がはっ!!??」ドッ

ヒューーーーン ドゴオオオオオオン

超悟空「ハアアアアアアアアア!!」シュ

ヒュ ヒュ

大魔王「!?」

バッ…

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

大魔王「…っ」

ドプッ

超悟空「遅え!!」バッ 

バシュ!!!ガンッ!!

大魔王「なっ!!」

超悟空「かめはめ波ァァァァ!!!」キュイイイン

……カッ!!

ガラガラガラガラガラ

スタッ

悟空「……」スゥゥゥ ハァァァァ…

悟空「…まだおめぇは終わってねぇーんだろ」バッ

大魔王「…ぐっ…」ボロボロ…

大魔王「ハァハァ…き、貴様……こ、ここまでの力が…」

悟空「……さっさとしろ」ゴゴゴゴゴゴゴ

大魔王「フ、フフフフ…よかろう…」

大魔王「真の姿を見せてくれよおおおお!!」

シューーーーー!!

………

大魔王はみるみる姿を変えた!!

魔王「よもや、最終形態までなるとはな!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

バッ バッ バッ

魔王の右手 ギュニュン

魔王の左手 ギュニュン

魔神王「我不滅なり」ギョロン

超悟空「いくぞ!!!」バリバリバリバリバリバリバリ

………
……

モワモワモワモワモワモワ

女騎士「……」

ガヤガヤガヤガヤ

テクテクテクテク

女騎士「やけに明るいな……」キョロキョロ

女騎士「それにしては騒がしいような…」

ハイ チャント イチレツニ オナラビクダサイ!!

女騎士「なんだあれは…」

テクテクテクテク…

鬼「押さないで!…あっそこ列出ないで!」

女騎士「人…ではないのか?」

鬼「あっ!そこの貴女!横入りはダメですよ!」タッタッタ…

女騎士「私か!?」

鬼「はぁはぁ…そうです!もう忙しいんですからルールはちゃんと」

女騎士「ここは…その何処だ?」

鬼「は?どこって、あの世の入り口ですよ」

女騎士「あ、あの…世?」

鬼「そうです。閻魔大王様がいるあの世です」

女騎士「私は…その…つまり…」

鬼「はっはーん。貴女死んだばかりでまだ混乱しているんでしょ?」

女騎士「……」

鬼「まぁよくあることですよ。ほら貴女の頭」ツイツイ

女騎士輪っか「!!な、なんだこれは!」

鬼「なんだって、輪っかです。死んだら着くんですよ!」

鬼「…って貴女なんで肉体がまだあるんですか?」

女騎士輪っか「……?」

鬼「……よくわらかんオニ…」

鬼「と、ともかくちゃんと列にお並びください!」

女騎士輪っか「……」

テクテクテクテク…ナラビ

女騎士輪っか「(気づいたあの世とは。フフフッ。皆に自慢できるな)」ニッ

女騎士輪っか「(……私は死んだのだな…)」

女騎士輪っか「(誰に自慢できようか…)」

ザッ ザッ…

女騎士輪っか「(皆無事であろうか…)」

女騎士輪っか「(…私にもっと力があれば)」

女騎士輪っか「(後悔しかない……)」ウッ…ウッ…

…オジョウサン チョットイイカイ

女騎士輪っか「(あのでかいのが閻魔大王とやらなのか…天の国はもっと綺麗だと思っていたんだがぁ…)」ウッ…グシグシ…

占いババ「ちょっと!聞いとるんかね!」ギュ!!

