モバP「……」
ピンポーン
<はーい
モバP「……俺だ」
<……今開ける
ガチャ
美嘉「約束の5分前……流石、キッチリしてんじゃん★」
モバP「社会人として当然だ」
美嘉「……上がって」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507472297
美嘉「さて……何度も聞かされてきて今更だけど、最後に確認しとこっか」
美嘉「アタシに、何の用だって?」
モバP「……莉嘉のことだ」
美嘉「んー?」
モバP「莉嘉。お前の妹だよ」
美嘉「……」
モバP「俺は、莉嘉が欲しい」
美嘉「……ふーん★」
美嘉「莉嘉に目をつける辺りは流石だね。いい趣味してんじゃん★」
モバP「女の子を見る目は確かなんでね」
美嘉「ハハッ、このナンパヤロー」
モバP「おい」
美嘉「ジョーダン★」
美嘉「ま、姉の贔屓目と笑われたって言わせてもらうけど、莉嘉は抜群にイケてる」
美嘉「あの年であれだけカワイイのに、今のアタシくらいの齢になったらどんな小悪魔になってるやら。期待が膨らむよね」
美嘉「……そんな将来有望な莉嘉の相手が、プロデューサーにつとまるかな?」
モバP「……お前に何と言われようとも……」
美嘉「……」
.
モバP「俺は、莉嘉が欲しい」
美嘉「妹が欲しくばアタシを倒してからにしろ★」
.
.
美嘉「……」ゴゴゴゴ
モバP「……」ザワッ
.
.
モバP「叩いて!」
美嘉「かぶって!」
モバP「じゃんけん!」
モバP「ぽん!」グー
美嘉「ぽん!」パー
美嘉「でりゃあぁぁぁ!」ガバッ
モバP「なんの!」バッ
\ピコッ/
「……セーフ」
美嘉「いい反射神経してるじゃん★」
モバP「プロデューサーを舐めるなよ?」
「……ねえ、お姉ちゃん、P君」
美嘉「なに、莉嘉?」
モバP「どうした、今のセーフだろ?」
莉嘉「あ、うん。セーフだけど」
莉嘉「……なにこれ?」
モバP「あ、もう1回ルール確認しとくか?」
美嘉「こう、じゃんけんで勝った方が攻撃、負けた方は防御で」
莉嘉「いや、そうじゃなくてね。今日やるはずのお話って……」
莉嘉「アタシが、P君が企画してるユニットに入ることについて、だよね?」
美嘉「そうだよ?」
モバP「なにを今更」
莉嘉「じゃあなんでお姉ちゃんとP君はこんなことで遊んでるの?」
美嘉「莉嘉!」ガシッ
莉嘉「な、なに!?」ビクッ
美嘉「これは『遊び』でも『こんなこと』でも ないの……」
美嘉「莉嘉をかけた、アタシとプロデューサーの真剣勝負なんだよ!!」クワッ!!
モバP「そうだぞ莉嘉」ウンウン
莉嘉「そ、そっか、ゴメン(2人とも目がマジだ……)」
莉嘉「でも、あれってもう決まった話だったんじゃないの?」
莉嘉「アタシのとこのP君から、ソロ活動との掛け持ちオッケーにしたって聞いたけど……」
※美嘉の担当はモバPだが莉嘉の担当は別のPという突然の複数P設定
モバP「ああ、確かにあいつは既にこの件に了承してるんだ」
莉嘉「え、じゃあそれでいいじゃん。どうしてP君、ウチに来てお姉ちゃんと勝負……勝負? してるの? いやホント」
モバP「あいつは、了承すると同時にこうも言ったのさ」
『――ただし、莉嘉の件なら美嘉に話を通してからにしておけ』
モバP「とな」
莉嘉「お姉ちゃんどんな立場なの!?」ガビーン
美嘉「莉嘉の姉として当然でしょ」
莉嘉「仕事の話はP君達が決めることで、お姉ちゃんは関係ないはずじゃん!!」
美嘉「でも今まで莉嘉がやってきた仕事だって、最後の承認は全部アタシがしてるのよ?」
莉嘉「ウソだぁ!?」
美嘉「ホント★」
莉嘉「じゃあ、アタシが知らないだけでお姉ちゃんがNGした仕事とかあるの?」
美嘉「んー、幾つかあるね」
莉嘉「あるんだ……」
美嘉「アッツアツのおでんなんか、莉嘉に食べさせられるわけないじゃん」
莉嘉「なんでそんな仕事が……それはNGしてもらって助かったかも」
美嘉「だから代わりにアタシがやっといた★」
莉嘉「やったの!? お姉ちゃんが!!?」ガビーン
美嘉「うん。明後日放送だったかな、ほら、○×局の~~っていうバラエティ番組」
莉嘉「そういえば、収録で○×局に行ってくるって言ってた日があった!!」
美嘉「司会さんにリアクション褒められちゃったー。幸子ちゃんにアドバイス貰っといたお陰だね★」
莉嘉「その司会さんって芸人さんだよねとかどうして幸子ちゃんがアドバイス出来るのかとか言いたいこと多すぎる!」
モバP「オンエア、楽しみだな」
莉嘉「お姉ちゃんの仕事決めるのはP君の仕事でしょ!! 止めてよ!!」
莉嘉「これ以上掘り下げると疲れそうだからやめておくとして……」
