【モバマス・デレステSS】です
――――プロダクション、事務室
仁奈「麗奈おねーさん、どうしたらいいでごぜーますか……?」
麗奈「うーん、そもそもまず悪魔の気持ちになる理由は何なの」
仁奈「仁奈、今度のはろうぃんイベントのために新しい衣装を貰ったでごぜーます。それで衣装に合った気持ちになろうと思って……」
麗奈「で、悪魔の気持ちになってみたらちひろみたいな感じになって困ってると。なるほどねぇ」
仁奈「このままじゃ、ちゃんとお仕事できねーですよ……」ションボリ
麗奈「……ふむ。ならとりあえず、試しにこのレイナサマに見せてみなさいよ。その悪魔の気持ちになった姿」
仁奈「ふぇ?」
麗奈「もしかしたら、ちひろっぽく感じてるのは仁奈だけってこともあるでしょ? それを調べるのよッ!」
仁奈「おぉー! さすが麗奈おねーさんでごぜーます! その手があったかーっ!」
麗奈「さ、わかったらさっさとやるの。レイナサマの気は短いからねッ!」
仁奈「はーい! じゃあすこし待ってくだせー! すぐに悪魔の気持ちになるですよ……!」ムムムッ
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麗奈(まったく、事務所で落ち込んでたから何かと思えば。ちひろに似てるってのも仁奈の気のせいでしょ。ここは適当に慰めて――)
仁奈「よーし……ふー……『おはようございます麗奈ちゃん!』」ニコッ
麗奈「!?」
仁奈「『今日も元気そうで何よりです。ドリンク……は、必要なさそうですね』」クスッ
麗奈「な、は……え?」ポカーン
仁奈「『そんなに驚いてどうしました? ふふっ……ところで麗奈ちゃん、今日の予定ですが』」
麗奈「ストォーーップッ!!」ガシッ
仁奈「わーっ!?」ビクッ
麗奈「仁奈、しっかり、しっかりして! 大丈夫なの!? 元に戻って、戻るのよッ!」ユサユサ
仁奈「わわ、わわわ! れ、麗奈おねーさん、仁奈もう元にもどってるでごぜーます……」クラクラ
麗奈「あ、わ、悪かったわッ! あぁでも良かった、びっくりした……心臓に悪いわよ仁奈……似すぎ……」
仁奈「あぅぅ……麗奈おねーさん、そんなに仁奈、ちひろおねーさんに似てやがりましたか?」
麗奈「なんていうか、喋り方もそうだけど、雰囲気というか、感じが……ほんとに悪魔の気持ちになってたの?」
仁奈「な、なってたでごぜーますよ!! 仁奈、うそはつかねーです!」
麗奈「じゃあその悪魔の気持ちになってる間、仁奈ってどんな感覚でいたのよ」
仁奈「それは……とっても落ち着けて、強くなれた気分で、周りがいつもと違う風に見えやがってました」
麗奈「周りが?」
仁奈「そうでごぜーます。悪魔の気持ちになると、仁奈、なんでも出来そうな感じで、だからあんな風に話して……」
麗奈「これは思ってた以上に問題かもしれないわね……」
仁奈「ど、どうしたらいいでごぜーますか! このままじゃ仁奈はろうぃんのおしごと、ちゃんと出来ねーです……!」
麗奈「……一つ確認するけど、仁奈。もしさっきのが本当に悪魔の気持ちになってたとしたら、それで仕事する気はないのよね?」
仁奈「とうぜんでごぜーます! 悪魔の気持ちでちひろおねーさんみたいになるなんて、あっちゃいけねーです!」
麗奈「……ちひろが実は本当は悪魔だってウワサもあったりするけど、それでも?」
仁奈「だ、だれがそんなウワサを言ってるでごぜーますか!? ひでーですよ! そんなのぜってーうそだーっ!!」プンプン
麗奈「お、落ち着きなさいって。ウワサはウワサよ、ただそれが本当なら今の仁奈の状況も説明できるってだけで」
仁奈「ちひろおねーさんは優しいでごぜーます! 怖くねーです!! 仁奈そんなの信じねーですよ!!」
麗奈「……仁奈、ほんとちひろのこと好きよね」
仁奈「だって……ちひろおねーさんと会えてから、ママが優しくなって、パパと会えるようになって……」
麗奈(……不思議なこともあるわね?)