女騎士輪っか「痛っ!いたたたたた!!」

女騎士輪っか「み、耳を引っ張るな!」バッ

占いババ「なんだね。聞いているんじゃないか」ヤレヤレ

女騎士輪っか「(小さい老婆が浮いて?)な、何だ、お前は!」

占いババ「あたしは占いババってもんだが」

女騎士輪っか「その占い師が私に何用だ」イブカシ

占いババ「あんただろ?悟空が今いるところで厄介になってるのって」

女騎士輪っか「…悟空…?」

占いババ「おや?記憶が飛んじまっているのかね」

女騎士輪っか「忘れるものか!悟空は私の!……師匠であり…友だった」

占いババ「そうかいそうかい」

女騎士輪っか「……もう会えんがな…」グシグシ

占いババ「その悟空なんだが、早いとこ帰ってきて欲しいんだよ」フゥ

女騎士輪っか「私にはもうどうすることもできない…」

女騎士輪っか「私は死んだのだぞ!!」ガッ


占いババ「まぁその辺は大事じゃろう。今6つのドラゴンボールが揃っているからのぉ」

女騎士輪っか「へっ?……なるほど…あの世でもインチキ占いが蔓延っているのか。…壺は買わんぞ!」

占いババ「…ピッコロの言ったとおり人の話を聞かない娘だねぇ」

女騎士輪っか「ピッコロだと…あの者を知っているのか!?」

占いババ「知っておるとも。まぁそのピッコロが、あの女は無茶をするだろうってんで、あたしがこうしてはるばる来てやったんだよ」

女騎士輪っか「……それで、よくわからないが私にどうせよと」

占いババ「何者簡単なことだよ。アンタのところにあるドラゴンボールをこっちに持ってきてくれればいいんだよ」

女騎士輪っか「ドラゴンボールを?」

占いババ「そうじゃ。死んだ今ならこっちとあっちに直に繋がっているのはお前さんだけだからの」ヒョヒョヒョ

女騎士輪っか「し、しかし私はこうして死んでいるのだぞ、どうやって…」

占いババ「まぁあたしに任せな」フェッフェッ

モワモワモワモワモワモワ

………
……

超悟空「ハァハァ…し、しぶてぇー…」

魔神王「言っはずだ!我は不死身なりっ!グワーファファ!!」

超悟空「ぐっ…く、苦しい…ぜ…」シュン

悟空「ハァハァ……」

魔神王「お前のそれも長くは続かぬようだなぁぁ」

魔王の右手が傷を癒やした

魔王の左手が自身を強化すら

魔神王「さぁ!滅びるがよい!!」

ズオオオオオオオオオ!!

悟空「ち、ちきしょーー……あんな奴に!!」

ビッ ズゴゴゴゴゴゴゴ!!!

ズガーーーーーーン…

モクモクモクモク。

魔神王「終焉なり」

……

モクモクモクモク…

女騎士輪っか「……」スッ

悟空「…」チロッ

悟空「あっ!!」

魔神王「!!」

女騎士輪っか「待たせたな…悟空!!」

悟空「お、おめぇどうして!?」

女騎士輪っか「占いババとやらに連れられてあの世から舞い戻った…と言っても信じてくれるな…なんて」

悟空「信じるも何もオラも死んじまったことあるんぞ!」

悟空「それにしても占いババが!?」

女騎士輪っか「そうかそうか悟空も死ん…で……は?」

魔神王「お前は確かに消したハズだ……どうやって…」

女騎士輪っか「…話は後だな!あれも魔王か?」

悟空「あぁ。最終形態っていってたからアイツをぶっ倒せばこれでおしめぇなんだが…オラ体力が持たねぇ…」

女騎士輪っか「ふむ」

悟空「せっかく戻ってきちまったんだが、やべぇーぞ」

女騎士輪っか「…悟空…占いババに聞いたのだが…元気玉なるものを放てるって本当か?」

悟空「元気玉ぁ!?」

女騎士輪っか「あぁ」

悟空「…いやでも時間かかっちまうし、それにオラこの世界じゃ気全然集められねぇぞ」

女騎士輪っか「フフフ。なぁにあの世の不思議パワーとやらを借りた私が援護する」

悟空「そんなことできんのか!?」

女騎士輪っか「死んだ身だ。今の私には魔力が無い分、気が全身を包んでいる」

悟空「…よくわかんねぇーけど、やっていいんだな!」ニッ

女騎士輪っか「あぁ!魔王をそれで消滅させよう!」ニッ

……

魔神王「消えよッ!!!」

悟空「!」

女騎士輪っか「はっ!!」

気の障壁が悟空達を包む

ガキンガキン!!

