穂乃果「なんでも屋だよ!」 (177)

第1話「なんでも屋のはじまり」


2年生教室-


穂乃果「海未ちゃん!ことりちゃん!」

海未「どうしたのですか?穂乃果」

穂乃果「私たち3人で!なんでも屋!やろうよ!」

ことり「……」

ことり「……へ?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501662543

穂乃果「いや、だから!私たちで、なんでも屋をやろうって言ってるんだよ!」

海未「穂乃果……まったくあなたは…」ハァ

海未「なんですか?昨日、銀魂でも読んだんですか?」

穂乃果「なっ!」

穂乃果「ち、ちがうもんっ!」

海未「じゃあ、なんですか?スケットダンスを読んだんですか?」

穂乃果「うっ…!」ギクッ

ことり「あはは…」

穂乃果「で、でも!穂乃果、本気だもん!!」

穂乃果「確かに、きっかけは漫画かもしれないけど、私!本気でやりたいんだよ!」

海未「いいですか?穂乃果」

海未「スケット団の皆さんはですね、あの3人でスケット団を結成するまでに感動的なストーリーがあるんです。穂乃果みたいな思いつきとは違うんですよ?」

穂乃果「っ…で!でも!やりたいんだよ!」

穂乃果「私…!やるったらやる!」ドンッ!

ことり(こうなった穂乃果ちゃんは…)

海未(もう止められませんね…)

廊下-


海未「ちょっ、穂乃果!本当に部活申請に行くんですか?」ツカツカ

穂乃果「うんっ!」ツカツカ

ことり「これはもうついて行くしかないね…」ヒソヒソ

海未「そうですね…。まぁ、しばらくしたら飽きるでしょう…」ヒソヒソ

生徒会-


絵里「……。」

絵里「…なんですか?これは…」ゴゴゴ

穂乃果「部活申請書ですっ!」

絵里「……、それは分かってるわ」

絵里「私が言いたいのは、このふざけた申請は何かという事よ」

穂乃果「ふざけてません!私、本気ですっ!」

ことうみ(帰りたい…)

希「まぁまぁエリチ、そんな怖い顔しないで」

希「えっと…穂乃果…ちゃん?やったっけ?」

希「これは……その、一体なんの部活なん??」

穂乃果「なんでも屋です!」

海未(答えになってませんよ…)

ことり「え!えっとですね、つまりは、学校の生徒を助けるために、なんでも依頼を引き受けるって感じ…ですかね…」

穂乃果「おぉ~!ことりちゃんナイス説明!」

絵里「ミトメラレナイワァ…」

穂乃果「え?」

絵里「却下です」

穂乃果「えぇ~!な、なんでですか!」

希「ごめんな、穂乃果ちゃん。活動内容は分かったんやけど、部活申請は最低でも部員5人はいないとダメなんよ」

絵里「そういう事よ。まぁ、活動内容もよく分からないけどね」

絵里「分かったら、さっさと帰ってちょうだい。私たちは暇じゃないので」

穂乃果「そ、そんなぁ…」

廊下-


穂乃果「うぅ…」トボトボ

ことり「…穂乃果ちゃーん、元気出して」

穂乃果「うぅ…でもぉ…、私、本当にやる気だったんだよ…」

海未「穂乃果…」

穂乃果「ほら、高校入ってから、私たち3人でっていうの、あんまり無かったでしょ?」

穂乃果「だから、昨日スケットダンス読んで、これだ!って思ったんだよ…」

穂乃果「スケット団みたいに、学校のみんなを助けて、みんなを笑顔にするような事を私たち3人でやりたかったんだよ…」

ことり「穂乃果ちゃん…」

海未「穂乃果…」

海未「分かりました…」

穂乃果「…海未ちゃん?」

海未「やりましょう!なんでも屋!」

穂乃果「え??、でも、いいの?」

穂乃果「それに、申請も通らなかったし…」

海未「関係ありませんよ!なんでも屋でしょう?部活として認定されなくても、活動しようと思えば、いつでもどこでもできるはずです」

穂乃果「海未ちゃん…」

ことり「そうだね!なんでも屋なんだもん!少しずつみんなに知ってもらっていけば、それで活動はできるよ!」

穂乃果「ことりちゃん…」

穂乃果「うぅ…二人とも…ありがとう!」グスッ

穂乃果「やろう!3人で!少しずつかもしれないけど、学校のみんなに笑顔になってもらうために!」

ことり「そうと決まったら、まずは場所探しだね!」

ことり「一応、活動の拠点となる場所を作っておかなきゃ!」

穂乃果「あ!じゃあ!私たちのクラスでやるのは?」

海未「放課後の空き教室は使うのに許可がいりますよ?正式な部活でない私たちでは、残念ですが、許可がおりるとは思えません」

穂乃果「そっかぁ~…」

ことり「う~ん…運動場も体育館も運動部が使ってるしー…」

屋上-


海未「ここしかないようですね…」

ことり「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど…贅沢は言ってられないよね…」

穂乃果「うん!でも、ここなら周りを気にしなくて済みそうだね!」

穂乃果「よぉーし!じゃあ、まずは、看板作んなきゃ!」

海未「…看板ですか?」

穂乃果「うん!やっぱり必要だと思うんだよね!ここがなんでも屋ですよ!って分かってもらうためにも!」

ことり「そうだね!看板は大事かも!」

穂乃果「でしょ!でしょ!それで、デザインの方なんだけど!」

穂乃果「大きな木の板に、なんでも屋って筆で書いて欲しいんだけど…」チラー

海未「わ、私ですか??」

穂乃果「だって、海未ちゃん字上手じゃん!」

海未「で、ですが…」

穂乃果「じゃ、そういう事だから!私!ホームセンターで木買ってくるね!」

海未「ちょ、ちょっと穂乃果ーっ!」

穂乃果 ガチャッ ダダダッ

ことり「…行っちゃったね…」

海未「困ったものです…」

ことり「嫌なの?海未ちゃん?」

海未「い、いえ、嫌というわけではないのですが、私が書いてしまうより、3人で書いた方が良いような気がして…」

ことり「あ!でも、それいいかも!穂乃果ちゃんが帰ってきたら、言ってみようか!」

海未「ほんとですか??ありがとうございます、ことり」

廊下-


穂乃果「フンフンフーン♪」タッタッタッ

♪~

穂乃果「ん?なんの音だろ?」

♪~

穂乃果「綺麗なメロディ…こっちの方から聴こえてくるな…」

音楽室-


真姫「大好きだばんざーい♪負けなーい勇気ー♪」

真姫「わたしーたちはいーまを楽しもうー♪」

真姫「大好きだばんざーい♪頑張れるからー♪昨日に手を振ってほらー前向いてー♪」

真姫「ふぅ…」チャン…

穂乃果 パチパチパチパチ!!

真姫「ヴェエ??」

穂乃果「すごい!すごい!すごい!感動しちゃったよ!」

真姫「べ、別に…」

穂乃果「歌もピアノ上手だねー!いつもここで弾いてるの?」

真姫「い、いつもってわけじゃ…」

真姫「ただ、今日は…ちょっと気分転換に…」

穂乃果「気分転換?」

真姫「そうよ…別にいいでしょ…」

穂乃果「もしかして、悩み事?」

真姫「ヴェ…別に、悩み事ってほどでも…」

穂乃果「おぉ!!」

真姫「え?な、何?突然…」

穂乃果「悩んでるんだね!」

真姫「ヴェ…だ、だから、別に悩み事ってわけじゃ…」

穂乃果「私に任せて!」

真姫「え?」

穂乃果「紹介が遅れちゃったけど、私は穂乃果!なんでも屋の高坂穂乃果!」

真姫「なんでも屋?」

穂乃果「そう!生徒を笑顔にするために、なんでも依頼を引き受けるから、なんでも屋!」

穂乃果「さっき始まったの!」

真姫「さっきって…」ハァ

穂乃果「だからさ!真姫ちゃん!私たちの最初のお客さんになってよ!」

真姫「最初のお客さん…」

真姫「って何で名前知ってるのよ!」

穂乃果「そこのノートに書いてあったよ!」

穂乃果「それじゃあ!真姫ちゃん!とりあえず、なんでも屋行こうか!」ガシッ

真姫「え?ちょ、え、ええええええっ??」

なんでも屋-


穂乃果「着いたよ!」

真姫「ぜぇ…ぜぇ…」

真姫「きゅ、急に手引っ張っらないでよ…!ぜぇ…」

海未「あのー穂乃果?、そちらの方は?」

穂乃果「最初のお客さんの真姫ちゃんだよ!」

真姫「ちょ、ちょっと!勝手に決めないでよ!」

穂乃果「ダメかな?」ウルウル

真姫「ヴェ…別に、ダメってわけでもないでと…」

穂乃果「ほんと??やったーー!」

真姫「うぅ…」

穂乃果「それじゃあ、お悩み聞かせてもらえるかな?」

真姫「だから…別に悩み事ってわけじゃ…」

穂乃果「でも、何かあるんでしょ?話してみて」

真姫「うぅ、…………」ゴニョゴニョ

ことり「へ?なんて?」

真姫「だから….、……………」ゴニョゴニョ

海未「その、すみません、よく聞こえないのですが…」

穂乃果「真姫ちゃん!もっと大きな声で!」

真姫「うぅ~…」

真姫「…と、友達ができないのよ……」

真姫「高校に入ってから、もうかれこれ1ヶ月経つけど、誰とも話せてないの…」

穂乃果「え?友達?なーんだ、そんな事か!」

穂乃果「だったら簡単だよ!まずは、笑顔で話しかけてぇ…」

海未「穂乃果、あなたは黙っててください」

穂乃果「えぇ~、なんでー!」

海未「真姫、あなたの悩みは分かりました」

真姫「なんで急に呼び捨てなのよ…」

海未「なんでも屋、出動です!」

穂乃果「あ!ちょっと、それ穂乃果が言いたかった~!」

次の日、昼休み-

1年生教室-


海未「とりあえず、敵情視察です」

ことり「敵じゃないよ、海未ちゃん」

真姫「ちょっと、こんな入り口で固まってたら変でしょ!帰ってよ!」

穂乃果「あ!誰かこっちに来るよ!」

りんぱな「にゃーにゃーわーわー」トコトコ

真姫(あれは、うちのクラスの星空さんと小泉さん…)

真姫(いつも仲良さそうにしてて楽しそうなのよね…私も、あんな風になれたらなぁ…)

穂乃果「おーーい!」タッタッタッ

凛「にゃ?」

真姫(え?!ちょっと、なんで急に話しかけてんのよ!!)

穂乃果「あそこにいる真姫ちゃんが、友達になりたいんだって!」

真姫(ええええええええええ???!!!)

凛「いいよー(^O^)/」

真姫(ええええええええええ???!!!いいの??!!イミワカンナイッ!!!)

穂乃果「おーい!真姫ちゃーん!友達になってくれるってー」ブンブン

真姫(嘘でしょ…)

ことり「真姫ちゃん…ごめんね?」ニコッ

真姫「いや、ことり先輩が謝ることじゃないです…それに、なんだかんだ友達できたみたいですし…」

海未(あれ?私にはタメ口なのに、ことりには敬語??)

海未(もしかして、私、なめられてる…??)

海未「さ、さぁ、行きましょう!真姫!友達か待ってますよ!」

真姫「ソウネ」

海未「………」

凛「こんにちわ!西木野さん!」

花陽「こんにちわ!」

真姫「うっ」

真姫(ま、まずいわ…こういう時どうすればいいのかだけは、私の完璧な真姫ちゃん辞書には載ってない…)

穂乃果「真姫ちゃん?」

真姫(と、とりあえず…挨拶よね…)

真姫「………ご」

穂乃果「ご?」

真姫「ご、ごきげんよう……」カアァァ

真姫(何これ、初めて使ったんだけど……)

凛「わぁ!ごきげんようだって!もしかして、西木野さんってお嬢様?」

真姫(お嬢様ではあるかもしれないけど、お嬢様言葉なんて使わないわよ!)

真姫「そ、そうですわ…わたくし、お嬢様ですの」

真姫(お、終わったー…)

花陽「すごいねぇ!まさか、うちのクラスにお嬢様がいるなんて!」

りんぱな「わいわい」

真姫(なんか二人は楽しそうね、良かったわ)

真姫(なんでも屋の方は…)

穂乃果「ぷくく…」

海未「ほ、穂乃果!笑ってはいけませんよ…くくっ」

ことり「……」(必死で笑いをこらえる)

真姫(あ、あいつら~)

凛「それで、西木野さんはどうして凛たちと友達になりたかったの?」

真姫(え??何??そんな質問もするの??)

真姫(ど、どうしよ…理由なんて無いし、後ろで笑われてると思うと、上手く言葉がでない…)

真姫(なんなのよ!あの人たちは!なんでも屋とか言って、何も助けてくれないじゃない!)

真姫(理由…理由…、ダメだ……)

真姫(適当な理由が見つからない……)

真姫(もう、いや…こんな事なら頼まなければよかった…)グスッ

真姫 ダッ! タッタッタッ

花陽「ええ??西木野さん??」

穂乃果「あぁ!真姫ちゃん!!」

凛「どうしたんだろ?トイレかな?」

穂乃果(……………真姫ちゃん……)

音楽室-

真姫(ハァ…ハァ…何も言わずに飛び出してきちゃった…)

真姫 (…)

真姫 スッ (ピアノに座る)

真姫 チャーン………(鍵盤を叩く)

真姫(心が落ち着く….結局、私の居場所はここしかないって事ね……)

真姫(…….)

真姫(はなっから私には友達なんて無理だったのかもね…)

真姫(昔から、自分を表現するのが苦手で、いつもいつも高飛車に構えちゃって、友達と言える人なんていたことが無かった…)

真姫(星空さん、小泉さん…いい人たちだったなぁ…少しだったけどこんな私と話をしてくれた…)

真姫(ありがとう…星空さん、小泉さん…)

真姫(一瞬でも、私の夢を叶えてくれて…)

真姫(ピアノの前では素直に表現できるのに…)

真姫(今のこの気持ち…)

真姫(歌にのせて…)

真姫 ♪~(前奏)

真姫「♪~素直におーいかけてー、勇気でおーいかけてー♪」

♪~

真姫(メロディと歌詞が自然と溢れてくる)

真姫(なんで?…私は結局、友達なんてできなかったんじゃ…)

真姫(……穂乃果「真姫ちゃん!」………)

真姫(そっか…私、気づいてなかったけど、あの人たちとは自然に話ができてたわね…)

真姫(あれが…友達…なのかな…)

♪~

真姫「きっと青春がきこーえる♪そーのしゅんかんにきーこーえるー♪」

真姫「となりに君がいてー♪となりは君なんだー♪」

真姫 ♪~………

真姫(青春が聞こえる…か…)

真姫(私には聞こえる日が来るのかしら…)

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

真姫「えっ??」

凛「西木野さん、すごいにゃーー!!!」

花陽「すごい!すごいよ!西木野さん!」

真姫「ふ、二人とも…!!」

穂乃果「真姫ちゃん!」

穂乃果「二人には、ちゃんと真姫ちゃんがお嬢様じゃないって事言っといたよ」グッ

真姫「穂乃果…、ことり先輩、海未…」

ガバッ!!

真姫「きゃっ!」

凛「すごいにゃー!」スリスリ

真姫「ちょ、ちょっと星空さん??」

花陽「り、凛ちゃん、西木野さんが困ってるよ~」アセアセ

ことり「ふふっ、3人とも楽しそう」

海未「そうですね、ふふっ」

穂乃果「いよぉーーし!!私も混ぜろぉーー!!」ダダダッガバッ

ニャーニャーワーワー

ことり「なんでも屋の初仕事、大成功かな?」

海未「ふふっ、大成功とは言えないかもしれませんね、一度真姫を失望させてしまいましたし、」

ことり「でも」

海未「えぇ…」

真姫「ちょ、もう離れなさいよぉーー!!」ハハハ

凛「待つにゃー!!」

花陽「あはは、待てーー!!」

海未「大成功といってもいいかもしれませ…」

穂乃果「待て待てーー!!!」ダッダッダッ

穂乃果「わっ」ツルッ

海未「えっ」

ほのうみ ゴチンッ!ドサッ

穂乃果「…いてて……」

海未「……」ジンジン

穂乃果「あっ…う、海未ちゃん…」

穂乃果「あはは…ご、ごめんね?」

海未「………」

海未「ほーのーかぁーー…」ゴゴゴゴゴゴ

穂乃果「ひ、ひぃ…」

穂乃果 ダッ !

海未「あ!コラ!待ちなさい!穂乃果!」ダッ

穂乃果「ひぃいいいーー!!」ダッダッダッ

海未「ほーのーかぁーーー!!!」ダッダッダッ

凛「にゃはははは、楽しいにゃー」

ことり「ふふっ」

真姫「まったく…」

ことり「真姫ちゃーん」

真姫「ことり先輩…」

ことり「あ、私もタメ口でいいよ?」

真姫「そう?」

ことり「うん!それで、どうでしたか?なんでも屋の仕事は? 依頼には答えられたかな?」

真姫「ふふっ…」

真姫「…もちろんよ!」

真姫「ありがとね!ことり!」

ことり「うん!」

海未「ほーのーかぁああああ!!!」ダッダッダッ

穂乃果「うわーん!もう勘弁してぇ~」ダッダッダッ


第1話 「なんでも屋のはじまり」 完

第2話 「なんでも屋とにこ」


通学路-


穂乃果「わーーーん!!!遅刻だよーー!!!」タッタッタッ

穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも置いてくなんてひどいよーーー!!!」タッタッタッ

??「ちょっと!そこのあんた!」ザッ

穂乃果「へ?」

??「あなたね、なんでも屋って言うのやってるのは…」

穂乃果「あ、はい!そうです!」

穂乃果(こんな怪しそうな人にも知ってもらってるなんて!私たちも、なかなか知名度出てきたのかな!)

??「あんたたち…」

穂乃果「?」

??「とっとと解散しなさいっ!!!」

穂乃果「え?」

穂乃果「えええええええええええ??!!」

キーンコーンカーンコーン

??「あっ…」

穂乃果(遅刻だ…)

その日の放課後-

屋上-


穂乃果「今日は暇だねー」

ことり「そうだねー、真姫ちゃんの一件以来、なんだかんだ依頼もあって忙しかったもんね」

穂乃果「でも!そのおかげで私たちも少しは有名になったよね!」

海未「そして、解散しろと言われたと…」

穂乃果「…う、うん…」

ことり「私たち、なにか悪いことしたかなぁ…」

海未「まあまあ、有名になれば批判は付き物ですよ。気にしていてはキリがありません。」

海未「それよりも今日は、看板を作るんでしょう?はやくやりましょう」

穂乃果「そうだね!」

穂乃果「みんなで書くんだよね!海未ちゃん!」

海未「はい、そうした方がいいと思いますので」

穂乃果「よぉーし!じゃあ、穂乃果が「な」を書いてー!」カキカキ

穂乃果「…できた!」

ことり「…これは……」

海未「穂乃果…文字が大きすぎます…」

穂乃果「あはは…たしかに……」

ことり「で、でも、次から小さく書けば、まだ書けない事もないよね!」

海未「そうですね…ギリギリ書けますかね」

穂乃果「あはは、ごめんね!」

ことり 「じゃあ、私「ん」書くね!」カキカキ

穂乃果「わー!ことりちゃんの字かわいいね!」

海未「それでは、私は「で」を…」カキカキ

ことり「海未ちゃん、字上手だね~」

穂乃果「…」

穂乃果「2文字残ったね…」

海未「どうしましょうか…」

ことり「穂乃果ちゃんが書いたらいいんじゃない?」

海未「ダメです!穂乃果が書いたら絶対「屋」を書くスペースが無くなります!」

穂乃果「な!そ、そんなことないよぉー!」

ガチャ

穂乃果「あれ?お客さ……あっ…」

希「おぉ~、ここが噂のなんでも屋かー」

絵里「…あなたたち……」ゴゴゴゴ

絵里「…ここで、何してるの…」ゴゴゴゴ

穂乃果「あはは…な、なんでも屋を…」

絵里「許可した覚えはないわよ…」ゴゴゴゴ

海未「待ってください!」

海未「私たちは、ただ人助けをしてるだけです。許可が必要だとは思いません!」

絵里「いいえ、これはれっきとした学校内活動よ。生徒会の許可無しには、活動する事はミトメラレナイワァ」

穂乃果「じゃ、じゃあ!許可してください!」

穂乃果「私たち、人数は足りないかもしれないけど、今日まで精一杯人助けしてきました!!」

穂乃果「この学校のために頑張ってきました!」

穂乃果「だから!部活として認定してください!」

絵里「ダメよ」

絵里「たとえ、人数が5人になってもミトメラレナイワァ」

穂乃果「そ、そんな!なんでですか!」

絵里「この学校には、すでに「学院生活支援部」という、生徒をサポートする部活が存在しているのよ」

希「まぁ、部員は一人やけど」

穂乃果「え、でも部活には5人以上必要だって…」

希「設立するときは5人必要やけど、その後は何人になってもいい決まりやから」

絵里「生徒の数が限られている中、いたずらに部を増やす事はしたくないの」

絵里「「学院生活支援部」がある以上、あなた達の申請を受けるわけにはいきません」

穂乃果「そんな…」

絵里「これで話は終わり…」

希「に、なりたくなければ、「学院生活支援部」とちゃんと話をつけてくることやな」

絵里「希!」

希「二つの部が一つになるなら問題はないやろ?」

希「とりあえず、部室に行ってみれば?」

学院生活支援部部室-


穂乃果「…あ」

にこ「…あ、」

穂乃果「…もしかして、あなたが学院生活支援部の部長…?」

にこ「…うっ」

にこ「ぐあーーーーーー!!」ブンブン

穂乃果「うわあっ」

ガチャ!バタン!

穂乃果「あ!ちょっと部長さん!開けてください!部長さん!開けて!」

穂乃果「あかない…」

海未「外から回ります!」ダッ

海未「待なさーい!!」ダダダッ

にこ「ふん!捕まるもんですか!」

アルパカ「ヤァ」

にこ「わっ!」

海未「いません…どこに消えたのでしょう…」

にこ「あ…あー…」

海未「あっ…」

学院生活支援部部室-


ことり「わー…ここが学院生活支援部…」

にこ「勝手に見ないでくれる?」

ことり ジー…

にこ「あー、気づいた?アキバのカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ」

ことり「し、知ってるんですか?」

にこ「いや、ネットで手に入れたものだから、本人の姿は見たことないけどね」

ことり「ふぇ…」

にこ「それで、何しにきたの?」

穂乃果「学院生活支援部さん!」

にこ「…にこよ…」

穂乃果「にこ先輩!実は私たち、なんでも屋をやってまして…」

にこ「知ってる、どうせ希に部にしたいんなら話つけてこいとか言われたんでしょ?」

穂乃果「おー話が早い!」

にこ「まーいずれそうなるんじゃないかと思ってたからね。」

穂乃果「なら!」

にこ「お断りよ」

穂乃果「えっ?」

にこ「お断りって言ってるの」

海未「いや、あのう、私たちはなんでも屋として活動できる場所必要なだけなんです。」

海未「なので、このを廃部にしてほしいとか言うのではなく…」

にこ「お断りって言ってるのよ」

にこ「分かったら、さっさとでてって」

ことり「え…」

にこ「とにかく話は終わりよ。でてって」グイッ

穂乃果「わわっ!」

ガチャ!バタン!

穂乃果「あー…にこ先輩…」

希「やっぱり追い出されたみたいやね」

穂乃果「希先輩!」


昇降口-


希「にこっちもな、最初は穂乃果ちゃん達みたいにグループで活動してたんよ」

穂乃果「にこ先輩が?」

希「今はもうやってないけどね」

穂乃果「やめちゃったんですか?」

希「にこっち以外の子がね…」

希「にこっち、何にでも首を突っ込んで、完璧に仕事をこなそうとするからね…」

希「ついていけないって、一人辞め、また一人辞め…」

希「だから、あなた達が羨ましかったんじゃないかな?」

穂乃果「にこ先輩…」

次の日、昼休み-

なんでも屋-


穂乃果「なかなか難しいね…にこ先輩…」

海未「そうですね…」

真姫 「あ、やっぱりここにいたのね」ガチャ

ことり「あれ?真姫ちゃん、どうしたの?」

海未「教室に居場所が無かったのですか?」

真姫「違うわよ!」

真姫「依頼にきたのよ!」

穂乃果「依頼?」

海未「友達ができないんですか?」

真姫「いや、だから違うわよ!」

真姫「と、友達なら、もうできたわ…」

海未「じゃあ、依頼ってなんですか?」

真姫「財布を落としちゃったの…だから、一緒に探して欲しくて…」

ことり「えぇ~!それはたいへんだね」

穂乃果「いくらぐらい入ってたの?」

真姫「あ、いや、お金はそんなに入ってないんだけど…」

穂乃果(じゃあ、300円ぐらいかな…)

真姫「財布自体が、去年サンタさんから貰った大切なものだから…」

海未(…?三太さん?誰でしょうか…)

穂乃果「わかったよ!その三太さんって人は知らないけど、真姫ちゃんにとって大切な物なんだよね!私たちに任せて!」

真姫「ありがとう!穂乃果」

真姫(穂乃果、サンタさん知らないのね、可哀想に、いつも悪い事ばかりしてるからね)

真姫「ていうか、3人ともさっきは何か悩んでたみたいだけど、どうかしたの?」

ことり「あーそれはね…カクカクシカジカ」

真姫「あなた達…部活じゃなかったのね…」

真姫「たしかに、屋上で活動してるのは、おかしいわよね」

ことり「そうでしょ、だから、なんとかにこ先輩を説得したいんだけど…」

穂乃果「あ!」

ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん?」

穂乃果「いい事思いついた!」

海未「なんですか?急に」

穂乃果「にこ先輩を説得するアイデアを思いついたんだよ!」

真姫「そう?良かったわね、でも、私の依頼も忘れないでね」

真姫「それじゃ…」

穂乃果「真姫ちゃん!」

真姫「え、なに?」

穂乃果「真姫ちゃんも協力するんだよ!」

真姫「…」

真姫「…え?」

放課後-

学院生活支援部-


真姫(…)ドキドキ

真姫(こ、ここで合ってるのよね…)

真姫(まったく…なんで私がこんな事しなきゃいけないのかしら…)

真姫(とりあえず、行ってみるか…)

ガチャ

真姫「こ、こんにちわ~、依頼に来たんで…」

にこ「にこっ!?」

鏡 カワイイヨ!

真姫(何やってんだ…この人…)

真姫「あ、あの~」

にこ「っ??」ビクゥッ!!??

にこ「だ、誰……?」

真姫「いや、依頼に来たんですけど…」

にこ「依頼??」

にこ(嘘!本当にこの子依頼に来たの??依頼なんていつぶりよ!)

にこ(ていうか、もしかして、さっきの見られた…?)

にこ(最悪…誰もこないと思って油断してたわ…)

にこ(にこにー反省…)

にこ「あー、じゃあ、とりあえずそこ座って」

にこ「今、お茶出すから」

真姫「はい…」スッ

真姫(頭おかしい人かと思ったけど、以外と普通ね…)

にこ「はい、お茶」スッ

真姫「あ、ありがと…」

にこ「それで、依頼っていうのは?」

真姫「え、えっと私の財布が無くなっちゃって…」

にこ「あーそれで探して欲しいってことね」

にこ「分かったわ。それで、いくらぐらい入ってたの?」

真姫「お金はそんなに入ってないんだけど、去年サンタさんに貰ったものだったから…」

にこ(300円ぐらいかしら…)

にこ(それにしても、三太さんって誰よ、急に知らない人の名前出してくるんじゃないわよ)

にこ「そうなのね、まあ、その三太さんって人は知らないけど、財布は学院生活支援部の名にかけて、必ず見つけるわ!」ウインクッ

にこ(決まったわ…)

真姫(この人もサンタさん知らないの?いい人だと思ったけど、やっぱり悪い人なのかも…)

にこ「それじゃあ、さっそく搜索に出ましょうか」

真姫「そうね」

真姫(とりあえず、ここまでは作戦通り…)

真姫(やっぱり、私の真姫ちゃん辞書に不可能は無いわ…)

真姫(後はここを出た後に、穂乃果達のところに…)

ガチャ

真姫「ちょ、ちょっと!学院生活支援部さん!」

にこ「……にこよ…」

真姫「にこ先輩!あの、財布を探すにあたって参考になってくれる人がいるんだけど…」

にこ「あら?そうなの?はやく言いなさいよ!」

真姫「う、うん。じゃあ、ついて来て」

屋上-


真姫「ココヨ」

にこ「…ちょっと」

真姫「ナニカ?」

にこ「はぁ…どーりで…」

にこ「うちに依頼に来るなんて、おかしいと思った」

真姫「……ナンノコトカナ…?」

にこ「カタコトになってるわよ」

真姫「うっ…」

にこ「なんでも屋に言われたんでしょ…」

にこ「もう、いいわ」

にこ「私帰るから。財布なら、なんでも屋に探してもらいなさい」クルッ

真姫「あっ…」

真姫(行っちゃった…どうしよ…作戦が…)

海未「穂乃果!いけません!」コソコソ

穂乃果「ちょっと見るだけだよー」コソコソ

穂乃果 ガチャ

穂乃果「あれ?真姫ちゃん一人?」

真姫「穂乃果…」

階段-


にこ(はぁ…結局こんな事か…)

にこ(一人で舞い上がっちゃってバカみたい…)

にこ(私には、もう人助けなんてするチャンスすら無いのね…)

にこ(もう、いっそ学院生活支援部も辞めにしようかしら…)

にこ(……その方がいいかもね)

にこ(癪だけど、あのなんでも屋とかいう奴らは、ちゃんと活動してるわけだし…)

にこ(私なんていても…)

穂乃果「にこ先輩っ!!」

にこ(え…?)

にこ(あれは、なんでも屋の…)

穂乃果「辞めちゃうんですか??」

にこ「……はぁ?」

穂乃果「依頼!辞めちゃうんですか??」

にこ「あ…あぁ、それね、そうよ。あなた達に任せたわ」

穂乃果「希先輩から聞きました!」

にこ「??」

穂乃果「にこ先輩は、いつだって何にだって完璧に仕事をこなそうとするんだって!」

にこ(……!!)

穂乃果「私、すごいと思いました!憧れました!」

穂乃果「だから、教えて欲しいんです!先輩として!同じ部活の先輩として!」

にこ「…??」

にこ「同じ部活??」

穂乃果「はい!そうです!私は今日から学院生活支援部の部員、高坂穂乃果です!」

ことり「おなじく、南ことりですっ」

海未「同じく、園田海未です」

にこ「あんたたち…」

真姫「みんなで協力した方が探し物も見つかるんじゃない?」

にこ「真姫…」

にこ「っ……」グスッ

にこ「私は甘くないわよ…!」

穂乃果「覚悟の上です!」

にこ 「本当に分かってるの??」

にこ「どんな依頼だろうと受け、必ずやり遂げる覚悟はある?」

海未「もちろんです!」

ことり「精一杯頑張ります!」

にこ「よぉし!それじゃあ!さっそく搜索開始よ!」

にこ「ついて来なさい!」ダッ

なんでも屋「おおーー!」ダッ

真姫「あ、ちょっと!」

真姫「もう!置いてかないでよ!」ダッ

搜索-


にこ「…」

にこ「あ!あったわ…!」

にこ「これで合ってる?真姫?」

真姫「えぇ!合ってるわ!」

真姫「ありがとう!」

穂乃果「わー!見つかったの?」

海未「良かったですね、真姫」

ことり「真姫ちゃん…そのお財布…もしかして、ルイ・ヴィトン…?」

真姫「…?えぇ、そうよ」

ことり「えぇーー!!そんな高いの使ってるの??」

真姫「あら、これ高いのね、サンタさんがくれたから知らなかったわ」

穂乃果「あ、そういえば、気になってたんだけど、三太さんって誰なの?」

真姫「あー…そういえば、穂乃果はサンタさん知らないのよね…にこちゃんも…」

にこ(あれ?私、ちゃん付け?3年生なんだけど…)

真姫「サンタさんっていうのはね、白い髭を生やしたおじさんで、クリスマスに良い子にプレゼントを配ってくれるのよ」

真姫「ちなみに、私はいままで貰えなかった事はないわ…!」ドヤァ

ことり「…さ」

海未「サンタさん…?」

にこ「ぷっ…ぷくく…サンタ…真姫が…サンタ…」

穂乃果 「にこちゃん!」ガシッ

にこ「きゃっ!」

にこ「ちょ!なにすんのよ!あと、先輩つけなさいよ!」

穂乃果「それを言うのは重罪だよ!」

ことり「そーだよ!にこちゃん!」

真姫「?」

真姫「なんだか、よく分からないけど、本当にありがとね、中の10万円も無事だったし…」

ほのにこ「10万円??」

真姫「…そ、そうだけど。どうしたの?」

にこ「あんた、そんなにお金は入ってないって言ってなかったっけ…?」

真姫「…え、えぇ。そう言ったけど…何かおかしな事でもあった?」

にこ「嘘でしょ…」

穂乃果「もしかして、真姫ちゃんって本物のお嬢様??」

真姫「お嬢様ってほどでもないけど…確かに家は少し広いわね」

にこ(この子の事だから、おそらく、そうとうデカイ家に住んでるのね…)

穂乃果(じゃあ、もしかして、前のお嬢様口調は素だったのかな…??)

学院生活支援部(なんでも屋)-

にこ「じゃあ、私がここに「も」を書けばいいのね?」

海未「はい!よろしくお願いします」

にこ カキカキ

にこ「できたわ」

ことり「わー!これでなんでも屋の「なんでも」まで書けたね!」

にこ「「屋」は誰が書くのよ?」

海未「決まってますよ!」

真姫 ソワソワ

海未「真姫!」

真姫 ビクッ

真姫 「わ、わたしー??」

海未「はい!真姫はもう立派な部員ですよ!」

真姫「…///」

真姫「しょ、しょうがないわね…///」

真姫 カキカキ

真姫「できたわ」

看板「なんでも屋」

ことり「できたね、看板」

真姫「字がバラバラで、読みづらいけどね…」

海未「「な」なんて異様に大きいですしね」

穂乃果「もー!海未ちゃん!」

にこ「ふふっ…」

穂乃果「でも、これで遂に「なんでも屋」スタートだよ!」

真姫「そうね」

海未「はい」

にこ「えぇ」

ことり「うん!」

穂乃果「よぉーし!じゃあ!これからも「なんでも屋」!頑張るぞーー!!」

全員「おおーー!!」

第2話 「なんでも屋とにこ」 完

期待

第3話 「なんでも屋と野球」


生徒会室-


絵里「はぁ…」ピラッ

紙「 「学院生活支援部」

部員 矢澤にこ
高坂穂乃果
南ことり
園田海未
西木野真姫 」

希「 まさか、本当に、あのにこっちを説得するとはねぇ」ニコニコ

希「にこっちも、やっと素直になれたんやね」

絵里「なんで希は嬉しそうなのよ…」マッタク…

希「ふふっ、いや、何か未来が良い方向に動きだした…って気がするんよ…」

絵里「なによ、それ…」

絵里「ほら、もう話してないで仕事しましょ」

希「はぁーい」

希(いつの日か…エリチも…)

希(救ってくれるのかな?…なんでも屋の女神さんは…)


学院生活支援部-


穂乃果「あははははは!!!!絢瀬絵里!破れたり!!!!」

にこ「イェーーイ!!」ドンドンパフパフ!!

海未「もぅ…少し落ち着いてくださいよ…」

穂乃果「そうはいかないよ!!」

穂乃果「だって、やっと部活認定して貰ったんだよ!!見てよ、この部室!!もう、あの暑い屋上とはオサラバだよ!!」

にこ「ふっ…私のおかげね…」

真姫「にこちゃんは助けられた側でしょ」

にこ「ぬぁんですってー!!」

にこ「あんた、私が今までどんな思いでこの部室を守ってきたか、分かってるの??あと、先輩つけなさいよ!!」

凛 ガチャ

凛「真姫ちゃーーん!助けてーー!!」ダーッ

真姫「あら、凛じゃない?どうしたの?」

花陽「ハァ…ハァ…凛ちゃん、早いよ…」

穂乃果「あ、花陽ちゃんだ!」

花陽「こ、こんにちわ」ハァハァ…

にこ(誰よ…この子たち…)

にこ(真姫と穂乃果が知ってるとなると、私だけ知らない感じね…)

凛「あ!もしかして、あなたがにこちゃんかにゃ??」

にこ「えっ!えぇ…そうよ。私がにこにーよ。」

にこ(なんで…タメ口…)

にこ「知ってるの?私のこと」

凛「鏡の前で変なポーズしてる人だって真姫ちゃんが言ってたにゃーー!」

にこ「なぁ…!///」カアァ

真姫「ちょ、ちょっと!凛!それは言わない約束でしょ!」

にこ(やっぱり見られてたのね…死にたい…)

ことり「あはは…それで、凛ちゃん!助けてって言うのは…」

凛「あ!そうそう!その事で、なんでも屋さんの力を借りたいんだにゃ!」

海未「力を?」

花陽「はい、そうなんです」

花陽「単刀直入に言います、私たちと草野球大会に出てください!」

なんでも屋「草野球大会?」

読んでる

花陽「はい、音ノ木坂地区代表として、出場して欲しいんです!」

穂乃果「面白そうだね!その依頼受けたよ!」

凛「ほんと!やったにゃー!!」

海未「まってください」

海未「依頼は受けるとして、なんで草野球大会に出るんですか?」

にこ「そうね、やるからには理由は教えてもらいたいわ」

凛「分かったにゃ」

凛「ええっと…あの、学校のすぐ近くに、ラーメン屋さんがあるの知ってる?」

穂乃果「あー!私、知ってるよ!あそこのおじさんがいい人なんだよね!」

凛「そうそう!あの優しいおじさんがやってるラーメン屋さん。凛も学校帰りに、かよちんとよく行くんだ」

凛「そのおじさんがね、草野球大会に出場するって張り切ってるの」

穂乃果「え!でも、もう結構歳だよね?」

凛「そう、だから、今年を最後にするんだって、それで最後に優勝したいんだって、凛達に話してくれたんだよ」

ことり「わぁ~素敵な夢だねぇ~」

凛「それでおじさん達、チーム音ノ木坂は頑張って毎日時間作って練習してたの」

海未「なるほど、それで、何故私たちが出る事になるのですか?」

凛「それが…全員、風邪ひいたみたいで…」

にこ「え?全員?」

凛「うん…」

真姫「いや、なによ…それ」

凛「それが、昨日、景気付けに外でお酒飲んでたら、そのまま寝ちゃったらしくて…」

真姫「バカね…」

凛「ただ、風邪自体はそこまでひどくないらしいから、初戦だけ出て欲しいって言われて」

穂乃果「初戦だけ?」

凛「うん、初戦の相手は弱いから、凛達でも勝てるって」

にこ「弱いっていっても、私、野球なんて、ほとんどできないわよ」

真姫「私もよ」

穂乃果「それは練習すればいい事だよ!それに、にこちゃん!なんでも屋は、どんな依頼も受けるんでしょ?」

にこ「ちょっと!誰がやらないっていったのよ、もちろんやるわ。それが、なんでも屋だもの」

花陽「あ、あのぅ…」

ことり「どうしたの?花陽ちゃん?」

花陽「実は試合は明日でして…」

なんでも屋「えぇ??」

海未「そんな!まだ人数も足りないのに!」

穂乃果「えぇ??」

穂乃果「あ、ほんとだ…7人しかいないや…」

海未「穂乃果…あなた気づいてなかったのですか…」

にこ「練習時間より、なにより人数が問題よ。さすがに9人いなきゃ野球はできないわ」

穂乃果「あ!それじゃあ、生徒会の2人に入って貰えば??」

にこ「はぁ??あんた、あいつらが私たちに協力するとでも思ってるの??」

穂乃果「ん~、大丈夫なんじゃないかなぁ~」

生徒会室-


絵里「イヤよ」ドンッ

穂乃果「えぇ~!!!」

にこ「ほら、言ったじゃない。分かったら、はやく野球やってくれる人を探しに行くわよ」

穂乃果「ま、待ってください!生徒会は、生徒のための会なんでしょ??」

絵里「もちろん、その通りよ」

絵里「でも、あなた達が野球をやるのは、風邪をひいたおじさん達のためじゃないの?」

穂乃果「うっ…」

絵里「分かった?それは、私たちには関係の無い事なの。あなた達で勝手にやって頂戴」

希「ごめんな~。ウチらも忙しいんよ」

穂乃果「…はい」

にこ「ほらほら、帰るわよ、私たちも時間無いんだから!」

ゾロゾロ

ガチャ バタン!

絵里「はぁ…まったく、あの人たちは、本当になんでもやるのね…」

希「まあ、なんでも屋やし♪」

絵里「そうね…さぁ、私たちも頑張りましょ」

その日の夜-

音ノ木坂学院-

絵里「すっかり遅くなってしまったわね…」

希「そうやね、さすがにウチも疲れたよ」

ワーワー

絵里「?なにかしら、グラウンドの方から声が聞こえるわね」

希「運動部やない?こんな時間まで頑張るねー」

絵里「すごいわね、尊敬するわ」

穂乃果「ワーワー」

絵里「??」

絵里(今の声って…まさか…)

希「ん?エリチどうしたん?」

絵里「ちょ、ちょっとグラウンドの方を見てくるわ…!」ダッ

希「あ、ちょっと!エリチ!」

グラウンド-


凛「それじゃ!行くよ!真姫ちゃん!かよちん!」

真姫「きなさい!」

花陽「う、うん!」

凛 「にゃ!」カキーン

ボール ピューン(高めのフライ)

まきぱな アワアワ アセアセ トテッ コローンッ

ことり「いくよーにこちゃん!」

にこ「きなさい!」

ことり「ちゅん!」カキーン

ボール タッタッ(低めのバウンドボール)

にこ「はっ!」パシィッ

絵里「この子達…」

期待

穂乃果「いくよー海未ちゃん!」

海未「はい!」

穂乃果「ふんっ!」ピュンッ!

海未 パシィィンッ!!

海未「ナイスストレートです!穂乃果!」

穂乃果「えへへ、ん?誰かいる?…」

絵里「??」

穂乃果「あ!」

穂乃果「絵里先輩だ!おーーい!!」タッタッタッ

絵里(な…!なんで、こっちくるのよ…??)

穂乃果「こんばんわ!こんな時間になにしてるんですか?」

絵里「せ、生徒会の仕事よ…」

絵里「あなた達こそ、こんな時間まで…」

穂乃果「いやー、実はあの後やってくれる人を探したんですけど、やっぱり見つからなくって…」

穂乃果「こうなったら、7人で勝てるぐらい頑張ろうって…」

絵里「7人で…??」

絵里「そんなの、勝てるわけないじゃない…!」

穂乃果「あはは…そうかもしれないですね…」

穂乃果「でも、私達なんでも屋なので。受けた依頼は必ず成功させるのが信条なんです」

穂乃果「それに、みんな結構上手くなったんですよ!もうちょっと、頑張れば勝てるかもしれません!」

絵里「はぁ…あきれたわ…」

絵里「ちょっと、貸してみなさい」

穂乃果「へ?」

絵里「ボールよ」

穂乃果「は、はぁ…」パス

絵里「ちょっと、あっちの方で座って」

穂乃果「は、はい」タッタッタッ ストンッ

絵里「いい?いくわよ?」

穂乃果「え?ええ??」

絵里「ボールっていうのはね…」ゴゴゴ

絵里「こうやって投げるのよっ!!!」ドヒュンッッ!!

穂乃果「わっ!」パッシィィイン!!

絵里「ふぅ…分かった?あなたの投げ方では…」

穂乃果「すごい!!」

絵里「え?」

穂乃果「すごい!すごい!すごい!絵里先輩すごいです!」

絵里「あ、ありがとう…」

穂乃果「野球やってたんですか??」

絵里「え、あ、あぁ、昔少しね…」

穂乃果「本当ですか!やったーー!絵里先輩がいれば本当に勝てるかも!」

絵里「え??、いや、私はただ教えようと思っ…」

穂乃果「良かったー!これで8人だ!」

希「9人や、ウチを入れて」

絵里「希??」

穂乃果「え!希先輩も入ってくれるですか??」

絵里「ちょっと!私はまだ!」

希「まあまあエリチ、こんなに頑張ってるやし、助けてあげてもええんやない?」

絵里「の、希ぃ…」

穂乃果「やったーー!!これで9人で野球ができるぞーー!!」

穂乃果「おーーい!みんなー!!絵里先輩と希先輩が入ってくれるってー!!」

絵里「あ、ちょっと!」

ことり「わ~!ほんとに?穂乃果ちゃん?」

穂乃果「うん!今、希先輩がいいって言ってくれたんだ!」

希「よろしくね!ことりちゃん!」

ことり「よろしくお願いします!希先輩!」

にこ「それで、あんたはなんでそんな所に隠れてるわけ?」

絵里「??」

絵里「や、矢沢さん?」

にこ「にこでいいわよ」

にこ「まだ信用できないんだけど、あんたも協力してくれるってことでいいわけ?」

絵里「…」

絵里(どうしましょ…もう穂乃果さんも希も完全にノリ気になってるし…)

絵里(私もやっても構わないけど、一度つっぱねたから今更やりたいなんて言えない…)

にこ「ちょっと!黙ってないで、何かいいなさいよ」

絵里「え、えぇ…そうね、」

絵里「の、希がやるなら私もやるわ…」

絵里(よし!これで「しぶしぶ承認した感」が出たわ…!ハラショーよ!私!)

穂乃果「じゃあ、絵里先輩がピッチャーね!」

絵里「ええ??私なの?」

穂乃果「え?だって、さっきノリノリで投球見せてくれたじゃないですか」

絵里(そ、そんなノリノリだなんて…!私が野球やりたいみたいじゃない!)

絵里「の、ノリノリではないわ…」コゴエ

穂乃果「よーし!それじゃあ二人を加えてさっそく練習再開だーー!!」

みんな「おー!!」

次の日 試合当日-

試合グラウンド-


穂乃果「うーん!いい天気だねー!」

ことり「晴れて良かったね!穂乃果ちゃん!」

希「あ、敵さんも来たみたいよ」

穂乃果「ん~どれどれ~」

にこ「なんか…年寄りばっかりね…」

凛「あれなら凛達でも勝てそうにゃー!」

花陽「凛ちゃん!それでも油断は禁物だよ!」

凛「分かったにゃ!それじゃ、さっそく試合をはっじめっるにゃー!」

守備位置と打順はこんな感じです

1 ショート凛
2 セカンド にこ
3 サード 希
4 キャッチャー 海未
5 センター 穂乃果
6 ピッチャー 絵里
7 ファースト ことり
8 ライト 花陽
9 レフト 真姫

一回表 敵の攻撃-


穂乃果「絵里ちゃん!しまってこー!!」

絵里「え、えぇ…!」

敵バッター「お手柔らかになぁ~」ヨボヨボ

海未「は、はぁ…」

海未(本当におじいちゃんですね…大丈夫でしょうか…逆に心配になります…)

絵里「行くわよ!海未さん!」

海未「はい!」

バシッ! ストライーク!

バシッ! ストライーク!

バシッ! ストライーク! バッターアウツッ!!

敵バッター「ありゃ~、てんで打てんわ」ハッハッハッ

凛「絵里先輩、ナイスピッチングだにゃー!」

絵里「あ…ありがとう」

絵里(これは…)

海未(申し訳ないですが、勝ちましたね…)

一回表終了-


希「すごいやん!エリチ、三者三振やん!」

絵里「えぇ、思ってたよりも相手が弱くて助かったわ」

穂乃果「よーし!この勢いで攻撃も頑張ろう!」

穂乃果「まずは凛ちゃん!任せたよ!」

凛「任せるにゃ!一発デカイの打ってくるにゃ!」

一回裏 音ノ木坂の攻撃


凛「来るにゃー!」

敵ピッチャー「ほれっ!」

ボール ノロノロ~

凛(遅い!これなら…)

凛「にゃ!」カキーン

花陽「わぁ!凛ちゃんすごい!」

海未「ナイスバッティングですよ!凛!」

凛「えへへ///」

にこ「よーし!続くわよー!」

にこ「にこ!」カキーン

希「やん!」カキーン

海未「はぁ!」カキーン

穂乃果「ふんっ!」カキーン

花陽「みんな…すごい!」



----------------

7回裏 音ノ木坂6-0敵 2アウト


穂乃果「ふんっ!」スカッ!

バシッ! ストライーク! バッターアウツッ!!チェンジッ!

穂乃果「わーん!打てなかったよー!」

にこ「ドンマイよ!穂乃果!」

海未「そうです!次、頑張りましょう!」

真姫「さ!切り替えて、守備行くわよ!」

音ノ木坂ベンチ ワーワー

敵A「なんだか、彼女達の熱意を見てると、昔を思い出しますなぁ~」

敵B「そうですな、ワシらも若い頃はあのぐらい燃えてましたね」

敵C「なにか、心の奥底から熱いものがこみ上げてきますな」

敵D「ははっ、分かりますよ、その気持ち…」

敵C「あなたもそうですか!」

敵D「いいや、みんなもじゃ…」

敵全員 メラメラ

敵C(すごい…!みなさん、若い頃に戻ったかのような覇気だ…!そう、あの甲子園優勝をした頃の…!!)

8回表 敵の攻撃-


敵バッター メラメラ

海未(む…なんだか敵の雰囲気が違いますね…)

海未(絵里先輩…ここは、一度様子を見て外しましょう…)スッ

絵里 コクッ

絵里 ビュン!

海未(な…!甘い…!!)

敵バッター「…打ちごろだぜっ!」

敵バッター カキーン

海未「あぁ…!」

ボール ヒューーン ボスンッ

海未「そ、そんなホームラン…」

絵里「ご、ごめんなさいね、海未さん…少し甘くなってしまったわ…」

海未「絵里先輩…!!」

海未「す、すみません!タイムお願いします!」タッタッタッ

ゾロゾロ

にこ「まさか、ホームランとはね…」

真姫「なぜだが分からないけど、急に敵の雰囲気が変わったわ、気をつけましょ」

海未「それより絵里先輩!大丈夫ですか?少し疲れが見えますが…」

絵里「えぇ…大丈夫よ、まだいけるわ」

希「ほんと?エリチ無理してない?」

絵里「もちろんよ!さぁ、もうみんな散って散って。ほんと大丈夫だから」

希「う、うん…」

バラバラ

絵里(……くっ…)ズキズキ

絵里(まずいわね…肩が痛いわ…運動不足が祟ったのかしら…)ズキズキ

絵里(でも…なぜだか敵が強くなってるし…ここで私が踏ん張らないわけには…)ズキズキ

敵バッター「カモーン!」オラオラ

海未(絵里先輩…!!)

絵里(大丈夫…あと2イニングなら投げられる…!)

絵里「はぁ!」ビュン!

敵バッター 「甘いぜ!」カキーン

絵里「あぁ…!」

敵「よっしゃあ!続け!続け!」

敵バッター「オラァ!」カキーン

敵バッター「オラァ!」カキーン

敵バッター「オラァ!」カキーン

敵バッター「オラァ!」カキーン

敵バッター「オラァ!」カキーン

敵バッター「オラァ!」カキーン

絵里「くっ…」ズキズキ

海未(まずいですね…6-8…遂に逆転されてしまいました…)

海未(それに絵里先輩も、もう…)

絵里(はは…ダメね…私…)

絵里(結局、なんの助けにもなれないじゃない…)

絵里(もう…私なんかじゃなく穂乃果さんが投げた方がいいんじゃ…)

凛「絵里せんぱーーい!!」

絵里「…え?」(星空さん?)

凛「凛が後ろにいるから!!」

凛「安心して投げて!!!」

絵里「…!!」

花陽「そうです!!」

花陽「どんどん打たせてちゃってください!私達でカバーします!!」

絵里(小泉さんも…)

にこ「そうよ!一人でなんでもやろうとするんじゃないわよー!」

真姫「私達を甘く見ないでよね!」

ことり「絵里先輩!無理しないでくださいね!ことりがついてますから!」

穂乃果「絵里先輩ー!!ファイトーーー!!!」

絵里「みんな…」

希「エリチ!」

絵里「希…」

希「なんも心配することないよ!安心して思いっきりいけばいいんよ!」

海未 バッシィィイン!! (グローブを叩く音)

絵里「海未さん…」

海未(さぁ!絵里先輩!最高のボールを!)スッ

絵里「…」

絵里(この子たち…)

絵里(こんな私を応援してくれるっていうの…?)

絵里(私はいままで、あなた達の邪魔ばかりしてきたのよ…?)

絵里(なんで、そんな真っ直ぐな目でこっちを見るの…?)

絵里(…)

絵里(バカよ…ほんとに…)

絵里(こんなの…)

絵里(頑張るしかないじゃない…!!)メラァッ!

敵バッター「ん~。いいねぇ~、その熱い友情…」

敵バッター「燃えるじゃないかぁ!」メラァッ!

海未(サインは出しません!絵里先輩の一番自信のあるボールでお願いします!)

絵里(ありがとう…海未さん…みんな…)

絵里(おかげで最高のボールが投げられそう…)

絵里(これが…)

絵里(私の…)

絵里(ベストボールよっ!!)ビュンッ!

海未「きゃっ!」

バシィィインッッッ!!!!!

海未(な…!!ボ、ボールが……)シュゥゥゥ…

敵バッター(見えなかった……)

審判「…す、ストライークっ!」

絵里 ゴゴゴゴゴゴ

海未(絵里先輩の様子が…!!)

絵里(不思議…痛みが引いた…いや、それどころか体がいつになく軽い…頭も冴えてる…)

海未(もしかして…あれは…ゾーン…!!)

海未(一流のスポーツ選手が稀に入る事があるという超集中状態…!!!)

敵「そ、そんなバカな事あるかっ!!早く次のボールをよこさんかっ!!」

絵里 ギロリッ…

敵 ヒッ….!!

バシィィインッッッ!!!!!ストライーク!!

バシィィインッッッ!!!!!ストライーク!!アウツッ!!!

凛「す、すごいにゃ…」

海未「ナイスボールです…!絵里先輩…!」ヒュンッ

絵里 パシッ

敵バッター「おう、おう、おう!」

絵里 チラッ

敵バッター「何があったか知らねぇが、俺は、前の奴より甘くはねぇぞ!」

絵里 グルグル

絵里(…肩の痛みはない、いける…)

絵里 (ギロリッ)ドンッ!

海未(く、空気が…!!)

敵バッター「…カモーン♪」

絵里 スッ…

絵里(いくわ…!!)

絵里「はあっ!!」ビュンッ!

カキーーーーーーーーーーーーン

海未(…え?)

敵バッター「…甘いねぇ…」

敵バッター「これぐらい甲子園にはゴロゴロいたぜ…」

ボール ヒューーーー… ボスンッ

絵里「そ…そんな……」

花陽「…と、とりました……」イテテ…

敵バッター「??」

敵バッター「バカな…!絶対とれない位置だろ…そりゃ…!!」

絵里「こ、小泉さん……!」

審判「アウツッ!!チェンジッ!!」

花陽「へへへ…」

凛「かよちん、すごいにゃーーー!!!」

穂乃果「本当だよ!花陽ちゃん、すごい!」

花陽「ありがとう…みんな、」エヘヘ

絵里 ザッ

花陽「あ…絵里先輩…」

花陽「ナイスピッチングです…」エヘヘ

絵里「…まったく…無茶するのね…」

絵里「ありがとう…小泉さん…!」

花陽「…!」

花陽(絵里先輩からお礼言われちゃった…)

希「エリチっ!!」タッタッ

絵里「のぞみ、」

希「大丈夫なん?どこか怪我してない?」

海未「そうです!最後の方は集中していて感じなかったかもしれませんが、明らかに様子がおかしかったです!」

絵里「だ、大丈夫よ…さぁ、攻撃に…」

希 「エリチ!」ガシッ

絵里「いっつ…」ズキ

希「やっぱり…怪我しとるんやね…」

絵里「…」

希「エリチのバカ!」

絵里「??」ガーン

希「エリチが怪我したらウチがイヤや!」

絵里「のぞみ…」

絵里「ごめんなさいね…心配かけちゃったみたいで…」

絵里「でも、それでも…私が投げなきゃいけないの…」

穂乃果「絵里先輩!」

絵里「どうしたの、穂乃果さん?」

穂乃果「私が投げます…!」

絵里「??」

絵里「で、でも…あなたのボールじゃ、悪くいうつもりはないけど…その、きっと打たれてしまうわよ…」

穂乃果「かもしれません…」

穂乃果「でも!怪我してる絵里先輩に、これ以上投げさせることはできませんっ!」

絵里「待って!私なら、投げてる際中は痛みを感じないわ…!」

絵里「それに…依頼は必ず成功させるんでしょ?それがあなた達なんでも屋の信条なんでしょ??」

穂乃果「信条よりも大事なものがあります…!」

絵里「…??」

にこ「負けるつもりもないけどね」

ことり「絵里先輩っ!後は私達に任せてください!」

海未「大丈夫ですよ、私達はなんでも屋ですから」ニコッ

真姫「そうよ、結構ひどい怪我なんだから大人しくしてなさい」

真姫「後は、この天才真姫ちゃんが一発ホームランを打ってやるわ…!」

絵里「西木野さん…」

絵里「あなた…」

真姫「ん?なに?」

絵里「今日ヒット0よね?…」

真姫「ちょ、ちょっとー!それは今関係ないでしょ!!」

凛「大丈夫だよ!真姫ちゃん!真姫ちゃんが打てなくても、凛が打つから!」

真姫「余計なお世話よ!」

絵里「ふふっ…、面白いわね…」

絵里「頑張ってね、真姫っ!」

真姫「は、はぁ??///なに急に呼び捨てにしてんのよ!イミワカンナイッ!!」

八回裏 6-8 音ノ木坂の攻撃


真姫(まったく…みんな、私が打てないと思って…)

真姫(見てなさい…!!)

