【艦これ】 時雨「深海棲艦が会社設立だって!?」駆逐棲姫「転職しませんか?」 (154)


やぁ、僕のタイトルに魅かれてこのSSを読もうという気になってくれたんだね。

まずはありがとうと言っておくよ。

でも、初めに悲しいお知らせがあるんだ。

この物語では僕はあくまで登場人物の一人にすぎないんだ。

物語の語り手も僕じゃなかったりすることもあるしね。

そして、暫くの間は僕は一脇役に過ぎないんだ。しかも殆ど台詞がない。

タイトル詐欺もいいところだよね。

お詫びにそこに有る、あつあつの春雨スープは飲んでもらってかまわないよ。

どうかな?採れた・・・、間違えた、作りたてだから美味しいと思うよ。

じゃぁ、のんびりとした日常の話で申し訳ないけど話を始めさせてもらうね。

そうそう、一ついい忘れた深海の娘達はみな普通の言葉を話すよ。

片仮名混じりの片言なんかじゃなくね。

これは1がめんどくさいとか変換に手間取るからとかそう言うわけじゃないから。

うん、まぁ、それはいいか。

さてと、今度こそ、話を始めるね。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1507217034

第一話 時雨と深海棲艦に出会う


???「社長!大変です!また艦娘が打ち上げられています!」

社長「なんだって!それは本当かストロベリーちゃんよ!」

ストロベリー(仮)「あの、社長。確かに敵がつけた認識名で呼ばれたくないとはいいましたが流石にストロベリーは・・・・。」

社長「えー、じゃぁ集積ちゃんのがいいの?」

集積「はい。」

社長「初めて会ったときに履いてたパンツが苺柄だったからその感動を忘れない為に・・・。」

集積「忘れろ。」

社長「はい。」

集積「それで浜辺に打ち上げられた艦娘なんですが。」

社長「生きてるの?」

集積「はい、小人さん達に見ていただいた所、艤装に著しい破損はあれど生命に問題は無いそうです。」キリッ

社長「えーっと、医務室?」

集積「ですね。社長。参りましょう。」


医務室

社長「おっ、レっちゃんが運んできたの。」

レ級「うん。社長!褒めて褒めて!」

社長「よしよし。でかしたぞ。」ワシャワシャ

レ級 わふぅ

小人「でだ、社長。どうするよ。」

社長「どうするもこうすうるも。」

集積「以前に三越に偵察へ行った際に帰りに紀伊国屋書店へ寄ったのですが。」

集積「そこで販売されていた艦娘図録と照合しましたがこの娘は白露型2番艦『 時雨 』ですね。」眼鏡クイッ

レ級「なんかね。浜辺に制服がぼろぼろで打ち上げられたから私のパーカー貸してあげたの!」

社長「えぇ娘やねぇ。よし、新しいパーカーあげちゃう!」

レ級「わぁい!社長さん大好き!」


時雨「んっ。」

社長「おっ、お目覚めかな?」

時雨「ここは・・・・。」

社長「こんにちは!ここはデ○ズニーランドだよ!」

集積「おい。」

社長「あっ、すみませんです。」

時雨「深海棲艦!?おじさん離れて!」

社長「おじさん・・・・。」

時雨「あれ!?艤装が・・・・。」

集積「敵の拠点に捕まってるのに兵装が使えるようにする間抜けがいるとでも?」

時雨「くっ殺せ!」

社長「いや、殺さないから。」

時雨「きっと僕をヲ級の触手とかでヌメヌメヌラヌラするんだ!」

時雨「そして感度3000倍でんほぉとか妊娠させるんだ!」

時雨「そんな辱めを受けるくらいならいっそ殺せ!」

社長「やだこの娘怖い。」ヒソヒソ

集積「どうしましょう?」ヒソヒソ

レ級「時雨ちゃんにそういう事はしないよ?」


時雨「・・・、じゃぁ、何が目的で僕を助けたんだい?」

社長「ふっふっふ。」

社長「艦娘、時雨よ・・・・。」

時雨「もしかしてスパイをやれとか、深海棲艦を増やす為の苗床になれって奴じゃ!?」

時雨「くっ殺せ!」

社長「いや違うから。」

社長「よかったらうちの社員になんない?」

時雨「へっ?」

社長「いやー、うちね、深海棲艦のタンカーとかタンカーとかタンカーとか?」

集積「社長、タンカーしか言ってません。」

社長「あっ、そうだった。まぁね、警備会社?」

集積「一応、法律上での扱いは運送会社になりますね。」

社長「そっか。とりあえず、そういう会社をやってるわけよ。」

時雨「君達は深海棲艦なんだろ?」

言外に含まれるこいつら何いってんだ?の台詞。


社長「深海にも色々派閥あんのよ。私らは最もゆるい穏健派。」

集積「人によっては微温湯派なんて言われてますね。」

社長「だから中立的とも言えるかねぇ。人間滅ぶべし!の過激派連中とはちょっと距離を置いている感じ。」

レ級「私はドーナッツが大好きなの!」

社長「人間が作る食べ物は実に美味い!そして、それ以外にも失うのは惜しい物が多いしね。それに私も人間だしねぇ。」

集積「穏健派の対外交渉窓口的な物も勤めています。」

社長「といっても人間からしてみれば深海棲艦、滅ぶべし!なのがねぇ。」

時雨「それはそうだね。」

社長「そんな訳で政治に働きかける為のお金を稼いだりしている訳ですよ。」

時雨「そっか。」

社長「民主主義で有る以上は国民の意見には耳を貸さなければいけません。」

社長「お金の力で国政に新しい風を!」

集積「よっ社長!」


時雨は理解した。というか戦慄した。

目の前の社長と呼ばれている男は民主主義の最も優れた点であり

最も悪い点である多数決の原理を悪用しようと宣言しているのだ。

金の力で自分達深海側に好意的な人物を多数国政に送り込み国政を乗っ取る。

それをやろうとしているのだ。

国力を只管に疲弊させる戦争が終わるとなればそれに乗らない相手はいないだろう。

社長「どう?時雨ちゃん、悪の組織っぽいけど入らない?」

時雨「・・・・、君達は、何を目指しているっていうんだい?」

社長「話せば長くなるよ?」

集積「かなり昔の話ですが思い出深いですね。」

時雨「いいよ、聞こうじゃないか。」

社長「じゃぁ、私が会長と出会った頃の話からしようか。」

社長「かなり長くなるけどしっかりと心して聞いてくれると嬉しいね。」

今日はここまで

まじめに悪の組織運営

書き溜め出来たらまた来ます

お読みいただきありがとうございました

少し更新

時雨を起用は単純にキャラが掴みやすいのと

レアキャラをいきなり持ってきてもあれかなぁと思った次第です

秋刀魚30獲れたけどネジ稼ぎたいので6-5ぐるぐるしています

割らないと空襲あるの忘れてました

第二話 雇用条件


社長「と、話を始める前に。」

駆逐「改めて私達の会社の社員になりませんか?」

集積「社員はいいですよ~。週休2日は当たり前。」

駆逐「年間休日日数はバカンス別で120日を保障。」

社長「バカンスは20日間を有給で連続取得出来ます。」

集積「入社6ヶ月から年10日の有給取得可能。」

駆逐「しかも3年間繰越可能。」

社長「なので最長で50日間の連続休暇が取得可能。」

時雨「なんだって!?」


社長「給料は年俸制で新入社員でも最低年間5万ドル保障。」

駆逐「儲かってますからね。」

集積「実際問題人手が足りないんです。」

時雨(なんて、なんてホワイトなんだ!)

社長「手厚い医療保障だってつけちゃう。」

駆逐「保険会社と会社が契約していますので自己負担はほぼ零です。」

集積「退職金の積み立て金の一部はムーディーズとサーベラスでAAAを取得している運用会社で運用を任せています。」

駆逐「艦娘としての艤装のメンテについても私達深海の技術でばっちりサポート。」

社長「職務中の戦闘による傷病にも手厚いサポート、退職の際は退職金を上乗せしてるよ。」

集積「具体的には10万ドル程ですね。」

時雨「転職しない理由がないじゃないか!」

一同「「「さぁ!返答やいかに!」」」

時雨「皆さん!お世話になります!」

こうして、時雨はShinkai Lain co の一員として転職した。

社長「さぁ!この外泊証明書・・・、じゃなかった契約書にサインを!」

時雨 サラサラ

集積「いよっっしゃぁあ!」

駆逐「いやっふぅううぅうう!!」

社長「契約した後で無かった事にしてはできないからね!」

レ級「時雨ちゃんも今日から仲間ね!」

謎のテンションで迎えられたというのは内緒である。

第三話 基本業務


社長「さてと、私が就職したときの話だったかな。」

社長「あれは2年くらい前だったかなぁ・・・。」

社長「私は海に出ていてね。」

時雨「なんで海に出たんだい?」

社長「んー、高い金払って入った風俗がBBAしかいなくてね。」

社長「世界に絶望したのよ。」

駆逐「そして溺れ死に掛けたんですよね。」

社長「そうそう。」

集積「そして目が覚めたらおっぱいー!の叫び声とともにセクハラをかますという。」

時雨「色々常識がぶっとんでたんだ。」

社長「まぁ、色々ね。で、飛びついたときに集積ちゃんの服がずれて。」

時雨「パンツが苺柄だったと。」

コンコン


ヲ級「レ級様はいらっしゃいますか?」

社長「あっ、いるよー。」

ヲ級「そろそろ掃除に向かう時間です。」

レ級「じゃぁ、お出かけしてくるっぽい!」

駆逐「今日はイタリア料理でしたでしょうか?」

レ級「そうだよ!」

社長「時雨くんにも初仕事行ってきてもらおうか。」

時雨「僕でも出来るかな?」

駆逐「特別に私も一緒に行きますので大丈夫ですよ。」

レ級「初心者でも簡単に出来るお仕事よ!」

レ級「テーブルマナーに疎くてもこう、わーーーっって食べ散らかしても大丈夫っぽい!」

ヲ級「初心者にも簡単な掃除業務ですので。」

社長「いってらっしゃーい。」

この後、僕は少しだけ後悔をする事になったんだ。

以上で今回の更新終了

イタリア料理?ははっ、御冗談を

イタリアレストラン ナポリタンじゃないんですから

ここまでお読みいただきありがとうございました

お世話になります

更新を少しします

第四話 時雨、初出動する。


ヲ級「周囲一帯の制圧は完了しています。」

ヲ級「また、射線の取れるビルには狙撃班を3班配置。」

ヲ級「建物裏の川にはイ、ロ、ハ、各級駆逐艦を配置し万一の脱出ルートも潰しています。」

ヲ級「艦載機による周囲の警戒も同時に行なっています。」

駆逐「下水は?」

ヲ級「トラップを設置済みです。」

駆逐「宜しい。では、皆さん。イタリアンレストランへ入場と行きましょう!」

時雨「会長。そのイタリアンレストランって?」

駆逐「イタリアンマフィアの糞ったれどもをミンチにして魚の餌に変える調理をする所ですよ。」クスクス

時雨「あっ、レストランってそういう。」シロメ

レ級「さぁ、素敵なパーティーにしましょ!」

どがっと大きな音を立てレ級が建物入り口ドアを蹴破る。

それを合図に建物入り口に向けて敵の銃撃が一斉に始まる。


時雨「うわぁ!?」

駆逐「時雨さんは可愛らしい声で驚かれるんですね。ちょっと濡れちゃいそうです。」

駆逐「鉄砲の弾なんてのは海上での砲雷撃戦と同じで当たると思った端から当たるもんです。」

駆逐「当たる訳がないと堂々としていれば当たりませんよ。」ニコォ

駆逐「艦娘として戦場に出ていたならこの程度日常茶飯でしょう?」ニコニコ

レ級「当たった所で艦娘の砲弾と比べて大して痛くないっぽい。」

カン!

