【艦これ】男の提督はどうやら信頼出来ないらしい (548)

注意
・地の文が多くなるかもしれません。少なくして欲しければいってください。
・台本形式
・鬱あり
・安価レスには応答しますが、それ以外のものには基本的にですが応答はいたしません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506171793

登場する艦娘を絞っておきます。
10人程です。
ただし後で追加するかもしれません。

下安価で
1人ひと艦娘ずつ。10人が出きらなかった場合は、1が独断で決めます。

よろしくお願いします。

23時まで待ちます。

10人出きりましたので締め切りで。

物語の進行上 曙 は追加させて頂きます。
では書いてきますので、今日はもう終わりです。
更新は場合によりますが水曜日ぐらいになると思います。

内容的には前任が優秀な女提督だったところに、着任した新人提督がという感じです。

それではまた。

申し訳ございません、トリの付け方だけ教えて頂けませんか?

出来ました。
ありがとうございます。

雰囲気を掴んでもらうために少しだけ投下します。



「ここまで運んでくれるなんて、ありがとねぇ~」

 お婆さんの言葉に、俺は笑顔でこう返した。

「いえいえ、当然のことですよ。それでは!」

 踵を返し、時刻を確認しながら猛ダッシュ。背中にお婆さんの声がかかるが、最早それに応対している余裕はない。
 俺は焦っていた。

 ーー駄目だ、これじゃあ規定時刻に遅れる!

 着任し、最初に横須賀鎮守府への到着は17時となっている。その段取りも組まれており、当然横須賀鎮守府の艦娘達も“そのつもり”で待っている。
 俺ももう大人の仲間入りを果たしたのだ。「炎天下の中、重い荷物を背負って歩くお婆さんを助けていたから遅れました」、こんなものは通じないだろう。


 


**********************

【横須賀鎮守府にて】


「一体、どういうお考えなのでしょうか?」

提督「いや、すまない」

「私は謝ってほしいのではなく、どういう意図があって着任早々に3時間も遅刻をされたのかと聞いているの」

 横須賀鎮守府に着いて初めて出会った艦娘ーー加賀に、俺は批難を受けていた。それもそうだ。なにせ予定時刻より3時間も遅れてしまっている。

 俺はなんて愚かなのだろうか。

 まさか痴漢被害にあっていた女性を救って駅に降りたら、泣き叫ぶ女性の代わりに警察にその時の話をしなければならなくなり、結果大量の遅刻を生んでしまうとは。


 



 ギロリと高圧的な視線を送ってくる加賀に俺は頭が上がらないでいた。

「まあまあ、そのぐらいにしておきませんか?」

提督「ーーーーっ!?」

 突如入った助け舟に思わず顔を上げる。この子は確か、加賀と同じ一航戦の……

加賀「ーーっ赤城さん! ですが、私達もそれ相応の準備をせねばならなく、赤城さんにも負担をかけて……」

 準備……おそらく俺を出迎えるための準備だろう。豪華な食事や歓迎パーティがある訳ではないが、少なくとも彼女達のそれまでのスケージュールを縛ったのは間違いない。

赤城「まだこの方はお若いですし、それに故意にこんな事をするような人には見えません。何か理由があったのではないでしょうか?」


 



 
提督「あ、ああ。まあ一応」

「ふんっ! どうだか」

 見るからに不機嫌そんな表情で執務室に入ってきた曙が、まるでゴミでも見るように俺を睥睨する。

加賀「赤城さん、もう行きましょう」

加賀「やはり“彼女”以外に。それも男などに私達の指揮は任せられませんね」

 ボソリとではなく、しっかりとこちらの耳に届くように加賀は捨て台詞を残していった。


 



 
 どう見ても俺は歓迎されていない。

 しかし、それも当然なのかもしれない。自分達が命を預ける相手が、着任早々大遅刻をかますような不真面目な人間だったのだ。例えその理由が人助けでも、“そう見えたから”には仕方のないことなのだろう。

曙「ほらクソ提督、これ読んどきなさいよ」

 バサリと無造作に投げられたのは、この横須賀鎮守府の資料だった。

曙「それじゃあ、私ももう行くから」

 バンッと閉められた扉は、普通のそれよりも大きい音がした気がする。まるで俺を心底拒絶する意思が込められているかのように。


 

不注意によりトリップが割れてしまったのでこちらに変更いたしました。今日はこれで終わりです。

提督に迎えを寄越さない時点でおかしだろ歩かせて通勤って提督って将軍階級だぞ何かあったらいけないから護衛つき送迎だろ

警察行ったんなら連絡あるやろ


 
 ここ、横須賀鎮守府には前任の提督がいた。性別は女。艦娘達との関係は良好で、なんでもかなりの功績を残したらしい。しかし彼女は病に伏してやむなく辞任し、鎮守府の艦娘は殆どが異動されて、今では横須賀鎮守府の艦娘は10人程だ。
そこに新任として就いたのが俺、という訳である。

提督「資料……といっても既に知っている内容ばかりか」

 提督不在のこの一ヶ月、運良く表立った敵の侵攻は無かった。資材も前任が優秀だったのだろう、しっかりと貯蓄されていたものがまだ尽きていない。

提督「……もうこんな時間か」

 時刻は既に21時半を回っていた。
 遅刻しかけていたのだから、当然飯は食べていない……が、先ずは風呂だ。汗を流したい。地図を確認すれば、風呂場はどうやら大体執務室の裏手側にあるようだ。



 


 
「……ん?」

 廊下を歩いていると、前から別の艦娘が歩いてきた。

 ーー大鯨か?

 昔はどうだか知らないが、今は10人ほどの鎮守府だ。顔と名前の一致は既に写真で済ませてある。

大鯨「ーーっ! 提督……さんですか?」

提督「あ、ああ。驚かせてすまない。俺が今日から新しく着任した提督だ。これからよろしく頼む」

 俺は握手を求めるように手を伸ばした。
 しかし、いくら待っても大鯨から握手を返す様子はない。

提督「……大鯨?」

大鯨「ーーっは、はい! すみません。よろしくお願いします」

 そう早口に述べてお辞儀をした後、大鯨はその場から逃げるように去っていってしまった。

 あれ、俺今何かしたか?

 手に何か付いていたのかと見てみるも、なにもない。そして今のやり取りを振り返ってみても、自分のやった事がなんらおかしいと感じられなかった。

「ーーーー?」

 後味は悪いが俺はこのまま風呂へと歩みを進めることにした。

 



 
「ここが風呂か」

 風呂場といえばお馴染みのあのマークを想像したんだが、どうやら違うらしい。これはなんのマークだろうか、バケツのようななにか?
 まあ深く考えていても仕方がない。今日はかなり疲れた。早く入って寝るとしよう。

 かなり広めの脱衣所で服を素早く脱ぎ捨て、浴室の扉を開けたその時だった。

 ーー俺はこの時を一生後悔することになる。
 


 
提督「おお、結構広いなーって……!?」

「…………え……えぇ?」

 奇跡的に前はタオルで隠れていたが、それでも彼女の立派な胸部装甲の形がくっきりと分かった。黒の長髪に、クルリと曲がったアホ毛、そして何よりその不釣り合いにデカイ胸部装甲……間違いない。彼女は綾波型10番艦、潮その人だろう。

 しかし、服を着ていないと本当に曙と同じ駆逐艦には見えないな。

 ーーよし、んじゃあ。執務室に戻るか……。

 俺は固まったまま小刻みに震える彼女に頭を下げ、何事も無かったかのように脱衣所に戻ろうとする。

 今になって思えば、俺はこの時少しばかり頭が混乱しすぎていたのかもしれない。

潮「きゃあああああぁぁあぁあぁぁ!!」

 俺の顔面に乳白色の石鹸が深々と突き刺さったというのは、言うまでもないか。


 

書き溜め投下にしようとしていましたが、少しずつ投下に変えました。続きはまた後ほどあげます。

>>26>>28
歩いているわけではないです。警察に行ったのではなく、警察が来て話をしたのです。勿論鎮守府には連絡が入っています。これ以上は申し訳ございませんが返答いたしませんのであしからず。

>>33
鎮守府 → 大本営です。誤字です。


 
加賀「あなたにとって艦娘とは一体何?」

提督「俺にとっての艦娘は……」

 潮の悲鳴を聴いて、今脱衣所には寝ていた初霜と深雪、それから今手が離せないらしい大井を除く全ての艦娘が集まっていた。
 俺はというと、そんな彼女達の前で正座させられている。

 俺はどうしてこうも未熟なのだろうか。入渠用の浴槽だという事を、配慮していなかったなんて。前までは女性だけの鎮守府、少し冷静に考えれば分かるだろうに。

 


 
加賀「あなたにとっての艦娘とは一体何?」

提督「共に戦う仲間であり、この鎮守府では家族のような存在だと思っている」

加賀「…………」

加賀「次は無いわよ。あなたにとって艦娘とは一体何?」

提督「嬉しいときは一緒に笑って、悲しい時は一緒に泣く。そうして色んな困難を共に乗り越えていく。俺にとっての君達は、そんなかけがえのない存在だ」

 これは俺の本心だ。艦娘は決して兵器なんかではない。俺たちと同じ人間で、決して虐げられたり辱しめられたりするような対象ではない。
 幾度も同じ質問を受けて尚、俺はその度に自分の想いを真っ直ぐ言葉にした。

 



 しかし彼女は……加賀は眉根を寄せ、俺を睨みつけ続ける。

加賀「先程から何度も何度も……流石に頭にきました」

 ドゴッと腹に鋭い痛みが走る。正座する俺の腹に一発加賀が入れてきたのだ。内臓が圧迫され、気道を塞ぐような痛みが口に込み上げてくる。

提督「ーーっハァ!」

赤城「加賀さんっ!」

 加賀の暴挙を赤城が止めようとするも、加賀は手を挙げて自分が冷静であることを告げる。

加賀「こんな最低な……平気で嘘をつき、私達を陥れるような男に指揮をされるぐらいなら、私は解体されていい」

赤城「そんな事を言うのはやめなさい!」

 尚も手を上げようとする加賀を、赤城が抑える。

 対して俺は激しく咳き込みながら、彼女達の言い合いを黙って見ている事しかできない。

 



 不意に視線が合った潮は、それだけでビクリと肩を揺らして啜り泣き始めた。それを大鯨と曙と阿武隈が介抱している。
 不思議だった。加賀に受けた拳よりも、潮の怯えた顔を見た時、その方が胸を締め付けるように痛かった。

利根「お主の覚悟はよう分かった。じゃがお主が解体されて、彼女が戻ってきた時どう思う?」

 彼女……つまり前任の女提督だろう。

加賀「………」

大和「私達は皆、彼女の帰りを信じて待っています。異動させられた他の艦娘達はしょうがないですが、出来るだけ多くの艦娘で彼女を出迎えよう。そう誓ったはずです」

 聴いて、渋々といった様子でしばらく考え込む加賀。
 数秒後彼女は「そうですね、すみませんでした」と冷え切った態度で俺に頭を下げた後、この場を去った。

 


 
 利根に大和、彼女達の言葉を聴いて、ここの艦娘達の気持ちが分かった。
 ……つまり彼女達は俺を提督として、認めていないのだ。俺の行動云々の話以前に、彼女達は元の提督を、今病に倒れているという噂の女提督を待っているのだ。必ず病に打ち勝ち、自分達の元へ帰ってくると。そう信じて。

大鯨「立てますか……?」

潮「…………」

 大鯨が潮を立たせて、ゆっくりとこの場から連れ出していく。
 正直彼女を見るだけで居たたまれない気持ちになるので、ありがたかった。しかし、どう謝罪すれば良いのだろうか。少しずつでも、嫌われても良い。あれは事故なのだと、誠心誠意頭を下げ続ければ許してもらえるだろうか。

 


 
提督「ーーーーっ!?」

 バチんっ!

 乾いた音が響く。
 今まで潮の介抱をしていた曙がツカツカと歩いてきたかと思えば、俺の頬を思い切りビンタしたのだ。

曙「潮を傷付けたこと、絶対に許さない! 押しの弱いあの子は元々男を怖がってた。もし今回の事がトラウマになって、潮の今後に支障が出たらどうする気なの!?」

提督「すまない……」

 何をどう繕っても、真実を話しても、きっと今は伝わらないだろう。どんな言葉も見苦しい言い訳にしか聴こえないのなら、俺はただ頭を下げ続けるしかない。


 


 
曙「……あんた本当にクソ提督なのね」

 ゾッとするほどに冷ややかな瞳を俺へ向けて立ち去る曙が脱衣所から出ていくまで、俺は顔をあげなかった。

 ーー彼女の足が、震えていたから。

 きっと目を合わせて曙の顔を見たら、彼女は困ってしまう。人を殴った事など一度も無い、そういう顔をしていただろうから。

 曙は優しい子なのだ。彼女は、潮の為に怒った。
 きっとこの後、曙は潮にこう言うのだろう。

曙「次あいつが変なことしてきても、絶対私が守ってあげるから!」

 少しでも彼女の言葉が、潮に届いて欲しい。
 そして俺も、そんな彼女達を守りたい。

 ……しかしそんな想いも、やはり今は届かない。

 


 
「潮ちゃんにはね……あたし、助けられた事があるの」

 この子は……

提督「阿武隈……」

阿武隈「あたし、この鎮守府の皆が好き。勿論彼女(女提督)も好き」

提督「…………ああ」

阿武隈「でも提督、貴方は嫌いです。 あたしの友達を傷つけ、あたしの居場所を壊そうとする貴方が嫌いです。……大嫌いっです」

 ポロポロと、阿武隈の瞳から涙が溢れ出す。

阿武隈「あたしはどうなっても構いません。どうか曙ちゃんや、加賀さんを解体しないで下さい。あたしから奪わないで下さい」

 



 頭を下げる阿武隈。それに赤城と利根が続く。

赤城「提督、私からもお願いいたします」

利根「今はお主が提督じゃ。決めるのはお主。しかしまあ、2人を解体するというのなら吾輩も黙っておれんぞ?」

 言い訳はいい。しかしこれだけはハッキリ言っておかなければならない。

提督「そんな事はしない!!」

 俺の言葉を受けても3人は何ら表情を緩めず、ただありがとうございますと言ってその場を立ち去っていっただけだった。

 ーー俺は一体この先どうやって彼女達の信頼を得ればいいんだ……。

 頬と胸が、ジンジンと痛みを訴えていた。

 


