真姫「その島で……」 (110)


人生初SSです。
一応ですが全て完成しています

キャラ死亡描写あり/バッドエンド/うみねこのなく頃にのパロディです

キャラの口調と設定は自分好みになっていますがそれでもよければどうぞ!

このお話は9人の歌の女神が
ラブライブで優勝する世界のカケラとは違う
少し違う世界のカケラ…


ここはとある無人島
μ'sの9人は夏の終わりの3連休に西木野家の別荘へ合宿に来ている。

Episode 1 ~その島で~



穂乃果「うわー真姫ちゃん家ってこんな大きな無人島もってるんだー!!」キラキラ

真姫「と、当然デッショー」アセッ

絵里「それにしても前は海だったから、今回は山かと思ったわ。」

海未「海未は私ですが?」シレッ

にこ「アンタそれ持ちネタなの?」

凛「海未ちゃん今回の合宿は島なのに登山用品持ってきてるにゃー」クスクス

こんな話をしながらお昼前にμ'sが乗っている船は島にたどり着いた。
これから起きる事件の事など知らずに…

船着場の砂浜から5分ほどで大きな建物が見えてきた。


真姫「ここが私たちの泊まる所よ」


大きな三階建ての洋館のようだ
東側は断崖絶壁になっているがとても眺めが良さそうだ

゙ア『ガチャン』

真姫「一階が管理室とラウンジ、あと食堂ね」

真姫「二階と三階は客室で各階5部屋あるわ」

真姫「とりあえず部屋を決めてお昼にしましょ」

凛「お腹減ったにゃー!!」グー

ことり「ことりもお腹ぺこぺこだよぉー」キュー

希「そうやねぇ。パパッと部屋割り決めちゃお!」

花陽「でもどうやって部屋決めするの?」

・・・・・・・
アーダコーダギャーギャー

真姫「というわけでこれで決定ね」


3F │花陽│ 凛 │ 絵里 │ 希 │空室│
2F │海未│穂乃果│ことり│真姫│にこ│
1F │管理室│ラウンジ│食堂│スタジオ│

入り口は左側。階段は左側に1つのみ。
各部屋にはベッド、クローゼット、冷蔵庫、化粧台があり
ユニットバス、洗面台への扉が部屋の入り口横にあります。
1Fのサイズ感は適当でお願いします。
島のサイズは淡島ぐらいだと思って頂ければ大丈夫です。


ここからは時々<>を使用します。
地の文とキャラのセリフで <証明不要の真実のみを語ります>
これから <入り口と表記した場合は館の入り口を指します>

真姫「 <スタジオの鍵は管理室にある> わ」

真姫「 <管理室に鍵はかかって無い> から使いたいときは自由に持って行っていいわよ」

真姫「それと <鍵は各部屋1つしかない> から無くさないようにしてね」


8人「はーい!!」

海未「それでは昼食の準備を始めましょう!」

にこ「フフフッ…このスーパーアイドルにこにーに任せなさいっ!!」

絵里「流石にk(ry

ことり「ことりも手伝うよ~♪」

絵里「」チカァ...