レ級「でも、腹立つ。」

スイと周囲の風景に溶け込むように気配を消したレ級が居なくなって数秒後。

メチメチと何かをすり潰すような音がして。

レ級「会長さん!こっち通って大丈夫だよ!道は掃除し終えたよ!」ニパァ

三下A「化け物め!これでも喰らいやがれ!」

コン

コロコロコロコロ

駆逐「流石に犯罪組織だけあって花火の類は充実していますね。」

ドン

轟音と爆炎が周囲を包む・・・・が。


駆逐「艦娘の攻撃を喰らう訳でもないですから痛くもないですね。実際。」ケロリ

レ級「会長さん!大丈夫!」

駆逐「えぇ、問題ありませんよ。時雨さん、それ、始末しておいて下さいね。」

ポイと投げてよこすは虫の息の人間。

時雨「これを殺せって言うのかい?」

レ級「ここのマフィア共はうちの船に麻薬とか少女をコンテナで運ばせようとしたの。」

駆逐「うちの商売の取り扱い商品のモットーは健全です。」

駆逐「人間を私達から守る為に戦ってきた時雨さんからすれば躊躇う所かもしれませんが。」

レ級「守る価値はある?」

駆逐「因みに彼らが売り飛ばそうとしていた少女は解体処分された艦娘の方々でしたよ。」

駆逐「駆逐艦娘は材料が安くて可愛い娘が多いとかでとてもいい値段で世界の好事家が買っていたそうです。」

駆逐「レア艦娘ともなるとそのお値段は青天井だったとか。」

駆逐「時雨さんが所属していた海軍もいい感じに腐っているようですねぇ。」

レ級「チャイルドポルノビデオは社長が吐いたっぽい。」

時雨「その売られそうになった娘達は?」

駆逐「私達の会社は慢性的人不足なので時雨さんと同じ条件で働いてもらってますよ。」

駆逐「希望者には深海製ですが艤装も手配しました。」

駆逐「さてと、時雨さん。目の前にいるのは貴方が守るべき相手ですか?」

これは、会社への忠誠を誓うかどうかということなのかな・・・。


駆逐「違いますね。あなたが自分の中に確固とした価値観を持っているかどうかですよ。」

見透かされたかな。

駆逐「今は答えを出さなくてもいいですよ。」

メチメチゴキュ

レ級「本当の悪ってなんだろうね。」クスクス

レ級が一つの塊にした肉を建物の外に蹴りだす。

駆逐「当社のモットーはLove&Peace 世界平和を目指します!」キリッ

レ級「会長!親分見つけて来たよ!」

ズルズルズル

駆逐「Buna sera 花火が綺麗ないい夜ですね。」

駆逐「先日お出しした手紙を受け取り忘れていたようなので直接届けに来ましたよ。」

親分「あんな要求呑めるか!」

駆逐「簡単な話でしょ?ここの縄張りを捨てて本国イタリアにとっとと帰れって話ですから。」

駆逐「折角の航空券を無駄にされましたね。」

親分「黙れこのガキ・・。」

ゴキ ペキ グシャ

親分 ギャァアアァァ

レ級「会長が喋ってるんだ。お前は黙ってろ。」

レ級「これ以上パーツを減らしたくなかったら口をつぐんでいろ。蛸助。」

駆逐「さてと、交渉したいことも今更ありませんし。どうしましょうか。」

駆逐「 ! あぁ、そうでした。一つ教えていただいていいですかね?」

駆逐「イタリアにプロシュートという有名な生ハムがあったと思うのですが。」

駆逐「最近イハロ級達が生ハムの美味しさに目覚めまして。」

駆逐「体重70kgくらいの肉塊を塩漬けにするにはどれくらいの塩が必要ですかね?」

駆逐「足一本分減ったことですし、体重はその位でしょう?」ニコニコ

親分「たったすけ・・。」

駆逐「スナッフビデオに出演させられていた娘達も助けを求めていませんでしたか?」

駆逐「自分の番になると助けを求めますか。」アキレ

駆逐「なかなかいい肉の塊ですよねぇ。あなた。私達の部下が喜びますよ。」

レ級「塩漬け?手間かけるのね。」

駆逐「えぇ、宜しくお願いしますね。しっかりと長生きさせてあげましょう。」

レ級「はーい!」

駆逐「さてと、掃除も終わりましたし。時雨さん、帰りましょうか?」


時雨「正義って何だろうね。」

駆逐「法の外に身を置くのであれば一番簡単ですよ。」

駆逐「力こそ正義。平和と暴力。相反する物ですが力の無い正義に説得力は無いです。」


本社


社長「おかえりなさーい。」

ジュゥゥゥ

レ級「今日もステーキパーティ?!」

ヲ級「お疲れ様です。丁度焼き上がりです。」

時雨「さっきみたいな事の後だとお腹いっぱいだよ。」

時雨「それにこんな量の牛肉を見るのは初めてだよ。」

社長「コンテナタンカーを襲ったはいいけど積荷と船を返す代わりに金を要求したら相手が倒産しちゃってねー。」モグモグ

駆逐「襲撃前に相手の財務状況を洗わなかったのはミスでしたね。」モグモグ

社長「面目ない。」モグモグ

社長「あー、とりあえず初仕事おめでとうって事で牛1頭分のお肉あげるよー。」モグモグ

時雨「えぇっ。」

社長「コンテナの買い手がつかないのが幾つか出てね。腐らせる前に処分をねー。」

社長「時雨さんの歓迎パーティも兼ねてるから遠慮なく食べて。」

社長「40フィート1本まるまるのワインも余ってるしどうしたものか。」

駆逐「海に捨てて海洋汚染はやめてくださいね?」

時雨「ところでどれだけあるのかな?」モグモグ


社長「色々補給品に混ぜて他所の深海棲艦にもばら撒いたけど牛肉は10頭分くらい?」ゲフゥ

集積「ワインは500本を越えますね。」グビグビ

レ級「ここ1週間毎日ステーキとワインっぽい。」モグモグ

集積「喋ってないでどんどん食べて下さい。」モグモグモグ

社長「海運が死んでこれだけ大量のお肉とかまず入手不可なんだから?そうとうな贅沢だよ?」

時雨「確かにこれだけのお肉を手に入れるのは難しいよね・・・。」モグモグ

社長「さぁさぁ、食べて食べて。」モグモグ

時雨の勤務初日は散々だった。

時雨「胃が・・・大破したよ・・・。」ゲブゥ

社長「後、1週間は毎食、おやつもステーキよー。」モグモグ

駆逐「ファイト!ですって!」モグモグ

レ級「あきたっぽい。」モグモグ

時雨「まじかぁ・・・・・。」

第五話 時雨、ヘッドハンティングをする

やぁ、時雨だよ。

今日は社長とレ級がマダガスカルに出張中だから僕が会長補佐をしているよ。

なんでも栽培が簡単で収穫量がすごく多い新種の芋が見つかったとかでその商談に出向いてるんだ。

すごく商社っぽいね。

上手く商談がまとまれば穀物部門の取り扱い商品の主力に出来るかも知れないんだって。

上手くいってもらいたいね。


pipipipipi

時雨「会長電話だよ。」

駆逐「はい駆逐です。」

駆逐「えぇっ!?なんですってぇ!?」

駆逐「はい。はい。直ぐに対策を講じます。」

ガチャ

時雨「会長どうしたの?」

駆逐「大変な事になりました。私達のお得意様の荷物を積んだタンカーが襲われたそうです・・・。」

駆逐「護衛の艦娘達、何やってるんですかぁ・・・。」ベソベソ

駆逐「トラック泊地は猛者ぞろいじゃないんですかぁ・・・。」ベソベソ

時雨「あっ、うん。なんかごめんなさい。」

駆逐「弱すぎるだろ艦娘ぇ!?」

集積「困りましたね。荷物が港に着き次第お得意先へはワ級お届け便で送るはずだったんですが。」

時雨「どうして自分達で運ばなかったんだい?」

駆逐「私達の船便は既に荷物が一杯で。」ウエェェン

集積「最近特に取り扱い荷物が増えてまして・・・。」コマッタ

駆逐「お得意様は無理やりの横入りの注文だったし。」ウワァァン

時雨「襲撃しないようには出来なかったの?」

駆逐「私達が属する穏健派以外の連中が襲撃したみたいで根回しが間に合わず・・・。」

集積「折角の交渉材料が・・・。」

駆逐「艦娘仕事しろ!」ムキー

集積「錬度の低い艦娘を遠征に廻さいでほしいですね、本当に。」ガー!

時雨「なんだかすごくごめんよ。」


集積「納期が迫っていますが。」

駆逐 集積「「 どうしましょう・・・。 」」アイタタタ

時雨「その、積荷はなんだったのかな?」

駆逐「水着です。」

時雨「水着?」

集積「水着。」

時雨「水着。」

駆逐「戦艦棲姫さんとか港湾棲姫さんとかのサマードレスにワンピース。」

集積「空母棲姫さんや重巡棲姫さんの水着。」

駆逐「その他、バカンス用のビーチパラソル等等。」

駆逐「全て海の藻屑ですよ。大損害ですよ!おのれ艦娘!」

時雨「えー・・・、そこに怒るの・・・。」

駆逐「戦艦さん達怒ると怖いんですよ!?」

集積「熱々おでんのゆでたまごを食べさせようとしてきますからね。」

時雨「なんて恐ろしい。」

集積「その前はつきたてお餅を冷まさずに食べさせようとするし。」

時雨「なんて卑劣なんだ!」

集積「更に前は熱々ラーメンを食べさられて眼鏡を拭く事を許してもらえなかったんです!