今日はここまでです。
明日は用事で書き込めません。明後日にします。

下安価で1人3人まで、艦娘を選んで頂きたいです。それで多く選ばれていそうだなと思った艦娘を、何人か。横須賀の艦娘として出すかは分かりませんが独断で出そうと思います。

御協力お願いいたします。
安価が無かった場合は、適当に決めます。
では1人3人まで、お願いします。


 
朝、俺は目を覚まして直ぐに執務室へと向かった。昨日艦娘達に見せた不甲斐ない自分を払拭するためにも、これ以上の失態は許されない。
 たとえ彼女達が望む提督が俺でなくとも、時間が解決するように。
 しかし当然、放置ではいけない。俺が踏み出せなければ一向に事態は解決しないのだ。

 だから昨晩考えた。

提督「元提督……つまり女提督に会って話をする必要がある」

 勿論それを直ぐに決行できるとは毛頭思っていない。これは当面の目標だ。先ずは執務に慣れなければならないし、円滑に進める為には彼女達の中から“秘書艦”を選ばなければならない。
 軍学校では『比較的』好成績で卒業したが、あくまで実戦は違う。

「そう、秘書艦だ」


 



 1人、1人だけで良い。俺のことを信頼してくれそうな艦娘を先ず選ぶ。汚い話だが、多対1ではそもそも話にすらならない。話を聞いてもらえないのだ。

提督「だから彼女達同士の信頼関係を利用し、こちらの言葉を届ける……か」

 言葉に出すとなんとも形容しがたい背徳感のようなものが込み上げてくるが、そんな事に頓着していてはこの先が厳しい。

 では、以上を踏まえた上でこれから俺はどうすれば良いのか。

「初春型駆逐艦の4番艦、初霜。提督、失礼します」

「特型駆逐艦4番艦の深雪さまだよ! 司令官、お邪魔するぜ!」

提督「ああ、俺が新しくこの横須賀鎮守府に提督として着任する事になった者だ。宜しく頼む……ところで大井はどうした?」

 そう、俺がやるべきは彼女達の中から秘書艦を選ぶ為に、まず艦娘全員に接触をしておく事だった。しかし、大井が居ない。

 


 
初霜「すみません。大井さんは少々体調が優れない様子で……」

提督「なにっ!? それは本当か! 大井は大丈夫なのか?」

初霜「…………」

 それは大変だ。着任初日だったとはいえ艦娘の体調に目を配っていなかった自分が情けない。

提督「はやく彼女に何かしてやらねば、なにか精の出るものを食わせる? いや、まずは体温の測定と身体を冷やさないことだ、それから後は……」

深雪「え、あの人なんか司令官とは会いたくないから行かないとか言ってなかったけ?」

初霜「ーーそれはっ!」

 しまったという顔の初霜。

提督「……そう、なのか? 初霜」

初霜「…………」

 



 私……初霜は今、窮地に追い込まれているわ。

 今朝方私と深雪ちゃん、それから大井さんの3人が新任の提督に呼び出しを受けた。理由は大体想像がつく。何せ私達3人は提督が来たというのに顔も見せなかったのだから。確実に怒られるでしょう。
 と言っても私は顔出しする筈だった……いや、正しくいうならそれは全員がそうだ。
 しかし大本営から連絡があって、なんと提督は遅刻してくるという。その時点で私達が彼を待つことの強制力は消えた。

 でも私はたとえ提督が遅刻をしても、起きて待っているべきだと考えていた。しかし、その気持ちを話した時に止められたのだ。他の誰でもない、加賀さんと大井さんに。

 彼女達はこう言った。

 


 
『貴方のような子供は早く休んで明日に備えるべきだと。そうしないと最高のパフォーマンスが出来ないのだと。提督も困られるのだと』

 理路整然と“それらしく”言ってきたのだ。勿論、本当にその意味もあるのかもしれないし、提督がどんな人物か見定めてからという、私を守る為の口実なのかもしれない。

 しかし、私はその時気付いていた。

 ーーこの人達は新しい提督を歓迎していない……と。

 彼女達の目が、態度が、物腰がそう語っていたのだ。

 そして今朝、提督に呼び出しを受けた大井さんは明らかにおかしかった。昨日より遥かに、彼に対して嫌悪を剥き出しにし、最早隠す気すらないのか、こう言ってのけたのだ。

「アイツには会いたくないから放っておいて」

 あの冷えきった顔を前にしたら、命令無視はいけません。なんてとてもではないが言えなかった。しかし、彼女の言葉をそのまま提督に届ける訳にはいかない。

 



 艦娘は提督の命令を遵守する。これは当然のことで、もし歯向かうようなことがあればそれは最悪、“解体”さたっておかしくない。
 脅威的な力を持つ艦娘が反旗を翻した時、それは下手をすれば人類にとって、深海棲艦以上にタチが悪いものとなるかも知れないと、彼らは考えるだろう。

 つまり提督の人となりが分からない以上は、大井さんが解体される可能性は十分にあった。

 だかれ私は提督にこう告げたのだ。

「彼女は少々体調を崩しているのです」と。

 すると彼はすぐに彼女の心配をし始めた。だがそれはあくまで人手が足りないこの横須賀鎮守府において、仕事に支障が出るから。という理由であると考えることもできる。

 加賀さんの言葉を借りるのなら、提督が本当に困るのは、大井さんが苦しむことではなく、自身の成果が下がるからだ。

 



 そんな風には思いたくはない。思いたくはないが、実は先ほど道を行く曙さんが愚痴をこぼしていたのを聞いた。
 彼はどうやら昨日、潮さんに何やらエッチな事をしたらしいのだ。詳しくは知らないが、大井さんが荒れていたのも恐らくはそれが原因だろう。

 そして、

深雪「え、あの人なんか司令官とは会いたくないから行かないとか言ってなかったけ?」

 ーー終わった。

 深雪ちゃんには話していなかった。彼女は知らない。提督が私達艦娘にとって、“悪い人”であるかもしれないということを。

提督「……そう、なのか? 初霜」

 ーー怖い。

 私はあろうことか提督に嘘を吐いたのだ。そしてそれがバレた。そして大井さんも守れない。これは罰を受けるか、最悪解体される。

 



 勿論深雪ちゃんは悪くない。私の思慮不足が招いた、ただの自業自得だ。

 ああ、初霜はもう消えちゃうのね。

 恐怖やら不甲斐なさやらが奥底から込み上げてきて、私の目尻を濡らした。

初霜「…………」

 吃逆(きつぎゃく)を起こすように嗚咽が漏れそうになり、言葉が紡げない。表情筋が命令に背き、悔恨に咽び泣こうとする。

初霜「あぁ………ぁ…………ぁ…」

 唇は何度も言葉を紡ごうとしては、舌先を湿らせるだけにとどまっていた。

 しかし当然だが私がいつまでも返答しないでいられる程、世界は甘くはなかった。

 


 
提督「教えてくれ、初霜」

 ーーもう、おわり。

初霜「…そぅ……です……ひぃっぐ! ………もうしわ…け、ございま……せん…ぁ……でし、た……ぅぁ」

 ーーさようなら。
 彼女(女提督)の今後も知れぬまま、姉妹達にも再会できずに、私は解体されてしまうんだわ。

 
 
 
 
 
 
ごめんね皆。私はもう、皆を守れない。

 
 
 
 
 
 


 
初霜「提督、私は解体でしょう……
提督『良かったあああぁぁぁ~~~~!!』

初霜「……………………………………………………………………………………………………………………へ?」

 瞬間、訳が分からなくなる。
 大井さんは提督の命令を故意に無視し、私は提督に嘘を吐いた。それだというのに、『良かった? 』ですって?

 いったいどこをどうしたら、そんな言葉が出てくるのよ……。

 どうしてそんな、嬉しそうに……笑って…?

初霜「…………ぁ」

 そこまで考えて私は気付いた。

 



 はぁー、と胸を撫で下ろす提督。

初霜「提督、どうしてそんなに喜んでいるのですか?」

 この人は、もしかしたら……

提督「ーーん? 何言ってるんだ? 大井が風邪ひいてなかったんだから嬉しいに決まってるじゃないか。大体艦娘ってのは風邪をひきにくいんだ。もし本当に風邪をひいてたら結構重かったりするんだぞ?」

初霜「いえ、そうではなく……大井さんは命令を無視しました。そして、私は提督に嘘の報告をしたんですよ? それで何のお咎めもないんですか? 解体はされないんですか?」

 それは訴えであった。
 心にあった不安も、そして“今しがた湧いた”自分自身への怒りも、私は全てを吐いた。

提督「……え、お咎め? あ、いや特にないな。俺がまだ信頼されてないのは俺自身に問題があるし、何より君達を解体なんて絶対しないから」

初霜「ーーーー!!」

 


 
提督「あ、“そんなこと”より深雪。一応聞いておくけど、本当に大井は大丈夫だったのか?」

 ーーそんな、こと?……そんなことって、はは、ぁ、あうぐぅぅ……

深雪「……お、おぅ。ちょっと変だったけど別に体調が悪い風には見えなかったぜ。み、深雪様が保証するよ!」

提督「そうか、なら良かったよ。それでまあ、お前らを今日呼んだ理由についてなんだが……
初霜「でいどぐぅぅっ!、うだがっでごめん゛なさぃ゛ぃぃぃぃぃ!!」

提督「ーーーーっ!?」

 



 突撃。

 いきなりの強襲に “俺” は後ろに倒れそうになる。それもそのはず、初霜がよく分からない事を聞いてきたから、当たり前に答えた。それだけ。
 だというのに急に初霜が泣き出したかと思ったら、今度は俺に抱きついてきたのだ。

提督「え、え? これどういうこと?」

 俺は深雪に視線を送る。

深雪「え、いやちょっと流石の深雪様も分からねぇわ……」

提督「……だよな」

深雪「……まあでも深雪様も司令官が優しい人だってのは、分かったよ。ごめんな初霜」

提督「?????」

 よく分からないが、初霜の頭を撫でながら、この泣き声でまた誤解されないかが若干心配になった俺であった。

 


離席します。
文章ですが、この地の文の分量は読みやすさ的にはどうでしょうか? 読みにくければ少し減らしたいと思います。


レスありがとうございます。
ではこのままいきたいと思います。




提督「で、お前らを今日ここに呼んだ理由なんだが……」

 やっと泣き止んで離れてくれた初霜。何故かは分からないが、さっきまでの固まった表情が嘘のように柔らかなモノになっている。それを見る限りは、取り敢えず不味い事はしていなかったようだ。良かった。

深雪「なんだよ司令官」

提督「いや、君達10人の中から秘書艦を選ぼうと思ってたんだが……」

初霜「ひ、秘書艦!?」

 急にピンと筋をはった初霜に若干の違和感を感じるが、どうしてしまったのだろう? 緊張させてしまったのだろうか?

 


 
深雪「思ってた、ってどういうこと?」

提督「いや、選ぶにあたって取り敢えずは横須賀艦娘10人全員と、顔合わせしておきたかったんだが……」

 俺がそう零した瞬間、初霜がハッとなったように挙手をする。

初霜「ーーっ! 大井さんですね!? 今すぐ連れてきます!」

提督「え、ええ? おいちょっと待てって!」

 急に飛び出そうとした初霜をすんでのところで引き留める。

初霜「離してください。……大井さんも加賀さんも、それから他の方々も全然分かっていないんですよ。提督が優しい人だってこと! だから私が一言いって来ます!」

深雪「ま、まあ確かにそれは一理あるよーな……?」

提督「…………」

 



 いつ初霜の中で俺が優しい提督って定義付けられたんだろう……。

 疑問は山積みだが、この初霜の行動……一見してみれば当初俺が考えていた目的と一致するじゃないか。
 更に言えばどういう訳か、初霜は秘書艦にならなくても信頼関係が成り立っている……ように見える。

 ーーいや、でも……こんなやり方って……

提督「待ってくれ初霜。そんな風に誰かの口で言うだけじゃ、駄目だ。やっぱり俺が自分でなんとかするよ」

初霜「え……でもっ!」

提督「大丈夫だから。心配してくれてありがとう」

 と言いつつ初霜の頭を優しく撫でてやる。
 さっき分かったが、どうやら初霜は頭を撫でられるのが結構好きらしい。

 



 
初霜「あ、ああありがとうございますぅ……」

 ーーなんでお前がお礼言ってんだよ……

深雪「でもそれじゃあ結局大井さんはどうすんだ?」

提督「そうだな。やっぱり俺から行くしかないな」

 死なないよな? 俺。

 取り敢えず秘書艦を誰にするか決めるが、大井は結構難儀しそうだから、会う前に決めておくか?