莉嘉「ってことは、お姉ちゃんはP君の企画、反対なの……?」シュン
美嘉「ううん、内容に文句はないよ。アタシも凄く素敵なユニットになると思う」
莉嘉「じゃあ、なんで?」
美嘉「……プロデューサーがアタシ以外のアイドルも担当してるのは知ってるよね」
莉嘉「うん」
美嘉「じゃあ、その人数が事務所で一番多いっていうのは?」
莉嘉「……知らない。そうなの?」
モバP「おう。一番の古参だから、必然的にな」
美嘉「プロデューサーってば、そんな状態でも今回みたいにポンポン新しい企画をぶっ放すわけ」
美嘉「莉嘉と同じで、担当外の子も引き込んだりしてね」
美嘉「今は何とか超人的なスキルで全てのユニットの面倒をキッチリ見られてるけど……」
美嘉「アタシは、いつか限界が来るんじゃないかと思ってる」
美嘉「そんなこと考えてる時に莉嘉を起用したいって言われたらさ、不安になっちゃうよね」
美嘉「この人は、アタシの妹の面倒をキチンと見てくれるのかな、って」
モバP「何度も言ってきたが、美嘉。俺を信じてくれ」
モバP「忙しさにかまけて蔑ろになんかしない。莉嘉に限った話じゃない。お前も、他のみんなだってそうだ」
モバP「俺ならやれる。やってみせる」
美嘉「……と、本人は自信満々なの」
美嘉「だからアタシは見たいわけ。プロデューサーの『覚悟』ってヤツを」
美嘉「口先だけじゃないって、証明してほしいの……!」ゴゴゴ
莉嘉「お姉ちゃん……」
.
莉嘉(……なんでその覚悟を見る方法がコレなの?)
ピコピコハンマー←コレ
ヘルメット←コレ
.
――――――
――――
――
モバP「くっ、やるな美嘉……」ハァハァ
美嘉「トーゼン★ アタシは、カリスマギャルだからね……!」ハァハァ
莉嘉「カリスマギャル関係あるの?」
モバP「うおおぉぉ! 叩いt(ry)じゃんけん!」
モバP「ぽん!」チョキ
美嘉「ぽん!」パー
モバP「でりゃあぁぁぁ!」バッ
美嘉「はあぁぁぁ!」ザッ
\ピコッ/
莉嘉「……セーフ」
美嘉「ふふっ、ちょっと動きにキレがなくなってきたんじゃない?」ハァハァ
モバP「そっちこそ、じゃんけんの勝率が落ちてきてるぜ……」ハァハァ
莉嘉「どうしてさっきから〇ャンプのバトル漫画みたいなノリなの? 2人ともド○ゴンボールみたいな作画になってるよ?」
美嘉「さぁ、まだまだ勝負はこれから……、!」
モバP「!」
美嘉(感じる……)
モバP(この勝負……)
モバP・美嘉(次で決着が着く……!)
美嘉(何故かは分からない……だけど)
モバP(ハッキリと、終わりの時が迫るのを感じる)
美嘉(どちらが勝つのか……)
モバP(こればかりは神のみぞ知るところだが……)
モバP・美嘉(泣いても笑っても、これが最後……!)
莉嘉(なんか2人とも目を合わせたまま動かない)
モバP「……行くぞ」
美嘉「……うん」
モバP「叩いて!」
美嘉「かぶって!」
モバP「じゃんけん!」
ぽん!
\ピコッ/
莉嘉「……お姉ちゃん、アウト」
美嘉「……アタシの、負けかぁ」
美嘉「……」ドサッ
莉嘉「えっお姉ちゃん!?」
モバP「ッ! 美嘉……美嘉ッ!」
美嘉「プロ、デューサー……」
美嘉「見せてもらったよ、プロデューサーの覚悟ってやつ……」
モバP「いい、喋るな!」
莉嘉「ちょっとお姉ちゃん!? 聖闘士○矢みたいな作画になってるよ!?」
美嘉「莉嘉を……アタシの妹を……」
美嘉「頼んだよ……」ガクッ
モバP「美嘉? ……美嘉ァ!!」
莉嘉「お姉ちゃあぁぁぁん!!??」
.
夢みたいに綺麗で泣けちゃうな――
これから沢山イイコトあるよ――
莉嘉「夕映え!? なんで!? っていうか何処から流れてきてるの!?」
.
<グゥゥゥ...
モバP「……」
美嘉「……」
モバP「腹減ったな」
美嘉「うん」ムクッ
莉嘉「えっ」
モバP「ファミレスって近くにあったよな?」
美嘉「大通りに出て左曲がってすぐ」
モバP「っし、行くか」スタスタ
美嘉「莉嘉? 何してるの、置いてっちゃうよ★」スタスタ
莉嘉「えっ」
莉嘉「結局なんだったの……?」
.
十数年後、莉嘉のつれてきた交際相手が美嘉と戦火を交えるのは、また別の話――。
おわり
なんやこれ(真顔)
テキストファイルの日付を見て自分でビックリしたんですが、これ半年以上も塩漬けにしていました。
確かもう少しボリュームを盛りたくて投下を控えていたんだと思います。
まあ結局存在自体を忘れてしまっていたのですが。
HTML化依頼してきます。
(今になって全部sageていたことに気付く)
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません