にこ「光を追いかけてきただけ」 (36)

短めで下手です

映画のμ`sを続けるかどうかのシーンのあとのお話です

三年生メインです



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帰り道


絵里「μ`sを続けるかどうか・・・難しい問題ね」

にこ「難しくなんかないわよ。私たちはもう解散するって決めたのよ」

希「・・・でもちょっと意外かも」

絵里「意外ってなに?」

希「にこっちのこと」

にこ「・・・にこ? なにが意外なのよ」

希「だってにこっちはスクールアイドルが大好きやん?」

にこ「そうだけど、だからなんなのよ」

希「μ`sを続けて活躍すれば、にこっちの大好きなスクールアイドルがもっと大きく発展するかもしれないでしょ?」

にこ「それは・・・そうだけど」

絵里「そうなのよねぇ。μ`sがここまで影響力を持っちゃったんだから、もうμ`sだけの問題じゃないのよ」

希「うん」

希(でも、それってなんか切ないやん・・・だってμ`sの始まりや今までの頑張りは、いつもμ`sのみんなで決めてきた結果なのに)

絵里「だから難しいのよねぇ・・・」

にこ「・・・」



絵里「ふたりはこのあとどうするの?」

にこ「にこはチビたちの面倒を見ないと」

希「うーん。うちは神田明神にでも行こうかなぁ」

絵里「バイト?」

希「ううん。今日はお休み。ただちょっと行きたいの」

にこ「自分で決められないからって神頼みでもするつもり?」

絵里「ちょっとにこ、言い方悪いわよ」

にこ「神頼みなんて情けないじゃない」

希「神頼みといえばそうかもね」

絵里「希?」

希「ただ神様にうちの未来を決めてもらうことなんてそもそもできない」

にこ「じゃあなんで神社になんか行くのよ」

希「神様の前に立って、お祈りするだけでもちょっとは気持ちが安らぐかもって思っただけ」

にこ「ふーん・・・」

絵里「それいいわね。じゃあこれから三人で行かない?」

にこ「はぁ?」

希「やめてよ。わざわざ三人で行くほどのことやないのに。ただのうちの気休めなんやし」

絵里「そんなことないわ! それにこの三人で神田明神に行くなんてこの先ないかもしれないし!」

希「そうかなぁ・・・」

にこ「ちょっと! にこは家の用事があるって言ったでしょ!?」

絵里「寄り道する余裕もないの?」

にこ「・・・あるわね」

絵里「じゃあ決定♪」

にこ「ほんとにちょっと寄るだけよ?」

絵里「わかってるわ! さっそく行きましょう!」スタスタ

にこ「・・・」

にこ「・・・ねぇ希」ボソッ

希「ん?」

にこ「絵里ったらなんでこんなに張り切ってるの・・・?」

希「なんでうちに聞くん? そんなん知らんわ・・・」

にこ「だってあんたたち気持ち悪いくらい仲良いじゃない・・・」

希「にこっちって一言多いよね」

にこ「うるさいわねっ・・・」

希「・・・でも」

希「きっとえりちもすごく悩んでるんやと思う」

にこ「・・・」チラッ

絵里「ラララ~♪」

にこ「そうは見えないけど・・・」

にこ(鼻唄歌ってるし)

希「えりちは優しいからうちらに不安を見せたくないんとちゃうかな」

にこ「・・・」

希「うちらに心配をかけさせたくないだけで、きっとえりちの心にも迷いがあるんやと思う」

にこ「・・・そんなの優しさじゃないわよ」

希「にこっち?」

にこ「つらかったらつらいって言えばいいし、迷ってるなら一緒に考えればいいのよ。絵里のやり方は気に食わないわ・・・」

希「・・・えりちもにこっちには言われたくないやろなぁ・・・」

にこ「なによ? なんか言った?」

希「なんにも言ってないよ! ほら、さっさと歩かないと置いてかれるよっ!」タッ

にこ「ちょっと待ちなさいよー!」



絵里「・・・静かねぇ」

希「不思議やろ? 神社ってそうやねん」

絵里「ええ。それに、ここは私たちにとって特別な場所だわ」

希「そうやね。たくさん練習したね」

にこ「・・・」

希「にこっちどうしたん?」

にこ「いや・・・」

希「体力練習を思い出したん? いっつもビリ近くやったにこっちは苦しい思い出があるもんね」

にこ「そんなもん思い出してないし、いろいろうるさいわよ」

にこ(でも、苦しい思い出と言えばそう・・・)

にこ(まだμ`sが二年生の三人だけだったとき、にこは逆恨みであの子たちにひどいことをした)

にこ(直接謝るのは恥ずかしいから心の中で謝らせて・・・)

希「どうしたん、にこっち? 地面なんか見つめて」

にこ「な、なんでもないのっ!」

希「ほんまに?」

にこ「ほんまよ!」

絵里「ちょっと二人ともいつまでそんなところにいるのよー。早くお参り行くわよー」

希「えりちもうあんなところにいるやん。にこっち早くいこ?」

にこ「そ、そうね・・・」

にこ(やっぱり今度ちゃんと謝りましょう・・・)




チャリン

パン! パン!


にこのぞえり「・・・」


絵里「・・・ふぅ。お参り終了ね」

希「うん」

にこ「・・・」

絵里「にこ? なに黙ってるのよ」

にこ「・・・なんかお参りに正式のやり方ってなかったっけ? 今の違う気がするんだけど」

絵里「あら、そうなの?」

希「別になんでもええよ。大事なんは気持ちやし。知ってる人はやればええってだけよ?」

にこ「そんなもんでいいのね」

希「それよりお参りも終わったし、にこっちは帰らないといけないんでしょ?」

にこ「そうだけど・・・」

希「ん?」

にこ「希と絵里はどうするの?」

希「うちらのこと気になるの?」ニヤニヤ

にこ「き、聞いてみただけよっ!///」

絵里「そうね。希のおうちに行こうかしら。みんなで行ったとき以来行ってないし、久しぶりに寄りたいわ」

希「・・・え? うち来るの・・・?」

絵里「都合悪い?」

希「そうじゃないんやけど・・・」

希(だってうちには卒業式にこの三人で撮った写真が飾ってあるんやで?)

希(そんなん見られたら恥ずかしいやん///)

絵里「・・・希のおうちに行ってもいいのかしら?」

希「き、来てもええよっ!」

絵里「ほんと? よかったわ」

希(もうええわ。笑われるだけ笑われよう・・・)

にこ「・・・」

希「にこっち? 帰らへんの?」

にこ「・・・しょ、しょうがないわねぇ! にこも一緒に希の家に行ってあげるわっ!」

希「にこっち?」

にこ「だ、だって三人揃わないと寂しいでしょ? 絵里だって寂しそうだし」

絵里「なんで私なのよ」

希「寂しいのはにこっちの方ちゃうの?」ニヤニヤ

にこ「・・・」

にこ「・・・そうよ」

希「え?」

にこ「寂しいの」

絵里「にこ・・・?」

にこ「μ`sを続けるかどうか・・・こんな難しい問題を抱えてひとりで帰るのはつらいの」

絵里「にこ・・・」

にこ「・・・」

希「じゃあにこっちもおいで? 三人でささやかな夕食パーティしよ?」

にこ「・・・でもにこにはチビたちの世話があるし・・・」

希「そうやったね。どうしようか・・・」

絵里「じゃあこうしましょう? 一旦解散して、にこのお母さんが帰ってくる時間に再集合っていうのはどう?」

にこ「それじゃ夕食食べてからってことになるでしょ? パーティなんてできないわよ?」

希「パーティなんてなくても問題ないよ。三人で集まれるんやったらなんにもしなくていい」

絵里「そういうことね」

にこ「・・・ごめんなさい」

絵里「あら、にこったらなにか謝るような悪いことしたのかしら?」

希「にこっち悪い子なん?」

にこ「・・・ふふっ。そうね。ありがとう」

絵里「ええ。それじゃあ一旦解散しましょうか」

希「家で待ってるね」

にこ「ママが帰ってきたらすぐに知らせるわ」



希宅



希「・・・」ズルズル

希(いい加減自炊したほうがええんやけど・・・)

希(即席めんの楽さに甘えてしまうんよねぇ。それにおいしいやついっぱい出てるし)

希(・・・でも、お母さんの手作り懐かしい)

希(今頃えりちとにこっちは憧れの手作りごはんを食べて幸せなんやろうなぁ)

希(・・・にこっちは自分で作ってるんやっけ? まあええわ)

希「・・・」ズルズル


ピーンポーン


希「ん?」

希「こんな時間に誰やろ・・・」

希(まだにこっちからは連絡来てへんし・・・えりちが早目に来たんかな)


ピーンポーン


希(なんやせっかちなお客さんやなぁ)

