モバP「土用の丑の日、うのつくものを」 (29)
モバP「ハイッ!始まりましたぁ!土用の丑の日何を食べるか選手権~!!!実況のPです!」
ヘレン「解説の、ヘレンよ」
P「いやー、うなぎのタレより濃い人選ですねえ」
千川ちひろ「ルール解説のちひろです!今日は土用の丑の日ということで事務所のアイドルたちに「う」から始まる夜ご飯をそれぞれプレゼンして、プロデューサーさんの今日の献立を決めていただきたいなと思ってます!」
P「今日の献立は何になるでしょうかねぇ?」
ヘレン「それではまずは現場との中継を繋ごうかしら」パチンッ
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宮本フレデリカ「はーい!中継繋がりました!宮本亜門でーす!今プレゼンターの控え室にいまーす!」
P「相変わらず濃いなぁ……今回のプレゼンターは何人でしょうか?」
フレデリカ「えーっと…5以上の数は多くて数えられませーん!あはは~」
ヘレン「みんな集中しているわね、期待できるわ」
P「一人目のプレゼンターはどこでしょうか?」
フレデリカ「えーっと、島村さんは…椅子に座って一生懸命台本をギリギリまで読み込んでます!」
ヘレン「普通ね」
P「そうですね」
P「さあ控え室との中継も切れて、あと少しで島村卯月のプレゼンが始まるわけですが…予想などあります?」
ヘレン「そうね…彼女は普通ね」
P「ええ、ここは普通に『うなぎ』でしょうか」
ヘレン「いいえ、それは考えが甘いわ」
P「と、いいますと?」
ヘレン「土用の丑の日だからうなぎというのはあまりにも安直…狙うとしたら裏をかくような人間だけ…つまり、ここは無難に『牛』ね」
P「なるほど、さあその予想は的中するのかどうか、島村さんのプレゼン開始です!」
※実況・解説の声はプレゼンターには届いていません
島村卯月「はい!私が土用の丑の日におすすめするのは……『牛』です!!」
P「ブフッ」
ヘレン「実況が吹き出すのはいただけないわね」
P「いやー、あそこまでキレイに的中させられるとね」
ヘレン「当然ね、なぜなら私は…世界レベル」
―2分後―
卯月「牛肉は焼き肉にもできますしすき焼きにもできます!肉を食べてパワーを回復してください!以上です!」
ヘレン「普通だったわね」
P「そうですね」
P「さて、次のプレゼンターは誰でしたっけ?」
ヘレン「高森藍子よ」
P「藍子かぁ…予想がつきませんね」
ヘレン「そうね、一番手はあまりに普通だったから容易だったけれど…」
P「あ、準備ができたようですよ」
ヘレン「彼女はどんなパフォーマンスを見せてくれるのかしら?」
P「ドアが開きましたね、始まります」
高森藍子「はい、プレゼンターの高森藍子です。私がプレゼンするのは『梅干し』です」
P「なるほど、梅干しと来ましたか…」
ヘレン「私の予想を越えたわね、エクセレンツ…」
藍子「梅干しは産地によって漬け方などが異なるため甘みが強いものもあれば酸味が強いものも――」
P「そうなんですか?」
ヘレン「そうね。その味の違いは梅干し専門店があるくらい幅広いのよ」
P「よくリサーチしていますね、これは好印象です」
―10分後―
藍子「これでプレゼンを終わります、ありがとうございました」
P「あっという間でしたね」
ヘレン「そうね、梅干しの持つ高い栄養価についても触れられていたし、私から特に文句はないわね」
P「ヘレンさんベタ誉めですね」
ヘレン「次のプレゼンターは……はぁ」
P「どうかしましたか?」
ヘレン「高垣楓さんよ」
P「あぁ…」
ヘレン「あら、もう入ってきたわ。緊張していないようね」
高垣楓「プレゼンターの高垣楓です。私がプレゼンするのは…」
P「……」ゴクリ
ヘレン「鬼が出るか蛇が出るか…」
楓「『梅酒』ですっ!!!」
P「あぁ…ダメだった」
楓「梅酒はおいしいんですよ?ほら、この透き通った色…そして…ゴクゴク…こののど越し…」
P「おい!飲み始めるな!」
ちひろ「つまみだしてきますね…」
ヘレン「お願いするわね」
高垣楓 失格!