 呼び出しを無視って流石に嫌われすぎだしな……。

 


秘書艦にすると提督が決めた艦娘を安価でお願いします。1人につき1人までです。多かった艦娘を採用します。勿論以下の11人の中からお願いします。

初霜
深雪
加賀
赤城
大井
大鯨

利根
阿武隈
大和


よろしくお願いします。


>>84 10人→11人です。ミスです。


 
 当初、俺は誰かを秘書艦にすることによって、その艦娘とある程度信頼関係を気付けたら良いなと思っていた。
 人というのはどうしてもソリが合わない相手、という訳で無ければ、大抵は同じ時間を共有し、共に協力し合うことで分かり合える。艦娘だって人だ。当然その理論が当てはまる……少なくとも俺はそう信じている。

初霜「提督! 何かあれば直ぐに“秘書艦”である、この初霜にお申し付け下さいね!」

 しかしなんとも、初霜は献身的に働こうとしてくれるな。

 おそらく根が元々真面目で、先程の謎のやり取りから一応は俺の事を信頼してくれたのだろう。

提督「……あ、ああ。これから宜しく頼む」

 



 そう、俺は初霜を秘書艦に選んだ。理由としてはさっき言ったように根が真面目なことと、俺への敵意がないこと。さらに言えば話を聞いたところ、彼女は俺が潮に何かしてしまった事を分かった上で、俺を提督だと認めてくれているらしい。

 加賀達はまだこんな子達相手に、“そんな話”をするのは野暮だと言っていた。だからてっきり初霜は潮の件を知らないものだと思っていたので、これには驚いた。

 と、そんな理由で選んだは良いものの、周囲の反応はどうだろうか。深雪は「お? 別に良いんじゃないか?」とか言ってたけど。正直加賀達には何か言われてもおかしくないよな。なにせ初霜はまだ幼いし、なにより秘書艦としての経験が皆無だし。

 はぁーと溜息を吐く俺に初霜が「肩をお揉みしましょうか?」と言ってきたが、断っておく。

 


 
提督「おまえら、今日はもう戻って良いぞ。初霜、お前が秘書艦だという事は明日公表する。それにまだ俺も横須賀については昨日の夜からの今日で、正確な指示を出すには至らない。今日はまだ休みだ。それを一応伝えておいてくれ」

深雪「ほーい」

初霜「分かりました……ですが、提督は資料を作成したりと執務があるのでは? 私に何か手伝えることは無いでしょうか?」

提督「うーん、そうだな……」

 ここまであちらから歩み寄ろうとしてくれているのだ。こういう時は何か任せた方が、相手は嬉しかったりする。

提督「じゃあ、“これ”を頼めるか? 深雪も出来れば手伝ってやってくれ」

 もしかしたら、役に立つかも知れないしな。

初霜「承知しました!」

深雪「おっけー、深雪様に任せときな!」

 

**********************

 この横須賀鎮守府は広い。一ヶ月ほど前までは“彼女(女提督)”の指揮下の元、実に200を超える艦娘が居た。その為部屋の数もまた膨大であり、その中で私こと “曙” と潮の部屋は隣であった。

 提督不在から一ヶ月間、大本営は次々に横須賀艦娘の異動を指示してきた。

 それだけ彼女(女提督)の復帰が難しいと判断されたこと。そして元々、提督になり得る人材というのは稀有であるらしい。つまり何が言いたいかと言えば、この横須賀鎮守府は提督を添える余裕が無いために廃棄される予定であった、ということだ。
 そこに“あいつ”が来た。普通なら歓迎するのが当然だろう。でも殆どの艦娘が受け入れられなかった。
 まだ1ヶ月だ。彼女(女提督)はきっと私達の元に戻ってくると。その想いが心に張り付いて中々拭えないでいたのだ。

 引っ込み思案な潮も彼女(女提督)には心を開いていたし、私だけじゃ与えられなかった幸せを潮は感じていたんだと思う。

 


 
 しかし、かくいう私はと言えばそれ程まで彼女(女提督)に固執している訳ではなかった。

 誤解しないで欲しいのだけれど、勿論信頼していなかった訳じゃない。ただ学校の教育機関に例えるなら、私にとってあの人は、そういえば先生良かったな、というぐらいの感覚だ。
 だから彼女の身体に関しては気になるが、別段拒絶する意思はなく、新しい提督が“普通”の人であれば、それで良かった。

 潮を守れれば、それで良かった。

曙「……なのにっ! あのクソ提督!!」

 初めて会った時、ちゃんと迎え入れて、挨拶をしようと思った。そしたら遅れてくるものだから、「シャキッとしなさいよ」と声を掛けるために、横須賀鎮守府の資料を持って渡しに行ってあげようとした。

 そしていざ執務室の扉の前に立った時、部屋の中から加賀さんの叱咤の声が聞こえてきた。


 

>>113
そういえば、良い先生だったな
です。ミスです。


 
 提督が1人でいると思っていた私は思わず聞き耳を立ててしまったのだ。
 中の様子は……提督が加賀さんに遅刻を叱られて、たじたじといったところだろうか。

 元々遅刻についてはしっかりして欲しいと思っていたし、それは良いのだが、少々言い過ぎというか……。

 よしっ、ここはこの私が一言いってやるか。

 落ち着け、落ち着くのよ私。

 執務室の扉を開け、中へと入る。


 ーーーー。


 



 彼は優しそうな顔をしていた。歳はまだ20代半ばぐらいだろうか、容姿は中々に整っていて軍服越しにもその肉体が鍛えられたものであることがありありと伝わってくる。

赤城「何か理由があったのではないでしょうか?」

提督「ああ、まあ一応……」

 提督は私に気付いて、その時初めて彼と目が合った。

曙「ふんっ! どうだか」

 ーーあ、あれ?

 私は内心焦った。何故か彼を目の前にして、思ってもみない言動が口をついて出たのだ。
 深層心理ではなんとやら? いや違う。これは……。


 


 
曙「ほら“クソ”提督、これ読んどきなさいよ」

 挙げ句の果てにはクソ呼ばわり……初対面の、 それも上官に対してこの態度はないでしょ、私。

 ……しかも勢い余って折角善意で持ってきた資料を提督の机の上目掛けて放ってしまった。

 あまりにも酷い、ファーストコンタクト。

 “恥ずかしさ”のあまり、居たたまれなくなった私は、

曙「それじゃあ、私ももう行くから」

 出来るだけそれを顔に出さないように、急いで執務室を飛び出した。出る時に力のコントロールが上手くいかず、少々扉をきつく閉めてしまった気がした。
 ……しかし冷静に見えて、全く冷静でなかった私はそんな事御構い無しに、直ぐに自室に向かい1人で反省会を行なった。

 


 
曙「でも、結局はそれで良かったのよ……」

 だって彼は、クソ提督は本当にクソ提督だったから。

 そっと自分の右手を見やる。初めて人を叩いてしまった。あの時、潮が涙を零し、提督の優しそうな顔は嘘なのだと分かって、潮を気付けた彼に激情を抱いた。
 勿論、潮を傷付けた事が許せなかったのはある。が……それと同時に『裏切られた』、そんな気がしたのかもしれない。

 彼の赤く腫れ上がった頬を見て、同じ様に赤くなった私の手を見て、人を叩く事は、振るった側も振るわれた側も痛いのだと知った。

 でも、今私の手は赤くない。それは彼も同じだろう。

 しかし、“潮は今も痛がっている”

 



 潮は部屋に引きこもっていた。

 そう。彼が潮に付けたのは、もしかしたら一生消えないかもしれない心の傷だったのだ。元々男嫌いだった潮がもし今回の件で、今後男性との一切の接触を断たざるを得ないとなれば、私は本当に彼を許せない。
 
 私は潮の部屋をノックする。

曙「潮、さっき深雪から連絡があったんだけどね、今日はまだ休みだって……」

 ーーーー。

 返事はない。

曙「だから、今日はあいつには会わなくて良いの。まあもし会ってまた潮に変な事してきそうになっても、私がぶっ飛ばしてあげるわ」

 ーーーー。

曙「ほ、本当よ? 知ってる? 私昨日あいつの事この手で、ぶっ叩いてやったんだからーー
 ガチャッ!

曙「ーーーーっ!!」

 そこまで言った時、今まで返事すらしなかった潮が、急に部屋を開けて私に抱きついてきた。

潮「ごめんね、曙ちゃん」

 


 
曙「え……え? 何? どうしたのよ潮?」

 意味が分からない。どうして潮が私に謝ってるの?

潮「だって曙ちゃん、誰かを叩くなんて……出来ない人…だよ。私はそれを知ってる。そんな曙ちゃんが、私……なんかの為に…手をあげるなんて」

 何を言ってるの? 確かにあの時私は初めてこの手で人を叩いたけど、そんなの別に普通でしょう? そもそも私、艦装纏って深海棲艦と戦ってるのよ? 敵だけど、誰かを傷つけるなんて私は慣れてるのよ。だから私がやった事は別に後悔でもなんでもなくて、だから昨日私があいつを殴ったからって、だから何?って感じで、だから、

 ……だからーー


 
潮「『痛かった』よね……」

 

曙「ーーーーぁ」

 その言葉を潮が口にした時、まるで心の奥底でダムが決壊したかのように、涙が溢れてきた。

 


 
曙「……がった」

潮「うん」

曙「いだがっだよぉ……」

潮「うん」

 今度は私が潮に抱き付いた。“怖かったし、痛かった”私はそんな純粋な感情を、ただ殺していただけだったのだ。
 それが潮の言葉で一気に鎖を解かれ、感情を爆発させる。

潮「よしよし……」

 一通り泣き終えて、いまだ赤い目を擦りながら私は潮に言った。

 



 
曙「まさか守ろうとしていたあんたに、慰さめられてるなんてね……」

潮「違うよ? ……曙ちゃんが何度もドア越しに声を掛けてくれたから……私は曙ちゃんに、勇気を貰ったの。やっぱり、曙ちゃんはすごいなぁ」

 そう言って嬉しそうに笑う潮に、私は心の中でありがとうと呟く。

 そして私は提案した。

曙「潮、今日休みだし、久しぶりに外出しない?」

 
***************************


 今日はここまでにします。

後ですが>>43で行なった他に登場させる艦娘というのが、多数決の体を成せていないので、今も募集中です。
1人3人までオッケーなのでよろしくお願いします。
それと同時に、このままいくとかなり長い話になりますので、コンパクトに済ませて欲しければ、1。長くて良いなら2を選んでほしいです。


御協力よろしくお願いします。


意見が綺麗に分かれているので、もう少しだけ募集します。
後、今日は用事があるので恐らく書き込めません。明日になります。

2ですね。
書き込めないと言いましたが、少しだけ更新しておきます。


 
提督「よし、大体纏められたかな」

 後はもう数分足らずで決着がつくだろう。我ながらよく頑張った。軍学校でも“比較“”成績優秀だっただけのことはあるぞ、俺。

 時刻を確認すれば、今11時を回ったところだ。

 俺はこの後の予定を確認する。

 まず、昨日曙から貰った資料の中にあった地図を参考に、訓練所へ行く。

 風呂の件はこの地図に頼りきりで取り返しのつかない事になったからな。気を付けなければならない。

ーーでもやっぱり、どう見ても “風呂” って書いてあるけどなぁ。

 といっても、訓練所に関しては流石に“そのようなこと”が起きるとは考えにくいが。
 では何故、訓練所へ向かうか。

>>142

比較→比較的 です。ミスです。


 
 この1ヶ月……いやそれ以前からこの時間帯、加賀と赤城は出撃のない日は欠かさずここで訓練をしている。ここを逃せば彼女達の居場所は疎ら(まばら)になってしまうので、出来れば抑えておきたい。

 次に大井だ。命令無視を咎める訳ではないが、しっかりと一度話をしないと事態は悪化するだけ。このままの関係では、仕事もままならない。それに彼女の精神状態もしっかりチェックしておかなければ、何かあっては後で困る。

 俺は服装を整えた後、執務室を出て訓練所へと向かう。

提督「取り敢えずはここまで。あまり一気に計画を立てても、こなせなければしょうがない」

 
 


 
 ……っと、言ったそばから計画が狂いそうになった。

 何故なら廊下の十字路で曙と潮にバッタリと会ってしまったからだ。いや……会ってしまったなどと、彼女達とのコンタクトを嘆くような自分を少し叱咤する。
 俺は声を掛けた。

提督「や、やあ……」

潮「…………ぁ」

曙「…………どうも」

 声をかけられて彼女達が俺の存在に気付くと同時、曙が物凄い形相で俺を睨み付けてきた。潮はといえば、そんな曙の陰に隠れて、俺と目を合わせようとしない。

 小刻みに震える肩を見るに、やはり俺に対して怯えているのだろう。

提督「潮、昨日は本当に申し訳ないことをしてしまった。しかし信じてほしい。決してあれはわざとではなかったのだ」

 



 俺は軍帽を脱ぎ、誠心誠意頭を下げた。目線は低く、潮が出来るだけ怖がらないように。

 それは本来上官が部下にする様な簡単な謝罪ではなかった。それは、一挙手一投足が洗練された最敬礼であった。


 腰を折ること5秒、ようやく上げた視線の先に、しかし彼女達は居なかった。

 ーーあぁ。


 頭を下げている時に聞こえた曙の“舌打ち”。

 俺は去来する喪失感に胸を焼かれながらも、そのまま軍服を被り直して訓練所へ向かった。

 


 
曙「それじゃあ、行きましょ」

潮「ーーうんっ!」

 まだ少し表情は暗いけど潮の、そして私自身の気分転換にもなると思うし、我ながらこの提案は良かったと思う。

 しかし久し振りの外出だ。元々休みという休みは彼女(女提督)の時から少なく、あまりフリーな時間を過ごした事は無かった。だからというのもあるだろうか、この1ヶ月間に渡る休みを私達は持て余していたのだ。それは何をするか分からなかったというのもあるし、もしかしたら彼女が帰ってくるのではという期待を込めて鎮守府で待っていたというのもある。

 その間に次々に艦娘が異動されて、どんどん寂しくなっていったのよね。

 



 もしあのどうしようもない“クソ提督”が来なかったから、私達も離れ離れになっていたのだろうか。その点だけでいえば、感謝するべきなのかもしれない。

 隣を歩く潮を見やる。

 ーー潮、あんたは昨日のこと、それからあいつのこと、どう思ってんの?

 気分を害す話題かもしれないが、そう私が潮に聞こうとした時だった。
 ……いや、正確に言えばそれは愚問だったと直ぐに分かったのだ。


 膝はガクガクと震え、顔色も心なしか悪い。歯茎がカチカチと震えるような音を立てている。


提督「や、やあ……」

 急に潮の様子がおかしくなったかと思ったら、“こいつ”が来たのか。

 

中途半端で申し訳ございません。
続きは明日です。

>>147
軍服→軍帽

外出するのに許可も申請もいらんの?
ってか比較的平和と言っても大施設に10人しかいないのに休み取ったり引きこもったりって軍属としてどうなのよ


>>159
外出についてはこの先で触れます。
休みを取るのは仕方がありません。むしろ司令官がいない状況で勝手に出撃してはいけません。

申し訳ありませんがこれ以上は返答いたしません。


 
 クソ提督のやつ、何をおどおどしているの? もしかしてまた何か企んでるってわけ?

