——エンジェル珈琲——
カランカラン…
ヴィーネ「あ、やっぱり中は涼しいわね~」
ガヴ「へいらっしゃ……ってなんだ、ヴィーネじゃん」
ヴィーネ「なんだって失礼な。ガヴ、今日バイトだったのね」
ガヴ「まぁね。で、何しに来たのさ。暇なの?」
ヴィーネ「ほんとに失礼ね……たまたま近くを通ったから、休憩がてらに寄っただけよ」
ガヴ「ふーん。どこかいってたの?」
ヴィーネ「ちょっとね。ほら、8月15日といえば……ね?」
ガヴ「……終戦記念日?」
ヴィーネ「違うわよ!!ほら、サターニャの誕生日じゃない」
ガヴ「あー…完璧に忘れてたよ」
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ヴィーネ「……仮にも一年以上一緒にいるんだから、少しは覚えといてあげましょうよ」
ガヴ「えー……」
ヴィーネ「なんでそんな嫌そうな顔なのよ……。とにかく、それで私はサターニャの誕生日プレゼントを買いに行ってたの」
ガヴ「くそ暑い中ご苦労さん」
ヴィーネ「あんたねぇ……まぁいいわ。ブレンドコーヒーお願いしてもいい?」
ガヴ「はいよ」
ガヴ「マスター、ブレンドコーヒーとカフェオレお願いしまーす」
ハーイ、デハスコシマッテテネ
ヴィーネ「カフェオレは頼んでないんだけど」
ガヴ「まぁまぁ」
ヴィーネ「でも………はっ!?」
ヴィーネ(ガヴったら……私に気遣って、サービスしてくれたのかしら?ふふ、そんなことしなくてもいいのに、可愛いところあるじゃない)
ヴィーネ「まったく、素直じゃないんだから……」クスッ
ガヴ「?」
ガヴ「そういえば、プレゼントって何買ったの?見たところ結構大きそうなものだけど」
ヴィーネ「ふふ、気になる?」
ガヴ「え?別に……」
ヴィーネ「即答か」
ガヴ「だって、私がもらえるわけじゃないし」
ヴィーネ「当たり前でしょうが!ほんとにあんたは……」
ガヴ「で、何買ったの?」
ヴィーネ「…………メロンパンのクッションよ」
ガヴ「へぇ、そんなのあるんだ」
ヴィーネ「えぇ、私も驚いたわ。あの子メロンパン好きだし、クッションなら実用性も高いし丁度よかったわ」
ガヴ「ちなみにどんなの?」
ヴィーネ「さすがに中を開けるのはできないから……ちょっと待って。画像検索するから」ポチポチ
ヴィーネ「…………あったわ。少し違うけど、これと似たようなものを買ったの」
ガヴ「おっ、結構リアルじゃん。これなら特大メロンパンと言って渡しても気づかないかもな。あいつバカだし」
ヴィーネ「いや、さすがに気づくでしょ。おバカなのは否定できないけど……」
ガヴ「いやいや~あいつのおバカさ加減は半端ないからな。犬とガチで喧嘩するほどだぞ。ラフィエル情報によれば、ワンワン言って犬と会話を試みたこともあるらしい」
ヴィーネ「まじか」
ガヴ「まじまじ。それに普段の行動もアレだからな、ヴィーネも知ってると思うけど」
ヴィーネ(ごめんサターニャ………庇いきれないわ)
マスター「お待たせしました。ブレンドコーヒーと……おや、今日はカフェオレもかい?珍しいね」
ヴィーネ「いえ、これはガヴが———」
ガヴ「マスター」
マスター「うん?なんだい?」
ガヴ「休憩貰ってもいいですか」
マスター「ふむ、もうこんな時間か。そうだね、じゃあそろそろ休憩入ってもらおうかな」
ガヴ「うーっす」
マスター「君もいつも来てくれてありがとうね。では、ごゆっくり」
ヴィーネ「はい、ありがとうございます」
ヴィーネ「———マスターさんてほんといい人よねぇ……ねぇ、ガヴ?」
ガヴ「んー?」ゴクゴク