時雨「眼鏡をかけている人にしか分からないなんて地味な嫌がらせ!」

駆逐「もうやだぁ・・・。」ハァ

集積「困りました。」

時雨「その、水着を作る事は出来ないのかな?」


駆逐「私達の艤装とかを担当してる小人さん達はその辺り不器用ですから。」

集積「Power is Justice の脳筋ですから。」

時雨「あぁ、戦艦棲姫とかの艤装(?)は何か強そうだもんね。」

駆逐「服飾関連の専門家がいないんです。」

時雨「・・・・・。 ! 水着の専門家なら心当たりがあるよ。」

駆逐「本当ですか!?」

時雨「でも、ちょっとまずいかな?彼女達を雇用する事が最低条件になると思うけど。」

集積「背に腹は変えられません。条件を飲みましょう。」

もう少し条件交渉してあげてもよかったかなと思ったけど後の祭だよね。

時雨「ちょっと電話を借りるね。」


pipipipi

時雨「やぁ、元気?今××に居るんだけど。」

時雨「うん、めちゃくちゃホワイトな職場だよ。」

ガチャ。

時雨「直ぐに来るって。」

ヲ級「会長!大変です!敵の潜水艦が受付に!」

駆逐「敵の潜水艦ですって!?」ヘェーキタンダァー

集積「どうして此処が!?」フーンキタンダー

時雨「僕が呼んだのさ。」

駆逐 集積 「「 !? 」」

時雨「彼女達が水着の専門家だよ。」


応接室


58「なるほど、水着について知恵を貸してほしいということでちね。」

駆逐「はい。お願いします。」

19「いいけどイク達、脱走兵みたいな状態なのね。」

時雨「オリョクル中だったのかな?」

19「なのね。」

駆逐「あぁ、あの悪名高い。」

集積「それでしたら獲得燃料分をこちらで用意しますので本日はそちらを持ち帰っていただき

   後日、こちらの指定部隊と交戦いただき轟沈したように見せかけ、

   その後に入社いただくというのはどうでしょう?」

58「その提案受け入れるでち。」

駆逐「他にも入社させたい方がいらしたら請け負いますよ。」

駆逐「因みにこちらが雇用条件です。」


つ 時雨にみせた雇用条件


19「敵なのに神様にみえるなのね。」キラキラ

時雨「たまに修羅場があるけどね。」ウツロナメ

集積「戸籍の準備は明日にでも出来ます。私達も急いでいますので決行は明日で宜しいですか?」

58「宜しくお願いするでち!」

こうして時雨仲介によるヘッドハンティング(?)が秘密裏に行なわれたのだった。


駆逐「縫製工場と人員を確保しないと!」

集積「この際、手が生えていれば問題ないですかね?」

バタバタ

駆逐「そうですね!ト級さん達やヌ級さん達にお願いしましょう!」

翌日

58「お世話になるでち!」

168「わお!ここのブッフェは食べ放題で24時間利用できるの!?」

駆逐「社員が24時間常駐していますから。いつでも利用いただいて大丈夫ですよ。」

集積「勤務時間についてはシフトで厳しく管理してますがね。」

駆逐「家で食事を作るのがめんどくさいからか3食会社で済ませる方が多いのが目下の悩みです。」

19「仮眠室があるの!このベッドは・・・・、シーリー!?」

駆逐「高級ホテル御用達ですね。基本です。」

168「ここのお風呂のシャワー温かいお湯が出る!」

26「バスタブがある!しかも、大きくて足を伸ばして入れるよ!」

駆逐「えっ。シャワーはお湯が出るのが基本なのでは?」

集積「バスタブがないとそれはお風呂と言えないのではないでしょうか?」

8「娯楽室が!図書室が!エクササイズ室が!!」

集積「社員の福利厚生の一環です。税金対策も兼ねてます。」

401「会長さん!私達一生ついていきます!」

駆逐「あなた方、一体どういう労働環境で働いていたんですか。」

14「えーっとね。」

13「あの・・、話すには少し時間が・・・・。」


駆逐「あっ、納期が押してますのですみません後日で宜しいでしょうか?」

時雨「ここは流れ的に聞いてあげるものだとばかり思ったよ。」

集積「そうしたいのも山々ですがお得意先を怒らせるといいことありませんので。」

時雨「はい。」

駆逐「それに絶対泣ける話じゃないですか。そんな聞くも涙、語るも涙な話は重たすぎます。」

時雨「あっ、はい。」

そして縫製工場へ

駆逐「人員と機械、生地は用意しています。」

駆逐「水着を存分に作ってください。」オジギー

集積「宜しくお願いします。」オジギー

58「時雨、この娘達本当に深海の娘達なんでち?」

時雨「うん。信じられないかもしれないけど深海の娘達だよ。」

19「とりあえず、任された仕事に全力をつくすなの!」

駆逐「あっ、納期は絶対ですがそれで倒れられても良くないので勤務時間は守ってくださいね?」

168「ホワイト!」

集積「8時間労働内で含む2時間休憩!残業は都度申告お願いしますね。1分単位でつきますのでお願いします。」

8「実質6時間勤務?!しかも給料が発生するなんて!」

※日本の法律では休憩時間は労働時間に含まない為、給料は発生しません。

401「天国に来たね!」

駆逐「どんだけ真っ黒な職場だったんですか。」アキレ


時雨「うん、そこは物凄くこの会社はきっちりしているよ。」

時雨「先に働いている僕が保障するよ。」

こうして縫製工場が稼動を始めて3日後。

駆逐「必要数が間に合いました・・・。」グデー

集積「ワ級さん後はお願いします!」

駆逐「潜水艦の皆さん有難うございました。」オジギ

駆逐「特別ボーナスとして牛肉1頭分を一人、一頭ずつ。」ニコニコ

時雨「まだ残ってたの?」

集積「新しいのです。」キリッ

58「今日は焼肉パーティでち!」

401「皆で食べよう!」

時雨「うん、始めは楽しいんだよね。始めは。」

こうして潜水艦の艦娘達はShinkai Lain coの一員として再就職したのである。

駆逐「とりあえず服飾部門を新設しましたので其方の責任者ということで58さん達にお願いしましょう。」

集積「連結子会社にして分離しておいた方が節税にもなりますのでお願いしますね?」



58「?」

駆逐「稼げば稼いだだけ給料があがります!アドバイザーは付けますので頑張ってくださいね!」キリッ

19「分かったなの!」

この後、彼女達がデザインして深海棲艦が縫製したファッションブランド

Yellow Submarin が世界のアパレル業界を席巻し一大帝国を築きあげるのは戦後の話である。

13「あの、モデルはちょっと。」

14「姉貴と二人で写真をとるの?」

26「あたしも?」

モデルも潜水艦の娘達が勤めたそうである。

売れ筋は『 さ ん ま 』と書かれた服だったとかとか。

駆逐「頑張ってくださいね!」


ネット広告

時雨「Shinkai Line は従業員をつねに募集中だよ!」

時雨「身元がしっかりしていれば面接の後採用通知を出すから!」

時雨「元艦娘の先輩が初心者の貴方をしっかりサポート!」

時雨「ブラックな鎮守府にあきあきしていないかい?」

時雨「この企業CMを見たそこの艦娘の君!」

時雨「少しでも興味をもったならこの電話番号○●●ー●×××ー●に電話宜しくだよ!」キラッ



駆逐「ありがとうございます。」

集積「これで敵の鎮守府から優秀な戦力を引き抜ければもうけものですね。」

社長「艦娘一人をベテランにするには時間もお金もかかるからねぇ。」

駆逐「ベテランにするまでのヒヨッコの娘達は簡単に撃沈できますから。」

集積「こちらの戦況を有利に出来ます。」

時雨「心が痛むなぁ。」

社長「平和が早く来ると思えばいいんだよ。」

社長「それにうちの会社は沈めた娘も可能なら従業員として雇ってるしね。」

時雨「そうなの?」

社長「そうだよ?時雨さんが会ってないだけで色々な部署で働いてるよ?」

駆逐「その内に会えますよ。多部門に渡ってますから。」

時雨「そっか。楽しみだね。」

本日は以上で終了です

ギャグ半分、シリアス半分 スナッフビデオという単語を知らない方は知る必要が無いので調べないようにお願いします

世界の海運業の上位は大体コングロマリットで商社も兼ねてたりします

運送全般をカバー(陸、海、空)は当たり前、資源開発や牧場経営を行なっていたりと面白いですね

では、ここまでお読みいただきありがとうございました

少し更新

いつものバスクリンを出さずとも1の素性をわかっていただけるありがたみ

>53様ありがとうございます

お時間ご都合よろしければお読みください

第六話 時雨、絶叫する


今更だけど会長は普段はルンバみたいな奴から降りて足で歩いているよ。

艤装の一部だから当たり前と言えば当たり前だよね。

後、服装はパンツスーツでキャリアウーマンな感じだね。

駆逐「時雨さん。出張に行きますよ!」

時雨「了解だよ!」

集積「40秒で支度しな!」

集積「あっ、言ってみたかっただけです。」

社長「いってらー。」b ビシッ

駆逐「車を表に廻していただいておいていいですか?」

ヲ級「了解です。車両課へ連絡をしておきます。」

集積「最速で!」b グッ

ヲ級「最速ですね!」b グッ


社屋正面

ウォンウォンウォンウォン ヒョヒョヒョヒョ

パン フォフォフォ パン キョキョキョキョキョ

キッ

ヒュンヒュンヒュンヒュン ドボボボボボボボ

プジョー407が二人の前に颯爽と登場。

島風「誰を殺せばいい?」

駆逐「殺しの依頼じゃありません。」

駆逐「島風さん、20分で空港までいけますか?」

島風「任せて!さっ乗って!」

ガチャッ ガチャッ

島風「丁度いいから新しい装備のテストをしてみる。会長さんもきっと気に入ると思うよ。」

ガチャガチャガチャ

時雨「あっ、島風も働いているんだ。」

パチパチパチ

駆逐「どっかの馬鹿鎮守府が大破進軍して轟沈しかけて海面を漂っていたところを。」

島風「拾ってもらったんだよ。スピード出すからシートベルトしてね!」

島風「音楽もかけるけどいいかな?」

♪Misirlou

ブオンブオン  キュキュキュキュキュ  ドンッ


時雨 グエッ

ウォンウォンウォン

時雨「助けてぇ~!!」

ウォオォオオオオーーーーーーーン

フォン

時雨「飛んだぁ――――!」

時雨「ぶつかるぶつかる!!」

パンッ パンッ ゴヒュ

ウォオオオーーーン




ベテラン警官「いいか新人。このスピードメーターで違反車の速度を測るんだ。」

新人警官「了解です!」

ベテラン警官「来たぞ!やってみろ!」

キィイイイイイィン

フォォォォォン! ボン

新人警官「機械が壊れた・・・・。」

ベテラン警官「ありゃ仕方ねぇ。」




時雨「助けてぇーーーー!!」

島風「時雨煩い。」

駆逐「ですね。」

ウォォオォォン ウォン

時雨「車は空を飛ばない物なはずなんだよぉ――――!」

時雨「この車にはアクセルしかないのかい!?」

ウォンウオン ボォウゥ

キュキュキュキュ

時雨「助けてぇ~!!」

ギュッ キュキュッ キッ

島風「到着!19分30秒!」

時雨 ウプッ オエェーーー

島風「社員の中で吐いた人は時雨が初めてだよ!掃除大変なんだからね!」プンスカ

駆逐「いつも素晴しいタイムですね。流石最速。これからも宜しくお願いします。」

島風「うん!任せて!」 b ビシッ

時雨 ゲェー

駆逐「時雨さん吐いてないで急いで下さい。飛行機に遅れます。」

時雨「はい・・・。」涙目

社長がサムズアップして送り出してくれた訳が分かったよ。



目的地上空 飛行機内 貨物ハッチ付近


時雨「会長。着陸ってこう、普通は空港に降り立つものなんじゃないかな?」

駆逐「時雨さん、酸素マスクをきっちりつけて下さいね。」コホー

時雨「防寒着衣もものごっついね。」シュホー

駆逐「制空権がなかなか取れていない辺りなので仕方ないんですよ。」コホー

駆逐「パラシュートは目標高度になると自動的に開きますので安心してください。」コホー

ヌ級「ヌ!」

駆逐「了解しました。」コホー

ヌ級「ヌ!」

駆逐「えぇ、上手くいきますとも。私が出向くんですから。」コホー

時雨(なんでこのヌ級だけヌ!で会話が成り立つのさ。)シュホー

駆逐「ハッチが開いてランプが青になったら出てくださいね。」コホー

時雨「いや、待って欲しい。心の準備って物が。」シュホー

駆逐「そんなもの準備してたらいつまでたっても着陸できませんよ。」コホー

ヌ級「ヌ?」

駆逐「ヌ級が 『 何処に落ちたい? 』だそうです。」コホー

時雨「えっ。」シュホー

ポン(青)

駆逐「いってらっしゃい!」コホー

ドン

時雨「あぁぁ―――――――――ぁ―――――!!」(ドップラー効果)

駆逐「では行って来ますね。」コホー

ヌ級「ヌ!!!」



時雨 ↓ アァーーー!



時雨 ↓↓ アァーーーーー!



時雨 ↓↓↓ アァーーーー!



ボスッ

駆逐「着地成功!と、時雨さん、大丈夫ですか?」

時雨「」←お尻を突き上げて砂に刺さってる状態

ブォンブゴゴゴゴゴ

砂塵を巻き上げ一台のラリー仕様トラックが着地地点近くに止まる。


ネ級「お疲れ様です。お迎えに上がりました。」

駆逐「お疲れ様。時雨さん。トラックに乗りますよ。」

時雨「あの。その。すごく言い難いのだけど///」

ネ級「あぁ。下着の換えと服の換えを用意しましょう。」

時雨「ありがとうございます。」

ゴゴゴゴゴ

ネ級「時間短縮のため砂漠を突っ切ります。」

時雨「えっ!?」

ドン!