曙「…………どうも」

 私は改めて心に決めた。
 絶対にこいつから潮を守ってみせると。

 背後に隠れる潮を片手を広げてクソ提督から庇う様に立ち止まる。

 ……触れているからよく分かる、潮は本当にこいつに怯えている。

 もしこのまま彼女が男性に対して恐怖心を抱いたままであったなら、この男は一体どうするつもりなのだろうか。いや、そんなこと考えるまでもないわね。

 昨日の会話、思い出すだけで腹わたが煮えくり返りそうになる。


 


**********************

加賀「あなたにとっての艦娘とは一体何?」

提督「共に戦う仲間であり、この鎮守府では家族のような存在だと思っている」

加賀「…………」

加賀「次は無いわよ。あなたにとって艦娘とは一体何?」

提督「嬉しいときは一緒に笑って、悲しい時は一緒に泣く。そうして色んな困難を共に乗り越えていく。俺にとっての君達は、そんなかけがえのない存在だ」

*********************

曙「………………」

 そう。考えるまでもない。




 ーーだってこいつは“嘘つき”なのだから。



 







 そう思った矢先のことだった。こいつは、とんでもないことをしてきたのだ。

提督「潮、昨日は本当に申し訳ないことをしてしまった。しかし信じてほしい。決してあれはわざとではなかったのだ」

曙「ーーーーっつぅ!?」

 予想外の事に私は驚いて思わず一歩退いて、踵を観葉植物の鉢にぶつけてしまった。痛みに “変な声” を上げてしまったが、今はそんなことを気にしている余裕はない。

 ーーこいつは、一体何をしているの?

 事もあろうに“提督”が、艦娘相手に軍帽を脱いで“最敬礼”をしている。

 訳が分からない。だってこいつは悪い奴で、私達をいやらしい目で見て、私欲の為に利用しようとしているはず……それにわざとじゃないって?

 ーーまさか。

 こいつは嘘を吐くためならプライドすら捨てるというの?

 



 固まったまま“提督を見下ろす”私の背後で、潮が服の袖をギュッと掴んできた。それに現実に引き戻されたわたしが振り返ると、彼女は小声でこう言ってきた。

潮「曙ちゃんお願い、今はまだ無理……」

曙「……分かった。行きましょう」

 ボソリとそう呟いて私達はクソ提督を置いていった。少しだけ、ほんの少しだけ悪い気がしないではなかったけど、こいつが本気で潮に謝罪する気があるのなら、彼女の精神状態を分かっていないはずはない。

 それに “わざとじゃない” なんて言葉がよく言えたものね。

 ーーだって資料はこの私がちゃんと渡したのだから。

 謝罪を許さない……以外の悪態をつかなかっただけマシと思って欲しい。

 既に大本営への連絡は取ってある。

 私達は横須賀鎮守府を後にした。


 


**********************


提督「あー、舌打ちとか生まれて初めてされたかも……」


 ーー流石に心が痛いな。





 
 俺が提督になると決めたのは、今から3年程前のことだった。

 元々家が途轍もなく裕福だった俺は、何不自由なく暮らしていた。

 10年程前からだ。
 深海棲艦だのなんだのと世間は騒いでいたが、俺の周りはまるで何事もないかのように時間が流れる。俺自身も無知でその出来事をまるで違う世界で起こっているかのように、楽観視していた。

 しかし、ある日俺は知ったのだ。

 



 その日は丁度俺の20になる誕生日だった。
 父親の会社を継ぐ事が当たり前のように決まっており、俺もまたそれを受け入れ、将来は明るかった。
 その時海外で仕事をしていた叔父も、俺の誕生日だから帰ってくる。彼はどんなに忙しくてもそうだった。そういう人だったのだ。

 ……その“予定”だった。

 俺は小さい頃から叔父がとても好きだった。
 叔父は海外を飛び回っており、会う機会はあまりなかったが、彼は家に帰ってくるたびに俺に土産をくれたり、話をしてくれた。
 時に叔父が持ってきたワインを間違えて飲み、目を回しながら昏倒したこともあった。彼の話す、与えてくれる何もかもが、俺には新鮮だったのだ。

 その日も、俺は叔父が帰ってくるのがとても楽しみだった。

 子供かと思われても仕方ないかもしれないが、どうしても言ってやりたかったのだ、やっと酒が飲める歳になったんだ……と。

 



 ……しかし叔父が帰ることはなかった。

 原因は船の沈没。それも“深海棲艦によるもの”だった。それは全くの無警戒。今まで出現したことのない海域でのことだったらしい。

 俺は泣いた。

 それこそ誕生日なんてめでたくない、その日は俺の人生の中で最も最悪の日であった。

 それからだった、俺が約束された将来を蹴ってまで“この仕事”を目指したのは。
 しかしそれは別に復讐心からというわけではない。俺はただ純粋に救いたかったのだ。これ以上叔父のような犠牲者が出ないように、人々が安心して暮らせるように。


 



 
 そして提督になる条件の内、最も重要視されるのは“妖精”が見えることだった。妖精の協力無くして艦娘を建造することは無理。言わばそれは適正のようなもの。

 最初は提督ではなく、大本営で直接働くつもりだったのだが丁度1週間前、俺は妖精が見えることに気がついた。

 その時初めて艦娘を見たのだが、あろうことかその装備の上で“小人”が寝そべっていたのだ。俺は思わず指を差し、「あっ」と呟いた。

 その後すぐに話が進んでいき、あっという間に俺は横須賀鎮守府の提督として着任することになったのだ。



 しかしまだ、俺はこの横須賀鎮守府で妖精を“見たことがない”


 



 これはまだこの横須賀鎮守府が鎮守府として機能していない、ということが原因だ……多分。

 妖精自体の容姿が小さい艦娘の様なので、一応“彼女”達と呼ぶことにするが、彼女達に関しては一体どこから生まれてくるのか、また生態についても全く知られていない。だから一概に何が原因かは分からないのだ。

提督「……分からないことはまだまだあるし、つまづくことも、そうやって耐え切れなくなる時だってあるかもしれない」


 ーーだけど、


提督「だけど諦めない。艦娘達なんか身体を張って国民を守ろうとしてくれているんだ。それに比べたら、俺なんて大して危険にも晒されていないし、何より今は俺が司令官なのだ。弱音を吐くわけにはいかない」


 俺は訓練場の戸を開けた。

 



**********************

 静寂が支配する中、ただそこには、ほっしりと一定の周期でもって響いていました。

 それは紛れも無い弓術。

 弾かれた5本の矢はいずれも的の真ん中を射ています。しかし、彼女にとってこれは不調以外の何物でもありませんでした。


 私ーー赤城は彼女に問いました。



赤城「加賀さん、今日は少し乱れていますね……昨日の、いえ提督の事でしょうか?」

 3cm。
 常時の彼女であれば中白に隣接した矢の距離は1cmを切ります。それが今日はその3倍です。“彼女にとって”これを不調と言わずしてなんというのでしょう。

 

頭を下げて敬礼で謝るって意味不明なんだけど……
敬礼って謝意を表すものじゃないし、頭を下げても最大45度だから深く下げてるわけでもないし……

>>177
すいませんマジでミスです。無知でした。
謝罪は70度ですし、最敬礼でもないですね。これは本当に申し訳ございませんでした。


 
加賀「ごめんなさい……」

 それだけ。彼女は私の問いに半分だけ答えました。ですが、私にはそれで分かりました。

赤城「稽古に私情は挟まないこと。……3本」

加賀「はい!」

 心頭滅却。その達人級の業は心の乱れを鋭敏に感じ取り、途端に錆びてその鋭さを失います。

加賀「…………」

 加賀さんは1本2本と、見事完璧にど真ん中を射抜いて見せました。


 ーーやはり、流石は加賀さんです。


 



 しかし、続く3本目を射るその瞬間でした。

 微かに床の軋む音。

赤城「……誰かいるのって、ーーっ提督!?」

加賀「ーーーーなっ!?」

 加賀さんの放った3本目は的を大きく外れ、明後日の方向へと飛んでいきました。

 まあ、それは今回限りは仕方ないことにしておきます。何故ならそこには紛れもない、道場へと立礼をしている提督が居たのですから。

 


 
 ズカズカと入ってこない辺り、やはり彼は“弁えている”、そう私は思いました。

加賀「何の用? 私を咎めにきたの?」

赤城「いえ、そうではなさそうです。そもそも咎めに来た方が、この様に丁寧に道場へ敬意を払うでしょうか。そうですよね、提督?」


 もし本当に加賀さんを罰しに来たのなら、提督自ら出向かれるのではなく十中八九呼び出しでしょう。


提督「ああ、勿論だ。昨日の件は全く関係ない」

 


 
加賀「じゃあ何? こんなところで油を売っていて良いのかしら? 執務は放棄?」

赤城「加賀さん、そんな言い方! 提督は昨日の夜来られたばかりなのですよ? それであの膨大な量の執務作業、少しぐらい休憩を取ってもーー

提督「いや、執務ならもうほぼ終わった」

加賀赤城「「ーーーーっはい?」」

 私と加賀さんの声が重なった。

 いや、それも当然……

 ーーというか今のは私の聞き間違いですよね?

 思わず加賀さんの方へ顔を向けると、そこには今全く私と同じ顔をしている彼女が居ました。

 


 
提督「ん? どうした2人とも?」

加賀「いえ、今貴方の口から執務が終わったなどという妄言が聞こえた様に思えたのだけれど、聞き間違いよね?」

提督「いや、終わってはない」

赤城「で、ですよね!」

 流石にそれは人間技ではない。提督はまだ秘書艦すら居ないし、居たとしても正午にもいかぬうちに終わるはずは無い。

提督「いやまあ、後は数枚纏めるだけだから10分ぐらいで終わるかな?」

 …………。

 訪れた沈黙に提督は疑問符を浮かべています。

 そして私達は顔を見合わせたまま固まってしまいました。

 





 言わば着任初日。出撃がないとはいえ少し見かけましたが、あの量は“エグい”と流石に思いました。

 それは下手をすれば普通に鎮守府として機能してからより多く、実の事を言えば、私はお昼から提督を手伝いに行こうと思っていました。
 提督は若く、初めての執務であの量では、簡単に日を跨いでしまうと思ったからです。

赤城「提督はその、本当に大丈夫なのですね?」

加賀「正直信じられないのだけど……」

提督「???」

 駄目です。提督はずっと意味が分からないといったご様子。きっと終わったと勘違いされているのでしょう。これは後で私が確認しておかないと……。
 加賀さんの方を見ると、ああ。これはもう呆れている顔ですね。

 私はおほんっと咳払いした後、

赤城「……ところで、提督は一体どの様な御用件で?」

提督「ああ、それなんだが」

赤城「ーーーー?」

提督「お前らちょっと俺と勝負しないか?」

 

今日はこれで終わります。

最敬礼の件、本当に申し訳ございませんでした。自分としては土下座を除く、“最大の謝罪”という意味合いで使っておりました。

駄文でまだまだ未熟ですが、どうかこれからもお付き合い下さい。


 
************************

 
「元帥殿、艦娘の外出願いが出ておりますが」

 私は憲兵隊一部の部隊の指揮を預からせて頂いている者です。
 此度は電話応答から引き継ぎ、元帥殿へと知らせるよう仰せつかっております。

元帥「外出願い? そんなもの、その鎮守府の提督に申せば良かろう?」

「いえそれが……例の横須賀鎮守府でして……」

 ーーというか直接的に此処へ掛けてくるなど、“あの鎮守府”以外にあるものか。


 


 
元帥「あー、成る程。しかしおかしいな。あそこには昨日づけで“彼”が着任したはずなのだが……」

「例の“彼”ですか……しかしあそこに残った艦娘は僅か11人。提督への連絡が混む事も無い。もしかして彼は信頼されていないのでは?」

元帥「ふむ……いやまさか彼に限ってそんな事はないだろう」


 ーー彼。


 軍の上層部に就く事の絶対条件として、有り体に言えば三つの要素、心・技・体が挙げられる。
 
 しかしそんなものは軍学校を卒業すれば大抵身に付いているし、そこからどう精進していくか、どう自分を上司に売り込むか、そこが鍵だ。


 



 しかしこと提督になる絶対条件においては、ここに『妖精が見える』というものが付いてくる。

 私は見たことが無いので分からないが、妖精は自分を見つけてくれる人間に協力してくれるらしい。要は妖精に好かれれば好かれるほどに、仕事は円滑に進む傾向にある。

 一説に、『妖精はその艦娘と一心同体である』というのがある。故に艦娘が提督を信頼していれば、その妖精もまた提督を信頼する。

「彼が信頼されていないということは、その妖精と“ケンカ”でもしましたかね?」

 私の言葉に、元帥殿が笑う。

元帥「ハッハッハ、まあ妖精とケンカなど後にも先にも“彼しか”出来ないだろうな」

「そうですね……」

 



 なにせ横須賀鎮守府に新しく着任した彼は、なんと妖精と“話せる”らしいのだ。

 こんな人間は聞いたことがない。他の鎮守府の提督は、勿論妖精が見えるものの、言語難により正確な意思疎通は出来ない。が、彼は事もあろうにそんな妖精と、“談笑”したことがあるらしい。

 艦娘を連れた提督がその様子を目撃しているので間違いない。

 確かに、それが嘘の類でなければ稀有の中の稀有。提督に抜擢しない手はないのかもしれない。

「ですが、いくら妖精と会話が出来る力があったとはいえ、やはり他が伴っていなければ提督は務まりませんよ。聞くところによれば彼の成績は『中の上』、提督として多くの艦娘を纏めるならば、せめて上位15%以内には食い込んでもらわないと……」

 言いかけて、ハッと気付いた。この発言は、元帥殿の決定に文句をつけているも同然。一介の部隊長に過ぎない私にはあまりにも僭越すぎた。

 


 
「も、申し訳ございません! 私は元帥殿の御決断を何よりも尊……

元帥「ーーいや、まあそれなんだが」

「ーーーー?」

 ど、どうしたと言うのだろうか。ま、まさか今の失言がそのまま私の失職になるというのか!? そんな、あんまりだ。

元帥「彼、全部満点なんだよね」


「…………はい?」


元帥「いや、実技筆記面接に至るまで、彼は文句無しの満点。いわゆる“天才”だ」

「え、いやでも成績は確かに『中の上』と報告されていましたし、彼にもそう伝えた筈なのですが……」


 


 
元帥「点数なんてものは本人には言わないさ、渡す物はあくまで“決められたルールの中で”付けられた評価のみ」

「……と、申しますと?」

元帥「訓練で根を上げそうになった仲間の荷物を代わりに持ってタイムを遅くしたり、災害に見舞われた土地に飛んで座学に遅れてきたり……色々とね」

「それで、最終的に与える評価が下がったという訳ですか!? 考慮の余地は……」

元帥「いや、そういう決まりなので下がるのは当然だ。我々は戦いを強いられる。時には“非情さ”も必要。彼にはそれが欠けている。全ての実を拾うことなど出来ないのだ。そういう意味では、彼へのこの評価は正当とも言える」


 



「…………」

 成る程、最もだ。綺麗事だけではやっていけないし、荷物を代わりに持った行為は、持たれた側からすれば極論だが、テストで解答用紙を見せたような物……

「その事を、彼は知っているのでしょうか?」

元帥「まあ、知らないだろうね。だけど、彼にそうやって救われてきた人達は少なくない」

「…………はい」

元帥「情けは人の為ならず。そういうものは得てしていつか返ってきてくれるものだ」

「勉強になります」

 出来れば彼が、安寧に暮らせますように……


 


すいません、赤城と加賀と勝負するネタなのですがこれは内容に関してはストーリー進行にほぼ影響が無いので、安価させて頂きます。

ランダム採用です。

1人3つまで勝負する内容お願いいたします。

え?話の流れ的に考えたら弓勝負だと思ったのに違うの!?