ヴィーネ「あんたが飲むのか」
ガヴ「?」
ヴィーネ「なんでもないわ……そうよね、ガヴはそういう子だわ」
ガヴ「よくわからないけど、ヴィーネ」
ヴィーネ「何よ」
ガヴ「カフェオレ、ゴチになりまーす」
ヴィーネ「はぁ……」
ガヴ「で、サターニャの誕プレだっけ?」
ヴィーネ「そうそう。あんたも何か買う?」
ガヴ「いや、私金欠だし……急に言われてもな」
ヴィーネ「ガヴの場合は自業自得でしょ。課金ばかりしてるから」
ガヴ「札束ゲーにする運営の方針が悪いんだよ!私は被害者なんだぞ」
ヴィーネ「開き直るな」
ガヴ「とにかく、私は無理だ。むしろ恵んでほしいくらいだよ」
ヴィーネ「そう、なら仕方ないわね。………あ、ならせめて誕生日会しない?ラフィも誘って」
ガヴ「それなら……行くよ」
ヴィーネ「なら決まりね!詳しくはまた連絡するわ」
ガヴ「ん、了解」
ヴィーネ「ふふ、当日が楽しみね」
ガヴ「ほんとこういうイベント事好きだよなー」
ヴィーネ「当たり前じゃない!あ、そうそう、この前———」
ガヴ「………」
ガヴ(誕生日プレゼント、か……)
誕生日会前日 ―ヴィーネの場合―
ヴィーネ「………………料理はこれでよしっと」
ヴィーネ(サターニャは確か、チョコレートが好きだったわよね。味関係なしに多分、悪魔的だから、という理由からだと思うけど)
ヴィーネ「スポンジは出来上がったし、チョコをコーティングしたいところだけど少し冷まさないとね」
ヴィーネ「待っている間シュガークラフトを作ろうかしら」
ヴィーネ「どうせなら可愛い悪魔の形にしたいわね………よし、頑張ろう!」
ヴィーネ「……ってさっきから私独り言多すぎないかしら……」
~しばらくして~
ヴィーネ「うん!我ながらなかなかいい出来じゃないかしら?これならサターニャも喜んでくれるわ!」
ヴィーネ(ふふ、明日が楽しみね。……あ、そうだわ)
ヴィーネ「どうせならケーキに名前をつけようかしら」
ヴィーネ「確かクリスマスの時は、スペシャルサタニキア……うーん、思い出せないわ。サターニャの付ける名前は無駄に長いのよね」
ヴィーネ「ここは私がシンプルかつ可愛い名前を付けて見せるわ!」
ヴィーネ(サタンブラック!…なんかダサいわね。デビルズチョコキュート!…うーん、なんかしっくりこないなぁ)アーデモナイ コーデモナイ
—————————
—————
―
ヴィーネ「…………」
ヴィーネ「どうでもいいわ!!」
—ラフィエルの場合―
ショッピングモール
ラフィ(明日は私のおもちy……いえお友達の誕生日です)
ラフィ(今回ばかりは喜んでもらいたいので、素直にプレゼントを選びますかね)
ラフィ「おや、あれは……」
【新発売・ハバネロソース入り激辛メロンパン】
ラフィ「!!」キュピーン
ラフィ(なんて面白そうなものを発見したのでしょうか!!これなら如何に味覚がアレなサターニャさんも、辛さに悶えるに違いありません)
ラフィ(サターニャさんへの誕生日プレゼントはこれにしましょう)
ラフィ「あ、すみませーん」
店員「いらっしゃいませ。どちらにしましょう?」
ラフィ「えーっと、この激辛メロンパンを………はっ!?」
ラフィ(私は何をしているのでしょうか……危うくいつもの癖で大変なものを買ってしまうところでした)
店員「……?あの、ご注文は……」
ラフィ「すみません。やっぱりまた今度にします」
店員「はぁ」
~~~~~~~~
ラフィ「ふぅ……」
ラフィ(ひと時も気を抜けませんね……)
ラフィ(ほんとに今回はちゃんとしたものを買うと決めたんです。父なる神に誓っておかしなものは買いません!)
トコトコ…ピタッ
ラフィ「………あら?」
【THE JOKEGOODS】
ラフィ「」キラーン
ラフィ「面白そうなお店を発見してしまいました♪」ワクワク
タッタッタッタ… イラッシャイマセー
―ラフィエル ドロップ アウトー
―ガヴリールの場合―
ガヴ「ヴィーネにはああ言ったけど……結局買ってしまった」
ガヴ(ま、思いのほか安く済んだから良しとするか)
ガヴ「それにしても、なーんでピンチの月に限って誕生日を迎えるかなぁ、サターニャのやつ……まぁいつもヤバイんだけどさ」
ガヴ「…………」
ガヴ「それにしてもこれ、どうやって渡そうか……」
ガヴ「深く考えずに普通に渡して………いや、待てよ」
ガヴ「………」
~ガヴの妄想~
ガヴ「これは私からだ」つプレゼント
サターニャ「へぇ~まさかあんたから貰えるとは思わなかったわ」ニヤニヤ
ガヴ「その顔やめろ」
ヴィーネ「ガヴはこう見えて優しいからね」
ガヴ「…///そんなことないから!」
ヴィーネ「ガヴ顔真っ赤よ?照れちゃって、可愛いわね」クスクス
ラフィ「ガヴちゃんはツンデレですからね~」ニコニコ
ガヴ「ラフィエルまで!?ちょっ…まじでそういうのいいから///」
サターニャ「これはありがたく受け取っておくわ!ツンデレガヴちゃん?」ニヤニヤ
ガヴ「だーかーらー!!///」
~妄想終了~
ガヴ「ということになりかねん」
ガヴ「そんな辱めを受けた際には天界に秒で帰る自信がある」
ガヴ「渡すタイミングと言葉には気をつけないとな……」
ガヴ「…………」
ガヴ「ゴホン…あーこれやるよ。………ちょっと素っ気なさすぎるか?」
ガヴ「…………」
ガヴ「たまたま買い過ぎたから、お前にやる。……………いやいや、余りものをプレゼントするって失礼過ぎるだろ……」
ガヴ「…………」
ガヴ(駄天前ver)「サターニャさん、これ私からのプレゼントです!受け取ってください。……………謎過ぎるわ!つか我ながらキモい」ドンビキ
ガヴ「うーん……どうするか…」
—————————
————
―
ガヴ「…………」
ガヴ「何してるんだ私は……」
誕生日会当日 サターニャの家
ヴィーネ「誕生日おめでとう、サターニャ」
ラフィ「おめでとうございますサターニャさん」
ガヴ「おめでとー」
サターニャ「あ、ありがとう………じゃなくて!!」
サターニャ「クックック、ようやくこのサタニキア様の下僕としての自覚が芽生えてきたようね!!」
サターニャ「良い心がけだわ!これからは私を敬い毎日メロンパンを献上しなさい!!なーはっはっはっ!!」
ガヴ「なにこいつ。さっそくウザいんだけど」
ラフィ「まぁまぁ。今日はサターニャさんの誕生日ですから」
ヴィーネ「そうよガヴ。今日だけは、サターニャに少しは優しくしてあげなさいよ」
ガヴ「このテンションにあと何時間も付き合わなきゃならんのか…」
サターニャ「ちょっとガヴリール~?私、肩凝っちゃったわ。あんたに私の肩を揉む権利を特別に与えるわ、感謝なさい!」
ガヴ「」イラッ
ラフィ(ふふふ……誕生日空けのことも考えずに、ガヴちゃんにウザ絡みするサターニャさんも最高です)
ヴィーネ「もう、サターニャもあまりガヴをいじめちゃだめよ」
ガヴ(めんどくさい……)
サターニャ「ヴィネット、私お腹すいたわ!!」
ヴィーネ「はいはい。じゃあ早速晩御飯にしましょうか」
ラフィ「あ、私手伝いますよ」
ヴィーネ「ありがとうラフィ。といってもほとんど作ってきたものばかりだから、後は盛り付けるだけなんだけどね」
ラフィ「それでも一人より二人でやった方が、早くできますから」
