※このSSはアイドルマスターシンデレラガールズのSSです
地の文が基本で、短め。書き溜めありです。
SS書くの久々だし、口調とか変かもしれないけど書きたかった。
ウサミンがどうしてアイドルを目指したのかなっていうお話
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1501345972
どうしてアイドルなったのか?
夏休みの自由研究ということで事務所横のカフェテリアでジュースを飲んでいた幼少組達の会話が聞こえてくる。
どうやら千枝ちゃんが自由研究のテーマで同じ事務所の友達たちのことをテーマにしようとしたらしい。
そういえばPさんがよく幼少組とかの夏休みの宿題を見てあげたりもしてたなあ。
意外とと言ったら失礼かもしれないが、Pさんは教え方も上手だったっけ。
「菜々さんはどうしてアイドルになりたいって思ったんですか?」
次のジュースとサービスのお菓子を持ってテーブルに置きに行った時、お礼を言いながら千枝ちゃんがそう尋ねてくる。
勿論、普段みたいにウサミン星人だからです、キャハっ!なんてごまかそうかなと思ったけど
真剣な表情で見てくる千枝ちゃんを見てるとなんだか真面目に答えないといけない気がして
その結果、カフェの人に事情を説明して一緒のテーブルに座ってちょっとした昔話をすることになったのであった。
まだナナが17歳じゃなくてもっともっと小さかった頃、小学生の4年生くらいかな。
それまでは男の子たちに混ざって遊んでたりしてたぐらいお転婆だったんですよ、菜々は。
でも、ある時TVで歌って踊っていたナナよりちょっと年上ぐらいの女の子たちが凄く輝いて見えたんです。
それまではTVなんてポ○モンとか男子と一緒に話せるようなものばっかり見てたのに、ある日見たその女の子たちが忘れられなくて、
お母さんに頼んでその子たちが出てくる歌番組を録画してもらったんです。
男の子たちと放課後遊ぶのもやめて食い入るようにビデオに録画したその子たちの映像を見て聞いて、
そこから歌を真似して、踊りを真似するようになって、今思えばナナの始まりはそこからだったのかもしれませんね。
で、だんだん可愛い服とかを真似したくなって、お母さんにねだって、一生懸命お手伝いとかをして、
ようやく買ってもらったんですよ、当時の私にとっては一番可愛いと思った服を。
それで、ある時それを誰かに見せたいって欲求が沸くじゃないですか。
そこである日皆の前でそのアイドルの歌を歌いながら踊ったんです。
でもそんなことしたって男子たちは笑って馬鹿にしてきたんです。でも当たり前ですよね、当時のナナはそんなレベルだったんですから。
でもまだ小さかったナナはそれがショックで、泣きながら逃げ出したんです。
よくわからないまま走って、気が付いたら夕日が沈んでいて。気が付いたら辺りは暗くて帰り道もわからない。
どうしようって思ってたらどんどん不安になっていって、その時肩を叩かれたんです。
「そこの君、こんな遅くに一人でどうしたんだい?」って。
驚きながら振り返ると、クラスの男子とほとんど背丈が変わらないくらいの男の子がいたんです。
その男の子に泣きながら帰り道がわからないって言ったら、
「なら一旦僕の家までおいでよ。そうすれば誰かが教えてくれるはずさ」って言われたんです。
まあ今思えば危ないですけどね。まだ小さかったナナは素直に男の子に着いて行って、
その着いて行ってる間になんで泣いてたのかとか聞かれたことを素直に答えて、
だんだんやっぱり私は可愛くないのかななんて言ったのかな。そうしたら男の子がこっちを見て
「君は可愛いよ。きっと君のお友達たちは恥ずかしいから馬鹿にしたんだよ」なんて励ましてくれたんですよね。
そうこうしてる間にその男の子の家まで着いて、待っててと言われて待ってたら家から珍しい服を来た女性が出てきたんです。
その女性に自分の家の住所を伝えると、女性はニッコリと優しい笑顔でご案内しますって言って私と手をつないでくれて、
