【ニューダンガンロンパV3】真宮寺「エリート塩…?」 (55)

※ニューダンガンロンパV3のネタバレあり

※一部オリジナルの設定あり





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1502884065


アンジー「そうだよー!」

真宮寺「なにかな?それは…」

アンジー「超高校級のエリートの汗から生成した塩はねー…」

アンジー「神ったエリート塩になるんだって神さまも言ってるよー!」

真宮寺「確かに人の汗には塩分が含まれているけど…」

真宮寺「そこから塩を生成するなんて…クックック…狂気の沙汰と言えるネ…」

アンジー「あれあれー?是清はノリ気じゃないのかなー?」

真宮寺「むしろ乗り気な人なんているのかな?」

アンジー「うーんとねー、誰から塩を取るかにもよるんじゃないかなー?」

真宮寺「そういう人たちもいるかもしれないけど…僕の場合は誰から取ったとしても嫌だヨ」

真宮寺(姉さんのなら…いや、そもそも姉さんにそんな下品なことは似合わないよネ)



アンジー「まあまあ、別に是清に食べさせるわけじゃないんだし…」

真宮寺「ということは、僕以外の誰かに食べさせる気なのかい?」

アンジー「そうだよー!エリート塩には神った効能があるからねー!」

真宮寺「へェ…それはすごいなァ…」

アンジー「うーん…是清はあんまりエリート塩に興味はないのかなー?」

アンジー「そんなこと言ってると3親等内まで罰が当たるよ…?」

真宮寺「おやおや…今日の神様は随分理不尽だネ… おかしなことを言ってるのは夜長さんの方なのに…」

真宮寺(それに3親等だと姉さんも入ってしまうヨ)

アンジー「いいからいいからー!無駄話をしてる時間はないよー!」

真宮寺「まさか取りにいくのかい…?エリート塩とやらを…?」

アンジー「にゃははー!行くぞー!」

アンジー「おー!行くぞー!」

真宮寺「いつの間にか僕も巻き込まれてるネ…」

真宮寺(夜長さんは姉さんの友達になれる人だと思ってたけど…)

真宮寺(考え直した方がよさそうだヨ)




真宮寺「で?その塩は誰から取るつもりなのかな?」

アンジー「斬美だよー!」

アンジー「美人でスタイルが良くてなんでもできて…」

アンジー「皆のために頑張ってる斬美なら神った塩を出してくれるからねー!」

真宮寺「確かに東条さんはこの超高校級が集う中であってもエリートといえるほどの能力を持っているネ…」

真宮寺「ちなみに、僕としては、百田君も中々のエリートだと思うヨ」

真宮寺「宇宙飛行士は知力体力精神力…相当のものがないとなれないと聞くからネ」

真宮寺「たとえ訓練生であっても百田君のそれはかなりのレベルだと思うな」

アンジー「なるなるー、神さまもびっくりの発想だなー」

アンジー「でもでもー、解斗の塩なんて誰も食べたくないと思うんだよねー」

真宮寺「まァ…もっともな意見だネ」

真宮寺「ところで、夢野さんのショーの準備の方はいいのかい?」

アンジー「秘密子のショーの準備ならもう終わったよー!」

アンジー「斬美が手伝ってくれたからねー」

真宮寺「なるほど、さすがは東条さんだ」

アンジー「斬美はまだ体育館にいるかなー?」

真宮寺「いや、もういないはずサ…」

アンジー「えー?どうしてー?」

真宮寺「時刻はとっくに10時を過ぎているからネ。夜時間は立ち入り禁止になる体育館には誰もいないヨ」

アンジー「そっかー。じゃあ探さないとねー」

真宮寺「まずは彼女の部屋に行くのが妥当じゃないかな?」

アンジー「神さまは、斬美は部屋にいないって言ってるよー!」

真宮寺「じゃあどこにいるんだい?」

アンジー「それを探しにいくのです」

真宮寺「やれやれ…」




真宮寺「一応聞いておくけど…君の神様は東条さんの居場所を教えてくれないのかい?」

アンジー「それはねー、神さまはもう寝ちゃったからダメなんだー」

真宮寺「僕ももう休みたいんだけどネ… 正直さっきのゴン太君のなごもう会は堪えたヨ…」

アンジー「是清は疲れてるんだねー じゃあ塩ができたら寝てもいいよー」

真宮寺「クックック…今夜は徹夜になりそうだ」

真宮寺「まァ、いいサ…ここまで来たらこの夜長さんの狂行を最後まで観察させて…」


 バコッ!!!!!


真宮寺「ん…?今の音は…?」

アンジー「何かを叩いたような音だねー」

真宮寺「そこの部屋から聞こえた気がするヨ」

アンジー「ここは竜馬の研究教室だねー。テニスでもしてるのかな?」

真宮寺「まァ、そんなことろじゃないかな」

アンジー「竜馬ー、夜更かしは駄目だぞー」ガチャッ

真宮寺「僕達も人のこと言えないけどネ」



真宮寺(部屋に乗り込んだ僕達の目に飛び込んできたのは予想外の光景だった…)

東条「…ッ!?」ビクッ

アンジー「あれれー、斬美だったんだー。ちょうどよかったねー」

東条「夜長…さん…」

真宮寺(手に角材のようなものを持って茫然と立ち尽くしている東条さん…)

真宮寺(しかも、彼女の足元には横たわって動かない星君…)