時雨「いやぁ~――――――!!」

砂漠に時雨の声がこだました。


石油プラント到着

時雨「もうお家帰りたい。僕帰るよ。」

駆逐「ネ級さん。すみません。あの時雨さんの替えを。」

ネ級「はい・・・・。」

時雨「ラリーとかHaloとかもう、やだぁ。」



※HALO=高高度降下低高度開傘

高度一万メートル程度から落下し自由落下で低高度(300m程)でパラシュートを開き敵地に降下、潜入する方法



時雨「なんでこんな方法をとるのさぁ。」ベソベソ

駆逐「この辺りはいろいろ民族対立や宗教の派閥問題で開発が進んでいなかったんですよ。」

駆逐「治安は最悪の状態、そして私達との戦争によって悪化した世界経済下で完全に放棄されました。」

駆逐「私達は政体を持っていませんから国家間での武力衝突ではないので紛争が正しいのかもしれませんが。」

駆逐「その辺りの定義はいろいろありますが、私の所属する穏健派は少なくとも好戦的に人類と敵対はしていません。」

駆逐「とりあえず経済低迷のお陰もあり格安でこの辺りの鉱区の採掘権を押さえることが出来たんですよ。」

時雨「それでプラントを?」

駆逐「私達は資源開発も行い輸送、販売、つまり川上から川下まで主体的に行なっていく予定です。」

時雨「会長は終わった後も見据えて事業展開しているんだね。」

駆逐「その通りです。全てが終わった後も私達は生きていかねばなりません。」

駆逐「平和が訪れればこうやって石油を抑えていることが確実に生きてきます。」

駆逐「その為に今から下地を作っているんです!」


駆逐「時雨さんは艦娘として海軍に籍をおいていた時は平和になった時の事は考えられていましたか?」

時雨「――――――いや。特には。」

駆逐「私達は在籍している社員には人間、深海、艦娘問わずに平和になった時に

   生きていけるだけの生活基盤を作るために会社を運営しています。」

駆逐「夢物語と言えるかもしれませんが運送部門と同じくらいここの収益は私達の会社に貢献してくれると確信しています。」

駆逐「時雨さんはこれからも協力してくれますか?」

時雨「・・・・・。そうだね。そんな世の中が来るのなら。」

駆逐「来ますよ。その為に我が社があるんですから。」

砂の海にそびえる鋼管の城の夕暮れを背景に不敵に駆逐棲姫は笑う。

時雨「会長なら出来そうな気がするよ。」

ネ級「あの、換え有りませんでした。」

時雨「うわぁ――――――ん。」

時雨はこの後プラントに設置されたランドリーで洗濯と乾燥が終わるまで1時間ほど座り込んでいたそうである。

時雨「パンツ履いてないからスースーする・・・。」ベソベソ

以上で終了でございます

戦争を始めるのは簡単だが終わらせるのは難しいとは誰の言葉だったか

正味の話、深海Vs艦娘だと深海がかなり有利なのは間違いないわけで

日本は色々なものに裂けるリソースがそもそも無いんで艦娘がいてもかなり無理ゲーなんじゃないでしょうか?

と野暮な事を書きながら考えてしまいます

ここまでお読みいただき真にありがとうございました

あっ1です

すみません、話自体はもう少し続きます

今日の分の更新が終了です

書き方が悪かったです、申し訳ないです

お久しぶりです、更新をさせて頂きます

>70様 お分かりいただける方がいるとは・・・、感謝

ブラックゴーストを倒して宇宙空間に漂っていたさいにジェットがジョーに語りかける名台詞

流れ星になった二人に地球で姉妹が世界中の人が平和で仲良く暮らせますようにと願いをかけていたのが印象的ですね

第六・五話 時雨、パンツが乾くまで会長と話をする


時雨「乾燥まだ時間かかりそうだなぁ。」

時雨「お股がスースーする・・・。」

時雨「うん///」ブルッ

駆逐「また時間かかりそうですか?」

時雨「うん、まだもう少し掛かりそうだよ。」

駆逐「そうですか。ではここで時雨さんに問題です。私たちはなぜ中東にいるのでしょう?」

時雨「石油プラントの視察と拡張の打ち合わせだよね。」

駆逐「えぇ、そうなんですがね。」

駆逐「なぜ、中東なのかです。」

時雨「ごめんよ会長。僕にはちょっと分かりかねるかな。」

駆逐「世界には石油が産出される所は幾らでもあります。」

駆逐「もちろん中東がその埋蔵量が一番多いというのもありますが、

   ガソリンや現代生活に欠かせないプラスチックを始めとする石油化合品の元になる

   ナフサなんかが一番取れる原油が採掘されるのが中東産石油なんです。」

時雨「?」

駆逐「原油を精製する際によく勘違いされてるのですが重油や灯油、

   あるいはガソリンといった物のみを指定して精製することは出来ないんですよ。」

駆逐「そして、ガソリンの精製に最も向いている軽質油が最も産出さるのが中東なんですね。」

時雨「そうなんだ。」

駆逐「えぇ、なので冬場は寒い年程、灯油がよく売れるので副産物として

   一緒に出てくるガソリンのお値段が若干安くなる事があるんですね。夏はその逆ですね。」

時雨「あぁ、だから一時期不正軽油問題が社会問題になってたんだ。」

駆逐「税金逃れの話ですね。重油と灯油を混ぜ混ぜして化学薬品で処理すると軽油が出来るんですよ。」

駆逐「灯油のお値段が安くなる夏場に買い込む訳ですね。」

時雨「マルサが来そうだ。」※注1

駆逐「マルサの女!」

時雨「伊丹監督―!」

駆逐「てっ、何やらせるんですか。

   輸入する側も馬鹿ではないので精製製品を買い付けて需給バランスをとる事が普通ですが

   原油と加工済み品を買うのとではやはり原油で買う場合が安かったりします。」

時雨「ためになるなぁ。」

駆逐「ブルネイなんかで取れる量では日本の需要はぜんぜん満たせないですし

   オフショアなんかは私たちが早々に破壊しましたので日本の石油事情はかなり逼迫しています。」

時雨「海上油田はいい的だよね・・・・。」

駆逐「アメリカも消費量の半分は中東から購入していますから

   ここを抑えて両国を和平交渉の席に引きずり出さなければいけないのです。」

駆逐「最低でもアメリカはテーブルに着かせないと。」

時雨「でも、アメリカは世界3位の産油量じゃなかったかな。」

駆逐「確かに埋蔵量も半端ないんですよねあの国は。

   日本が太平洋戦争へ進むきっかけになったのはアメリカからの石油製品の禁輸が一番ですからね。」

時雨「石油製品の禁輸は効くよね・・・。」※注2

駆逐「原油の禁輸と合わせて効きますからね。

   当時の日本では精製技術が未熟で航空用ガソリンはほぼ全量アメリカからの輸入でしたから。」

時雨「日本の精製技術では高オクタン価のガソリンは無理だったんだよ・・・・。」

駆逐「当時、原油で軽質油が取れていたのはテキサスや中東の一部だったですからね。」

時雨「必死の思いで確保したパレンバンやブルネイは硫黄分が多いし。」

駆逐「樺太で採掘した石油も質はよくなかったですし、中国で試掘した段階では油田を発見出来ませんでしたですし。」※注3

時雨「大慶油田(中国黒竜江省の油田、地名由来の名称ではない)が見つかってれば戦況が一変していたかもしれないのに。」※注4


駆逐「ガソリンは脱硫がしっかり出来てないと

   オクタン価をあげるために入れる化学物質の効果もいまいちになります。」※注5

時雨「陸軍の糞は精製施設を貸してくれないし。」※注6

駆逐「トラック泊地では原油をそのまま燃料にしていたそうですね・・・・。」

時雨「本土に石油を送るタンカーは片っ端から沈められるし。」

駆逐「暗号がバレてればそうなりますね。」

時雨「泥縄で護衛の海防艦を作っても手遅れだったし。」

駆逐「シーレーンの安全確保の重要性に気づくのが遅すぎましたよね。」

駆逐「ドイツのUボートにやられまくって技術蓄積した英国から

   通商破壊の有効性にアドバイスを受けてた米国を甘く見すぎですよ。」

時雨「そもそも真珠湾攻撃の際にオアフ島の貯蔵施設を破壊しない馬鹿が全て悪い!」※注7

駆逐「確かに、太平洋艦隊の燃料集積所だったですからね。艦船より物資を叩くべきでした。」

駆逐「と、話がそれました。

   太平洋戦争時の海軍は石油を抑えられたら負け戦なの分かっていた癖に確保への動きが鈍すぎますよね。実際。」

駆逐「戦争とは兵站こそ全てなんですが。孫子曰く戦争とは始まった時には全てが終わっているものであるだそうですよ?」

時雨「あぁ、そこに至るまでの過程で結果が決まるって事だね。」

駆逐「そうです。孫子は戦争は勝てると確信するまで絶対にやるなと言っています。

   また、準備を徹底的にしておく事の重要性も言っていますね。」

駆逐「当時の日本の技術と資源の輸入量を見れば何年も油が持たないことは明白なんですがね。」

時雨「本当、甘い考えだったよ。」

駆逐「工業力の差以前に本土内で取れる資源がほとんどない時点で負け戦ですから。」

駆逐「と、太平洋戦争時の石油事情を話していた所で乾燥終わりましたね!」

ゴソゴソ

時雨「パンツが縮んじゃってる・・・。」

駆逐「あらら。縮む素材だったですか。」

時雨「あの、その///」

駆逐「・・・、縮んで布地面積が小さくなったのが災いして色々すれて敏感なところがまずい?」

時雨「どうしてそういういいにくいことを言うのさ!ばかぁ!」///

時雨「はぅっ///」アァン///

駆逐「社長に時雨さんは変態と連絡しておきますね。」メモメモ

時雨「えぇ!?」

後日、時雨は必死に弁解をしていたそうである。

※注1  軽油引取り税(地方税)の脱税になるため国税局は動きません。

※注2  当時のアメリカからの石油(含む精製品)輸入は輸入量全体の92%を占めていました。

※注3  ノモンハン事件などが原因でソ連と険悪な仲になった為昭和19年に生産量はほぼ0となりました。

※注4  太平洋戦争時の日本が想定した年間石油消費量は初年度で官民合わせて600万キロリットル、
    これに対して大慶のピーク時の生産量が年間5600万トン。
    水と原油で比重の違いが有りますが1キロリットル=1トンで考えても凡そ9.3倍
    その産出量の多さがお分かりいただけると思います。
   (実際の比重については1キロリットル=凡そ0.85トンこれは産出地により微妙に異なるためです。)

※注5  日本が作ったガソリンは最大値で92、航空機用はオクタン価100が最適。
    日本のガソリンの平均オクタン価は86程度とかなり低質でした。
    海軍で100の試作は出来ていたものの量産化するにあたってのプラントを作る特殊鋼材を作る技術が
    日本には無かったため量産は出来ませんでした。

※注6  日本の南方石油政策において最大の産出、及び精製能力のあったスマトラ一帯の施設
    (パレンバン、ボルネオ等)は陸軍が押さえており陸軍と海軍の仲が悪かった事が原因で
    海軍の必要とする燃料が未精製のまま(原油)で使用される事があったようです。
    原油のまま使用すれば当然ボイラーの出力低下は免れなかった事でしょう。

※注7  真珠湾攻撃時、山口多門は第二次攻撃隊でこれら地上施設を破壊すべきと主張しましたが
    南雲長官がこれを認めず引き上げたため実現しませんでした。
    これについては瀬戸内海で長門に座乗しリアルタイムで戦況を聞いていた山本五十六も
   「南雲はやらんよ」と言い残しています。真珠湾攻撃が山本により半ば強引に推し進められた作戦であった事、
    地上施設攻撃翌用に60kg爆弾まで持ち込んでいた事を考えると不可解と言えなくはないですね。
    また、米軍の名将ニミッツ提督自身も「日本海軍がオアフ島のタンクやドックを攻撃しなかったのは
    不可解ではあったものの救われた。」と言葉を残しています。

第七話 時雨、総務な仕事をする?