花陽「白米のことなら任せてください!!」フンスッ

希「ウチはお肉でも焼こうかな~」ルンルン


こうして9人は昼食の準備を始めた。
そして一時間後…

にこ「お待たせ!!合宿といえばコレ!カレーよ!!」

花陽「白米ですっ!!」

絵里「ピロシキよ!!」

希「焼肉さんやでっ!!」

穂乃果「肉じゃがだよっ!!」

海未「餃子です!ことりのためににんにくは抜きました!」

凛「カップラーメンだにゃ......」

真姫「フレッシュトマトよ......」

ことり「 チ ー ズ ケ ー キ だ よ っ ! 」


8人「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ」
8人の頭にはあの悪夢がよみがえっていた…

にこ「それにしてもアンタ一時間でケーキ焼いたの?」

ことり「そうだよ~♪」チュンチュン

絵里「流石にお昼にチーズケーキは……」

穂乃果「じゃあおやつにしようよ!!」

海未「それにしてもこの量は…」

希「三日分はありそうやねぇ…」

希「それと凛ちゃんと真姫ちゃん…」

真姫「トマトはすごいのよ!ビタミンCを多く含んでいt(ry
真姫ちゃんのトマトうんちくはカットされました。

凛「凛は料理できないもん!!」プンプン

花陽「ご飯もう一升炊けたよー!!」

8人「まだあるんかーい!!」


こんな会話をしながらμ'sでの昼食を楽しんだ。
この三日分の料理がすべて無くなる事は無かった。

絵里「それじゃお昼も食べたことだし練習しましょ」


その一声で9人は砂浜へ向かった。

ワンツースリフォーワンツスリーフォー
少女たちの声が砂浜に響き渡る。

16時半頃に少女たちは練習を切り上げ
<全員がシャワーを浴びて>17時過ぎにリビングに集まった。


穂乃果「ふいー疲れたぁ…」

ことり「おやつにはちょっと遅いけど…」

リビングにことりがチーズケーキを持ってきた。

全員でわいわいチーズケーキを食べた。

DAY 1 18:00


海未「それでは夕食までは自由行動にしましょう。」

絵里「19時に食堂集合よ。」

凛「穂乃果ちゃん!花火しに行こ!」

穂乃果「うんっ」

希「ウチも夕焼け見にいこうかな」


<凛、穂乃果、希は館を出た>


ことり「私は衣装のデザインを…」

花陽「私手伝いますっ」


<花陽はことりの部屋で衣装デザインをした>


真姫「私はスタジオに行って作曲するわ」

にこ「にこも行こうかなー♪」


<にこ真姫はスタジオに向かった>


海未「私は少し作詞を…」

絵里「あら、それなら私の部屋でやらない?手伝うわよ」

<海未は絵里の部屋に向かった>

DAY 1 19:00


にこ、ことり、花陽が夕食の準備を終わらせて食堂で待っている。

穂乃果「ごっはん♪ごっはん♪」ワクワク

にこ「やっぱり夕食はカレーよっ!」

花陽「ご飯もあるよっ」

凛「かよちんご飯は別盛りなんだね」アハハ


これが全員揃っての最後の夕飯になった。

カチャカチャ

少女たちは洗い物を終え今夜の過ごし方を話している。


穂乃果「よっし!ご飯も食べたしトランプやろうよ!!」

凛「やるにゃやるにゃー」

凛「かよちんもやろうよ!」

花陽「うっ、うん。そうしようかな…」

ことり「私もトランプやろうかなぁ♪」

希「ウチはお星様でも見に行こうかなー」

希「スピリチュアルパワーたっぷり頂きにいくよ」

真姫「それなら入り口の鍵を渡しておくわ。
   戻ってきたら管理室に返しておいてね」

希「ありがとー!ところで真姫ちゃんはどうするの?」

真姫「私は作曲の続きをやるわ」

真姫「にこちゃんはどうするの?」

にこ「しょうがないわねぇー」

にこ「この大宇宙銀河ナンバー1アイドルのにこにーが手伝ってあげるわよ!」

海未「絵里。明日の予定のことでお話が…」

絵里「えぇ、分かったわ」

海未「あっそれと明日は08:00に食堂に集合ですよ!忘れないでくださいね!」

8人「はーい!」


こうして各自行動に移る。

DAY 1 20:00


トランプ組は穂乃果の部屋に集合していた。
ふわりとした4人はとても気が合うのだろう。


凛「わーい揃ったよ!」ポイッ

穂乃果「凛ちゃんが早そうだね…」グヌヌ

ことり「どっちかなぁ~」

ことり「こっちかなぁ~…」

ことり「う~ん、これっ!!!」エイッ




花陽「ロンッ!!!!!!」

花陽「大三元!字一色!!四暗刻単騎!!!」

花陽「192000点ですっ!!!!」ゴゴゴッ

ことり「ぴいいぃぃぃぃ」ぐにゃぁ~


麻雀をしていた。
しかも手役があんまりふわりとしていない。

凛「麻雀飽きたにゃー」

穂乃果「じゃあトランプやろうよ!」

花陽「最初からトランプやるつもりだったんじゃ…」

ことり「ぴぃぃぃ...」


4人はトランプを楽しんだ。
沢山遊び、疲れたのか全員部屋に帰るようだ。


穂乃果「それじゃ、ことりちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃんお休みなさーい」

ことり「穂乃果ちゃん、お休みー」

凛「また明日ね穂乃果ちゃん!」

花陽「お休みなさい、穂乃果ちゃん」

パタンッ
穂乃果の部屋のドアが閉まる。


ことり「それじゃ二人ともお休みー」フワァ

凛、花陽「お休みなさーい!」

パタン
カチャッ
ことりの部屋のドアも閉まる。


穂乃果の部屋を後にして
凛と花陽は階段を上っていたが


凛「あぁっ!穂乃果ちゃんの部屋に鍵忘れちゃったにゃー!」アセアセ

花陽「カ゛キ゛ワ゛ス゛レ゛チ゛ャ゛ッ゛タ゛ノ゛ォ゛!?」

凛「一人で帰るの怖いからかよちん付いてきて!」

花陽「えぇ!?うぅ、分かったよ…」


トントンッ


穂乃果「はーい!あれ?凛ちゃん?」

凛「穂乃果ちゃんごめん!部屋の鍵忘れちゃったから取りにきたにゃ!」

穂乃果「ありゃりゃ…」


ガサゴソガサゴソ


凛「あったにゃ!ありがとう穂乃果ちゃん!」

穂乃果「よかったね!それじゃお休み!」

凛「お休みだにゃー!」


パタンッ
カチャッ


凛と花陽は穂乃果の部屋を後にして
階段を上りきったところで海未と会う。

海未「あら?凛、花陽、これから寝るところですか?」

凛「そうだよー!ん?希ちゃんだー」


希が階段から上がってきたようだ。


希「おや?リリホワ集合やね」

花陽「私もいるよぉ…」

海未「希は星を見に行ってたんでしたっけ?」

希「すっごく綺麗だったよー♪」キラキラ


そんな会話を数分していた。