悟空「おめぇこんなことできたんか!」

女騎士輪っか「悟空もすぐできるようになるさ!」ハァァァァァァ!

悟空「へへっ!」スッ ギュォンギュオン

魔神王「ちぃ!!」バギュンバギュン

ガキンガキンガキンガキン

女騎士輪っか「ハアアアア!!」

悟空「や、やっぱり小せえぞ!」ギュォンギュオンギュォンギュオン

女騎士輪っか「ハァハァ…!!」

魔神王「ぐっ!!なんだその力は!!」

魔王の両手がみるみる力を溜めるはじめた

悟空「や、やべぇーぞ!」

女騎士輪っか「私の気の結界が切れたら悟空放つんだ!」

悟空「でもよ!」ギュォンギュオン

女騎士輪っか「フフフ。私を信じよっ!」

魔王の両手から凄まじい波動が煌めいた!

バギ バギ バギーーーン……

悟空「いっけえええええええ!」ジュオオオオオ

女騎士輪っか「老師様!!、今です!!!!」

老師「……ほい!!!」ムクッ

ポーイ 気の結晶が元気玉を増幅させた

魔神王「なっ!なっ!」

魔神王「ば、馬鹿な!!我は……我は不死身な――」

魔神王「――――――」

………
……


ナレーション「長かった悟空の異世界の道が今終わりを迎えようとしている。果たしてその先には……死んでしまった女騎士と行方不明のドラゴンボールは」

オッス オラ悟空!

ついに魔王を倒したぞ!これで平和になるんか
って女騎士泣くなよぉ、それにオラまだやり残しがあるだからよ!

次回 さよなら異世界ワールド!

また見てくれよな! 

読んでくれてありがとう!
バトルのネタぎれなのは間違いない……

まるまる1つラスボスに突っ込んではみたのはいいがこのままいくとスーパーサイヤ人スリーまでインフレしそうになったです

魔王側近とか、三人衆とか闘わせてみたら、びっくりするほどつまらなくなりました

残り3000文字ラストスパート!

………
……

ヒョーーーーヒョーーーー…

女騎士輪っか「終わった……のか…」

ガラガラガラ…

悟空「みてぇーだな。ふぅ……」クタァ

女騎士輪っか「…ほ、本当に終わったのでいいんだよな!?」クルッ

悟空「あぁ」ヘヘヘヘッ

サムズアップ

ガラガラッ!!

女騎士輪っか「!!」バッ

老師「ふぃーー…死ぬかと思ったわい」ドッコイショ

女騎士輪っか「老師様…か……」

悟空「よぉー、さっきのなんだったんだぁ?」

老師「ふむ、あれはじゃな。お前さんの気の結晶じゃよ」

悟空「?」

老師「どうやら魔にやたら効果を発揮するようじゃて」

女騎士輪っか「それで老師様は魔王の一撃をくらって生きていた…ということか」

老師「左様。死んだふりは年寄りの特権じゃわい」ホッホッホッホッ

女騎士輪っか「冗談が過ぎますよ全く…」ヤレヤレ

女騎士輪っか「占いババ…様にあの世に来ているか聞いてみたら、来てないといわれて、もしかしたらと、踏んではみたが…」ハァ

老師「ほっほっほっ。わしゃまだまだしなんよ」

老師「…ところでお嬢ちゃん。なんだかやたら神々しい格好しとるようじゃが」

女騎士輪っか「ん?あぁ」

ザワザワザワザワ

ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ
ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ

副隊長「隊長おおおおお!!」ダッダッダッ

ガバッ

女騎士輪っか「おっと!」ダキッ

副隊長「た、隊長おお!」ウワーンウワーン

女騎士輪っか「ど、どうした!?なぜ泣く!」

副隊長「だっでだっで!だいぢょじょうにもじものごどがぁ」

姫騎士隊「だから大丈夫っていったじゃないですか」

女騎士輪っか「フフッ。そうか、それはすまなかったな」ヨシヨシ

副隊長「!!」ウワーンウワーン

領主公「娘よおぉ!!」ダッダッ

ガバッ

女騎士輪っか「!」クルリン パッ

ズコッ

領主公「……」ズサァァァ

チロッ

領主公「…これが思春期と…言うやつなのだろうかソンゴクウくん…」

悟空「ンァハハハハ!」

ムクリ パッパッパッ…

領主公「……して、首尾は」キョロキョロ

悟空「へへ」

領主公「そうか……やってくれたか」シミジミ

ザワザワザワザワ

悟空「おめぇ達も無事だったんだな」

領主公「あぁ。皆ともになんとかな」

領主公「やつらが次々消えていって、確信はあったが、やはり直に聞きたくてな」

悟空「あぁ終わったぞ」

領主公「ふむ…」バッ

ザッザッザッザッザッザッ

領主公「皆よ!!よく聞くのだ!!」

バッ バッ バッ バッ

領主公「……私達は…勝利した!!!」

シーン

領主公「今日より魔物共に怯える日はもう来ぬ!!勝どきをあげよ!!!」バッ

兵士「…はは…俺たちやったんだな…」ヨシッ

兵士「は、はははは…」イクゾ

うおおおおおおおおおおおおおおお
ドッドッドッドッドッ
うおおおおおおおおおおおおおおおおお

ワイワイワイワイワイ……

領主公「それでは帰還する!!」

………
……

~~
王都

ワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイワイ
ザワザワザワザワザワザワザワザワ

悟空「すげぇぞぉ」

女騎士輪っか「悟空はそればかりだな」

老師「今日ばかりは無理もないわい」

副隊長「そうですわよ」

女騎士輪っか「フフフ、それもそうだな」

……

国王「…皆よ本当よくやってくれた」

一同

国王「早速祝賀をといきたいところではあるが、今日はめいめい、会いたいものがいるのであろう」

国王「存分に休むがよい!」ニコッ

一同 ハッ!ありがたきお言葉!!