ヴィーネ「それもそうね。じゃあお願いするわ」
ガヴ「じゃあ私は向こうの部屋でサターニャと待つとするか」
ラフィ「どうせならガヴちゃんも一緒にどうですか?」
ガヴ「えぇ~……なんで私が」
ヴィーネ「ならガヴには配膳でしてもらおうかしら」
ガヴ「聞けよ。つかなんでプライベートでも料理を運ばなきゃならないんだ」
ラフィ「そういえばガヴちゃんは、喫茶店でウエイトレスのバイトをしてましたね」
ヴィーネ「いいじゃない。それとも、サターニャと二人きりになって悪魔的行為の標的になってたほうがいいの?」
ガヴ「で、私はどれを運びましょうかヴィーネさん」
ヴィーネ「切り替えはやっ」
ラフィ「あらあら~」ウフフ
しばらくして
ヴィーネ「よし、完成だわ」
ガヴ「おぉ…結構豪勢だな」
サターニャ「はわぁ~……おいしそう……っ。あ、この悪魔の飾り可愛い!!」ジュルリ
ラフィ「あらあらサターニャさんたら、よだれが出てますよ。あとそれはシュガークラフトという食べ物ですよ」
ヴィーネ「あはは……喜んでもらえて何よりだわ」
ガヴ「イベント事の時のヴィーネは本当にすごいよな。凝りすぎだろ」
サターニャ「ねぇねぇ、早く食べましょうよ!!」
ガヴ「サターニャと同意見なのは気に食わんが、私も腹ペコだよ」
ヴィーネ「ちょっと待って。食べる前にやることがあるでしょう」
ラフィ「そうですね。それがなくては誕生日会は始まりません」
サターニャ「もーっ、一体何なのよーっ」ブーブー
ヴィーネ「もう、子供じゃないんだから……。やっぱり一番初めには乾杯でしょう?」
ガヴ「あー…まぁ、そうだな」
ラフィ「では、サターニャさん。乾杯の音頭を」
サターニャ「ふぇ!?む、無茶ぶりね……」
ガヴ「さたーにゃーはーやーくー」
サターニャ「うるさいわね!わかってるわよっ」
サターニャ「…ゴホン、えーまぁ、今日は私の為に集まり祝ってくれて本当に嬉しいわ。えと、その……ありがとう///」
ヴィーネ「……」
ラフィ「……」
ガヴ「……」
サターニャ「な、なによ。みんなして黙って……」
ラフィ「いえ、何というかですね……」
ガヴ「うん、まぁなんだ、あれだ」
ヴィーネ「そうね。普段があれだからね……」
サターニャ「ちょっと、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」
三人「普通か(ですか)!!」
サターニャ「」ビクッ
ヴィーネ「サターニャのことだから、もっとアレ系なこと言うのかと思ってたわ」
ガヴ「なーはっはっはー、我が下僕たちよご苦労だったわ。これからも私に忠誠を尽くしなさーい(棒読み)」
ラフィ「そうですね。私もそのような言葉が来るものだと思ってました」
サターニャ「な、何よそれ///ていうかガヴリール!?あんた私をバカにしてるでしょ!!」
サターニャ「あぁもういいわ!!乾杯!!」
三人「「「かんぱーい!!!」」」
—————————————
———————
————
—
ガヴ「はぁ~…もう食えねー」
ヴィーネ「ふふ、お粗末様でした」
ラフィ「ヴィーネさんのお料理は本当に美味しいです。私も見習わなくていけませんね」
サターニャ「そうね…正直ヴィネットの料理の腕は、一流のシェフたる私も舌を巻くほどだわ」
ガヴ「お前の場合は何でもかんでも美味い美味い言ってるじゃん」
ヴィーネ「サターニャ味音痴だもんね……」
サターニャ「そ、そんなことないわよ!」
ガヴ「ほーん。ならさっき、お前の料理の中には七味唐辛子が大量に入ってたことに気づいてたか?」
