【コンマ】崩壊する世界を旅する1【安価】 (1000)
コンマによる判定と安価による選択で、崩壊する世界を旅するSSです。
結末はあなたの選択、そしてコンマによる運で決められます。
最終目標はストーリーの展開で変わります。デッドエンドも当然あり得ます。
前作「崩壊する世界を旅する」に準拠した世界観になりますが、初めての方でも入れるようなストーリーにします。
なお、スレ主はスマホから打つため、進行が遅くなりがち&まとまった投下がしにくい点ご容赦ください。
下が前作wikiです。ルールは下とほぼ同一です。
前作の500年後が舞台となります。
http://ss.vip2ch.com/ss/【コンマ】崩壊した世界を旅する【安価】
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502942000
失礼しました。前作wikiは下です。
軽く目を通して頂けると、より楽しめるはずです。
http://ss.vip2ch.com/jmp/1485168424
最終目標はストーリー展開によって変わります。なお、今回も地の文中心になります。ご容赦下さい。
プロローグの前に、主人公を設定します。
筆者の筆力の都合上、今回も男性主人公とさせて頂きます。
その前に簡単なパラメーターの解説を。
HP…言うまでもなく生命力です。0になると基本死にます。一発でHPの半分が削られると気絶判定が発生します。
筋力…戦士系なら最重要です。攻撃力に関わります。
知力…魔法を使う場合は最重要です。罠判定に関わります。
器用さ…罠解除、回避に関わります。
賢さ…善悪の判定、洞察力に関わります。人間性の成熟度合いとも言うべきものです。 一部魔法の判定にも関わります。
耐久力…防御に関わります。疫病関連の判定にも関わります。
魅力…人間的魅力、カリスマに関わります。
攻撃時倍率ですが、
1~4 2倍
5~9 3倍
10~14 4倍
……
……と、5刻みに増えます。参考にして下さい。
成長判定は一定レベルまではランダム上昇を混ぜます。素のパラメーターの上限は基本20です。
今回はある特殊な理由のため、先に種族から決めます。
人間……特になし
エルフ……知力、魅力+1
魔族……筋力、耐久力+1
翼人……器用さ、賢さ+1
「一族」の末裔……全て+1
異邦人……筋力、耐久力+2、知力、賢さ-1(特殊スタート)
異界人……筋力、知力、器用さ+2(ただし魔法使えず、言語面で中盤までハンデあり、特殊スタート)
コンマ下1桁で判定します。ゾロ目で特殊境遇確定です。
1~5 人間
6 エルフ
7 魔族
8 翼人
9 異邦人
0 再判定(奇数で一族の末裔、偶数で異界人)
人間ですね。名前を募集します。
安価下3でコンマが一番高いものとします。(洋風名が好ましいです)
サイファーで決定します。続いて年齢と職業を決めます。
年齢は安価下のコンマが大きいほど大きく(最大35)、小さいほど小さくします(最低15)。
職業は安価下2で以下のどれかとします。
コンマ下一桁で
1 傭兵
2 騎士
3 聖騎士
4 魔術師
5 プリースト
6 盗賊
7 アーチャー
8 モンク
9 レンジャー
0 剣術家
なお、ゾロ目なら特殊境遇になります。
年齢33、聖騎士です。年齢ボーナスとして、ステータスのどれかを2つ上げられることとします。
また、聖騎士は破邪術が多少使えます。防御が高く、槍が主戦です。タンク職ですね。
賢さと耐久力+1となります。
では、ステータスを決めます。
低い場合は振りなおしも可ですが、筆者の判断で打ち止めにすることもあります。
ステータスは最大20ですが、初期値では10プラスボーナス分までにしかなりません。
安価の下1桁をパラメーターとします。
賢さ、耐久力が1加算されます。
では、決めます。
HP 下1
筋力 下2
知力 下3
器用さ 下4
賢さ 下5
耐久力 下6
魅力 下7
なお、ゾロ目の場合はボーナスで1加算、0は10とします。
サイファー(33歳、聖騎士)
HP 31
筋力 4
知力 8
器用さ 3
賢さ 8
耐久力 10
魅力 9
どれかを再振り分けできます。どれにしますか?
安価下3多数決
筋力を再判定します。コンマ下(4未満にはなりません)
サイファー(33歳、聖騎士)
HP 31
筋力 5
知力 8
器用さ 3
賢さ 8
耐久力 10
魅力 9
年齢ボーナスが使えます。耐久力のみ2p必要です。どこに振り分けますか?
安価下
サイファー(33歳、聖騎士)
HP 31
筋力 6
知力 8
器用さ 4
賢さ 8
耐久力 10
魅力 9
これで決定します。なお、聖騎士の技能は筋力、賢さ、耐久力に依存します。
現在の技能は以下の通りです。
・簡易治癒……
1ターン使ってコンマ下一桁×2回復
・かばう……
任意の相手のダメージを肩代わりする、自身へのダメージ半減
・フロントガード……
攻撃しない代わりに前列への物理ダメージ4分の1
今回もパーティは5人なの?前作ではジュリア棒立ちになりがちだったけど
境遇を決めます。安価下二桁で決定します。
数字が多いほど、初期境遇は恵まれています。
01~10 崩壊直前のイーリスからスタート
11~20 崩壊が迫るイーリスからスタート
21~30 政情不安のイーリスからスタート
31~40 政情不安のアングヴィラからスタート
41~50 イーリスからスタート
51~60 アングヴィラからスタート
61~70 イーリスからスタート、特殊任務拝受
71~80 アングヴィラからスタート、特殊任務拝受
81~90 イーリスからスタート、近衛兵
90~99 ???????
00 ??????????
>>31
4人にします。入れ替えしやすいようにするつもりです。
イーリス近衛兵ですね。
イーリスは旧ユングヴィ教団の首都でしたが、現在は三大名家「ヴィルエール家」によって治められています。
教団の威光はなおも強いですが、開拓者にして初代国王、ユリウス・ヴィルエールがジェスタル帝国の正当後継者であったこともあり、帝国風の文化が強い都市です。
150年ほど前までは王政でしたが、現在は立憲君主政へと移行しています。とはいえ、王族の発言力は未だ強いのも事実です。
政情は現在、比較的安定しています。アングヴィラとの関係は友好的ですが、一部にしこりがあります。テルモンとは普通、モリブスとは友好的です。
トリス森王国とは没交渉気味、ズマ魔族自治領とは微妙な関係にあります。
消えたオルランドゥ魔術都市とは極めて近い関係にありました。
あなたは将来を嘱望された、イーリス聖王国の近衛騎士団・副団長です。裕福な貴族の家に生まれました(前作のある人物の子孫です)。
あなたは国王の命を受け、オルランドゥ魔術都市の消失の原因を探ることになります。
口調、性格を設定します。
安価下3までで募集します。あまり立場に不適当なものでなければ、コンマが一番高いものを採用します。
お調子者で頭の回転が早い野心家
>>39に決定します。シデとは逆ですね。
聖騎士サイファーはお調子者ですが、上昇志向の強い野心家です。将来は騎士団長、さらには実質の国のトップである宰相の座も狙っています。
とはいえ分別はあり、悪人という訳ではありません。33歳と年は行っていますが、独身なのはその美形を活かした女癖の悪さが一因です。
※70以上で意中の女性がいます
※意中の女性なし
という設定で物語は始まります。
プロローグなどは夜にでも。
……この設定になったから言うわけじゃないですが、ご先祖様の血をある意味しっかり受け継いでますね。
あと、質問、要望あれば受け付けます。
2名ほど思い浮かんだけど果たしてどうなるやら
もう少しこっちのダメージ倍率増やして欲しいかな。前作の序盤とか味方側のコンマのダメージ差があってないようなレベルだったし
テンポ重視で小ミッション廃止された時に、wikiから関連する記述削除しちゃったけど大丈夫?
>>51
結構です。今回、「穴」に潜る機会は限られていますので。
【プロローグ】
春。この季節は好きな季節だ。花が咲き乱れ、気分が明るくなる。
北国のイーリスも例外じゃない。桜の花見――テルモン辺りから流れてきた文化だ――は、俺が心待ちにしている行事だ。
花見につきものといえば、酒。そして女。どちらも俺――サイファー・コットが愛する物だ。
例年なら、春が近付けば俺の足は浮き足立つ。だが、今年はそうもいかない。
2年前に消失した、オルランドゥ魔術都市の調査を命じられたからだ。
話は2日前に遡る。
バーで仕事終わりの一杯と、今日床を共にできそうな女を品定めしていた俺に、電話がかかってきた。
……騎士団長のエデルからだ。また私生活の小言か、仕事なら完璧にやっているだろ、てめーは小舅か。
そう心の中で毒づきながら、俺は電話に出た。
「あーもしもし。団長ですか?何用ですか、勤務時間外に」
「至急、詰所に戻ってくれ。要件は後で話す」
「……明日じゃダメなんすか?」
俺はうんざりした。こういう時の団長はろくな命令をしない。部下の不祥事の揉み消しか、辺境での争乱の鎮圧か。
だが、その日の命は俺の想像の斜め上を行っていた。
「ならん。セシル国王、並びに宰相ベルトラン様からの直々の命だ。貴様で、と指名もある」
「マジっすか」
俺は内心喜んだ。こりゃ出世の大好機だ。何の命令かは知らないが、うまくやりおおせれば史上最年少での団長昇格もあるな。
……と思っていたその時の俺は大馬鹿だった。
「サイファー・コット。入ります」
出来る限り丁寧に一礼し、俺は部屋に入った。団長……それに国王と、宰相ベルトラン?
まさか直々に出向くとは。……こりゃ重大案件だな。
「あなたがサイファーですか。噂は聞いておりますよ。コット家の俊英であるとか」
穏やかにセシル国王が笑う。男性のはずだが、その立ち振舞いは女性のようでもある。
……決して口には出せないが、彼はイーリスでたまに生まれる両性具有者なのではと言われていた。俺はんな馬鹿なと一笑に付していたが、初めて目の前で見て、それも納得だと思ってしまった。
「と同時に、33にもなって身を固めぬ親不孝者とも聞いておりますがな。父上が嘆かれていたぞ」
ベルトランが眉を潜める。……こいつは苦手だ。親父と親友らしいが、いちいち嫌味を言わないと気がすまないらしい。
「こほん。国王陛下、宰相閣下に来て頂いたことからも察するだろうが、これから重大な任務を貴様に与える。
……オルランドゥ魔術都市跡に向かってくれ。消失の調査を願いたい」
「……何ですって??」
俺の背中のシャツが、一瞬で冷たい汗で張り付いた。……それは、つまり。
「……返事ができないのは分かります。オルランドゥ魔術都市の調査は、今までも何回も行われました。
ですが、魔物に阻まれ逃げ帰るか、戻ってこないかのどちらか。魔術都市が消えたこの2年、ずっとそうです。
各国の精鋭が赴きましたが、どこも結果は同じ。そして、あれ以来500年前から減っていた大気中の魔素量は、増え続けています。特に最近は急速に」
深刻な顔で国王が言った。事の重大さは、俺も知っている。魔素の量は、2年前から増え続け、沿岸部や辺境では土地の毒で壊滅する村落が出始めていた。
ごく限られた魔術師しか使えなかった魔法を使える人間が増えているとの報告も上がっている。
三名家の秘密会合「ヘイルポリス会議」でも議題に上がったらしいが、結論は出なかった、らしい。要人警護のため同行した俺が言うのだから間違いない。
だが……オルランドゥに行けと言うのは、死ねと言うようなものだ。
政敵は作らぬよう、お調子者を演じてきたはずだ。いや、俺の本性がそうであるのは確かだが、それを殊更に目立たせていたはずだ。何故俺を?
「こちらも武術で名高いセシル様の長男、フレール様が半年前に行かれたが……戻らぬままだ。
となると、お前だ。500年前から続く名門、コット家の末裔。……モリブス防衛戦で名を挙げた、太祖アレスの名を汚したくはあるまい?」
俺はベルトランの言葉に顔をしかめた。親父もそうだが、そんなに家が大事か。
だから宰相になりそこねるんだよ、親父は……と毒を言っても仕方がない。
俺は考えた。断れる空気じゃない。それに、もし万一こなせれば、出世は間違いない。
保身か、出世か。……答えはあっさり出た。というより、俺の欲求が考えるより先に身体を動かした。
「嫌です。……とは、言えそうもないですねえ」
俺はひざまづき、臣下の礼を取った。
「無論、慎んでお受けいたします。国王陛下。……必ずや成果を」
とまあ、こんな具合でオルランドゥにいくはめになっちまったわけだ。
だから今年の花見はなし、でほぼ確定した。酒を飲み、股が緩くなった女を落とすのもなし。
……仕方ない、この任務をうまくやり遂げた来年まで耐えよう。
ぼんやり考えていると、ノックの音が飛び込んだ。
「誰だ?」
01~30 エデルだ
31~60 若い男の団員だ
61~90 若い女の団員だ
90~99 ……姫様?
入って来たのは、若い女の団員だ。
「お前は……」
※名前を決めます。安価下3でコンマが一番高いものとします。
上げます。
「ヘカテルか」
「お話はうかがっております。オルランドゥへの調査団を結成されるとか」
ヘカテルは俺の目を見て言った。
……
01~20 まだ入団して間もないペーペーだ
21~40 入団から1年目の新米だ
41~60 入団から3年目の若手だ
61~80 入団から5年目の中堅だ
81~00 近衛騎士団三席。融通が利かないという点、俺に靡かない点を除けば文句ない部下だ
ヘカテルは入団から3年目の若手だ。どこぞの良いとこのお嬢様らしい。
確かに整った顔立ちだが、融通が利かないのが難だ。俺も冗談混じりに一度口説いたが、あっさり断られた。どちらかと言えば、苦手な部類の女だ。
「……それがどうした」
「いえ、団員の選定は進んでいるのかと。エデル様が様子を見ろと」
あのおっさんの差し金か。有能ではあるんだが、部下の監視がキツすぎるんだよ。
ただ昨日は休日だったからぼーっとしてたが、今日はそういう訳にもいかない。
「……いや、全くだな。ただ、少数精鋭で行こうとは思ってる。大勢で行って、被害を出したくないもんでね。
人数が少ない方が守りやすい。フレール様の二の舞は、避けたいんだ」
フレール様は30人規模の一個小隊でオルランドゥに向かった。しかし、帰還者は未だゼロ。セシル国王の嘆きは、それは半端ではなかったと聞く。
ベルトランからもその点は強調された。少数精鋭。情報を得たらとっとと帰ってこい。これが俺に与えられた任務であるらしい。
※ミッション「オルランドゥ消失の謎を調べろ」が発生中です。
「そうですか……私はどうでしょう?」
俺は眉を潜めた。こいつが?俺に惚れてる訳でもなさそうだし、どういう魂胆だ?
「……お前、まだ3年目だろ。そんな力があるわけねーだろ」
01~40 ……ですがっ
41~65 ……サイファー様もご存知では?
66~85 ……そうお思いですか?
86~00 ヘカテルはにやっと笑った。
「……そうお思いですか?」
ヘカテルは表情一つ変えずに言った。俺は深い溜め息をつく。
ヘカテルは3年前の選抜試験で男の入団志望者を片っ端から薙ぎ倒して入団した。若手では頭一つ抜けた存在ではある。
足りないのは経験だけ。そう言われていた。
「悪かった。だが、お前はまだ若い。わざわざ死にに行くことはないだろ」
俺はそれでも渋った。女扱いをされるのが嫌なヘカテルには言わなかったが、女を危地にさらす真似はしたくないのだ。まして俺の部下だ。
一緒に行くなら、街中の冒険者の中からと決めていた。しがらみがないからだ。
「いえ、行かねばならない理由があります。……姉がオルランドゥにいたのです」
無表情気味のヘカテルの顔が、珍しく曇った。……なるほどな。
「姉さんの安否を知りたい、か」
ヘカテルが頷く。
「望みが薄いのは知っています。ですが、真相を知りたいんです。……無理を言っているのは分かります。それでも、お願いできませんか」
※ヘカテルのパラメータを示します。
ヘカテル 21歳剣士
HP 65
腕力 10
知力 4
器用さ 8
賢さ 4
耐久力 8
魅力 7
※ヘカテルをパーティに加えますか?
安価下5多数決、考察必要
と、考察材料がまだ足りないですね。
考察なしに変更します。
なお、パーティ集めはまだ続きます。
基本城下のギルドハウスでスカウトですが、イベント加入もあります。
前作と違い、入れ替えの機会が多目になります。
4人になったら強制出発ですが、2人、ないし3人でも出発は可能です。
また、事前の情報収集も重要になります。オルランドゥに着いてからが本番ですが、道中は各種イベントが発生する見込みです。
なお、一回加えるとしばらくはパーティから外せません。その点注意してください。
小一時間休憩します。
俺は肩をすくめて笑った。
「降参だ。女の悲しい顔は見たくないんでね。連れていこう」
それを聞いたヘカテルの表情が明るくなる。
「ありがとうございます!副団長!……出発はいつですか」
「なるはや、ってやつだな。人数が集まればすぐにでも、といったところだ。
だが、ベルトラン宰相からは、少数での調査を依頼されててな。お前含め、せいぜい3人。面子選びには吟味が必要だ。それに、情報も致命的に足りない」
「そうですね。……他の団員は?」
「団長を別にすれば、お前以上はそうはいねえよ。三席のカルバハルぐらいか。気は進まんが」
カルバハルは年齢で俺の一つ下だ。随分と俺をライバル視している。
平民からの叩き上げというのもあるんだろう。名門出の俺とは、基本反りが合わない。
エデル団長がヘカテルを寄越したのは、そういう背景もありそうだった。
※コンマ下+20がヘカテルの初期好感度です。100ごとにイベントが発生し、200以上で絆効果が発現します。
なお、サイファーはプレーボーイなので何股かできます。無論、その帰結は保障しませんが。
ヘカテル 21歳剣士
HP 65
腕力 10
知力 4
器用さ 8
賢さ 4
耐久力 8
魅力 7
好感度 95
……実はツンデレのようですね。無論、これはサイファーはまだ知らぬことです。
「そうですか……。カルバハルさんなら心強いんですけど」
さて、どこに行くべきだろうか?
1 近衛騎士団の食堂
2 王宮
3 ギルドハウス
4 王立魔術研究所
安価下3多数決、考察不要
※パーティのバランスも考えるといいでしょう。
なお、行ってみて保留は可です。各地でイベントが発生する可能性があります。
「ならばギルドハウスだな。辺境調査のための冒険者が少なからずいる。
あそこなら、目ぼしいのがいるかもしれない」
世界の資源は慢性的に不足している。特に鉱山資源が足りていない。
増える人口に比して乏しい資源は、常に争いの元だ。テルモンとモリブスの小競り合いが続いているのは、その象徴だろう。
イーリスも、隣国のファルーダ公国とはあまりいい関係ではない。それも国境の銅鉱山が原因だった。
だから、辺境に調査団を派遣し、資源を求めるのは国策として重要だ。
一攫千金を求める冒険者を政府が束ねる仕組みは、イーリスとアングヴィラ共和国がもっとも進んでいる。
ギルドハウスは国営であり、求める人材を紹介する斡旋機関でもあった。
だから、俺がギルドハウスを選んだのは、合理的判断のはずだ。
もっとも冒険者は玉石混淆。そこは一種の賭けではある。能力の高い奴は、かつての英雄の末裔である三名家に集中しているのが現状なのだ。
########
「……というわけだ。オルランドゥに行ってくれそうな奴、いるかい?
ねーちゃんが行けるなら、それでもいいけどな」
俺はギルドハウスの受付嬢に軽口を叩いた。後ろから少し重たい空気を感じるが、きっと気のせいだ。
受付嬢は無表情でパラパラとノートを見ている。
……
01~20 残念ですけど、いないですね
21~50 そんな命知らずは、この人だけですね
51~75 該当者、2名ですね
76~90 該当者、3名ですね
91~99 再判定
「……オルランドゥに派遣されてもいいという該当者は、3名ですね。こちらになりますが」
受付嬢はノートを見せた。
「一人目は格闘家のベジという男ですね。スナイダ家の傍流、と本人は主張してます。腕に自信はあるようですが、何分自己申告ですから。
二人目は、異邦人のカグラという女性です。言葉が不自由ですが、腕っぷしは確かではあります」
俺はほうと声を漏らした。異邦人か。100年ほど前に別の大陸が発見されたが、そこの数少ない原住民だ。
何でもほとんどの土地が魔素に汚染されたままであり、現在でも移住は不可という。
それだけに、そこで生き延びてきた異邦人は頑丈だ。ただ、文明段階が低く、こちらに渡った異邦人は大体は下層民になるか、開拓民になるかどちらかだ。
こほんとヘカテルが咳払いをする。女漁りと思われたか?
「3人目は……」
01~60 テルモン出身の剣士ですね
61~80 翼人のプリーストですね
81~90 魔族のレンジャーですね
91~99 再判定
00なので再判定です。
奇数…?????
偶数…????????
「3人目ですが……よく分からないんですよ。言葉がカグラさん以上に不自由で。
ですが、本人は自分を指差してこう言ってますね。『エチゴコウスケ』と」
……何者だ?
※100-知力(8)=92以上で成功
※24…失敗
……何者か見当もつかない。ただ、オルランドゥに行くというからには、自信はあるんだろう。
さて、誰に話をしようか。
1 ベジ
2 カグラ
3 エチゴ
4 ギルドハウスを出る
安価下5多数決、考察必要です
※考察必要ですので宜しくお願いします。
パーティのバランスと、情報収集の観点が重要です。保留もできます。
>>1さん、ルールは前作と同じとだけ言ってたけどバッドエンド通るのは前提じゃ無い事だけ念を押しておいた方がよくないっすかね?荒れる前に
「じゃあこのカグラってのを呼んでくれ」
受付嬢は「少々お待ちを」と言って去っていった。しばらくすると、見たことのない服を着た長身の女性が現れた。
※カグラの職を決めます。
01~33 狂戦士
34~66 剣術家
67~99 忍者
00 スペルマスター
>>110
そうですね。失礼しました。
デッドエンドには重めのペナルティがあります。チャレンジングな選択は熟慮の上でお願いします。
(といっても、最序盤ですから基本はノーリスクですが)
腰には短刀が2つ。……これで戦うのか?