敵ピッチャー ビュンッ!

バシッ! ストライーク!

真姫(やっぱり速い…!でも、さっきより見えるわ…!)

敵ピッチャー ゼェ…ハァ…

真姫(…!なるほど、心は昔に戻ったみたいだけだ、体の方はついて来てないのね…!)

敵ピッチャー ビュンッ!

真姫(いける…!!)

真姫 「ていっ!」カキーン!

ボール ダッタタッ

真姫(や…やったわ…!!!)

凛「真姫ちゃんが打ったにゃーー!?」

真姫(とりあえず一塁に来れたわ…)

真姫(さ、次は凛の番よっ!)ウインクッバチコーンッ!

凛(真姫ちゃんが調子にのってるにゃ…)

凛(凛も頑張らなきゃ…!!)

凛「にゃ!」カッキーン!

凛「やったにゃ!」

敵ピッチャー ゼェ…ハァ…

にこ「よし!何か知らないけど相手も疲れてるし、一気に畳み掛けるわよ!」ダッ!

にこ「さあ!きなさい!」

敵ピッチャー ゼェ…ハァ…

敵ピッチャー(お、俺が…負ける…?)

敵ピッチャー 「ふんっ!」ビュンッ!

にこ 「てやっ!」カスッ!

ファール

にこ(やっぱりボールが遅くなってるわね…これなら、いけそうだわ…)

敵ピッチャー ゼェ…ハァ…

敵ピッチャー(こんな野球素人の女子高生に…)

敵ピッチャー「あぁっ!」ビュンッ!

にこ「ふんっ!」スカッ!

にこ(…!?また、速くなってない…?!)

凛「にこちゃん、落ち着いていくにゃー!」

にこ「分かってるわよ!黙って見てなさい!」

にこ(そうよ…落ち着きましょ…大丈夫、しっかり球を見て…)

敵ピッチャー ビュンッ!

にこ「きゃっ!」

スパンッッッ!!!

にこ(……え?)

にこ(な、なによ今の…)

敵キャッチャー「審判、判定を」

審判「えっ、あ、あぁ…す、ストライークっ!バッターアウツッ!!」

敵ピッチャー フシュゥゥゥゥ…

絵里「あ、あれって…」

希「カーブやね…」

穂乃果「か、カーブってあんなに曲がるものなの??」

希「い、いや…普通あそこまで曲げられるものじゃないよ…」

希「あれは、敵なピッチャーがすごいんや…」

敵キャッチャー(ふふふ…思い出すな…甲子園を…)

敵キャッチャー(俺達はこのカーブで甲子園に行ったんだ…まさか、こんなじじいになっても見れるとは…)

敵キャッチャー(……)

敵キャッチャー(いや、あれは、とても"じじい"なんて言っていいもんじゃねえか…)

敵ピッチャー フシュゥゥゥゥ…

にこ「全く軌道が見えなかったわ…」

にこ「なんなのよ…あれ…」

希「次はウチやね」

にこ「希!」

にこ「ひとつ言っておくわ、あのボール一度自分の顔に向かって飛んでくるわよ…気をつけなさい。まぁ、そこから一気に曲がるけど…」

希「分かった…」

希 ザッ

希(顔に向かってくる…か)

希(つまり、そこでのけぞらないで、しっかり見れば捉えられるって事やね…)

希(やるしかないやん…!)

敵ピッチャー ビュンッ!

希(き、きたっ!)

希(ここでのけぞらないで…)

ボール ズオオオオオ!!!!

希「えっ?」

希「きゃ、きゃっ!」

敵キャッチャー 「ちっ!」パシィッ!

審判「…ぼ、ボール!」

希(そ、そんな…)

海未「ボールが曲がらなかった…」

敵キャッチャー(ったく…ノーコンも昔のままかよっ!)ヒュンッ

敵ピッチャー パシッ

希(嘘やん…これじゃあ…避けるしかない…)

敵キャッチャー(…まぁ、いい気はしねぇが、ビビらせる効果もあるんだがな…)

敵ピッチャー ビュンッ!

スパンッッッ!!!ストライークッ!

スパンッッッ!!!ストライークッ!

スパンッッッ!!!ストライークッ!アウツッ!

ことり「そんな…3球連続…」

希「ごめん…ウチ、ビビってもーた…」

絵里「希が謝ることじゃないわ…」

希「で、でも…!」

海未「大丈夫ですよ、希先輩」

希「海未ちゃん?」

海未「私が繋ぎます…」チラッ

穂乃果 ドキッ!

穂乃果「う、海未ちゃん…!」

海未「後は任せましたよ…穂乃果」スクッ

ことり「海未ちゃん…」

海未「ことり…」

ことり「大丈夫…なんだよね?」

海未「はい…大丈夫です…」

ことり「無茶しようとしてるでしょ…」

海未「……はい」

ことり「…」

ことり「分かったよ…」

海未「ことり…」

ことり「こうなった海未ちゃんは止められないもんね…」

海未「すみません…」

ことり「し、死なないでね??」

海未「あはは、死にはしませんよ、」

海未「では、行ってきます!穂乃果!頼みましたよ!」

穂乃果「わ、分かった!」

海未 ザッ…

にこ「ちょ、ちょっと!海未は何しようとしてんのよ!」

穂乃果、ことり「わからない…」

にこ「分からないの??でも、あんた達…」

穂乃果「分からないけど…」

ことり「無茶しようとしてるのは分かるよ」

にこ「無茶って…」

にこ「海未…」

海未(私がやるしかない…)

海未(ここで、私がなんとかできれば…きっと穂乃果なら…)

敵ピッチャー ビュンッ!

スパンッッッ!!!ストライークッ!

海未 シーン

にこ「ちょ、ちょっと!まさか、避けない気??」

海未(打てる気がしない…やっぱり、やるしかない…)

敵ピッチャー ビュンッ!

スパンッッッ!!!ストライークッ!

海未 シーン

敵キャッチャー(こいつ…まさか…)

にこ「危なすぎるわ!当たりどころが悪けりゃ死ぬわよっ!!」

穂乃果、ことり「…」グッ…

海未(2ストライク…次が最後…)

海未(大丈夫…私の反射神経なら…)

敵ピッチャー ビュンッ!

海未(やれるっ…!!)

ガツンッ!!!!!!

海未「ぐ、ぐああ…」ストンッ!

ことり、穂乃果「海未ちゃんっ!!」ダッ!

ことり「だ、大丈夫??」

海未「え、えぇ…くっ!…大丈夫です…」

ことり「そんな…左腕を…、はやく治療しなきゃ…!」

海未「私は大丈夫です…、それより穂乃果…!」

穂乃果「…うん」

穂乃果「分かったよ…海未ちゃんの思い…」

海未「穂乃果…」

穂乃果「私、必ず打つよ、それですぐ海未ちゃんを帰すから…!待ってて!!海未ちゃん!!」

ことり「穂乃果ちゃ…」

海未「ふふっ…ありがとうございます、穂乃果。その言葉を聞けただけで、痛みも和らぎます。それじゃあ、待ってますよ!穂乃果!」

審判「で、デッドボールっ!!」

敵ピッチャー 「…」

敵キャッチャー(く…や、やられた…)

穂乃果「よーし!来いっ!!」

敵キャッチャー (一度デッドボールをやっちまうと…)

敵ピッチャー ビュンッ!

ボール ズオオオ!!

穂乃果「はぁ!」カスッ!

敵キャッチャー(デッドボールを恐れて、カーブが甘くなっちまう…!!)

海未(よ、よし!)

にこ「い、いけるわっ…!!」

凛「いっけーー!!!穂乃果ちゃんっ!!!」

敵キャッチャー (くっ…これならストレートの方が…)スッ

敵ピッチャー ビュンッ!

ボール ズオオオ!!

敵キャッチャー(お、おい!それはカーブ…)

穂乃果(待ってて…!海未ちゃん…!!)

カッキィィィィィィンンンン!!!!

ボール ヒューーーン ボスンッ

敵キャッチャー「……」

花陽「ほ、ホームラン…!!」

花陽「逆転ホームランですっ…!!!!」

ワァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!!!

ことり「や、やったよ!にこちゃん!」

にこ「え、えぇ!すごいわ!穂乃果!」

絵里「ハラショー…」

希「穂乃果ちゃん…!」

真姫「さすが…穂乃果ね…!」ダッ!

凛「穂乃果ちゃん!すごいにゃー!!」ダッ!

海未「信じてましたよ…」

穂乃果「海未ちゃんを早く助けなきゃって思って…」エヘヘ…

ことり「二人ともー!!」

穂乃果「ことりちゃん!」

穂乃果「海未ちゃんを早く治療してあげて!」

ことり「う、うん!」

海未「あ、あぁ、その事でしたら、大丈夫ですよ」

穂乃果「またそうやって無理する!もう!悪いクセだよ!」ガシッ

海未「ちょ、ちょっと!穂乃果!私は本当に大丈夫なんです!」

穂乃果「だからー!」グイグイ

海未「だいいち、穂乃果、今掴んでるじゃありませんか」

穂乃果「あっ…」グイ…

ことり「えっ?」

海未「いいですか?ボールが当たったのは私の腕では無くバットです。だから、私は怪我してません!」

穂乃果「え、でも、海未ちゃん痛がって…」

海未「演技です!痛がらないとデッドボールにならないかもしれないじゃないですか!」

穂乃果「そ、そんなぁ~」

ことり「で、でも良かった!海未ちゃんが怪我してなくて!」

穂乃果「そうだけど、私のあの時の思いはどうなるのさ!」

海未「ふふっ…それも含めて計算済みです」

穂乃果「えぇー!!海未ちゃんひどーい!」

ことり「ふふっ」

絵里「ちょっとー!はやくベンチに戻りなさい!次は私の番なんだから!」

穂乃果「あ、ごめんなさーい」

海未「絵里先輩、大丈夫なんですか?怪我は」

絵里「そうね…打てはしないかも…でも、次の回、守ってくれるんでしょ?」チラッ

穂乃果「はい!もちろんです!」

絵里「頼もしいわ」

穂乃果「それじゃあ、絵里先輩頑張ってくださいねー!」タッタッタッ

絵里(さぁーて…)

絵里 ブンッ

絵里「いたっ…」ズキズキ

絵里(やっぱり…打つのは無理そうね…)

バシッ! ストライーク!

絵里(でも、きっと大丈夫…)

バシッ! ストライーク!

絵里(なんてたって、ラストイニングには…)

バシッ! ストライーク! バッターアウツッ!!チェンジッ!

9回表 9-8 敵の攻撃


穂乃果「よぉーーし!!しまってこぉーー!!」

みんな「おーー!!」

敵バッター(も、もうダメじゃぁ…)ノロノロ

海未(あれ?もしかして、戦意喪失して….)

穂乃果「とお!」ビュンッ!

バシッ! ストライーク!

海未(バットを振ろうともしない…)

海未(これは…)

凛「絵里先輩っ!!」クルッ

絵里「えぇ…!でも、油断は禁物よ!」

凛「分かったにゃー!!」

穂乃果「いっくよー!」

穂乃果「おりゃ!」ビュンッ!

バシッ! ストライーク!

ビュンッ!

バシッ! ストライーク! バッターアウツッ!!

穂乃果「やったー!」ピョンピョンッ

敵バッター「お手柔らかになぁ~」ヨボヨボ

海未(初めに戻ってる…!)

穂乃果「どんどんいくよー!」

ビュンッ!

バシッ! ストライーク!

ビュンッ!

バシッ! ストライーク!

ビュンッ!

バシッ! ストライーク! バッターアウツッ!!

ことり「あ、あとアウト1つ…!」

ザッ!

海未(こ、この男は…!)

敵キャッチャー「そー簡単には、いかせないぜぇ…」

穂乃果(ごくり…)

海未(まだ覇気がある…!くっ…あと1つだっていうのに…!)

穂乃果 クルッ

みんな コクリ…

穂乃果(私は多分打たれる…)

穂乃果(自分がそんなにすごいプレイヤーだとは思わない…)

穂乃果(でも…!)

穂乃果(私には…みんながいるから…!)

穂乃果(私は絶対に負けないんだ…!)

穂乃果「いくよ!海未ちゃん!!」

海未「はいっ!」

穂乃果 スッ…

穂乃果 「おりゃー!」ビュンッ!

敵キャッチャー(遅せぇ!さっきの奴に比べたら、こんなもん…!)

カッキィィィィィィンンンン!!!!

ボール ヒューーーン

絵里「!?」

敵キャッチャー ニヤリ…

海未(なっ!?肩を痛めてる絵里に…!)

花陽「絵里先輩っ!!」

絵里(だ、大丈夫よ…痛めてるのは右肩…左で取れば…)

絵里 ズッキィィ!

絵里(いっ….)

花陽「絵里せんぱーい!!」タッタッタッ

絵里「えっ?」

ドシャアァァァアン!!!!

真姫「な、は、花陽!絵里先輩!」

スッ

花陽「と、とりました…!」

絵里「小泉さん…!」

敵キャッチャー「なっ…!?」

審判「あ、アウツッッ!!ゲームセットッ!!!」

敵キャッチャー「そ、そんな…」

凛「や…」

凛「やったにゃーーーーーーー!!!!」

凛「かよちーん!!」ダッ!

花陽「わわっ!凛ちゃん!」

絵里「ちょ、ちょっと!星空さん!?」

穂乃果「わーーーい!!!私も、私もー!!」ダッ!

絵里「ちょ、まって」

希「それじゃ、ウチも!」ダッ!

絵里「希までっ…!」

ことり「私たちも行こうか!」ダッ!

海未「はい!」ダッ!

にこ「行くしかないような!真姫!」

真姫「な…///わ、私はいかないっ!///」

にこ「そう?じゃあ、にこだけ行くわ」

にこ「わーー!!」ダッ!

真姫「ちょ、ちょっとー!!」

真姫「も、もう!私も行くけどーー!!」ダッ!

絵里「ちょ、ちょっと!あなた達!?」

穂乃果「よぉーし!みんなで絵里先輩を胴上げだーー!!」

絵里「えぇ!?」

みんな「おー!」

絵里「ちょ、ちょっと!ほんとに危ないわよ!?」

みんな「せぇーの!わーしょい!」

ドサッ!

絵里「いたっ!」

みんな「…」

希「さすがに8人じゃ支えきれなかったみたいやね…」

絵里「あなたたちー…」ゴゴゴゴゴ…

穂乃果「や…やばい…」アワアワ

凛「逃げるにゃーー!!」ダッ!

絵里「コラァ!待ちなさーーーいっ!!!」ダッ!



第3話 「なんでも屋と野球」 完

たのしそう
でも最初にほか作品の名前を出す必要はなかったな

>>49
※すみません、にこのセリフでミスあったんで、ここで修正しときます。


ガチャ ??真姫「こ、こんにちわ~、依頼に来たんで…」

??※にこ「にこっ!」キャルンッ

??鏡 カワイイヨ!

??真姫(何やってんだ…この人…) ??

真姫「あ、あの~」

??にこ「っ??」ビクゥッ!!?? ??

にこ「だ、誰……?」

??真姫「いや、依頼に来たんですけど…」

??にこ「依頼??」 ??

にこ(嘘!本当にこの子依頼に来たの??依頼なんていつぶりよ!) ??

にこ(ていうか、もしかして、さっきの見られた…?)

??にこ(最悪…誰もこないと思って油断してたわ…) ??

にこ(にこにー反省…)

>>139
※なんか、ものすごい??ついてしまってたので、修正します…
修正の修正で申し訳ないです。


ガチャ

真姫「こ、こんにちわ~、依頼に来たんで…」

※にこ「にこっ!」キャルンッ

鏡 カワイイヨ!

真姫(何やってんだ…この人…)

真姫「あ、あの~」

にこ「っ??」ビクゥッ!!??

にこ「だ、誰……?」

真姫「いや、依頼に来たんですけど…」

にこ「依頼??」

にこ(嘘!本当にこの子依頼に来たの??依頼なんていつぶりよ!)

にこ(ていうか、もしかして、さっきの見られた…?)

にこ(最悪…誰もこないと思って油断してたわ…)

にこ(にこにー反省…)

第4話 「なんでも屋と生徒会」


放課後-

なんでも屋部室-

女子生徒A「穂乃果!聞いたよ!!野球買ったんだって!?」

穂乃果「へへ…う、うん」

女子生徒B「すごいよね!相手は大人でしょ!!」

真姫「大人ねぇ…」

女子生徒C「ねえ!ねえ!今度、私たちバレー部の試合も助っ人にきてよっ!」

穂乃果「えっ!?」

女子生徒D「あ!ちょっと、私もなんでも屋さんに助っ人頼もうとしてたのに!」

穂乃果「え、えぇ!?」

女子生徒E「待ちなさいよ!私たちバスケ部にも助っ人に…!」

穂乃果「ちょ、ちょっと…み、みんなぁ…」アセアセ

絵里「…」

絵里「んんっ~コホンッ!」

女子生徒達「せ、生徒会長…!」

穂乃果「絵里先輩、どうしたんですか?」

絵里「注意しにきたのよ…」

絵里「あなた達…」クルッ

女子生徒達 ビクッ

絵里「うちの学校は原則として、その部活に所属していない生徒が試合に出ることは禁止されています」

絵里「だから、なんでも屋に試合出場の依頼をする事はミトメラレナイワ」

女子生徒達「そ、そんな…」

絵里「分かったら、はやく自分達の部活に戻りなさい…」

女子生徒「はぁーい…」トボトボ

絵里「まったく…」

海未「助かりました!絵里先輩!」

絵里「え…えぇ…あなた達も、あの手の依頼は受けないようにね」

絵里「…」

絵里 「…」スッ…

にこ「…」

にこ「…いや、なんで椅子に座るのよ」

絵里「え!?」

にこ「いや、え!?じゃなくて…」

絵里「な、なによ!疲れたのよ!」

にこ「じゃあ、生徒会戻りなさいよ!」

絵里「…」

ことり「どうかしたんですか?絵里先輩?」

絵里「い、いや…」

真姫「そういえば、怪我は大丈夫なの?」

絵里「だ、」

絵里「大丈夫じゃないわ!」

にこ「うわっ、なによ急に…」

絵里「…私が怪我してるせいで、希か一人で仕事してるのよ…」

海未「一人?ですか?」

海未「他の生徒会部員は…」

絵里「いないわ…生徒会は私達二人だけよ…」

穂乃果「そうだったんですか!?」

スケットダンスや銀魂の名前を出す必要性はなかったね

絵里「そ、それで…」

絵里「その…」

にこ「なによ、はっきりしなさいよ」

絵里「て…」

ことり「て?」

絵里「手伝ってほしいの…生徒会の仕事…///」

なんでも屋「…」

絵里「…///」

絵里「ちょ!ちょっと!!黙らないでよ!」

海未「あ…、いや、そんな事かと、思いまして…」

海未「なにやらすごく言いづらそうだったので、何かとんでもない事でもあったのかと…」

絵里「わ、私にはとっては、とんでもない事よ!」

絵里「さ、はやく来なさい!依頼は断らないんでしょ!!」クルッ タッタッタッ

穂乃果「わわっ!ちょっと待ってくださいよー!」

生徒会室-

絵里「希ー、連れてきたわよ」ガチャッ

なんでも屋 ゾロゾロ

希「わぁ!ほんとに連れてきたん?」

ことり「こんにちわー」

希「こんにちわ。ごめんな、ことりちゃん。こんな事手伝わせるなんて…」

ことり「いいんですよ、私達、なんでも屋なんで!」

希「ありがとな、」

希「それで、聞きたいんやけど、エリチどうやって依頼出したん?」コソコソ

ことり「あっ…!それはですねぇ~、面白くて…」コソコソ

絵里「ちょ、ちょっと!そこ!」アセアセ

絵里「ふざけてないで、仕事するわよ!」

希、ことり「はぁーい♪」

海未「それで、私達は何を手伝えば…」

絵里「あ、あぁ…えっと…そうね、そこにある書類をまとめてもらおうかしら」

絵里「できそう?」

穂乃果(うわっ!多いなぁ…)

海未「はい!任せてください!」

穂乃果(穂乃果は、もっと楽そうな…)イソイソ…

海未「あなたもやるんですよ!穂乃果!」

穂乃果「えっ!?う、海未ちゃんエスパー!?」

海未「あなたの考えそうな事です、さっ、そっちの書類をまとめてください!」

穂乃果「は、はぁーい…」シブシブ

絵里「さっ!みんな仕事に取りかかって!」

みんな「あいさー!」

----------------

カリカリカリカリ…

絵里「…」

カリカリカリカリ…

絵里「…」

カリカリカリカリ…

絵里「…」

絵里(ひ、暇だわ…)

絵里(私だけ、怪我してて何もできない…)

カリカリカリカリ…

絵里(もっと穂乃果さんとか、ふざけると思ったら、真面目にやってるし…)

絵里(なんか…罪悪感あるわね…)

穂乃果「む~……」

絵里(…!穂乃果さんが、うなってる!)

穂乃果「むむ~…」

絵里(これは、会話が始まる予感…!)

海未「穂乃果…」ギロ…

穂乃果「うっ…」

海未「まったく…喋る暇があるなら、手を動かしなさい」

穂乃果「は、はぁーい…」

絵里(…海未さん…)

絵里(厳しいのね…)

絵里(せっかくのチャンスを逃してしまったわ…)

絵里(…)

絵里(まだ、いけるかしら…)

絵里(穂乃果さんに、さっきの事について聞けるかしら…)

絵里(海未さんは怒ってたけど、私が喋るぶんには、きっと怒らないわよね…)

絵里(よ、よし!いくわ!この罪悪感から逃れるために…!)

絵里「あ、あの穂乃果さん…」

穂乃果「ん?なんですか?絵里先輩」

海未 カリカリ…

絵里(いけそうだわ…!)