真宮寺「…夜長さん、どうやら情況は塩どころじゃないようだ」

アンジー「うわー!よく見たら竜馬が倒れてるよー!」

真宮寺「クックック…どうやらまた起きてしまったようだネ。まさか君がやるとは思わなかったけど…」

東条「…」

アンジー「んー、逃げた方がいいのかなー?」

真宮寺「無駄だろうネ。東条さんにかかれば僕らなんてあっという間に捕まってしまうだろうからサ」

真宮寺「なんとか説得する方を提案するヨ… 最も星君がまだ手遅れじゃなければの話だけど…」チラ

星「」

アンジー「あー、これはもう駄目だねーナムアミダブツ」

真宮寺「いや、それなら僕らもとっくに始末されてるはずだ。多分気を失ってるだけだと思うヨ」

アンジー「なるなるー。ならアンジーにおまかせだよー」

真宮寺「大丈夫なのかい?」

アンジー「大丈夫だよー!アンジーには神さまがいるからねー!」

アンジー「失敗して殺されても優しく迎えてくれるよー」

真宮寺「…やっぱり僕が行った方がよさそうだネ」






アンジー「斬美ー、斬美ー」

東条「…」

真宮寺「東条さん、この状況についての話は後回しにするとして…星君は無事なのかい?」

東条「ええ…」

真宮寺「だったら彼を救護するのに手を貸してくれるかな?」

真宮寺「どんな事情があったのかは知らないけど…今ならまだ引き返せると思うんだ…」

真宮寺(それにこうなった以上、計画を続けるには僕と夜長さんを始末するしかない…)

真宮寺(夜時間とはいえ3人も殺してしまうのは大きすぎるリスクだ…)

真宮寺(東条さんならそれに気づいてくれるはずだけど…)

東条「…わかったわ」



真宮寺(やっぱり東条さんは聡明だったネ)

真宮寺(とはいえさっきまでの彼女は明らかに普段と違っていた…)

真宮寺(僕たちに見つかって焦ったのか… それとも自分の凶行を人に見られて初めて我に帰ったのか…)

真宮寺(顔は真っ青で…まるでこの世の終わりでも見たかのような…)

真宮寺(逆上して襲われる可能性もあったけど、一先ず助かったヨ…)

真宮寺(そんなことを考えてる内に星君の手当ても終わったようだ)







真宮寺「星君は僕が部屋まで連れていくヨ。2人も今日のところは部屋に戻った方がいい…」

真宮寺「じゃあ、僕はこれで…」ガシッ

真宮寺「…!?」

アンジー「だめだよー!是清ー!」

真宮寺「どうしたんだい…?」

アンジー「主は言いました…斬美の話を聞きなさいと…」

真宮寺「神様はもう眠ったんじゃなかったの…?」

アンジー「アンジーの神さまは夜中に何度もトイレに起きるタイプの神さまだからねー」

真宮寺「夢野さんみたいな神様なんだネ…」

真宮寺(まァ、確かに…事件のことが気にならないと言ったら嘘になる…)

真宮寺(正直、獄原君や夜長さんに振り回されて限界も近いし…)

真宮寺(僕と夜長さんだけでは荷が重いと考えてたけど…)

真宮寺(夜長さんがやる気ならしかたないか)

真宮寺(あの東条さんがここまでしたんだ…それだけのことがあったんだろうネ)

真宮寺(人間が持つ業の深さと美しさ…それこそが僕が観察したいもの…素晴らしいものが見られそうだヨ)

真宮寺(いつもは観察するだけのことが多いけれど…たまには騒動の渦中に飛び込むのもいいかもしれない…)

真宮寺「わかったヨ。夜長さんが言うならそうしようか」

アンジー「アンジーじゃなくて神さまが言ってるんだよ?」

真宮寺(それにあの追い詰められたような顔のまま俯いてる東条さんを放って部屋に戻るのは仲間として気が引けるしネ…)

真宮寺(彼女はアンジーさんと違って姉さんの友達になるかもしれない人…できることなら力になりたいと思う…)








真宮寺「というわけで、東条さん。この状況を説明して貰えるかな?」

真宮寺「こんなことになった以上僕達も放置するわけにはいかない」

真宮寺「でもいきなり大事にするよりは、まずこの場に居合わせた僕達だけで話をしておくのがいいと思うんだ」

東条「そうね…わかったわ。貴方達を巻き込んでしまったのだし、説明はするべきね」

真宮寺(大分冷静になったみたいだネ…よかったヨ)

東条「とはいっても、もう察しはついてるでしょうね…」

東条「私は…星君を、殺そうとしたのよ」

真宮寺(悲痛な面持ちながらも己の罪と向き合い、しっかりと言い切る東条さん…なんて美しいんだ!)

真宮寺(でも、本題はここからだ… 重要なのは東条さんが何故犯行に踏み切ってしまったのか…)

真宮寺(つまりは動機… 『動機』…?そうか、なんとなくわかってきたヨ)

アンジー「でもでもー、なんでそんなことしたのー?」

アンジー「斬美は竜馬やアンジーたちを犠牲にして1人だけ外に出ようとしたのー?」

東条「…えぇ、そうよ」

東条「星君を選んだのもそのためだったし、学級裁判を逃げ切るためのトリックも…」

アンジー「なるなるー、そうなんだねー」

アンジー「で?斬美はそれで平気だったの?」

東条「…ッ!」

アンジー「斬美はねー、優しいし皆のお世話をしてくれるし秘密子のショーの準備も手伝ってくれたし…神さまもすごいって褒めてたよー?」

アンジー「あれも全部嘘だったのー?」

東条「…」

アンジー「斬美ー?黙ってると6親等親族まで罰が当たるよ?」

真宮寺(いつもの特徴的な語尾や方言にも似た独特のイントネーションが消えつつある…)

真宮寺(これは彼女が怒った時に見られる特徴だ…)

真宮寺(こうなるのは、主に『神さま』が絡む時だったけど…)

真宮寺(もしかして、信頼してた東条さんに裏切られたと思って怒ってるんだろうか…)

真宮寺(クックック…何を考えてるかわからない不気味な人だと思ってたけど…こんな人間らしい一面もあったんだ…)

真宮寺(僕としたことが…観察がまだ足りなかったみたいだ…)

真宮寺(よく見ていればこうして色々な面を見せてくれる…やっぱり人間っていいよネ!)

真宮寺(とはいえ観察ばっかりしてるわけにもいかない…)

真宮寺(今回は僕も当事者なんだからネ)




真宮寺「もしかしてさァ、アレが関係してるんじゃない?」

アンジー「アレ?」

真宮寺「ほら、例の『動機ビデオ』だヨ」

東条「…ッ!そ、それは…」

真宮寺「どうやら間違いないみたいだネ」

アンジー「でもでもー、あれは自分以外の誰かのビデオが配られたんだよー?」

アンジー「それがなんで動機になるのー?」

真宮寺「でもサ、僕達は誰にどのビデオが配られたかを全て確認したわけじゃない…」

真宮寺「だったら東条さんには自分の『動機ビデオ』が配られていた可能性もあるよネ?」

アンジー「斬美ー、そうなのー?」

東条「ええ、真宮寺君の言う通りよ。私には自分の『動機ビデオ』が配られていたわ」

真宮寺「やっぱりネ。タイミングから言ってそうじゃないかと思ったんだ」

アンジー「にゃははー、じゃあ今から皆で見てみようよー!」

東条「え…」

真宮寺「本気なのかい?」

アンジー「もっちもちー!斬美もそれでいいよねー?」

東条「そ、そうね…」

真宮寺「まァ、東条さんがいいなら構わないけどネ。その方が早いだろうし…」

真宮寺(ひょっとしたら自分では言いにくいことかもしれないしネ)







真宮寺「…」

東条「…」

アンジー「…」

真宮寺「なんというか…衝撃的な内容だったヨ…」

真宮寺(確かに優秀な人だとは思ってたけど…これはさすがに予想外だったヨ…)

真宮寺「まさか大切な人が全国民とはネ… 僕如きには想像もつかないスケールだ…」

東条「こんなものはモノクマが私達に殺し合いをさせるために用意したもの…真に受けてはいけないと思ったわ…」

東条「でも…私はこの国に全てを捧げると誓った…このビデオを見た時、それを思い出したのよ」

東条「私には全ての国民を守る義務と責任がある…」

東条「だから、どうしても…ここから出たかった…!」

東条「ここから出て…本当のことを確かめたかったのよ…ッ!」

アンジー「そっかー、なら仕方ないねー!」

東条「夜長さん…?」

真宮寺「随分とあっさりだネ」

アンジー「主は言いました…全国民はさすがにヤバイでゲスと…」

真宮寺「とんでもなく小物臭のする神様だネ…」

真宮寺「まァ、僕達13人の命とその1000万倍の人数の命なら天秤にかけるまでもないのは確かだけど…」

東条「でも、私は…貴女達を裏切って犠牲にしようとしたのよ…?」

アンジー「んー…斬美はまだそうするつもりがあるのー?」

東条「それは…」

東条「…」

真宮寺(僕が最も危惧してるのはそこだ…)

真宮寺(東条さんを殺人に走らせるほどの動機、簡単には止まれないはず…)

真宮寺(もちろんそれほどの重責だからこそ判断を誤ってしまった可能性はあるし、それなら冷静になれば踏みとどまってくれるだろう…)

真宮寺(だけど再度犯行に及んだ場合、標的にされるのは僕と夜長さんと星君ということになる…)

真宮寺(仮に他の人が殺された場合でも、学級裁判で東条さんがオシオキされれば、彼女を姉さんの友達にする機会は永遠に失われてしまう…)

真宮寺(いっそのこと僕が先に彼女を…)

星「うぅ…」

真宮寺「おや…?」

東条「星君!」

アンジー「気が付いたんだねー!よかったよかったー!」

星「…なんだこれは。どういう状況だ…?」

真宮寺「君が殴られて倒れたところに僕と夜長さんが偶然通りかかったのサ」

星「そういうことか…」

真宮寺「ふーん…なんだか妙に飲み込みが早いネ。後頭部からいきなり殴られたっていうのに…」

星「そりゃそうさ…俺はわざと自分を殺させたんだからな」

東条「…!?」

アンジー「えぇー?どうしてー?」

星「あんたらが知ってるかは知らんが、こいつには生きなきゃならねえ理由がある…」

星「俺には、もう生きる理由もねえ。だからこいつに命を譲った…それだけのことだ」

真宮寺(動機のことがあったとはいえ…東条さんほどの人が僕達全員を犠牲にするなんて選択肢を選んだことにずっと違和感を覚えていた…)

真宮寺(でも、これでようやく合点がいったヨ…)

真宮寺(コロシアイという常識では測れない異常な空間… 超高校級のメイドとはいえ…いや、だからこそ、1人の高校生には重すぎる動機…)

真宮寺(そこに突如降りた蜘蛛の糸… 縋らずにはいられなかったのかもしれない)

真宮寺(例え途中で切れることがわかっていたとしても…)

真宮寺(クックック…人間というのは、なんて業の深い存在なんだろうネ…)

アンジー「なるなるー、竜馬も斬美の動機のことを知ってたんだねー」

星「ああ…だが、そいつは間違いだったみてえだな」

東条「え…?」

星「今のあんたの面を見てわかった… あんたはそんなことホントは望んじゃいなかったってことがな…」

東条「星…君…」

星「東条、すまなかったな…俺が唆したせいで取り返しのつかないことをさせちまうところだった」

東条「違うわ星君ッ!私が全部悪いのよッ!だって私は貴方を…」

アンジー「斬美ー、ちょっと座ってくれるー?」

東条「よ、夜長さん…?急にどうしたの…?」

アンジー「にゃははー、いいからいいからー」

東条「…こうかしら?」

アンジー「そうそう…」

真宮寺(アンジーさんは膝をついた東条さんの正面に行き…)


アンジー「ぎゅ~~~~」

東条「…!?夜長さん…?な、なにしてるの…?」

アンジー「あのねー、神さまは斬美のこと許してくれるって言ってるよー」

東条「え?」

アンジー「斬美が今までアンジーや皆のために頑張ってくれてたことも、神さまはちゃんと見てたからねー」

アンジー「ちょっと間違えちゃっただけだって、神さまはちゃんとわかってるから…」

東条「…」

アンジー「こんなことになって斬美も辛かったよねー。でも大丈夫、眼鏡をかけた高身長でお金持ちの神さまが見守ってるから」ドウイウコトダナエギ!セツメイシロ!