>>208さん
違うくても良いかなと。


安価下3まで、勝負する内容1人3つまで、お願いいたします。

 


将棋、猫の前に干し肉
採用いたします。

あと一つは?
下2で。(卑猥なものだったり実現不可能な場合はさらに下1)


承知しました。短いですが今日はここまでとします。
明日時間があればですが大量に進みます。それでは。


 
提督加賀「「よろしくお願いします」」

 私、赤城は今お二人の“勝負”に立ち会っています。提督が勝負をしないかと提案してきたのには少々驚きましたが、加賀さんはこれを呑みました。

 意外……と思われるかもしれませんが、それはひとえに“条件”の存在が大きかったのでしょう。

提督『この勝負にもし俺が負けた場合、上官を殴った件は不問、さらに指揮の最高決定権をお前に譲渡しても良い』

 ーー破格。

 最高決定権ということは、もし提督の指揮に不満があった場合、最終的にはその指揮を破棄することも可能ということ。それは正しく今の加賀さんが欲しているもの。

提督『その代わり俺が勝ったら、俺をちゃんと提督として認め、お前らはしっかり俺の指揮に従うこと』


 


 
 そう。それは私達にとって、メリットこそあれ、“デメリットが殆どない”提案でした。何故なら提督の指揮に従うのは、こんな勝負以前に“当たり前”だからです。

 加賀さんも昨日はカッとなって提督に手をあげたものの、指揮に従わないような素振りはあくまで形だけ。気持ちはそうでも、それを周囲(大本営)が認める筈もない。

 ゆえに結局のところ提督という立場の人間の意見は、艦娘にとって絶対的な強制力を持っているのです。
 悪態はつけど、提督に刃向えば自分がどうなってしまうのかを、しっかりと理解していますから。

 そういう意味では、加賀さんの昨日の行動は感情に任せた愚かな行為だったと言えるでしょう。

 加賀さんはこの提督の条件を聞いた瞬間、明らかに闘志を剥き出しにしていました。その目は彼女の言葉を借りるなら、「ここは譲れません」と言いたげでした。

 


 
赤城「手番は振り駒により加賀さんから。それでは始めます」

 そう。勝負は幾つか行う。そのうち第一回戦は『将棋』。将棋はいわば戦争のシミュレーション。お互いが同等の兵力で持って、戦略をぶつけ合う勝負です。

 提督がこの種目を選んだ理由、それは暗に私達へ伝えようとしているのでしょう、「俺の戦略はどうだ?」と。

加賀「(それを真っ向から叩き潰す……)」

 2人は共に居飛車、それに加賀さんは手早く舟囲い?……急戦でしょうか?
 対して提督は矢倉囲い。スタンダードにいくならここからは3-7銀戦法ですかね。


 と、最初に手を止めたのは提督でした。

 


 
提督「俺に将棋を教えてくれたのは、俺の爺ちゃんでさ」

加賀「ーーーー」

 提督のお爺さん?

提督「俺は昔っから合理主義みたいなところがあって、爺ちゃんはその反対でバカばっかやってたからさ」

加賀「…………それで?」

 加賀さんも私も、急に話し出した提督の話に一時耳を傾けます。私はともかく、加賀さんも興味があったのでしょう、彼という人物をつかむ情報に……

提督「俺絶対将棋やっても勝てるだろって思ってたんだけど、あっさり負けてさ。……最後まで勝てなかったな」

加賀「貴方のお爺様がどれぐらい凄い人なのかは分からないけれど、それは貴方の指揮力が無いことを吐露しているように聞こえるのだけど?」

 



 勿論一口に将棋に負けたからといって、それだけで提督に指揮力が無いとまでは言わないでしょうが、あくまで指標として。“そういう意図”で彼が設定したのなら、尚更でしょう。

提督「ああ。でもあん時爺ちゃんが言ってたことが、3年経ってようやく分かってきたんだ」

加賀「それは一体?」

提督「定石ばかりじゃダメってこと。型にとらわれ過ぎるのは、結局その型を作った人間以上にはなれない」

加賀赤城「「ーーーーッ!!」」

 そう言って提督が打った手は、とんでもないものでした。

加賀「あなた、それは一手損……」

 一手損角換わり。
 後手の角がわりで一手損。しかし、近年ではまあ見るようになった……が、ほぼ確実に矢倉を形成するかにみえたその戦略を急変させたのだ。

 


 
 たちまち提督の手は無定形へと変わってしまいました。

 それは序盤も序盤での出来事。

 しかし、思えばここからすでに加賀さん、そして私は提督の術中にハマっていたのかもしれません。

 持ち時間20分としたこの勝負。気付けば加賀さんの残りタイムは2分を切り、提督はなんと15分以上を残していました。

加賀「ーーーーっく……」

 加賀さんが塾考し、やっとの思いで打った手も、提督が即座に打ち返し、また加賀さんの塾考が始まる。

 これを6度程繰り返し、

加賀「……参りました」

 



 ーー詰み。

 加賀さんは潔く提督に頭を下げました。

 この勝負、決して加賀さんが弱かったわけではありません。寧ろ、確か加賀さんは相当将棋が強かったはず……その強さを一切感じさせずに、提督は彼女を倒してしまいました。

 まるで、その辺の雑兵のように……

 暫し加賀さんが目を閉じたままジッとしていましたが、彼女は一呼吸おいて意を決したように

加賀「……次の勝負は何?」

 ーー加賀さん、やる気満々ですね……。

提督「なんだ加賀、お前結構負けず嫌いなんだな」

加賀「当たり前よ。貴方のような人になら尚更ね。……将棋には負けたけれど、次は絶対に勝つわ」

 余程悔しかったのでしょう、加賀さんの瞳に強い意志が見えます。

赤城「それで提督、次の勝負は」

 加賀さんのような動機ではありませんが、私もこの勝負には少し興味があります。先程の提督の手腕、並みのそれではありませんでした。

 勿論、ただ単に将棋が上手かっただけという可能性も否定は出来ませんが……

提督「そうだな、次は赤城も参加してもらおうか」

赤城「ーーーーへ?」

 


 
*********************


 所変わって食堂へ。

 前までは間宮さんがいらした食事処も寂しく、ここ最近は大鯨さんが料理を作ってくれています。

 しかし、おかしいですね。いつもなら大鯨さんがいらっしゃる筈なのですが、何か都合が合わなかったのでしょうか?

提督「そろそろ腹も減ってきたとこだし、次の勝負、こんなのはどうだ?」

加賀赤城「「…………?」」

 そう言って提督はカウンターの奥へ入って行ったかと思うと、ガラガラと大きいカートを引いて戻ってきました。

加賀「こ、これは……」

赤城「ーーーーっまあ!?」

 



 そこにはとても美味しそうなショートケーキの山が……。

赤城「流石に気分が高揚します」

加賀「赤城さん……」

 加賀さんがジト目を向けてきましたが、最早それに構ってはいられません。だって、だって目の前に宝の山があるのですから!

赤城「提督、これは一体どうなされたんですか? それも普通のショートケーキには見えません!」

提督「ご明察。このショートケーキは某有名ケーキ専門店の、まあ所謂高級なやつだ。今朝早くに頼んでおいたんだよ。まあお前らが勝負を受ける受けないどちらにせよ、消費はできるしな」

 ーーあの、ショートケーキが一個1000円近くするという超有名専門店の!?

 ああ、いけない。思わず口から何やら液体が……

 



 加賀「そんな高価な物どうやって……っ! ま、まさか貴方、鎮守府の運営経費から!?」

赤城「ーーーーッ!」

 そう加賀さんが言った瞬間、一気に温度が冷えた気がしました。

 ケーキは全部で軽く100個はくだらない。単純計算で10万円、決して安い額ではありません。
そもそもこの様な個人の争いに経費を割くなどもってのほか。

 ーーこれは早急に対処しないと……

赤城「ていと……
提督「あ、いや。これはポケットマネーだ」

加賀赤城「「…………はい?」」


 What is Pocket Money? (ポケットマネーって何?)

 



 驚きのあまり思わず金剛さんの真似をしてしまいました。

 隣で加賀さんも私と同じ様な反応をしています。

赤城「えっと……つまりこれは提督の自腹、ということでしょうか?」

提督「ああ、まあウチは多少裕福な家庭でね……」

赤城「多少……」

 少なくともこの様な使い方が出来るほどには、お金持ちということでしょうか。それは世間一般的には多少、ではなく“かなり”、の部類に入りそうですが……

提督「で、多分察しているかもしれないが今回の勝負はケーキ早食い対決だ」


 


 
*********************

 時刻は12時を少し過ぎたところ。普段なら昼食の時間でお腹も空いてきたというもの。

 しかし、私(赤城)としては提督の前であまりバカバカと食べるというのは、なんともはしたない気がします。

 ただこの時ばかりはこれが勝負なので、仕方がありません。


赤城「おいしぃ、ですねぇ~!(もぐもぐ)」


 ……仕方がないことなのです。

 


 
提督「お、赤城は流石の食いっぷりだな」

加賀「そういう貴方はどうしたのですか? もう限界ですか?」

 設けられた制限時間は8分。現在3分が経ち、私こと “加賀” が9皿、赤城さん8皿、そして提督が6皿という状況、平均ペースは1皿約22秒といったところ。

提督「馬鹿言うな、まだまだいけるさ」

加賀「ふっ、どうやら戦う種目を誤ったようね」

 自分で言うのもなんだが、私と赤城さんはかなりの大食漢だ。正直いってこの8分間手を休めることなく食べ続けられる自信がある。

 対して彼はどうだ、男で身長は高く中々に鍛え上げられた肉体をしているが、所詮それだけ。

 その証拠に、既に私と比べて3皿分の差がある。

 大食いではなく“早食い”にしたとはいえ、彼に勝機があるようには……

 
 


 
提督「うん、結構美味いな。……じゃあそろそろ、“飛ばすか”」

加賀「ーーーーッ!?」

 そう提督が零したかと思うと、彼は今までとは比較にならない程のスピードでケーキを口へとかきこんでいった。

 ーーま、まさか今までは早食いをしていた訳ではなく、“味わって食べていた” とでも言うの!?

赤城「おいひぃ~ですぅ(もぐもぐ)」

加賀「ここは譲れません!」

 早食いというのは大食いと違い、ペース配分が一定であれば逆転というものが起こりにくい。

 ーーだからここで抜かれる訳にはいかない!

