【艦これ×アズールレーン】仄暗い水の底から (20)

艦これとアズールレーンのクロスSSです。

台詞形式です。

直接的な描写は有りませんが、グロいと感じる描写が有るかもしれません。

閲覧注意でよろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507861272


指揮官「ああ・・・、今日も一日平和だなぁ・・・・・・」

エンプラ「こら、指揮官。戦時だと言うのに少々弛んでるぞ??」

指揮官「ああ、エンタープライズ、済まない・・・」

エンプラ「とはいえ、こうやる事も無いとそんな事も言いたくなるか・・・。気持ちは分かるぞ」

指揮官「だよなぁ・・・・」



指揮官「そういえば、もうそろそろ委託に出してた艦隊が帰って来る頃だよな??」

エンタープライズ「うむ、10時間の遠征からそろそろ戻る時間だが・・・」

指揮官「長時間だが、資金も経験もたっぷり入るヤツだからなぁ・・・。
練度の上がった艦隊で攻略が詰まっていたあの海域も一発クリア、と行きたいところだなぁ」

エンプラ「ああ、全くだな」


エンプラ「それにしても遅いな・・・。定刻通りならもうとっくに戻ってる筈だが・・・」

指揮官「ふむ・・・、何かあったのだろうか・・・」


綾波「大変です!指揮官!!」


エンプラ「こらっ、挨拶も無しに入室する奴があるか」

綾波「ハッ!こ、これは申し訳ないです!」(敬礼)