サターニャ「えっ!?ほんとに!?」キヅカナカッタワ…
ガヴ「まぁ嘘なんだけどな」
サターニャ「ムキーッ!!また私をバカにしたわね!?ガヴリールのバーカバーカ!!」
ガヴ「バカって言った方がバカなんだぞ、バカサターニャ」
サターニャ「むむむ……ってあんたもバカって言ったじゃない!!」
ガヴ「あっ」
サターニャ「あーはっはっは!!あんたもバカねぇ!!」プクク
ガヴ「お前にだけは言われたくねーよ!」
ワーワー ギャーギャー
ヴィーネ「もう、二人とも。子供みたいな喧嘩はしないの!」
ラフィ「でもガヴちゃんもサターニャさんも、こうやって言い争っている時が一番生き生きしてますよね」
ヴィーネ「……確かに。なんだかんだ仲良いのよね、あの二人」
ラフィ「ガヴちゃんと幼馴染の身としては、少しサターニャさんに嫉妬してしまいます」
ヴィーネ「えぇ~?ラフィでも嫉妬するんだ?」クスッ
ラフィ「私とガヴちゃんの関係ではありえないことですから。とはいっても、今の関係でも満足してますけどね」
ヴィーネ「ふふ、なによそれ」
ラフィ「……あ、そろそろプレゼントをサターニャさんに渡しませんか?時間も時間ですし」
ヴィーネ「あーもうこんな時間かぁ。そうね、そうしましょうか」
ヴィーネ「ほら、痴話喧嘩はそこまでにして」
ガヴ「なにが痴話喧嘩だコラ」
ヴィーネ「サターニャも。プレゼントいらないの?」
サターニャ「プレゼント!?」キラキラ
ガヴ「!!」
ガヴ(………)
ラフィ「はい。サターニャさんの為に一生懸命選んできました」
サターニャ「へ、へぇ~あんたにしては殊勝な心掛けじゃない」ソワソワ
ヴィーネ「頑張って冷静さを装ってるのは認めるけど、嬉しさを隠しきれなくてすごい顔になってるわよ」
サターニャ「そ、そんなことないわよ!!」
ヴィーネ「ふーん。じゃあ、プレゼントはいらないわね?」
サターニャ「そんなぁ!?」ガーン
ラフィ(あぁ!!サターニャさんのその顔、最高に導りたくなります……っ)ゾクゾク
ヴィーネ「クスッ…冗談よ。はい、どうぞ」
サターニャ「!!」パァァ
サターニャ「ありがとうヴィネット!!ねぇねぇ、開けていい!?」
ヴィーネ「はいはい」
サターニャ(なにかななにかな!?)ワクワク ビリリ
サターニャ「…!!なにこれ、すっごい大きなメロンパンじゃない!!」
ラフィ「サターニャさん、それは食べれませんから気をつけてくださいね」
サターニャ「あんたも私をバカにし過ぎでしょ………ふかふかのモフモフでなかなか良いクッションね、気に入ったわ!!」
サターニャ「ありがとうヴィネット!!」ニコッ
ヴィーネ「気に入ってもらえて何よりだわ」クスッ
ラフィ「では、私からはこれを」
サターニャ「ラフィエルも!?……………一体何を企んでいるのかしら」
ラフィ「あらあら~私ってそんなに信用ありませんか?」
ラフィ(本当は危うく悪戯グッズを買うところでしたけど……)
サターニャ「普段のあんたの行動を考えたら………いえ、今日はやめておくわ。開けていいかしら?」
ラフィ「どうぞ」ニコニコ
サターニャ「……」ビリリ パカッ
サターニャ「これは……」
ラフィ「はい。メロンパン型のフォトフレームです」
サターニャ「あんたたち、やけにメロンパン推してくるわね……」
ラフィ「…………あの」
サターニャ「……まぁでも?私メロンパン好きだから、このフォトフレームも嫌いじゃないわ!!」
ヴィーネ「もうサターニャったら。素直じゃないんだから」
サターニャ「本当のこと言っただけだし!!だから、その…………ありがと///」ボソッ