希「それじゃみんなまた明日な~」ヒラヒラ

凛、花陽「お休みなさーい!!」

海未「お休みなさい」


海未は二階の自室へと向かう。

DAY 1 20:00


海未は絵里の部屋に向かう。
大和撫子とクールな金髪の少女
とても絵になるだろう。


海未「失礼します。」

絵里「はいはい、いらっしゃい」

海未「それで明日の予定なのですが
   まず午前中はボイストレーニングをして
   午後は基本トレーニングの後に
   スタジオでフォーメーションの練習をしたいと思うのですが
   どうでしょうか?」

絵里「いいんじゃないかしら?」

絵里「あら?でもユニット練習はどうしようかしらね?」

海未「ユニット練習ですか…」

絵里「次のライブではユニットごとの曲もあるわよね」

海未「たしか最終日の迎えの船が14:00に来ると真姫が言っていましたので、
   朝食が終わった後に練習しましょう!」

絵里「そうね、そうしましょう!」

海未「あの…話が少し変わるのですが、
   少し作詞を手伝ってもらいたいのですがいいでしょうか?」

絵里「ふふっ、分かったわ」


練習の予定が組めたので
少女達は作詞をしていた。

絵里「ところでこの曲は誰が歌うのかしら?
   見た感じデュオ曲みたいだけど?」

絵里「えっと…曲名は……Storm in loverだったかしら」

海未「わっ、私と……絵里の歌ですよ//」

絵里「えっ!!」カァ///

絵里「穂乃果と凛の曲だと思ってたわ///」

海未「ふふっ照れてる絵里も可愛いですね//」

絵里「うっうるさいわよ///」

海未「あっ…流れ星が…」

絵里「そういえば星が綺麗ね……。
   私たちも少し見ましょ!」


二人は窓辺に移動して星を眺めている。
都会では決して見ることの出来ない満天の星空だった。

海未「今日はありがとうございました絵里。
   歌詞も完成して、可愛い絵里も見れたので満足です!」

絵里「うっ///うるさいわよ///」

海未「それでは私は部屋に戻りますね」クスクス

絵里「わっわかったわ。また明日ね海未///」カオマッカ

海未「えぇ、お休みなさい。」ニッコリ


海未は絵里の部屋を後にして自室へ向かう
その帰りに凛、花陽、希と話をした。

海未は部屋に戻り一息付いていたが


海未(絵里の部屋に忘れ物をしてしまいました。
   まだ起きてると思うので取りに行きますか。)


海未は絵里の部屋に向かった。

海未「絵里すみません忘れ物をしてしまいました。」

絵里「あら、これかしら?」


絵里の手には海未の筆箱。


海未「それです!ありがとうございます!」

絵里「いえいえ、それにしても海未はたまに抜けるわよねぇ」ウフフ

海未「ねぇ!絵里知ってる?イクラってロシア語なのよ!!」

絵里「なっ////」

絵里「もうっ!エリチカお家帰るチカ!!」チカチカ

海未「ふふっ、お休みなさい絵里」


自室に入るときにちょうど部屋に戻ろうとしている
にこと真姫を見つけた。

海未「あらにこ、真姫、ちょうど戻ってきたところのようですね?」

にこ「そうよー」

真姫「ところで海未はどこに行ってたの?」

海未「絵里の部屋に忘れ物を取りに行ってました」

にこ「アンタたまにおっちょこちょいよね」

真姫「ふーん、それじゃ私はそろそろ寝るわね」

にこ「私も寝るわ」

海未「分かりました。
   お休みなさい、にこ、真姫」

にこ、真姫「お休み」
パタン


にこと真姫の腕にはおそろいのブレスレットが見えた
二人が部屋に入るのを見送りながら
海未は部屋に戻った。


海未(ふぅ…疲れましたね)チラッ


時計はちょうど22時を示している。


海未(私も寝ますかね)


ベッドに入り部屋の電気を消した。

DAY 1 20:00


にこと真姫はスタジオにいた

椅子に座った赤い髪の毛を見つめる
紅い瞳が輝いていた

<主はまきにこが好きである>


真姫「ふう…」


真姫は練習に何曲か弾き終わった。

パチパチパチ……

にこ「真姫ちゃんがピアノ弾いてるとやっぱり絵になるわねー」

真姫「ふふっ、ありがと」//

真姫「ところでにこちゃんはどうして私のところに来たの?」

にこ「真姫ちゃんのピアノが聴きたかったの」

真姫「ふーん」


二人の独特な距離感のおかげか
この沈黙も何故か心地いい

長い沈黙のあとに
にこが口を開く

にこ「私ね、真姫ちゃんのピアノが好きなの」

にこ「音楽室で一人でピアノを弾いてる時からずっと聴いてたんだ」

にこ「それでμ'sのみんなで練習してるとき、私思ったの」

にこ「真姫ちゃんのピアノも好きだけど、それ以上に真姫ちゃんの事が好きなんだって」

にこ「それ以来ずっと真姫ちゃんを目で追ってきたわ」

にこ「……今もね」

にこ「好きよ……真姫///」

真姫「……ふふっ///」

真姫「私も大好きよ///」


沈黙の中お互いを抱きしめあっていた

また長い沈黙の後に
今度は真姫が口を開く

真姫「あっそうだ!にこちゃんにプレゼントがあるの」


楽譜が入っている手提げから小さな袋を二つ取り出し
一つをにこの手のひらに手渡した


真姫「本当は誕生日に渡すつもりだったんだけど……」

にこ「……開けてもいい?」

真姫「いいわよ」

ガサガサ

にこ「わぁ……綺麗……」


真姫も袋から取り出す
袋の中からは
赤い石、青い石、透明な石、透明で赤い粒が入っている石
この四つの石が付いているブレスレットだった

真姫「青い石がカイヤナイト、その隣がルビーよ」

真姫「この二つの石は、7月22日の誕生石ね」

真姫「カイヤナイトの石言葉は団結、穏やかな愛。
   それとルビーには眠った熱意を呼び戻す、前向きになるっていうパワーがあるらしいわ」

真姫「にこちゃんにぴったりね」

にこ「えっ……それじゃあ、もしかして……」

真姫「反対側の赤い粒が入ってる石がサンストーン、それと透明なのが水晶」

真姫「……4月19日の誕生石よ」クルクル


少しの沈黙の後に
紅い瞳から涙が溢れ出す

にこ「あ…ありがとう真姫ちゃん」グスッ

にこ「ずっと大事にするね!」

真姫「にこちゃんに涙は似合わないわ」スッ


真姫の指先が涙を拭う


真姫「ほら、笑って!
   スーパーアイドルさん!」

にこ「うん!!」ニッコニー


その笑顔は今まで見た笑顔の中で一番のものだった
その後二人で作曲をした。


真姫「ふう……そろそろ終わりにするわ」

にこ「お疲れ様!」


スタジオに鍵をかけて管理室に鍵を戻す。


真姫(あら?誰が麻雀セット持って行ったのかしら?)


二人は自室に向かう。
部屋に入ろうとするときに海未に声をかけられた。


DAY 1 20:00


スピリチュアルな少女は
<入り口の鍵を閉めて> 夕日を見ていた砂浜に向かった。


希「ふいー!夏なのに綺麗に見えるもんやねー!」

希「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」

希「ふふっどこかで聞いたことありそうやね」クスッ

希「夏の大三角……それと天の川も月も、綺麗に見える」


希は壮大な夜空に目を奪われていた。


希「そういえば冬にも大三角があるんだよね」

希「オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン
  そしておおいぬ座のシリウス……」

希「シリウスに向かって飛べ!」

希「ふふっ、ウチはナウ○カか!」クスクス


楽しそうな独り言はまだ続く

希「冬の大三角は有名やけど、他にも大六角があるんよね」

希「シリウス、プロキオンとオリオン座のリゲル、おうし座のアルデバラン
  ぎょしゃ座のカペラ、それとふたご座のポルックスとカストル」

希「ふたご座はポルックスで繋いでみると
  大きな大六角の完成や」

希「いわゆる冬のダイヤモンド!スピリチュアルやね!」

希「冬にμ'sのみんなと見たいね」


それからも希は空を見上げ続けた


希「あっ流れ星!」

希「ふふっいいもの見れたね」

希「そろそろ部屋に戻ろうかなー」


希は砂浜を後にし <入り口の鍵を閉め、管理室に鍵を返し> 階段を上った
三階で凛、花陽、海未の三人と話をした後、部屋に戻った。

DAY 2 Morning


昨日の晴天はどこに行ってしまったのだろうか
凄まじい嵐になっていた
大きな雨音と風音をバックに続々とメンバーが食堂に集まってきた。


にこ「遅い!」

海未「おはようございます」


にこと海未はみんなより先に朝食の準備を始めていた。


絵里「おはよう!」

希「おはようさんやでー」


希、絵里のあとに続いてまた二人


凛「おはようにゃ~」

真姫「おはよう」


しかし集合の時間になっても9人揃っていない

DAY 2 08:00


絵里「Printempsの三人が来てないわね?」

海未「穂乃果はともかく、花陽とことりまで寝坊ですか……」ハァ

希「みんなで起こしに行ってあげよ!」

凛「わかったにゃー!!」


こうして凛は花陽の部屋に
残りの5人は穂乃果、ことりの部屋に向かった。


ドンドンドン

海未「穂乃果!朝ですよ!!いつまで寝てるんですか!!」

にこ「穂乃果ー!起きなさい!!」

希「ことりちゃん!朝やでー!」

ドンドンドン


しばらくすると凛が階段から走ってきた


凛「かよちんの部屋の様子がおかしいの……
  ドア叩いても全く反応が無くて……」

絵里「なにかあったのかしら……」


その一言で6人に色々な考えがよぎり沈黙する
その沈黙を断ち切ったのは真姫だった。


真姫「ちょっと待ってて!」トテテ

真姫は一階に向かうとすぐに戻ってきた。
その手には持ち手が大きい金色の鍵が握られていた。


真姫「マスターキーよ!これならどの部屋でも開けられるわ!」


そう言って海未に鍵を手渡した。


海未「開けますね…」

カチャン
<マスターキーで穂乃果の部屋を開錠した>


海未「入りますよ穂乃果…」


部屋には自慢のほのまげをおろして
ベッドで寝ている少女の姿があった

全員が続々と部屋に入ってくる


海未「ほら穂乃果!朝です……よ…………」


布団が赤く染まっている
手を震わせながら海未が布団をどかす

海未「えっ………」

「「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」


穂乃果の部屋に6人の悲鳴が響き渡る。

布団の下には服ごと腹を引き裂かれた穂乃果の姿があった


海未「穂乃果あああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

絵里「ほのかぁ……どうして……」

凛「ほのかちゃあぁぁぁぁぁん」

にこ「あんたがいなくなったら
   μ'sは……μ'sはどうするのよ!!!!!」


ひとしきり泣き叫んだ後に希が気になるものを見つける

希「ねぇ……真姫ちゃん……
  穂乃果ちゃんの枕元にある鍵って……」

真姫「えっ……?」


6人は穂乃果の枕元にある <ことりの部屋の鍵を見つけた>

その鍵に海未が手を伸ばす。


希「海未ちゃん待って!!!」


その声に海未は手を止める。


希「犯人の指紋が出るかもしれへん……触らんとこう……」

海未「わ…分かりました……」

凛「でもどうしてことりちゃんの部屋の鍵が……」

絵里「もっ……もしかして!?」
   海未!マスタキー持ってるわね!!」 

海未「え……えぇ」

にこ「ちょっと待って……何よコレ……」


<にこは穂乃果の部屋のドアの内側に赤い塗料で描いてある魔方陣を見つけた>


希「そんなことよりことりちゃんの部屋が先や!」


部屋を飛び出した6人はことりの部屋の前に移動して
<マスターキーでことりの部屋を開錠した>

部屋に入ると彼女のオシャレポイントであることまげをおろして
窓辺でうつぶせになっていることりを発見した
穂乃果と同じように服ごとお腹を引き裂かれて血を流している


海未「こ……こと…り……」

凛「う……嘘だよね……」

希「ことりちゃんまで……」

にこ「……ねぇ……ことりの手のところに落ちてる鍵って……」


6人はことりの手元に落ちている
<花陽の部屋の鍵を見つけた>


部屋を飛び出す前に6人は
<ことりの部屋のドアの内側に赤い塗料で描いてある魔方陣を見つけた>

6人は急いで花陽の部屋に向かう


凛「海未ちゃん!!早く開けて!!!!!」

海未「分かっています!!」


焦りながらも <マスターキーで花陽の部屋を開錠した>
扉を開けると先ほどまでの部屋と同じように空気が重い

洗面台がある扉が開いている

寝るときはコンタクトを外すのだろう。
眼鏡をかけお腹を服ごと引き裂かれている花陽の姿を洗面台の前にみつけた。

引き裂かれたお腹が痛かったのだろう
血まみれのお腹に片手を当てて倒れている。


凛「か……かよちん……」

絵里「あんまりよ……こんなの……」

真姫「ねぇ……その鍵って……」


真姫が洗面台のコップを指差す
<6人は穂乃果の部屋の鍵を見つけた>

海未「……いったん状況を整理するため食堂に移動しましょう……」

絵里「えぇ……」

希「ここにも描いてある……」


<花陽の部屋のドアの内側に赤い塗料で描いてある魔方陣を見つけた>


6人は食堂へ向かうが
悲しみのせいか全員うつむいてしまっている。

DAY 2 08:30


静まり返った食堂で絵里が口を開く


絵里「まずは警察に連絡しましょう」


そういって携帯電話を取り出した
しかしこの嵐のせいか、画面には圏外の文字が

真姫は管理室の外線で連絡を取ろうとしたが
こちらも通じない。

昨日の天気予報では明日の昼までこの嵐だという予報が出ていた。


にこ「ってことは帰るまでは外部と連絡が取れないのね……」


その一言で全員の恐怖心が呼び覚まされる
6人は事件を起こした犯人がいる島に取り残されてしまった。

海未「凛、少し話が聞きたいのですが……」

凛「うん……」

海未「昨日遊んでいた時に3人に何か変わったことがありましたか?」

凛「みんないつもどうりだったよ……
  楽しく遊んでいただけ……」


被害者たちの最後の笑顔を見た凛は
20:00から22:00までの出来事を全て話した。

絵里「三人が部屋の鍵を閉める音は聞こえていたのね……」

希「……密室………」ボソッ


その一言に全員が息を呑む


海未「少しいいですか……」

海未「全員の部屋をもう一度確認がしたいのですが……」

海未「それと館の安全確認も」


海未は気になることがあるらしく
相互監視のもと穂乃果、ことり、花陽の部屋、そして館全ての部屋の捜索を提案した。

全員が了解し、捜索を完了してまた食堂に帰ってきた。
<館にはμ'sの9人(生死は問わない)以外誰もいなかった>

穂乃果、ことり、花陽の部屋を出る際に
<現場を保持したまま、マスターキーによって施錠し、元の密室の状態に戻した>

DAY 2 09:00


捜索を完了したが、たいした成果は上げられなかった。


海未「分かったことは
   <穂乃果、ことり、花陽の部屋はマスターキーで開錠するまで完全な密室> でした。」

希「それと
  <窓の鍵は内側からしか施錠することが出来なくて、全部屋が施錠されていた> 。」

凛「 <クローゼットと洗面台、お風呂に人影は無かった> よ」

にこ「そうすると各部屋の鍵が問題になるわ」

希「<穂乃果ちゃんの部屋にことりちゃんの部屋の鍵>
  <ことりちゃんの部屋に花陽ちゃんの部屋の鍵>
  <花陽ちゃんの部屋に穂乃果ちゃんの部屋の鍵> やね……」

絵里「部屋の鍵が数珠繋ぎになっていて密室になっているわね……
   それと三人の部屋のドアの内側に描いてある魔方陣かしら……」


彼女たちが部屋について理解できたのはここまでなのだろう

ここで一つ補足を

密室という単語がちょくちょく出てくるので密室の定義を説明します。


<まず密室とは、内外の出入りが一切隔離された室内を指す>


<部屋の外部から部屋の鍵とチェーンロックに干渉することが出来ない>
<これは紐や道具等を使って部屋の鍵、チェーンロックを外部から開閉することを出来ないことを意味する>

<同じように部屋の外部から室内への干渉も出来ないこととする>
<これはラジコンやリモコン等を使って部屋の外部からの内部への干渉が出来ないことを意味する>

<部屋の窓についても、部屋の鍵、チェーンロックと同様に外部から干渉することが出来ない>


<部屋の中に隠し通路や隠し扉の類は存在しない>


ここまでが密室の定義となります。

そして <この密室の定義を、穂乃果の部屋、ことりの部屋、花陽の部屋の三部屋に適用する>

にこ「キッチンの包丁は全部あったわ」

真姫「管理室の倉庫にある斧も使用した形跡は無かったわ」

真姫「もちろん入り口の鍵もそのままよ」

絵里「でも <入り口の鍵は施錠されている> わね……」

海未「それと死亡時間の予測なのですが……」チラッ

真姫「死後硬直が大間接に少し出てて、指先はまだ動いたわ
   さすがに詳しいことは分からないけど
   6時間から8時間くらい経ってると思うわ……」

絵里「すると犯行時間は大体0:00頃から03:00頃になるのかしら……」

海未「皆さんが部屋に帰ったのを見届けて、恐らく私が最後に部屋に戻りました。」

海未「その時間はちょうど22:00でした。」


この一言で6人は昨日あったことを話し出した。
その結果 <22:00以降、誰も自室を出ていないことが分かった>

凛「ねぇ真姫ちゃん。
  マスターキーってどこにあったの?」

真姫「パパからマスターキーの存在は聞いていたわ。
   緊急用に管理室にあるって言われたわ。」

真姫「どうしても必要になったらケースを割って取り出しなさいって……」

にこ「じゃあ穂乃果の部屋から管理室に向かったのは、マスターキーを取りに行っていたのね」

真姫「えぇ、そのときにケースは壊れてなかったわ」

真姫「管理室倉庫のハンマーを使って、ケースを壊してマスターキーを取り出したわ」


<真姫はケースを壊し、マスターキーを取り出していた>


海未「そういえば真姫、マスターキーを返しておきます」

真姫「わかったわ」

希「館にマスターキーは一つしかないの?」

真姫「一つだけよ」


<館にマスターキーは一つしかない>

海未「そうですか……」


海未は考え込む
しばらくして口を開いた


海未「まずマスターキーと入り口の鍵の管理は真姫に任せます」

海未「それとこのまま固まっていると危険だと思います」

海未「なので自室でチェーンロックをして待機にしましょう。」

海未「食事のときにお互いの生存確認をします」

海未「それと入り口にガムテープの目印をつけます」


そう言うと海未は
<ガムテープに再現不可能な模様を描き入り口ドアに貼り付けた>

海未「これでもし犯人が入ってくるようなことがあればすぐに分かります」

海未「12:00に食堂で集まりましょう」


海未がそう伝え6人は階段へと向かっていった。


海未「必ずチェーンロックはしてくださいね」

絵里「えぇ、分かったわ…」

希「凛ちゃん…行くで…」

凛「うん…」


3人は二階の踊り場を後にし
更に階段を上った

希「凛ちゃん……花陽ちゃんのこと……とっても辛いんやろ……
  昨日の事…話してくれて助かったよ……」

絵里「海未は気丈に振舞ってるけど相当つらいはずよ……
   凛…我慢しなくていいのよ……」

凛「うぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ……」


今まで我慢していたのか大粒の涙が溢れ出す
しばらくして落ち着いた様子を見た絵里が声をかける


絵里「気持ちを強く持つのよ……」

希「ウチらがついてるからな!」

凛「ありがとうね二人とも」

凛「凛……頑張るよ」


凛の姿を見て安心し
絵里と希は自室に帰っていった

凛(でも…かよちんにもう一回会いたいな……)


凛は自室の鍵を開けたが
花陽の部屋の前に移動していた


凛(かよちん……)


ドアノブにかけた手を捻るが

ガキンッ

当然開かなかった


凛(そう…だよね……)シクシク


再び小粒の涙を流しながら凛は自室に戻っていった

海未は自室に戻りベッドに倒れこんで泣いていた


海未「穂乃果ぁぁぁぁことりぃぃぃ」


先ほどまで普通を装っていたが
彼女もまた幼馴染をなくした
集合時間になるまで泣き続けた

真姫「にこちゃん話があるから私の部屋に来て……」


真姫がにこに話しかける。


にこ「うん……」


真姫がにこを部屋に招き入れて廊下を見渡す
誰もいないことを確認して部屋の鍵とチェーンロックを閉める
二人はがベッドに腰をかけたところで
真姫が口を開く


真姫「マスターキーはもう一本存在してるの……」

にこ「えっ…」


衝撃の一言に、にこは息を呑む
真姫がマスターキーをポケットから取り出して続ける

真姫「今私が持っている一本と管理会社にもう一本があるって言ってたわ」

にこ「……それじゃ犯人はそのマスターキーを使ったってことかしらね…」

真姫「そう考えるのが妥当ね……」

真姫「私が朝にマスターキーを取りに行ったときにケースを壊したわ」

真姫「でも私たちが島に来たときに見たケースと同じで触った形跡もなかったわ」

にこ「なるほどね……」

にこ「館の安全確認と、入り口にガムテープの封印……」

にこ「…海未は二本目のマスターキーの存在を考えていたのね……」

真姫「そうだと思うわ」

真姫「二本目のマスターキーがある可能性を口にして皆をパニックにさせたくなかったのね」

にこ「そう……」

真姫「もし犯人に進入されてもチェーンロックは突破できないわ」

真姫「だから部屋に戻ったら絶対にチェーンロックをするのよ!」

にこ「わかったわ」


そう行ってにこは部屋に戻ろうとするが
真姫は大好きなにこが相当心配なのか
にこの部屋のドアまでついて行く

真姫「ドアを閉めたら鍵とチェーンロックよ」

にこ「分かってるわよ」


パタン
ガチャッ
カタン


鍵とチェーンロックのかかる音を確認して
真姫も部屋に戻り鍵とチェーンロックをかけた
時計を確認したところちょうど10時を示している

<10:00の時点で6人の部屋は鍵とチェーンロックにより完全に施錠されている>
<10:00以降食堂に向かう時間になるまで6人は部屋を出ていない>

集合時間の少し前に凛は部屋を出たが、真姫の様子がおかしい
にこの部屋の扉を叩いて叫んでいる


真姫「にこちゃん!!にこちゃん!!!」


凛が駆け寄り真姫が状況を説明する


凛「どうしたの……?」

真姫「にこちゃんと一緒に食堂に行こうと声をかけたんだけど、全く反応が無いの……」

真姫「気になってドアを開けようとしたら鍵が開いていて……
   でもチェーンロックだけされてるの……」


二人の背筋が凍る

凛「管理室の倉庫に斧があるって言ってたよね……」

真姫「えぇ……」

凛「凛取ってくるね」タタタッ


凛は震える足を動かしながら倉庫の斧を取りに行った
斧が入っているケースを開き取り出した

階段を駆け上がり二階に着いたところで
希、絵里に状況を説明しているとちょうど海未が部屋から出てきた


凛「にこちゃんの部屋がおかしいの!!」


5人全員にこの部屋の前に移動し部屋の状態を確認する


希「まさかまた密室……」


海未が腕時計を確認する

DAY 2 12:00


海未「凛、チェーンを破壊してください……」

凛「うん……」


ガキンッガキンッ…
パキィン…
建物の造りが古いせいかチェーンが割れるように壊れた

扉を開くとベッドに仰向けになって
お腹を引き裂かれ血を流している少女を見つけた
右腕には綺麗なブレスレットをつけている


真姫「い、いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

絵里「待ちなさい真姫!!」


絵里が真姫を抑える


海未「窓が開いています……」

希「もしかして……中に犯人が……」

凛「嘘……」

海未「凛、斧を貸してください」


小声で打ち合わせをした3人が部屋に入り捜索をした

海未「誰も……いません……」


<にこの部屋に怪しい人影は見当たらない>

そして真姫が部屋に飛び込む


真姫「あぁ……にこ…ちゃん……」


真姫はにこの上半身に覆いかぶさり
声にならない声を上げ泣いている

にこもいままでのように服ごと腹を引き裂かれていた
殺されて時間が経っていないのか少し暖かさが残っていた

絵里「ねぇ……ドアの内側……」

希「また魔方陣……」


<5人はにこの部屋のドアの内側に赤い塗料で描いてある魔方陣を見つけた>

海未「窓を……閉めますね……」

窓から外を覗き込み下の崖を確認した
しかし岩の海岸が広がっているだけである
海未は <にこの部屋の窓を施錠した>


海未「にこの部屋の鍵は足元にありますね……」

<5人はにこの部屋の鍵を発見した>


絵里「…食堂に行きましょう……」

希「うん……」

凛「真姫ちゃん……」

真姫「……」


<にこの部屋の鍵をマスターキーで施錠し> 5人は食堂へ向かった
海未は管理室に斧を置き食堂で入り口に目を向ける
<入り口の封印は保持されている>

海未「真姫…にこの部屋がどうなっていたか話してくれませんか?」

真姫「……にこちゃんと一緒に食堂に向かおうと思って声をかけたわ…」

真姫「でも返事も何も無くて静かだったわ…」

真姫「怖くなってドアを開けたの…でも鍵がかかってなくてチェーンロックだけされてたわ…」

真姫「少ししたら凛が来てくれて、斧を取ってきてもらうように頼んだわ……」


ここまで話して真姫また泣き出してしまった

絵里と凛が真姫を励まし、海未と希は考え込む

真姫「ごめん……今は一人にして……」

海未「…分かりました……
   鍵とチェーンロックはしっかりしてくださいね……」

真姫「うん……」


そう言って真姫は一人で部屋に帰っていった
残った4人で話を続ける


海未「今回のにこの部屋は少しおかしいですね……」


3人は耳を傾ける

海未「犯人は窓から入って、にこを殺害して窓から脱出したと考えました」

海未「でも部屋には足跡も何も残っていないんです……」

希「……まるで魔法やね……」

海未「もし窓の外から殺害したとしても
   血を床につけずに凶器を回収することは出来ないと思います……」

凛「あと扉に魔方陣を描くには部屋に入らないといけないよね…」

絵里「魔方陣……犯人は魔法の仕業とでも言いたいのかしら……」

希「ウチはいつも不思議なこと言ってるけど……
  それは気持ちの持ちようのことなんや…
  ……魔法の類は信じられない……」


少女達は考えたが何も答えは見つからない
人の手によるものか、それとも魔法なのかも分からなくなっている


海未「部屋に戻りましょう……」

希「せやね……」

絵里「次の集合は19:00にしましょう……」

凛「真姫ちゃんに伝えに行かないとね…」

DAY 2 13:00


4人は真姫の部屋に向かう
階段を上りきったところで廊下に向き直ると
真姫の部屋の扉が開いているのを見つけた

この異様な光景に4人の背筋は凍りついていた


海未「真姫っ……」


4人は急いで真姫の部屋に向かう


凛「えっ……」


真姫の部屋の窓が開いていて
真姫の履いていた靴が綺麗に並べられていた


希「嘘…やろ……」

絵里「真…姫……」


4人は恐る恐る窓の下を覗き込む

窓下20メートルの岩海岸に赤い髪をした少女が全身血だらけで倒れている
にことおそろいの綺麗なブレスレットが右腕にはめられている

凛「真姫…ちゃん……」


凛は腰が抜けて座り込んでしまった

絵里と希もこの光景に唖然としているが
希が気になるものを見つけた


希「ねえ……真姫ちゃんの右手に……」

海未「…あれは……」


目を背けたくなる光景だったが
倒れている少女の右手には金色の大きな持ち手の鍵が見えた

<真姫の右手にはマスターキーが握られている>

海未「あの場所は船じゃないとたどり着けないですね……」

絵里「真姫……なんて馬鹿な事を……」


皆あの時真姫を一人にしてしまったことを悔やんでいる
最愛のにこの死を目の当たりにした真姫
心が壊れていない訳が無かった


希「部屋の確認だけでも……しようか……」

絵里「…そうね……」


真姫の部屋を探索したが窓が開いている以外は不思議な点は何も見つからなかった

海未「部屋に…戻りましょう……」


4人は真姫の部屋の窓を施錠して扉を閉めて自室に帰っていった

海未はいままで考え続けたせいで疲れたのかすぐに眠ってしまった


絵里「凛、しっかりチェーンロックするのよ」

凛「うん…わかった……」

希「また後でな…」


凛の戸締りを見送り絵里と希も同様に部屋に戻り
鍵とチェーンロックをかけた

凛と希も疲れからかすぐに眠ってしまった


絵里(次殺されるなら…私ね……)

絵里(Printempsに続きにこ、そして真姫……)

絵里(簡単に殺されるわけにはいかないわ……)


絵里だけは集合時間まで起きていた。


そして夜の集合時間になっていた

絵里が部屋を出るとほぼ同時に希が出てきた


希「あっ……えりち…よかった……」


希も絵里が殺されるかもしれないと思ってらしいが
無事だったことを確認できて安心する


絵里「えぇ私は無事よ…」


二人が廊下を歩き始めるとちょうど凛が部屋から出てきた


凛「あっ…二人とも……」


凛も安堵の表情を浮かべる
3人が階段を下っていると二階の踊り場に立っている蒼い髪の毛の少女が見える


海未「よかった……」


初めて全員の無事を確認できて安心し
階段を下り食堂を目指す
<入り口の封印が保持されている> ことを確認して

彼女たちは食堂で夕飯の支度を始めた

花陽の炊いてくれたお米
穂乃果の作ってくれた肉じゃがとにこの作ってくれたカレーを温め
真姫の好きなトマトでサラダを作った
デザートにはもちろんことりのチーズケーキ