 



 
 そこからは激戦だった。

 私と提督は一進一退、残り1分30秒を切ったところで私と提督が共に26皿、赤城さんが20皿となった。つまり差はない。
 彼の胃袋がまだ根を上げていないと言うのなら、ここから先は一歩も引くことは出来ない。

提督「うおおおおおお!!」

加賀「ラストスパート……行きます!」

 正直言ってこれ以上のペース上げはきついが、勝ちたいという一心で自分に喝を入れた。



 その時だった。


 


 
赤城「…………ラスト?」

提督加賀「ーーーー?」

 赤城さんが何やらボソリと呟いた。しかし手を休める訳にはいかないのでそちらを振り向くことは出来ない。

しかし次に聞いた彼女の言葉で、私は理解してしまった。


ーー“怪物”が動き出したことを。


赤城「ラスト? ……ラストって、







……もう食べられないってことですか?」





 



 瞬間、辺りの空気の流れが変わった。

 私は手を、口を、呼吸が止めた。

 ーー否、“止められた”

 真横から襲い来る途轍もないプレシャーに、身体を拘束されてしまったのだ。

 しかしそれは幸い首位争いには影響しなかった。それはなぜか? 提督も私と同じように固まっていたからだ。

提督加賀「「…………」」

 食べる……というよりは吸う感覚だろうか、おそらく掃除機に近い。そして噛むというよりは飲み込まれるという表現が正しいように思える。そう、まるでブラックホールのような。


赤城「ーーヅッーーッーーヅッーーヅッーーッ」


 


>>262
私は手を、口を、呼吸が止めた →ミス
私は手を、口を、呼吸を止めた→◯


 
赤城「ーーヅッーーッーーヅッーーヅッーーッ」

 それは咀嚼音……というには些か質素な音であった。

 永遠に空気を吸い込み続ける音。

 無声音で表すなら字面に濁音が混ざったような……。これは一体 “何を” 食べている音だろうか。

 私はしばらく考えた。隣を見やれば、どうやら提督も考えているようだ。

 ーーあ。

 そして思い付いたのだ。


 そうだ、これは “麺類だ”、と。



 ーー赤城さんは今、 “麺類を食べている” のだ、と。



 



 納得した私と提督はお互いに顔を見合わせて頷きあった。

 ーー良かった。どうやら麺類という見解で合っているようだ。



 1分程、私と提督は拘束されているかのように動かなかったというのに、食器の触れ合う音がやけに顕著になったかと思うと、ラスト20秒を切ったところで突然ピタリと止んだ。

加賀「…………」

 赤城さんはとても満足そうな笑顔を浮かべながら、今しがた食べ終えた1枚の皿を自身の皿の山へと積んだ。

赤城「ごちそうさま」

 それが最後の音だった。

 それ以降、音が鳴ることはなかったのだ。


 そして何故か、ショートケーキは全て消滅していた。


 不思議な事もあるものだと、私と提督はハハハと無機質に笑い合った。


 


今日はここまでとします。
正直将棋の下り自身が無いので言っていることがおかしいと指摘されても返信できません。申し訳ございません。


艦娘一人三人までの件ですが、まだまだ募集していますのでよろしくお願いします。一度答えて下さった方々も、もう一度安価して頂いて大丈夫です。

それではよろしくお願いいたします。
注意 多数決形式です。

 


 
 赤城です。


 その後も私達は色々と勝負をしました。


 ババ抜き、ポーカー、50メートル走、花札、テニス、卓球、福笑い、マリオカートなど。


 実に様々な勝負をしましたが、結局早食い勝負以外は全て提督の勝利でした。


 正直この結果は信じられません。


 提督は一体何者なのでしょうか? その手腕は最早超人の域に達しているようにすら見えました。その癖全くもって自分の実力を肯定しないのですから、謙虚が過ぎて逆に嫌味に聞こえてしまいそうです。

 


 
提督「ふぅー、疲れたー。さて……そろそろお開きにするか」


 しかし、提督が伝えようとてきた事はもう既に充分私達に伝わっているはずです。


加賀「待ちなさい! まだ、まだ終わってないわよ……“提督”」


 だって加賀さんがしっかり彼のことを “提督” と、そう呼んでいるのですもの。


 それだけ彼の技量という物を再三見せられてきたという訳です。勿論実戦になった時にどうなるかは不明ですが、既に“この勝負”において彼の勝利は確定されています。


 その結果勝負の “条件” を、加賀さんはすんなりと受け入れました。

 


 
提督『その代わり俺が勝ったら、俺をちゃんと提督として認め、お前らはしっかり俺の指揮に従うこと』

 
 やけに潔い……と思われるかもしれませんが、加賀さんも、そして私も。ここまで彼と勝負をしてきて、もう薄々分かってしまったのだと思います。



 ーー彼が決して悪い人ではないという事を。



加賀「これだけ勝負してきてまだ私がただの一度も勝てないなんて、そんな馬鹿なことあり得ないわ。もう一戦、もう一戦だけやりましょう!」


 それでもここまで彼女が追い縋ろうとするのは、ただ単純に彼女が負けず嫌いだからでしょう。


 彼に……“提督”に一矢報いてやりたい。そういう気持ちなのだと思います。

 


 
提督「分かった分かった、じゃあ次がラストな。赤城はどうする?」


赤城「あ、いえ。私は遠慮させて頂きます。最後は提督と加賀さんの一騎打ちという形でお願いします」


提督「ーーそうか」


赤城「こう見えても私は一回勝ちましたからね!」


加賀「くっ、私もせめて一勝ぐらいは……」


 最期に加賀さんの悔しそうな顔を見たところで、私は満足しました。


 ーーそれにとても “楽しかった” です。ありがとうございました、提督。


 もしかしたら彼は、別に自分の力を見せ付けにきた訳でも、条件で私達を従わせるつもりも無かったのかもしれない。

 


 
 ただ彼は私達と “遊び” に来たのかもしれない。そうやって仲良くなろうと、彼から歩み寄って来てくれただけなのかもしれない。


 というか、彼の様子から多分そうだろう。








加賀「ーーーーあ」


提督「…………お」


加賀「やっと……やっと勝てました! 流石に気分が高揚します!」





 どうやら最後の勝負は加賀さんの勝利に終わった様です。あのクールな彼女がガッツポーズまでしながら無邪気に笑っています。


 ーーあんな加賀さん、彼女(女提督)の時にも見た事ないかもしれません。


加賀「ありがとう。貴方のお陰よ」


猫「ニャー?」


提督「ははは、参ったな!」


赤城「お二人は一体何の勝負をしていたのですか?」


 あの提督を倒すなんて、一筋縄ではいかないはず。というかやけに決着が早かった気がしますが。

 



加賀「猫の前に2つの干し肉を置いて、どちらが先に食べてもらえるかという勝負よ!」


 私が勝ったんだから! みたいな感じでドヤ顔を向ける加賀さん。


 ーーえぇ、なんて斬新な勝負……。でも確かにそれなら決着は早そうですね。


提督「なんだ赤城、見てなかったのか? 凄い面白かったんだぞ?」


赤城「え、本当ですか?」


 何があったのでしょう、気になります。


提督「ああ。猫もどっちの肉食べるかやっぱり迷っててさ……そしたら急に加賀が猫の鳴き真似とかし出したんだぞ」


赤城「ふふっ、そんな事があったんですね!」


加賀「ーーちょ、ちょっと赤城さん!?」

 



 私が笑いかけるとあの加賀さんが顔を真っ赤にして恥ずかしがってくれました。かわいいです。


提督「そんなんで来る訳ないだろって笑ったら、加賀が黙ってなさいって怒って、また鳴き真似して。……でも本当に来たんだからビックリだよな」


赤城「良かったですね! 加賀さん」


加賀「こ、この子が私の心を感じ取ってくれたのよ」


猫「ーーにゃ?」


 そう言って加賀さんは私達に顔を見られない様にしながら猫を放してあげました。

 



提督「まあ確かに、あの猫の鳴き真似は中々だったぞ?」


赤城「私も聞きたいです! 加賀さんがニャーって言ってるところ!」


加賀「い、嫌よ! 断固拒否するわ」


 自然と3人に笑みがこぼれる。


 それは昨日の張り詰めたあの空気からは想像も付かなかった、とても優しくて温かい光景でした。

 


 
提督「……“楽しかった”か?」


 不意に提督が加賀さんにそう問いかけました。


 ーーああ、やっぱりこの人は。


 提督は今までの余裕振りが嘘のように、とても不安そうな顔をしています。


 不覚にも、可愛いなと思ってしまいました。


加賀「……えぇ、まあまあね。機会があればまたやりましょう?」


提督「ーーーーっ! ああ」

 



 加賀さんの言葉を聞いて提督はとても嬉しそうです。加賀さんももっと素直に言ってさしあげれば、提督ももっと喜びそうですが。


 まあ彼女はその辺が少し固いところがありますし、なにより恥ずかしがり屋さんですからね。私がちゃんと後で伝えておきますね。“私も”とっても楽しかったです、と。




 そう……提督はまともでした。それは演技だとかそういう類のモノではないと思います。


 もちろん彼の技量なら難なく私達を騙せるかもしれませんが、一緒に時間を過ごして思ったのです。


 何故かは分かりません……騙されているかもしれませんがどうしてか根源的な部分から、彼は善人である気がしてならないのです。


 私は彼を信じたいと、そう思っているのです。


 だから一つだけ、解せないことがあります。

 



 本当に“そうだったとして”、どうして提督は初日に大遅刻し、あまつさえ潮ちゃんを覗く様な真似をしたのでしょう?


 それだけが、私の中で……恐らく加賀さんの中でも引っかかっていました。


提督「なあ、一つ聞いて良いか?」


加賀赤城「「…………?」」


提督「結構疲れたしひとっ風呂浴びたいんだが、提督用の風呂って見た感じ無いんだけど。どうしたらいいんだ?」


赤城加賀「「ーーーーは?」」

 



 私と加賀さんの声が重なりました。いえ、それも当然のことなのです。


 だってーー


提督「あ、いや。前任の提督は女だったから入渠用の浴槽でも良かったのかも知れないけど……


赤城「いえ、提督用のお風呂でしたら普通にありますが……」


提督「ーーーーえぇ!?」


加賀「ちょっとそれ見せなさい」


 そう言って加賀さんは提督の持っていた“地図”を、手に取りました。


加賀「ーーーーこれはっ!?」

 


 
赤城「どうしたんですか加賀さーーッ!?」


 言いかけて、しかしそれ以上先を私は話せませんでした。理由は提督が持っていた、その“地図”なるものを見たからです。


 ーーそんな馬鹿なことが。


提督「……どうしたんだ2人とも?」


 これが驚かずにいられますか。


 提督が持っていたその “地図” には、入渠用の浴槽の所にしっかりと『風呂』と記載されており、逆にまるで出鱈目な場所に、入渠用の浴槽が記載されていたのです……。


 ーーこんなもの、提督が “間違えて当然” だ。


加賀「……この地図、誰から受け取ったの?」


提督「ーーえ、“曙”だが?」


 ーーああ、加賀さん……


 それを聴いた瞬間、加賀さんは提督に土下座をしていました。

 

今日はここまでとします。
更新を焦るあまり、文章がかなり雑になってしまったと思います。申し訳ございませんでした。

現状の追加艦娘

愛宕2票
鳳翔2票
北上
瑞鶴
不知火2票
叢雲
陽炎
黒潮
満潮

摩耶
陸奥
由良
子日
若葉
雪風

という状況で、全員は出しませんが基本的に票が多く入っている艦娘を優先的に出します。
まだその時ではありませんので、その時がくるまでは安価は取り続けたいと思います。1人3人までお願い致します。

賭けの景品として最高指揮権を持ってきてる時点でちょっとね。
本人負ける気が無かったって事だよね。
「艦娘ごときに自分が負けるはずない」と見越して勝負したって事だよね。
この自信満々っぷりが元帥の「本人は自分の優秀さを知らない」って発言と食い違うんだよね。
赤城の言ってる「自分の実力を肯定しない」って発言とも食い違うよね。

いや俺は「本人に自覚はないけど実は他人を見下しまくってて性根が腐ってる優秀な主人公」ってが好きだからな?

つまり軍事行動の指揮権について重要と考えてなかったって事?
戦争なんだから艦娘個人が嫌がってたとしても指揮権強行しないと「他の仲間が轟沈する」って状況が発生する可能性があるんだけど、その辺を重要視しないってことは艦娘の命を軽く見てるって事だよね?
いいじゃん、それ。

仮に加賀が勝って最高指揮権を得たとする。
その状況で作戦が失敗し仲間の艦娘が轟沈したら、どうなるかな。

まずその重責は対外的な責任者である提督に来るよね。
けど心境的には「加賀が最高指揮権持ってるからなあ、俺だけが悪いんじゃないよなあ」って考えが頭に浮かんで随分気が楽になるんじゃない?

それと逆に加賀にかかる心理的重圧は凄まじいよね。
例え口約束だったとしても、彼女には作戦に口出しする権限が与えられてたんだから。
実戦での重責だけじゃなく、提督が持つべき責任も一部背負わなくてはならなくなる。

提督なら当然この辺の心理的重圧を理解してないはずはないわけで。
ほんと、先が楽しみなクズ提督ですわ。

〉〉305
うん、作者がその辺の表現を区別してたけど、最終的にはどのみち提督が負うべき「最終指揮権」の内に収まるものだから同一に扱わせてもらってるよ。
そして、今は上でも言ってる通り「艦娘の命がかかってる、または命が失われた場合」の話をしてるの。

指揮権というのは、文字通り指揮する権利で、それには指揮に従う者全ての命の責任を持つって部分も含まれるんだ。
典型的な「権利と義務」だね。

責任ってのは法律等の対外的なものと同時に「心理的なもの」も存在するわけ。
この辺の説明いる?

軍で遅刻を忌避するのは「もう大人なんだから」とか「不真面目だから」みたいなふわっとした理由じゃなく、下手すると誰か死ぬからだぞ

17時着任の予定で3時間遅刻したから鎮守府到着が20時
そこから説教されて資料読んで「もうこんな時間か飯食ってない風呂で汗流したいぐっすり寝たい」と言い出したのが21時30分

実働1時間くらいか
人助けで体力使った事を差し引いてもちょっとやる気無さすぎんよ

終わるのか
じゃあ一個教えて

22時前に風呂入って寝る提督は何時に起きる感じなの

ぶっちゃけこの辺の価値観は作者の日常とリンクしてると思うんだけど、君はそんな時間帯に眠くなる年代の子なんじゃないの


全然関係ないけど、俺はこの提督の外見を吉良吉影で想像してた
終始不気味な言動して何時か何かやらかしそうな雰囲気

実は大本営から送られた提督とは別人で、駅か何処かで入れ替わった「自分を提督だと思い込んだサイコパス」なのかとも思ってた
大本営の評判が高い割に行動に穴があったりしてたからね

一番の問題は、提督の価値観が作者の日常生活とリンクしてる点な

例えば序盤で作者は「勿論鎮守府には連絡が入ってます」と言ってる
けど、加賀には事情が伝わってない
どっかで情報断絶が起こってるんだよ

普通に社会生活送ってる人間なら遅刻しそうならまず「自分で」直接電話して連絡先入れるよね
警察なり駅員なりに電話借りれるんだから
その際は自分の所在地と軽い事情説明、電話を受けた相手の名前を確認するくらいはしないといけない
その上で、電話内容が伝わってないなら情報伝達体制の見直しを即座に行わなくちゃならない

現場の責任者ってのは、そこまで考えないといけない
もう一度言うけど、この辺の価値観は作者の日常生活にリンクしてるんだよ

極端に言うと日常生活で無責任なことやってる人には無責任な登場人物しか書けない

因みにこれは読んでる人の価値観を図る目安にもなる
日常生活で無責任なことやってる読者は、この話の提督の行動に何の違和感も感じることが出来ない
突っ込みが入ってもキョトンとした顔で「そんな細かいこといいじゃん」と言うしかない


けど、無責任な人間だって凄い登場人物書いたり読んだりしたいよね
大丈夫、抜け道は用意されてるんだ


異世界転生や記憶喪失、子供提督がそれに該当する
この手の言い訳を用意しておけば、登場人物が無責任でも許されるんだよ
だってその世界の常識を知らないんだからね
ヤッタネ

否定意見はスルーして書き続ければいいんだよ
この俺のように


>>1です。

量が多すぎて書き溜めるまでの時間がかなりかかることが見込まれます。10月中に次スレ建ててやり直したいと言っていましたが、結構厳しいです。

ので、とりあえず今中途半端なところを加賀だけひと段落させてから最後にアンケ取りたいと思います。

どうかレス乞食だと思わず、何卒御協力お願いいたします。


 
********************


 私は私が許せなかった。


 私は頭を床に血が出るほどにこすりつけた。もしそれ以上に下があれば、迷わず私はそこへと額(ひたい)を向かわせるだろう。


 何が主力か。何が一航戦加賀か。


加賀「誠に申し訳ございませんでした」


提督「いやいくら地図が違ってたからって、不注意だったのは間違いないし、すぐにその場で事情を話さなかった俺にも非がある」


加賀「ーーーー」


 私は顔を上げなかった。いや、上げられる訳がない。私は彼にそれだけのことをしたのだから。

 



 提督が直ぐにあの場で事情を話さなかったから、提督が悪い? 何を言っているのか。“話せなくした”のは私だ。
 私が彼に嘘つきは信用ならないと釘を刺し、あまつさえ彼を傷つけ、そして早々にその場を去ったのだ。


 あの言葉に嘘なんてなかった。


 彼にとっての艦娘……


提督『共に戦う仲間であり、この鎮守府では家族のような存在だと思っている』


 ーー嘘、嘘に決まってる。


提督『嬉しいときは一緒に笑って、悲しい時は一緒に泣く。そうして色んな困難を共に乗り越えていく。俺にとっての君達は、そんなかけがえのない存在だ』


 ーーそんなわけ、ない!