アンジー「だからもう安心していいんだよー?」ナデナデ

東条「………ぅ…うぅ…」ポロポロ

東条「…ごめんなさい……夜長さん、星君…皆…本当に……ごめんなさい…」ポロポロ

アンジー「よしよし、いいんだよー」ナデナデ

星「……フッ」

真宮寺(…僕の名前が入ってないのは『皆』の方に含まれてるからだよネ)

真宮寺(きっとそうサ…まァ、途中から空気だし仕方ない… 東条さんのことだから意図的に省いたなんてことはないはず…)

真宮寺(僕は人間の美しさを観察したいだけなんだ… 無理に話に入っていく必要はないんだヨ…)











真宮寺(翌日、東条さんは皆に全てを告白した…)

真宮寺(皆最初こそ戸惑っていたけど、僕達の話を聞いて納得してくれた…)

真宮寺(皆に許され、仲間としてまた受け入れられたことに、また泣き出してしまった東条さんとそれを優しく宥める仲間達…)

真宮寺(とても美しい光景だったヨ)

真宮寺(『ですが星クンを殺そうとしたのは事実ですし、念のためしばらくは監視を付けておいた方がいいのでは?』)

真宮寺(ある人がそう発言した時は若干空気が冷えてしまったけどネ。……いや、正確には人じゃなかったか…)

真宮寺(ともかくこの騒動は無事解決し、東条さんは今まで以上に皆のために働いてくれた…)

真宮寺(この和やかなムードと東条さんの働きもあってしばらくは平和な時間が続いたし、僕も姉さんの友達候補をゆっくりと見定めることができた…)

真宮寺(途中、アンジーさんが生徒会を結成したり、春川さんが実は超高校級の暗殺者だったことが判明したり、モノクマが死者の書とかいう動機を渡してきたり、思い出しライトで全てを思い出したり…)

真宮寺(まァ、色々あったけど今となっては大したことじゃないヨ)

真宮寺(なぜなら僕達は今、最後の学級裁判の場にいるんだからネ…)









最原「赤松さんは無実の罪で処刑されたんだッ!」

最原「嘘で正解を捻じ曲げて…赤松さんに罪を押し付けて…こんなのゲームとして成立してないッ!」

真宮寺(そう…天海君を殺したのは首謀者である白銀さんだったんだ…)

真宮寺(おそらく、赤松さんが失敗したことで、コロシアイを無理にでも始めざるを得なかったんだろうネ)

真宮寺(全ては女子トイレにあった隠し通路を東条さんが偶然見つけたことから始まった…)

真宮寺(最原君の活躍もあり、赤松さんと天海君の事件の真相が明らかになった…)

真宮寺(そして、このコロシアイの首謀者が江ノ島循子であることも突き止めた…)

真宮寺(これでコロシアイは終わりだ…)

真宮寺(天海君と赤松さんが犠牲になってしまったけれど…皆帰れる…)

真宮寺(東条さん、夢野さん、茶柱さん…もう少しだけ待っててヨ…)

真宮寺(もうすぐ姉さんに会わせてあげるからネ…!)






真宮寺(でもネ…)


真宮寺(絶望は終わらなかったんだ)







白銀「つまり、ぜーんぶッ!フィクションなんだよッ!」

白銀「そして、これが外の世界の声だよッ!」




  え…ばらしちゃうの?  どうも視聴者です。  赤松ちゃん返して  斬新な展開だな



    ていうかホントにこれ最後の学級裁判?   まだ1回しか裁判やってないんだけど…



 生き残り多すぎじゃね…?     ←たまにはいいだろ  マジシャンのオシオキ見たかった



   まともなコロシアイ起きてないじゃん   陰キャ原wwwww  推しが死にそうだったしこの展開はあり




茶柱「な、なんですかこれはッ!?」

星「こいつらがずっと俺達のコロシアイを見てやがってわけか…」

江ノ島「はい、ダンガンロンパは究極のリアルフィクションとしてリアルタイムで視聴者に提供されているのです」

百田「ふざけやがって…!」

夢野「い、今…ウチのオシオキを所望する声があった気がするんじゃが…」ガクガクガク

真宮寺「………………謝って」

夢野「んあ…?」

入間「このうんこかじり虫がッ!何ブツブツ言ってやがんだッ!」

真宮寺「謝って謝って謝って謝って謝ってヨッ!」

入間「ひいいいいぃっ!」

真宮寺(嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ嘘ダ)

真宮寺(姉さんが…姉さんがいないなんて僕は認めないッ!)

真宮寺(僕…は…)

真宮寺(………)





  真宮寺『………』

  真宮寺『………ここは…?』

  姉清『是清』

  真宮寺『姉さん…!』

  姉清『どうしたの…?酷い顔をしているわ」

  真宮寺『姉さん…皆が酷いんだヨ…』

  真宮寺『フィクションだとか、全部嘘だとか…おまけに姉さんなんか本当はいないって言うんだ…』

  姉清『まあ!それは酷いわね!』

  真宮寺『姉さんは嘘なんかじゃないよネ!?僕を置いていなくなったりしないよネ!?』

  姉清『勿論よ、是清。私はずっとあなたの側にいる…』

  姉清『だから、あんな低俗で哀れな不人気女に惑わされてはいけないわ』

  真宮寺『姉さん!』

  姉清『さあ、戻りましょう。皆が待ってるわ』

  真宮寺『クックック…そうだネ…姉さん』










真宮寺「………」

狛枝「ねえ、真宮寺君…聞いてる?」

セレス「愛する姉が存在しないとわかって発狂して気絶するなんて…」

戦刃「シスコンも程々にした方がいいよ…?」

真宮寺「…僕は認めない」

江ノ島「は?いきなり何?」

真宮寺「僕は真実しか認めない… 起きたことしか認めない… 超常現象なんて認めない…」

真宮寺「姉さんがいないなんて認めない…!」

白銀「何言ってるのかな…?全部フィクションだって言ったじゃん!」

真宮寺「君こそ何を言ってるんだい?」

白銀「え…?」

真宮寺「例え記憶がウソだったとしても…僕に死んだ姉なんていなかったとしても…」

真宮寺「僕の中にいる姉さんは本物なんだ…!」

真宮寺(そうだ…姉さんさえいれば僕は…)