時雨「さぁ!吐くんだ!」

加賀「くっ。」

時雨「我慢したって何も良いことはないよ。」

時雨「さっさと吐いて楽になりなよ。」

加賀「一航戦の誇り、この様な事で失うわけには。」

時雨「赤城さんも早く吐くことだね。」

時雨「我慢したって無駄だよ。絶対に吐かせるんだから。」

赤城「優しい時雨さんは何処へ行ってしまったんですか・・・。」

時雨「ふん、僕がいつまでも優しいと思っていたのかい?」

時雨「君達には失望したよ。」

加賀「なんと言われようと吐く訳にはいきません。」

赤城「そうです!例え暴力を振るわれようと吐く訳がありません!」

時雨「なんて強情なんだ。吐けば楽になるのに。」


ガチャ

駆逐「時雨さん、吐きましたか?」

時雨「会長!いいや、二人が強情でね。まだなんだ。」

駆逐「仕方ありません。使いたくはなかったのですがこれを。」

時雨「薬を使うんだね。」

加賀「薬物の使用だなんて!なんて卑劣な!」

赤城「時雨さん。見損ないました!」

時雨「二人がさっさと吐かないのが悪いんだ。さぁ、これを飲んで貰うよ。」

赤城「飲むとでも?」

時雨「我慢したって鼻をつまんでいれば・・・。」

赤城 ブハァ

時雨「さぁ、次は加賀さんの番だよ。」

加賀「くっ。」



『 音声とビジュアルにお見苦しい場面となります 


那珂ちゃんの可愛らしい歌とダンスをお楽しみ下さい。 


那珂「恋の2! 4! 11!」  』



駆逐「お二人の食にかける情熱は良く知っていますけど

流石に食べちゃいけないものは食べちゃいけない事ぐらいわきまえて下さい。」

時雨「まったくだよ。食品検疫で弾かれた廃棄処分品を食べているのを見たときは驚いたよ。」

加賀「まさか見られていたとは。」

時雨「食品検疫で弾かれる食べ物は寄生虫とか細菌汚染とかそういうのが怖いんだからね!?」

駆逐「時雨さんの言う通りです。検疫所に出したサンプルの残りをまさか食べるとは思いもよりませんでした。」

赤城「検疫に問題が発生してなければ問題ないかなぁーって。」

時雨「だいたい社内のサンプル保管場所に勝手に入っちゃ駄目じゃないか!それに二人が食べたのは問題が発生した奴だよ!」

赤城「久しぶりに見た本マグロに我慢が出来なくて・・・。」

加賀「美味しかったです。」

駆逐「時雨さんが素早く気づいて消化前に吐いて貰いましたが・・・。体内に消化されていたらと思うとぞっとします。」

加賀「ごめんちゃい。」テヘペロ☆

時雨「可愛く謝っても駄目だよ!」プンスコ!

ブチッ

駆逐「時雨さん。後はお任せいただいていいですか?お二人にはじっくりとお話がありますので。」

時雨「うん!じゃ!」シュタッ

時雨が部屋を立ち去る際に聞いたのは二人の助けを求める声だったとか。


時雨「まったく二人には失望したよ。」

時雨「それはそうと、総務の仕事を手伝い始めて気になってるんだけど・・・。」



通商破壊対策課



時雨「物騒な課名だなぁ・・・。」

ガチャ。

社長「あっ、時雨ちゃん。今からちょっと大丈夫?」

時雨「社長?何かな?僕に用かな?」

社長「総務の人間が出払っててねー。それで暇してる私が商談に行くんだけど付き添いお願いできるかな?」

時雨「あぁ、護衛だね。」

社長「そうそう、流石に街中でズドンッはないけどね。」

時雨「そう言い切れるのかい?」

社長「この間壊滅させたイタリアンマフィア連中以外はうちに何かあると不利益の方がでかいからね。

   何もせずとも命を守ってくれるって訳よ。」

時雨「利益が出ている間は金のなる木を枯らすような真似はしないという事か。」

社長「そういう事。」

時雨「それで、どういった商談なのかな?」

社長「時雨ちゃんが総務で働いていて不思議な課名に気づかなかったかな?」

時雨「目の前の通商破壊課かな?」

社長「対策が抜けてるよ・・・。対策がなかったら悪いことしてるみたいじゃないか。」

時雨「してないの・・・?」

社長「・・・・・。」ニコ

時雨「・・・・・。」ニコ

笑顔で見詰め合う二人、そこに甘い空気など無い!

社長「まぁ、対策課の仕事のひとつに海底の調査っていうのもあってね。」

時雨「潜水艦が待ち伏せしたりするには水深とか海底の潮流のデーターとかが重要らしいね?」

社長「・・・・。」ニコ

時雨「・・・・。」ニコ

繰り返すが、二人の間に甘い空気など断じてない!


社長「潜水艦の娘達が海底調査している際に沈没船とかを見つけることがあるんだ。」

時雨「沈没させた船じゃなくて?」

社長「妙に食ってかかるね。まぁ、いいや。

   そういう訳で沈没船の中には昔の美術品を積んでたりする物もあったりして

   それを美術商に売り払ってお金に換えようと思ってね。」

時雨「成る程、その商談に付き合えって事なんだね。」

社長「そうそう。まぁ、日本人の信頼出来る相手なんだけど用心には用心って事で。」

時雨「美術品の市場規模は凡そ7兆円って聞いたことがある。」

社長「よく知ってるね。海中から引き上げた骨董品とかは海揚がりっていってね。昔から一般的に取引されている物なんだよ。」

時雨「全うな物なんだよね?」

社長「うちの取り扱い商品は麻薬と人身売買以外は何でも。」

社長「今日、時雨ちゃんが折檻してた赤城さんに加賀さんは食品バイヤーだし

   他にも新商品を探して世界中で営業さん達が動いています。そういった皆さんの努力が取り扱い商品です。」

時雨「総合商社の側面もあるんだね。」

社長「運送業だけじゃ食えないからね。」

時雨「それで美術品の売買も行ってるんだ。」

社長「いい稼ぎになるといいなと思ってるよ。といった説明をした所で商談場所に行くよ!」

社長「という訳で島・・。」カモン、タクシー!

時雨「ストップ。」

社長「? 早いよ?」

時雨「ごめんよ。」ナミダメ

社長「そか。」

埠頭 倉庫街

社長「そろそろ時間だね。」

時雨「商談相手が来る時間?」

社長「うん、相手は取引マフィアの親分さんの伝手で紹介してもらった人でね。

   東京でギャラリーをやってるって話なんだけど。」

ブロロロロ

「いやー、タイのこの時期は暑いですな。」

社長「あっ、どうも。貴方が?」

「えぇ、なかなかいい出物があると聞いて来ましたんで楽しみにしてますぜ。」アクシュ

社長「付き合いのあるロシアンマフィアの方に信頼の置ける方をとお願いして紹介していただいたんですが・・・。」アクシュ

「あぁ、モスクワの親分さんと仲良しで?タイ支部長の御名前はえぇっと。」

「ソーフィヤ・イリーノスカヤ・パブロヴナさんでしたかな。」

社長「間違いなさそうですね。ただ、御本人の前で本名を言うと1秒持たずに額に葉巻を吸う穴が開きますよ。」

「剣呑ですな。」

社長「では、先生。こちらに。」

時雨「倉庫の鍵を開けるね。」

(・・・・?あの少女、どこかで見たことが?)


先生「それで私に仲介を依頼したい物というのは?」

社長「先生程の方でしたらアンティキティラ島と言えばお分かりいただけるかと。」

先生「ほぅ・・・・、もしや。」

社長「えぇ、そのもしやですよ。古代ギリシャ時代の機械ですよ。」

社長「時雨ちゃん、そこの棚上の木箱取ってもらっていい?」

先生(時雨・・・・、時雨・・ねぇ・・・。)

先生(・・・・時雨か。)

時雨「よいしょっと。随分小さな箱だね。」ヨッ

社長「機械そのものは小さいからね。」アリガトウ

社長「先生、ご確認いただいても?」

先生「こいつぁ・・・。」ゴクリ

社長「先生程の方でもやはり驚かれますか。」

先生「えぇ、これはなかなかですぜ。」

時雨「これは何かな?随分と錆びが付いてるけど。」

先生「まぁ、海揚がりですから仕方ないですな。」

時雨「でも、こんなに汚れているのがそんなに価値があるの?」

先生「お嬢さん、アンティキティラってだけで考古学に関わる物は身を引き締めるものなんだぜ。」

時雨「?」

先生「分からないって顔をしているな。いいだろう、特別に講義してやろう。」

先生「まず、アンティキティラ島といえば考古学において重要な遺物、

   アンティキティラ島の機械と呼ばれる天体運行を計算するための機械が発見された沈没船がある所だ。」

先生「こいつのすごい所は30以上の歯車とクランクを備えた機構で太陽を初めとした天体の位置を知ることが出来る事。

   また、歯車の山は正三角形であり青銅を実に精緻に加工してある。」

先生「さらにクランクを回すことにより日食や月食が起こる月、日、時間まで予測でき、

   驚きな事にうるう年まで考慮されている。」

先生「そして博物館の物は部品が欠けていたが

   4年に一度のオリンピック開催のときまで知らせる機能まで持っていたと推測されている。」

先生「目の前にあるこいつには全ての部品が揃っているがね。」

時雨「まるで時計の様だね。」

先生「そう!こいつのすごい所はこれだけの機能を持った時計が出てくるのが

   欧州では18世紀まで待たなければいけないところをなんと紀元前150年には作りあげていたって事だ。」

先生「しかもこいつはアテネ国立博物館に収蔵されているものよりずっと状態も良くクランクもしっかりと付いている・・・・。」

先生「天体運行を調べるだけの機械にしては随分と手が込んだ精緻なつくりの機械とされているが今だ謎が多いとされている機械。」

先生「まさかオリジナルの2つ目にお目にかかれるとは思いませんでしたぜ。」

社長「では、そちらで仲介を引き受けいただけるという事ですね。」

先生「えぇ、是非ともお任せいただきたいですね。

   とはいえ、いったん預かって炭素測定で年代をはっきりとさせてより確実にさせていただきたい所ですがね。」

先生「手数料についてですが社長さん、ちょっと向こうで話いいですかね?」

時雨「あっ、僕も行くよ。」

先生「社長さん、すみませんが二人だけでいいですか。」

社長「時雨ちゃんはちょっとまっててね。」


倉庫の隅

先生「仲介手数料は売り上げの半分って所でどうです?」

社長「随分取りますね。」

先生「私もこの業界は長いですがあれだけの物は片手で数えられる位しか拝んだことがない。

   あれは考古学、天文学どちらにも重要な遺物。しかも博物館に展示されているものよりパーツが多い。」

先生「つまり、博物館に飾られている物より、より原型を留めているという事。

   研究者は勿論、美術コレクター、金に糸目をつけない連中はこぞって欲しがるでしょうな。」

先生「ですが、現在アンティキティラ島周辺は人類の敵、深海棲艦が塒にしてると聞いた事がありますぜ。」

先生「あれだけのものを無傷でサルベージ出来るって言うのは、

   深海棲艦と取引でもしたんじゃないかと私は睨んでいるんですがね。」

社長「なかなか想像力が豊かですね。」

先生「もともと裏ルートである親分さんからの紹介って時点で胡散臭さが漂ってた。

   そして打ち合わせ場所の倉庫の所有者を洗った際にある一定以上は情報が出てこない。」

先生「むしろもともと無いといった方が良かった。」

先生「更に、あのお嬢さん。」

社長「む。」

先生「あの娘、艦娘でしょう?白露型駆逐艦娘時雨。名前でピーンと来ましたぜ。」

先生「海軍に所属しているはずの艦娘を従業員として使う。」

先生「そんな真似が出来るとしたら一旦、轟沈っていうんですか?