「お前か。あたし、つれていくの」
なるほど、片言だ。意志疎通は少し大変かもしれない。
「いや、まだ決めてない。王命でオルランドゥに行くことになってね。その調査団員を探している所だ。
君は……剣士か?」
「違う。ニンジャだ。……ヒノクニの武術。あたしは修行のために、よこされた」
なるほど、大きい胸だけでなく脚もしっかりしている。しかし、それだけで使い物になるだろうか?
「ヘカテル、どう見る」
01~30 私より弱いですね
31~95 私と同程度、でしょうか
96~00 私より強い、かもしれないです
「私よりは弱いですね。ニンジャがどういうものか知らないですけど」
100-知力(8)×2=84以上で成功
※33…失敗、弱ファンブル
「そうか、なら連れていくのは考えものか」
その言葉にむっと来たのか、カグラが俺に掴みかかった。
「あたし弱い?なら今、この女始末しようか??」
※100-魅力(9)×7=37以上で成功
※88…クリティカル
「いや、止めておいた方がいい。君もヘカテルも、傷付くのを見たくないんでね。
せっかくの可愛い顔が、台無しになる」
カグラの顔が一瞬で赤くなった。ヘカテルも紅潮している。
「あ、あたし、かわいい?」
「ああ。だが、これから行くところは危険な場所だ。だから、連れていくのは考えさせてくれ」
「うん、わかった」
そういうと、カグラはあっさり引き下がった。……男慣れしていないな。
「女たらしですね、やっぱり」
「だが、無用な戦いは避けられた。それでいいんじゃね?」
ヘカテルがぷいと横を向く。……こいつもなかなか可愛い所があるな。
さて、どうするか。
1 ベジの話を聞く
2 エチゴに会ってみる
3 カグラを呼び戻して仲間にする
4 ギルドハウスを出る
安価下5多数決、考察必要
「一旦ギルドハウスを出よう。別をとりあえず当たってみるか」
「そうですね、ベジってのは胡散臭いですし、エチゴはよく分からないですから」
さて。
1 近衛騎士団の食堂に行く
2 王宮に行く
3 王立魔術研究所に行く
4 出発する
安価下3多数決、考察必要
というか前作読まないと考察ありの安価は厳し目なのかな…?
>>132
読まなくても大丈夫のはずです。基準は示してあります。
エチゴの下りは……前作読んでないと分からんでしょうね。あと元ネタ。
ネタバレは避けますが……
「王立魔術研究所に行こう。オルランドゥの出身者もいるはずだ」
俺たちは郊外の王立魔術研究所に向かった。ここはオーディナル家とヴィルエール家が共同で作った、魔術研究機関だ。同様の機関は各地に存在するが、ここはモリブスのものに次ぐ規模になる。
魔素は大分薄くなったが、それでも魔術の基本理論「魔術百論」に基づいた魔術の応用研究が今もなされている。
その中には科学と融合し、日常生活に欠かせなくなったものもある。電話や冷蔵庫はその代表だ。
魔力と電力で動く自動車はまだ一般的ではないが、そのうち普及するだろう。
受付を済ませ、研究所の所長に面会を依頼する。王命に基づく調査団の人員を探していると伝えると、あっさり許可が降りた。
「近衛騎士団の副団長ですか、お噂はかねがね」
穏和な初老の女性が出てきた。フェリシア・オーディナル。オーディナル家の末裔が一人で、オルランドゥ魔術都市の市長、ローマン・オーディナルの妹だ。
「ええ。こちらこそお目にかかれて光栄です。オルランドゥに行くことになりまして」
フェリシア所長の表情が沈んだ。
「そうですか……兄が気掛かりで。調べて頂けるなら、心より感謝いたしますわ。
こちらから、人員をとのことですわね」
彼女は、誰かを呼んだ。
……
01~30 来たのは少年だ
31~50 来たのは少女だ
51~70 来たのは青年だ
71~90 来たのは、若い女性だ
91~99 再判定
来たのは青年だ。歳は20代前半と言ったところか。
「……ロイ、と言います。お見知りおきを」
「彼は2年前、オルランドゥからこちらに留学に来ていますわ。それで難を逃れたのです。
オルランドゥを調べたい、という想いはここの誰にも負けてはおりません」
ロイと呼ばれたその青年は、力強く頷く。問題は、その力量だ。
01~30 ヘカテル以下か
31~90 ヘカテルと同等ぐらいか
91~99 ヘカテル以上だな
見たところ、ヘカテルと同等ぐらいの力量ではありそうだ。
足手まといには、多分ならないだろう。
「専門は?」
01~33 治癒魔法です
34~66 攻撃魔法です
67~99 闇魔法です
00 時間魔法です
「魔力を直接ぶつける、攻撃魔法になります。お力になれるはずです」
折り目正しい男、といった感だな。信頼はできそうだが。
「他にはいないのですか?」
※70以上でいる
※いる
フェリシア所長は少し唸った後、「いることはいますが……」と渋った。
「どうしたのです?」
「いえ、実は……」
01~40 問題児、なんです
41~70 病弱、なんです
71~95 ?????
96~99 ????????
ゾロ目ですが、一応再判定します。
奇数…病弱設定はそのまま、追加設定あり
偶数…昇格
「病弱なんです。稀にみる天才なのですけど。……こちらへ」
俺たちはある部屋に通された。ベッドには、色白の若い少女がいる。
「……ノワール。身体の調子はどう?」
「今日はいいですわ、フェリシア様。……こちらは?」
俺は一礼した。耳が少し尖っている。魔族混じりか?
「サイファーといいます。近衛騎士団、副団長をやってますが」
「近衛騎士団!まあすごい、憧れですのよ?でも、何故ここに?」
フェリシア所長がノワールという少女に説明し始めた。うんうん頷く姿が、なかなかに愛らしい。
「是非行きたいです!でも、フェリシア様が許すかどうか……」
「ええ、そこです。あなたは生まれつき身体が弱いのです。……オルランドゥ家の宿命、なのですかね」
オルランドゥ家?ライラ・オーディナルの師匠で大魔術師と吟われた、あのジャック・オルランドゥの子孫か!
だが、オルランドゥ家の人間は病弱で、室内育ちを強いられることが多いという。シェイド・オルランドゥは200年以上生きたが、その大半が室内だったと伝えられている。
間違いなく、俺以上の家柄の貴人でもある。この人を連れ出すのがいいのかどうか?
1 ロイを選ぶ
2 ノワールを選ぶ
3 保留の上移動する
安価下3多数決、考察必要
その前に何の魔法が使えるのか聞きたいかなぁ。
>>160
その通りですね。追加情報を入れます。
「この子は、何の魔法を?」
「基本的には何でも。でも一番得意なのは……」
「闇魔法ですわ。曾祖父のジャック様からの伝統ですの」
ノワールはふわりと笑う。なるほど、優秀ではあるようだが。
1 ロイを選ぶ
2 ノワールを選ぶ
3 保留の上移動する
※ノワールはピーキーな性能です。超紙装甲でしかも避けません。
ただし、序盤から暗黒嵐(後半で出てくる魔法)が使えるなど凶悪な攻撃力を持ちます。
なお、合法ロリです。
安価下3多数決、考察必要です。
2 純粋な戦力どうこうはおいておくにしても、オルランドゥ家の者ならオルランドゥ魔術都市?消滅の謎に関わりあるんじゃ。病弱設定に関しても何か裏がありそうだしとりあえず調査でお手並み拝見ってのはだめなのかなぁ?
自分前作未読組なので考察としておかしかったらずらしてください
なお、キャラロストのペナルティは今作にもあります。その点も考慮してください。
……幸い、主人公がタンク特化ではありますが。
自演野郎まだ懲りてないのかよ
保留したらどうなるのか詳しく聞かせて
自演はずらすよなこれ
病弱に関しての行動面でのペナルティみたいなのは何かしらあります?判断材料がちょっと足りないかと
今日はここまで。今作への批判、要望あれば受けます。ご遠慮なくどうぞ。
>>166
彼女は知らないですが、消失の謎には近付けるかもですね。
ただ、繰り返しますがオルランドゥに着いてからが本編です。
あとキャラロスト含め大まかなペナルティ内容は開示しといた方がよさげ
流石に離脱ペナは今回無いよね
おおっと、自演ですねこれ。上の2票取り消します。
改めて安価下5で取り直します。考察必要です。
>>168
そこから消える場合があります。あるいは行動不可になる可能性があります。
ギルドハウスの面子は、その可能性がやや高めです。別の人間がいるかもしれません。
>>169
少しありますね。移動制限が若干かかったり。
ただ、それ以上に圧倒的なHP、筋力、器用さ、耐久力の低さがネックです。
知力、賢さ、魅力は10超えですが……。
>>172
デッドエンド、およびキャラロストは
・ステータスの減少
・重要装備の剥奪
・好感度の大幅減
などが発生します。あるいはその全てが発生します。
>>174
合意の上での離脱はなしです。好感度ゼロによる離脱はキャラロストに準じた扱いになります。
女性の扱いには慎重に……
質問ばかりで悪いけど紙装甲っつーのは耐久の初期値が低いのか?もしくは伸びづらいとか?それともステには関係なしにキャラ特性でダメージ+◯◯みたいなペナルティついてる感じなのかそこらへん知っとかないと選べないわ
>>177
上に書いてありますが、低くて伸びづらいです。HPも同様です。
ただ、とりあえず全ての魔法(治癒含む)が一応使えます。攻撃魔法は闇魔法ですが。
序盤から凶悪威力の魔法をぶっぱできるので、「当たらなければどうということはありません」。
……当たったらほぼキャラロストですが。サイファー君の腕次第ですね。
なお、職業はスペルマスターになります。
元ネタを知っていると、「ああ、あれか」となると思います。最強にして最弱の職業ですね。上級者御用達です。
余談ですが、昇格の場合王家の誰かになる予定でした。高性能安定キャラになったはずです。
上げます。まだ1票残ってますね。
ちょっとキャラロスト考察とは関係なくなってしまうのかもだけど。ピーキーではあるがそれ故に上手く使いこなせれば前作で単調になりがちだった戦闘パートが面白くなりそうってのと、キャラ一人一人を大切にする>>1の事だから少なくとも何かしら切り抜ける道を作ってくれそうという理由で。こんな理由で選ぶのはダメだろうか?
本音言うと合法ロリっていいよねという結論。馬鹿野郎俺は守り抜くぞお前
>>187
では2ということでいいですか?
なお、今作の戦闘はサイファーの特性を生かしたものにする予定です。
了解です。2で決定します。
更新は0830以降ですが、ノワールのパラメーターだけ張ります。
ノワール 27歳 スペルマスター
HP 20
筋力 1
知力 15
器用さ 2
賢さ 12
耐久力 2
魅力 13
※成長判定時、HPの上昇がコンマ下÷6
※筋力、器用さ、耐久力の上昇には通常のポイント+1必要
※知力、賢さ、魅力上昇で技能を覚えます
魔法は色々使えますが、便宜上主に使うものだけ紹介します。
・暗黒嵐
同時5体まで攻撃可能、ヒットで相手を盲目化
・高速治癒
1ターン使ってコンマ下一桁×5+知力(現在15)分回復
・敵感知
周辺の敵を感知
・精神感応
言葉が通じにくい相手と初歩的な会話が可能
・肉体増強
戦闘中のみ使用可能、一時的にHP+30耐久力+3、自分には使えない
どこまでの魔法が使えるかはその都度判断しますが、まだ高度すぎるものは使えません。
これにより、知力、賢さ、魅力18以上の技能は中盤まで封印します(理屈付けは後程)。
ノワールの年齢が27歳なのは、デアドラの血が少し入っているのが影響しております。
ただし箱入りのため、精神年齢は見た目(14歳ぐらい)に近いものです。
前作を最初の方からノロノロと読み始めてるけどこれ命中判定には器用を使うっぽい?これじゃノワールは避けられない上に攻撃面は威力だけのノーコンになっちゃうしロイのが良かったんじゃないの・・・・?絶対に攻撃が当たる状況を作れという事?
>>194
魔法の命中は知力依存なのでご心配なく。
ダナの場合は「手の上に火弾を作る→投げる」なので器用さ依存であったかと。(後設定が手探りだったのもあります)
後、好感度も決めます。
コンマ下+20です(近衛騎士団への憧れ補正)。
ノワール 27歳 スペルマスター
HP 20
筋力 1
知力 15
器用さ 2
賢さ 12
耐久力 2
魅力 13
好感度 110
うん、ちょろい(確信)。
ここまで前作と違う主人公だと、かえって動かしやすいですねえ。
少し早いですが再開。
後、ノワールのパラメーターにご意見あれば受けます。
このステータスっていうのは伸ばす機会あるの?
ノワールはもう伸ばすべきステータスが示されてるようなもんだしランダム成長だと耐久や筋力に無駄にポイント食われて中盤以降中途半端なパラメータになりそうだな
「分かった。連れていこう」
「本気ですか??確かに、ノワールは素晴らしい魔術師ですが……」
フェリシア所長が困惑している。だが、オルランドゥ家の一員なら、消失の謎にも近いはずだ。
それに……。
「えっ、本当なの!?やった!久し振りにお外に出れるのね!」
ベッドの上でピョンピョン飛び跳ねるこの子を見るとなあ。まだ少女とはいえ、女の子の期待には沿わなくちゃねえ。
「ご本人もその気ですし。大丈夫、私が命を賭してお守りします」
俺はひざまづき、恭しく一礼した。ヘカテルからの呆れたような視線が刺さっている気がするが、きっと気のせいだ。
「そこまで仰るなら……本当にいいのね、ノワール」
「うん!オルランドゥ魔術都市には一度行きたかったし。今はないって言うけど、その理由も知りたいもん。
よろしくね、サイファーさんっ」
「ええ、よろしくお願いしますよ」
ノワールは子供っぽい笑いを見せた。間近で見ると、絶世の美少女だ。俺にそういう趣味はないが、心が揺らぎそうになる。
「こほん」
ヘカテルが咳払いをした。ノワールに見とれているのがバレたか。
「女好きとは聞いてましたが、もう少し節操を。いくらなんでも、歳の差をお考えになっては?」
「えっ、そんなことないよ。サイファーさん、見たところ30ちょっと過ぎでしょ?ちょうどいいんじゃないかな」
何を言ってるんだこの子は。箱入りだから、そこまで世間知らずなのか。
……と思っていた俺の頭は次の瞬間がーんとやられた。
「ああ……ノワールは27歳なんです。ご存知かも知れませんが、オルランドゥ家は病弱ですが適切な環境下なら非常に長寿なんです。その分成長も遅くて……」
「はぁ!?このなりでか??」
いかん、地が出た。ノワールは俺の腰の辺りにぎゅっとしがみついている。
「というわけなの。頼りにしてますわ、ナイト様」
こりゃあ難儀な旅になりそうだぞ。俺は女に振り回され、喜劇にもなっている太祖アレスを思い出した。
……ご先祖様、どうも俺にもあなたの血はしっかり流れているようです。
########
「で、オルランドゥにいつ行くの?」
カフェで遅めの昼食を取りながら、ノワールが目を輝かせて言う。
「別に今から向かっても構わないが、まだ準備不足だ。仲間を後一人、それと情報と装備。
そう外の世界は簡単じゃねえんだよ」
俺はサンドイッチを大口で噛み千切った。ノワールに敬語を使うのはやめた。どうせ取り繕っても俺がもたないし、近い年齢と知った今遠慮は無用と判断したからだ。
ヘカテルが疲れたような溜め息をつく。
「どうした?」
「いえ、別に」
あからさまにむくれている。……俺には気がないんじゃなかったのか、こいつは。
「まあいい。俺らに求められてるのは、オルランドゥの情報を手にすることだ。
王命だからな、上手くすりゃ後の人生が大分楽になるぜ」
「……そういうことじゃないんですけどね」
大通りを眺めながらヘカテルが言う。こりゃ、後でご機嫌を取らないとな。
「飯食った後、どうする?まだやることは多いが……」
1 ギルドハウスに戻る
2 王宮に行く
3 武具店に行く
4 近衛騎士団の食堂に行く
5 出発する
※安価下5多数決、考察必要
>>201
ミッション攻略ごとに成長ポイントが入って伸ばせます。
現在のミッションは一つだけですが、そのうち増えます。
>>202
ノワールだけ一部パラメーターが後半相当なので、ランダム配分はやめる方向で考えています。
防具調達はメンバー揃ってから改めてじゃないのか順番的に
2
使える戦力がいそうなのとは別にオルランドゥに関する有力な情報が何かないか調べる。微妙な関係だったとはいえ外交はしてたんでしょ?
>>206
イーリスとオルランドゥとはかなり近い関係です。オルランドゥ家の一人娘を預けられる程度には。
「……とりあえず王宮かね。情報なら政府の諜報部がある程度持ってるはずだ」
「それは一理ありますね。行きましょうか」
ヘカテルが席を立つ。食うの早いなこいつ。
「待ってよぉ、私全然食べてないんだけど」
ノワールが困惑している。……
※100-魅力(9)×8=28以上で成功
※90…成功
「仕方ないな。……ヘカテル、お前も付き合え。代わりに何か頼んでいいぞ」
「本当ですか!?じゃあこのジャンボパフェを」
ヘカテルが目をキラキラさせている。こいつ、甘党か。
「えー、ヘカテルちゃんだけずるいー。私にはないの?」
「わーったよ、全部食い終わったらお前にも何か食わせてやるから」
俺はふうと息をついた。普段付き合ってる女は身体中心の乾いた関係だってのもあるが、なかなかに面倒な奴らだ。
……まあこうして眺めている分には無邪気で可愛らしいから、悪くねえのかね。
#########
結局、二人のご機嫌取りをしてるうちに午後3時を回ってしまった。王宮に急がねば。
無駄に煩雑な手続きを済ませ、王宮に入る。
……
※75以上で追加イベント、95以上で別の追加イベント
※追加イベントなし
俺たちは政府の諜報部に向かった。近衛騎士団との関係は決して悪くはない。
かたや要人の身辺警護、かたやそれに資する情報収集を行う機関だ。ある程度日常的にやり取りはしている。
「近衛騎士団、サイファーです。よろしいですか」
俺は諜報部の呼び鈴を鳴らした。
……
01~20 誰も出ない。
21~50 顎髭の男が出てきた。
51~80 目付きの鋭い女が出てきた。
81~99 誰も出ない……?
出てきたのは目付きの鋭い女だ。
「……何の用?……よりを戻そうってのならお断りよ」
こいつか。……参ったな。
※諜報員の名前を決めます。
安価下3でもっともコンマが大きいものとします。
「いつモリブスから戻ってきた、長期任務中と聞いたが」
「つい最近よ。オルランドゥ消失の情報、やっと少し手に入ったからね。
あんたでしょ、今度の片道切符の調査団は」
俺はやれやれとおどけて首を振った。エリスは数年前に別れた元カノだが、こいつのこういう毒舌は相変わらず直ってない。
「片道切符とは聞こえが悪いな、俺は帰ってくるつもりだぜ?
ここにゃ俺をまっ……」
ヘカテルが冷たい視線を送っている。こういうのは地雷なのか。気を付けにゃ。
「まあいいや。俺はこれを成功させて、史上最年少の騎士団長になるつもりなんでね。死ぬつもりはねえぞ」
「あらそう?てっきりそこの二人の女の子を連れて王国を逃げ出すのかと思ったわ」
「……冗談が過ぎるぞエリス。王命だ、茶化してる余裕はない。
で、さっき聞き捨てならんことを言ったな。オルランドゥ消失の情報?それは何だ」
100-魅力(9)×4=64以上で無条件成功、37以上で条件付き
※93…成功
昼まで中断。
再開します。
選ぶつもりはないがエチゴと接触してみたくもあるな・・・
「立ち話する話題じゃないわ。来て、部長も同席する」
俺たちは奥の応接室に通された。無機質で、いつ来ても落ち着かない空間だ。
やがて、エリスが頭の禿げ上がった翼人を連れてきた。シュトロム諜報部長だ。
「久し振りだね。話は聞いているよ」
男はにこやかに切り出した。この男から笑みが消えたのを、俺は見たことがない。
ただ、笑いながらファルーダの諜報員を拷問死させたとの話もある。付いた渾名が「笑顔の死天使」だ。
「ええ、オルランドゥに向かうことになりました」
「そうか、後ろの女性は……ヘカテル・カークランドとノワール・オルランドゥか。
カークランド家の若き天才に、かのオルランドゥ家の一人娘とは、ルックス重視と思いきやなかなかいい目利きだな」
「……恐縮です」
シュトロムは大体の有力な人物を知っている。国内外に関わらず、だ。
知らない人間は、ほぼいないのではないか。
シュトロムはコーヒーに口をつける。
「エリス君が持ってきた情報だが、僅かだが有力なものだ。それは……」
01~50 モリブスのある人物が、オルランドゥ消失の直前に失踪している
51~90 最近、オルランドゥ周辺に妙な連中が出ている
91~99 ???????