 



 私がその時感じたのは怒りだった。口から出まかせばかりを言い、その甘言によって私達艦娘の信用を誘い、そして裏切る。


 その言葉が“嬉しければ嬉しい言葉であるほど”、その時に生まれた怒りはとてつもないものだった。


 そのあまりの怒りに私は自分を律することができず、提督に拳を振るった。


 耐え切れなかったのだ。彼が、その優しい顔で、その温かい言葉で、自分達を貶めようとしていることが。


 そしてその怒りは今、何十倍にも膨れ上がって自分に降りかかっている。

 



 目先に起こった出来事だけで人を決めつけ、蔑み、罵り、そして暴力を振るった、痛みを与えた、罰を下した。





 なぜ?




 ーーなぜ自分はこんなことをしてしまうのか?


 その時、自分の中に一つの“答え”が去来した。


 “それ”は瞬く間に自分の中を掌握していき、途端、そのことで頭の中が一杯になっていく。


 



 それが現実味を帯びていくたび、抑え切れない程の不安に呑まれていく。血の気が引いていき、心臓の鼓動が早鐘のように響き渡り、恐怖が生まれる。


 ーーでも、これも、これさえも、この感情でさえも……“嘘”、だったら?


 今までふと湧き上がっては、何度も否定してきた。時には怒り、時には笑いながら。


 簡単に否定することが出来た、“それ”



 ーー私は、加賀という、『何』なの?





加賀「もしかして……いえ、やっぱり私は『兵器』、なの?」



 ーー私は、兵器?


 気付けば私はそれを、自分の中で抱え切れずに零してしまっていた。


 それは今までの自分全てを、否定する言葉だった。
 そしてその否定を……否定することが私は出来ない。いつものように、いかない。だってそれが本当のことで、そして私が兵器だから。


 血と涙と鼻水とが、混ざり合って雨音拍子に床を叩く。


 きっとそうなのだ。兵器だから思慮に欠け、兵器だから温情もなく、兵器だから他人を傷つける。


 造られ、使われ、壊し、壊されるだけの無機物。


 それがわたし、『加賀』なんだ。

 


 
提督「馬鹿野郎!!」


加賀「ーーーーッ!?」


 驚いた。あの彼が、まさかこんなに大声で怒鳴るなんて。


 思わず顔を上げてしまった私の視界が、突然揺れる。提督が私の両肩を固く掴んで、引き上げたのだ。


 ーーぁ、駄目。


加賀「私に、私に触っては……ダメ、です」


提督「……なんでだ? やっぱりまだ俺を信用できないか?」


 私は慌てて首を横に振る。

 



加賀「違う、それは違うの!」


提督「じゃあ、なんでだ?」


 私は息を呑み込んで、声が震えるのを精一杯抑えながら、伝えた。


加賀「……私と一緒に居たら、私に構っていたら、また、私は貴方を傷つけてしまう」


提督「そうならないように、していけば良い。そうならないように、仲良くなろう……そうならないように、俺達は一緒に居るんだ」


 優しい言葉を、温かい感情を、受け入れたい。この“信用に足る”、彼の。


 だけど悲しいことに、私にそんな権利なんて……ない。


加賀「……きっとどれだけ貴方と時間を過ごしても、私はまた貴方を疑う。そして傷つける」

 



 だってこの感情も、きっと造られた“モノ”でしかないから。


 口を開きかけた彼に、今度はゆっくりと首を振る。


 「そんな事はない」、と。彼ならきっとそう声をかけてくれるのでしょう。


 だけど、私は私を許せない。


 いえ、それ以上に、私は私でいることが、加賀でいることが、もう、耐えられない。


 誰かを傷つけるこの口が嫌い。


 誰かを傷つけるこの手が嫌い。


 誰かを傷つけるこの艦装が嫌い。

 



 誰かを傷つけるすべを持つこの “私自身” が、一番嫌い。







 ーーだから、







加賀「解体……して下さい」


提督「…………」


加賀「もぅ……、もう『兵器』は嫌……」



 



 涙が溢れて止まらなかった。今の私は……いえ、今までずっと私は、周囲から見れば、醜い兵器でしかなかったのでしょう。


 そしてこれからもずっと、変わる事なく。わたしは誰かを傷つけ続ける兵器なんだ。


 ーーあぁ。


 殴るだけで済んで良かった。もし私がこれ以上存在していたら、彼に艦装を向けていたかもしれない。もしかしたらこんなに優しい人を、殺してしまっていたかもしれない。


 早く気づいて良かった。


 そして、


 ーーそうなる前に“壊れて”、良かった……

 


 
提督「ーー兵器はそんな風に泣いたりしない」


加賀「ーーーーぇ?」


提督「よく聞け加賀。“人だから”間違えもするし、“人だから”怒りもするし、“人だから”他人を傷つけるんだ」


加賀「な、にを?」


提督「それに兵器は勝負に負けても悔しがらないし、勝ってもお前みたいに喜ばない。今のお前みたいに、涙を流したりしない」


 ーー違う。


加賀「だから、それが嘘なの。今感じているこの感情も、きっと私の全部が嘘。きっと私はそんな感情を今抱きながらも、どこかで平然と誰かを傷つける。傷つけてしまう!」


提督「そんな、たった一回のことで!」


加賀「一回じゃない!」

 



提督「ーー兵器はそんな風に泣いたりしない」


加賀「ーーーーぇ?」


提督「よく聞け加賀。“人だから”間違えもするし、“人だから”怒りもするし、“人だから”他人を傷つけるんだ」


加賀「な、にを?」


提督「それに兵器は勝負に負けても悔しがらないし、勝ってもお前みたいに喜ばない。今のお前みたいに、涙を流したりしない」


 ーー違う。


加賀「だから、それが嘘なの。今感じているこの感情も、きっと私の全部が嘘。きっと私はそんな感情を今抱きながらも、どこかで平然と誰かを傷つける。傷つけてしまう!」


提督「そんな、たった一回のことで!」


加賀「一回じゃ……ない」

 


間違えて同じものを投下してしまいました。すみません。



赤城「加賀さん……」


加賀「……一回じゃ、ないの」


 そう、一回じゃない。過去にも、あった。


提督「ーー話して、貰えるか?」


加賀「分かりました……でも今は少しだけ待って欲しい、です。後で、此方から伺います」


 今ここで話したら、きっと私は耐えられない。話し切る前に、自己への嫌悪に押し潰されてしまう。


提督「……分かった、待っている。だけど、お前もこれだけは分かっていてくれ」


加賀「ーーーー?」


 ーー何だろう?

 



提督「今までのお前が嘘であることを、兵器であったなんてことを、許さない奴がいる」


 そう提督が言った後、赤城さんが一歩前へと、踏み出してきた。それに釣られて自然と赤城さんの方を見てしまう私。


赤城「私は貴方が兵器だなんて認めません。それでも兵器だと貴方が言うなら、私は怒ります。だってもし加賀さんが兵器だっていうなら、私や他の艦娘達も兵器ってことじゃないですか? そんなの、酷いですよ!」


 プクーっと頬を膨らませる赤城さんに、私は動揺した。


加賀「そ、そんなつもりは……!」


 ーー無かった。でもそうだ、私という“艦娘”が兵器であるならば、同じ“艦娘”である赤城さんや他のみんなの事を、兵器だと言っているのと同じではないか。

 



提督「加賀、“お前にとっての艦娘って何だ?”」


加賀「ーーーーッ!!」


 それは、昨晩私が彼にした質問だった。


提督「その問いの答えも、出来れば持ってきてくれ」


 ーー問いの答え、艦娘は兵器? みんなは、赤城さんは兵器? 私は……


提督「赤城、悪いが風呂場まで案内して貰ってもいいか?」


赤城「ーーはい!」


 そう言って、提督と赤城さんは立ち去っていきました。


 ーー私は……

 ドアの閉まる音を皮切りに、私はその場へ崩れ落ちた。

 

はい。とりあえず切りのいいところまで書きました。

それではアンケートなのですが、

1: かなりの時間を待つ事になるが、完結まで書いた後に投下する。

2:とりあえず10月いっぱいまで書いたところまでを11月の頭に投下し、その後一定の頻度(2日に1回ぐらい?)で今まで通りに投下していく。

どちらか選んで頂きたいです。

よろしくお願いいたします。

散々一気にやれ言われてるじゃん……アホかよ
ってか2なら別に建て直しとかいらんだろ、いや1でもいらないかもしらんけど


>>457
予想以上に長くなると思われるので、かなり先になりますがよろしいでしょうか? という質問だと思ってください。


すみません、やっぱり書くのやめます。どうしても、モチベーションが保てません。

この掲示板に書く事自体、向いていなかったのだと思います。
前にも言いましたが最後にプロットだけ載せて、もうやめます。

他のレスはもう触れません。

では、プロットのようなものを投下していきます。



 注意ですが、この先の展開から載せます。




・曙視点に移ってショッピングや食事。途中で困っているお婆さんに道案内をする。しかし実はそのお婆さんは初日提督に助けて貰ったお婆さん。お婆さんが彼のしてくれたことについて話して、曙達が困惑する。(お婆さんは初日から娘と共に神奈川へ引っ越しをしようとしていた)
そのあと曙が彼のやってきた数々の慈善活動を知る。





・初霜視点に移る。初霜と深雪が提督から渡されたダンボールの中は大きめの写真立て。それを組み立てて、好きにデコレーションをする。
実はこの写真立ては、提督が女提督へ見舞いに行くときに、持って行こうとしているもの。




 





・提督視点。風呂を済ませた後、大井の元へ行く。女提督を信じて待つ彼女との衝突、潮を覗いてしまった事への弁明。
言い合いの果てに、大井がブチ切れたところで、大鯨が提督の盾になってそれを止める。
実は大鯨は、大量のケーキが食堂に運ばれた所から不審に思い、提督と赤城達のやり取りをずっと見ていた。
そこに写真立てを完成させた初霜達も合流し、提督の誤解を解き、大井が謝罪し、事なきを得る。





・執務室に加賀が訪れる。詳しくは長いので書きませんが、過去の話をして、それを提督が説き伏せる。



 





・帰ってきた曙達が執務室を開けるが、そこで全艦娘に召集、執務室に集合する。ここで、今回の地図の件を全員が知る事になる。別段提督を罵らなかった大和はどこ吹く風だが、利根と曙は謝罪する。潮はまだ提督に恐怖していて謝れない。阿武隈は謝罪せず、事態を傍観する。





・しかし、ここで地図を提督に渡した曙が加賀や利根達から疑われる。たが覚えのない曙は、反発する。曙を庇う提督と潮により事無きを得るが、結局犯人は分からないまま、次の日を迎える。




 





・兼ねてからの大規模作戦に、当初入る予定のなかった横須賀鎮守府が組み込まれてしまう。(理由は割愛)なんと作戦決行は2週間後。





・1週間後、初霜達が作った写真立てに、みんなの集合写真を載せる。阿武隈や大和は嫌がったが、女提督へ贈るものだと言うと素直に撮ってくれた。その後、提督はその写真立てを持って、女提督が居るという病院へ向かう。(艦娘には病院の場所は知らされていない)
しかし、そこに女提督は居なかった。代わりにいたのは、1人の憲兵(話の中で、元帥と喋っていた人物)だった。


彼から、実は女提督は病気ではなく、“産休”だったと聞かされる。そしてこれからは家族と共に過ごしていきたいから、もう提督は辞めるらしいとのこと。
ただ写真を届ける事と、実際女提督と話をして見たかった提督は、憲兵に頼み込んで彼女の住所を教えて貰う。




 





・女提督の家を訪れた提督は、女提督に写真を渡して談笑する。女提督は可憐でとても美しい女性だった。お腹はまだ膨れて居らず、旦那も留守のようだった。(実は、夫はすでに他界している)





・大規模作戦決行日、横須賀鎮守府の全員を含む一部部隊を、提督が指揮する。(安価艦娘登場)
この指揮が凄まじかった。彼の手腕によりその部隊は中破1の大破0、完勝であった。
その結果と提督の読みの深さに、加賀は自慢げに語り、利根と大和と阿武隈は驚嘆する。曙も内心凄いと感じる。



 