ラフィ「……うふふ、どういたしまして」ニコッ
ヴィーネ「……それにしても、約一名の声が全く聞こえなくなったんだけど」
ラフィ「そういえばガヴちゃん、静かですね」
サターニャ「確かにそうね……プレゼントに夢中で気が付かなかったわ」
ヴィーネ「ガヴー?どうしたの?」チラッ
ガヴ「……zzz」スースー
ラフィ「あらあら~……」
サターニャ「いつの間に寝てたの…?ていうか寝付くの早すぎない!?」
ヴィーネ「また夜更かしでもしてたのかしら……」
ラフィ「そういえばガヴちゃんも何か用意してたのでしょうか」
サターニャ「え!?ガヴリールも私にプレゼントを……?」ワクワク
ヴィーネ「うーん……残念だけどそれはないと思うわ」
サターニャ「」ガーン
ラフィ「そうなんですか?」
ヴィーネ「えぇ。昨日偶然会ったときに聞いてみたら、金欠だって言ってたから……」
サターニャ「そ、そう……べ、別に期待なんかしてないわよ?そもそも私とガヴリールはライバルだし!!」
ヴィーネ(ライバルどころか相手にされてない気もするけど……)
ラフィ「いつも返り討ちにあってますけどね」
サターニャ「うるっさいわね!!私はまだ本気を出してないだけよ!!」ウガーッ
ヴィーネ「はいはい。もうガヴもお眠みたいだし、そろそろお開きにしましょうか」
ラフィ「そうですね。私、食器を洗ってきます」
ヴィーネ「あ、私も手伝うわ」
サターニャ「準備はやってもらったし、片付けぐらい私がやるわよ」
ヴィーネ「何言ってるのよ。今日は誕生日なんだから何もしなくてもいいのっ」
サターニャ「でも……」
ラフィ「そうですよ。その代わり、明日からは色々よろしくお願いしますね?」
サターニャ(ラフィエルが言うと、なんか別の意味がありそうで怖いわね……)
サターニャ「わかったわ。ありがとう」
ヴィーネ「じゃあ、ラフィ。やるとしますか」
ラフィ「はい。ヴィーネさんが一緒だと頼もしいですね」
トタトタトタ…
サターニャ「さて、と……」
サターニャ「ガヴリール、起きなさい!!もう帰るわよ」
ガヴ「んー……むにゃ…」スースー
サターニャ「ちょっと!!さっさと起きなさいよーっ!!」ユサユサ
ガヴ「……zzz」スースー
サターニャ「もうっ寝るなら自分の家で寝て———」
サターニャ「……?」
ガヴ「……」ギュッ
サターニャ「………」
—————————————
——————
———
―
サターニャ「今日は本当にありがとう。………とても楽しかったわ」
ヴィーネ「ふふ、私が誕生日の時はよろしくね?」
サターニャ「まっかせなさい!!この大悪魔サタニキア様が、盛大にヴィネットの誕生日を祝うことを約束するわ」
ヴィーネ「冗談だから、ほどほどにお願いするわね?」
ラフィ「結局ガヴちゃん起きませんでしたね」
ヴィーネ「まったくだらしないわね……サターニャ、本当にいいの?」
サターニャ「ふえ!?だ、大丈夫よ、ガヴリールの一人や二人くらい!!」
サターニャ「それよりあんたたち、気をつけて帰りなさいよ」
ラフィ「うふふ、心配してくれるんですか?」
サターニャ「あ、当たり前じゃない!!あんたたちは、私の大事な友達なんだから……」ゴニョゴニョ
ヴィーネ「ん?何か言った?」
サターニャ「なんでもない!!」
ヴィーネ「…?ま、いっか。それじゃあね」
ラフィ「また遊びに行きますね」
サターニャ「……来るのはいいけど普通に玄関から入りなさいよね」
バイバーイ ソレデハ、ジンソクツウ!! ア、ラフィズルイ!! ジョウダンデスヨ モー!!
サターニャ「……」
バタン!!