指揮官「いや、構わないよ。ところで何があった??綾波」

綾波「は、はい!!上級科学研究に出ていた旗艦ホーネットを始め五艦、
通信途絶、後、全艦消息を絶ちました、です!!」

エンプラ「通信途絶・・・??」

指揮官「後、消息不明だと・・・???」

エンプラ「一体何があったと言うのだ・・・」

指揮官「エンタープライズ、あの辺りに敵対する勢力の侵攻は??」

エンプラ「現在のところ確認されていない・・・」

エンプラ「それに敵対する勢力がいたとして、我等の間には協定が結ばれている・・・。
だからこそ我らには大破も無ければ轟沈も無いのだからな」

指揮官「うむ」

エンプラ「だからこそ、遭遇戦があったとしても、通信途絶する事は考え難いし、
ましてや行方不明になるなど考えられないのだが・・・・・・」

指揮官「セイレーンの動きが活発化していると言うのは??」

エンプラ「前兆は全く見られていないのだが・・・。
だが、その線を含めて、偵察隊を出すのが妥当だろう、と具申する」

指揮官「うむ、それが上策だろうな・・・。よし、早速隊を編成してくれ、エンタープライズ。人選は任せる」

エンプラ「承知した」

指揮官「それにしても・・・セイレーンの仕業だと言うなら、ホーネットがやられたというのか・・・??」

指揮官「・・・ホーネットの練度はかなり高かった筈だよな??」

綾波「はい、上級化学研究の旗艦を務めるだけに、70レベルは越えていた筈です・・・」

指揮官「そんなホーネットが簡単にやられたと言うのか・・・、考えられん・・・」

綾波「です・・・」


【その夜】




指揮官「結果は最悪と出たな・・・」

エンプラ「うむ・・・」

綾波「はい・・・、旗艦エルドリッジを含む我が隊最精鋭の駆逐艦六隻、全艦通信途絶。
なお、今回は鎮守府近海にて装備の破片が発見されていますです・・・」

指揮官「襲われて沈んだ・・・と、見るべきだな・・・」

エンプラ「残念だがその様だ・・・。しかし一体何者が・・・・・・??」

指揮官「セイレーンでは無いのか??」

エンプラ「それが一切その反応がないのだ。セイレーンであるとは考えにくい」

エンプラ「奴等の新型が、我々のレーダーに一切反応せずに一方的に攻撃が加えられるなら話は別、だがな・・・」

指揮官「オイオイ、よしてくれよ・・・。そんなモノが敵にあると言うなら、戦争は明日にでも敵の大勝で終わるよ」

エンプラ「そうだな・・・それは考え辛い・・・」

綾波「じゃあ、一体誰が・・・」

指揮官「・・・・・・・・・・」
エンプラ「・・・・・・・・・」

指揮官「とりあえず我々だけでは手に余る案件だな・・・、大本営の支持を仰ごう・・・」

エンプラ「そうだな・・・、それが良い・・・」

指揮官「綾波、被害報告も含めて状況を大本営に打電してくれ。状況も細かく伝えて指示を仰ぐ様に」

綾波「了解したのです」(敬礼)

指揮官「さて・・・、大本営はどう判断するだろうか・・・」

エンプラ「・・・・・・・・・・・」



綾波「た、大変です!指揮官ッ!!」

指揮官「どうした?綾波??何があった??」

綾波「無線が通じません!!大本営と連絡がとれないです!!!」

エンプラ「な、なんだとっ!?」

綾波「それだけじゃありません!!私たちの私物・・・スマホや携帯も使用ができないです!!!」

指揮官「な、なんて事だ・・・。それでは現在、この鎮守府は外部と連絡が一切取れないと言うのか・・・??」

指揮官「エンタープライズ!! 機器が一斉に故障するなんて、そんな事があり得るのか??」

エンプラ「考え難い事だ・・・。電波を本土に届ける中継基地を叩けば、通信網を一気に途絶する事は可能だが・・・・・」

指揮官「だが??」

エンプラ「だが、この鎮守府は前線からそれほど離れている陸の孤島というわけではない・・・。
少し行けば多数の友軍が存在するのだ・・・、わざわざ通信を抑えても、殆ど意味はないのだが・・・・・・」

指揮官「ふむ・・・意図が不明なだけ不気味だな・・・」

エンプラ「うむ・・・・・・」

指揮官「とにかく敵の意図が全くわからん。
今は夜だから迂闊に動くわけにもいかないが、明日の朝になったら報告も兼ねて前線基地に全員で移動しよう」

指揮官「敵側にどんな意図があろうとも、全軍で行動すれば手出しは出来まい」

エンプラ「うむ、それが妥当だな」

指揮官「よし、綾波、みんなに警戒するようにと、明日の準備をするように伝えてくれ」

綾波「了解しましたです」

指揮官「さて、そうと決まれば夜も遅い、もう休むとしよう」

エンプラ「了解した」

綾波「了解です、失礼しますです」(敬礼して部屋から出ていく)




指揮官「それでは俺も・・・・・・・・」


指揮官「・・・・・・・・・・」

エンプラ「・・・??どうした?指揮官??」

指揮官「いや・・・、敵の意図がわからず・・・少々不気味だと思ってな・・・」

エンプラ「まあ、分からん事を気にしても始まるまい。それとも何か?怖いのか??」

エンプラ「フフッ、怖いなら一緒に添い寝してやろうか?? 幸い私のベッドは隣が開いているぞ??」

指揮官「よせよ、子ども扱いしないでくれ・・・」

エンプラ「フッ、そうか。それは失礼した・・・。 では、私も休ませて貰おう」

指揮官「ああ、お疲れさん」





【エンタープライズ 自室】




エンプラ「ふう・・・、シャワーも浴びたし・・・、寝るとするか・・・・・」

エンプラ「それにしても・・・襲撃者は一体誰なのだろうか・・・」

エンプラ「ホーネットにしてもエルドリッジにしても、一騎当千の兵(つわもの)、
そうむざむざとやられはしないと思うのだが・・・・・・」

エンプラ「その二人をも凌駕する存在・・・?? わからん・・・、全く見当もつかん・・・」


エンプラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


エンプラ「考えた所で思考が堂々巡りを繰り返すだけか・・・・・・。もう今日は休もう・・・。
明日の移動は早めに済ますに限るからな・・・・・・」(溜息を一つ吐き、ベッドに潜り込む)




【数時間後】





ドゴォオオオオォォォンン!!!