あっという間に私の家まで案内してくれたんです。そのまま私の家のインターホンを鳴らして、事情を説明してくれて、
私のお母さんとかがお礼を言ったりとかしてたのは覚えています。
その女性が来てた服がメイド服で、今思うとナナがメイド喫茶でバイトしてたのは憧れもあったのかもしれませんね。
そのあともテレビの女の子たちに憧れて真似をしてたナナはその女の子がアイドルって呼ばれてることを知って、
小学校の作文で夢はアイドルになることですって書いたり、一生懸命歌の授業で頑張ったりし続けました。
そうこうしてて、ある日。ちょっと隣町まで出かけて遅くなった帰り道でした。
前に助けてくれた男の子と偶然出会ったんです。とりあえずこの前のお礼を伝えて、あれから一生懸命アイドルを目指してるって話をしたり、
とにかくその男の子のおかげで馬鹿にされても頑張り続けてるって話をしたんです。
「そっか。君ならきっとアイドルになれるよ。そんなに一生懸命なんだもの」って返してくれて。
なら男の子は私にとってのプロデューサーですねって笑いながら言ったんです。
「プロデューサーか。ならいつか君をトップアイドルとして全国の人に教えないとね」って冗談めかして言ってくれたんです。
そのあとはどんな話をしたかよく覚えてません。でもすっごい嬉しかったのだけは覚えています。
それがきっと、私がアイドルを目指してずっとずっと頑張り続けてきた切欠なんだと思います。
残念なことにそれからはその男の子と再会することはできなくて、家を探したんですけど見つからなかったんです。
でも小学校を卒業して、中学生になってもナナはずっとアイドルを目指して頑張り続けました。
いつかテレビに出て、あの男の子に私はアイドルになれたんだよって伝えるために。
話終わると一生懸命ノートに書いていた千枝ちゃんが「ありがとうございました」とお礼を述べた。
「それで、今はいろんなテレビとかに出てますけどその方とは会えたのです?」
優雅に紅茶を飲みながら一緒に聞いていた桃華ちゃんが聞いてくると。
「あ、どうなったの、どうなったの!」と元気にみりあちゃんも食いついてくる。
ふふっ、それは秘密です。ウサミンだけの秘密です!と返す。
「えー」とか言われちゃいましたけどこれだけは私とプロデューサーさんだけの秘密です。
だって言えないじゃないですか。地下アイドルとして必死に頑張ってたけどもうそろそろ諦めようとした時に、
スカウトとして名刺を渡してくれたプロデューサーさんがあの時の男の子だなんて。
勿論その時はお互い気付いてなかったんですよ。でもある時なんとなく私が聞いたんです。
どうしてプロデューサーさんは今のお仕事になったんですか?って。そうしたら
「子供の頃にさ。家の帰り道で可愛い服を着た見慣れない女の子がいたんだよ。泣いてて思わず声を掛けたんだ。
そしたらいろいろあってな、その子にプロデューサーですねなんて言われて。それが切欠。単純だろ?」って苦笑したんです。
なら、ナナをトップアイドルにしてください。そして全国の人に教えてください!
その時、プロデューサーさんが一瞬固まって口をパクパクさせてたのはよく覚えています。
まさかお互いが自分たちの将来を相手に言われたから目指してたなんて、笑っちゃいますよね。
だからプロデューサーさん、これからもナナをトップアイドルになるまでプロデュースしてくださいね。
終わり
最初はウサミン星人ネタとか考えてたけど何故かこういう話になった。
何故デレステのコミュでPは地下アイドルを見に行ったのかとか
メイド喫茶でバイトしてたのはなんでかなとか考えたら書いてみたくなりました。
公式だと子供の頃から不思議の国のアリスとか読むのが好きだったとかあるから
たぶんお転婆とかじゃなかったと思うけどそこはまあSSだからということで一つ。
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