P「な、なんだって?」
雪歩「わ、私のうでがプロデューサーのうでから離れません~っ」
P「おかしいな……服が引っかかってるんじゃないのか?」
雪歩「わ、わかりません…」
P「んと、ちょっと引っ張るぞ」グイー
雪歩「ひゃっ…」トテテ
P「おっとすまん。バランスを崩すと危ないから踏ん張っててくれ」
雪歩「でも……プロデューサーの力強いです……」
P「んー。困ったな」
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P「じゃあ俺と雪歩の接着部分をよく見てみてくれ。ほつれた箇所が引っかかってるかも」
雪歩「はい…」
P「といっても俺はスーツだし雪歩もほつれやすい服じゃないしな……だけど他に腕が離れない原因なんてあるか…?」
雪歩「……見てみましたけど、よくわかりません…」
P「そうか……」
雪歩「…私なんかがくっついてて、迷惑ですよね……?」
P「いや、くっついてると言っても俺の方は問題ない。デスクワークも可能だろう」
P「だけど雪歩は……俺の腕に雪歩の腕が絡んでる感じだから片腕の自由が効かないだろうな。そして俺が机に向かって作業するとなると雪歩もずっと隣にいなきゃいけない」
雪歩「わ、私は構いませんよ…?今日はお仕事もないですし……」
P「だが……その、俺と密着しなきゃいけないんだぞ?平気なのか?」
雪歩「は、はい。仕方ないですし……」
P「……まあ、それは最終手段だな。とにかく今は俺たちの腕を離すことを考えよう」
雪歩「……」
P「雪歩、俺の腕から自分の腕を引き剥がせないか?」
雪歩「えっ……で、でも、無理に剥がそうとしちゃうと、プロデューサーの腕が痛くなりますよ……?」
P「俺は構わんさ。雪歩の力で引っ張ってもどうこうはならん」
雪歩「…………わかりました、やってみます…」
雪歩「うーん……うぅーん……」クイックイッ
P「…………」
雪歩「だめみたいですぅ」
P「…雪歩。力入れてる?」
雪歩「は、はい。もちろん…」
P「雪歩のパワーよりくっついてるパワーの方が高いようだな」
雪歩「はい」
P「んじゃ、今度は俺が腕を引き抜いてみる」
雪歩「えっ?」
P「さっきは闇雲に引っ張ってみたが、今度は引っこ抜く。俺の腕に雪歩の腕が絡まってる形だからそれに沿って引き抜けば抵抗は少ないはずだ」
雪歩「……」
P「よし、いくぞ。そいっ」グイー
雪歩「……」トテテテー
P「ゆ、雪歩。俺についてきたら意味がないだろう」
雪歩「ぷ、プロデューサーに引っ張られちゃうんですぅ」
P「わかった。ならおれがもう片方の手で雪歩の腕を抑えながら引っこ抜く」
雪歩「っ!ひゃっ……!」ビクッ
P「あ、えっと、まだ触られるの怖いか…?」
雪歩「は、はい……」
P「最近はわりとスキンシップもとってたような気がするが……ってそれ以前にこっちの腕はこんなに密着してるのに」
雪歩「こ、これは不可抗力なんですぅ」
P「んー……どうしたもんかな」
雪歩「あの、くっついちゃったものはしょうがないですし……お仕事しませんか?」
P「いや、このまま仕事すると雪歩が退屈だろう。隣で見てるだけだぞ?」
雪歩「い、いえ。そんなことないです」
P「……そうだ。男の俺が触れないなら、アイドルの誰かが抑えてくれればいいのか」
雪歩「へっ」
P「誰かに手伝ってもらえれば解決するじゃないか。早く誰かこないかな」
雪歩「そ、そんな偶然きっとないですよ~。ですからこのまま…」
ガチャッ
春香「おはようございまーす!天海春香でーす!」
雪歩「あ」
P「お」
春香「って……えーっ!?なんでプロデューサーさんと雪歩、腕組んでるんですかーっ!?」
P「春香。よくきてくれた、グドタイミン」
春香「ほえ?」
P「なぜだか俺と雪歩の腕がくっついたみたいでな。引き剥がすのを手伝ってくれまいか」
雪歩「あの、春香ちゃん…?暇じゃないなら無理に手伝ってくれなくても
春香「手伝います!」
P「おお、すまんな」
春香「じゃあ私が雪歩の身体を抑えますからプロデューサーさんは引っ張ってください」
P「わかった。痛かったら言えよ?」
雪歩「いたいです!いたいです!」
P「まだ引っ張ってないぞ?」
春香「大丈夫ですよプロデューサーさん。腕一本程度くっついてたって大した力は必要ないですよ」
P「そのはずだよな。よし、わりと強めに引っこ抜くぞ」
春香「はい!」
グイー
雪歩「……!」トテテテ
春香「雪歩、私がちゃんと抑えててあげる」ガッシリ
P「その調子だ春香。だんだんと抵抗がなくなってきた」グイー
雪歩「…!…!」
P「お、もうちょいで腕が離れそうだ」グイー
雪歩「…!…!…!…!」
ピトッ
P「ん!?」
春香「……雪歩?なんでもう片っぽの腕も絡ませてるの?」