・大規模作戦終了日の夜、提督が1人で海にいくと、なんとそこには傷ついて浜辺に打ち上げられた『空母ヲ級』、が居た。
驚く提督であったが、満身創痍のヲ級は助けてほしいと命乞いをする。これを提督は応急キットを持ち寄り助けてしまう。
素直に謝礼を述べるヲ級。


しかし海の上で次に会った時は敵であることを、提督自らヲ級に告げた。


……が、これを潮が目撃し、提督がヲ級を治しているところをカメラに収めてしまう。




 





・先の大規模作戦における提督の活躍を皆が讃え、大本営での戴冠式に提督は駆り出される。


その隙に潮は提督がヲ級を治療している写真を、横須賀鎮守府の艦娘達に見せる。
さらに潮は、提督は深海棲艦と裏で繋がっていると言う。
実は提督は深海棲艦のスパイで、私達を信じ込ませるために、ワザと大規模作戦にて深海棲艦を負けさせたのだと。繋がっていたからこそ、深海棲艦の行動が分かったのだと。そして自分が有能な提督だと信じ込ませた後、私達を深海棲艦と協力して潰そうとしているのだと。


この言葉に初霜、加賀、赤城、大鯨、大井は反発。


中立の立場に曙(反発寄り)、深雪


信じてしまったのは阿武隈、利根、大和


として、対立が生まれてしまう。



*実は地図の件もこの件も潮が犯人。


 





・式から戻った提督がその対立を知り、宥めるために奮闘する(書くと長いので割愛)





・かなり鎮火して誤解を解き、阿武隈や大和と和解したが、依然、空気は悪かった。
個人間では、潮以外とはかなり良好である。





・それから1週間後、新しく1人建造(安価艦娘登場)そして、女提督から提督宛に手紙が届く。
文面はこうだった。
さようなら。(割愛)



 





・危険を感じ取った提督は直ぐに女提督の元へ向かう。そこで女提督から話があると言われて、女提督の住むマンションの屋上へと向かう。
ここで、女提督から夫は実はすでに他界していること。そして先日、ストレスから赤ちゃんが流産してしまった事を告げられる。
生きていく希望を失ったと語る彼女は、そのまま屋上から飛び降りようとする。


……しかし、これは女提督の演技だった。


女提督をすんでのところで助けた提督が「あなたが死んだら、貴方を待っているあの娘達が悲しむ!」と言ったところで、女提督は「なら、貴方が代わりに死になさい」と告げて提督を代わりに屋上から突き落とす。


女提督がパンパンと手を叩くと、影から潮が現れて、女提督はこう言う。


「これは、事故よね? 潮」


そう、女提督と潮は最初から繋がっていたのだ。女提督はこの場に潮を招き、彼女を提督が死んだのは事故であるということの、『証人』にしたのだ。


しかし、潮はただここに呼ばれただけで、何をするか。つまり提督がどうなるかなどは一切聞かされていなかった。だから潮は混乱する。それを女提督が大丈夫よ、と抱き締める。



 





・提督に心を開いていた艦娘達は、彼が死んだと聞かされた事で、『絶望』してしまう。


そこに再び女提督が着任する。しかし、絶望した艦娘達は当惑したままさらに心を病んでいく。





・だが、勿論ながら提督は生きていた。実はあの後直ぐに、倒れた提督をあの憲兵が運んでいたのだ(状況割愛)
そして昏睡状態の提督の元を訪れたのは潮だった。彼女も、女提督がやった事に困惑していたのだった。しかし、提督が生きているのを知っているのは、潮と憲兵と元帥のみ。
潮の話を聞いた元帥は、“形だけ”、わざと女提督の再着任を認め、そして提督を死んだことにしたのだ。
女提督が、ボロを出すまで。



 





・女提督は潮を秘書艦に添え、異動された艦娘達を呼び戻そうとする。しかしその際、心を壊した艦娘達の前で、“提督”のことをひどく馬鹿にする。
これに初霜や曙を筆頭に艦娘が噛み付き、女提督の黒さが露呈する。
そこで元気になった提督が出てきてハッピーエンド。(かなり割愛)




 



妖精の登場シーンや発現理由、女提督が提督を殺そうとする理由(お金絡み)、産休などの大本営への嘘の通し方等、その他諸々書くと果てしないので割愛しています。




因みにバッドエンドも書いて欲しいとレスしてくれいた方がいらっしゃいましたので。
流石にプロットは書いていませんが。


ヲ級を助けた後、鎮守府の艦娘の例えば阿武隈や潮に酷く突き放されたりなどして、それをヲ級が助ける。


からの深海棲艦の提督としてヲ級が連れ帰る。
深海棲艦で信頼関係を築きながらも、返してくれないか? と提督は言い続ける。


この間横須賀艦娘達は絶望。


深海棲艦の連中も、提督に好意を抱き、ついには彼の意思を尊重し、返そうとする。
提督を返そうとする道中、提督と深海棲艦の連中達を発見した横須賀の艦娘達は、提督を助けようと奮起し、深海棲艦を攻撃し始める。

 




提督「彼女達を攻撃しないでくれ!」


その言葉も横須賀の艦娘達には届かず、ヲ級達は攻撃され続ける。


ヲ級とか水鬼に初霜あたり? がトドメを刺そうとした時、提督が間に割って入る。


提督死亡。


みんな絶望

 

というバッドエンドを書こうとしていました。

 


以上です。何か質問があればお願いします。


最後に。あまり言いたくは無かったのですが愚痴を一つだけ。

正直、何故自分が叩かれているのか謎でした。この掲示板の他作品を見ても、そんな厳密に設定を指摘されたり、難しい言葉を使う事を咎められたりという事はありませんでした。
自分の文章も、駄文かもしれませんがそこまで他作品に劣っているとは思いませんでした。

読んで下さっていた方々には申し訳ございませんが、これだけのプロットの量を一生懸命になって書いた時、また叩かれたらと思うと、時間の無駄な気がして、どうしてもモチベーションが保てませんでした。

改めて誠に申し訳ございませんでした。
そして短い間でしたが、お手にとって頂き誠にありがとうございました。


追伸ですが、居ないとは思いますが代筆等やりたい方がいればやって頂いても構いません。

以上です。何か質問があればお願いします。

では謎を解こうか

女の園に男が入って尚且つ「男は信用できないらしい」との題名
白々しい
題名とは逆に「女性提督より新しい提督の方がいいわ」と結論付けようとしてるんじゃないかと思った
実際に覗いてみると提督が補正増し増しのテンプレ主人公
開幕数スレだけでも突っ込むべき内容が多々
完全にハーレム狙ってる臭いがする

この段階で悪い予感してた
これ、女性提督がダシに使われるパターンじゃね?

確信したのは女性提督を「女提督」と書いたところ
それでも口出しせずに覗いてた
加賀に暴力を振るわせ後戻りの出来ない状況に追い込んだ所までは我慢した
その後の提督が凄いですアピールで気持ちが悪くなった
ほんと凄いよ
他にも艦これSSは沢山読んだけど、ここまで気持ちが悪い提督は始めてだよ



題名が 提督「俺は信頼されてないらしい」 これならまず覗かなかった
提督の補正を増し増しにしなければ突っ込みは入らなかった

この二点が全てです

貴方が描写する提督は貴方のキャパを越えてます
これは厳密な設定とか難しい言葉を使うとかの問題じゃありません

前にも言った言葉をもう一度残します

「無責任な人間には無責任なキャラしか描けない」

「このぐらい」などと謙遜しなさるな
貴方が書いた提督は間違いなく頂点に立っている
だからこそ、こうなった
謎でも何でもない

貴方の力だよ

このSSが他のSSに勝ってる点は、確かにあるのです
それは提督の「主人公すげえ」度合いです

SS速報では所謂「さすおに系」の主人公は流行ってません
しかし、さすおに系を求める人は少数ですが存在するのです
その手の人達にとって他の作品は駄文でしょう
「もっと主人公上げて行こうよ!根拠とか無しでいいからさ!」と思っているはずです

そう
今このスレで「このSSは他のSSよりマシだ」といってる人達がそれに当たります

一番技術不足なのは「底辺まで下がってる信頼度をどう回復するか」がちゃんと出来ない所です
作者本人も言ってましたが、一般的な能力では「大規模作戦で活躍して信頼度獲得」ってのが出来ません
ならどうするか?
頭を絞って「一般的な能力なりに活躍する方法」を見つけるのが常套です

しかし作者は「じゃあ提督をスゲエ奴って事にすればいいんじゃね!俺天才!他の作者より優秀!」と思ってしまいました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年10月12日 (木) 05:31:31   ID: 7u6Uy2Pq

暴走してる子が居るけど何をしたかったのだろう?金を取ってるプロなら兎も角。
素人に求めすぎてる

2 :  SS好きの774さん   2017年10月12日 (木) 15:15:08   ID: PFMpkAYi

作者さん、頑張って続けて下さい
楽しみにしてます

3 :  SS好きの774さん   2017年10月12日 (木) 18:54:50   ID: Qzg2a0-W

続き楽しみにしてます!
頑張って続けてください、とりあえず支援
( ´∀`)

4 :  SS好きの774さん   2017年10月12日 (木) 23:58:43   ID: 7u6Uy2Pq

面白い芽が出そうな人が途中で辞めてしまうのは悲しいね。本人が限界を感じて完結するのなら兎も角。勿体無いなあ

5 :  SS好きの774さん   2017年10月14日 (土) 13:10:47   ID: EH9-hU7a

荒らされて終わりかー残念

6 :  SS好きの774さん   2017年10月15日 (日) 04:48:42   ID: zD-QcNeA

次に期待

7 :  SS好きの774さん   2017年10月21日 (土) 23:40:06   ID: u37Ob3yO

作品の内容があまり分からない。他の人から指摘されてるけどこの作者さんは書くことは向いてないと思う。

8 :  SS好きの774さん   2017年10月21日 (土) 23:56:53   ID: u37Ob3yO

後、作者さんに一言。ストーリーの書き方、題に見合った内容を勉強して来てください。内容が訳がわからないです。後、質問もされているのに反発したようなコメントとかが見られました。はっきり言って気分が悪くなるSSでした。

9 :  SS好きの774さん   2017年10月22日 (日) 03:10:19   ID: m5ZzliA8

あのさあ、俺は面白かったと思うけどそれは個人の感想だから置いといて...なんで読み手が偉そうなの?金払って読んでるわけじゃないだろ
ちょっとしたアドバイスとかならわかるけど言葉くらい選べよ
何より評価やクオリティは問わず完成だけはさせるべき
叩いて荒らして失踪されたら読んでる側は迷惑なんだよ死ねゴミクズ

10 :  SS好きの774さん   2017年10月22日 (日) 06:37:02   ID: ZUpqx08t

主人公すげぇ度合いで他のSSに勝ってないと思うけどなぁ。提督自ら戦って無双してるSSのが多いよ。最近ドッキリだのイチャラブだの個人的に好きじゃないのが多い中面白そうだったのに荒らしで終わるのは残念だ。

11 :  SS好きの774さん   2017年10月22日 (日) 22:37:09   ID: 6pL7v4E2

コメントに攻撃している人いるけど、個人的な感想だしそんな事言われる筋合いはないな。

12 :  SS好きの774さん   2017年10月23日 (月) 09:37:13   ID: zFfgkGZz

マジで終わりなのか
続き読みたかった残念です

13 :  SS好きの774さん   2017年10月23日 (月) 19:54:43   ID: rVgsHFFf

作者さん荒らしは基本無視よ。荒らしの質問に答えたりしない方がよろしいかと。

14 :  SS好きの774さん   2017年10月24日 (火) 04:25:08   ID: _SwUKsFR

わざわざ文句を言うために作品を読む人もいれば応援する人もいる。SSに何を求めてるんだか知らないけど気に入らなきゃ読むなよ

15 :  SS好きの774さん   2017年10月29日 (日) 00:01:59   ID: Zw_zPYy7

面白い作品だったんだけどなぁ…
アドバイスならともかく他人を傷つけるような発言する奴はまあろくな死に方しないだろうけど…

16 :  SS好きの774さん   2017年10月29日 (日) 22:12:05   ID: 0L3Slow9

あー…構成がまずいのを除けば。そういう設定は「一回きりの奇策」程度の効果はあったかもね。
奇抜な設定を「続けて使用する」には「常識をすり替えていく」ループに陥る害悪しかないのよ。
 このすり替えを読者が許容するか否かは、単純に世界の常識のすり替えに説得力を持たせ続けることが可能か否か。プロットの善し悪しよりも構成力を磨くしかないんだな

17 :  SS好きの774さん   2017年11月04日 (土) 23:57:24   ID: ds_bxk7e

叩くだけの馬鹿は嫉妬からじゃないの?
そうやって荒らして潰したら勝ちとか思っている生産性の無いうんこだから気にしなくてええよ
逆に言ったら面白いと思われたから蝿が寄ってきたんや、次回楽しみにしとるんよ

18 :  SS好きの774さん   2017年11月20日 (月) 00:59:52   ID: FpPe7O-J

まじでアンチコメ打ってる人はちんこ。なんもわかってない。
編集かぶれやってるんじゃねえよおおおお!!!

作者さん、あんたのSSめちゃくちゃ面白いよ!!!!読んでて気持ちよかった!!!!待ってます!!!

19 :  SS好きの774さん   2017年12月22日 (金) 22:38:34   ID: Fu5duYpe

上から目線で叩いてる勘違い馬鹿共なんて無視すればいいのに

20 :  SS好きの774さん   2018年01月30日 (火) 22:57:03   ID: ZVBshvWx

続き書いてあるサイト見つけたぜ歓喜

21 :  SS好きの774さん   2018年01月30日 (火) 23:02:03   ID: ZVBshvWx

はーめるん

22 :  SS好きの774さん   2018年05月28日 (月) 00:58:22   ID: GlI63AfY

それもゴミだったけどな

23 :  SS好きの774さん   2018年07月04日 (水) 01:39:15   ID: U0JxRdjE

おっ、ゴミが湧いてらぁ^^

24 :  SS好きの774さん   2018年10月18日 (木) 23:40:47   ID: 4rmsU3-H

まーた読者様か

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