エンプラ(ガバッと跳ね起き)「な、何だッ!?砲撃音ッ!!??」

ドゴォオオオオォォォンン!!!

エンプラ「で、デカい!!何てサイズだ!? ロドニー・・・フッド・・・、いや、それ以上だ!!」

ドゴォオオオオオオオォォォンン!!!!!!!

エンプラ「ヤバいぞ・・・。増々砲撃が近づいて来る・・・・・・」

エンプラ(ハッ!!)「指揮官!!指揮官を避難させねばッ!!!」(ベッドサイドに掛けていたガウンを羽織り、
指揮官室へ駆け出す)



【指揮官室】




エンプラ「指揮官!!居るかッ!?」(バァン!!)

エンプラ「居ない・・・・・・、隣室のベッド・・・にも居ない・・・、一体何処に・・・・・・」

(その時、真っ暗な部屋の片隅に、怯える様に頭を抱えて蹲る指揮官を見つける)

エンプラ「指揮官!!何をしているんだ、そんな所で・・・・・・」

指揮官「馬鹿な・・・、バカなバカなバカな・・・、有り得ない・・・、だって全部消して来たんだ・・・・・・」ガタガタ

エンプラ「指揮官・・・・・??」

指揮官「この砲撃音には聞き覚えがある・・・、間違いない、大和型・・・あの二人の口径だ・・・。でも・・・有り得ないんだ・・・、
だってみんな・・・みんな消えた筈なんだ・・・・・・」ガタガタ

エンプラ「指揮官・・・・・、一体どうしたというんだ・・・、何時もの凛々しさが欠片も無い・・・」

指揮官「みんな消した・・・、消した筈なのに・・・・・・」ガタガタ

エンプラ「対処するにも指揮官がこの様では・・・、どうしたものか・・・・・・」


綾波「指揮官!!無事なのですかっ!?」


エンプラ「おお、綾波、無事だったか!!」

綾波「エンタープライズさん!!指揮官は・・・??」

エンプラ「ああ、外傷は無い。だが、何だか様子がおかしいのだ・・・」


(依然、部屋の隅で蹲り、ガタガタと震える指揮官)


綾波「し、指揮官・・・。一体何が・・・??」

エンプラ「わからん・・・、だが、指揮官がこの有様では手を打つことも儘ならんだろう・・・、
仕方ない、反抗は諦め、深夜では有るが、謎の砲撃から避ける為に予定を早めて部隊の脱出を敢行する」

エンプラ「綾波は他の皆にこの事を伝えてくれ、指揮官は私が引き受ける」

綾波「わ、わかりましたです!!(敬礼)早速、伝達に向かいます!!」(部屋から駆け出す)


エンプラ「ああ、頼んだぞ!!」



エンプラ「さて・・・、指揮官は抱えていくとして・・・、どうやって逃げ出すか・・・」

エンプラ「しかし、一体、誰が・・・」


綾波「きゃああああああああああああああああっ!!!!」


エンプラ「綾波ッ!!??」


シーン


エンプラ「あ、綾波・・・??どうしたんだ・・・??」(恐る恐る綾波が駆けて行った廊下を覗き込む)

エンプラ「・・・・綾波・・・??」(司令官を背負いながら、昏い廊下を一歩づつ歩む)


(廊下に寝転がってる綾波を発見)


エンプラ(ホッ)「な、何だ綾波・・・そんな所で寝転んで・・・、転んだのか?? 起きないと風邪を引く・・・・・ッ!?」

(其処に倒れて居たのは、不自然な方向に曲がった首から血を流し、虚ろな目で闇を見詰める、綾波「だった」ものだった)