P「なんてこった。雪歩の両腕が俺の腕に絡みついてしまった」
雪歩「…あ、あれれー…なんでですぅー…?」ピトリ
春香「関係ないですね。プロデューサーさん、そのまま引っこ抜き続けてください」
P「わかった」
グイー
雪歩「ふぅっ……!ぅうんっ……!はぅっ……!」ギュムー
P「春香。春香。雪歩がなんだか苦しそうだぞ」
春香「大丈夫です。続けて」
P「わかった」
グイー
雪歩「んっ…はうっ…!はっ…んっ…!ぁっ…ぅんっ…!」ギュムー
P「春香。春香。雪歩の顔がみるみる赤くなっていくぞ」
春香「雪歩の声がえっちなのでこれ以上は止めておきましょう」
雪歩「はぁ…はぁ…はふぅ」
P「雪歩。なんだか俺の腕にしがみついてなかったか?」
雪歩「……どういうことでしょう?」
P「いやさ、俺の引っ張りに抵抗してきたような気がして。腕も2本になってるし」
雪歩「わ、私にもなんで左腕に続き右腕までプロデューサーにくっついちゃったのか……わからなくて……」
春香「へえ」
P「うーむ……悪化したのか……」
雪歩「すみません…」
P「これは服のほつれが引っかかってるとか、そういう問題じゃないな。現にさっきは腕が外れかかってたんだ」
雪歩「なるほど…」
P「これは磁石のような原理でくっついてるってことなのか……?」
雪歩「謎ですぅ…」
春香「ほう」
P「なんにせよ、引き続きこの問題をどうにかせねばな」
雪歩「どうにかしなきゃダメですぅ?」
春香「当たり前でしょ」
雪歩「で、でも、きっともう無理だよ」
P「諦めるな雪歩、お前の悪い癖だぞ。お前だってこんなに異性とくっついて苦しかろうに」
雪歩「苦しいですー」
P「だろう」
春香「え?」
P「俺はお前のためにもはやく何とかしてやりたいと思ってるんだぞ」
雪歩「私なんかより今はプロデューサーのお仕事が先決ですぅ」
P「またお前は自分の気持ちを二の次にして……仕事はいいんだ、俺のことは気にするな」
雪歩「私の1日なんか一生懸命お仕事しているプロデューサーのキラキラしてる瞳を横目で眺めつつぴったりんこしてるのがお似合いですぅ」
P「そんなことを言うんじゃない。俺は雪歩の本当の気持ちが知りたいんだ。今雪歩が一番したいことはなんだ?いいか?自分の気持ちに正直になるんだ」
春香「雪歩は今とっても正直でしたよプロデューサーさん」
P「春香、なにかいい手はないか?」
春香「ぶっちゃけ無理やりにでも雪歩を引き剥がすのがいい手なんですけど」
雪歩「!」ギュムー
P「お、磁力強くなった」
春香「その磁力自由自在ですよ」
P「無理やり引き剥がすっつっても、そんなことしたらまた雪歩が痛がっちゃうだろう?」
春香「じゃあ雪歩の方から腕を離すようにすればいいんですよね?」
P「だが雪歩も自分の意志でくっついてるわけじゃないだろ。な?」
雪歩「はい」
春香「今の雪歩は正直じゃないね」
雪歩「……春香ちゃん…?今日ってこれからずっと暇なの……?」
春香「もうちょっとしたら事務所出なきゃいけない」
雪歩「そっか」
春香「雪歩はそれまでなんとか凌ごうとしていますね?」
雪歩「……!メンタリスト!?」
春香「顔に書いてた。極太マッキーで」
春香「プロデューサーさん」
P「なんだい」
春香「雪歩をこちょばします」
雪歩「!?」
P「なにか考えがあるのか?」
春香「こちょばせば腕が外れると思うんです」
P「どういうことだ?そんなことしたら雪歩がくすぐったいだろう」
春香「はい。耐えられなくなって自ら腕を離すでしょう」
P「なにをバカな……さっき雪歩が必死で腕を離そうとするところを見ただろう?今更こちょばしでどうこうなる問題じゃない」
雪歩「ですですぅ」コクコク
P「よし雪歩。証明してやれ」
雪歩「!?」
春香「じゃあいきますね」ワキワキ
P「やったれ春香」
雪歩「!?」
春香「失礼」サワワン
雪歩「あひゃ」
P「大丈夫か?あひゃって言ったぞ」
雪歩「大丈夫ですぅ」
春香「ヤーレイ」サワワン
雪歩「ひん」
P「ひんって言ったな」
春香「ソーラン」サワワン
雪歩「みゃふ」
P「みゃふって言っただ」
雪歩「」ムキュー
P「うお。腕が締め付けられる」
春香「離れまいと必死だね雪歩」
雪歩「なに言ってるの春香ちゃん。腕は勝手にくっついたんだからこちょぐりで離れる訳ないじゃない」ムキュー
P「だよな。だよぞ春香」
春香「そうですか。では引き続き」ワキワキ
雪歩「まって春香ちゃん。こんなこと続けても事態は進展しないよ。時間と労力の無駄なんだよ。春香ちゃんにとってももっと有意義な時間の使い方があるんだよ。普段忙しい春香ちゃんなんだよ。この時間がもったいないんきゃひん」
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