仁奈「プロデューサーやみんなとのお仕事も、ちひろおねーさんが支えてくれてるから楽しくて……だから、仁奈……」
麗奈「あーもう分かったわよ! アタシが変なこと言ったッ! ウワサのことは忘れて、いいわねッ!?」
仁奈「……分かったでごぜーます」
麗奈「じゃあとりあえず今後は別の方向から考えるわよ。仁奈がなにかの気持ちになる時ってどうやってるの?」
仁奈「本やテレビでみたことや、色んなことを考えて、しっかり気持ちをつかむようにしてるですよっ!」ニコニコ
麗奈「だとすると……悪魔の気持ちになる時に、ちひろみたいな喋りをするなにかにすごく影響を受けたってことじゃない?」
仁奈「……もしかして、はろうぃんについて勉強したせいで仁奈こんなことになってやがりますか?」
麗奈「可能性として考えられるってことよ」
仁奈「う~……でもはろうぃんのことちゃんと知らないと、お仕事でみんなに迷惑かけちゃうですよ……」
麗奈「まぁそうよね、覚えたことを忘れるわけにもいかないでしょうし」
仁奈「どうしたらいいでごぜーますか、麗奈おねーさん……」
麗奈「フッフッフ! 簡単なこと、仁奈の中にある悪魔の印象を塗り替えられるような物を見ればいいのよッ!」
仁奈「どういうことでやがります?」
麗奈「要するに、ちひろみたいなのとは全く違う悪魔を知れば、仁奈が悪魔の気持ちになる時に変化が起きるはずってこと」
仁奈「おー! ならそれを麗奈おねーさんが教えてくれるですか!?」キラキラ
麗奈「まさか、こういうのはもっと適任がいるわ。ちなみに、最初にハロウィンの勉強をしたのは誰となの?」
仁奈「みりあちゃん達や蘭子おねーさん達とでごぜーます!」
麗奈「なるほど、とするなら……」
ガチャ
紗南「さーて、今日はどのゲームしよっかな。RUINER辺りでも遊んで」
麗奈「紗南! ちょうどいいところに来たわねッ!」ガシッ
紗南「わわっ!? って、なんだレイナちゃんか、おはよっ。あれ? 仁奈ちゃんも」
仁奈「紗南おねーさんおはよーですよ!」
麗奈「アタシが必要とした時に現れるなんて見事ね紗南。とりあえず今暇でしょ?」
紗南「え、いや、あたし今からここのおっきなテレビでゲームするつもりで」
麗奈「そんなのあとでいくらでもさせてあげるから、とりあえずアタシ達に付き合いなさい」
紗南「えぇー……もぉ仕方ないな、レイナちゃんの頼みだし! それで、どうしたの?」
仁奈「悪魔の気持ちになった時に、ちひろおねーさんみたいにならないよう手伝ってくだせー!」
紗南「……なんて?」ポカーン
麗奈「まぁそういう顔になるわよね。仁奈、とりあえず紗南にもさっきの悪魔の気持ちになった時の姿見せてあげて」
仁奈「またしなきゃいけねーですか……?」
麗奈「紗南にも状況を理解させるにはそれが一番なの。嫌だろうけど、少しだけ我慢よ」
仁奈「う~……しょーがねーです」
紗南「いやあの、レイナちゃん? ちょっと事情が」
麗奈「まぁまぁ、黙ってみてなさいって。すごいから」
仁奈「じゃあやるですよ! せーの――」
――仁奈、悪魔の気持ち披露
紗南「――…………怖かった」ブルブル
仁奈「紗南おねーさん、大丈夫でごぜーますか……?」
紗南「あ、あぁうん、仁奈ちゃんがあまりにもちひろさんぽくて頭が変になりそうだったけど、うん、OK、もう大丈夫」
麗奈「事情はわかった紗南?」
紗南「大体ね……そういえば、話題になってるちひろさん、今日はプロダクションにいないんだね」
仁奈「ちひろおねーさんならでかけちゃったでごぜーます。ちょっとお片付けをしてきますってメモが残ってたですよ♪」
紗南「そうなんだ。ちひろさんがいないならゲーム長くやれたかなぁ……まぁいいや、で、レイナちゃんはあたしに何させたいの?」
麗奈「ほら、ゲーム好きでしょ紗南って」
紗南「まぁね!」エッヘン
麗奈「で、紗南がゲームしてて印象に残った悪魔キャラを、仁奈に教えて欲しいのよ」