……

国王「さて、そなた達には詳細を直に聞きたいからな」

姫「そうですわ!ど、どうやって魔王をこてんぱんにしてさしあげましたの!?」ワクワク

妃「これ、はしたないです」メッ

妃「…で?」キラキラキ

女騎士輪っか「ハハハ…。では私はから――」

……

女騎士輪っか「と、悟空の元気玉という気の固まりにて消滅と、あいなったわけです」

姫「げ、元気…」

妃「健康一番といいますけど、元気なお玉ですか」ホォ

悟空「ンハハハ!元気玉だぞ。おめぇそれじゃ――」

女騎士輪っか「お妃様、元気玉です!元気玉!」アセアセ

国王「ゴホン……」

領主公「ククク…いえ失礼。こちらは西の都市への増援を断ち、ここ王都へは一体たりとも通しておりません」

国王「ふむ。その西の方も大兵士長からすでに一報が届いておる」

女騎士輪っか「それでは!」

国王「うむ。大成功だ」

副隊長「これで、本当に終わりなんですのね」

国王「うむ」

姫「そうじゃそうじゃ!今日より平和になるのじゃ!」キャーキャー

老師「ほっほっほっ。また研究に勤しめますわい」

領主公「滞っていた領地改革が再開できそうだ」ククク

副隊長「隊長これからのんびりできますわね!」

副隊長「元気がございませんの?そうだ!なら東の温泉に皆で行きましょうよ!ね!」

姫「む!それならわらわも着いていくぞ!」

副隊長「いえいえ。隊の慰安旅行ですからぁ」

姫「姫騎士隊なら総大将のわらわが行かずとしてどうするか!」

副隊長「ご多忙ですから、どうぞご遠慮を」

ワーワーワーワーギャーギャー

領主公「やれやれ。我が娘には男っ気が無いのは何故だ…」

国王「いい御仁紹介してあげようか?」

領主公「けっこうーです!!」

ワーワーワーワーギャーギャー

悟空「オラそんなことより腹減ったぞ…」グゥゥゥゥ

老師「ほっほっほっマイページじゃのぉ」

女騎士輪っか「…温泉か行ってみたいなぁ」

姫「はぁはぁ…行くのじゃ確定じゃ!」ガシッ

副隊長「そ、そうです…わ…ね!」ガシッ

女騎士輪っか「……」ウツムキ

副隊長「どうしたんですか?」オロオロ

姫「そ、そうじゃ、何か不満があるのか」アセアセ

女騎士輪っか「いえ…そのなんというか」

国王「しかし、兵達が騒いでいたがそなた本当に神々しい。天空の羽衣とやらの力であるのか?」

老師「そうじゃ、わしも気になっとんじゃが」

副隊長「皆さん隊長はおつかれなんですよ!?もっと労ってさしあげても…」チラリ

副隊長「…気にはなりますけど」

姫「まるで絵本にある天使様のようじゃ!わらわの隊の隊長が天の使いとは鼻が高いのぉ」

領主公「さすが我が娘」

ワイワイワイワイワイ

女騎士輪っか「……」

悟空「ん?輪っかのことけ?」

悟空「そりゃ」

女騎士輪っか「悟空!……私から言おう」

女騎士輪っか「皆…そのだな……」

女騎士輪っか「(せっかくの勝利…台無しになるのでは…)」

女騎士輪っか「(いやしかし、時間もあまり無い)」

女騎士輪っか「(明るく言ってはどうか?フフフ。なんだか楽しそうではないか?)」

女騎士輪っか「(よ、よし、それでいこう)」

副隊長「隊長?」

女騎士輪っか「そのだな!」バッ

女騎士輪っか「実は私死んでしまっているのだ!」

シーン

女騎士輪っか「ハハハ!どうやら死んだら輪っかができるそうだぞ?」スサスサ

女騎士輪っか「姫様、触ってみますか?」ソレソレ

女騎士輪っか「あの世の入り口とやらには何やら赤い角が生えた者がな、お役所仕事をしているんだ」

悟空「閻魔のおっちゃんには会ったんか?」

女騎士輪っか「閻魔?あぁあの一際デカイ者か」

女騎士輪っか「会ったぞ、貴方に宜しく言ってくれと頼まれていたんだ。あのような場所に知り合いがいるとは、つくづく不思議だ」

悟空「へへ。そうかぁ。めぇーに会ったのいつだったけっかなぁ」

ワイワイワイ

副隊長「あ、あの!!!」バッ

女騎士輪っか「ん?」

副隊長「じ、冗談…ですわよね?」コンワク

女騎士輪っか「いや、それがなあの世には――」

副隊長「全部です!!」ガッ

副隊長「全部!…た、隊長が実は死んでいるなんて」

姫「そ、そうじゃな!まったく、お主、たちが悪いのぉ」ハ、ハハハ