   沈めた事にして経歴ロンダリングが出来るような組織でないとまず無理だ。」

先生「社長さん。こいつを私が国の海軍の知り合いに喋ると事じゃないですかねぇ?」


社長「脅しですか?こちらは今ここで先生を消すことも可能ですよ?」

先生「およしなさいよ。私が東京に戻らないとますますそちらの怪しさが増すだけだ。

   それに紹介いただいた親分衆とはそちらも事を荒立てたくないはずだ。」

社長「口止め料込みの手数料という事ですか。」グヌヌ

先生「まぁ、そう言った所ですかな。ただ、こちらの条件をお呑みいただけるなら1割にまけますぜ。」

社長「どういった条件ですか。」

先生「艦娘のお嬢さんが働いているくらいだ。こちらの会社は船の護衛も自分の所でされていらっしゃるんじゃないですか?」

社長「えぇ、うちの船は自分の所で護衛もやってますね。」

先生「私も商売柄、海外に移送する際にまともに運べない商品というのも結構あるんですよ。

   そういった商品をこちらのコンテナに混ぜていただければ助かりましてね。」

社長「ははぁ。密輸の片棒を担げと。」

先生「いえいえ、まっとうな輸送ですよ。書類も『 正規 』の物を用意しますし。

   ただ、信頼の置ける海運会社を使いたいというだけですよ。」フフフ

社長「・・・・、いいでしょう。その話。呑みましょう。」

社長「ですが、運賃はきちんといただきますよ?」

先生「ふふ。それは勿論お支払いさせていただきますぜ。」

先生「うちも海軍が船の荷物検査をやったりするようになって色々弱ってたんですよ。」

先生「飛行機は検査が船以上に厳しいですしね。

   細工をせずフリーパスで安全に運べるルートが欲しかったんですよ。今後ともよろしく頼みますぜ。」アクシュ

社長「こちらこそ。」アクシュ


時雨「社長、話は終わったかな?」

社長「あっ、うん。終わったよー。」

先生「それはそうと社長さん。(小声)」

先生「今回預かった遺物の使われたギリシャでは幸運を司っていたのは女神のニケでしてね。

   また、古来より財福を司る神様には実に女性が多い。(小声)」

先生「駆逐艦時雨は幸運艦だったとききますぜ。(小声)」

先生「幸運の女神を手元に置かれているこちらの会社の更なる発展。楽しみですな。(小声)」

社長「幸運の女神ですか。ふふ、確かに。これからまた面白いものが引き揚げれた際には世話になりますよ。」アクシュ

先生「こちらこそ。」アクシュ

こうして時雨のあまり関係ないところで二人の商談は終了した。


後日


時雨「社長、小包が届いてるよ。」

時雨「X線検査と爆発物検査をして問題なかったって。それからこれ手紙だよ。」

社長「手紙・・・、ね。」


『 先日お預かりした品物が予想外に高額で売却出来た事をご連絡いたします。
  また、社長が五星紅旗の国に人脈を広げようとされていると小耳に挟みました。
  『 贋作 』ですが、御役立いただければと思い大皿を一枚進呈させていただきたく。
  今後とも当ギャラリーを御贔屓に願います。                    』


時雨「・・・・、これ贋作なの?」

社長「乾隆の大皿・・・、故宮クラスの品物じゃないか・・・。」ゴクリ

社長「贋作・・・、ね。」マサカ

時雨「綺麗だね。」フフフ

社長「だな。」フフフ

本日分の更新は終了でございます

途中から別の話しになってしまってるという突っ込みはご容赦いただきたく

連載が12年前に終了ってのがなかなか昔だなぁと思います

いつも乙レスありがとうございます

話しはあまり関係ないのですが前作の末尾にてボツネタ供養として掲載させていただいた物に

続きは?!といったレスを予想外に多くいただいていた事につきましてですが

2話ほどは続きを書いていた状態なので需要があれば加筆修正してスレ立てをその内にでもと考えています

では、本日もここまでお読みいただきありがとうございました

お世話になります

更新をいたします

お時間よろしければお読みいただけると幸いです


第八話 時雨、警備をする


時雨「お疲れ様。交代に来たよ。」

ル級「お疲れ様です。敷地内に異常無しです。」

時雨「じゃぁ、後は僕ともう一人で引き継ぐね。」

ル級「お疲れ様です。交代に来ました。」

時雨「・・・・、えーっとアラスカさんで良かったかな?」

アラスカ「えぇ。」どやどやっ

名札つ アラスカ=CB=ル

時雨「ありがとう。」

アラスカ「顔が似ている者たちばかりですから慣れるまで区別が付かないのはいたし方ないですよー。」


時雨「そういえば社長はどうやって見分けをつけてるんだろう・・・。」

社長「おっぱいと御尻の形だ!」ドヤァ!

サワッ

時雨「この変態!後、さり気に触るないで!」イヤァー!サワルナ!

社長「もっとののしって!って違うわ。時雨ちゃん警備のお仕事お疲れ様。」ヒャッホウ!

時雨「うん。交代で今からなんだけど・・・。」E:FN FAL

時雨「バトルライフルを警備員が持ってるってなかなか物騒じゃないかな?」

アラスカ「主砲撃つと後の修理が大変ですし。何より形が残らないから・・・・。」

社長「背後関係を探るのが面倒くさくなるのよねぇ。」

時雨「あっ、侵入者があの世行きなのは決定事項なんだ。」

時雨「その、この国の法律的に問題ないのかな?」

社長「その質問に対する答えはあれだ!」


社長「うちの会社のおっきめな敷地の片隅にそれなりに大きな建物があります。」

社長 指差し

時雨「あっ、あれはそういえばなにかな?うちの会社に関係ないようだけど。」

アラスカ「あれはですね、私達の会社と深い関係にあるアフリカの国の大使館なんですよ。」

時雨「あれ?でも建物と僕達の会社の社屋の間に塀とか柵がないけど?」

時雨「寧ろ大使館が会社の敷地内にあって堀がぐるり巡ってる感じ?」

時雨「!」

時雨「なんて悪党なんだ!」

社長「まっ、そういう訳なんでね?うちの会社の敷地内の出来事にはタイの国内法で手出しが出来ないって訳ですよ。」

社長「じゃ、私はレ級ちゃんとデート(商談)に逝くから警備がんばってね。」

そういい残し社長は去っていった。

アラスカ「社長はスケベェですが根はいい人なので、ご迷惑をおかけします。」

時雨「そうなのかい?」

アラスカ「会社を興すに当たって人間と交渉するのに名前が要るだろうからって

     名前を一生懸命考えたり会長と一緒に色々私達が暮らしやすい世界を作れるよう

     動いているのは社員全員知っていますから。」

時雨「その名前は社長が考えたんだ。」

アラスカ「そうですね。先程交代したル級もアラバマという名前があるんですよ。」

時雨「へぇー。アメリカ人っぽいね。」

アラスカ「社長曰く味噌汁顔じゃねぇからなぁと・・・。」

時雨「味噌汁。」

アラスカ「えぇ、私達はスパム顔だそうです。」

時雨「スパム。」

アラスカ「美味しいですよね。」

時雨「とりあえず、仕事に移ろうか。」

アラスカ「はい。」


会社敷地内見回り中


アラスカ「とりあえず侵入者、怪しい物を見つけたらこんな感じで射っていただいて問題ありませんので。」


ドカカカカカ! ダダダダ!


時雨「ちょっと!急にどうしたの!!」

ル級「そこのダンボールは引継ぎで存在が連絡されていませんでした。」


ダンボール箱 シュゥゥゥ――


時雨「Amaz○nの空き箱じゃないか。」

そして、時雨がたかがダンボール箱ひとつに何を大げさにと言いかけたその時だった。


ダンボール箱 トコトコトコ


時雨「動いたぁ!?」

アラスカ「動くな!そこのダンボール!!」チャキッ


ニョキッ

時雨「足が生えた!」

アラスカ「時雨さん!敵です!撃ってください!」

アラスカ「CP!CP!正体不明の侵入者だ!増援を願う!」


ダダダダダ!


???「オタコン!敵に見つかった!回収したものを先に送る!」


つ フルトン 

バシュッ!


アラスカ「動くな!」


ダダダダダダッ!


???「んぁぁああぁ――――!」バッ

時雨「すごい勢いで柵を越えて逃げていった・・・。」

アラスカ「チッ、逃がしたか・・・・。」


対策連絡会議

集積「敵の潜入工作員と思しき者が敷地内に侵入し立ち去ったそうです。」

会長「先日もありましたね。」

社長「あ-、いたねぇ。○にゆってかいてある白スクを着て葉巻を燻らす工作員?」」

駆逐「艦娘に化けたというか漢娘?」

集積「特殊潜(入)工(作)艇でしたね。確か。アイパッチをつけてましたね。」

集積「下は脱げないのか?とかずっとつぶやいていたそうですが・・・。」

社長「その時はヒトミちゃんの下着が盗まれたんだっけ?」

駆逐「警備を厳重にするため警備の人数を増やしましょう。」

社長「それで今回はどんな被害があったのかな?」

集積「・・・・、社屋のランドリー室に侵入があったようです。」

駆逐「あっ(察し)」

ガチャッ

時雨「僕のパンツが盗まれてるんだけどぉ!?」

侵入した何処かの組織の工作員は時雨のパンツを戦利品として去っていった様である。


おまけ 時雨、一人で警備する。

CP=コマンドポスト 戦闘指揮所

時雨「暇だなぁ・・・。」

ダンボール トコトコ

時雨 !

時雨「CP!CP!こちら時雨!ダンボールが動いた!」

時雨「対応どうすればいい!?」

CP「こちらCP まじめにやれ。」

時雨「本当に動いたのに・・・。」

ダンボール ガサゴソ

時雨「CP!CP!ダンボールが動いた!対応を指示して欲しい!」

CP「こちらCP、まじめにやれ。」

時雨「ダンボールの下から足が見えている!対応どうすればいい!?」

CP「ハァ 威嚇発砲を許可する。」


ダダダダ! チュンチュンチュン!


時雨「CP、こちら時雨、異常なし。」

CP「こちらCP、了解した。検査を受けろ。」

この後時雨はがっつりセクハラされました(合掌)

時雨「もう、やだぁ・・・・。」

目の前に時雨のパンツがあるでしょ?

とりあえず回収しない提督などいないと思いたい

ここまでお読みいただきありがとうございました

ダンボール・・・、どんな材質で出来てるんでしょうね?

E2で対馬堀をするじゃろ?

磯風、清霜、早霜、春雨・・・・、絶対自分らの方がドロ率低いよね?