エンプラ「あっ!綾波っ!!??」ゾッ


「提督・・・、やっと見つけた・・・。もう・・・、ダメじゃない・・・ちゃんと帰って来ないと・・・」ユラァ

「みんな心配してるのですよ・・・??さあ、私達と一緒に鎮守府に帰るのです・・・」ユラァ


エンプラ「だっ、誰だッツ!?!?」

(暗闇の廊下の先から、血痕のベットリと付着した錨を手に下げた、
ずぶ濡れの少女と、その少女に瓜二つの少女がヒタヒタと歩み寄ってくる)


指揮官「ひっ、ひぃいい!!い、雷ぃ・・・、電ぁ・・・・・・」ガタガタ


雷「さあ、提督・・・、帰りましょう・・・」

電「一緒に帰るのです・・・」


エンプラ「な、何だ貴様らはっ!!??綾波をやったのは貴様らかっ!!??」キッ


雷「何、この人・・・・・・、私達が提督と帰るのを邪魔するの・・・??」(錨を眼前に構える)

電「・・・邪魔するなら・・・容赦はしないのです・・・」(太腿の魚雷を指に挟み、頭上に振りかぶる)


エンプラ「クッ・・・艤装も無い・・・、怯えた指揮官を抱えた状態では多勢に無勢・・・、此処は・・・退くっ!!!」
(指揮官を背負い、廊下を走り出す)


雷「・・・待ちなさい・・・、提督を・・・返して・・・、返して・・・」ヒタヒタ

電「逃がさない・・・、もう、逃がさないのです・・・・・・」ヒタヒタ


エンプラ「クッ、追ってくる・・・っ!!指揮官を抱えたままでは・・・・・逃げ切れ・・・」



オーリック「あっ!!エンタープライズさん!!指揮官ッ!!良かった!!無事で!!!」ダッ

エンプラ「オーリックか!!助かった!!みんなは無事かっ!?」

オーリック「はい!!謎の艦船から砲撃を受けましたが、全員北の第二ドック避難しています!!
それに、艤装も用意しています!!」

エンプラ「そうか!!艤装さえあれば百人力だ!!良し、第二ドックへ向かうぞ!!」

オーリック「は、はいッ!!」




【第二ドッグ】



エンプラ「・・・以上、指示した通り、北方にある友軍の基地まで避難してくれ・・・。指揮官をよろしく頼む」

オーリック「了解しました。・・・でも、エンタープライズさんは本当に行かないのですか??」

エンプラ「・・・私は秘書艦として、指揮官を逃がす確率を少しでも上げる為に、殿を努めねばならない・・・」

エンプラ「誰かがやらねばならない大事な役目だ。
なら、この隊で一番の練度を誇る私がその役目を務めるのは、当然だろう??」ニヤリ

オーリック「エンタープライズさん・・・」

エンプラ(ガタガタと震え、蹲る指揮官を、少し、悲し気に見つめて)「・・・指揮官をよろしく頼む・・・」

オーリック「は、はいっ!!」(敬礼)






エンプラ(指揮官を連れた脱出組を見送りながら)「行ったか・・・」

エンプラ「わかるぞ・・・、悍ましい程の大群がここに殺到して来るのが・・・」

エンプラ「だが、私も無敵と呼ばれたエンタープライズ・・・。此処はそう簡単に通す訳にはいかない!!」


エンプラ「ゆけっ!!私の艦載機たち!!」(艦載機を艤装から発進させる)


その時、航空機を発進させたエンタープライズが次の瞬間に見たモノは、飛び出していった自分の自慢の艦載機が、
飛来してきた異常な練度を誇る航空機に次々と撃墜されて行く様だった。