老師「……」

領主公「……」ポケー

女騎士輪っか「いや本当のことなんだよ。魔王の攻撃でな」

副隊長「……」ヘタリ

姫「だ、だって、そ、それじゃ今ここにいるそなたは、な、なんなのじゃ…」

ガシッ

姫「ほ、ほれこうして、触れるではないか!」

女騎士輪っか「……」

女騎士輪っか「あの世で占いババ様という方に一日だけ、猶予をもらったんです」スッ

姫「い、一日……だけ…?」

女騎士輪っか「はい。悟空の素性は前話した通り。悟空を元の世界に帰すという目的」

姫「……」

女騎士輪っか「あっ、そうだ悟空!最後の最後まで忘れてしまったが、ドラゴンボールは!?」

悟空「あっ!いけっねぇ!」

女騎士輪っか「あ、あれで吹き飛んで……」

悟空「いぃ!?そりゃまじぃぞ!」

女騎士輪っか「早く探さなければ」

ワタワタワタワ

副隊長「何をそんな…呑気な…事を!!」ムクッ

副隊長「どうして隊長が死ななきゃならないんですか!」

女騎士輪っか「お、おい…」

副隊長「そのドラゴンボールとかどうでもいいですよ!!」

姫「…それが見つかったらそれこそ終わり…」

副隊長「そんなの絶対だめです!」

女騎士輪っか「し、しかし時間が」

姫「あの世とやらなんかに戻らねばいいのじゃ!」 

副隊長「そ、そうです!それなら……」

女騎士輪っか「……」フルフル

女騎士輪っか「騎士として約束は…って色々忘れているが、これだけは守らねばならない」

姫・副隊長「……」

女騎士輪っか「…さっ、悟空探しに戻ろう!」

悟空「あ、あぁ」

スッ

老師「……ひょっとすると、これのことかのぉ」

悟空「あぁぁ!!!それっ!!」

女騎士輪っか「?」

悟空「ドラゴンボール!!」

女騎士輪っか「な、なに!?」

ザワ

老師「……瓦礫に埋まっとたんじゃが、何やら魔力を感じてな。研究材料にしようと持ってたんじゃ」

悟空「じっちゃんそれそれ!まちげぇねーぞぉ!」

女騎士輪っか「ハハハ!全く、こうもすぐ見つかるなんてな!」

女騎士輪っか「日頃の行いというやつか」

領主公「……」ハッ

領主公「つまり、娘とはこれっきり……だというのかね」

女騎士輪っか「……父上…」

領主公「……」

女騎士輪っか「親不孝ですみません……でした」バッ

領主公「……」ウッ

女騎士輪っか「では、私…行ってきます」

一同 ……

悟空「後頼んでもいいんか?」

女騎士輪っか「…あぁ。悟空はきっと帰れる!」

女騎士輪っか「では、さようならです!!」

バッ

バシューーーーーン……

副隊長「た、隊長!!!」

老師「……」

領主公「…まったくだ…この親不孝者めが…」

姫「うわーーーん」

悟空「きっと大丈夫だぞ」ボソッ

…………
……

~~
あの世入り口

女騎士輪っか「……」

女騎士輪っか「(戻ってきたか…)」

テクテクテクテク

占いババ「おぉ。来たか」

女騎士輪っか「これですね」スッ

占いババ「そうじゃそうじゃ。よくやったわい」ヒョヒョヒョ

女騎士輪っか「では、これにて任務完了」バッ

女騎士輪っか「悟空を帰してあげてください!」

ザッ ザッ

占いババ「ん」

ザッ ザッ ザッ ザッ

マタンカ

女騎士輪っか「(これで、私の物語は終わりだな)」

マチナサイッネ

女騎士輪っか「(なかなかハードだったのではないだろうか)」

女騎士輪っか「(いっぺんのくいなし!)」

占いババ「最後の最後まで聞きやしない!」

ギュゥゥゥ

女騎士輪っか「痛っ!?いたたたたたた」バッ

女騎士輪っか「な、なんなんですか!!もう!」

占いババ「勝手に死ににいくんだもんねぇ。さすがの流石のあたしも止めるよ」

女騎士輪っか「もう死んでます!」

占いババ「おっ、そうじゃったな」

女騎士輪っか「……」ムッ

占いババ「まぁ聞きな。あんたにドラゴンボールを持ってこさせたのは悟空を帰すことだけど」

女騎士輪っか「だけど?」

占いババ「ヒョヒョヒョ。お楽しみじゃ」ポワーン

女騎士輪っか「えっ!?ちょっ!」オイテケボリ

占いババ「まぁーそこで見てなさいな」

………
……

~~
地球神様の神殿

デンデ「あっ!来ました!」

占いババ「待たせたね」ヒョヒョヒョ