希「はぁい! 今出ます!」


ガチャッ


にこ「・・・」

希「あれ? にこっちやん」

にこ「・・・出るの遅いのよ」

希「ごめんね。でもにこっち連絡まだしてへんやろ?」

にこ「・・・これ!」ズイッ

希「・・・ビニール袋?」

にこ「うちのご飯持ってきてやったのよ! どうせ希ロクなもん食べてないでしょ?」

希「にこっち・・・」

希(あかん・・・にこっちに慈母の温かみを感じるやん・・・)ウルウル

にこ「いいから早く家に入れなさいよ」

希「ありがとうなぁ・・・にこっちはうちのお母さんや・・・」ウルウル

にこ「どういうことよ。・・・って希泣いてる?」

希「にこっちがあんまりにも優しすぎて」

にこ「そうでもないわ。ちょっとしか持ってこれなかったし。でも、いらないなんて言われなくてよかったわ」

希「そんなこと言うわけないやん」

にこ「とにかく早く食べちゃいなさい。それから絵里を呼びましょ」

希「にこっちは女神様」

にこ「訳のわからないこと言ってないで、ほら、温めてあげるからお箸と器を用意して」

希「涙で前が見えへんで?」

にこ「あーもうっ! にこが全部やるからじっとしてなさいっ!」



絵里「お邪魔します・・・希の部屋いいにおいするわね」

希「やろ?」

絵里「それになんとなく希が幸せそうな笑みを浮かべてるわ・・・」

希「うち・・・幸せ♪」

絵里「そ、それはよかったわね・・・」

にこ「・・・」ガチャガチャ

絵里「それでどうしてにこは希のおうちの台所で食器を洗ってるの?」

にこ「希ったら洗い物溜めちゃってて汚いからよっ!」

絵里「て、手伝いましょうか?」

にこ「ひとりでやったほうが早いっ!」

絵里「そ、そうなのね・・・」

希「ふぅ・・・」ニコニコ

絵里「いったいなにがあったのかしら・・・」

絵里「そんなことがあったのね。さすがにこ。いつも子どもたちの面倒を見てるだけあるわね」

にこ「希の私生活がいい加減過ぎるのよ」

希「そうかな」

絵里「一人暮らしなんかだからそんなにきっちりはできないわよ。まだ部屋はきれいな方・・・ん?」

にこ「絵里? ・・・あっ」

希「どうしたん・・・あ・・・」

希(二人とも卒業式の写真見てるっ!)

希(あかん/// こんなうちが記念写真を大事そうに部屋に飾ってるなんておかしいやん! バかにされて笑われるっ・・・!)

絵里「飾ってたのね」

にこ「いい写真ね」

希(あれ・・・二人とも思ってたよりドライやん・・・なんで?)

絵里(希この写真とったときすごく嬉しそうだったしね)

にこ(この写真を受けとるときものすごく大事そうに扱ってたし)

にこえり(絶対部屋に飾るって思ったわ)

希(ま、まぁ笑われなくてよかった・・・)

にこ「それで今後のμ`sをどうするか決めた?」

絵里「唐突ね」

希「にこっちは決めたん?」

にこ「にこは最初から決まってる」

希「そうやったね」

絵里「私もそれでいいと思う」

希「えりち・・・?」

にこ「・・・」

希「本気? みんなの期待はどうするつもりなん?」

絵里「そんなことわからないわ」

希「えぇ・・・わからへんってそんな無責任なこと・・・」

絵里「μ`sは私たちのものだもの」

希「・・・」

絵里「もちろんそんなこと子どもじみてるし、わがままってことになるかもしれない」

希「えりち・・・」

絵里「でもやっぱりμ`sは私たちのものなの」

希「そんなこと・・・」

絵里「一緒に笑って、一緒に努力した結果なの」

希「・・・」

絵里「ときには泣いちゃったり、つらいこともあったけれど、みんなおんなじ」

希「・・・」

絵里「ただ私たちはみんなでたったひとつの光を追いかけていただけなの」

にこ「それがμ`sだしね」

絵里「にこ」

にこ「・・・にこは一度アイドルをやめたわ」

絵里「ええ」

にこ「μ`sに出会って、思いもしなかった夢を叶えられた」

絵里「・・・」

にこ「本当はにこはラブライブなんて無謀なこと諦めていたの」

絵里「・・・」

にこ「μ`sに出会うまではね」

にこ「わかるかしら。希?」

希「え?」

にこ「あなた帰り道に言ったわよね? にこはスクールアイドルが好きだからそっちを大事にすると思ったって」

希「うん」

にこ「今答えるわ。にこはμ`sじゃないとダメなの。これはかけがえのない、代わりのないものなの」

希「にこっち」

にこ「だから言っちゃうと、スクールアイドルなんて関係ないの。ただμ`sがμ`sでありたい」

絵里「にこの言葉はよくわかる。私だって元はそうだもの。いつだってこだわっていたのはμ`sであることだった」

絵里(差し伸べられた手、やりたい気持ち、いつも隣にいてくれた優しい笑顔──)

絵里「希が一番早く結論を出すと思ってたわ」

希「どうして?」

絵里「だって、あの写真の中の笑顔がとってもまぶしいわ」

希(・・・写真・・・)

希(写真のみんなはどうしてこんなに幸せそうなんやろう)

希(なんでうちはこんなに笑ってるん?)

希(うちの気持ちは・・・)

希(ただ、みんなと一緒に──)

おわり

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