サターニャ「…………二人とも帰ったわよ」
ガヴリール「……そうか」
サターニャ「で、なんで狸寝入りまでしてここに居座ってるわけ?」
ガヴ「………」ゴソゴソ
サターニャ「…?」
ガヴ「はい、これやるよ」つ小さな包み
サターニャ「え?」
ガヴ「………プレゼントだよ。さっさと受け取れバカ」
サターニャ「う、うん……」
ガヴ「……」
サターニャ「………あの」
ガヴ「なに?」
サターニャ「………開けていいかしら?」
ガヴ「……別にそれはもうサターニャのだから。好きにしたらいいよ」
サターニャ「……じゃあ開けるわね」ガサッ ビリビリ
ガヴ「……」
サターニャ「……あ、これって」
ガヴ「ヘアピンだよ。………メロンパンの」
サターニャ「またメロンパン!?」
ガヴ「な、なんだよ……いらないなら捨てていいから」
サターニャ「え、あ……いえ。そういうわけじゃなくて……」
サターニャ「三人ともメロンパン関連のものだったから、少し驚いただけよ」
ガヴ「お前、いつもメロンパン食べてるからさ………真っ先に思い浮かんだのがそれだったんだよ。毎回犬に取られてるけど」
サターニャ「ひとこと余計よ!!………まぁ確かに大好きだけど……。……………ありがとう、ガヴリール」
ガヴ「………おう」
サターニャ「しっかしなんでさっき渡さなかったのよ~狸寝入りまでして」
ガヴ「…………仕方ないだろ。だって……」
サターニャ「だって、なによ」
ガヴ「…………照れ臭かったんだよ」
サターニャ「はぁ?なんでよ」
ガヴ「わかれよ!!ヴィーネにはあんなに金欠アピールしといて、結局ちゃっかり買ってるとか絶対弄られるじゃん……私そういうノリ苦手なんだよ」
サターニャ「わ、わかったから……それよりせっかくだから、これ付けていい?」
ガヴ「好きにしろ」
サターニャ「うん。そうさせてもらうわ」
ガヴ「………」
サターニャ「さっきはああ言ったけど、結構可愛いデザインよね。ガヴリールにしてはいいセンスしてるわ」パチッ イタタ…カミガヒッカカッタワ…
ガヴ「なんで上から目線なんだ」
サターニャ「………ん。どう?似合う?」
ガヴ「似合う似合う」
サターニャ「適当過ぎない?もっとちゃんとした感想聞かせなさいよ」
ガヴ「めんどくさいなぁ……まぁでもヘアピン変えるだけでも結構印象変わるもんだな」
サターニャ「そ、そう?」
ガヴ「うん、いいんじゃね?普通に可愛いと思う」
サターニャ「か、可愛いって///」
ガヴ「……何赤くなってるんだよ」
サターニャ「なってないわよ!!///」
ガヴ「………さて、そろそろ帰りますかね」
サターニャ「あれ?泊まっていかないの?」
ガヴ「なんでお前の家なんかに………今日は外せないネトゲのイベントがあるんだよ」
サターニャ「そ、そう…残念だわ」シュン
ガヴ「……」
サターニャ「まぁいいわ。ネトゲも良いけど、ほどほどにしなさいよ」
ガヴ「はいはい。お前までヴィーネみたいなこと言うなよ」
サターニャ「ヴィネットも大変ね……とにかく、気をつけて帰りなさいよね」
ガヴ「それは大丈夫だ。神足通で帰るから」
サターニャ「………たまに天使が羨ましい時があるわ」
ガヴ「………」
サターニャ「…?どうしたのよ。帰らないの?」
ガヴ「あー…イベントなんだけどさ」
サターニャ「?」
ガヴ「今週末まであるんだけど、その後何日かは比較的暇だからさ………その」
サターニャ「もう、はっきり言いなさいよ。あんたらしくないわね」
ガヴ「だから!!……………その時なら、泊まってやっても…いいぞ」ボソッ
サターニャ「…!!ガヴリール……っ」
ガヴ「………っ、私もう行くからな!!」カァァ
サターニャ「うん!!いつでも待ってるわよ!」ニコッ
ガヴ「神足通!!」
——————————
—————
—
ガヴ(ズボンなし)「………」
サターニャ「…………ズボン、貸してあげてもいいわよ?」
ガヴ「………いらん。もういい今日は泊まっていく!!」
終わり
もう少し細かく書きたかったけど時間がなかった
ガヴリールのサプライズ誕生日会ssとか書いたけどやっぱり誕生日ネタは書きやすい。内容はワンパターンですまんな
お目汚し失礼いたしました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません