静香「帰りにうどん食べてくわ」【ミリマス】 (23)

P(帰りの車内、助手席に座ってる黒髪美人は俺の担当アイドル、最上静香)

P(静香も俺も今日の仕事はこれで終わり、せっかくだし静香を家まで送り届けてる最中だ)

P(車で送るなんて言ったら静香は断るかと思ったんだが、意外とすんなり了承してくれた)

P(で、その静香は何も喋らず窓の外をただぼうっと眺めてるんだが…… 何を考えているんだろうな、仕事のことか?)

P(今日の静香の仕事は、某有名音楽番組のネクストブレークス枠を賭けたオーディション)

P(静香のようなアイドルだけでなく、新進気鋭のバンドや、ダンスパフォーマーなど個性豊かな面々の中で静香はたった2枠しか無い出演枠を勝ち取った)

P(おそらく静香も今日の結果に満足しているだろう、労ってやるか)

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P「静香、今日はおめでとう 今日の静香の歌すごい良かったぞ」

静香「……」

P(ん…… 無視された?)

静香「はぁ……」

P(ため息つかれた!?)

静香「プロデューサー 今日のオーディションちゃんと見てましたか?」

P「お、おう 静香の頑張ってるとこバッチリ見てたぞ!」

静香「そうじゃなくて! はぁ……」

静香「いいですか、私がオーディション通ったのはあくまで『アイドルだから』物珍しさで、運で選ばれただけなんです!」

P「い、いや他にもアイドル沢山出てたし……」

静香「だからそれが運だって言ってるんです! もう一人の選ばれた方に比べたら私の歌なんてまだまだで…… 全くプロデューサーは何を見てたんですか?」

P「で、でも俺にとっては静香の歌が間違いなくナンバーワンだったぞ!」

P(よし、いいこと言ったな俺…… これならいつもツンツンした静香も少しは俺になついてくれるはず…… !)

静香「はぁ?」

P(あ、ダメだこれ、横見られないけど絶対『何言ってんだコイツ』って目で見てるわ)

P「そ、そうだ 次の講演で静香に新しいカバー曲を歌ってもらおうと思っててな」

静香「露骨に話題そらしましたね」

P「これ、聞いてみてくれ」

♪~ https://t.co/QxGSbMh5NT

静香「…… ロック系の曲ですか」

P「あぁ、静香に似合うかなって思ってな」

静香「……」

P「不満か?」

静香「いえ別に、私は未来や翼と違って可愛い曲は似合わないでしょうし」

P(いやー 静香もめちゃくちゃ可愛いと思うんだがなぁ……)

静香「……」

P「どうした?」

静香「変な歌詞ですねこの曲…… 『毎日が勝負パンツ』って……」

P「まぁな……」

P(まだマシな方なんだぞこれは……)

『♪~ お腹が減って来たわ 帰りにうどん食べてくわ 明日が待ってるもん!』

静香「え…… ?」

静香「…… あの、プロデューサー…… もしかしてですけど」

P「な、なんだ…… ?」

静香「歌詞に『うどん』って入ってるからこの曲選んだ、なんて言いませんよね…… ?」

P「そ、そんな安直な考えなわけ ななな無いだろ…… はは……」

静香「あの! 一応言っておきますけど! 私一度として自分のことうどんキャラとして売ろうとしたことありませんから!」

P「そ、そうか…… 静香はうどん好きじゃないんだな」

静香「好きですよ!」

P「好きなのかよ!」

静香「あくまでも! 食べ物として好きなだけで! 私はうどんアイドルなんて嫌ですから!」

P「まぁでも、それ以外にもちゃんと考えてるんだぞ? これはライブでの盛り上がりを考えてだな」

静香「はぁ、大丈夫ですよ プロデューサーは変な人ですけど、何も考えてない人じゃないってことはわかってますから」

P「歌ってくれるか?」

静香「もちろんです 私歌には真剣に向き合うつもりですし、プロデューサーが私に似合うと思って選んでくれたんですから」

P「ありがとう、楽しみにしてるぞ」

P「静香は何だかんだ大人でお姉さんだな、やっばり」

静香「どうしたんですか、急に」

P「いや、最近事務所の子たちがワガママ放題でな……」

静香「具体的には?」

P「桃子はやたら俺を小間使いして、百合子は俺にいつも本の感想求めてくるし、杏奈なんて俺の仕事中に膝の上に座ってくるんだぞ?」

静香「……」

P「だからそれに比べて静香は手がかからなくて楽だなぁ、ってな」

静香「はぁ……」

P「ん?」

静香「ほんと、信じられないです……」

P「何がだ?」

静香「何でもありません」

静香「私だって…… ワガママくらい言いますから……」

P「ん? あぁそうだな、たまには静香もワガママ言ってもいいんだぞ」

静香「それじゃあ遠慮なく」


静香「だうどん」


P「ん?」

静香「だうどん」

P「よく聞こえなかったんだが、もっかい言ってくれないか?」

静香「だうどんですよ、だうどん寄ってください」

P「いやだから『だうどん』ってなんだ?」

静香「だうどんを知らないんですか!? 『山田のうどん』略して『だうどん』ですよ!」

P「知らねぇ……」

静香「カーナビだってわかってくれるはずですよ!」

カーナビ「目的地を、言ってください」

静香「近くのだうどん」

カーナビ「……」

カーナビ「もう一度、言ってください」

静香「だ、う、ど、ん」

カーナビ「……」

カーナビ「もう一度、言ってください」

静香「……」

静香「山田のうどん」

カーナビ「近くの、山田のうどんを、検索します」

P「やっぱ一般的じゃないんだな」

静香「こんなはずじゃ……」

だうどん


静香「うずうず」

P(見るからに楽しみにしてるな……)

P「えっと、だうどん? だっけか、ここはそんな有名なのか?」

静香「有名ですよ! 未来も翼も、誰もだうどんのこと知らなくて、私びっくりしたんですよ?」

静香「事務所に入ってから初めて知ったんですけど、山田のうどんは埼玉県中心に展開しているチェーン店らしくて」

静香「こんなに美味しいのに誰も知らないなんて損してますよ!」

P「そうか……」

食後


P「美味しかったな」

静香「でしょう! 今度みんなと一緒に行こうって思ってるんです」

P「確かにここなら値段も手頃だし、学生でも行きやすいかもな」

静香「あっ、お会計ありがとうございます」

P「気にすんな気にすんな、静香たちが居るから俺の仕事も成り立つんだし、この金だって静香が稼いでくれたようなものなんだから」

静香「…… それはこっちも同じですよ」

P「ん?」

静香「私だってプロデューサーが居ないと仕事出来ないです……」

静香「その、いつもお世話になってます……」

P「お、おう…… いきなりどうした……」

静香「別に…… 何でもないです……」

P「そう言えば……」

静香「なんですか?」

P「さっきの歌詞通りになったな」

静香「あぁ、確かに……」

P「『帰りにうどん食べてくわ 明日が待ってるもん』」

静香「……」

静香「明日からも、これからもよろしくお願いしますね」

P「なんだいきなり」

静香「プロデューサーのこと、人間的には尊敬してないですけど、仕事のパートナーとしては信頼してますから!」

終わりです
静香が埼玉出身て聞いてだうどんしか浮かびませんでした
だうどんだうどん

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