ピッコロ「早速始めようとするか」

デンデ「はいっ!」

デンデ「いでよ!神龍!!!」ビゴーンビゴーン

モクモクモクモク

ズオオオオオ

……

あの世モニターから中継

女騎士輪っか「あいつらは……?」

女騎士輪っか「み、緑色……顔色が…いや魔族!?」

ピキーーン

ピッコロ「女、ナメック星人はもともとこういう顔だ」

女騎士輪っか「!?こ、この声はピッコロ!?」

女騎士輪っか「一体どうして!ゆ、夢の中では」

ピッコロ「こちらに近くなったからな」

女騎士輪っか「よくわからないのだが?」

ピッコロ「ちっ。…説明が面倒だ。夢と思っておけ」

女騎士輪っか「き、聞くたびに思うが、辛辣過ぎやしないか…」

ピッコロ「……」

女騎士輪っか「(こ、怖い…)」ブルブル

女騎士輪っか「そ、それであなた達は一体何を」

ピッコロ「今から神龍を呼び出して悟空の帰還を願う」

女騎士輪っか「願いを…?」

ピッコロ「聞いていないのか」

女騎士輪っか「悟空からその、なんでも叶えられるとかは聞いている…」

ピッコロ「なら話は早い。そういうことだ」

女騎士輪っか「…魔の歪みからではないのか?」

ピッコロ「その歪みとやらは開けられるのか?」

女騎士輪っか「……」

ピッコロ「だろうな。いつになるかわからないものに頼っていては時間の無駄だ」

女騎士輪っか「そ、そうか…それで」

女騎士輪っか「私は悟空が帰るのを見届けさせてもらえるというのか」

ピッコロ「それもあるな」

女騎士輪っか「?」

ピッコロ「後は、魔王とやらに殺された者を生き返らせればいいんだな」

女騎士輪っか「……」

ピッコロ「どうした?不満があるのか」

女騎士輪っか「……ええええええ!?」

女騎士輪っか「いやいやいや、ちょっ、ちょっと待ってくれ」

ピッコロ「なんだ」

女騎士輪っか「い、生きかえ?はっ?いやだって、な、ほら」

ピッコロ「いらん世話だったようだな。おいテンデあの願いは――」

女騎士輪っか「あっ!いや待ってくれ!頼む!頼みます!!」

ピッコロ「素直に言うんだな」

女騎士輪っか「し、しかし本当に、い、生き返るというのか?」

ピッコロ「そうだ」

女騎士輪っか「全員だぞ?」

ピッコロ「すこぶる悪意があるやつは除いてな」

女騎士輪っか「それは…つまり、その、わ、私もという…ことな…のか?」オソルオソル

ピッコロ「あぁ。全員だからな」

女騎士輪っか「……」ポロポロポロ

ピッコロ「ふっ」

女騎士輪っか「う、うわーーーん」ウワーンウワーン

ピッコロ「さて、お前が生き返ったら、こちらからはもう会話することもあるまい」

女騎士輪っか「……ぐすっ…」グシグシ

女騎士輪っか「ぴ、ピッコロ…殿ォォ、その」グヒッ ヒック

ピッコロ「それから、これは悟空が礼になった感謝の印だ。別れをすませてこい」

ピッコロ「ではな」ニッ

女騎士輪っか「…ありがとう」ニコッ シュイィーーン……

…………
……

~~
王都 王宮

副隊長「うわーーーん…うわーーーん」

姫「なぜじゃぁぁ」ウワーンウワーン

領主公「……」

国王「そう、気を落とすでない…」ポン

老師「…若いものから居なくなっていまうとはのぉ……」ハァ

悟空「…」グゥゥゥゥ…

副隊長「…」キッ

悟空「いや、わりぃわりぃ」

副隊長「あ、貴方という人は!!!」カッ

………

ダッタッタッタッタ

兵士「た、たたたたたた」

国王「……どうした騒々しい…」

兵士「ももももももももうし、申し上げ」ハァハァ

国王「落ち着いて話せ」

兵士「ひ、ひひ人々がよよ、蘇り…ました!!」

国王「な、なん…」

領主公「……」

老師「む?」

副隊長「下らないこと言わないで!!」

副隊長「幽霊ですの!?それとも死霊?」

兵士「い、いえ…その…生身の…」

副隊長「化けてでるなら隊長も来なさいよぉ!!」

スゥゥゥ……スタッ…

キラキラキラキラ

女騎士「……」

副隊長「ほら!こうして!」ハッ

副隊長「……」

姫「な、あっ、」

領主公「…お、おぉぉぉぉ…」

老師「ほっほっほっ!!」

悟空「へへっ」

女騎士「や、やぁ!皆!その、わ、私蘇ったようだ!」

ワッ!!!!