丙で掘ってますけどそこそこで切り上げないといかんですね、はい

では久しぶりの更新をさせていただきます

お時間よろしければお読み下さい

第九話 時雨、芋を讃える


時雨「社長、総務で書類の処理をしていて気になったんだけど。」

社長「おかしな数字でもあった?」

時雨「いや、違うよ。ただ、オーストラリア行きの貨物にランボルギーニって単語を見つけてね。」

社長「あー、それかぁ。オーストラリアみたいな大きな国土で使うと便利なのよ。」

社長「いや、こう、どこまでも地平線が続くような所でないと様にならないというか。絵にならない?」

時雨「そうだよね!僕もそう思うよ!」

社長「何?時雨ちゃん、ランボルギーニに乗りたいの?」ニヤニヤ

時雨「いっいやぁ。」キョドリ

社長「あの大馬力エンジンから聞こえてくるサウンドの心地よさ、分からない奴なんかはいないねぇ。」

時雨「いいよねぇ。あのエキゾーストノイズ。」ウットリ

社長「やっぱりランボールギニ好きなんだ。」

時雨「はい///」

社長「分かった、今度オーストラリアに行くから特別についていけるようにしてあげるよ!」

時雨「本当かい!?社長!ありがとう!」

時雨「あっ。普通に飛行機だよね?」

社長「パラシュートとかは使わないよ。カンタス航空使うから。」

時雨「よかったぁ。」

社長「カンタス航空といえばジョン=トラボルタが昔にパイロットやって販促キャンペーンしてたねぇ。

   確か9種類の飛行免許持ってたはず」


※飛行機はその機体の形式ごとに免許が必要です。
 例ボーイング747型用、ボーイング777型用等といった具合


時雨「自宅にジェット機があるんだったよね。」

社長「そうそう、ボーイング707型。良く知ってるね。」

社長「ただ2017年に航空博物館に寄付しちゃったんだよねぇー。」

時雨「維持費が莫大な金額かかりそうだもんね。」

社長「フロリダの自宅には滑走路もあったりとまぁすごいわ。」

時雨「こう、サタデーナイトフィーバー。」ポウッ!

社長「そうそう。」オウィエィ!


その後、二人はビージーズの歌を口ずさみながら踊っていた所を集積棲姫に仕事をしろと怒られたそうである。


集積「まじめに仕事して下さい。」

社長「ごめんなさい。」正座中

オーストラリア

時雨「やって来たね!」

社長「えーっと加賀ちゃん達だったっけ。ダーウィン空襲は?」

時雨「そうだね。」

社長「よくもまぁこんな遠くに日本から向かったもんだよ。」

時雨「本当だよね。補給線のことな―――――――んにも考えてなかったんだろうね。」

社長「そうだろね。食料とか現地調達でもする気だったのかしら?」

時雨「そんなロシアみたいな・・・。」


と二人が話しをしていたところにロードトラックが入ってくる。


???「社長、久しぶりね。」

社長「叢雲ちゃん、お久!トラッカーもすっかり板についたねぇ。」

叢雲「北部に荷物運んだ帰りに農場まで拾ってって吹雪に言われて来たわ。

   そっちは時雨?どこの所属だったかは知らないけど同じ会社の仲間として宜しく。」

時雨「長いトラック・・・・。」

社長「オーストラリア名物ロードトレイン。」

叢雲「これで長さは80mくらいかしら。100m超えるときもあるわ!」フフン

叢雲「とにかく一度に大量に運ばないと割りに合わないのよ。」

社長「大陸横断するからねぇ。帰りでもここから農場まで150kmはあるでしょ?」

叢雲「そうね。まっ、1時間ちょいよ。」

時雨「えっ。」


その後、叢雲が運転するトラックはその長大さを物ともしないスピードで荒野を駆け抜け

トラックによる優雅な旅の末、一行は農場に着きました。


叢雲「無線で吹雪には連絡しておいたからすぐに来ると思うわ!じゃ、私はトラックを片付けるから!」


そういい残し叢雲は去っていった。


時雨「社長!敵機だ!頭を下げて!」

社長「えっ?」

チュンチュンチュン!

時雨「危なかった。」フゥ

護衛棲姫(以下護衛)「農薬散布機墜としたの誰だ!」プンスカ

社長「だよねぇ・・・・。」

時雨「えっ。」

社長「護衛ちゃんごめんねー。新しいの手配するから。」

護衛「むっ、なら許す。」

時雨「護衛棲姫じゃないか。」

社長「うちの社員でね。食料部門で芋をはじめとした穀物、野菜の生産アドバイザーして貰ってるんだよー。」

護衛「私偉い!」

時雨「芋。」

社長「そう、芋とか。」

芋かぁと時雨が妙に納得していた時だった。

エキゾーストノイズを響かせ一台の『あれ』がやってきたのだ。


吹雪「社長!お久ぶりです!」

社長「吹雪ちゃん久しぶりー、半年前に送ったマダガスカルの芋どう?」

吹雪「最高ですね。種芋の収穫も終わったんで本格的に作付けに移れますよ。」

吹雪「あっ、後ろの娘が会長付きの?」

社長「そうそう、秘書室付きで総務とか警備とかまぁ色々やってる時雨ちゃん。」

吹雪「宜しくね!」

社長「さっそくなんだけど時雨ちゃんがランボルギーニを見たいって言ってねぇ。」

吹雪「あー、役立ってますよ。これ。」

こんと乗ってきた乗り物を叩く吹雪。

時雨「これが!?」

社長 吹雪「「 Lamborghini MACH VRT T4i !! 」」ドヤヤァ


時雨「トラクターじゃないか!」

護衛「トラクターだよ。これでも小さい方。」

社長「収穫用のハーベスターはもっとでかいからねぇ。」

吹雪「あれはビル?ってくらいサイズありますからねぇ。」

社長「収穫期にハーベスター(収穫請負人)さん達がワーって来るのは圧巻。」

時雨「違うよ!ランボルギーニはこんなんじゃないよ!」

時雨「ランボルギーニっていったら洗練されたデザインでしょ!」

吹雪「キャビンデザインはアルファロメオやマセラティ、フィアット、BMWを始め

   トヨタカローラ5代目を手がけたりしたことでも有名なジウジアーロだよ?」

時雨「牛のシンボルマーク!」

社長「はい、ここについてる。」

時雨「大排気量エンジンで高価格。」

護衛「6057ccで約3000万円。アタッチメント等別価格。」

時雨「分かったよ。僕の負けだ。」

吹雪「まぁ乗ってみなよ。楽しいよ?」キラッ

社長「いってらっしゃーい。吹雪ちゃんとドライブしている間、護衛ちゃんと打ち合わせしてるから。」


社長と護衛棲姫が今年の作付け状況、小麦の市場価格の見通し、先物での取引状況について打ち合わせをしている間、

時雨と吹雪はトラクターを乗り回していました。


時雨「楽しい!!」

吹雪「でしょ!でしょ!こういう大きい機械を動かすのって楽しいでしょ!」

ボボボボボボ!!ドダダダダ!

吹雪「地平の果てまで耕してやる!!」

吹雪「パゥワァ――――――!」

打ち合わせ中

社長「今年は小麦を1000ha増やす感じでどうかな?」

護衛「飼料の値段が上がり始めてるからデントコーン増やしたい。」

社長「北部でやってる牧場の方は量足りてる?」

叢雲「お茶。持ってきたわ!」

社長「ありがとう。んっ、美味しい!」

社長「毎日飲みたくなる味だねぇ。」ホゥ

叢雲「あら///」


ドドドドドッド!

時雨「芋を讃えよ!」 トラクターの屋根上に上っています

吹雪「芋を讃えよ!」 トラクターのアクセル全開です

社長 ブーッ

護衛「芋原理主義。」

時雨「地平線の果てまで芋を生産するのだ!」

時雨「世界を芋で埋め尽くせ!」

吹雪「芋!芋!芋!芋!」(トラクターで畑を耕しています)

時雨「手始めにオーストラリア大陸を芋で埋め尽くすのだ!」

白雪「芋!芋!芋!芋!」(新しくトラクターが合流しました)

護衛「増えた。」

社長「どっから出てきた。」

叢雲「たまにある発作よ。ほおっておけば治るわ。」

吹雪「芋を讃えよ!」

白雪「芋は平和!」

吹雪「芋は世界!」

時雨「芋は宇宙!」

時雨「芋を讃えよ!」

吹雪 白雪「「芋!芋!芋!芋!」」ジークカルトッフェル!

社長「なんかうちの会社より悪の秘密結社っぽい。」


護衛「どうする?」

社長「どうするもこうするも・・・・。」

叢雲「あんたたち!おとなしくしなさい!」 つ拡声器

社長「おっ、叢雲ちゃんに秘策ありな感じ?」

叢雲「大人しくしないとこのジャガイモがどうなるか分からないわよ!」つジャガイモ

社長「オイオイオイ、死ぬわ叢雲。」

護衛「ほう、ジャガイモの人質(?)ですか。」

護衛「たいしたものですね。」

護衛「しばふ村出身の艦娘はジャガイモをこよなく愛していて3食をジャガイモにする艦娘もいるくらいです。」

社長「なんでもいいけどよぉ。」

社長「相手はしばふ村出身者達だぜ?」

叢雲「おとなしくすればこの鳴門金時と紅さつまもあげるわよ!」

護衛「さらに薩摩芋の代表格を追加です。これを追加する事により芋分をさらに高めていく事を促していますね。」

護衛「それにしてもこの状況で冷静に不足する芋分を見極め

   供給させることが出来るとは超人的な判断力としかいうほかありませんねぇ。」


時雨 イモイモイモ

叢雲 ガバティガバティ

吹雪 イモイモイモイモ

白雪 イモイモイモイモ

社長「なんかかえって事態悪化してない?」

叢雲「くらえ!」

叢雲の黄金の右が炸裂する。その右ストレートは的確に時雨の口へ薩摩芋を届けた。

時雨「しばふぅ!」

叢雲「あんた達もよ!」

吹雪「なると金時!」

白雪「アンデスレッド!」

社長「マチルダ!」

時雨「はっ。僕は何を・・・。」

護衛「正気に戻った?」

時雨「あぁ、うん。そういえば護衛棲姫はどうしてこの会社に就職を?」

護衛「戦争という破壊の中で、ただ一つ、芋を作っていくことが出来るからかしらね。」

時雨「そっか。芋を作りたかったんだね。」


こうして芋騒動は終焉を迎え平穏無事に農場視察と打ち合わせは終了した。


駆逐「時雨さん、今年芋類の作付け面積が増えてるのですが市場に何か動きありました?」

時雨「・・・・、いやぁ、僕には難しくて分からないかなぁ・・・。」

駆逐「そうですか。社長を尋問するとしましょう。」


その年のオーストラリアの芋は豊作だったそうだ。


???「うぇへへぇー、これでお安くウオッカが作り放題ですぅ~。」

???「ハラショー。こいつは力を感じる。」

本日分の更新は以上で終了です

お読みいただきありがとうございました

なお、トラクターのランボルギーニとスーパーカーのランボルギーニは現在親会社が別の為、経営等まったく関係がありません

社名とマークは同じなんですけどね

後、ヤンマー農機具のトラクターにフェラーリをデザインされた方がデザインを担当したトラクターもあります

また、マチルダというジャガイモも品種として本当にあります

ではでは、E2の堀に戻ります・・・

適当なところで切り上げなくてはとは思いますが・・・・

コンプティークの情報で冬イベ前に武蔵の建造率があがるとかなんとか

武蔵は居るんで大和ください

資材1で出るのは紅茶の国の大和だったりカレーが素敵な大和だったり瑞雲狂の大和だったり

武蔵の姉の大和が来てくれません、いっその事大和型の建造率Upを願えんですかね?

といった所で最後の更新とさせていただきます

最終話 時雨、上陸する。


駆逐「社員の皆さん!ついに!ついに私たちの会社の本来の目的を達成する時が来ました!」

社員 ワーワー

集積「日本に我社の支店をつくり、機会をうかがい雌伏の時を過ごしてきた苦労が!」

駆逐「ついに報われます!」

駆逐「日本を私達のシンボルで埋め尽くしてやりましょう!」

時雨「日本占領が目的だったんだね・・・。」

時雨「やはり深海棲艦。人類の敵だったんだ。」

社長「ふっふっふ。ばれちゃぁ仕方ない。」クックック

社長「時雨ちゃんよぉ。これをくらえ!」


サッ!