「モリブスのある人物が、オルランドゥ消失の直前に失踪していることが分かった。
名は、ジェニー・ベーレン。モリブスの最有力者、ベーレン候の娘の一人だ」
俺は疑問に思った。何故ならば……
「ジェニー嬢は、殺害されたと。ベーレン候による盛大な葬式もあったではないですか」
エリスが首を振る。
「それが嘘なのよ。全部。ベーレン候は魔術の才能に恵まれなかったけど、彼の親族は別。
ベーレン候の先祖、知ってるでしょ?ジェイク・ベーレン。精神感応術で知られた大政治家よ。
彼自身は善人だったからいいものの、孫のアシャクがそれを使ってやりたい放題やって、ベーレン家は一旦お取り潰しになった。
ベーレン候は魔術師でないからこそ支持されたわけだけど、隠してたけど親族にはオルランドゥにいた奴がいた。そいつが、ジェニー嬢殺害事件をでっち上げた、てわけ」
「……何でそんな回りくどいことを?」
ヘカテルが訊いた。
「ジェニーのことを知らないのね。彼女は、隠してはいたけどジェイク以来の天才術師だったのよ。つまり……」
「ジェニー自身が、彼女の殺人をでっち上げた?」
ノワールがエリスの目を見据えた。
「正解よ、お嬢ちゃん。そして、彼女はオルランドゥに向かった。その目撃者を、やっと見つけたってわけ。
彼女がオルランドゥ消失に関わっているかは確信がないわ。でも、何故自分の殺害偽装とか、そんな手間なことをするのか?」
「ベーレン候の政権基盤を盤石にするには、自分が精神感応術師であるのを知られたらまずかったからか?」
俺の言葉にエリスは頷く。
「それはあるかもしれない。ただ、それなら何故あの時点でやる必要があったのか?そこが読めない。
オルランドゥ魔術都市に行くには、モリブスは通り道よ。テルモン経由にせよ、アングヴィラ経由にせよ、必ずモリブスは通る。
調べる価値は、あるんじゃないかしら」
シュトロムが微笑んで続けた。
「……というわけだ。オルランドゥ消失には不明な点が多いが、これは恐らく新しい事実だ。
……参考にしてくれたまえ」
※50以上で追加イベント発生
※追加イベント発生
「さて、もう一つ要件がある。エリス君を、調査団に加えてくれまいか?」
「ちょっと部長!!あたしとこいつがどういう関係だったか……」
立ち上がるエリスを、シュトロムは笑いながら力付くで座らせた。右手だけで。
「君は黙っていろ。……サイファー君、無論この件は無理強いはしない。あくまで『お願い』の領域だ。断っても構わない。
何より、君とエリスがかつて恋仲だったのは知っている。やりにくいのも分かる。
だが、エリスは諜報員としても戦闘員としても優秀だ。君と並ぶ程度には。どうかね、悪い申し出ではないと思うが」
俺は黙った。……エリスの性格のキツさはよーく知っている。奴と別れたのは俺の浮気のせいだが、そもそも奴があんな性格でなければ浮気などしなかった。
ただ、優秀なのもよく知っている。エコール(上級学校)で成績上位を争った時から、エリスの才能は認めていた。
※エリスを加えるか否かの決断を前に、彼女の職業を決めます。
01~33 盗賊
34~66 レンジャー(弓と短剣メインの魔法軽戦士)
67~99 エージェント(忍者に準ずる)
00 ???????
さて……この申し出どう受ける?
1 受ける
2 断る
3 保留する
※安価下5多数決、考察必要
(以下、判断材料です)
※エージェント(忍者)
隠密攻撃に特化した職です。不意討ちで即死攻撃などができます。ただし、軽装でなければならず打たれ弱いのも特徴です。武器は短刀で、二刀流もできます。
※エリスの能力はサイファーに近いものになります。知力、器用さ、魅力が高く、腕力と耐久力が低めです。
※エリスが入ることによる人間関係の変化も考えるべきでしょう。好感度管理が重要になります。
とりあえず、女性メンバーの性格も書いておきます。
・ヘカテル
真面目なエリート肌。サイファーは女たらしという点が受け付けないが、ルックスは好み。
お調子者に見えて存外紳士な点も嫌いではない。
やや嫉妬深い。ツンデレ。ちょろい。
・ノワール
天真爛漫な合法ロリ。明るいが実は鋭い。幼稚に見えて幼稚ではない。
ちょろいが嘘は見抜く。純粋。
・カグラ
真面目な武人肌。純朴。ちょろい。
・エリス
狡猾で毒舌。目的のためなら手段は選ばない悪女型キャリアウーマンタイプ。
ただ、素直になれない裏返しが毒舌でもある。実は寂しがりや。酔うと甘え上戸になる。めんどくさい女。
なお、女性メンバーはまだ増えます。
男性キャラも増やそうと思ってますが、機会がありません。
王族は少なくとも恋愛対象にはなります。出ればですが。
好感度は加入決まってからじゃないと分からないの??
>>243
これは加入時に決めます。この主人公だと決定的要因のためです。
保留で決定します。
しばらく休憩。
そういやユミナ以上に影薄かったリナルドの子孫もいるのかな……
>>228
何故越後がいるのか、は結構重大です。00奇数で出たことには、大きな意味があります。
すぐに会えるかは不明ですが、必ずどこかで会うでしょう。
>>253
実は前作に出てます。描写しなかっただけです。あまり気分のいい話ではないのですがね。
少し進めます。
まさかエリックが素体にした幼女?
俺はしばらく考え、口を開いた。
「申し訳ありません、考えさせてくれませんか。結論は、遅くとも明日までには」
シュトロムは頷いた。
「君にも思うところがあるだろう。ゆっくり考えたまえ」
俺はひとまず諜報部の部屋を出た。ふーとヘカテルが安堵の息をもらす。
こいつが俺に気があるかは別として、エリスとの相性は見るからに悪そうだったからな。まあ、気持ちは分かる。
「で、どーするの?王様のとこにでも行くの?」
「簡単には謁見できねえよ。第二王子のカミュなら会えるかもしれないが、若くて戦力としてはどうかね。第一、王が許すかどうか。
後は、宰相のベルトランだが、こいつも多忙だ。何か話してないことがあるかもしれねえがな。
戦力だけ考えるなら、軍事府に行く手はある。だが、近衛騎士団との関係はあんま良くないんだよな。素直に人員を寄越すかどうか。
……まあ、どれも一長一短、ってわけだよ」
ノワールの問いに俺は答えた。さて、どうしたもんか。
1 王に謁見する
2 第二王子カミュの所に行く
3 ベルトランの所に行く
4 軍事府に行く
5 王宮を出る
6 自由安価
安価下5多数決、考察必要
上げます。
>>257
その通りです。彼女は初めからそのために生まれたわけですが、彼女自身の自我がどうなったかはご想像にお任せします。
材料不足の感があるので、考察不要に切り替えます。
(恒例のアニメや漫画に例えるとこの人的なの知りたいな)
4
上げます。
再開します。
>>264
サイファー…
何か思い付きません。野心家で少しお調子者で女たらし……豊臣秀吉?
外見はイケメンのはずです。MOWのテリー・ボガード短髪verとか?
ヘカテル…
艦これ霧島の胸をサイズダウンして眼鏡外したイメージ。眼鏡っ娘でもいいんですが。
ノワール…
蒼き鋼のアルペジオのイオナ。
カグラ…
髪が短いながもん寄りの片言の長門。
エリス…
リアル頭身のパワポケ8白瀬とパワポケ13の冴花を足して二で割った感じ。
エチゴコウスケ…
言うまでもないですね。
なお、ここで仲間にしなくても後で加入はあり得ます。
「……ただ、その中じゃ軍事府が無難だ。武人以外にも治療部隊もいるからな。
幅広く探すなら、ってところか」
俺たちは軍事府の建物に向かった。
……
※20以下で追加イベント、80以上で別の追加イベント
※追加イベントなし
受付を済ませようとすると、「何の用ですか?」と受付嬢に怪訝な顔をされた。
近衛騎士団と軍事府は、あまり関係が良くない。対立とまではいかずとも、常時冷戦状態だ。
規模は軍事府だが、地位は近衛騎士団というのも一因だった。後、エリートの子弟は騎士団、叩き上げの平民が軍事府に行きやすいという階級対立の面も大きい。
憲法上法の下の平等が保証されている今でも、貴族階層への平民の妬みは強いのだ。
「あー、すまない。とりあえず、第一師団のブロディ団長に繋いでくれ。エデル近衛騎士団長からの紹介、と言えば通じる」
受付嬢は電話を取った。
……
※65以下で電話に出ない
※88…クリティカル
「あっ、はい。ええ。通すんですか??……分かりました。……お2階にどうぞ」
受付嬢は首をひねりながら私たちを部屋に案内した。
「意外ですね、ごねもしないとは」
「ブロディはエデル団長の同期だからな。万一の際、手柄を独り占めされたくないとでも思ったんだろう。
あと、王命からハブられているのも気になったんだろうな。まあ実に政治的な判断だよ」
俺はおどけた笑いをヘカテルに向けた。こういう読みは、まだまだだねえ。
応接室に入ると、既に厳つい髭面の男が座っていた。野太い声で俺に握手を求める。
「よう、コット副団長。話は聞いているぜ。調査団の件だろう?」
「話が早いですね。……団員を探してますが」
「それだがな。戦闘員は不足しとるのだ。ネード辺境区で反乱が起きてな。知っとると思うが」
やはり主力は出さないつもりか。だが、前線は足りている。ここまでは読み通りだ。
「ええ。あまり無理を言うつもりはありません。少数で動くつもりですので、継戦能力に長けた兵がいれば貸していただければ、と」
ブロディはパンパンと手を叩いた。部屋に誰かが入ってくる。
……
01~20 若い少女兵だ
21~40 若い少年兵だ
41~60 目付きの悪い男だ
61~80 がさつそうな女だ
81~99 再判定
入ってきたのはがさつそうな赤毛の女だ。ポリポリと頭を掻いている。……礼儀がなってねえな。
「おい、挨拶しろ」
「ちゃーす。……おお、イケメンじゃん」
「何ですかこいつ」
不機嫌そうにヘカテルが耳打ちする。俺はそれを一先ず無視した。
「この女性は?」
※安価下3で名前を募集します。コンマが一番高いものを採用します。
「ユリリエ・スカーレット三尉だ。まあこんな感じだが、腕は確かだ」
三尉?見た感じは20そこそこだが、この年齢でということは一応幹部候補ということになる。
だが、俺に差し出されるということは、大方素行に問題ありと見た。
「専門は?」
01~33 弓兵だ
34~66 プリーストだ
67~99 狙撃兵だ
00 ????????
※ゾロ目のため特殊背景
「狙撃兵だ。腕はピカイチだぜ」
「『腕は』ですか」
ブロディは少し黙った後、がははと笑った。
「まーこのなり見りゃ分かるわな。不真面目なんで喝を入れてやって欲しいんだよ。
こいつ、これでもスナイダ家の一員だからな。現在絶賛家出中だが」
ユリリエの表情が険しくなった。
「うっせーな、家の話はすんじゃねえって言っただろうがおっさん。
あたしの名字はスナイダじゃなくってスカーレットだ、張った押すぞ」
ブロディが立ち上がりユリリエを上から見下ろした。ガンの付け合いか、不良じゃねえんだから。
「きゃははは!ちょっと面白いかも!」
ノワールが笑う。何のツボに入ったんだか……俺は頭を振った。
「なんだよこのガキ。てめーなめんじゃねえぞ?」
「ガキじゃないよ。ノワール。多分あなたよりおねーさんだよ」
ニコニコしながらノワールが言う。悪気はないんだろうが、煽ってるよな、これ。ヘカテルはあわあわしていた。
「はあ?このガキが?」
ユリリエが掴みかかろうとした時、ブロディの顔色はさっと変わった。
「おい……やめとけ。殺されるぞ。この娘、オルランドゥ家の一人娘だ。お前じゃマジで勝てない」
「何??」
ユリリエが手を下ろした。ブロディはユリリエを座らせる。
「すまねえな。俺もあんたを舐めてた。どうやら、王家はマジらしいな。
だが、ユリリエが凄腕なのは本当だ。素行、態度は最悪だが、素質はさすがにある。
スナイダ家とのコネもできるだろう。どうだ、悪くねえと思うが?」
問題児だが、戦力にはなりそうだ。さて。
1 仲間に加える
2 やめておく
3 保留する(次以降この選択肢は消えます)
安価下5多数決、考察必要
(判断材料)
※狙撃兵
銃を使った兵士です。一撃必殺といえる攻撃力があります。クリティカルでの即死も可能です。
ただし、白兵戦はひたすら不得手です。本人はどこかに隠れ、前線で戦う3人をフォローする形になります。
そのスタイル上、不意討ちは最悪です。知力、器用さ、賢さが高くなります。
※ユリリエの特殊事情
スナイダ家の血を引いているため、白兵戦では素手で戦えます。ただし、生粋のモンクではないので朦朧打撃の確率は低めです。
翼人ではありませんが、成長すれば……
※ユリリエの性格
ヤンキーです。ただ、根は素直です。多分。なお、年齢は22歳です。
※あと、まだ別の仲間候補には会えます。コンマ次第ですが。
「分かりました、調査団に加えましょう」
俺がそう言うと、ユリリエが困惑したように叫ぶ。
「ちょ、ちょっと待った!オルランドゥに行くのか?本気で??」
「うるせーよ!てめーのそのだらしねえ根性、叩き直してこい!!」
ゴン、とブロディがユリリエの頭に拳骨を食らわせた。ユリリエは悶絶する。
「すまねえな。……こりゃ、エデル野郎に貸しか。嫌だねえ。
ま、そんなわけだ。しばらくこいつを頼むぜ」
ユリリエ 22歳 狙撃兵
HP 54
筋力 5
知力 8
器用さ 12
賢さ 7
耐久力 5
魅力 7
技能
・集中 1ターン消費し次の命中が80%以上に。クリティカル範囲がゾロ目+90以上に
・一撃必殺 ボス戦以外で命中判定クリティカル発生時、77、88、99、00偶数で即死。ボス戦なら5倍ダメージ
好感度 コンマ下+10(イケメン補正)
技能追加
・朦朧打撃
白兵戦時、ダメージ判定80以上で朦朧発生。継続は60以上
ユリリエ 22歳 狙撃兵
HP 54
筋力 5
知力 8
器用さ 12
賢さ 7
耐久力 5
魅力 7
好感度 90
少し休憩。……みんなちょろい。
既に100越えてるノワールの1回目のイベントはあるのかな?
>>314
そのうち、ですね。なお、100以上は異性としての好意を自覚している状態です。
……本当にご先祖様の血を引いているんですねえ。
俺たちは王宮を出た。諜報部に断りを入れた上で、だ。
エリスはもうどこかに出た後だった。シュトロム部長は「まあ、仕方あるまい。スナイダ家の家出娘では分が悪いな」とあっさりしたものだったが。
夜はもう暗くなっている。ノワールがヘカテルとユリリエにしきりに話しかけているが、ヘカテルは疲れきり、ユリリエは不機嫌そうに黙ったままで会話になってない。
「むー、つまんない!サイファー、かまってー」
俺も頭が痛い。まさか全員女、しかも名家の訳ありが二人ときた。
死なせたら、確実にただでは済まない。騎士団を首になるのはもちろん、追放処分までは確定だ。その上は……考えたくもない。
死んでも問題ない、しがらみのない冒険者を捕まえて出立する予定が、どうしてこうなった??
だが、これは上手くすりゃ大出世の好機でもある。スナイダ家とオルランドゥ家、名門中の名門とコネができる。
何より、性格はともかく3人とも十分な美形だ。中でもノワールは別格といえる。……外見年齢を別にすればだが。
そうだ、前向きに考えよう。太祖アレスも結局は二人の妻をめとったじゃないか。大丈夫、行ける。……多分。
だが、まずはこの険悪な雰囲気を何とかせねば。
……
1 結成式を自宅で行う
2 結成式を居酒屋で行う
3 結成式を高級レストランで行う
4 今日は解散
※安価下5多数決、考察不要
「わーった。とりあえず腹すいただろ?結成式を兼ねて、居酒屋にでも行くぞ!」
嬉しそうな顔をしたのはユリリエだ。
「おー、お前分かってるじゃん!!近衛騎士団ってお高く止まった奴ばかりだと思ってたが、いいねー。よっしゃ、行こうぜ」
「え、ええ……私、そんな庶民の店には……」
ヘカテルは渋る。
「酒に庶民も貴族もねーだろ、というか、飲めるのか?」
※60以上で飲酒経験あり
※ヘカテル飲酒経験なし
「い、いえ……お酒は避けるべきだと母様が……」
「なら無理はしなくていい。だが、これも社会勉強だ。食わず嫌いは良くねえぞ」
ヘカテルは怯えた感じだ。……こりゃ注意しないとな。それ以上に、問題はこいつだ。
「いざかやー?何それ」
「酒が揃った大衆食堂、のようなもんだな。庶民が集まるが、味はいいぞ。
だが……お前じゃ酒は出してもらえんだろうな」
※80以上で飲酒経験あり
※ノワール飲酒経験あり
「ん?飲めるよお酒。ノワール大人だから」
「……はぁ?」
「だからお酒好きだよ。フェリシア所長の晩酌、付き合ってあげてるもん」
目をキラキラさせているノワールを見て、俺は唖然とした。こいつ、この格好で酒飲みなのか……。
まあいい。問題があるのはヘカテルだけだ。多分何とかなる。
#########
「じゃあ、これからの長旅の無事を祈念して。乾杯」
「「かんぱーい」」
俺たちは下町のパブで、黒ビールの入ったジョッキを鳴らした。
ノワールの注文の時は店長がやってきて説教されかかったが、彼女の身分証明書を見ると幽霊でも見たかのような顔になって引っ込んだ。まあ、そうなるな。
※60以下でトラブル発生
※トラブル発生
※誰のトラブル?
01~10 サイファー
11~20 ユリリエ
21~30 ノワール
31~99 ヘカテル
(70以上だと別のイベント、95以上で……)
酒宴はとりあえず和やかに進んでいった。酒が飲めないヘカテルには、途中でお茶を頼んでおいた。
盛り上がるノワールとユリリエの輪に入れないのが残念そうだったが、料理自体は気に入ってもらえたようだ。
まあ、この分なら大丈夫だろう。……と思った俺は甘かった。
01~70 あらら、サイファーじゃない
71~90 あんた、こんなところで何を
91~99 お前、何してる
「あらら、サイファーじゃない」
豊満な乳房の女が俺に話しかけてきた。ヘカテルたちの目線が、一斉に俺に集まる。
参った。一週前に抱いた、馴染みの娼婦じゃねーか。
いつもなら酒を一緒に飲んでベッドイン、と幸運を喜ぶ所だが……今日はまずい。さすがに。
1 無視する
2 挨拶だけする
3 黙って席を立ち、女を呼ぶ
4 自由安価
安価下5多数決、考察ありが望ましい
※自由安価歓迎です
ヘカテルはサイファーのそういうところ知ってるだろうからそこに口裏合わせてもらうか。あとで何か奢る感じで。残り2人はこれから考えるとして
上げます。
まだ一応一票残ってます。
>>338+339とします。
身から出た錆とは言え、ここで俺が女にだらしないと思われるのはまずい。いや、実際そうなのだがこいつら相手ではよろしくない。
しかも、旅の出だしで躓くのはかなり苦しい。……こうなったら。
俺は目でヘカテルに合図を送った。……今から俺の言うことに、口裏を合わせろ。
100-魅力(9)×5=55以上で成功
※37…失敗
ヘカテルは怪訝そうに首を捻っている。……通じないか。ならば。
「おう、ナナミか。今飲んでるんだが、一緒にどうかい?今日は俺の奢りだ。
……皆もドンドン飲んでいいぞー。というか、隣の席のそこのアンちゃんたちも、みーんなで盛り上がろうぜー!!」
隣の席の若いの二人は「マジっすか?!」と喜んでいる。
ヘカテルはあからさまに不機嫌そうだ。
「……すまん、埋め合わせは必ずする。今日はとりあえず耐えてくれ」
俺は小声で彼女に言う。
100-魅力(9)×6=46以上で成功
56…成功
ヘカテルは深く溜め息をついた。
「副団長、貸し一つですよ。……お忘れなく」
よし、これでまずヘカテルは片付いた。問題はノワールとユリリエだが……
※45以下でトラブル発生
※トラブルなし
ノワールとユリリエを見ると、隣の席の兄ちゃんたちとナナミとで盛り上がっている。生粋の酒飲みか……助かった。
ナナミも空気を読んだのか、余分なことは言ってないようだ。この分なら、顔見知りの女友達で何とか済むだろう。ヘカテルだけは見抜いているだろうが、後でフォローしなけりゃな。
まあ、死ぬのが俺の財布だけで助かった……というべきか。
※65以下でトラブル発生
※トラブル発生
※誰にトラブル?
01~75 ノワール
76~90 ユリリエ
91~99 サイファー
宴は終わった。……が、まだ問題は残っていた。
「うへへ……もうのめなーい。……うぉえええ」
ノワールが盛大に酔ってしまったのだ。……病弱なノワールには、酷だったか?
「ほら、大丈夫か?」
ヘカテルの視線が厳しい。言わんことじゃない、とでも言いたげだ。
「うー、あんまり……うええええっっ」
彼女をトイレに連れていき、一通り吐かせてやる。……明日に残らねばいいが。
100-賢さ(8)×5=60以上で成功
87…成功
このままでは、確実に明日に残る。……その時俺は閃いた。
背中をさする右の手のひらに、魔力を集める。……簡易治癒だ。
少し時間はかかるが、多少は楽になるはずだ。辛そうだったノワールの息が、少し楽になる。
「はあ、はあ……」
「あまり沢山飲むからだ。……お前の身体を考えず煽った俺も悪かったが。
次から気を付ける。……すまない」
100-魅力(9)×4=64以上で成功
※38…失敗
「むー、ほんとだよ。気を付けてよね」
ノワールがむくれた。だが、この程度ならまだいいか。
しかし、これは今後が思いやられる。……マジで気を付けねえとな。
※コンマ下一桁×3好感度下落(ヘカテル)
※コンマ下一桁好感度下落(ノワール)
ノワールは下2になります。
ヘカテル好感度 89
ノワール好感度 107
今日はここまで。……こんだけされといてこれ、やっぱりちょろい。
下がる量が低くて良かったなー
みんな優しいわwwww
>>378
簡易治癒をかけてないとノワールは結構ガッツリ下げる予定ではありました。あそこは分岐点です。
と、このように今回は好感度管理が大変です。
ちゃんとシリアス展開も準備してますが、どうなることやら。
ハーレム展開はやや想定外ですが、多分どこかで男性キャラが強制加入しますので大丈夫です、きっと。問題はいつ出るかですが……。
なお、サイファー的には「3人ともルックスはいいんだけどなあ」なので、そう簡単に手出しはしないと思われます。
軽い女が好きな彼ですが、3人とも違った意味で重いので。
基本抱くのは軽い女ですが、好かれるのは背景が色々重い女ばかりというのは、まさに女難ですね。
一つに絞るもよし、ハーレムを目指すのもよし……ですが、最終目標は別の所なのでお忘れなく。
ちょっとついでに備忘録がわりに。このスレから入った人向けに書きます。
(当面はこのスタイルを続けます)
・スナイダ家
500年前に世界崩壊の危機を救った一行のリーダー格の翼人(シデ)と副リーダー格(ダナ)のカップルが祖。
主にテルモン近辺に影響力がある。母方の遺伝が強かったからか、人間の家系である。
二人が政治的に無能であったわけでは決してなく、むしろ有能もいいところだったが、子供たちは皆政治の道を選ばなかった。
(長男…ヴィルエール家に実質婿入り、次男…学者、長女…冒険家兼武道家)
このため、スナイダ家は現代でも武芸、学術分野で活躍する傾向が強い。たまに政治家になるが、あまりぱっとしたのはいない。
世界崩壊前に栄えた帝国の都、ファルーダを中心としたファルーダ公国はスナイダ家の傍流である。が、本家とは対立している。
・オーディナル家
500年前に世界崩壊の危機を救った一行の一人(ミドル)とその二人の妻が祖。
片方(ジュリア)の家柄はアングヴィラを地盤とした政治家となり、もう片方(ライラ)はオルランドゥ魔術都市の市長職を務める。
基本的に一番栄えている家柄。財閥もある。ただ、それだけに政敵も多いのが悩みの種。
スナイダ家やヴィルエール家とは協力関係にある……が、ヴィルエール家とは一時対立していたこともある。
現在は経済の中心的存在である。ロスチャイルド家とケネディ家を足して2で割った感じと思えばいい。
・ヴィルエール家
オーディナル家の分家。世界崩壊前に栄えた帝国の正当後継者と名乗っている。
元はライラ・オーディナルの子(ユリウス)を帝国関係者(ネモ)に養子に出しヴィルエールを名乗ったのが発祥とされているが、真実は両性具有者のジュリアがライラに生ませた子が発祥である。
なお、ユリウスも両性具有であり、スナイダ家の長男と事実婚をしていた。この子孫が現在に繋がってイーリス聖王国となっている。
拡張主義傾向がややある。辺境開拓にはもっとも前向き。なお、三名家のうち王となったのはここだけである。
(ミスったら強ペナルティのこのスレと修羅場量産機のハーレム√ってのがそもそも絶望的に噛み合ってないんだよなあ…まさに爆弾って感じで嫌いではないが)
少し進めます。
>>402
そこはコントロールします。多分。
※40以下で二日酔い
########
翌日。俺は近衛騎士団の詰所に向かった。酔いの余韻で頭が軽く痛むが、この程度ならなんとかなる。
既にヘカテルは入口で待っていた。昨日のこともあってか、気持ち不機嫌そうだ。
「遅いです」
「……時間ちょうどなんだが」
「5分前行動は基本ですよ。ノワールちゃ……じゃなかった、ノワールさんはもっと早く着いていたのに」
ヘカテルの後ろからノワールが顔を出した。
「あ、サイファー。おはよー。今日から行くんだよね」
「ああ、多分な。その前にエデル団長と、今後の簡単な打ち合わせだ。……ユリリエはまだか」
※50以下で遅刻
※遅刻
「……まだですね。まあ覚悟してましたけど」
ヘカテルは少しイラついたように、息を吐いた。年齢が近いこの二人だが、性格は真逆だ。……上手くやっていけるんだろうか。
10分後。……
※40以下でまだ来ない、90以上でイベント発生
コンマ連取は制限無し?新しくなって今大分人いるみたいだが
>>411
基本は制限なしです。疑わしい場合は対応しますが。
※ゾロ目のため昇格
「あー、悪い。ちとトラブっちまってなあ」
はぁはぁと息を切らしてユリリエがやってきた。
「遅刻は感心しねえが……何だ、そのトラブルってのは」
「ああ。……」
01~25 変な男に絡まれてなあ
26~75 後ろから来てる奴に捕まっちまってなあ
76~99 変な男に絡まれてなあ
「実は後ろから来てる奴に捕まっちまってな。……苦手なんだよ、こいつ」
ユリリエがうんざりしたように親指で後ろを指す。
「ユリリエさん!久々なのに、何で逃げるんですか」
こちらにやって来ている青年の姿が見えた。……ああ、見覚えがある。
「お前しつこいから嫌なんだよ……用があるって言ってるだろーが」
「少しぐらい……って、サイファーさんですか。用ってサイファーさんと?」
そこにいたのは、ヴィルエール家第二王子、カミュだ。絶世の美青年で悪い奴ではないのだが……お喋り好き過ぎるのが珠に傷だ。
俺も奴が小さい頃は勉強や武芸を教えたりしていたわけだが、その点はうざったかった。まあ、弟のような存在だ。
「そうだ。聞いてないか、オルランドゥに少数の調査団が結成されるって話。その団長に俺が選ばれたってわけだ。
……てか、お前ら知り合いだったのか」
「ええ、小さい頃にユリリエには会っててよく遊んだんですよ。いやー、まさかイーリスにいるなんてなあ。
……それにしても、調査団の話は初耳ですよ。僕に声をかけてくれたら良かったのに。……兄さんの行方も知りたいですし」
カミュはしゅんとしている。そういえば、ユリリエはスナイダ家の出だったな。ヴィルエール家と付き合いがあるのはむしろ自然ではある。……ユリリエは嫌そうにしているが。
「セシル王は、お前まで失いたくないと思ったんだろ。伝われば行くっていって聞かなくなるだろうからな。
だが、残念ながら定員だ。そこは聞き分けてくれ」
カミュは俺とユリリエを交互にみて、残念そうにうつむいた。
「……分かりました。でも、ちょっとそこで待っててください」
カミュが王宮に向けて駆けていく。……こりゃ大遅刻は確定か。エデル団長にちゃんと説明しなけりゃいかんな。
01~33 ユリリエに餞別
34~66 サイファーに餞別
67~99 二人に餞別
00 ????????
中断します。
さらに10分後。息せき切って、カミュが走ってきた。手には何か包みを二つ持っている。
「はあっ、はあっ、すみません……これを、サイファーさんとユリリエさんに」
カミュは包みを俺たちに渡した。ユリリエが怪訝そうに開ける。中には……
01~50 ブローチのようなものだ
51~80 ペンダントだ
81~99 指輪?
上げます。
中に入っていたのは……指輪?
「僕が父様と母様に、『大切な人ができたらあげなさい』と言われて渡されたものさ。僕は行けないけど、これを僕だと思って持って欲しい。
押し付けがましいかもしれないけど、魔術的な力も込められているんだ。きっと役に立つと思う」
ユリリエの顔がひきつっている。俺もどう言ったらいいか分からず、ただ苦笑するばかりだ。
ていうか、ユリリエだけじゃなくて何で俺にまで?あいつ、そっちの気もあるのか?……まあ、そういう感じもなきにしもあらずではあったが。
「あ、ありがとう。……使わせてもらうぜ」
「良かった。じゃあ、僕は公務があるからこれで。また必ず会おう!」
カミュは渡すだけ渡すと、風のように去ってしまった。
「……何なんだあいつ……断る余裕すら与えなかったぞ……。だから苦手なんだ、昔から」
ユリリエが肩を落とす。そこにノワールが割って入ってきた。
「むー、サイファーとユリリエだけずるいー。……でも、これ、確かにいい魔力を感じるよ。ちょっと貸してみて」
……
01~70 コンマ修整5、HP+10
71~90 コンマ修整5、HP+10、魅力+2
91~99 再判定
※再判定
01~60 コンマ修整5、HP+10、ダメージ軽減10、魅力+2
61~90 コンマ修整5、HP+10、ダメージ修整10、魅力+2
91~98 コンマ修整5、HP+10、ダメージ修整10、ダメージ軽減10、全パラメーター+1
99、00 再判定
※再判定
01~80 コンマ修整10、HP+20、ダメージ修整15、ダメージ軽減15、全パラメーター+1(工芸師フィオナの指輪)
81~98 上のものに加え1日一度だけファンブル無効効果(工芸師フィオナの指輪)
99、00 ????????
指輪を手に取ったノワールの顔色が変わった。
「えっ……これちょっと……思ってたより、はるかに強力な魔力が込められてるよ」
「何?」
「うん、間違いなくそう。フェリシア所長に研究材料として見せてあげたいぐらい。
こんなの作れる人、いるのかな?オルランドゥで作られたのかなあ」
ノワールはしきりに首を捻っている。ユリリエが困惑したようすで訊く。
「そんなに凄いものなんか?」
「うん。意匠も細かくてきれいなんだけどさ。それよりこの宝石。……サファイアかと思ったけど、違うみたい。この魔力が凄いの。
で、も一つ驚いたのがここ。……細かいんだけどさ、何か書いてあるでしょ?『フィオナ作』って。
フィオナって言えば、工芸の神でしょ?そんなの存在するわけないじゃん。だから多分別の誰かの作なんだろうけど……でも、神の名を騙れるぐらいには凄い作者だよ」
ノワールは早口でまくしたてた。ぽわっとしたお子様かと思いきや、さすがに相応の知識はあるようだ。
それにしても、この指輪がねえ。こんな貴重なものを渡す辺り、愛なのか友情なのかが重すぎる気はするが……使えるものは、ありがたくもらっておくとするか。
※100-ユリリエ知力(8)=92以上で追加情報
一名離脱は決まってるんだよなぁ…
離脱時の安価で血を血で洗う戦争が起きそうなんだけど
夕方前か夜に更新。
余談ですが、今回の指輪は前作基準で5000~6000マドル相当です。
(一般的RPGなら後半以降入手品)
んなもん簡単に渡すなというのはごもっともですが、カミュ君なりに考えてるのです。
サイファーやユリリエにとっては(現時点では)勘弁してくれという感じなんですけどね。
カミュがパーティに入れば、分かることもあるでしょう。
まあ、前作だと(確か)2スレ目で最終装備入手してましたし……
>>439
もっと入れ替わってるかもですね。
荒れないように配慮しますが、最終パーティが初期パーティには多分ならないでしょう。
好感度が100超えで異性として意識、200で恋愛感情だっけ?
>>445
150以上で恋愛感情、200以上で交際ですかね。180ぐらいから肉体関係になる可能性があります。
300だとほぼ事実婚となります。
前回は200超えたらほぼ下がらない感じでしたが、今回は多分下げます。ハーレム展開の道は厳しいのです。
再開します。
※追加情報なし
俺は指輪をはめた。……力が漲ってくる。本当に凄まじい品であるのは確かだ。
「お前は使わないのか」
ユリリエは額にしわを寄せている。
「いや……あいつは苦手だが嫌いなわけじゃねえんだ。ガキの頃は仲が良かったし。
だが、そこまで貴重な品と知って……怖くなった。それ、本当に効果はあるんだよな」
「ああ。今はめたが、効果は保証する。魔法装備で、これ以上の物はほとんど見たことがない。
博物館に展示されている国宝の類は別格だが」
彼女はまだ黙っている。……
※70以上でイベント発生
※イベント発生
「あー、やっぱやめとく。逆に何か悪いわ。
しばらくここには戻ってこねえんだろ?だったら、別の奴に使ってもらうのもいいかなってな」
ユリリエは指輪を俺に渡した。
「本当にいいのか?」
「ああ。ていうか、そもそもあたし、戦闘に参加しないのが理想的だからな。
あんたもそうだが、前線で体張る奴に渡した方がいい気がしてね」
「そうか、すまんな」
ユリリエは「いいってことよ」と笑った。……どちらに使わせよう。
1 ヘカテル
2 ノワール
安価下3多数決、考察必要
「じゃあ、ノワール。使ってみるか」
「えっ、いいの?これを??」
ノワールは心底嬉しそうだ。指輪をはめると「おおー」と感嘆の声を漏らす。
「いや、本当凄いねえこれ。ありがと!」
ノワールは満面の笑みを俺に向ける。俺は苦笑した。
「いや、礼ならカミュ第二王子に言うんだな。……ってこれがばれたら大事だから、言える話でもないが。
はめた感じ、瞬発力、生命力、腕力……全ての力がまんべんなく上がってる感じだ。
お前は病弱だし、ちょうどいいんじゃないか?」
「そ、そうだね!!やっぱサイファーっていい人だねえ」
にへらとノワールが笑った時、近衛騎士団の詰所からヘカテルが出てきた。カミュが来て遅れると、エデル団長に伝えに言っていたのだ。
※75以上でノワールの好感度が上がります
※好感度上がらず
サイファー(33歳、聖騎士)
HP 31+20(51)
筋力 6+1(7)
知力 8+1(9)
器用さ 4+1(5)
賢さ 8+1(9)
耐久力 10+1(11)
魅力 9+1(10)
コンマ修正 10
ダメージ修正 15
ダメージ軽減 15
ノワール (27歳、スペルマスター)
HP 20+20(40)
筋力 1+1(2)
知力 15+1(16)
器用さ 2+1(3)
賢さ 12+1(13)
耐久力 2+1(3)
魅力 13+1(14)
好感度 107
質問、キャラが入れ替わるっていうのは一度離脱したら永久離脱なのか?それとも場所や状況に応じてその都度メンツが変わるだけってこと?
※ノワールもサイファー同様、コンマ修正以下の効果を受けます
#########
「随分かかったな。カミュ王子とお前は、昔はよく一緒にいたそうだが」
エデル団長は煙草を吸って言った。灰皿には4本ほど、吸い殻がある。大分待たせてしまったか。
「申し訳ありません。といっても、用があったのはユリリエの方だったみたいですけど」
「……!なるほどな。シュトロムめ、家出娘をつけるとは考えたな。
確かにスナイダ家令嬢なら、王子と面識があっても不思議ではない、か。やむを得んな」
ユリリエは窓の方を見ている。そんなのはどうでもいい、といった感じだ。
「ええ。まあとにかく、団員はこの3人に決めました。あとはなる早で出立するつもりです」
「女好きのお前らしいな、全員が女性とは。……だが、全員が優秀でもある。
特にオルランドゥ家令嬢を選んだのは驚いたな。よくフェリシア所長が許したものだが」
「元々オルランドゥには行きたかったのですの。身体は何とかなりますわ」
ノワールがにこりと笑う。エデルはそれを見て頷いた。
「そうか。くれぐれも、粗相のないように。お手付きなどもっての外だ。
……さて、調査の概要を説明する。いいか」
私は頷く。エデルは世界地図の方に向かって行った。
「イーリスは大陸北西部にある。そして……オルランドゥはここ。大陸南東部のモリブスより、さらに南に行ったところにあった。
ルートは大きく分けて3つ。まず……これだ」
エデルは棒をイーリスからすっと下に下ろす。
「イーリスから南下し、ズマ魔族自治領を抜けてアングヴィラ。そしてそこから西に行き、アーデンの森を抜けてモリブスだ。
アングヴィラとうちとの関係はいい。オーディナル財閥の支援も期待できる。だが、問題は3つある」
「まず、フォルク山脈越え、ですね」
エデルは頷く。
「春とはいえ、フォルク山脈越えはなかなかしんどい。野盗も出やすい場所だ。
魔道車はもちろん、馬車も使えない。自力で何とかするしかない。
そこを越えたら二つ目の難所がある。ズマ魔族自治領の通過だ。
オーディナル家とは友好関係にあるが、うちとはフォルク山脈の銅鉱山を巡って対立していたという歴史的経緯がある。
現在対立は小康状態だが、下手にイーリスの騎士団と分かると警戒されかねん。速攻で抜けたいところだ」
「そして最後が、アーデンの森、ですね。魔素が最近急速に濃くなっている地域の一つ、ですか」
「ああ。原因は不明だが、魔素が増え始めている。まだ土まではやられていないが、魔獣の目撃情報が急増しているのが問題だ」
「じゃあ、このルートはなしで決定じゃねえか」
ユリリエが口を出してきた。エデルは首を振る。
>>466
後者です。後半になるとパーティ編成がフレキシブルにできます。
「そう簡単じゃない。第二のルートは少し遠回りになる」
エデルは棒をイーリスから右にやった。
「まずファルーダ公国を抜ける。ここが最大の難所だ。
うちとファルーダは冷戦関係にある。交易はテルモンとはやっているが、ファルーダとは限定的なのは知っているだろう。
まして騎士団関係者が入国は、かなり大変だ。国境はヴォルガ川だが、正攻法では難しい。
確かフレール王子が調査に向かった時も、南下ルートを取らざるを得なかった」
「じゃあ、密入国するしかない、わけですね」
ヘカテルの問いに、エデルは頷く。
「その通りだ。だが、ばれたら厄介なんてものじゃない。幸いなのは、ファルーダとテルモンの国境まではそう遠くないってとこだ。
馬車なら1日、徒歩でも2日。まあ出る時も密出国になるが、入るよりは楽だ。多分」
「あとの難所は、クローブ湿地帯ですね。ここの通過も徒歩じゃなきゃいけない。まあ時間がかかるだけですが」
エデルの表情が険しくなった。
「そうでもないのだ。ここもアーデンの森同様、最近魔素が濃くなっている。
一部では土ごとやられ始めているらしい。テルモン政府が、ごく最近要警戒地域に指定したとのことだ。
まあ、ここを抜ければあとはヘイルポリスを通って平坦だがな。第一ルートは馬車と徒歩の併用でモリブスまで12日程度。
このルートは全てが順調に行く前提で14日ぐらいだな。モリブスからオルランドゥまでは2日だが、防護壁越えの許可がいるから簡単ではない」
「……しかし、第三ルートがある。まさか?」
「そのまさかだ」
エデルは棒をイーリスに戻す。
「『穴』まではここから真っすぐ南東に向かう必要がある。
『穴』の入り口は3大都市近くの3カ所が知られているが、イーリス側にも一応はある。知っているとは思うがね。
で、だ。これも最近判明したことだが……『穴』の第三十二階層に、転移装置が発見された」
「……は?」
「知らぬのも無理はないな。王国ではセシル王とベルトラン宰相含め数人しか知らない。
3大名家で共有された話ではあるが、無論最重要機密事項だ。
だが、第三十二階層に行ける冒険者などほとんどいない。スナイダ家の長男、アミールがやってのけたらしいが」
チッと舌打ちする音が聞こえた。ユリリエだ。俺はそれを聞かないことにした。
「……まあ、そこに辿り着ければオルランドゥには行ける。戻ってこれるかは全く別問題だがな。
第一、第三十二階層だ。浅い階層はほぼ探検しつくされているとはいえ、そこまで行けるかどうかは相当に怪しい。
その場合の拠点は、『穴』近くの宿場町……ドゥールになるのだろうが……あまりお勧めはしない」
「なるほど。どれを選ぶにしても簡単ではないわけですね」
「その通り。……どれにするかは任せるが」
これは考えどころだ。この選択は、調査の成否を大きく左右するだろう。
どれにするか??
※安価下7多数決、考察は不要だが、あるのが望ましい
※メンバー構成などを考える必要があります。
※道中でミッションが発生する可能性があります(むしろそれが前提)。
467でミス。シュトロム→ブロディです。申し訳ありません。
三十二階層の敵のレベル的なのが知りたいなー。
※一応この意見は前作を読んだ方から出そうなので言っておきます。
・簡易ゲート……
現在は技術が逸失しています。元々「一族」の手による製品でしたが、作り手のフィオナが現在行方不明(?)のため誰も持っていません。
・プレーンウォーク……
「一族」との血の濃い混血者がいないため、使える人はいないはずです。多分。
・ランダム……
無論、サイファーたちはまだ彼の存在を知りません。
ランダムだけは相変わらず世界のどこかにいます。ぶっちゃけ、見つかった瞬間にほぼオルランドゥ到着までは確定しますが……。
着いてから生き延びられるかは全くの別問題です。
・スマホ経由の転移……
500年前のスマホはとっくに国立宝物庫行きです。まず起動しませんし。
※ただし、情報を集めていく過程でもっと楽に行ける手段が見つかる可能性はあります。
ここでの決定は、「コンマ運が想定の範囲内である場合」の基本ルート設定とご認識ください。
(想定の範囲外のコンマが出たらこの限りではないです。実は一度引きかかってます)
>>475
第三十二階層は(確か)前作でろくに探索をしなかったベネディクトの根城の一つです。
豪運により、上手いこと下に逃げられましたが(そしてそこでベネディクトの追撃を受けましたが)、
引きの塊であったシデ一行がろくに探索をできなかったという時点でお察しです。
vsケイン戦(一般的RPGではラスボス二つくらい前の大ボス)ぐらいのパラメータがあれば踏破できます。
もっとも、「穴」内部でもミッションは発生します。その過程でヒントが出ると思います。
正直、第三十二階層に行く前になんとかなる気はします。なぜなら……
浅い階層で一族に遭遇することがあるとかそういうことだろうか
安価下
とりあえず越後が出てきたことは重要だと思う。穴の中にまた作り物に準ずる何かが放たれてる可能性もある
意見変更があるなら今のうちです。現在1に2票、2に3票が入っています。
>>487
あまりネタバレになるので言えませんが、「穴」にはプレーンウォークが使える人物がまだ生きているはずです。
コンマ運が良ければ、モリブスまでは行けます。
>>488
エチゴはあの越後ではありません。しかし、わざわざあのコンマで出したことには大きな意味を持たせています。
日付が変わる前までの多数決に変更します。
3が微妙な理由の一つは転移が恐らく片道切符だから帰り道でどの道1か2のルート同様の問題を乗り越える羽目になること。1か2でいくのなら帰りも同じ手順踏むだけで済むけど
>>497
正規ルートだとその通りですね。第三十二階層までこれりゃ、元に戻るのは苦ではない気はしますが。
非正規ルートだとこの限りではないです。
逆にどんな抜け道があるのかとか。第一ルートは実は山をわざわざ登って越えなくても知る人ぞ知るトンネル的な通路があるとか?第二ルートはノワールが隠密魔法とか使えるようになれば…もしくは誰かこっそり通してくれる人をみつけるとか。第三ルートはこれ自体が抜け道っぽいよね
安価下
現在1に4票、2に6票、3に1票でしょうか。
>>499
そんな辺りを考えてもらえば幸いです。
隠密魔法までノワールが使えるかは……コンマ次第ですね。使えたとしてもまだ精度は低そうですけど。
では2で決定します。まだしばらくはイーリスにいることになりそうですね。
本日ここまで。
多分これ前作読んでないと最終的についていけなくなると思う…穴の話とか特に置き去りにされてる感
>>504
ああ、それはそうかもですね。
ある意味ほとんど関係がない密入国ルートで良かったのかもしれません。
とりあえず少し進めます。
あと、このスレから入った方向けに。
・穴
太古の昔から大陸中央部に存在している巨大クレーター。直径200~300kmほどで、深さは全く見通せない。
穴を取り巻く形で下に潜るダンジョンが存在する。恐らくは擂り鉢形であり、現在第四十九階層まで存在が確認されている。
ダンジョン内部は物理法則が通用しない空間であり、誰が作ったともしれない塔や遺跡が存在する。稀に「遺物」と呼ばれるオーパーツも発掘される。モンスターも存在する。
学説の有力なものとして、古代文明の記憶が何らかの形で反映されているとのものがある。「穴」自体が巨大な生命体なのではとの説も存在する。
浅い階層は観光地化しており、子供でも入ることが可能。ただ、第十五階層以降は現在でもなお危険とされている。
また「穴の民」と呼ばれる住民が僅かだが存在する。地上との交流もごく限られているがある模様。
彼らを束ねている存在がいるらしいのだが、それは明らかにはなってない。(国家機密かもしれない)
※実は古代文明が落とした大量殺戮兵器のクレーター。最深層にはその大元がなお存在する。
前作最後で第四十九階層に魔力結界が張られ、魔素(オルディニウム、放射性物質)の流出は止められている。
俺は熟考した。第1のルートは越えるべきハードルが多い。何よりフォルク山脈越えが厳しい。身体の弱いノワールにこれを強いるのは無茶だ。
第3のルートも無謀だ。第三十二階層?アミール・スナイダと言えば、スナイダ家でも近年屈指の冒険家だ。俺たちはそのレベルに到底達していない。
とすれば、消去法だな。
「……考えましたが、ファルーダに密入国します。どれも危険ですが、これが一番マシに思えます。
大人数でオルランドゥに行くならともかく、少人数なら不可能ではないのでは」
「そうか、なら俺は止めん。だが、外交問題になった場合、イーリスはお前らを切り捨てるだろう。頭がいかれた奴の密入国として、な。
そもそも、どう密入国するか、だ。正規の入国ルートは2つ。下流のキャロン橋か、中流のバリーカ橋か。どちらも警備は極めて厳重だ。
川沿いには常に警備隊が目を光らせている。下手に渡ろうものなら即殺されるだろう」
「そこは難点ですね。情報が足りない、というのが本音です。まずはそこからですか」
エデル団長が頷く。
「ああ。だが、あまり出立が遅れるのも問題だ。遅くとも明後日までには出てもらいたい。頼むぞ」
########
「本当に、あれでいいんですか?」
ヘカテルが俺に言ってくる。
「ああ。俺一人なら山越えを考えたが、お前らを考えると厳しいという結論に達した」
「えー、『穴』に一度行ってみたかったのになあ」
ノワールが不満そうにいう。俺は苦笑した。
「『第三十二階層』って言ってただろ?過去の文献読めば分かるが、あそこはシデ一行ですら逃げざるを得なかった場所だ。
俺らではお呼びじゃねえよ」
とはいえ、ここで立ち話をしている暇はない。どうする?
1 諜報部に行く
2 ギルドハウスに行く
3 武具店に行く
4 自由安価
安価下5多数決、考察必要
「とりあえず武具店、だな。予算は潤沢だが、あまり高いものは買えない。
そもそもどれだけの品があるか、だがな」
########
武具店は大通りの一角に固まって存在している。開拓者、冒険者が比較的多いこの街において、武具店の需要は多い。
多くは汎用品だけ売っているが、騎士団は合金を使った高級品をある店から仕入れている。今の鎧よりも強度が高いものもあるはずだ。
「いらっしゃいませ。……サイファー殿ですか」
片眼鏡を掛けた男店員が意外そうに言う。
「ああ、久し振りだな、ウェスト。あ、今は『バーニーズ4代目』か」
「まだ『4代目見習い』、ですよ。騎士団を辞めて3年ですか」
ヘカテルが驚いたように言う。
「この方、元騎士団なのですか?」
「そうだ、お前と入れ替わりで抜けた奴だ。優秀だったが、家業を継ぐことになってな。細かい奴だが仕事はできた。勿体ねえな」
「帳簿を付けたり仕入れをしたりするのは、存外楽しいものですよ。……ここに来たということは、武具の購買?配給品では不足ですか」
俺は後ろにいるノワールとユリリエの方を向いた。
「王命で旅に出なきゃいけなくなったんでな。……何の因果か女ばかり連れていくことになったんで、なるべく守りは固めたい。無論、武器も欲しいがな。
ミスリル鋼の鎧や胸当てぐらいは十分買える予算はある。問題は、その上があるかだ。
何か目ぼしいものはあるか?」
01~30 それが品不足で
31~60 一品ほど
61~90 二品ほど
91~99 掘り出し物があります……が、高いですよ?
「二品ほど。……見ますか?」
ウェストは店の奥へと入っていく。まず手に取ったのは……
01~25 剣だ
26~50 軽鎧だ
51~75 ワンドだ
76~95 槍だ
95~99 再判定
ウェストが持ち出したのは軽鎧だ。
「最近『穴』から発掘された代物です。軽くて動きやすい上、それなりに硬い。
機能性は高いです。サイファー殿なら条件付きでお安くしますが」
「条件?」
ウェストは満面の笑みを浮かべる。……
※30以下でやや厄介な条件
※やや厄介な条件
「……一度その子と、食事できませんか」
ウェストが耳打ちする。彼の目線の先には、ノワールがいた。
「正気か?」
「ええ。というか、サイファー殿はロリコンではありませんよね?良いじゃないですか」
ノワールは首をかしげている。……しまった、ウェストの数少ない欠点……幼女趣味を忘れていた。
俺は……
1 すまんな、この話なかったことに
2 いいぜ
3 金を上積みしよう
4 実年齢27、オルランドゥ家の令嬢と聞いてもか?
安価下3多数決、考察必要
「悪いな、この話なかったことにしてくれ」
ウェストは悪い男ではない。だが、これから旅を共にする女を売るような真似はしたくなかった。
「女好きの癖に、相変わらず妙にお堅いんですね」
ウェストは溜め息をつく。
「……お前さんとて、捕まりたくはねえだろ?次の商品を見せてくれ」
ウェストは別の棚に向かう。……
01~25 銃剣だ
26~50 ローブだ
51~75 ブーツだ
76~90 重鎧だ
91~99 再判定
取り出したのは銃剣か。ユリリエにしか使えなさそうだな。
「剣の部分にミスリル鋼を使ってます。まだ銃の生産量は多くないですし、この手の武器はなおのこと珍しいですから。どうです?一つ」
※80以上で追加効果あり
※特に追加効果なし
「うーん、支給品よりマシ、って程度だな……」
ユリリエが銃剣を見て言う。そこまでの品ではないか。
1 買う
2 浮いた金でさら何か買えないか訊く
※多数決ではありません
休憩します。
「金は積むから、もっと別なのがあれば教えて欲しい。かなりの長旅になるんでね」
「参考までにお聞きしますが……どこまで?」
「オルランドゥだ。フレール第1王子の捜索も兼ねている。できうることはやりたい」
ウェストは片眼鏡を1回外し、着け直した。
「事情は分かりました。……調べましょう」
奴は再び店の奥へと消えた。……
01~30 あれしかないですね
31~80 一応、これが
81~99 父に相談した所、これをと
「申し訳ありません、あれしかないそうです」
俺は溜め息をついた。仕方ない、ミスリル鋼の上級品でお茶を濁そう。
※サイファー、ヘカテルのダメージ修整、ダメージ軽減がそれぞれ10、ノワールのダメージ修整、ダメージ軽減が5、ユリリエのダメージ軽減が10
#######
さて、次はどうしたものか。昼時だから飯を食わねばならないが。
1 諜報部に行く
2 食事も兼ねてギルドハウスに行く
3 情報収集を兼ねて騎士団の食堂に行く
4 自由安価
※安価下3多数決、考察必要
########
俺たちはギルドハウスに向かった。一応、冒険者向けの食堂は併設されている。
もっとも、文化財にもなっているアングヴィラのギルドハウスのように、料理が絶品ということはない。あくまで食って腹を膨らますだけの食事だ。
「ここで昼食ですか……あまり気が進まないのですが」
「勘違いするな、目的はむしろ情報収集だ。飯を食いながら、めぼしい奴を探そう」
俺はヘカテルに言うと、注文を取りに行った。とりあえず、モリブス風カリーなら誰も文句は言うまい。ノワールだけ甘口にしておくか。
ざっと辺りを見回す。……
01~15 めぼしい奴はいない
16~40 屈強そうなのがいる
41~60 商人、か?
61~75 小柄だが筋肉質な男がいる
76~85 カグラがいる
86~95 まだらの黒と緑の服の男がいる
96~99 再判定
※再判定
01~75 まだらの黒と緑の服の男がいる(ファンブル時はエチゴ)
76~85 まだらの黒と緑の服の女がいる
86~99 ドクロのシャツの男が酒を飲んでいる
俺の視線の先に、妙な服の男がいた。年齢は俺と同じぐらい、しかし目付きは鋭くどう見ても只者ではない。
どこかの国の諜報員か?それにしても奇っ怪な服だ。
俺はカリーを運びテーブルに置くと、「気になる奴がいた」と言い残し男に近付いた。
「ちと、いいか」
※70以下で意志疎通不可
「……なんだ、お前」
男は片言で話してきた。異邦人か?
「いや、済まない。……相応の腕だと思ったんでな。ちと、情報収集中なんだ。あんたなら何か知ってるかもと直感が働いてね」
「……他を当たってくれ。俺はここのことは、知らない」
「そうなのか?出はどこだい」
「言っても分かるまい。それより、人を探している。『エチゴコウスケ』という男だ」
エチゴ?昨日ここで紹介された男じゃないか?
俺の表情を見てとったのか、男は立ち上がった。目がさらに鋭くなっている。
「知っているんだな、どこだ!?話せ!」
「まあまあ、落ち着けよ。……昨日ここにいたのは間違いない。俺はオルランドゥに行くつもりで、同行者を探していた。紹介されたのが、その男だ。
どんな男かは会わなかったが……オルランドゥに行ってもいいという、奇特な奴の一人だったのは覚えてるぜ」
「オルランドゥ??お前もそこに行くのか?」
えらい剣幕だ。……やはり訳ありなのか?
「あまり大声じゃ言えないがな。……お前もそうか」
「厳密には違う。……俺は、オルランドゥから来た」
ここで中断。
男の名を募集します。安価下3でコンマが大きいものを採用します。
なお「日本人名」です。よろしくお願いします。
滝蓮次郎
>>555で決定します。
「一族」に並ぶキーキャラクターになる予定です。越後と合わせ、思ったより早く出ましたね。
「オルランドゥから??一体どういうことだ??」
俺は叫んだ。周りの注目が俺らに集まる。まずっ。
俺は慌てて男の向かいに座った。
「……悪い。大声を出しちまった。……それにしても、どういう意味だ。あそこからやって来た奴なんて、初めて聞いたぞ」
※95以下で一部記憶喪失
「すまん、記憶が一部飛んでいてな……全てを覚えているわけではないのだ。
何故オルランドゥにいたか、そこは覚えていない。だが、一つ言えるのは、ここは俺がいた世界ではないということ。そして、俺は何かの任務でここに来たということだ。
確か、オルランドゥに来たのは1ヶ月前。そこで何者かと交戦し、俺たちの部隊は壊滅した。……越後の裏切りで、な」
俺の席から「ご飯食べないのー」と呑気な声が聞こえてくる。ノワールだろう。
「すまん、ちょっと待ってくれ。……仲間を待たせている、飯を食い終わってから、話を聞かせてくれないか」
#########
俺たちは騎士団詰所に一度戻った。機密事項に当たる可能性が高いと判断し、会議室を取ったのだ。
「俺は滝蓮次郎という。タキ、と呼んでくれ。出身は日本。……この世界ではないがな」
「何を言ってる?」
「……説明が難しいな。任務内容を忘れているから、俺も上手く言えないが……誰かに何かの理由でここに送り込まれたのだけは覚えている。
そして、オルランドゥと呼ばれる土地に着いた直後、俺たちは襲われた。黒ずくめの男に。
押しぎみに戦いは進んでいたが、何故か……越後一尉が裏切った。そして男の術か何かで、俺はドゥールという町に飛ばされた、というわけだ」
俺たちは顔を見合わせた。……異邦人でもないのか。
「ドゥールでは何を?」
「傷の治療と世界情勢の把握。ある女が手伝ってくれた。言葉もそこで覚えた。
……習得が早かったのは何か理由があるらしいが、それは覚えていない。
とりあえず、越後の痕跡を探し始めたら、イーリスにいるらしいと分かった。ここに来たのは今日だ」
「越後って、そこまで強えのか?」
ユリリエの問いに、タキは頷いた。
「戦闘だけなら俺より上だ。戦闘狂だよ、一種の。『クリムゾン』と呼んでいる新型銃も持っている。お前らで何とかなる相手じゃない」
……昨日エチゴに会っておくべきだっただろうか。それとも会わないのが正しかったのか、それは分からない。
しかし、オルランドゥについての情報があるのは確かだ。何を訊くか。
※1600ごろまで自由安価。適切なものを採用します。
予定変更、選択制にします。
1 オルランドゥの現状について
2 ドゥールの女性について
3 越後について
4 黒ずくめの男について
5 滝の故郷について
6 自由安価
安価下5多数決、考察ありが望ましいとします。
俺たちは襲われたって言ってるけど、滝と越後以外にも一緒に飛ばされた日本人がいるってことか?
あと越後がクリムゾンを装備してたってことはクリムゾンは日本製??
再開は夜です。
>>567
他に誰かいるかはコンマ次第です。多分出会えて2名ぐらいかと。
なお、突っ込まれる前に言いますがGATEの影響は受けてないです。多分。
滝のイメージは暗殺教室の烏丸でしょうか。
ユリリエは長身でやや巨乳、赤毛です。誰かいましたかね、こういうキャラ。
クリムゾンについてはおいおい。しばらく謎のままですが。
書いていて思い出しました。ユリリエはブラックラグーンのレヴィ赤毛verですね。
あそこまですれちゃいないですけど。
再開します。
「オルランドゥの現状は?魔物がいるという断片的な情報しか入っていないが」
タキは眉を顰めた。
「正直、ドゥールに飛ばされた時のショックからか明確には覚えてなくてな。
だが、『長居できる場所ではない』のだけは確かだ」
「どういう意味だ?」
タキは懐から煙草を出すと、「火はあるか」と言った。俺は煙草は吸わない。ヘカテルも当然吸わないだろう。
ユリリエの方を見たが、こちらも黙って首を振った。
さてどうしたのものか……と思ったら、ノワールが「どうぞ」と人差し指の上に魔法の火を出した。
「これが『魔法』か。……聞いてはいたが、ファンタジー小説か何かの世界にいるようだな。
まあいい。ありがとう」
タキは大きく煙草を吸った。
「……周囲に気兼ねせず吸えるのは、いい環境だな。まあそれはともかくだ。
俺らの世界は、多分ここより大分文明が進んでいる。銃火器も一般的だ。
で、『放射能』という概念がある。平たく言えば、物から発せられる、見えず感じない、無数の矢のようなものだ。
これを浴び過ぎると、人は死ぬ。場合によっては即死だ。
で……オルランドゥという土地はそれに汚染されている。1、2時間いるならいいが、丸1日いたらまあ死ぬ水準だな」
「その『放射能』とは……魔素と違うのか?」
「俺にはその『魔素』が分からないからな。だが、ほぼ同一視していいのだろう。
あの近辺には、ウランなのかプルトニウムなのか知らないが、強力な放射能の発生源があの近辺にあると見ていい」
ごくり、と俺は唾を飲み込んだ。過剰な魔素が、人体に有害なのは有名だ。
500年前の危機も、「穴」からの魔素の流出量が急増したというのが理由という。
調停者シデと勇者ダナの一行がそれを食い止め、再び世界は繁栄に転じたと学んだが……。
魔素の局地的増加により土地を捨てねばならない事例が、徐々に増えているのは知っていた。
だが、「一日居たら死ぬ」という話は聞いたことがない。
「魔素の急増の原因が、あそこにある可能性があるわけか」
「俺はお前らの事情は詳しく知らないがな。だが、オルランドゥが危険な土地なのは疑いない」
煙草を灰皿に押し付けるタキに、ノワールが訊いた。
「じゃあさ、何でオルランドゥに行こうとしてるの?その男への復讐?それとも、元の世界に戻りたいから?」
タキは首を振る。
「分からん。両方かもな。あるいは、消えた任務の記憶のせいか。
だが、行かなければ始まらないのは確かだ。……越後がなぜそこに向かおうとしているかは分からんが」
「だが、魔素汚染にあんたは耐えられるのか?」
「方法は知っている。『防護服』を着ることだ。生身では無理でも、あれを着ていればまだ耐えられる。
だが、この世界にそれに相当するものがあるかは知らない。あるいは、持ってきていたかもしれないが……覚えてない」
タキという男は、俺たちにない知識を相当持っているようではある。調査団に加えたい所だが、生憎これ以上増やすのは難しい。
俺は一息吐いて、次の質問に移ることにした。
1 ドゥールの女性について
2 越後について
3 黒ずくめの男について
4 滝の故郷について
5 自由安価
安価下5多数決、考察はあれば。
※残り質問は2問です。終了後、イベントが発生します
上げます。
もう一度上げます。
2と3で決戦投票です。
安価下5多数決、考察不要です。
※3に決定
「じゃあ、あんたが会った黒づくめの男とは何者だ?特徴だけでも教えてくれ」
01~25 タキは首を振った。
26~55 断片的にしか覚えてないが、それでもいいか
56~85 分かった。……
86~99 忘れようにも忘れられん。
「忘れようにも忘れられん。……黒のローブに黒のマント。そして黒の仮面。
着いたときは確か晴天だったが、奴が来た瞬間暗闇に包まれたかのような錯覚に襲われたよ。
奴の存在に気付いた時、『レーザーのような何か』で数人が『消し飛ばされた』。
あれも多分、魔法なのだろうな。肉片と化した部下を思う暇もなく、凄まじい勢いで奴は斬り込んできた。
一瞬、斬られたかと思ったよ。ナイフでわずかに受けられたのと、ケプラー繊維のお蔭で致命傷だけは避けられた」
タキは二本目の煙草を吸う。……軽く手が震えている?それほどの体験だったのか。
「組み合った時に『お前らが奴らの使いか』と低い声で言われた。
『使い』とは何か、思い出せないが……任務の内容を思い出せれば分かるかもしれない。
とにかく、そいつは初めから俺らがここに来るのを知っていたかのようだった。その時の生き残りは10人ぐらい。
俺はそいつを何とか蹴りはがし、ウージーをそいつに向けた。俺が撃ち出すと同時に、部下も一斉掃射した。
……が、驚いたことに蜂の巣になりながらも奴は立っていた。相当にダメージは食らっていたようだったがな。
こいつは人間じゃないと、冷や汗が流れた。だが、同時に『倒せないこともない』と思った。その時だ、越後が『クリムゾン』を俺たちに向けたのは」
タキは忌々しげに煙草を灰皿に押し付けた。それも力一杯に。
「あれは新兵器だった。詳しい原理は知らないが、本人の意思を正確に銃弾に反映できるらしい。しかもライフルにもショットガンにもなる。
適合者がとりあえず越後しかいなかったから、奴がテストも兼ねて使っていた。
奴が何を考えていたかは知らない。だが、その時の言葉ははっきり覚えている。『せっかくだから、俺はこいつにつくぜ』と。
俺は難を逃れたが、奴のクリムゾンの一撃で5人が頭を吹っ飛ばされた。形勢は一気に逆転した。
それでも俺のウージーのマガジンには十分な量の弾が残っていた。俺は男と越後に向け、そいつをぶっ放した。
……それで男が瀕死になったところまでは覚えている。そして男は空間に歪みを二つ作り……そのうちの一つに消えた。
生き残った数人は、もう片方に吸い込まれた。傷を負った越後もだ。そこから先は……言った通りだ」
※100-ノワール知力(15)×4=40以上で成功
※軽ファンブルですが、昇格判定を行います。
奇数…そのまま通常の失敗
偶数…成功扱い
※成功扱い
「……ちょっと待って。今『空間に歪みを作った』とか言わなかった?」
ノワールが真剣な表情でタキを見る。タキは一瞬気圧されたようになり、そして頷いた。
「あ、ああ。それがどうかしたのか」
「サイファー……これ、相当厄介な案件かもしれない。一度彼を連れて、王様に会った方がいいよ」
「……どういうことだ?」
ノワールはユリリエを見た。
「ねえ、ユリリエ。あなたって、自分のご先祖様のことをどれだけ知ってる?」
※100-ユリリエ知力(8)×3=76以上で成功
※49…失敗
「いや、勉強は嫌いだったからな。家も嫌いだったし……それがどうかしたのか」
「そっか。……私も文献でしか読んだことないから自信はないの。
多分サイファーは読んでると思うけど、歴史書『調停者シデとその道程』。あれが歴史の基本になってるけど、実は意図的に削られてる部分は多いの。
シデ・スナイダやミドル・オーディナルの果たした役割は確かに大きい。でも、そのいくつかは本人の物じゃないって話。
魔素の封印は、その後シデやミドルが比較的長命だったことからも、本人たちの手によるものではないのではという異説があるわ。邪説とされてるけど」
「それがどうかしたのか」
俺は胸の辺りに重い何かを感じていた。一体何を言おうとしている?