絵里「え、えっと、さっき唸ってたのって何だったのかしら?」

穂乃果「え?」

海未「絵里先輩?」

絵里(ま、まずいわ…不審がられてる…)

絵里(さすがに、時間経ちすぎてたか…)

絵里(と、いうか唸ってる理由とか聞くのおかしいわよね…)

絵里「い、いや、別に大した事じゃないんだけどね??ほ、ほら、なんか会話が無いって言うのも変じゃない???だから、その、…ねっ!」

海未「は、はぁ…」

にこ「なんか、絵里がそんな事言うなんて変ね」

絵里「うっ…」

希「ふふっ…エリチは、一人だけ何もしてなくて寂しかったんやね♪」

絵里 ギクッ

にこ「はぁーん…あの絵里がねぇ…」ニヤニヤ

絵里「べ、別にいいでしょ!それで!?さっきはなんで唸ってたの?穂乃果さん!」

穂乃果「あー…えっと、大した事じゃないんですけど…」

穂乃果「仕事、たいへんだなーって…」

ことり「ほんとに、大した事じゃないね…」アハハ

穂乃果「ま、まって!まだ先があるよ!」

穂乃果「これをいつもは、二人でやってるなんてたいへんだなーって…」

海未「結局、同じ事じゃないですか…」

希「まあまあ、ええやん、これで話の種はできたんやし♪」

希「ん~。たしかに、いつもは二人でたいへんやね~」

海未「誰か生徒会に入ってくれる人はいないのですか?」

希「そうやね…いない事もないんやけど…。実は深ーいわけがあって二人で生徒会をやっとるんよ…」

真姫 ゴクッ…

絵里「ちょ、ちょっと!希!変な作り話はやめて、深いわけなんかないでしょ?」

希「あはは、ごめんなさーい♪」

穂乃果「えぇ、ちょっと期待したのに…」

希「ごめんな、穂乃果ちゃん、ウチらが二人なのは本当、大した理由じゃないんよ、」

絵里「えぇ、ただ、やる気のある人がいないだけよ」

希「それは、エリチがそう思ってるだけやろ?きっと入れば、みんな頑張ってくれたのに…」

真姫「それって、志望者はいるけど、絵里先輩が全部断ってるって事ですか?」

希「そうやね、みんな、いい子達だったのに、エリチが…」

絵里「ちょっと、希!それじゃ私が悪者みたいじゃない!私はただ、事前に生徒会の仕事は甘くないって事を伝えようと思って…」

ことり「でも、このまま誰も入らなかったら、どうなるんですか?」

絵里「…」

絵里「なくなるわね…」

穂乃果「えぇ!?一大事じゃないですか!!」

絵里「分かってるわ…」

絵里「だから、今なんとかしようって…」

にこ「なんとかって、具体的に何かあるの?」

絵里「うっ…」

にこ「ないんでしょ?何のプランも」

絵里「こ、これから、考えて…」

にこ「無理ね」

絵里「なっ!そ、それじゃあ!どうしろって言うのよ!」

にこ「決まってるじゃない」

にこ「ね、希?」

希「ウチ?ふふっ、でもこれはエリチに言ってほしいなぁ」チラッ

絵里「…」

絵里「で、できるの…?あなた達に…」

にこ「愚問ね、私達はなんでも屋よ。受けた依頼は必ず成功させるわ」

絵里「…!」

絵里「じゃ、じゃあ、その…」モジモジ

絵里「せ、生徒会の…」

絵里「後継者を…見つけてきてもらえないかしら…///」

希(何を、そんなに緊張してるんや…)

穂乃果「分かりました!絵里先輩!その依頼、このなんでも屋が必ず成功させます!」

穂乃果「よーし!それじゃあ、私、一年生の教室行ってくる!」ダッ!

ガチャッ

海未「えぇ!?ちょっと、穂乃果ぁ!?」

ことり「…行っちゃったね…」

真姫「一年生の教室って…まさか」

ガチャッ

穂乃果「たっだいまー!」

凛「私たちに頼みたい事ってなんですか?絵里先輩?」

花陽「わぁ…ここが生徒会室…初めて入った…」

真姫「やっぱり…」

絵里「星空さん…小泉さん…」

凛「あ!そうだ!絵里先輩、怪我は大丈夫なんですか??」

絵里「え、えぇ、大丈夫よ。ありがとう…」

凛「良かった~。凛、あの後結構心配したんですよ」

凛「あ、それで、私たちに頼みたい事っていうのは…」

絵里「えっ…」

穂乃果「それはね、二人に生徒会に入って欲しいって事だよ!」

絵里「ちょ、ちょっと…」

花陽「えぇ!?私たちが!?」

凛「生徒会に!?」

穂乃果「うん!実は、今、生徒会って絵里先輩と希先輩の二人しかいなくて…、後継者に困ってるところなんだよ、」

絵里「…」

花陽「二人だけ…」

穂乃果「それで、二人は大丈夫かな??」

凛「どうする?かよちん?」

花陽「う、う~ん…」

花陽「それで絵里先輩達が助かるなら…」

花陽「私達は部活にも入ってないので…」

花陽「どうかな?凛ちゃん?」

凛「凛もそう思うよ、絵里先輩を助けられるなら、入ってもいいと思う」

花陽「凛ちゃん…!」

凛「どうせ、いつも暇してたしね!」

凛「生徒会で絵里先輩や希先輩と仕事ができたら、楽しそうだにゃ!」

穂乃果「ほんとに!?やった!絵里先輩!ふたり…はいっ…て…くれる……」

絵里「……」

穂乃果「…絵里先輩?」

絵里「…ってに、決めないでよ……」

花陽「え?」

絵里「勝手に決めないでよっっ!!!」

凛「にゃ…」タジ…

絵里「そんな、暇だからとか、楽しそうだからとか、私を助けたとか……!!」

絵里「そんな軽い気持ちで、やってほしくなんかないっ……!!!」

絵里「第一、それで了承したら、今まで断ってきた子達はどうなるのよ…!!」

希「エリチ…」

絵里「…はっ……!」

みんな「………」

絵里「…ごめんなさい……」

穂乃果「そ、そんな…絵里先輩が謝る事じゃ…」

絵里「私、もう帰るわね……」クルッ ガチャリ…

穂乃果「あぁ!絵里先輩っ!!」

にこ「…絵里……」

穂乃果「ご、ごめんなさい…。私が勝手にいろいろしちゃったから……」

ことり「…」

海未「…」

花陽「穂乃果先輩…」

穂乃果「な、なに?花陽ちゃん?」グスッ

花陽「今すぐ絵里先輩を追いかけてください。そして、明日も生徒会に来るように伝えてください…」

穂乃果「花陽ちゃん…?」

花陽「穂乃果先輩…!」

穂乃果 ビクッ!

穂乃果 「わ、分かったよ…!花陽ちゃん、何か考えがあるんだね…!私、行ってくる……!」クルッ ガチャ!

ことり「穂乃果ちゃん…!」

花陽「なんでも屋のみなさん…。頼みがあります…。」

花陽「この仕事…私達二人に任せてくれませんか?」

凛「かよちん…」

にこ「なるほどね…。この仕事を二人で明日までにやりきる事で誠意を見せようってわけね」

にこ「分かったわ…、さぁ行くわよ、みんな」

真姫「で、でも、この仕事量は、とても慣れてない二人じゃ…!」

にこ「真姫…!」

真姫 タジッ…

にこ「私達には、もうやれる事は無いはずよ」

にこ「…穂乃果以外はね…」

廊下ー


絵里(また、やってしまった…)

絵里(あんな強く言うつもりなんて無かったのに…)

絵里(傷ついたかしら…)

絵里(傷ついたわよね…)

絵里(最低だわ私…星空さんも小泉さんも、なにも悪くないのに…)

穂乃果「…っ絵里先輩!」

絵里(!?)

絵里「穂乃果さん…」

絵里「そ、その…ごめ…」

穂乃果「ごめんなさいっ!」ペコリッ!

穂乃果「私…、全然絵里先輩の気持ち考えられませんでした……!!」

穂乃果「自分の事ばっかりになっちゃって…周りが見えなくなっちゃって…そうやって絵里先輩に迷惑かけちゃいました……!!」

絵里「そ、そんな…」

穂乃果「本当にごめんなさい……!!」

絵里「い、いいのよ、穂乃果さん…頭を上げて?」

絵里「悪いのは私よ、キツく言ったりしてごめんね…」

穂乃果「絵里先輩…」グスッ…

絵里「星空さんや小泉さんにも謝したいんだけど…」

絵里「一緒に来てくれる?」

穂乃果「はいっ!」

穂乃果「あ!違う!違う!やっぱ今の無しで!」

絵里「え?」

穂乃果「絵里先輩、明日!謝ってください」

絵里「え?明日?今じゃダメなの?」

穂乃果「ダメです!あと、明日、生徒会室で!謝ってください」

絵里「えぇ…なんで、そんな限定的なの…」

穂乃果「ちゃんと伝えましたからね!」

穂乃果「そ、それじゃあ!また明日!」タッタッタッ

絵里「え、えぇ…また、明日…」

絵里(謎だわ….やっぱり、生徒会室行ってみようかしら….)

生徒会室-

凛「う、うーん……」

凛「かよちん、これ分かる?」

花陽「うーん…」

花陽「わ、分からない…」

凛「…どうしようか……」

花陽「やっぱり、二人じゃキツかったのかも…」

凛「そ、そんなー!」

希 コンコン

凛「あ!の、希先輩っ!!」クルッ

希「お困りのようやね、」

凛「は、はい!ちょうど今、分からないことがあって…」

花陽「凛ちゃん!ダメだよ、この仕事は私達だけでやらなきゃ…!」

花陽「私達だけでやって、絵里先輩に認めて貰わなきゃ…!」

凛「かよちん…」

凛「分かったにゃ!凛も頑張る!だって凛も、生徒会入りたいもん!今度は軽い気持ちじゃなく…!」

希「ふふっ、その気持ちだけで十分や、」

希「貸してみ、」

花陽「あ、希先輩っ!」

希「後輩の生徒会役員の面倒を見るのは、ウチの仕事やろ?」

凛「え?…生徒会役員って…」

花陽「まだ、私達…」

希「ウチは認めたよ、」

花陽「で、でも!絵里先輩は!」

希「ふふっ…エリチも…」

希「OKやろ?エリチ」

絵里 ドキッ

凛「え、絵里先輩っ!?」

絵里「あー…コホンッ…///」スッ

絵里「小泉さん、星空さん」

絵里「まず、さっき強く言ってしまった事を詫びます….」

花陽「そ、そんな、絵里先輩が謝ることじゃ…」

絵里「そ、それから…!」

絵里「小泉花陽、星空凛の生徒会への入会を認めます…!」

絵里「これから、一緒に頑張っていきましょ!花陽!凛!///」

花陽、凛 「…!」パアァァァア…!!

凛「え、絵里せんぱーいっ!!」ガバッ!

花陽「わ、私もーー!!」ガバッ!

絵里「ちょ、ちょっと!今、私怪我してるから…!」

希「ふふっ…楽しそうやん!ウチも混ぜてー!」ガバッ!

絵里「きゃ、きゃっ!」

ズキィィッン!!!

絵里「い、いったぁあ!!!??」

希、凛、花陽「あっ…」


第3話「なんでも屋と生徒会」 完

読んでくださった方、ありがとうございました!

とりあえず、ここで「第一部完」って事で、このスレは終わりです。
また、別スレで「第二部」を書くつもりなので、見ていただければ幸いです。

乙、面白かった
続編も楽しみ

面白かった!
第二部書き始めたら誘導してくれたら助かる

穂乃果「なんでも屋だよ!」海未「第2部です。」
穂乃果「なんでも屋だよ!」海未「第2部です。」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502364270/)
続きです。よろしくお願いします。

いや残ってるんだからそのままやれよ

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