…………
……

悟空「そうけ。ピッコロがな」

女騎士「あぁ。貴方がいる地球とやらは本当に不思議なことばかりだ」

女騎士「まさか、ぱ、パンツという願いから人を生き返らせられるまでできるとはな」

悟空「オラの冒険もそっから始まったんだぞ」

女騎士「フフッ。…ずっと聞いていたいが、残念ながら悟空を待っている人達がいる」シュン

悟空「あぁ。あんまりまたせっと神龍も流石にけーっちまうからな」

女騎士「そうだな……」

女騎士「そ、それでな悟」

悟空「あっそうだ!まだ時間あんだろ?」

女騎士「?おそらく」

悟空「んなら、オラがいいとこ連れてってやんぞ!」ホレ サワットケ

女騎士「?」ピトッ

悟空「たーしーかー…みっけ!」シュン

………
……

~~
天空城

シュイィン

女騎士「こ、ここ…は?」キョロキョロ

悟空「おめぇが来たがってた場所だぞぉ」ニッ

女騎士「?」ハテ

カツン カツン カツン カツン カツン

女神「まぁ!悟空さん!」シャランラーン

悟空「おっす!」ピッ

女騎士「!!」ポー

女神「ウフフフ。ようこそ天空城へ」

女騎士「な、な!?えっ!」

女神「初めまして。私が神さまです」ペコリ

女騎士「あっ!その!は、初めまして!」ヘイフク

悟空「にししし」

女神「あなた達には本当、なんと感謝したら」

女騎士「い、いえ!めっそうも!」

女神「そう固くならずもともいいのですよ」シャラーン

女騎士「はっ!」バッ

悟空「そんでよぉ、オラおめぇにおねげぇがあんだが」

女神・女騎士「ご飯!」

悟空「ばっ、ちげぇーぞ!」アセアセ

悟空「そりゃオラの腹限界だがよぉ」グゥゥゥゥ

女騎士「ご飯じゃ…ない…だと…!?」ビョウキカ

女神「あらあらあら」

悟空「そーじゃねぇーって!」

悟空「オラけーっちまうだろ?」

女騎士「……」ショボン

悟空「そんなくれぇ顔すんなよ」ナッ

悟空「神様にオラの代わりにこいつの師匠になって欲しいんだ」ヘッ

女神「まぁ!それなら私も大歓迎です!」パチパチ

女騎士「い、いいのですか!?」

女神「はい!もちろん!」シャラーン

女騎士「ご、ご迷惑では?」

女神「一人では退屈してますからね」

女神「貴女は磨きがいがありそうですして」ジー

女騎士「は、はい!!」バッ

悟空「へへっ!しっかり修行つけてもらえよ」パンッ

女騎士「お、おう!」

女騎士「……何から何まで…」ウッ…

女神「あらあら」ウフフフフ

悟空「気にすんな!オラも楽しかったぞ」

女騎士「あ、あ…あぁ…わ、わだ、私もだ」ポロポロポロ

シューーーー

悟空「おっ!そろそろ時間みてぇーだな」

女騎士「ご、悟空!!」ダキッ

女騎士「短い間であったが、本当に、本当ありがとう!!」

女騎士「…」スッ

悟空「へへっ。またいつかな!」ニコッ

女騎士「あぁ!また…な!!」ニコッ

悟空「ばいばい!!」

シューーーー……バシューーーーーン……

女騎士「……」

女神「大丈夫です?」

クルッ

女騎士「師匠!!」ガッ

女神「は、はい?」タジ

女騎士「まずは、私にかめはめ波という技を!」


…………
……

異世界 数年後

姫「親玉が逃げましてよ!」

副隊長「フフフ。懲りませんねぇ!!」

姫「こちらに誰がいるか…目にものを見せて差し上げなさい!」

女騎士「はっ!!」

バサッ!!

女騎士山吹色「いざ!参る!!」

バシューーーーーン!!! ガシッ

親玉「くっ……殺せっ!」

女騎士山吹色「何を言っているのだ!」



             ~~おしまい~~

読んでくれてありがとうございました
女騎士七変化と四天王っぽいのと出せて良かったです

初SSは長くなるのが相場なのだろうか

バイバイ!

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