時雨「くぅ!こんな手に!」


カハッ!


時雨「卑怯者めぇ・・・・。」


膝から崩れ落ちる時雨。


社長「ふっふっふ。やはり抗う事は出来ないか。」

社長「艦娘の赤城や加賀もすぐだったからな。」クックック

社長「これに勝てる者などそうそう居る訳がないだろう。」クックック

時雨「くそぅ・・・、この破壊力には僕も耐えられないや・・・。」

駆逐「ふっふっふ。時雨さん程の歴戦の猛者でもやはり耐え切れませんでしたか。」

社長「われ等の完全勝利は間違いなしですね。」

集積「えぇ、日本占領はもう目前ですね。」

駆逐 社長 集積「「「わーはっはっは!!」」」


北上「それはいいんだけどさぁー、

   オープン前の待機列が想定以上に伸びてて周辺住民の方からクレーム来てるよ。」

社長「えー。まぁ、仕方ない。

   後で菓子折りもって謝りに行くから適当に安い奴とクーポン冊子を用意するよう伝えておいて。」

北上「りょーかい。」

大井「社長。お疲れ様です。本日の打ち上げなんですが・・・。」

社長「あっ大井SM。お疲れ様です。」

社長「ホテルの手配も済んでますのでそちらの宴会場で。」

大井「部屋は?」

社長 ゾワッ

大井 ウフフフフー

社長「ナンノコトカシラー。」メソラシー

大井「夜は長いですよ。」ウフフフ

社長(くっ食われる!)

駆逐「社長さん。開店時間を繰り上げましょう!お客様の列が店を三周しています!」

社長「はーい!(助かった!)」

オープニングセレモニー

北上「本日は倉庫型小売、スーパー北上、日本1号店のオープンにお越しいただきありがとうございます!」

北上「当社の役員一同によるテープカットの後、オープンでございます!」

駆逐「テープカットです!」

駆逐 社長 集積 レ級 テープカットしました。

北上「オープンです!」


奥様A「トイレットペーパーダブル1ケース(96ロール)598円なんて激安だわ!」

奥様B「このマグロの解体ショーは購入制限なしかしら?!」

奥様C「この価格破壊のすごさは恐ろしいわね!」

奥様D「早く店内に案内しなさい!」

集積「まずは入店前にこちらで入会手続きお願いしますー。」

集積「当店が日本初出店になりますので当店会員に限り初年度年会費無料でーす。」

集積「受付はこちらでおこなっていまーす!」

奥様軍団「「「それを早くいいなさい!」」」


ワラワラワラ


集積 アー!

駆逐「集積さんがやられた!」

レ級「くっくっく。奴は四天王の中でも最弱っぽい!」


時雨「受付が混乱してるよ・・・・。」

社長「事前受付も結構していたんだけどね。」イラッシャイマセー

赤城「社長!牛肉のストックが足りません!」

社長「大丈夫!コンテナで追加は手配しているから!」ドントコイ!

赤城「社長!A5牛が100g、298円なんで買って来ていいですか!50kg程!」

社長「仕事して!後、そのクーポンの山どっから手に入れた!」ヤメレ!

時雨「圧倒的安さだね。」

社長「時雨ちゃん加賀ちゃんが牛肉の買占めしてないかちょっと見てきて。」

社長「赤城さんの反応みて気になったわ。」

時雨が精肉コーナーに行くとそこにはGMの北上が加賀を裏に連行していく所だった。

時雨「既に手遅れかぁ・・・・。」ハァー

時雨「頭痛が痛い。」

時雨「社長、社長。懸念は当たっていたみたいだよ。」(無線連絡中)


精肉コーナーバックヤード


北上「加賀さんね?食べたいの分かるけど関係者が買占めしちゃ駄目でしょ?」

加賀「くっ、殺せ!」

北上「くっころとかいいから。加賀さんのキャラじゃないでしょ。もー。」

社長「あー北上GM迷惑掛けてるねー。」ゴメンヨー

北上「あっ、社長。加賀さんさー、どうするよー。」

社長「加賀さん。」

社長「怒ってるの分かるよね。」

グキュルルルルゥー

加賀 ///

社長「お腹空いてたの?」

加賀 コク ///

社長「はぁー・・・、フードコート行こうか。」

社長「時雨ちゃんも御飯おごろう。」

時雨「いいのかい?」

社長「加賀さんはお腹が満腹のときはいい仕事してくれるからね。北上GMも一緒にどう?」

北上「社長のおごり?」ニシシシ

社長「ちゃっかりしてるよ。まったく。」


フードコート

時雨「色々な物が売ってるね。」

社長「全部自社開発商品なんだよ。」

時雨「支払いはカードもオーケーなんだ。」

北上「いまどきマックも全店対応してるしねー。」

社長「大きな声じゃいえないけど個人商店でカード決済を嫌う本当の理由は

   売り上げが誤魔化しにくくなるからなんだよ。(小声)」

北上「カード会社が間に入ると売り上げがばれやすくなるからねー。」

社長「カードでの売り上げから店の収益が予測されるというね。」

重巡棲姫(以下重巡)「注文は?」 (エプロン姿です)

社長「あっ、牛丼でお願いします。」

重巡「ニクメシヤ ―――――――!」

北上「やると思った。」

時雨「重巡棲姫まで働いているんだ。」

加賀「お疲れ様です。」

重巡「お疲れぇええい!」

時雨「テンション高い!」

重巡「いやー、戦争?んなことよりね。時代は美食よ?」

社長「一度食べた牛丼の味が忘れられずにうちに就職しに来たのよ。」

重巡「そうそう。陸と付き合いのある駆逐棲姫が居るって聞いていたからさ。」

重巡「あの味を再現したいから手を貸して欲しい!ってことで。」

社長「代わりに治めてた辺りの海域の権利を貰うというやり方。」

重巡「漁業とか海底鉱物資源開発とか色々やってる儲けてるよなー。」

社長「代わりに究極の牛丼作りに手を貸したでしょー。」

重巡「まー、殴られてばっかりの艦生に嫌気さしてたし。そこはねー、まっ食ってくれ。」

時雨「渾身の一杯と言うことなんだね。」

重巡「そうそう、そういう訳なんで食べて。」


丼!

モグモグ

時雨「ヴェアアア!ウマメシヤ―――――!」

社長「空気読んだ。」

北上「さすが出来る女、時雨ちゃんだねぇ。」

加賀「うっまーい!もう一杯!」

時雨「すっごく美味しい!」

時雨「こう、なんていうか表現出来ないけど美味しい!」

社長「美味しそうに食べる女の子って可愛いもんだねぇ。」

加賀 !

加賀「社長。」

社長「?」

加賀「それは告白ととって宜しいですね?」

社長「?」

加賀「これはもうS○Xですね。」

社長「はい?」

加賀「いただきます。」

社長「?!」

北上「これがライオン系女子か・・・・。」

時雨「よく分からないけどとにかく凄そうだ。」

こうして加賀に引きづられ社長は消えていった。


レ級「会長さん!みんなここに居たっぽい!」

駆逐「お疲れ様です。ご飯ですか?」

時雨「あっ、会長お疲れ。」

北上「お疲れ~。」

駆逐「ちょっと皆さんにお話しがありますのでご飯持ってきて貰ってかまわないので事務所にいいですか?」

北上「りょうかーい。」

時雨「うん、了解したよ。」

北上「時雨ちゃん、そこの七味も持ってきて。あたしゃそれをかけるのが好きでねぇ。」

時雨「了解。」ヤレヤレ


事務所

時雨「会長。開店前に貰ったクーポン冊子だけど・・・。」

駆逐「期限内に使ってくださいね。」

時雨「いや、そうじゃなくて。その実に様々な商品が取り扱ってるんだなぁと。」

時雨「しかも殺安。」

駆逐「えぇ、これから話すことにも関係しますが。ここを拠点に日本を攻め落とします!」

北上「おぉ―――。」パチパチパチ

駆逐「手始めに日本の流通小売を破壊します!」

時雨「破壊!」

駆逐「当社の流通網、生産から運送、販売。つまり川上から川下まで!」

駆逐「全てを駆使し日本の経済を乗っ取る!」

北上「実際、海上封鎖されてる時点で詰みだよね―――。」

時雨「ほとんどの原材料等々、輸入に頼りっきりだもんね。」

レ級「さらに日本の食糧自給率は残念だって社長さんに聞いたよ!」

北上「それだけにうちの農場とか含めて提供できる食料の量を考えるとね―――。」

駆逐「芋と小麦が・・・・。」キョウキュウカタ

北上「そこは反省がいるよね。」

レ級「忘れがちだけど北上さんもしば・・・。」モガ

時雨「そこは流そう。」

駆逐「そういうわけでまずは日本の食卓を私達の食品で埋め尽くします!」

駆逐「今日の店舗開店は日本の流通小売業界にとっては小さな出来事かもしれませんが

   私たちにとっては大きな一歩です!」


レ級「さっすが会長さん!」パチパチパチ

北上「アームストロング船長みたいだ。」パチパチパチ

時雨「緩やかな経済支配を目指すってことなんだね。」

駆逐「その通りです!

駆逐「私たちは約束します!激安なガソリン!」

北上「よっ!流石会長!」

駆逐「激安な小麦!」

レ級「パンにピザ、パスタにうどん!作りたい放題食べ放題!」

駆逐「激安な牛肉!」

赤城「食べ放題!」ジュルリ

時雨「規制の撤廃が待ち遠しいね!」イタノ!?

駆逐「私たちは日本の小売に革命を起こします!」

事務所に居た社員 パチパチパチ (拍手)

駆逐「皆さん、これからも頑張りましょう!」

駆逐「そして、日本経済に影響力を及ぼせるように会社を大きくして

   深海の仲間達が陸で住みやすい世界を目指します!」


レ級「そういえば社長さんは?」

北上「しらぬい。」メソラシ

時雨「僕も知らないかな・・・・。」メソラシ



深海棲艦と艦娘の戦いは海上での戦闘がこれからも続くだろう。

しかし、艦娘の知らない所で人知れず日本経済支配を目指す深海棲艦達が居ることを彼女らは知らない。

いや、仮に知ったとしても何も対策は出来ないであろう。

なぜなら彼女達は『 グローバル企業 』なのだから。



駆逐「わっはっは!日本の小売に殴りこみです!」

北上「さっすが会長。悪だねぇ。痺れるねぇ。」

時雨「微力かも知れないけど僕も手伝うよ。」

レ級「さぁ!どんどんやるっぽい!」

駆逐「現地雇用もじゃんじゃんして地域経済の活性化です!」

北上「流石会長!」

社員一同 パチパチパチパチ(拍手)



この後、地域のアルバイトの最低賃金を押し上げて周辺の中小企業に睨まれたり

ガソリンの安売りで不当廉売と周辺の石油事業者加盟組合から指導が入ったり

色々あったりするものの小売業界の黒船であったと評されるのはもう少し先のお話である。

艦!

以上、お読みいただきありがとうございました

またどちらかで、依頼を出しに行ってきます

これなんてコストコ?というお話しでございます

タイトル変えて同じメンバーと内容でまたギャグコメディみたいにやりたいなと思いますが

一旦終了でございます、お読みいただきありがとうございました

小麦は国が一括買い上げして製粉業者におろしてるから国内の価格は変動しにくいんですよね・・・

小麦粉で輸入している事業者はその辺りが変わってくるようですが

現在やってるもう一つの方は今週末になんとか再度の更新が出来ればと思っています

もし、そちらもお読みくださっていらっしゃる方がいましたら今しばらくお待ちください

乙レス、感想レス、いつもありがとうございます、ではまたどちらかで

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