今までの現場を目の当たりにしてきて食欲があるとは言えない
それでもゆっくりとだが全ての料理に手を付けた

食事の後には今までのμ'sについて話していた
楽しかったこと、悲しかったこと、ケンカしてしまったこと
微笑みながら泣きながら今までの思いを話していた

そうこうしてる内に時計は21:00を指そうとしていた時
海未が提案をする


海未「今夜さえ乗り切れば明日警察を呼ぶことが出来ます」

海未「なので希は絵里の部屋で、凛は私の部屋で寝ましょう」

海未「チェーンロックは斧でないと破壊出来ないと思うので私の部屋で管理します」

絵里「分かったわ」

希「ウチも了解や」

凛「うん!」


海未が管理室にある斧を回収して4人は部屋に向かった
二階の踊り場で最後の会話を交わす

海未「集合時間は07:00にしましょう」


そう言って海未と凛が部屋に入る
希と絵里も部屋に向かう


海未と凛は部屋の鍵、チェーンロック、窓の施錠を確認して
二人でベッドに入った

<海未の部屋は完全に密室である>


凛「海未ちゃん……抱きついてもいい……?」

海未「…いいですよ」


lily whiteではお互い姉妹みたいなもの
海未は凛を抱きしめ頭をなでてあげた
二人はそのまま就寝した


希と絵里も同様に部屋の鍵、チェーンロック、窓の施錠を確認して
二人でベッドに入った

<絵里の部屋は完全に密室である>


今日起きっぱなしで気張りすぎたせいか絵里はすぐに眠ってしまう
希は絵里の頭をなでた
生徒会コンビの二人も相当の絆があるのだろう
お互い体を寄せ合って就寝した

DAY 3


いつもは朝の稽古で早起きな彼女だったが
この日はぐっすり眠ってしまっていた
窓から差し込む朝日が眩しい


海未「んっ………」チラッ

凛「んぅ………海未ちゃん……今何時……」


ちょうど凛も起きたみたいだ
時計を見てみると後5分で07:00になろうとしている


海未「希と絵里が心配ですね……」

凛「うん…」

海未「絵里の部屋に行きましょう!」


そう言って二人は身支度をして絵里の部屋に向かう

絵里の部屋は一目見るだけで異様な光景になっていた

凛「ま…魔方陣………」カタカタ


凛の震えが止まらない

今まで犯行のときにドアの内側に描かれていた魔方陣
それが今度はドアの外側に描かれているのだ


海未「くっ……」

海未「開けますよ!希!絵里!」


ドアノブに手をかけて捻る
扉を開こうとした瞬間に強い抵抗を手に感じた

ガキンッ

チェーンロックが海未と凛の進入を拒んだ


海未「また…ですか!!!!」ギリッ

海未「凛!斧を取って来るのでまってて下さい!!」

凛「あっぁ……」


凛はその場に座り込んでしまった
海未は急いで自室にある斧を取り絵里の部屋に戻ってきて腕時計を見る

DAY 3 07:00


ガキンッガキンッ……

手が震えてしまい中々壊せない

ガキンッガキンッ…
バキンッ

少し時間がかかったがチェーンロックを破壊した

凛はまだ座り込んでしまっている


海未「希!!!絵里!!!!」


部屋に飛び込みベッドに向かう
すぐに抱き合って寝ている希と絵里を見つける
服ごと腹が引き裂かれていた

海未「あぁ…い…いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


幼馴染の死、lily whiteの姉的存在の死、そして好意を寄せていた者の死
何度も壊れそうになっていたのだろう
いや、すでに壊れていたのかも知れない
今まで何とか繋いできた心が砕ける音がした

海未は絵里のベッドの横で崩れ落ち泣いた


海未「ごめんなさい……ごめんなさい……」


部屋を分けてしまったことを海未は悔やんだ


海未「ごめんなさい……ごめんなさい……」


今までの犯行をとめられなかったことを悔やんだ


海未(…………犯行……?)


海未はその一言落ち着きを取り戻し頭を回す
そして今までの事件の記憶を繋ぎ合せる

その推理は歪みながらも一筋の光が通った

海未(かなり無理のある推理ですが…辻褄は合います……)

海未(だとしたら早く砂浜に逃げなくては!)


腕時計を見ると07:30を指していた
そして凛の姿が無い事に気づいた


海未「凛!!凛!!!!」


絵里の部屋を飛び出して大声で叫ぶ
すると隣の凛の部屋のドアが開いていることに気づく

部屋に飛び込み声をかける


海未「凛!!逃げます……よ……」

海未は立ち尽くす

部屋の中には朝日に照らされた綺麗なオレンジ色のショートカットヘアーが見えた
脚が浮いていて、部屋の照明から縄をかけて首を吊っている


海未「凛!!!!!」


縄から下ろしてあげようと駆け寄ろうとしたその瞬間に


???「動かないで」


腕をつかまれ首筋にナイフが当てられる


海未「くっ………」


少しの沈黙の後に海未が口を開く

海未「やはり…あなたの仕業でしたか」

海未「真姫ッ!!!!!」

真姫「ふふっ………あなたの推理を聞かせて貰いましょうか」クスクス


首に当たってるナイフが少し肌に食い込む

海未「くっ……まず、穂乃果、ことり、花陽の三人」

海未「一日目の22:00以降誰も部屋を出ていないと分かりました……
   私が部屋に入って時計を見た時間が22:00でしたので。
   しかしあなたは部屋に入るふりをしてすぐに部屋を出ました。」

海未「そしてマスターキーを手に入れて、寝静まったころに三人を殺害。
   管理室の倉庫にあったであろうペンキを使い魔法陣を描き、各部屋の鍵を入れ替え終了」

海未「翌日管理室にあるマスターキーをさも今知ったかのように持ってきました」

海未「そして私は犯人にマスターキーを預けるという
   取り返しのつかないミスを犯しました」

真姫「そうね…あなたらしい判断だと思ったわ」フフッ

海未「そしてにこですが………にこは……共犯ですね……」

真姫「アハハッ!!凄いわね海未!!」


真姫が驚きのあまり笑う

海未「あなたは我先にとにこに覆いかぶさりました
   出来るだけ傷口を見せないために……」

海未「にこに部屋の窓と部屋の鍵を開けさせたのは外部犯の仕業に見せかけるためですね……」

真姫「あら?じゃあ魔方陣はどう説明するのかしら?
   私たちは朝はずっと一緒にいて全部屋捜索したわよね?
   捜索した時にペンキの缶でも見つかれば怪しむでしょ?」

海未「必要な量だけ持ってにこが自分で描き缶を窓から捨てれば可能です。
   そもそも持ち運べればいいので缶でなくてもいい……
   にこは島に来たときから荷物に仕込んでいたんですね……」

真姫「ふーん…なかなかやるわね」クスクス

海未「次はあなたの自殺ですが……あなたが今ここに現れたおかげで納得しましたッ!!!
   ことりの死体を使いましたねッ!!!!!」

真姫「ふふっ正解よ海未!!!」ケラケラ

海未「髪を切り、髪の色を替えて、ブレスレットを付け替えるてマスターキーは良く似た偽者を使う
   死者を弄んで楽しいのですか……許しませんよ真姫ッ!」

真姫「ふふっ」ケラケラ

海未「そして希と絵里……
   あなたたち二人のどちらかがマスターキーを持っているので
   食事中に絵里の部屋に忍び込むのは簡単なはずです……」

海未「二人で絵里の部屋に忍び込む……
   二人で二人を殺すのは簡単だったのでしょう……」

真姫「ちょっと違うわね
   <絵里の部屋の施錠が完了したときに私は希の部屋にいたわ>」

真姫「あなた達が二人ずつ二部屋に分かれたのは想定外だったわ」

海未「それでもにこが刃物を出してしまえば勝ちです……
   もしくは寝静まるまでお風呂クローゼットに隠れてしまえばいいんです……」

海未「そして殺した後は自由です……
   魔方陣を描くのも密室を破り再構築することも簡単です……」

海未「あなたかにこ、もしくは二人ともが絵里の部屋のクローゼットもしくは
   洗面台の方に隠れれていれば…今さっきの密室を作り上げることは簡単です……」

海未「そして凛が自殺してしまい残りは私……」

海未「最後だからこうして姿を現したんですね……」

真姫「えぇ……そうよ」クスクス

海未「動機は……愛故に…といったところですか……
   狂っています……あなたもッ!!!!にこもッ!!!!!」

真姫「アハハッあなたの口から愛なんて言葉が出るとは思わなかったわ!!」

真姫「さて海未、最後に何か言いたいことはある?最後だし聞いてあげるわよ」クスクス

海未「あなた達には愛などありません……二人だけの世界が作れても
   死んでしまった皆の愛を超えることなど出来ませんッッ!!!!!!!」

真姫「ッ!!!」

真姫「うるさいッ!!!!!!!」


真姫は海未の首を切り裂いた


海未「カ……ハっ…………」


真姫「………さようなら……海未………」


薄れていく意識の中で海未は真姫の背中を見る
その背中はとても寂しそうな背中をしていた


海未(あなたは……ずっと一人ぼっちだったのですね………)




DAY 3 08:00

Episode 1 ~その島で~ 完

ここからは作者の方から少しお話させていただきます。

まずここまで読んでくれた方がいましたらありがとうございます。
キャラが絶対やらないような行動や言動は
ストーリを進めるために妥協したんだなと思って頂ければ作者は救われます。

ここまでのお話の中で真姫が犯人でにこが共犯者という結論が出せた方が多いと思います。
トリックについては海未ちゃんが説明してくれましたね。

真姫ちゃんの行動も言動も怪しすぎますよね
そして真姫ちゃんの言動に関しての真実

<真姫はケースを壊し、マスターキーを取り出していた>

過去系のこの真実がほぼ決定打になると思います。

しかしお話が雑すぎますよね

キャラの死亡描写も真実で語っていません。


ちなみに作者が読み直したら共犯は海未になりました

未知の10人目が犯人で真姫が共犯者という結論もありますね

ファンタジーになってしまいますが魔法なら全ての犯行が可能ですね。

誰も死んでいないんじゃないのか?


と言う様にこのままだといろんな可能性が存在してしまうお話になっています。
3部構成にするためにわざとそういう風に作りました。
申し訳ありません。

なのでここから少し補足と情報追加のためのエピソードを
始めさせていただきます。

Episode 2 ~私は誰?~


真姫(全て終わったわね……)


真姫は一息ついて風に当たりに行くため館を出ようとしている
入り口にたどり着きガムテープによる封印を見つける


真姫(こんなことしても無駄だったのよ海未)クスッ


ガチャンッ

真姫がドアの鍵を開いたその時

ザクッ……


真姫「えっ?…………だ……れ…………」ドサッ


真姫の背中に包丁が突き刺さった。

そのまま真姫は倒れこみ


<真姫は何者かによって 殺 さ れ た>

ガチャンッ

何者かが入り口の施錠をする

???「 < こ の 館 は 完 全 に 密 室 で あ る > 」

???「ふふっあとは私が説明する」

???「一つ <西木野真姫は 犯 人 で は な い > 」

???「一つ <西木野真姫は 園 田 海 未 し か 殺害していない> 」

???「一つ <海未以外の被害者は全員 犯 人 の 手 に よ っ て 殺害されている> 」

???「一つ <この島には 犯 人 が 一 人 存在している> 」

???「一つ <マスターキーは こ の 島 の 中 に 一 本 しか存在しない> 」

???「一つ <この島にはμ'sの 9 人 しか存在しない> 」

???「これはヒント。DAY 2の<22:00以降、誰も自室を出ていないことが分かった> この真実を
    <22:00以降、朝の集合時間までμ'sの9人は全員自室にいた> と言い換える」

???「次が最後」




???「  <  犯  人  は  私  >  」


Episode 2 ~私は誰?~ 完

ここからまた作者の方から少しお話をします。

<マスターキーは島の中に一本しか存在しない>
<この島にμ'sの9人しか存在しない>
<22:00以降、朝の集合時間までμ'sの9人は全員自室にいた>

この三つの真実により犯人が一瞬で確定してしまいましたね。

真実を弱めに使ったのはこのためです。
一つだけ追加するなら

<真姫はケースを壊し、マスターキーを取り出していた>この真実を
<真姫がケースを壊し、マスターキーを取り出したタイミングは
穂乃果の部屋を開錠する直前である>にすれば共犯者も確定します。