紗南「なるほど。そうやって仁奈ちゃんの中にある悪魔のイメージを変えるってことか」
麗奈「そういうこと」
紗南「よしわかった! だったら今からすぐにオススメのゲームを持ってきて」
麗奈「ああいや、ゲームの方はアタシのスマホで動画見るから、作品とキャラだけ仁奈に教えて」
紗南「なっ!? そんなの反対!」ダンッ
仁奈「ひゃ!? さ、紗南おねーさん、どうしたですか……?」
紗南「ゲームのキャラで印象を変えたいなら、やっぱりそのゲームで遊ばないと! 見るだけじゃダメだって!」
麗奈「でもゲームって時間かかるでしょ。ハロウィンまでに仁奈の状態を変えるとしたら、ゲームしてたら時間が」
紗南「そ、そんなことないって! 休みの日に徹夜すれば」
仁奈「仁奈、そんなに長く起きれねーです……」
麗奈「というか紗南、アンタあれだけアタシやプロデューサーがちゃんと寝るように言ってるのに夜更かししてるの!?」
紗南「うっ、今のは失言だった……え、ええとまぁとりあえず徹夜のことは置いておくとして、やっぱりゲームは遊ばなきゃ」
麗奈「……まぁそうね。でも見てるだけでも強烈な印象受けるキャラはいるはずでしょ? そういうの教えなさいよ」
紗南「うーん……とするなら……例えばダンテかなぁ?」
仁奈「誰でごぜーますか?」
紗南「カッコイイんだよ! 二丁拳銃と巨大な剣で悪魔と戦う人なんだけど」
麗奈「は? いや紗南、悪魔のキャラを知りたいのに悪魔と戦う奴を仁奈に教えてどうするのよ」
紗南「悪魔と戦うけど、その人も半分悪魔なんだって! だから仁奈ちゃんの印象を変えるには適任かなって!」
仁奈「紗南おねーさんすっごく楽しそうでごぜーます!」
紗南「やっぱり誰かにこの面白さを伝えられるのが嬉しいからね! 『Let`s start the party!!』って感じだもん!」ニコッ
麗奈「なるほどね、まぁ分かったわ。それで紗南、そのダンテってキャラの出るゲームの名前は?」
紗南「おっとそうだった! 【Devil May Cry】っていうんだけど……あっ、動画で見るなら3から見よ!」
麗奈「デビル……メイ……クライ……3なの? ええと、これで……」スッスッ
紗南「いやー、最初は困ったことになったと思ったけど、仁奈ちゃんやレイナちゃんにも楽しさを伝えられる良い機会になりそう!」
仁奈「どんな人でごぜーますかねー♪」
麗奈「……あっ」
紗南「ん? レイナちゃん、動画見つけた!?」
麗奈「見つけたけど……紗南、これは仁奈には駄目じゃない? ちょっと暴力的すぎるような」
紗南「へ? ……あー、そういえば一応15才以上対象のゲームだったっけ……」
麗奈「しかも結構敵のデザインとか怖いわよこれ」
仁奈「うっ……仁奈、こわいのはちょっと嫌でごぜーます……」
紗南「そ、そっかー、そういう部分も考えて紹介しないと駄目だったんだ……全然意識してなかった……」
麗奈「悪魔が怖い存在なのはわかってるけど、これを仁奈に見せると後で怒られる気がするわ」
紗南「だよね……はぁ、ごめん仁奈ちゃん、ダンテの紹介は仁奈ちゃんがもっと大きくなってからね」
仁奈「はーい……」
麗奈「しかし困った……当てが外れたって考えるべき?」
紗南「い、いやいやまだまだ! 他にもまだまだオススメはあるかねレイナちゃん!」
麗奈「へぇ、なら紗南の次のオススメはなに?」
紗南「えーと……悪魔のことをいっぱい知れて、仁奈ちゃんが見ても問題なさそうなビジュアルってなると……」コツコツ
紗南「……うん、【ペルソナ】シリーズかな!」
麗奈「ペルソナ……?」
紗南「『契約だ。 我は汝、汝は我……己が信じた正義のため、あまねく冒涜を省みぬ者よ!』」ビシッ
麗奈「なっ!?」
仁奈「わぁ!?」
紗南「って感じで主人公が覚醒して、色んな悪魔の力を使えるようになるお話なんだけど……あれ、どうしたの二人共?」
麗奈「い、いきなり紗南の雰囲気が変わりすぎたから驚いたのよ!」ドキドキ