白銀「なにこれ…手に負えないよ…」

白銀「ねえ皆ッ!皆はどうなのッ!?こんなの嫌だよねッ!?絶望だよねッ!?」







アンジー「島の皆も本当はいないんだねー。ビックリだよー」

アンジー「でもでもー、アンジーはつむぎに感謝してるよー」

アンジー「つむぎのおかげで神さまを感じられるようになったんだからねー!」

白銀「いや、だから神さまの設定もフィクションで…」

アンジー「つむぎ…そんなこと言うと末代まで罰が当たるよ…?」

白銀「えぇ…」

入間「まあ、気にすることねえだろ」

入間「こんな貧乳眼鏡ブスなんてどうせコイツで末代だぜ!」

白銀「うるさいよッ!」

入間「ひいぃっ!な、なんだよぉ…」




星「確かに白銀の言う通り、この現実は絶望的だろうな…」

星「だが、今までの俺にだって希望なんかなかった…」

白銀「そ、それよりはマシだって言うの…?」

星「さあな…少なくとも今の俺にはもう生きることを諦めていい理由なんてねえのさ…」

星「同じ境遇にいる奴らが諦めてねえ限りはな…」







茶柱「夢野さん!どうしたんですか!」

夢野「どうしたもないじゃろ…全て嘘だったと言われて…ウチはどうすればいいんじゃ…」

茶柱「うぐぐ…確かに転子だって辛いです…」

茶柱「お父さんもお母さんも師匠も…転子の記憶にある大切な人はこの世のどこにもいないんですから…」

茶柱「でも、転子はッ!夢野さんがいれば生きていけますッ!」

夢野「キショイわ…」

茶柱「夢野さん!?」

夢野「なあ、転子よ…ウチは…」

茶柱「夢野さん!?今、転子のことを『転子』って呼びましたよねッ!?」

夢野「んあ?だからなんじゃ?」

茶柱「キャー!下の名前で呼んでくれるなんて…転子はうれしいです!」

夢野「なんじゃそれくらいで……もういいわい」

茶柱「夢野さん…?」

夢野「もうどうでもいい… ウチは疲れた… 悩むのもめんどい…」

夢野「お主がいれば…まあ、なんとかなるじゃろ(アジ顔)」

茶柱「夢野さん!!!もちろんです!!!」





東条「こうなった以上、私の主は今ここにいる皆だけ…」

東条「だから皆の望みこそが私の望み…」

東条「一度夜長さん達に命を救って貰った身…最後まで皆のために全てを捧げるわ!」

ゴン太「待ってよ東条さん!ゴン太だって皆のために頑張るよ!」

東条「獄原君…」

ゴン太「確かに山の家族や人間の家族の皆に会えないのは悲しいけど…」

ゴン太「でも、皆がいるから寂しくないよ!ゴン太は馬鹿だけど、それくらいはわかるんだ!」

ゴン太「ゴン太は紳士だから!紳士は最後まで投げやりになったりしないんだ!」

東条「フフッ…そうね」








百田「おいハルマキッ!テメー、何しけた顔してやがんだッ!」

春川「百田…あんたは平気なの…?」

百田「馬鹿野郎ッ!そんなわけねえだろッ!」

春川「だったらなんで…」

百田「まあ…確かに俺にも大事に思ってた過去はあるけどよ…」

百田「ボスである俺が助手のテメーらを置いてしょぼくれるわけにもいかねーしな!」

春川「こんな時にまでそれ…?」

春川「そりゃあ…暗殺者やってた過去なんて別に大事なものじゃないけどさ…」

春川「でも、結局今の私達は…人格や心だってそういう風に設定されたってだけなんでしょ…?」

百田「あー…まあそうだな。俺なんて元々は殺しまくってやるとか言ってたみてーだしな」

春川「作り物だったんだよ…この気持ちすらも…」

百田「………ハルマキ!」

百田「だったらもう、自分の信じたいもんを信じるしかねーだろうがッ!」

春川「え…?」

百田「テメーが何のこと言ってんのかはイマイチよくわかんねーけどよ… そういうことなら話は簡単だ」

百田「どのみちもう昔の俺らには戻れねー」

百田「だったら俺は今の俺を信じるッ!」

百田「もちろん今のハルマキだって信じてるぜッ!俺が信じてーと思うからだッ!」

春川「何それ…メチャクチャだよ。結局何も解決してないし…そんなことで割り切れるわけない…」

春川「……でも、そうだよね…」

春川「この気持ちを疑ったら…今のアンタを疑うことになるんだもんね…」

春川「わかったよ…アンタのこと、信じてみるよ」

百田「あ?俺の話だったか?人格の話だった気がするが…」

春川「う、うるさいよッ!」

百田「うおっ!?何急に怒ってんだよ!?」

春川「ハァ…もういいよ…」

百田「まったく…訳わかんねーぜ…」

春川「……………百田」

百田「な、なんだよ…まだ何かあんのか…?」

春川「…ありがとう」

百田「……おう!気にすんな!助手のためなら大したことねーぜッ!」







白銀「無理だよッ!!!」

白銀「皆全然絶望しないよッ!」

白銀「生き残りが多すぎたんだよ… これじゃ絶望するわけないよ…」

王馬「う、嘘だ…」

白銀「王馬君…?」

王馬「全部嘘だったなんて…そんなの嘘だよ…」

王馬「だって俺には組織の大事な仲間がいるんだ…」

王馬「皆、家族同然の仲間なんだ…」

王馬「嘘ばっかりついてる俺が唯一本当のことを言えるような…」

王馬「それが嘘だったなんて…」

王馬「うわああああああああああああああああああんッ!!!!!!」

白銀「いや、それも嘘でしょ… 君そんなキャラじゃないもん」

王馬「そんな…酷いよ…白銀ちゃんなら俺の気持ちわかってくれると思ったのに…」

王馬「だって…だって…」











王馬「だって白銀ちゃんも同じだもんね?」

白銀「え…?」







真宮寺(王馬君…どういうつもりだい…?)