エンプラ「な、なんだとっ!!??」


信じられない面持ちで落下していく、己の艦載機を呆然と眺めるエンタープライズ。


エンプラ「ば、バカな・・・、私の艦載機がこうも容易く・・・??し、信じられん・・・ッ」

エンプラ「一体誰が・・・っ!?」


睨みつけたその視線の先、敵機が飛来した先には、赤と青の道着を纏ったずぶ濡れの二つの人影――


赤城「・・・第二次攻撃隊・・・、全機発艦・・・」

加賀「・・・ここは、譲れません・・・」


エンプラ「・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!」ギリッ


その一対の人影の瞳が紅く光り輝いた時、エンタープライズは己の敗北を確信した。


エンタープライズ「指揮官・・・・・・ッ!!せめて貴方は逃げ切ってくれっ・・・・・・!!」


やがて、空の七割を舞う航空機が彼女に雷撃を加えるべく殺到した時――



エンタープライズの胴は真っ二つに裂け、その艦歴は終わりを告げたのだった――




【北方海域 脱出艦隊】




オーリック「どう!?振り切れそう!?!?」

ブルドッグ「だめぇ!!すごいスピードで追って来るよぅ!!」

ビーグル「40ノットは出てるよ!!信じられないっ!!」


島風「・・・おそーい・・・、島風からは・・・逃げられないんだから・・・」ユラァ


島風「提督・・・、追いかけっこはこの辺で終わりにしてさ・・・一緒に鎮守府に帰ろうよ・・・、
みんな・・・待ってるよ・・・」

指揮官「う、うわあああああぁぁ!!助けてっ!助けてくれぇえええ!!」ガタガタ

ビーグル「指揮官!!落ち着いて!!」

オーリック「ダメだ・・・、足止めに戦うにしても、逃げるにしても、背中の指揮官を落ち着かせないと・・・」


モーリー「なら、ボクが指揮官を引き受けるよ!!」


オーリック「モーリー??キミが?」

ブルドッグ「そっか!モーリーなら!!」

モーリー「グリッドレイ級駆逐四番艦モーリー!!最速42、8ノットの速さなら、誰にも負けないよっ!!」グッ

オーリック「そうか!! じゃあ指揮官は頼んだね・・・・・・。私達はここに残って時間を稼ぐから・・・」

モーリー「えっ・・・、大丈夫なの・・・??」

ブルドッグ「時間を稼ぐだけだもの、危なくなったら逃げるよっ!!」

ビーグル「そうそう、だからモーリーは指揮官を逃すことだけを考えて・・・??」

モーリー「うん・・・わかった・・・・・・」

オーリック「じゃあ足止め行くよっ!!指揮官!モーリー!!後で後方で会おうね!!」

モーリー「う、うん!分かった!!ほら!指揮官!いくよっ!!」

指揮官 (ただ、ガタガタと震え続ける)




島風「・・・あれー・・・??追いかけっこは終わり・・・??」

オーリック「これ以上指揮官を追わせはしないよっ!!ここで足止めするんだから!!」(装備を構える)

島風「・・・ふーん・・・足止め・・・??」クスッ


ブルドッグ「な、何・・・??急に寒気が・・・・・・」ブルッ


夕立「その程度の数で夕立達を止めるなんて・・・・・・無理な話っぽい・・・」ユラァ


ビーグル「か、海面が盛り上がって・・・艦船少女の形にっ・・・・・!?」


時雨「さあ・・・、さっさと片付けて・・・提督を追うとしようか・・・・・・」ユラァ


オーリック「信じられない・・・あっという間に・・・無数の・・・っ!!」

ブルドッグ「いつの間にか・・・囲まれてるっ!?」


夕立「・・・さぁ、素敵なパーティーをはじめましょう・・・??」ニヤァ・・・


(オーリック達を取り囲んだ無数のずぶ濡れの艦娘が武器を構える)



オーリック「し、指揮官ッ・・・・・・・!!」ガタガタ


モーリー「ハァハァ・・・ッ此処まで離せば・・・・ッ!!」(息を切らせて後方を振り返る)