P「ちひろさんの調査の結果、控え室にビールの空き缶が5本あったそうですよ」
ヘレン「まあ、彼女らしかったわね」
P「あー、情報が届きました。楓さんが今回のプレゼンターの最年長と…」
ヘレン「子供たちに悪影響にならなければいいのだけれど」
P「あと次のプレゼンターが最年少ですね、橘ありすです」
ヘレン「彼女はなかなか理性的だから…期待ができるわね」
P「あっ、入ってきましたよ」
橘ありす「よろしくお願いします、クール……タチバナです」
P「なんだ今の間は」
ヘレン「思春期は誰でもあんなものよ」
ありす「私が紹介するのは…『イチゴパスタ』です」
P「あれ?」
ヘレン「テーマに悩みすぎてしまったのかしらね、ノーダンサブルよ」
アレ?チヒロサン?チョット!ジャマシナイデ,マダオワッテナイノニー
ヘレン「先程の理性的という言葉、取り消すわね」
P「そうしてください」
ヘレン「どうやら次が最後みたいね」
P「ありゃ、早いですねえ」
ヘレン「楽しい時間はあっという間よ、でも次は最後だけあって期待できる人よ」
P「おお、ヘレンさんがそういうとはかなり期待が高まりますねー」
ヘレン「ラスト・プレゼンターはオーシャン・エキスパートこと浅利七海よ!」
P「おぉ!…ところでなんで急にカッコつけたんです?」
ヘレン「ボケが足りていないと思ったのよ!」
P「間に合ってます」
ワー!ワー!パチパチパチパチ
P「おぉ!七海さんの入場ですね…ていうか、なんですかこの歓声」
ヘレン「漁協のおじさんおばさんたちよ」
P「は、はぁ…本気で優勝狙ってますね」
浅利七海「みんなこんばんは!浅利七海れす!!」
ワァァァァァァァ
P「すばらしい熱狂具合ですね」
ヘレン「ハコユレLv.でいうと30ね」
P「かなり盛り上がってますね」
ヘレン「見て、客席の最後列左端」
P「ん?あれは卯月…?悔しがってますね」
ヘレン「漁協の人を呼ぶという発想がミス普通の彼女には無かったのね」
P「まぁ卯月だからなぁ…もし呼ぶならJAとかですか?」
ヘレン「JAは農業だから専門外ね。畜産協会とかがあるみたいだけど知名度は低いし、寺門ジモンさんでも呼べばいいんじゃないかしら?」
P「さすが世界レベルですね…凡人には思い付きませんでした」
ヘレン「精進しなさい」
七海「七海が紹介するのはこれれす!」ばーん!
P「おお、プロジェクターに動画が…ん?岩か?」
ヘレン「なるほど…さすが七海、考えたわね」
P「あ!今岩の隙間に何かが!」
ヘレン「あれは『ウツボ』よ」
P「ウツボ!?あれって食べられるんですか!?」
七海「そもそもウツボは生物学的に見るとウナギ目ウツボ亜目という分類れす、つまりウナギとウツボは共通点があるのれす!」
ヘエー!
ヘレン「思わず漁協の人も唸るような知識…パーフェクツ!」
七海「ウツボは厚い皮があり調理は素人には難しいれすけど、その身は白身魚のようで美味だと言われているんれす!」
P「そ、そうなんですか!?」
ヘレン「ええ、日本の漁港にはウツボの身を唐翌揚げにしておいしく食すところもあるようよ」
七海「はえなわ漁やカゴ漁で収穫することができるんれす、七海も前にロケで食べたことがあるれすけどすっごくおいしかったれす!ありがとうれす!!」
ワァァァァァァァァァァァァァァ
ヘレン「なるほど、その時協力していただいた漁協の人たちをここに招待したのね」
P「商売上手だなあ…見習わなくちゃ」
七海「ということで、プレゼンを終わるれす!」
P「いやー、よかったですね!藍子の梅干しプレゼンもよかったけどやっぱり盛り上がりがあると全然違って聞こえますね」
ヘレン「そうね、彼女はすでに魚というジャンルでは世界レベル…ベストエンターテイナー!」
P「いやー!早くウツボが食べたい!」ぐぅ
ヘレン「お腹を鳴らすほど欲しがる…ダンサブルね!」
P「それはよくわかんないです」
ヘレン「さあ結果発表ね、行きましょうか」
P「いやーこれで全員のプレゼンが終わったんですが」
ヘレン「それぞれの個性がよく出てたわね」
P「あ、結果発表の前にひとついいですか」
ヘレン「いいわ」
P「宮本ォ!お前中継のときに5より大きい数は数えられませーんとかいいつつ参加者5人しかいねえじゃねえか!」
フレデリカ「えー、そんなこといったっけ?フレちゃん記憶にございませーん」
ヘレン「さ、そろそろ結果発表ね」
P「今回の優勝者のプレゼン商品が俺の今日の夕飯になります!」
P「優勝は………」
P「浅利七海!!!」
七海「やったれす!!」
楓「惜しかったわね…」
ちひろ「あなたは最下位でしたよ」
ヘレン「やはり観客を呼ぶという発想がよかったわね」
七海「みんなありがとうれすー!!」
P「さあ!ウツボ食うぞ!!七海!」
七海「今から捕りに行くれすか?頑張ってくださいれす~」
P「え?ウツボは?」
七海「ないれす」
P「………………西友でウナギ買ってきます」
完ッッッ!!!
勢いだけで乗り越えた感ありますが、それはともかくうな丼食べてきます
肇「……」
最上静香「うどん」
肇「…………」
麻倉もも「うどん」
肇「…………だからこの恰好は」
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