今までの考えをぶった切れる真実の力って凄いですねw
もう一章ありますが今日中に上げさせてもらいます

Episode 3 ~UNBALANCED LOVE~


花陽「ねぇ凛ちゃん」

凛「なぁにかよちん?」

花陽「最近二人でいる時間が減ってきちゃったね……」


きっかけはその些細な一言だった


花陽「私ねユニット練習で凛ちゃんと離れ離れになるのが耐えられないの……」

花陽「今まで一緒にいた凛ちゃんと私はずっといたいの!!」


最近ユニット練習ばかりで凛と一緒にいれない
大好きな幼馴染と一緒にいることが出来ない
大好きな凛ちゃんとずっと一緒にいたい

そんなことを思っているうちに彼女は思ってしまったのだろう

凛 ち ゃ ん 以 外 い ら な い

凛「かよちん……凛もかよちんと一緒にいたいよ……」


最初のうちはただ一緒にいたいという気持ちだけだった凛だった


二人は真姫と話をする


凛「ねぇ真姫ちゃん……最近一年生で一緒にいる時間減っちゃったね……」

真姫「そうね……」


真姫からしたら凛と花陽は高校で出来た初めての親友である
スキンシップをしてくれる凛に少なからず好意を寄せていたのだろう


花陽「ねぇ真姫ちゃん……お話聞いて欲しいんだ……
   ……だって私達…… 親 友 だ よ ね 」


花陽の口から出たとても強い槍のような言葉
今まで親友という親友のいなかった真姫の心をえぐるには十分な言葉だった

それから一月かけて心を壊していった
それは洗脳のように……

真姫「私達、親友よね」


真姫の心を壊した


凛「親友だよ」


凛の心も壊した


花陽「そうだよね!」


自分の心も壊した


まきりんぱな「「「 私 達 以 外 い ら な い 」」」」


完全に歪んだ愛である

こうして三人でこの事件の計画を立てた
真姫は自分が殺されるとは思っていなかったのだろう


そして場面は真姫を殺した後に戻る

花陽「ふふっごめんね真姫ちゃんッ!!!!!!」

花陽「私の世界には真姫ちゃんはいらないんだ!!!」

花陽「アハハハハハハッ!!!!!!」

凛「あれ?かよちん?」


凛が階段から降りて来た


凛「真姫ちゃんも殺しちゃったんだぁー」

花陽「真姫ちゃんはいらないよね?」

凛「凛はかよちんがいればそれでいいよ!」


この二人は完全に狂っていた
いや、もう心は死んでしまっているのだろう

花陽「凛ちゃんついてきて!!!」

凛「んー?」


花陽が凛の手を引いて花陽の部屋に向かう
花陽の部屋の机には大量の原稿用紙がある


花陽「これはね、この島で起きたことを書き出しているんだ」


原稿用紙にはEpisode 1とEpisode 2の
<真姫は何者かによって 殺 さ れ た> まで書かれている
続いて 私を見つけてください と書き込んだ

凛「これにサインするの?」

花陽「そうだよ」


花陽は最後の行に『無人島の』と書いた


花陽「凛ちゃんは『女神より』って書いてね!」

凛「分かったにゃー!」カリカリッ


『無人島の女神より』


そして花陽がタイトルをつける


~UNBALANCED LOVE~


そしてその原稿用紙をボトルに詰め込んだ
窓を開けて二人で海に投げ込んだ

二人はゆっくりゆっくりと沖に流れていくボトルを眺めている

一時間は眺めていたのだろうか
二人で窓を施錠する
花陽は満足した顔で口を開いた


花陽「それじゃ行こうか凛ちゃん!」

凛「うん!」


花陽、凛「「 二 人 だ け の 世 界 に ! 」」


互いに互いのお腹に包丁を突き刺した

<DAY 3 11:00 花陽、凛の死亡により現時刻を持ってμ'sの9人は全員死亡した>


この日の迎えの定期船は次の場所への時間が迫っていたせいか
μ'sの9人が来るのを待たずに次の目的地へと行ってしまった

家族はいつまでたっても帰ってこない娘達を心配し
警察に連絡したが、天候の悪化により警察が到着したのは三日後だった

世間では女子高生9人心中事件として報道された。
しかし花陽のトリックが巧妙だったせいか
誰が主犯だったのかは分からないままだった……

時は流れて4年後


海の綺麗な町にメッセージボトルが流れ着いていた


???「なんじゃこりゃ?」

???「メッセージボトルかな?」


早起きして海を見に来ていた少女がメッセージボトルを拾う
少女は部屋に持ち帰り、中に入っていた原稿用紙を読んでいた
一時間ほどで全て読み終えたみたいだ

???「これってあの事件のメッセージボトルなのかな?」

???「~UNBALANCED LOVE~かぁ……そこに愛はあったのかな……?」


少女が少し考え込む


???「うーん……普通怪獣の私には犯人が誰だかわかんないや」テヘヘ


少女はパソコンに向かいμ'sと検索した

PC「♪~I say...Hey,hey,hey,START:DASH!!」

???「ふーん……START:DASH!!かぁ……」

???「…すっごくキラキラしてる……」


少女は一曲聴き終わるとパソコンを閉じて
メッセージボトルに原稿用紙をいれて部屋の片隅に置いた


???「あっ!そろそろバスが来ちゃう!!」


少女が勢い良く部屋を飛び出す

μ'sが伝説を残さなかったこの世界で

彼女がスクールアイドル部を設立したのか

それともしなかったのか

それはまた別のお話



Episode 3 ~UNBALANCED LOVE~ 完


以上で完結となります!
最後まで読んでいただける方がもしいましたらありがとうございました!

しばらくしたらhtml化依頼してきます

すいませんファンタジー切り捨てるの忘れてました

<このストーリでは超自然能力の類の使用をしていない>

作者が出しゃばらなければ点数がついた

最後に花陽が作った密室と犯行内容を軽く説明させていただきます


まず最初のループ密室

一番簡単な解釈は穂乃果の部屋に集まったときに
共犯者の凛ちゃんに手伝ってもらって穂乃果とことりを殺害すれば簡単ですね。
これでも正解ですが一応トランプで遊んでいた描写で説明します。

凛ちゃんは穂乃果の部屋に鍵を忘れました
これはドアを開けてもらう口実です。

そして花陽は夕方ことりの部屋に行きました。
これも同じように花陽も忘れ物をしたと言えば
部屋を開けてもらえるはずです。

あとは花陽の部屋の鍵を穂乃果の部屋に置いて
穂乃果の部屋の鍵をことりの部屋に置き
ことりの鍵を持ち帰った花陽が
自室の内側から鍵をかければ数珠繋ぎの密室になります。

翌日に凛ちゃんに皆で遊んでいたと言わせます。
もう一人の共犯の真姫ちゃんに嘘の推定死亡時間を言わせれば完成です。

次のにこちゃんの殺害ですが
密室構築を諦めたと思われる描写が多いですねw

もしにこちゃんの部屋の窓が施錠されていてチェーンロックがされていたら
<にこの部屋は密室である> を宣言することが出来ました
しかし作者はにこちゃんの部屋に関しては密室宣言をすることが出来ませんでした。

密室宣言をした瞬間に
<花陽をクローゼットで発見した> でリザインですw
なので真姫ちゃんに出来るだけ疑いをかけさせずに意地で花陽を脱出させました。


最初に凛が花陽の部屋のドアを開けようとしました
コレを合図にして犯行開始です

まず真姫ちゃんがにこちゃんを部屋に入れる際にドアの外にマスターキーを置きます
にこちゃんに見せたマスターキーは偽物です

真姫ちゃんがにこちゃんに話がしたいと言ったのは
にこちゃんの部屋に花陽が忍び込む時間を稼いだということになります。

まず花陽は落ちているマスターキーを拾いことりの部屋を開錠します
これは真姫ちゃんの死体偽装をするための仕込みと真姫ちゃんをかくまうためです

そしてにこちゃんの部屋に侵入
にこちゃんが部屋に帰ってきたときに殺害

次はにこちゃんの部屋の細工です

まず窓の開錠と開放
これはにこちゃんの部屋が密室になるのを防ぎ
第三者の犯行に見せかける細工ですね

つぎはチェーンロックを破壊した後に部屋を出ます
そしてチェーンロックを繋ぎなおせば半密室を作れます

<部屋の外部から部屋の鍵とチェーンロックに干渉することが出来ない>
<これは紐や道具等を使って部屋の鍵、チェーンロックを外部から開閉することを出来ないことを意味する>

密室になっていないのでこの真実の盲点をついたというわけです

そしてドアを開ければ手が届くところにマスターキーを置いて
花陽はことりの部屋に逃げ込みます

そして一番最初に来る真姫がマスターキーを回収します
これも部屋が密室定義から外れているからできることですね。

みんなが集まったところで希が一言

希「まさかまた密室……」

<密室じゃない> です希さん!


そしてチェーンロックを凛が破壊

共犯者のみが部屋の状況説明をして、絵里、海未、希に無理やり信じさせました

チェーンロックが破壊されつなぎ直されていて、さらに窓が開いています
なので <にこの部屋は密室であった> を宣言せずに済みました。


次に真姫ちゃんの死体偽装です

ことりの手に偽物のマスターキーを持たせるだけですね。

<真姫の右手にはマスターキーが握られている>

これは真姫ちゃんがことりの部屋でマスターキーを握っていればいいですね
<マスターキー握り締める真姫ちゃんかわいい>

そして最後の希、絵里です。


まず真姫の自供の

真姫「あなた達が二人ずつ二部屋に分かれたのは想定外だったわ」

これは作者自身が思った事を代弁させました

最初は4人とも自室で就寝のプロットを書いていました
しかしにこちゃんの部屋と同じトリックを使用してつまらなかったので
最終日のストーリーを書く直前変更しました
結果的に犯行を進めることが簡単になってしまいましたw


まず夕食の時に花陽と真姫ちゃんが穂乃果の死体を凛ちゃんの部屋に移動させ死体偽装をします。
死体偽装のために時間が必要なので夕食の時間を長めに変更しました。

そして二人は各部屋に分かれます。
花陽は絵里の部屋で真姫ちゃんは希の部屋ですね。

そしてまず作者側からしたら
すぐに一人眠ってもらわなければいけませんでした

夕食を引き伸ばしてすぐ眠れるだろう時間まで無理やり食堂に待機させました
そして作者側からしたらすぐに一人眠ってもらわなければいけませんでした
2日目は一日中起きっぱなしだった絵里の描写がここで効いてきます

二人が寝静まった頃に花陽が殺害
部屋の外の魔方陣は真姫ちゃんが描いたものですね。

ストーリー中は宣言しませんでしたが
<絵里の部屋はチェーンロックを破壊される瞬間まで密室が保持されていた>
をここで宣言します。

海未に絵里の部屋を捜索された瞬間にまたもや
<花陽をクローゼットで発見した> でリザインになってしまうので

海未は犯人に会うリスクを取るなら逃げ出すだろうという解釈にして
部屋の捜索をさせませんでした。

完全に妥協ですねw


最後に海未が凛ちゃんの偽装死体を発見すれば終了です。

刃物を使った殺人が多いので凶器は刃物だ!と思いますが
<犯人の使用した凶器は素手である> を宣言して終了にさせていただきます。


以上です!
ありがとうございました!

>>100
自分で書いてて意味分からなくなってしまったんや
堪忍してくれ・・・

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