仁奈「か、かっこよかったでごぜーます……いまの、紗南おねーさんオススメ悪魔のキャラでやがりますか!?」
紗南「そうだよ! アルセーヌっていうんだけど、デザインがほんと素敵なんだっ! ほらレイナちゃん調べて調べて!」
麗奈「わ、わかったわよ! ええとペルソナ」
紗南「あ、アルセーヌが出るのは5だからね!」
麗奈「はいはい! もぉ、ええと、ペルソナ5……」スッスッ
紗南「ちなみにそのゲームは色んな悪魔について簡単な辞典もあるから、実際に遊ぶともっと仁奈ちゃんの為になりそうでねー」
仁奈「へぇー! 怖くねーなら、ちょっとやってみてーですよ! さっきの紗南おねーさんカッコよかったでごぜーますから♪」
紗南「うんうんありがとっ♪ でもとりあえずはレイナちゃんに従って動画で……動画?」
麗奈「ちょっと紗南、さっきからペルソナ5で検索してるけどゲーム中の動画ほとんどないわよ? どうなってるの」
紗南「……そうだった、ペルソナ5はネタバレ防止のためにゲーム内の映像を投稿するの禁止されてるんだった……」
麗奈「ちょっ、それじゃ駄目じゃない!」
紗南「ごめん。でも一応他にもシリーズがあって過去作なら動画で見れると思うし、そっちなら」
仁奈「紗南おねーさんが真似してた悪魔が見れるでごぜーますか!」
紗南「……ええと、ホントごめん。アルセーヌはペルソナ5だけにしか出て無くて……」
仁奈「そんなぁー……」ションボリ
紗南「うぐっ。折角の機会なのにさっきから仁奈ちゃんにオススメ失敗してるのあたしもつらい……」ションボリ
麗奈「二人して落ち込まないでよ! アタシまで困っちゃうじゃない……」
仁奈「……やっぱり、仁奈が悪いでごぜーますか? ちゃんと悪魔の気持ちになれないから、麗奈おねーさん達にめいわく……」
紗南「え、そ、そんな! 違うよ仁奈ちゃん! むしろあたしが上手くオススメ紹介出来ないから問題なだけで……!」
仁奈「でも、やっぱり仁奈がちゃんと――」
ガチャ
ちひろ「……はぁ、まったく面倒な……ん?」
仁奈「あ……」ビクッ
紗南「ち、ちひろさん!?」
麗奈(このタイミングで戻ってこられたら、アタシと紗南、怒られるんじゃ……)
ちひろ「…………あの、なにかありました? どこか雰囲気が暗い気がしますが……」
麗奈「えっ!? い、いやそんなことはな――」
仁奈「……仁奈が、悪魔の気持ちになるとちひろおねーさんみたいになるから、麗奈おねーさん達にめいわくかけちゃったです……」
紗南「に、仁奈ちゃん!?」
ちひろ「……ふむ……」ジーッ
麗奈(うっ……やっぱりちひろ怒って……怒って……あれ?)
ちひろ「……ふぅ、なるほど、そうですか……」
麗奈「あの、ちひろ、疲れてるの?」
ちひろ「私が、ですか? ……ふふっ、まさか」ニコッ
麗奈「け、けどなにか」
ちひろ「気のせいですよ。それよりも仁奈ちゃん、少しいいですか?」
仁奈「ちひろおねーさん、怒るでごぜーますか? 仁奈、駄目なことして」
ちひろ「さて、どうして怒る必要がありますか? むしろ嬉しいんですよ、仁奈ちゃん」ナデナデ
仁奈「え……?」
ちひろ「仁奈ちゃんは、悪魔をどういう風に思っていますか?」
仁奈「え、えと……強くて、なんでも出来るですよ。でも悪さするから嫌われ者でごぜーます……」
ちひろ「……なるほど。仁奈ちゃんはしっかり悪魔のことを理解していますよ」
仁奈「だったら、悪魔の気持ちになった時、ちひろおねーさんみたいになる仁奈はやっぱり間違ってるですよ……」
ちひろ「そんなことはありません。むしろ私としては光栄ですから」
仁奈「ど、どうしてでごぜーます……!?」
ちひろ「だって、仁奈ちゃんにとって強くてなんでも出来る存在だと、私がそう思われてるってことじゃないですか♪」
仁奈「……あ」
ちひろ「それに悪さするのだって事実ですからね。この前もガシャの確率間違えちゃったりして、嫌われちゃいましたし……」