白銀「同じ…?」

王馬「だからさ!白銀ちゃんも俺たちと同じ用に思い出しライトで記憶を植え付けられたってことだよ!」

白銀「な、なに言ってるの!そんなわけないじゃん!」

キーボ「王馬クン、それはどういうこと…?」

王馬「思い出しライトを使えばどんな記憶も作れるんだよね?」

王馬「だったら白銀ちゃんの記憶や才能だって捏造できるでしょ?」

白銀「そんなことしてないよッ!」

王馬「ふーん、証拠はあるの?」

白銀「しょ、証拠って…」

王馬「あるわけないよねー!記憶をいじられたなら覚えてるわけないしさ!」

王馬「そもそも俺たちの才能が全部設定なのに白銀ちゃんのだけ本物っておかしくない?」

王馬「世界まるごとコスプレなんてある意味一番ぶっ飛んだ才能なのにさ!」

白銀「そ、それは…」

真宮寺「そう言われると…確かにそうだネ」

真宮寺「超高校級の概念が創作の中の設定だとすると、白銀さんの才能だけ本物というのは不自然だ」

夢野「んあー…だったらどうだというんじゃ?」

東条「つまり、白銀さんの記憶も私達と同じように作られたものだとすると…」

ゴン太「そっか!白銀さんが首謀者っていうのも作られた記憶かもしれないんだね!」

白銀「…!」









王馬「びっくりしたー!ゴン太、バカのくせに突然賢くなるから…」

ゴン太「ご、ごめん!」

星「いや、謝ることじゃねえだろ」

百田「そんなことより結局どっちなんだよ!」

茶柱「そうですよ!王馬さんの言うことは本当なんですか!?」

真宮寺「それはわからないだろうネ。僕達だって自分の記憶が偽物だったなんて気が付かなかったでしょ?」

真宮寺「それと同じように、本当のところは白銀本人にさえわからないんだヨ」

白銀「そ、そんな…」

王馬「いやー、完璧にキャラになりきるなんてすごい才能だよねー!」

王馬「得意げにコロコロキャラチェンジしちゃって…そういう設定だとしたら真の総理大臣(笑)より痛いよ!」

東条「…」

茶柱「と、東条さん…?顔が怖いですよ…?」

夢野「しかし、どちらにせよ、結局真相がわからないなら意味ないのではないか…?」

春川「確かにそうだよね。私たちの置かれた状況に変わりはないよ」

真宮寺(二人の言う通りだ…真相がどちらにせよ、白銀さんは事実首謀者として僕らの前に立ちはだかっている…)

王馬「まあ、オレはただ可能性を思いついたから言ってみただけだしね」

王馬「本当のところは別にどっちでもいいかな」

アンジー「もう、つむぎのキャラも設定…そんな流れでどうかと…」

白銀「……………そう…なのかな…」

真宮寺「…!」

茶柱「白銀さん!?」







東条「白銀さん、それは王馬君の主張を認めるということかしら?」

ゴン太「そうなのかなって言ってたよね?」

白銀「うん…というより、私がそう思いたいだけなんだけどね」

春川「…どういうこと?」



白銀「赤松さんが処刑された時ね…すごく悲しかったんだ…」

白銀「優しくて、皆を励まして引っ張ってくれた…そんな赤松さんが殺されるなんて絶望的…」

白銀「それがダンガンロンパの醍醐味だし、私自身も物語に入り込んでたからそれは普通のことなんだけど…」

白銀「でも、何かが違うというか…」

真宮寺「何かって…?」

白銀「それがずっとわからなかったんだけど…今になってわかった…」

白銀「私は赤松さんを本当に友達だと思ってたんだよ」

白銀「一緒にネイルやったり…共通の趣味を探したり…」

白銀「そんな普通の友達だったんだ…!」ポロポロ

ゴン太「し、白銀さん…!」ポロポロ

茶柱「うぅ…」ポロポロ

真宮寺「…」

白銀「この痛みや悲しみは本物なんだ… 好きなキャラじゃなくて、友達を失ったから悲しいんだって…」

白銀「神さまがそう教えてくれたんだよ!」

真宮寺「……………ン?」







真宮寺(僕としたことが…どうやらボーっとしてたみたいだネ)

真宮寺(突然おかしな単語が聞こえたヨ)

真宮寺(そんなはずはない… さっきまであんなに美しい話だったんだ…)

真宮寺(聞き間違いに決まってるサ…)

春川「あんた…何言ってんの…?」

白銀「だから神さまに教えてもらったんだよ!」

白銀「最初は私も自分の役割があってどうすればいいのかわからなかったけど…」

白銀「王馬君の話を聞いて答えが出たよ!」

真宮寺(……聞き間違いじゃなかったネ)