「私はおじいちゃんから昔話を聞いてる。おじいちゃんが小さい頃に会った、いつまでたっても歳を取らない人の話。
そして、一度だけ会ったひいおばあちゃん。……どう見ても『お姉さん』にしか思わなかったわ。
何でって話を聞いたけど、ごまかされたの。でも、自分で文献を漁ってみてわかった。
……この世界には、歳を取らない何かの存在がいるらしいってこと。
ひいおばあちゃんもその一人だということ。そして、彼らは空間を捻じ曲げられるらしい、ってこと」
ノワールの白い顔が、少し赤くなっている。気持ち、息も荒くなっているようだった。
「ノワール、少し興奮しすぎだぞ。……落ち着け」
「はあ、はあ……ごめんなさい。でも、その黒づくめの男。……ひいおばあちゃんと同種の存在かもしれない。
そして、ひょっとしたらだけど……ヴィルエール家の現国王なら、何か知ってる可能性があるわ」
ノワールは息を切らしながら言った。それほどの重大事なのか?
「よく知らんが……やはり、只者ではないということだな。
ありがとう、それだけでもこちらにとっては収穫だ。後は……越後の行方だな。まだこの街にいるかどうか……」
セシル王に面会するとなると、少し急いだほうがいいかもしれない。
これが最後の質問になりそうだが。
1 ドゥールの女性について
2 越後について
3 滝の故郷について
4 自由安価
※安価下5多数決です。考察不要
※なお、ノワールがフィオナを「実在するはずない」と言っていた理由は後ほどわかります。
平たく言えば、現状では「一族」自体は神格化されており、ノワールが言っているのはデアドラやフローラと言った「一族に極めて近い親族」です。
とはいえ、文献では混同して扱われているようですが。
「で、だ。……越後という男について知りたい。俺たちも軽く接触しかけてる。
オルランドゥに行きたいと言っていたのは確かだが、意思疎通はできないらしい。詳しい話はないか」
タキの目つきが鋭くなった。煙草を三度吹かす。
「……許しがたい男だよ。なぜ裏切ったのか、それすら分からん。
だが、怒りは感じたが、驚きは感じなかった。……奴は破綻者だったからな」
「破綻者?」
「そう、破綻者だ。俺たちの世界は、この世界ほど平和じゃない。
いや、この世界のことを知らないから言えるのだろうが、
あの女――ダスカの情報を鵜呑みにすればだが――国家間の戦争は、そう起きていないようだ。
三大名家という存在が、国際関係の安定に寄与しているようだな。まあ、それは置いておくとして……。
大陸で、少し大きめの戦争が起きた。国際連合軍による相当久し振りの地上戦も展開されたわけだが……
そこで鬼神のごとき働きをしたのが、越後浩介一尉だ。
片っ端から敵を撃ち殺し、単独でテロリストのアジトに乗り込んでは殲滅し、しかも無傷で生還してきた。
勲章の一つや二つ貰えそうなものだが、それは起きなかった。殺し方が残忍に過ぎたからだ」
タキは大きく息を吐いた。白煙が立ち上る。
「この『任務』の中身が何か、俺は覚えていない。だが、奴が俺の副官になった理由は知っている。
俺でなければ、奴は抑えられないと上層部が判断したからだ。
僅かでも越後を正面から抑えきれる戦力と見なされたのは光栄だったが、な……結果は御覧のありさまだ」
「じゃあ、野放しにしていると……」
タキは頷いた。
「極めて危険だ。奴は俺の部下になる前に、いくつかの殺人事件の被疑者に名が挙がった。
証拠不十分で釈放というのがお約束だったが……殺さずにはいられない性分なんだよ。
だから、今の状態は街中に猛獣が放し飼いにされているようなものだ。
オルランドゥに向かっているのかもしれないが、道中で奴による被害者が出ないことは、考えにくい。
だから、越後を見つけたら捕らえてほしい。お前らでできるかは、現状では難しいだろう。
だが……もっと人数がいるなら。俺もできるだけのことはやるが、協力してもらえると助かる」
※ミッション「越後を捕らえろ!」が発生しました。
「じゃあ、王宮に行こう。そこまでの重大事なら、王に改めて指示を仰ぐ必要がある。
タキ、ついて来てくれるか?」
「ああ。情報は多いほど助かる。済まないが、仲介を頼む」
###########
王宮にはひとまず入れた。問題は、セシル国王がいて、しかも会えるかだ。
次善の策も考えた方がいいかもしれない。
「申し訳ありません、近衛騎士団副団長のサイファーです。
大至急、国王陛下にお目通り願いたく参上しました。……可能でしょうか?」
俺は国王の執務室前で、受付に訊いた。
……
※50以上で面会可能
※面会可能
「至急の案件ですか。……分かりました、陛下は執務室です。どうぞこちらへ」
#########
俺はタキを紹介し、彼が俺たちに話してくれたことを説明した。
そして、話が黒づくめの男になった時、セシル国王の表情が一変した。
「何ですって?」
ノワールが一歩前に出る。
「国王陛下、畏れながら……私の曾祖母のことはご存知でしょう?『人にあって人に非ざる者』。曾祖母はそのような存在だと知っております。
ヴィルエール家、あるいは三大名家でしか知り得ていない情報。それはおありなのでは?」
※25以上でイベント続行
※イベント続行
セシル国王は、大きなため息をついた。
「……ノワール・オルランドゥ。貴女なら気付いてしまう日が来ると思ってはいました。ですが、このような形でとは……。
ユリリエ、諜報部から情報は上がってます。スナイダ家を出奔して、ここにいるとは知っていました。
ですが、貴女は家のことはよく知らない様子。……覚悟して聞いてください」
王は立ち上がった。部屋は事前に人払いされており、私たちと王しかいない。
その表情は険しく、以前のような女性的な柔和さは消え失せていた。
「唐突ですが……サイファー・コット。あなたは神を信じますか?」
俺はどう答えたらいいか分からず、曖昧に首を縦に振った。
「あ、いえ……いると思っています。ですが、確信は……」
「それが普通の反応です。工芸の神、フィオナ。武芸の神、ジュリアン。音楽と信仰の神、ブレイズ。
そしてその上に立つユングヴィの主神コーウィン、そして女神、ヘルラ。
彼らは宗教上の存在としてあがめられてきました。ですが……彼らは実在するのですよ」
「え?」
俺はつい不作法な返し方をしてしまった。ヘカテルやノワール、ユリリエも同様だ。
「ですから、彼らは実在するのです。コーウィンとヘルラは過去形ですけどね。
世界の混乱を防ぐため、ヴィルエール家、スナイダ家、そしてオーディナル家は彼らの存在を隠しました。
そして、嘘っぱちの宗教を作ったのです。新生ユングヴィ教として」
「ちょっと待ってください。話が読めな……」
「『穴』はご存知でしょう?今でも活動を続ける、生きたダンジョンです。
彼らはその支配者であり、管理者であった。調停者シデたちは『一族』と呼んでいたようです。
ノワール、貴女の曾祖母デアドラ様も、その極めて近い血族なのですよ。
そしてユリリエ。貴女にもごく薄いけど、その血が混ざっています。私たちヴィルエール家にも」
セシル国王は、窓から王宮の庭を眺めた。
「タキ……と言いましたね。私たちの世界と違う場所から来たと聞いて正直驚きましたが……。
貴方の言う話から察するに、以下のことが想定されます。
『一族』の特技は、空間を歪め好きなところに行けることです。
そして、それはどんな魔術師でもできる芸当ではない。
つまり……その黒づくめの男は、『一族』そのものか、あるいはそれに極めて近い存在だということ」
セシル国王は青ざめた表情で振り返った。
「私たちは、ことによると『神』に喧嘩を売られているのかもしれません」
今日はここまで。なお、黒づくめの男はドワーキンでないということは明言しておきます。
引き続き、ご意見、ご感想をお待ちしております。
序盤につき、修正できるところは修正したく思いますので。
なお、滝の記憶がはっきりしていたことで、物語は明後日の方向に向かい始めました。
密入国ルートで話を進めようと脳内で練っている所ですが、多分それより優先される事ができてしまった感じです。これもコンマスレの怖さですね。
再開します。
色々推測出てますが、そういう読みもあるのかと参考にしてます。
推測が当たってもストーリーラインは基本変えませんが。
「神」に喧嘩??規模が大きくなりすぎて処理しきれない。
一つ言えるのは、もう俺の出番じゃなさそうだということか。
「……俺は何をするべきですか?まさか、オルランドゥに行けと」
セシル国王は首を振った。
「状況は大きく変わりました。これは国家間の連携が必要な問題になりつつあります。少なくとも、そのタキという男の言葉が本当ならば。
ですので、貴方には人探しをしてもらいます」
国王は電話を取り出し、誰かに連絡をとっている。人探し?
「……シュトロムに連絡を取りました。詳しくは、彼から伝えますが……『一族』は3人だけではありません。少なくとも、あと2人いるはずです」
「『神』が、地上にいると?」
国王は頷く。
「私も会ったことはありません。ですが、そういう存在がいるのは父から聞いています。
特にそのうちの一人……ランダムという人物は好んでこの世のどこかに紛れ込んでいる、と。彼に会えれば、少しは何かが分かるでしょう」
「もう一人、いるわけですよね」
「……彼……彼女かもしれませんが……の行方は500年前から不明です。不朽の肉体は喪われているという話ですから、もういないのかもしれません。
ですが、『エリック』あるいは『エイリーク』という名を聞いたら気を付けて下さい。ズマ魔族自治領には多い名ですが、魔族でなくこの名を名乗っているのは珍しいのです」
国王は席についた。
「彼らのどちらかを見付けて、この話をしてください。恐らく協力してくれるでしょう。
その上で、ヘイルポリスに向かいます。臨時の『三家会議』を開くのです」
三家会議!?定例の会議には同行したことがあるが、臨時の会は聞いたことがない。そこまでの案件か。
「ということは……」
「ええ。調査団はそのまま、活動を続けて下さい。頼みましたよ。
……そういえばノワール。デアドラ様にお会いになる手段は御存知ですか?」
※77、88で部分情報、99、00で知っている。ファンブルなし
※知らない
ノワールは首を振った。
「いえ、幼少期に一度会っただけですの。……大おばあさまから会いに来てくれるのを待つしかないですわ」
「そうですか。……やはり二人を探さないとダメですね。
会議はなるべく早く開きたいと思います。……よい報告、期待していますよ」
セシル国王は笑った。
……
※65以上で追加イベント
昼まで休憩。
再開します。
※追加イベントなし
#########
「国王から話は伺っています。ランダム、エリックの情報ですね」
シュトロムは相変わらずの笑みで俺たちに話しかけた。機密情報だからか、今まで入ったことのない部屋に通されている。
調度品も何もなく、無機質でどうにも落ち着かない部屋だ。
「私も彼らの存在は、ほとんど知らされていません。ですが、微力ですが力になれればと思っています」
「ありがとうございます。……まず、ランダムについて情報はありますか?」
01~25 ほとんど手がかりはありません
25~50 それらしき人物の情報はありますが……
51~75 有力な目撃情報があります
76~99 かなり有力な情報があります
「かなり有力な目撃情報があります。ランダムという男、相当な酒好きらしく酒の生産地を中心に放浪しているとのことです。
レストランの助言なども行ってきたとか。シェフにとっての『神』であるのは確かですね。
あなたも昔話に、知恵者『ラウール』の物語を聞いたことがあるはずです。放浪の吟遊詩人が、旅先で揉め事を知恵で解決する、というものです。
実は、それこそランダムであると聞かされています。最近情報は入ってませんでしたが……。それらしき人物が見つかりました」
……
01~10 モリブス近郊
11~20 ファルーダ市内
21~40 テルモン市内
41~60 アングヴィラ郊外
61~90 ドゥール
91~99 イーリス市内
「見つかったのはモリブス近郊ですね。……かなりの長旅になるかと思いますが」
俺は息をついた。……これだとオルランドゥに行くのとそう変わらねえな。もう一人はどうか。
「そうですか、こりゃ難儀ですね。……エリックはどうです?」
……
01~65 手がかりはありません
66~80 それらしき人物の情報はありますが……
81~95 有力な目撃情報があります
96~99 かなり有力な情報があります
※エリックのこの時代における性別は……
奇数 男性
偶数 女性
「エイリークと名乗る女性がいるという噂があります。どうにも冒険者であるらしく、居場所は不定らしいですがね。
最新の情報だと……」
01~30 「穴」の第二十階層付近で目撃されたとか
31~50 「穴」の第十五階層付近で目撃されたとか
51~70 アングヴィラのギルドハウスにいたとか
71~95 ドゥールに滞在中とか
96~99 イーリスにいるようですよ
※軽ファンブルですが、再判定します。
奇数…大型ドラゴンとの戦闘が目撃されている
偶数…第十五階層に村落があるらしい
「『穴』の第十四階層で、大型ドラゴンと戦闘していたとの報告が上がってます」
「大型ドラゴン、ですか」
「ええ。第十四階層での目撃例はほとんどないはずです。目撃した冒険者は、彼女に命を救われたと言っていたそうですが……」
これは難しい。長旅を強いられるランダム捜索か、大型ドラゴンとやりあう可能性のあるエイリーク捜索か。
ランダムを探すなら、結局密入国を考えることになる。エイリークはこちらの力量が問われそうだ。
どちらを先に探すか?
※安価下5多数決、考察必要
「どちらを探すか、と言われたら……ランダムですかね。ただ、モリブスに着くまでに移動されてしまうのでは?」
シュトロムは頷く。
「そこは問題です。アングヴィラ経由にせよ、テルモン経由にせよ、時間はかかる。こちらも逐次情報は探りますが、振り回される可能性は覚悟してください。あと、これを」
シュトロムはメモを渡してきた。
「モリブス現地の諜報員の電話番号です。雇われ諜報員なのでランダムを見付けてもこちらには連れてこれないようですが……。
もし、彼が動いたならそっちから連絡が来るはずです。よろしくお願いします」
※ミッション「ランダムを探せ」「エイリークを探せ」が発生しました。
※上の情報は「基本的にここにいる」というものです。コンマ次第で全く別の場所で見つかるかもしれません。
「となると、どうモリブスに行くか、です。実はファルーダを経由するルートを検討していました。……無論、密入国が必要です。何か妙案はありますか」
俺はシュトロムに聞いた。諜報部なら、ファルーダへの行き方を熟知しているはずだ。
※50以上である、80以上ならかなり確実性の高い策
謀報部が有能すぎる
「無論、あります。……国境を抜けるだけなら簡単ですよ」
「本当ですか??」
シュトロムは微笑んでいる。……この男はずっとこうだが。
「ヴォルガ川を渡る、なんてことをしなければいいのです。潜るのですよ、その下を」
「潜るって……泳げとでも?」
ヘカテルの問いに、シュトロムは手を振って否定する。
「まさか。そういう密入国も聞いたことはありますが、皆死んでます。
地下トンネルがあるのですよ、極秘の」
「えっ……そうなのですか??」
「10年ほど前に作られたものです。エリスもここを通ってモリブスと行き来していました。
ただ、着いたら街道にはしばらく入らないこと。しばらくは獣道を行って、10キメドほどしたこの辺りで街道入りする」
シュトロムは地図を広げ説明した。トンネルはどうも、この郊外にあるらしい。
「後は極力早くファルーダを抜けることです。単独ならまだしも、四人で行くなら宿屋を使うのは危険です。一泊は野宿でしょうね」
ヘカテルの顔が強ばった。……こういうのには、いかにも慣れてなさそうだからな。
「ファルーダを抜ける時は?」
「偽装の証明書を渡しておきます。これをテルモンの入国管理局員に見せて下さい。
彼らはこちらと提携関係にあります。特務であると察するでしょう」
なるほど、上手くしたものだ。トンネルをどう作ったのかは少し気になるが、捕まらない手段があるというだけでも十分だ。
「ありがとうございます。何から何まで」
「いえいえ。とかく長旅です。任務の成功を祈りますよ」
#########
セシル国王の所に残っていたタキを呼び戻そうとしたが、まだ話し込んでいるらしい。出立時に声をかければいいか。
さて、時間は夕方だ。このまま解散して、明日出立でもいいのだが。
……
1 ギルドハウスに行って越後の足取りを追う
2 食堂に行き、軽く情報収集
3 一旦解散して、ヘカテルを食事に誘う
4 その他自由安価
安価下5多数決、考察ありが望ましい
>>660
オルディール家も諜報機関を持ってますが、ヴィルエール家の方が優秀なようです。
辺境調査などで必要だったという事情もあります。
ヘカテルのイメージ、容姿だけなら艦これのアークロイヤルを勝手に当てはめてたけど霧島か。
「じゃあ、今日はここで解散だ。明日朝、出立しよう。準備を整えてくれ。
あと、ノワールはフェリシア所長、ユリリエはブロディ団長に挨拶を。しばらく会えなくなるからな」
「えー、あのおっさんにか……まあ世話になったからな、それもいいか」
ユリリエは頭をかく。
……
20以下で追加イベント
※追加イベントなし
ここで中断。
>>668
艦これはこれを書き始めてお休みしてますが、アークロワイヤルの外見見るとピッタリですね。貧乳ですし。
再開します。
「そーだね、フェリシア所長と、しばらくお酒飲めないし。飲みすぎない程度にしとくねー」
ひらひらと手を振ってノワールが去っていった。
「……で、サイファー副隊長。私たちもエデル団長に挨拶ですか?」
「いんや、さっきのはお前さんを誘う口実だ。昨日は迷惑かけちまったからな、その詫びだ。
ああ、口説こうってんじゃないから心配しないでくれ」
ヘカテルは微妙な顔をしている。やっぱ俺は苦手なんかな。
……どこに行くのがいいだろう?
1 居酒屋
2 バー
3 パティシエール
4 高級レストラン
5 自宅
6 その他自由安価
安価下5多数決、考察ありが望ましい
########
「……ここは?」
「ろくなもの食わせてやれなかったからな。せめてもの詫びだ」
俺はヘカテルを高級ブティックが並ぶ一画に連れてきた。1階にブーランジェリーがあるビルの2階に上がる。地味だが重厚な雰囲気が、ドアからも伝わる。
「『羽衣亭』。値は張るが、味は文句なしだ。グルメガイドにも3つ星で載ってるから知ってるかもしれねえがな」
「……困ります。こんな高級なとこなんて」
ヘカテルは困惑した様子だ。……しまった、裏目に出たか?
100-魅力(9)×6=46以上で成功
失礼。色々間違えてます。
90-魅力(10)×6=30以上で成功で再判定
※14…失敗
ヘカテルは下を向いて動こうとしない。……完全にやらかしたな。警戒されているのに、これはなかった。
「すまん。……分を弁えるべきだったな」
「いいです。……今日はもう帰ります」
ヘカテルは階段を降り始めた。こりゃかなり良くない。
……
90-賢さ(9)×4=54以上で成功
※18…失敗
俺は彼女を引き留められなかった。……軽い女ならまだ良かったが、普通の女の心を読むのは……苦手だ。
俺は自己嫌悪に陥りながら家に帰った。……前途多難だな。
※コンマ下一桁×6 好感度下落
※好感度下落 96
※ヘカテルが離脱しますが、最初のみ特例でやり直しができます。
(デッドエンドも一度だけノンペナルティでやり直しできます。これは前作同様です)
以下、好感度下落による離脱には原則通りペナルティを課します。
※今回は明確に選択を間違えてます。自分が部下の女性を慰労する際を考えましょう(ましてサイファーは普通の女性の扱いは苦手です)。
また、よく読むと正解の選択肢は必ず過去の記述に書かれています。
>>673に戻ってやりなおします。
安価下5多数決、考察必要
素直に3にしとくわ。ごめん
>>697
考察が必要です。
上と一緒で甘党そうだから3で
うーん、これでノワールのキャラロスト回避保険がなくなっちゃったかな?
上げておきます。
あと、前作でも書きましたが「バッドエンド上等」ではありません。逆にどんな危地でも、よく読めば必ず答えが出るようになってます。
前から思ってたがよく読めって言う割に安価までの時間が少ないから読んでる隙がないし読んでても読んでないやつに安価取られるから無理
>>702
なくなりましたね。ただ、不運によるピンチ時には何かしら離脱回避のヒントは出します。
( 今回のような選択ミスはその限りではありません)
>>704
今回については考察必要とすべきでしたね。簡単に分かるだろうとたかを括ってました。
########
「……ここは?」
「ろくなもの食わせてやれなかったからな。せめてもの詫びだ」
俺はヘカテルを高級ブティックが並ぶ一画に連れてきた。2階には3つ星レストランの「羽衣亭」があるが、ここは目的地じゃない。第一、あそこにはいい思い出がない。
目的はその下。ブーランジェリー「天女の喜び」だ。
「ここは……?」
「パン屋、と思うだろ。だが、ここのスイーツは相当なもんだぜ」
俺は中に入って席に座る。
「よく知ってましたね。暇がなくって行けなかったですけど、ここ一度来たかったんです」
ヘカテルの顔が少し綻んだ。やはりここが正解だったな。
「上の『羽衣亭』と経営が同じだからな。ブーランジェリーにしちゃ値は張るが、味は3つ星相当だ。好きなの頼んでいいぞ」
「本当ですか!?じゃあこれとこれと……あ、特製プリンもいいですか?」
そんなに食うのかよ。俺は苦笑しつつ、店内を見渡した。
※10以下、95以上で追加イベント
※追加イベントなし
##########
「あー、食べたあ。やっぱいいなあ」
ケーキを2つ、プリンを一つ平らげたヘカテルは満足そうだ。
「昨日の埋め合わせになったか?」
「うーん、どうでしょう。でも、ちょっと見直しました」
えへへと笑うヘカテルを見て、俺は安堵した。こういう表情もできるじゃねえか。
俺はコーヒーを飲んだ。夕飯は一人でさっくりとだな。
「それにしても、甘いのが好きなんだな。意外とは言わねえが、どうしてだ?」
90-魅力(10)×3=60以上で追加イベント
※追加イベントなし
「それは副団長には関係ないです」
ピシャリと言われてしまった。まあ、どうでもいい話ではあるか。
「そうか。……じゃあ、そろそろ行こうか。明日は早いぞ」
「ですね」
俺は支払いを終えて店を出た。
「じゃあ、また明日。これからも、よろしく頼むぜ」
※88、または95以上で追加イベント
※ファンブル
その時、近くで悲鳴が聞こえた。……何だ??