麗奈「ああ、そういえばプロデューサー達がすごく怒ってたことあったけど、もしかしてそれ?」
ちひろ「はい。他にもわざとじゃないんですけど、色々と失敗もしちゃってますし……」
紗南(そういえば最近ちひろさんのミスが増えてるってプロデューサーさんがぼやいてたような……)
ちひろ「だから、仁奈ちゃんが私を悪魔として見てくれてくれることは嬉しいんですよ」
仁奈「ほんとーです……?」
ちひろ「本当ですよ! あくまでアシスタントとして働いてる身で、嫌われ者でも凄い存在だと思われるのは恥ずかしいくらいで」
仁奈「だ、だってちひろおねーさんはすごい人でごぜーます! ほんとにすげーとしか思えねーです!」
ちひろ「仁奈ちゃん……」
仁奈「だけどちひろおねーさんは一つ間違ってるでごぜーます!」
ちひろ「はい?」
仁奈「ちひろおねーさんのこと、仁奈は大好きですよ!! だから嫌われ者なんかじゃねーでごぜーます!!」
ちひろ「……」
麗奈「えーと、仁奈だけじゃなくて一応アタシもちひろのこと好きだからね?」
紗南「うんうん、あたしも!」
ちひろ「……そう、ですか……ふふっ……そっか……なんだか――いえ、やめておきましょう。ともかく仁奈ちゃん」
仁奈「はいです!」
ちひろ「私としては嬉しいですが、悪魔の気持ちの状態を嫌だというのであれば、少し気持ちを変えてみてはどうでしょう」
仁奈「気持ちを、変えるですか?」
ちひろ「今度のハロウィンで、衣装にあった気持ちになろうと仁奈ちゃんは頑張っているんですよね?」
仁奈「あ、そ、そうでごぜーます!」
ちひろ「なら、あえて悪魔にこだわらず、小悪魔の気持ちになってみるのもいいかもしれませんよ」
仁奈「コアクマの……気持ち……」
ちひろ「可愛く好かれる小悪魔なら、私もハロウィンの仁奈ちゃんにピッタリだと思うのですが?」
仁奈「……仁奈は」
ちひろ「それに、ここにはちょうど小悪魔やハロウィンに詳しそうなお二人もいますし。ね、麗奈ちゃん、紗南ちゃん♪」
麗奈「え!? あ、ああそうね、小悪魔といえば悪戯、イタズラといえばこのレイナサマほど専門家はいないわよッ!」
紗南「まぁ詳しいかは分からないけど、前にハロウィンでトークのお仕事したし、あたしもアドバイス出来ることはあるかな」
仁奈「麗奈おねーさん、紗南おねーさん……」
ちひろ「さ、どうですか仁奈ちゃん?」
仁奈「……わかったでごぜーます! 仁奈、ハロウィンはコアクマの気持ちでいってみるですよ!」
ちひろ「……良かった」
仁奈「その代わりちひろおねーさんは覚悟しててくだせー!」
ちひろ「はい?」
仁奈「ハロウィンになったら、イタズラしかしねーコアクマな仁奈がちひろおねーさんのとこに行っちゃうですよ!」
ちひろ「ふふっ、それはこわい。お菓子、いっぱい用意しておきませんとね♪」
仁奈「えへへっ♪ そういうことでごぜーます、麗奈おねーさん、紗南おねーさん。今から特訓に付き合ってくだせーっ!」
麗奈「いいわ。ただしこのレイナサマが教えるイタズラは半端ないわよ、覚悟しておきなさいッ!」
仁奈「はーいっ!」
ちひろ「あ、特訓されるなら今丁度レッスンルームが空いていますから、そちらでどうぞ」
紗南「だってさ。とりあえずどうするかは移動してから決めよ二人共!」
仁奈「さんせーですよ! じゃあちひろおねーさん、また後ででごぜーまーす!!」
――バタンッ
ちひろ「ふぅ……仁奈ちゃんはほんと元気ですね……――ハロウィン、楽しみにしておきますか♪」クスッ
〈終〉
[はろうぃんもんすたー]仁奈ちゃんにレイナサマと三好ちゃんの雰囲気を感じたところで
シンデレラガールズ劇場2期の1話目がちひろさんメインだったので
(シンデレラガールズ劇場【第374話】「何か違う、そうこれ!」が映像化されますように)
読んでくださった方ありがとうございました
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