モーリー「後方艦影・・・無し!!やった!!振り切った!!」


モーリー「指揮官!!やったよ!!逃げれた!逃げ切ったんだ!!」

指揮官「・・・に、逃げれた・・・??あ、アイツ等から逃げ切れたのか・・・??」

モーリー「うんっ!!360度、周りの水平線には私達だけだよ、無事に逃げ切ったんだよ!!」

指揮官「そ、そうか・・・、助かったのか・・・」 ホッ

モーリー「うん・・・後は友軍と合流しつつ、みんなを待つだけだね・・・、みんな無事だと良いけど・・・・・・」

指揮官「あ、ああ・・・、そうだな・・・」


シュルルル・・・


モーリー「ん??なんだろ、この音??」

指揮官「!!!! モーリー!!気をつけろ!下だッ!!」

モーリー「下・・・?? ツッ!!!!!!」

(その時、モーリーの足元で爆音が起こり、モーリーの右脚が吹き飛ぶ)


モーリー「うわぁああああああああっ!!」


指揮官「モーリーッ!!!!」

モーリー「指揮官ッ!!ボクの脚がッ!!脚があっッッツ!!!」(叫びながら、海中に沈没していく)


(その時とほぼ同時に、闇の海面から染み出すように少女の影が現れた)

58「・・・フン、・・・潜水艦の居ない戦場で・・・、
爆雷を積んでない駆逐なんて・・・鴨を撃つようなモノでち・・・」ユラァ

指揮官「お、お前は伊58・・・」

(後ろから浮き出た少女が指揮官の肩を掴む)

19「さあ、提督・・・。・・・私達の鎮守府にかえるのね・・・??」ズズズ

指揮官「ひぃいい!!伊19!!」

(足元から浮き出た少女が腿にしがみ付く)

8「もう離さないよ・・・、これからはずっとずうっと一緒・・・、もう・・・寂しくない・・・・」ヌラァ・・・

指揮官「い、いやだぁああああ!!離せ!!離してくれぇッ!!!!」

(最後に出てきた少女が、指揮官が頭に被った帽子を上から押さえつけながら)

呂500「もう・・・提督ったら我儘はよくないって・・・、これからは・・・」


呂500「永遠に一緒だって」ニチャア・・・


(身体中に艦娘がまとわりつきながら、指揮官の身体が海中に沈んでいく)


指揮官「いやだぁ!!!!!助けてくれっ!!誰かッ!!嫌だ!!いやあっ!





とぷん





【翌日 別の鎮守府】



指揮官「ああ・・・今日も平和だなぁ・・・」


ケント「Hey!指揮官!!平和なのはいい事じゃない??つまらなそうに言ったらダメ、だよっ!」

指揮官「まぁ、そうなんだけどさぁ・・・」

ケント「・・・でも、別の鎮守府ではそう平和って訳でもないみたいだけどネ」

指揮官「と言うと??」

ケント「ルルイエの方面でさ、指揮官も艦船少女もみーんな消えちゃった鎮守府があるんだってサ!!」

ケント「そっちの方面じゃその話題で持ちきりらしいヨ!!」

指揮官「消えたって・・・皆か??」

ケント「みーんな!!」

指揮官「そりゃ不思議なこともあったもんだな・・・、一体何があったんだろうなぁ・・・」

ケント「何があったんだろうネー」

指揮官「わからん。 ・・・まあ、他所は他所、うちはうちって事で・・・」

ケント「だねー」

指揮官「案外、みんなでバカンスにでも行ってるのかもなっw」

ケント「あはは!それイイね!ウチも行こうか!?」

指揮官「イヤだよ・・・、後で俺が怒られるだけじゃ済まないだろ・・・・・・。
さあ、バカなことばっかり言ってないで仕事仕事」

ケント「はーい」

指揮官「えーと、今日は何から仕事開始だっけ??」

ケント「えーと・・・」


ケント「もうすぐ長時間の委託から艦隊が帰ってくるね、上級化学研究だってサ」






【完】



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