ゴン太「そっか!神さまがそう言ったんだね!」

夢野「うむ、神さまが言ったなら間違いないわい」

アンジー「にゃははー!やっぱり神さまってすごーい!」






入間「テメーら電波馬鹿かッ!」

アンジー「神さまが言ってるんだよ?」

キーボ「白銀さん!そんなことを言ってボク達を混乱させようとしても無駄だよ!」

白銀「ひ、酷いよ…キーボ君だって生徒会に入ってたのに…」

王馬「そうだぞキー坊!白銀ちゃんが信じられないのかよ!」

キーボ「王馬クン…今はふざけてる時じゃないんだ…」

キーボ「ボク達は希望を掴み取るため、前に進まなくちゃいけない…」

キーボ「そのためには全員が希望を持たなきゃ駄目なんだッ!だから…」

王馬「……ていうかさ、タメ口止めなよ」

キーボ「え」

王馬「今まで特に活躍もしてなかった出オチモブが急に覚醒した主人公感出しても寒いだけなんだよね」

キーボ「」

王馬「だってキミ、今まで何もしてないでしょ?裁判で貢献したわけでも、誰かを励ましたわけでも、何かの機能で役に立ったわけでもないし」

王馬「ま、それも仕方ないか!だって歩いて喋るだけの何もできない機械だもんね!」

キーボ「王馬クン!いくらなんでも言い過ぎです!それに最後のはロボット差別ですよ!」

王馬「お!ポンコツロボットに戻った!」

王馬「やっぱりキー坊は哀れな鉄屑キャラが似合ってるよ!」

キーボ「キミという人は…」







百田「なんだか収集がつかなくなってきやがったな…」

キーボ「すみません…話を止めてしまって…」

キーボ「それにボクとしたことが、神さまを疑ってしまうなんて…」

春川「まだ信じてたんだ…」

キーボ「当然じゃないですか!」

キーボ「神さまのおかげで白銀さんは自分の間違いに気づくことができたんです!」

夢野「しかし、神さまの声が聞けるのはアンジーだけのはずじゃぞ?」

アンジー「うんうん、それはね、これのおかげだよー!」

キーボ「なんですか…?白い粉のような…」

アンジー「これを飲んだおかげでつむぎは神さまの声が聞こえたんだよ!」

入間「どう考えてもヤバイ薬じゃねーかッ!」

真宮寺「……それはもしかして…エリート塩かい?」

真宮寺(あの事件で有耶無耶になっていたけど、まさか完成させていたなんて…)

最原「エリート塩…?」

百田「なんだそれ?」

真宮寺「超高校級のエリートの汗から生成した塩のことだヨ…」

王馬「うわっ、気持ちわる!」

春川「今度ばかりは王馬と同意見だよ…」

星「全く…狂ってやがる…」

アンジー「えぇー?これを飲めば誰でも神さまの声が聴けるようになるのに…」

ゴン太「そっか、それで白銀さんは神さまの声が聞けたんだね」

真宮寺(どう考えても洗脳の賜物だと思うけど…)








星「ちなみによ…その塩は誰から採ったんだ?」

アンジー「斬美だよー!」

入間「メイドババアッ!テメー何してやがんだッ!」

東条「夜長さんの頼みとあれば断れないわ。彼女は私の命の恩人だもの」

東条「でも、こんな風に皆に見せびらかすとなると…流石に少し恥ずかしいわね」

アンジー「斬美は恥ずかしがりなんだなー」

茶柱「いやいや、そういう問題じゃないですよ!東条さんが可哀想じゃないですか!」

キーボ「確かに…これだけの塩を採取するのは大変だったんじゃないですか?」

東条「そうね…簡易サウナを作ってそこに閉じこもるのだけど…3日かかったわ」

ゴン太「3日!?駄目だよ!そんなに無茶したら!」

百田「3日間ずっと閉じこもってたわけじゃねーだろうが、ちっとあぶねーんじゃねーか?」

アンジー「うーん、そうだねー。アンジーも反省だよ…」

アンジー「でもそのおかげでつむぎも更生できたんだし、許して欲しいなー」

入間「ケッ!神さま神さまうるせーぞ電波共ッ!テメーらは脳みそに塩でも詰まってんのかッ!」

アンジー「美兎ー?そんなこと言ったら罰が当たるよ…?」

アンジー「そうだー!美兎にもエリート塩を分けてあげるよー!」

王馬「あー、それはいいね!入間ちゃんもきっと仲間に入りたいんだよ!」

入間「要るか!ババアの塩なんかかけて俺様の美貌が老けたらどうすんだッ!」

アンジー「えー、斬美の塩が嫌なら…こっちにするね!」パラパラ

入間「うわっ!止めろ馬鹿ッ!」

百田「別のが出てきたな」

春川「今度は誰の塩?」

真宮寺「さっきのに比べて量が少ないけど…」







アンジー「こっちは秘密子のだよー!」

茶柱「…ッ!!!???」

夢野「んあー…そういうえばウチもアンジーと一緒にサウナに入ったんじゃったな…」

入間「止めろよッ!!!アジの臭いが写るだろうがッ!!!」

茶柱「大丈夫ですよ入間さん!転子が綺麗にしますから!」ペロペロ

入間「ひゃあああ!な、何してんだよぉ…!」

茶柱「夢野さんの塩… 夢野さんの塩…」ペロペロ

夢野「止めんかッ!キショイわッ!」

茶柱「すみません… すみません…」ペロペロ

入間「あ、あぁぁ… わ、悪くないかも…///」

最原「これはひどい…」

春川「全くだよ…」

春川「こんなの見せられる側の気にもなって欲しい…」

春川「ほら、あれ見てみなよ」




  ないわ  さすがにやりすぎ…  キマシタワー  きもちわるい…



    今までは我慢してたけどこれはもう無理   下ネタもここまでくるとキツイ



   下品過ぎる    茶柱wwwwww  グダグダの展開に下ネタとか…



   ダンガンロンパ終わったな   最原君のエリート塩欲しい☆   キモすぎ






白銀「あー…視てる人も引いちゃってるね…」

星「まあ、無理もねえだろ」

茶柱「ハッ!転子は何を!」

入間「うぅ…///」

茶柱「す、すみません!大丈夫ですか!」

入間「み、皆の前でこんなにされちゃって…恥ずかしいよぉ…」

王馬「気にしなくていいと思うよ?生まれてから今までずっと恥ずかしい姿を晒し続けてたわけだし…」

入間「ひぐぅ!ひ、ひどい…」

夢野「…」

茶柱「ゆ、夢野さん…あの…」

夢野「茶柱よ…すまんがあまり近づかんでくれ」

茶柱「いやああああああああああああああああああああッ!!!!」

百田「さすがにこれは…自業自得だな」

真宮寺「まァ…仕方ないよネ」

真宮寺「おや?」

真宮寺(茶柱さんの絶叫が響く中、僕はあることに気が付いた…)

真宮寺「白銀さん、あれはどういうことかな?」

白銀「え…?何…?」






白銀「…!こ、これは…!」

真宮寺(僕達を見ていた無数の『視聴者』を映したモニターが徐々に消え始めていた)

白銀「視聴者が…減ってる…?」

最原「減ってるって…?」

白銀「このコロシアイを見てる人達がどんどん見るのを止めてるんだよ!」

王馬「なーんだ。そういうことなら当然でしょ」

王馬「今までのグダグダなコロシアイゲームもそうだけど…」

王馬「なによりさっきの入間ちゃんの下りとか下品すぎるしね!ほら、流れてたコメントも大体そこへの文句だったしさ」

入間「なんで俺様のせいなんだッ!どう考えても悪いのはそこのチャバネゴキブリじゃねーかッ!」

茶柱「」

真宮寺(そんな言い合いの間にも『視聴者』は減っていき…)