「ただ事じゃなさそうだな、行くか」
「ええ」
誰か……多分若い女だ……が襲われているようだ。
手持ちに槍はない。自衛用の短剣だけだが、見過ごすわけにはいかねえな。
俺は悲鳴の方向に走った。
……
01~20 ??????
21~50 暴漢が4人、女を痛ぶっている
51~80 暴漢が2人、女を痛ぶっている
81~98 暴漢が女を痛ぶっている
99 ?????????
そこには、暴漢が二人で女を襲っていた。いい度胸だ。
「ヘカテル、やるぞ」
「了解しました」
俺とヘカテルは剣を抜く。暴漢は逃げる……かと思いきや、ダガーを構えてきた。開拓民崩れの冒険者か!!
※45以上で先制
俺たちの戦闘体勢が整うより早く、暴漢はダガーを突き刺さんとしてきた!
90-器用さ(5)×5=65以上で回避
※72…回避
俺は身体を捻って避けた。……甘いっ!
俺は暴漢の手目掛けて短剣を降り下ろす。無論、ダガーを落とすのが目的だ。
90-器用さ(5)×8=50以上で命中
※10…失敗
しかし短剣は空を切った。不馴れな短剣で狙い過ぎたか?
「そのねーちゃんでもいいなぁ、とりあえず食わせろや!!」
もう一人の暴漢がヘカテルに斬りかかる!
100-器用さ(8)×8=36以上で回避
※59…回避
「甘いっ!!」
ヘカテルは一歩後ろに下がると、そこから腕の腱を狙って剣を振る!
100-器用さ(8)×8=36以上で成功
※10…失敗
しかし、ヘカテルの剣も空を切る。……らちが空かんな。
俺は女性を見た。
01~15 虫の息だ
16~50 半裸に剥かれている。既に暴行を受けた後かっ
51~80 怯えている。傷は浅いようだ
81~95 既に逃げ出したようだ
96~98 ???
99 ?????????
女性のいるはずの方向には、既に誰もいなかった。……これなら、多少本気を出していいな。
暴漢は再び俺にダガーを振りかざす。
90-器用さ(5)×10=40以上で回避
※回避
暴漢の攻撃を避けると、奴はバランスを崩した。素直に眠っとけ!!
※90-器用さ(5)×12=30以上で成功
ダメージ
コンマ下一桁×3+筋力(7)×3+25
ダメージ 61
暴漢HP 70-61=9
気絶判定 25以上で気絶
※気絶
俺は剣の握り手の部分を奴の延髄に打ち付けた。「ひぎゃあ」と間抜けな声を出して男は昏倒する。
それを見たもう一人の男がたじろいだ。
「ヘカテル、やれ!」
100-器用さ(8)×9=28以上で成功
※クリティカル
※戦闘終了
ヘカテルは今度は正確に男の腕の腱を斬った。
「ぎゃあああっ!!」
そう言うと、もう一人の男も踞る。これでよし、だ。
「傷はないな」
「ええ。……警察が来たようですね」
振り返ると、「何だ一体!」と二人の警察官が駆け付けてきていた。
こりゃ、取り調べで夜は遅くなりそうだな。
※90以上でアイテム発見、99だと……
※ファンブルはなしです。
※アイテムなし
#########
俺たちは警察で取り調べを受けた。最初は冒険者同士の喧嘩かと厳しい態度を取っていた警察だが、俺たちが近衛騎士団と知れると、手のひらを返したように低姿勢になった。
どうやら逃げた女性が通報したようだ。まあ、何事もなくなにより、といったところか。
「済まなかったな、ごたごたに巻き込んじまって」
「いえ、近衛騎士団なら当然のことです。しかし、さすがですね。一撃で昏倒とは」
「お前さんこそ、正確に腱を斬ったな。天才とは聞いてたが、見事だ。頼りにしてるぜ」
ヘカテルの顔が赤くなった。
「い、いえ……これぐらいは当然、です」
「ふふっ、可愛いとこあるじゃねーか。まあ、明日から頑張ろうぜ後輩」
ヘカテルは強く頷いた。
「 はいっ、お願いします!」
※好感度 コンマ下一桁×3上昇
ヘカテル好感度 110
一旦休憩。なお、上がり幅多めなのは暴漢を互いに見せ場ありで倒したためです。
余談ですが、あそこで20以下だと奴が出てきてました。
########
翌早朝。俺たちは王宮前に集まった。簡単に国王と宰相に礼を言うためだ。
タキはここに残るらしい。「越後がこの街で何かやったら、止めるのは俺しかいない」 とのことだ。多分、次に会うのは会議の時か。
※20以下で追加イベント、60以上で餞別あり
「これからランダムを探しに出られるそうですね。……長旅ですが、頼みましたよ」
心配そうな顔でセシル王が言う。俺はヘカテルをちらりと見て、冗談めかして笑った。
「大丈夫ですよ、心強い仲間もいますし、ね」
ヘカテルの顔が赤くなっている。誉められると弱いタイプか。
ベルトランが俺の前にやって来て、何かを渡した。
「これは国王陛下の餞別だ。大切に使うように。……朗報を待っているぞ」
俺は包みを開ける。
……
01~50 赤いボタンのようなものだ
51~80 紫色の宝珠だ
81~95 小さなボール??
96~99 再判定
中から出てきたのは、赤いボタンのようなものだ。
「……これは?」
「『幸運のボタン』だ。幸運をさらに増幅する効果があるという。
霊験あらたかな守りだ。役に立つだろう」
俺はボタンをしげしげと眺めた。これが、ねえ。
※幸運のボタン
88、99クリティカルを一度だけ00偶数扱いにできます
「ありがとうございます。……では、必ず王命を果たします」
俺は一礼して王宮を去った。もう後戻りはできない。……やるしかねえな、これは。
#########
トンネルまでは、馬車に乗って30分。御者にここで降りると告げると、口止め料も兼ねて銀貨2枚を渡した。
手持ちは金貨30枚ほど。何もしなければ、1ヶ月で底をつく。逆に言えば、それだけの猶予はあるということでもある。
「さて、と。行きますかね」
※10以下で追加イベント、60以上でノワールが行動
※幸運のボタン発動
その時、向こうから誰かくる気配を感じた。……何者だ?
俺たちは身構えた。そこに現れたのは。
※00偶数相当の何かを判定します。
01~65 迷彩服の若い女だ
66~80 あまり見ない服を着た若い男だ
81~90 若い女の冒険者だ
91~99 ドクロの服を着た男だ
そこに現れたのは、緑と黒のまだら模様の服を着た若い女だ。……タキが着ていたものに良く似ている。
女は俺たちを見るや否や、銃口をこちらに向けた。
「……何者だ?」
※70以上で意志疎通可能
※女の名前を決めます。安価下3でコンマがもっとも大きいものとします。
なお、日本人名が望ましいですが、中国人、欧米人名でも可です。
山田……workingかB型H系のあれですか?
コンマ同率なのでミックスして「山田火蓮」とします。
「山田だ。山田火蓮。お前らは何者だ?」
「……ファルーダの者か」
※20以下でファルーダから命を受けている
※ファルーダ陣営でない
「何だそれは?……イーリスに行きたいんだ、邪魔をするなら撃つ」
俺は皆に攻撃態勢を解くよう命じた。
「いや、邪魔立てはしない。……タキの部下、か?」
カレンと名乗った女の表情が、驚きで固まる。
「隊長が??あなた、隊長を知ってるの??」
「ああ、イーリスで会った。……異世界から来た、そうだな」
カレンの目にたちまち涙が溢れる。
「うっ……ゔゔっ……よがっだぁ……あたしだけじゃ、なかったあ……」
ノワールが女の頭を撫でてあやしている。……こりゃしばらくは動けんな。
#########
「落ち着いたか」
トンネルの入口で一通り泣いた後、女は頷いた。
「ごめん……1ヶ月、心細かったから」
カレンという女は、銃を背負っていた。服は大分汚れている。中には返り血らしき染みもあった。……辛い思いをしたんだろう。
「とりあえず、馬車を呼んだ。イーリスに着けば、俺の上司が君を保護するはずだ。少しは落ち着けるだろう」
「ありがとう。……でも、どうして隊長を」
俺はタキの話をした。……
01~75 いやああああ!!!
76~90 あの男も、いる……!?
91~99 ?????????
俺はタキの話をした。オルランドゥの話、黒づくめの男の話。途中まで頷いて聞いていたカレンが豹変したのは、エチゴの話になった時だった。
「いっ、いやああああああ!!!」
「どうしたの?カレンさん??」
頭を抱えて踞るカレンに、ヘカテルが心配そうに声をかける。
「ちょっと待って。……この子、心に傷を負ってるよ。……少し寝かそう」
ノワールがワンドでカレンの頭に触れると、しばらくしてすうすうと寝息を立て始めた。
「こりゃ、またしばらく動けねえな。1回イーリスに戻った方が良くないか?」
ユリリエの言葉に、ノワールが首を振る。
「やめといた方がいいかも。……さっき、この子の心に触れちゃったの。
『エチゴ』ってのに、心から恐れを抱いてる。イーリスにそいつがいると知ったら、多分壊れるよ」
……参ったな。タキに任せるのが本筋だが、奴もその場を動けない。
さあ、どうしたものか……
1 それでもイーリスで保護してもらう
2 暫定的に仲間に加え、どこかの街で下ろす(ファルーダ出国が困難になります)
3 調査団に加え、誰かをイーリスに戻す
4 自由安価
安価下5多数決、考察必要
※取れる手段は少ない気はしますが、自由安価はあれば。
異界人だしコネみたいなのが全く期待できないからなあ。同じ銃持ちと被るユリリエと入れ替えるのはないとして。
2じゃない?1だと周りからの印象が下がりそう
イーリス以外の場所で滝に山田の保護をしてもらうとかは?
滝にイーリスから動くつもりがなかったらダメだけど
>>809
一応ですが、ファルーダ出国に必要な偽装証明書は4枚しかありません。偽装証明書をもう1枚作るのは、1日かかります。それも、写真を撮るため一旦イーリスに行く必要があります。
そうでない場合はファルーダのどこかに置いていくことになりますが、街に入ること自体がリスクです。後、彼女が納得するかどうか。
なお、カレンはユリリエとは技能が違います。その点も考慮に入れるといいでしょう。
>>810
コンマ次第です。……ただ、越後暴走リスクはタキの中では結構重いと思われます。
越後がイーリスを離れたという確証がない限り、タキは動けないでしょう。
>>811に補足。
4枚を5枚にするのは手間ですが、4枚を4枚にするのは然程問題ではないようです。
※ユリリエOUTカレンINで決定します。
また少し休憩。
カレンもプレイアブルの1人になったって認識でおk?それとも一時的なイベントとして加入?
>>820
プレイアブルです。ユリリエも再加入するかもしれません。
俺は考えた。カレンというこの女を連れて行くのはどうか?
5人でファルーダを抜けるのは、多分無理だろう。正規でなければ密出国しか手がないが、あまりに危険だ。
では、イーリスに連れて行くのは?……タキに任せたいところだが、女の心を壊すような真似はしたくない。
タキにイーリス近郊の村に連れていってもらうのも頭をよぎったが、彼女が孤独にこれ以上耐えられるとも思えなかった。
……やむを得ない。決断しよう。
「ユリリエ。……イーリスに戻ってくれないか。カレンを放っておくのは、無理だ」
「えっ、何であたしなんだよ!?」
ユリリエが怒りと困惑が入り交じった表情で叫ぶ。……気持ちは分かる、が。
「理由はいくつかある。まず、カレンをイーリスに送ったら、多分精神が壊れる。
エチゴってのがいないという確信があればともかく、そんなリスクは負えられない。
彼女を連れてファルーダを抜けるのも難しい。偽装証明書をもう1枚増やすのは大変だからな。魔力インクを使った証明書は、作るのが手間だ。
最後に見たところ、彼女も狙撃手だ。……君とは、役目が重なる」
俺は申し訳なさから視線を下に落とした。
「せっかく準備をしてくれたのに、こう言うのは俺も辛い。……だが、多分これしかない。理解してくれないか」
90-魅力(10)×5=40以上で成功
※91…成功
ふうと息をついて、ユリリエが苦笑した。
「分かった。……しょうがないね。だけど、また世話になるかもしれねえ。その時は頼むぜ」
俺は大きく頭を下げた。
「済まない、恩に着る」
※コンマ下一桁 好感度減少
※ユリリエ好感度 81
#########
それからは慌ただしかった。俺はシュトロムに連絡を入れ、カレンの写真を撮ってもらうよう手配した。屋外だが、まあそこは何とかするだろう。
エデル団長にも詫びを入れた。「軍事府との関係がまた悪化するな」とこぼしていたが、恐らくユリリエが王宮預かりになると伝えると「まだましか」と諦めたように言われた。
国家機密に触れてしまったユリリエは、なるべく手元に置きたいというのがベルトランの意向らしい。恐らく、会議の時に再開することになるのだろう。
やがて、カレンが目を覚ました。
「……ここは」
「トンネルの出口だよ。……事情は私が読んじゃった。ごめん」
ノワールが申し訳なさそうに言う。カレンは首を振った。
「……いいの。イーリスは大きな都市だと聞いたから行こうと思ってたけど、越後の奴がいるなら……話は別。
滝隊長、あそこにいるんだよね?」
「ああ。……エチゴって奴の監視も兼ねて、しばらくは残るそうだ」
「そう。……滝隊長の声を聞きたいの。電話、あるんでしょ?」
俺は頷くと、電話をベルトランにかけた。ベルトラン経由で、タキにつながるはずだ。
##########
話は随分と長かったようだ。カレンは時折泣きながら話をしていた。やがてそれも終わり、写真を撮る。
調査団の話はタキが代わりにしてくれらしい。手間をかけさせてしまった。タキ曰く、返礼は旨い何かでいいという。こりゃ、貸しができちまったな。
偽装証明書が完成すると、馬車はイーリスに帰る準備をし始めた。
「本当に、いいの?」
ヘカテルがユリリエに言った。
「いいんだって。それに、あのルートだとテルモン通るだろ?内心嫌だったんだよ、気にしなくていい」
はははとユリリエが笑った。俺は彼女の両手を掴む。
「……本当に、すまなかった。そして、ありがとう」
「いいんだって。……女好きのいけすかねえ奴だと思ってたけど、2日いてそんなに嫌じゃなかったぜ。ありがとな、また会おうぜ」
やがて、ユリリエを載せた馬車は、少しずつ小さくなっていった。
「ごめんなさい。私のせいで」
肩を落とすカレンの頭をわしゃわしゃやって、俺は言う。
「気にすんなよ。イーリスに戻れなかったが、あんたはもう一人じゃない。
巻き込む形になってすまねえが、しばらく一緒に動いてくれないか?」
カレンは俺の目を見た。
「はい、宜しくお願いします!」
※カレンが仲間に加わりました。
※カレンのサブ職業を決定します。
01~33 工作兵(盗賊)
34~66 衛生兵(プリースト)
67~99 レンジャー(レンジャー)
※工作兵
工作兵は手先が器用です。爆弾など攻撃アイテムの使い方に長けています。
近接戦闘ではナイフを使って戦います。ダガーなどが主武器で、二刀流も得物が軽ければできます。
罠解除はお手のものです。解除できない罠は、そんなにはありません。
必要なのは知力、賢さ、器用さです。
※初期好感度 コンマ下一桁+30
山田火蓮 (24歳、狙撃兵・工作兵)
HP 73
筋力 9
知力 11
賢さ 9
器用さ 12
耐久力 6
魅力 9
好感度 99
ダメージ補正 15
ダメージ軽減 10
技能
・二刀流(近接のみ)
1ターン2回攻撃、命中にはペナルティあり
・連射(遠距離のみ)
クリティカル時に継続率40%で次の攻撃が可能
・隠密行動
1ターン使って戦線離脱、次の攻撃が必中
・急所狙い
クリティカル倍率×3
※好感度はコンマ下+30ですね。ここだけやり直します。
コンマ下+30
(滝と知り合い補正)
山田火蓮 (24歳、狙撃兵・工作兵)
HP 73
筋力 9
知力 11
賢さ 9
器用さ 12
耐久力 6
魅力 9
好感度 106
ダメージ補正 15
ダメージ軽減 10
技能
・二刀流(近接のみ)
1ターン2回攻撃、命中にはペナルティあり
・連射(遠距離のみ)
クリティカル時に継続率40%で次の攻撃が可能
・隠密行動
1ターン使って戦線離脱、次の攻撃が必中
・急所狙い
クリティカル倍率×3
……ちょろい。
大して甲斐性見せてない主人公がやたらモテるあたり、出来の悪いラノベみたいでもやもやする。
今日はここまで。
火蓮の性格ですが、存外豆腐メンタルです。
真面目ちゃんですが、ぽんこつ入ってる感じにしてヘカテルと差別化しようかと。
外見はちんまい+おっきい+おかっぱ気味を想定しています。
乙です。滝さんもプレイアブルになり得るのかしら。
>>851
まあそこはこれからですね。あと、モテ描写は基本抑えめにしているつもりです。それが本筋ではないので。
設定上好感度高めになってますが、ここから先は簡単には上げません。多分。
>>854
なる可能性はありますが、後半以降ですね。
モデルが烏丸という辺りから察せられるように、ぶっ壊れステータスです。
再開します。
その時、電話がかかってきた。シュトロムから?
「はい、サイファーです」
「……滝だ。すまないな、山田三尉が世話になる」
滝の声は気持ち沈んでいる。そこには口惜しさも感じられた。
「まあ仕方がないことだ。心が癒えるまでは、俺が責任を持つ。……で、何の用だ?」
……
01~15 ??????