真宮寺(やがてゼロになった…)






百田「なあ…これはどうなるんだ?」

星「これはもう誰も見てねーってことでいいのか?」

白銀「う、うん…そうだね」

王馬「それじゃあこのコロシアイってどうなるの?元々見世物なんだよね?」

白銀「コロシアイは…うん、これで終わりだよ」

最原「終わり!?」

ゴン太「本当に!?」

白銀「このコロシアイを終わらせる方法は本来二つしかないんだ」

白銀「一つは校則に従って終わらせる方法…」

東条「校則…コロシアイを続け、最後の2人になった場合ね」

白銀「もう一つは黒幕…首謀者を倒すこと…」

星「首謀者がいなくなればコロシアイも破綻するってわけか…」

夢野「じゃが、今のウチらは首謀者を倒したといえるのか?」

ゴン太「白銀さんがゴン太たちの味方になってくれたし、同じことなんじゃないかな?」

白銀「うん、そうだね」

白銀「でも、今回破綻したのはコロシアイだけじゃなくてダンガンロンパそのものなんだよ」

キーボ「ダンガンロンパそのもの…?」

春川「どういうこと…?」






白銀「元々ダンガンロンパって下ネタ多すぎって意見が多かったんだよね…」

キーボ「そこにこの展開では今の反応も当然かもしれませんね…」

夢野「まあ、さっきの下ネタどうこう以前の気持ち悪さじゃったがな」

茶柱「」

真宮寺「要するにエンターテイメントとして見限られたってことだネ」

白銀「まあ…そういうことかな。53回続いたコロシアイももう続かないだろうね」

アンジー「んー、よくわからないけどー…これで全部終わりってこと?」

東条「ええ、そういうことよ」

アンジー「うわーい!やったねー!神さまとエリート塩と転子のおかげだよー!」

夢野「んあー!その通りじゃな!」

茶柱「夢野さん!転子はやりましたよ!」

星「いい雰囲気になった途端復活しやがったな…」

キーボ「あのまま勢いで許されようとしてますね」

夢野「うむ!お主はウチら救世主じゃ!」

茶柱「きゃー!夢野さんから誉めて貰えてうれしいです!」

夢野「ここから出ても元気でやるんじゃぞ」

茶柱「え…?」

茶柱「ゆ、夢野さん…?転子と夢野さんはここから出ても…ずっと一緒ですよね…?」

夢野「それは無理じゃ…」

茶柱「」

星「無理だったようだな」

入間「当たり前だろーがッ!」







真宮寺「最原君」

最原「真宮寺君、どうしたの?」

真宮寺「途中から妙に静かだったけど、どうしたんだい?」

最原「…ずっと考えてたんだ」

最原「白銀さんを追い詰めて、コロシアイも終わりに向かっていたけど…」

最原「このコロシアイがフィクションだって聞いた時思ったんだ…本当にこれでいいのかなって…」

真宮寺「…」

最原「僕らが首謀者を倒して希望が勝って終わる…それってこれまでのコロシアイと多分同じなんだよ」

最原「それこそ僕らのコロシアイを見世物にしてる奴らの望む展開のはずなんだ」

最原「確かに首謀者を倒せば僕らのコロシアイは終わるかもしれない…でも…」

真宮寺「結局は次のコロシアイが始まるだけ…いや、下手をすれば僕達だってまた記憶を作り直して参加させられるかもしれない…」

真宮寺「そういうことだネ?」

最原「…」

真宮寺「まァ、その通りだったのかもしれないけど…」

真宮寺「もう、その心配もないと思うヨ…?」

真宮寺「『ダンガンロンパ』とやらも終わってしまったようだしネ」

最原「うん…エリート塩のおかげでね…」

最原「いや…もう、なんでもいいや…」

真宮寺「大丈夫かい?塩をかけられたナメクジのようだヨ」

真宮寺(そんな先まで考えが及んでいたなんてさすがは超高校級の探偵だけど…)

真宮寺(その葛藤も唐突な展開に吹き飛んでしまったわけだネ)







真宮寺(その後、僕達は学園を脱出した)

真宮寺(しばらくは皆一緒にいたけど…)

真宮寺(徐々に社会に居場所を作っていくことができた僕達は、それぞれの道を進むことに決めた)

真宮寺(僕は自分の記憶にある過去と同じようにフィールドワークをしながら姉さんの友達を作る旅をしている)

真宮寺(…といっても人を殺してる訳じゃないヨ)

真宮寺(死んだ姉さんがいない以上、友達候補を殺しても姉さんの友達にはなれない…)

真宮寺(姉さんは僕の中だけにいるからネ)

真宮寺(まずは僕が友達になり、その人に姉さんのことを受け入れてもらう…)

真宮寺(姉さんの友達が増えるたびに僕の友達も増えていくけど…)

真宮寺(まァ、思ったより悪くない気分だヨ)






真宮寺「僕がこんな風に過ごせているのも…」

真宮寺「ある意味エリート塩のおかげかもしれないネ」

真宮寺(そう…全てはエリート塩から始まったんだ…)

真宮寺(エリート塩を作ろうとして、偶然東条さんの犯行を止めることができたあの瞬間に…)




真宮寺(ありがとう…夜長さん…)




真宮寺(ありがとう…エリート塩…)




真宮寺(フィクションから生まれた僕達だけど…)

真宮寺(ここから日常が始まるんだ)


真宮寺(道というよりは、どこまでも広がる塩湖のようで…)

真宮寺(どこにでも行けるし…)

真宮寺(どこにも行けないかもしれない)

真宮寺(それでも僕は生きていく)

真宮寺(真宮寺是清として生きていく)

真宮寺(…僕の未来はここにある)




                           -塩END-



このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年01月26日 (金) 12:45:09   ID: qJENepSO

何故かいい感じにまとまっててわろた

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