16~50 たまに、越後が裏切った時のことを思い出すらしい
51~99 いや、山田についてだ
「いや、山田についてだ。いきなり預けられたお前の立場になってみれば、戸惑うことも多いと思ってな。一種の引き継ぎだ」
これは助かる。ユリリエが抜けても、女3人という所帯は変わらない。
まして、現状俺にこいつらを落とすつもりはない。……全員見たくれは並以上だから、心が少し揺らぎかけているが。
タキのアドバイスは事細かに渡った。酒は飲めるが少し酒乱気味だということ、真面目なようで少し抜けているから気をつけろということ、背が少し小さいことは地雷だから触れるな……などだ。
「……良く見てるな。お前の女なのか?」
※15以下で追加イベント、05以下でさらに追加
※クリティカルのため特殊設定
「いや、あれは俺の妹だ。両親が離婚して名字が違うがな。だからこそ、俺が面倒を本来見るべきだった。
……が、火蓮の心が壊れるのはもっと耐えられん。越後は俺が何とかする、頼むぞ」
そう言うと、タキは電話を切った。……タキの妹??そりゃまた重たいものを背負うことになっちまった。
まあ仕方ない、先に進もう。
カレンを見ると、いつの間にか地味な旅人服に着替えていた。ヘカテルのものらしいが、少し大きい。まあ、ノワールのはいくらなんでも無理だろうから、仕方ないが。
「じゃあ……遅れたが行くぞ。ノワールは遅れるなよ」
「大丈夫!あ、隠密魔法かけとくね。これで見つかりにくくなったはずだよ」
……
※05以下でイベント発生
※イベント発生
トンネルを出ようとすると、外に誰かの気配を感じる。……誰かを探しているようだ。
「…… まさか、見つかってた?」
カレンが言う。確か、イーリスに行く方法を探しているうちにたまたまこのトンネルを見つけた、と言っていたが。
あの目立つ服が災いしたか?いきなり不味いことになった。
「出ない方がいいな。……しばらくここでやり過ごそう」
トンネルは扉で塞がれている。草木で巧みに隠されてるから、そうは見つからないはずだが……。
※50以下でイベント続行
※イベント終了、以下トラブル発生率上昇
しばらく動かないでいると、人の気配は消えていった。やり過ごせたか。
トンネルを出ると、まだ新しい足跡があった。まだそう遠くには行っていない。警戒を解ける状況にはないようだ。
「何とかこの場は切り抜けたが……ファルーダ越えはかなり厄介そうだな。10キメド先で街道入りするが、用心した方がいい」
「ごめんなさい、私のせいで……」
カレンが下を向く。俺はポンポンと、彼女の頭を叩いた。
「気にするな、これは事故だ。君の落ち度じゃない。……ノワール、隠密魔法は効いているか?」
「うん、だけど気を付けてね。私の、そんなに強力じゃないから」
俺たちは獣道を歩き始めた。ノワールが少し辛そうにしてたので、歩みは気持ち遅くした。
無駄口は発見に繋がる。妙に重たい空気が、俺たちに流れる。
※25以下でイベント発生
※イベント発生せず
俺たちは10キメドほど先で、街道に予定通り入った。普通に歩いているが、通り過ぎる人からチラチラと視線を感じる。
ノワールもそうだが、カレンも見た目は普通の人間と少し違う。少なくとも、異邦人とは思われているだろう。
やはり目立つな……これは慎重に慎重を期して動いた方がいい。
カレンとヘカテル、そしてノワールは思っていたよりも早く打ち解けたようだ。カレンの年齢は24という。ちょうどヘカテルとノワールの中間ぐらいか。
ユリリエはノワールとは酒を通して仲良くなりかけていたが、ヘカテルはあからさまに距離を取っていた。それを考えると、少しは楽かもしれない。
「そう言えば、君も任務は忘れてるのか?」
俺はカレンに訊いた。どうも彼女の持つ雰囲気からか、軽く「お前」とは呼びづらい。
タキの妹だと分かったのもあるが、また手出ししにくいタイプだ。……それは悪いことではないのかもしれないが。
※95以上で覚えている
※覚えていない
カレンは首を振った。
「それは……隊長と同じです。私も、なぜここに来たのかさっぱり……」
「そうか。しかし、タキを『兄』と呼ばないのだな」
少し驚いた素振りを見せた後、カレンは苦笑する。
「兄さん、教えたのね……。両親が離婚して、離れてた時期が長かったですから。配属されて、初めて上官が兄さんだと知ったんです。
それに、部隊では兄も妹もありませんでしたから。だから、私にとって滝蓮次郎は兄というより隊長なんです」
「なるほどな……君も、家には苦労しているわけか」
「……君『も』?」
「いや、こっちの話だ。お、見えてきたぜ」
街道の分岐点が見えてきた。右に行けば国境の街サルファだが、そっちには敢えて向かわない。
左にしばらく行くとシロム湖がある。そこならば、野宿をしても怪しまれまい……とはシュトロムの言葉だ。
※コンマ下35以下で追加イベント
※コンマ下2が50以下で別の追加イベント
※イベントなし
俺たちは湖畔にテントを張った。誰か追ってきているかと思ったが、杞憂に終わったようだ。
女3人に男1人。勢い、俺が外で寝ることになる。北国の春は夜寒いが、我慢するっきゃない。
カレンは軍人――彼女は「自衛隊」と言っていたが――らしく、野営の準備は馴れたものだった。
俺やヘカテルは近衛兵であり、同じ兵士でもこういうのは不慣れだ。軍事府のユリリエが抜けた穴は、今のところ埋まっていると言えそうだった。
「はい、どうぞ」
飯盒からカレンがカリーをよそう。モリブスのそれと違いとろみがあるが、これはこれで美味だ。
「美味しいですね。……タキさんと同じところから来たんですよね。どんな所なんですか?」
ヘカテルの問いに、カレンはうーんと唸る。
「どんな所、かあ。……平和といえば平和だよ。大陸で戦争があって、少し荒れたけど。
ご飯は美味しいし、色々便利なものもあるよ。この世界にも携帯があるには驚いたけど」
「……戦争、ですか」
「まー、すぐ終わったけどね」
カレンはスプーンでカリーをすくった。
「帰りたいとは、思わないの?」
ノワールが心配そうに訊く。カレンの表情が曇った。
「そりゃ……帰りたいよ。でも、私たちが送り込まれた、ってことは帰る手段もあるはず。それがオルランドゥにあるなら、行かなくちゃ」
しかし、なぜ送り込まれたのだろう?彼女がいた「日本」という国は、オルランドゥを知っていたということになる。考えるとかなり妙だ。
※70以上で追加イベント
※追加イベント
「そう言えば、随分と言葉が上手いな。タキもだが……この1ヶ月で習得できたのか?」
カレンに訊くと、彼女は首を振った。
「ん……多分違います。元々、習ってたんです」
「習ってた?異世界の言葉をか」
こくんとカレンは頷く。
「ここの言葉……『英語』にそっくりなんです。私たちの世界の、ある大国で話されている言葉です。
驚きましたよ。……この国のある村で私は見付かったんですけど、英語に良く似た言葉で話し掛けられた時は仰天しちゃって」
「……ノワール、どう思う?」
「私にもさっぱり……大おばあちゃんなら分かるかもだけど。……何か変だね」
ノワールはスプーンを口に入れると「辛っ」と叫んだ。……オルランドゥの消失、タキたちの出現。そして「一族」の存在。……この世界に、何が起きているというのだ?
※30以上で追加イベント
※好感度100突破イベントが発生します。
01~33 ヘカテル
34~66 ノワール
67~99 カレン
00 3人全員
※ノワールにイベント発生
食事を取り、俺は寝袋の中に入った。……寒さのせいか、なかなか寝つけない。
もぞもぞと抜け出すと、俺は自分用のザックから酒瓶を取り出した。湖畔には桃の花が咲いている。まあこれも、一応の花見になるのか。
酒の力を借りれば寝られるだろう。……そう思っていると、後ろに気配がした。
「ノワールか?どうした、こんな夜に」
「ごめん、邪魔しちゃった?……何か寝付けなくてねえ。少しお散歩」
ノワールは少しモコモコとした寝間着を着ている。これで27歳と言っても、誰も信じないだろう。
90-賢さ(9)×8=18以上でイベント続行
※イベント続行
「……いいのか?こんなに歩いたのは、初めてだろ。ちゃんと寝とけよ」
「うーん……疲れより、色々あったのが気になって目が冴えちゃった。……お酒もらえる?一口だけ」
俺はザックからクラフトエールの小瓶を取り出した。蓋を明けて、ノワールに渡す。
「そらよ。……飲みすぎるなよ」
「ありがと。……ぷはぁ、美味しいねぇ」
ノワールは俺の隣に座って、嬉しそうな顔をした。
「……まあ確かに、色々あったな。今日もカレンと会って、ユリリエが抜けた。思いもしなかったぜ」
「そうだね。……サイファー、大丈夫?」
「大丈夫って、何がだ」
ノワールが真剣な表情で俺を見ている。俺は少し気圧された。
「多分、サイファーって私たちと距離を取ってると思うの。女の人が好き、って言う割に私たちにはそんな素振りをみせないし。
……それが悪いわけじゃないの。すぐ口説きに来るような人なら、私ついてきてないから」
ノワールはエールをもう一口飲んだ。
「でも、壁みたいなのを感じちゃうんだよね。ヘカテルちゃんは部下だし、カレンちゃんも今日会ったばかりだからしょうがないんだけど。
でも、この前の結団式。そんなに私やユリリエちゃんと話してなかったでしょ。隣の子や話し掛けて来た子と一緒に飲むことになっても、どこか距離を置いてる感じだった。
……女の子ばかりの調査団になって、気を使わせ過ぎちゃってるのかな、ってね」
……やはりこの子は鋭い。それは半分は当たりだ。無論、3人の誰に手出ししても大事になるのが分かってるのもあるが。
「無理してるように見えるか」
「うん、ちょっと。ヘカテルちゃんは気付いてないと思うけど、カレンちゃんはもう、少し感じてるかも」
「……そうか」
俺はウィスキーの瓶を煽った。
……
※90-賢さ(9)×5=45以上でイベント続行
※イベント続行
夜に再開します。少しサイファーの昔話。
再開します。
「俺がコット家の生まれってのは、知ってるよな」
「うん。大昔からある、名門でしょ?本でしか知らなかったけど」
「ああ。家格だけなら、三大名家に準ずる。お前のオルランドゥ家よりは下、って感じだが。
まあ、ガキの頃から甘やかされて育ったわけさ。無駄にお勉強も武術もできたしな。一族期待の星、ってわけだ」
俺は自嘲気味に笑った。
「……それのどこがいけないの?」
「ほっといても周りがちやほやする。少し甘い顔をしてやりゃ、女は股を開く。
金には苦労しねえし、近衛騎士団に入って出世コースだ。人生こんなに楽なもんかと、17ぐらいの時は思ったよ。
だが、一方で誰も『俺』は見てないんじゃないかって不安がじわじわ出てきた。俺の才能、将来、金、家柄。そういうのに群がってるだけで、俺の性格なんてカスなんじゃねえかってな。
……そこに突っかかってきたのが、一人だけいた」
ノワールが俺の目を見る。深い藍色は、底無しの湖のようだ。
「……エリスさんだね」
俺は頷いた。
「あいつとはライバルだった。エコールの成績は勝ったり負けたり。一度武術であいつに負けた時、周りが『平民の女に負けやがった、ざまあみやがれ』ってなってな。
んで、『あんたなんて空っぽよ』と吐き捨てられた。
……あれは屈辱だったなあ。だから、これまでろくにしなかった努力をするようになった。
言い争いも随分したよ。だが、真っ直ぐなエリスに俺は惹かれた。あいつが俺のどこに惚れたかは知らないが、いつの間にか一緒に住むようになった」
俺は酒を飲み干した。いかん、思ったより飲んでいる。
「どうして別れちゃったの?エリスさん、随分サイファーにキツかったけど」
「あいつの毒舌に、俺が耐えられなくなった。それはある。んで、俺は逃げるように商売女を買いまくった。尻軽とも寝た。そりゃ破局するよな」
ノワールが俺の目をじっと見ている。
……
90-賢さ(9)×5=45以上でイベント続行
※イベント続行
いかんな、随分と話してしまっている。……適当にごまかすつもりだったが、こいつの目から逃げられない。
俺は溜め息をついた。ノワールが訊く。
「でも、長かったんでしょ?エリスさんとは」
「……そうだな。7年一緒にいた。籍を入れるって話にもなったが、家の違いを理由に俺が逃げたこともある。……ゲスと嘲笑ってくれていいぜ」
ノワールが首を振った。
「ううん。多分、怖かったんじゃない?ちゃんとサイファーを見てくれる人、エリスさんしかいなかったんだよ。
でも、サイファーはエリスさんが信じられなかった。エリスさんも、他の人たちと同じなんじゃないかって。
……だから、浮気で逃げた。ちゃんと愛されるのが怖くて。……違う?」
俺はこの娘を殴りたい衝動に駆られた。こいつに何が分かる!?
……だが、ノワールは俺の精神を覗ける。……俺の深淵も、覗けるのだ。
俺は息を吐き、目を閉じた。
「……降参だ。その通りだよ。お前らに手出ししないのも、深入りするのが怖いからだ」
「ううん、それだけじゃないよ」
ノワールがすっと立ち上がり、湖を見つめる。月明かりがノワールの銀髪を照らす。……綺麗だと、不覚にも俺は思った。
「……本当はサイファーは優しいんだよ。弱い自分が私たちを傷付けるかもと思ってる。だから過剰なくらいに優しい。
エリスさんが7年も付き合ったのも、そのことを知ってたからじゃないかな?」
「そうだろうか」
ノワールは、足下の石を軽く蹴った。ポチャンという音がする。
「私はエリスさんのことを知らないわ。けど、あの人も不器用な人っぽいなって思うの。互いに素直なら、もっと違った今があったかもしれない。
でも、人は変われる。サイファーだって、きっと変われるよ。そうすれば……」
ノワールはそこで言葉を切った。
※50以上で追加イベント、ファンブルなし
※追加イベントあり(90-賢さ×4に変更と書きかけていましたが、結果が同じなので続行)
俺はノワールがなぜ言葉を切ったか考えた。
……そういうことか。
「ごめん、話しすぎたね。じゃあそろそろ……」
俺はノワールの側に立ち、ぽんとノワールの頭に手を乗せる。
「ありがとう、楽になった。……ノワールも、辛いことがあったら吐き出してくれ。……縁があって仲間になったわけだから、な」
ノワールは一瞬きょとんとした後、嬉しそうに「うんっ!」と笑った。
……ノワールが言いかけた言葉。それはきっと「私も独りじゃなくなる」。
ずっとあの研究室に閉じ込められて来たんだ、彼女もフェリシア所長以外に自分を見てくれる相手を求めていたんだろう。
……俺にその役割が務まるかは知らないが……今のままではダメだな。
ノワールには、感謝しなきゃいけない。
今日はぐっすりと眠れそうだ。
※ノワール好感度 コンマ下一桁×4上昇(上限155)
ノワール好感度 123
上がり過ぎず一安心。少し休憩します。
########
翌日。俺たちはファルーダ公国とテルモン連邦の国境に向けて歩き始めた。
朝飯を食っている時、ヘカテルが「何か変わりました?」と首を傾げていたが、きっと気のせいだろう。
順調ならば夕方には国境に辿り着くはずだ。
※30以下で追加イベント、90以上で別のイベント
※なお余談ですが、ノワールイベント完走につきサイファーの行動パターンが少し変わります。
※イベントなし
道中は何事もなく過ぎていった。カレンも少し打ち解けてきたようで、そこは一安心といったところか。
今更になってノワールが自分より歳上と知り、軽くパニックになっていたが。ノワールは「引っ掛かったー」とはしゃいでいる。
俺はそれを見て苦笑した。……昨日の夜の件といい、中身も見た目通りじゃないんだよなあ。
※80以上で追加イベント、ファンブルなし
※追加イベントなし
#########
やがて夕方になり、国境が見えてきた。ここで偽装の証明書をテルモンの職員に見せれば、無事通過だ。
国境通過待ちの列は長い。……何かあったのだろうか?
01~20 ???????
21~50 クローブ湿地帯で、魔物が発生しているとのことだ
51~75 ????
76~99 特に何もなし
30分ほどして俺たちの番になった。単に混んでいただけらしい。
偽装の証明書を取り出し、職員に見せる。
……
※15以下でイベント発生
※イベントなし
「……どうぞ」
ぞんざいな態度で職員は言った。ほとんど流れ作業だな。いいのだろうか、これで。
まあ、最大の難所は超えた。後は、ここから馬車で2日かけてクローブ湿地帯、クローブ湿地帯をそこからさらに2~3日かけて抜ける感じになる。
国境を抜けると、俺は大きく安堵の息をついた。後は温泉で知られるテルモンの宿場町にして観光地、ニャルラが待っている。
##########
ニャルラは人口7万人の小都市だ。調停者シデが温泉を発見したことでも知られる。都市の名付け親も彼だ。残念だが、ネーミングセンスは彼にはなかったらしい。
ニャルラの中心地は宿が乱立している。あまり高くなければ問題はないだろう。娼館街も隠れた(?)名所として知られているが……さすがに今回ばかりは行くことはなさそうだ。
さて、どこに泊まるか。
1 最高級旅館(金貨の余裕がほぼなくなります)
2 高級旅館
3 通常の旅館
4 娼館街近くの連れ込み宿
安価下5多数決、考察不要
上げます。
俺たちは普通の旅館に泊まることにした。本音を言えばもっと高級な所にしたかったが、この旅は遊びではない。
「ここですか?」
「ああ、そうだ。部屋は二つ取った。俺だけ個室で悪いが、さすがに誰かと一緒はまずいんでな」
ヘカテルが落ち着かない様子だ。俺と同じで、あまり庶民の生活をしたことがない奴だから仕方ないんだろうが。
ノワールは「お風呂だー」と騒いでいる。こういう時は見た目通りなのか、訳が分からん。
「ここにも、温泉はあるんですね」
不思議そうな顔をしてカレンが言う。
「おう、お前らのとこにもあるのか?」
「ええ。そりゃたくさん。こういう温泉街まであるなんて、ちょっと驚きました」
「そうなのか。この大陸にも幾つか温泉街はあるぜ。今回の道中だとここだけだが。
一度、お前の世界の温泉にも行ってみたいもんだな」
90-魅力(10)×3=60以上でイベント発生
※イベント発生なし
「……戻れたらいいんですけどね」
カレンが寂しげに笑った。何気なく言ったが、里心を刺激してしまったか。……まだ甘いな。
「とにかく、軽く飯食べるぞ。一応、情報収集も兼ねてだ」
※15以下か85以上で追加情報
※追加情報
その時、俺の電話が鳴った。……シュトロムからだ。
「もしもし?」
01~40 ???????
41~70 クローブ湿地帯で異常発生だ
71~99 ランダムが動いた
「私です。……ランダムが動きました。現地の諜報員からの連絡です」
「何ですって?じゃあモリブスに行っても仕方ない、と」
皆の視線が俺に集まる。……これは厄介かもしれない。
「そうです。足取りを追ってますが……」
「せめて、どっち方面に消えたか分かりますか?」
01~30 全く分かりません
31~60 アングヴィラ方面に歩いたと
61~90 テルモン方面に歩いたと
91~99 実は……
「テルモン方面に歩いたといいます。……今どこですか?」
「ニャルラです。……近くなりましたね」
「ええ。ファルーダを抜けたなら、難所はクローブ湿地帯だけです。期待してますよ」
これは幸運かもしれない。テルモンなら1週間あれば着く。
「ランダムが移動してるそうだ。テルモンに移った可能性がある、らしい。
ただ、気を抜かないようにしよう。……んじゃ、飯だな」
#########
ニャルラは肉料理で知られる。牛も豚もかなり旨い、らしい。
情報収集もしたいとこだが、生憎ここにはギルドハウスはない。さて。
1 高級レストラン
2 焼肉屋
3 大衆食堂
4 居酒屋
安価下5多数決、考察不要
「まあ、情報収集も兼ねるなら……大衆食堂かねえ。商人とかから話を聞きたいもんだが」
「そうですね。とりあえず、繁盛してそうな所にしましょうか」
※30以下で「山」
※普通の食堂
店は観光客でごった返していた。俺は適当に豚のしょうが焼きを頼む。
カレンは「食事も似てるんですね」と感心した様子だ。技術は進んでいるらしいが、食文化はあまり違いがないのだろうか。
俺は店内を見渡す。
……
01~40 商人風の男を見つけた
41~70 豪商風の男を見つけた
71~85 腕利きらしい冒険者か?
86~99 再判定
ニャルラってニャルラトホテップだよね?
あいつ倒したのここらへんだったのかな?だとしたらなんかシデっぽくていいねww
目についたのは、豪商風の男だ。褐色の肌に口髭……魔族、いや耳が尖ってないからモリブスの人間だな。
イーリスかファルーダ辺りに行くのか、それとも帰る所か。何にせよ、大衆食堂では少々目立つ風貌だ。
何を訊くか。
1 テルモンの状況
2 ランダムに会ったか
3 クローブ湿地帯の状況
4 モリブスの状況
5 自由安価
安価下5多数決、考察必要
※質問は一問のみです
>>954
倒したのは随分遠いです。モリブスとテルモンの間、モリブス寄りの場所です。
ただ、由来はその通りで、青空に憧れていた彼にこの地の青空&温泉を見せたかったという彼の想いがあります。
俺は手早くしょうが焼き定食を食べ終えると、豪商風の男の席に向かった。
「……何用かね」
「イーリス聖王国、近衛騎士団副団長のサイファー・コットと申します」
俺は一礼すると、懐から騎士団章を見せた。ほう、と男はこぼす。
「現在、王命にてテルモンに向かっているのですが……クローブ湿地帯の現状について、御存知ないですか?
魔素の増大、魔物の増加が報告されていると聞きましたが」
01~20 それだよ。……今それが問題になっているのだ
21~90 それだよ。……少々厄介なことになっている
91~99 いや、往来には支障ないがね
男は目を見開くと、溜め息を一つついた。
「それだよ。……少々厄介なことになっているのだ。君の言う通り、あの近辺は魔素が増加している。それだけならまだいいが、魔物も増えていて、往来に支障が出始めているのだ。
かくいう私も、ファルーダからの帰りだがここで3日足止めを食らっていてな。身軽ならばまだしも、交易品を持っていると護衛なしでは厳しい。
腕利きの冒険者を探しているのだが、眼鏡に叶うのがいなくてな。こまっていた所だ」
男は困り果てたという表情で俺に言った。
「魔物が邪魔をしている、と」
「その通りだ。……」
※40以上で魔物の巣がある
ん?以上なのか
※魔物急増の原因不明
「……君なら腕に間違いはないだろう。護衛を引き受けてはくれないか?クローブ湿地帯を抜けたら、報酬は弾むぞ」
そう来たか。男は特に裏がありそうではない。素直に受け取っていいだろう。
「少し待って下さい。仲間にも話します」
俺は護衛の一件を皆に話した。特に異論はなし。この程度の人助けなら、悪くはないだろう。
「いいでしょう、お引き受けします」
「そうか!!ありがとう、恩に着るよ。私はアイユーブという。宜しく頼むよ」
※ミッション「アイユーブを護衛せよ」が発生しました
今日はここまで。明日からの分は次スレでしょうか。
>>968
これは以上で間違っておりません。アイユーブを危険にさらさずに済むというのと、ある事情が判明するか否かのチャンスがあるからです。
閲覧人数300人超えてて草
そういやユリリエは指輪がないままイーリスに帰るわけだが
>>972
そんなにいるんですか?前に280人いてマジかと思った記憶がありますが。……恐縮です。
>>975
王宮直属になった、ということは……カミュ君が泣き、それを王様が叱るってのが容易に想像できますね。
まだ書き途中ですが次スレです。
【コンマ】崩壊する世界を旅する2【安価】
【コンマ】崩壊する世界を旅する2【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1503444785/)
以下、雑談、批判、ご意見なんでもどうぞ。
wiki用の設定などは週末にでも書きます。
そういえば前作では金は使ってなかったと思うけど、今回は金にも気を配った方がいいのかしら?
>>978
あんまり気にしなくていいです。今は。
国家予算使って旅をしているわけで、現状は問題ないです。
酒が飲めて暗黒魔法使い…ライラと若干被るかな?
>>981
コンマ上そうなっちゃったわけですが、理屈付けは考えてます。
というか、ジャックは酒も煙草もやる人でしたし。
今作に繋げやすくなったのって前作のヘルラの覚醒タイミングが上手い具合だったおかげでエリック含めた一族全員が人類の味方になったからってのはあるのか?誰か一人でも継承戦争に縛られたままの人がいたら第三勢力を絡ませるのが少し面倒だった…みたいなことはあったのかね
>>993
それはあんまり関係ないです。最新更新分を見れば分かるかと。
語り部が誰になるかというのはありますが。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません