メルツェル「……さて、テルミドール?そろそろ話してもらおうか」
ネオニダス「ワシら『最初の5人』を呼んだ理由を、な」
真改「不可解」
ネオニダス「何故通信を使わず直接の接触を望んだのか?」
メルツェル「しかもこの時期に、だ……状況は緩慢とは言え、いよいよという時期だぞ?」
テルミドール「……お前たちが不可解に思うのも解る。だが、どうしても話さなければならないことがあってな」
メルツェル「話したいこと、か。まあ、この面子を見れば何の話かは解るさ」
真改「ジュリアス・エメリー」
ネオニダス「意外だの。ワシやメルツェルならまだしも、ジュリアスと真改にはありえぬ話だと思っていたが」
メルツェル「だが、確証が無いわけではないのだろう?でなければ我々を集めるはずがない……そうだな、テルミドール?」
テルミドール「いや、お前たちの想像しているようなことではないさ。ただし、もっと深刻かもしれんがな」
メルツェル「……ほう?」
テルミドール「簡単なことだが、実に致命的なことだ。諸君、心して聞いてくれ」
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テルミドール「私は、女性と話しているとあがってしまう」
真改「解散」
メルツェル「ああ、ヴァオーか?迎えに来てくれ……バカか、そんなことでネクストを動かせるか」
ネオニダス「みんな、メシでも食いに行かんか?ちと距離はあるが美味い店があってな」
テルミドール「待て待て、落着け。まずは私の話を聞いてくれ」
メルツェル「冗談としては笑えないぞ?カラードのランク1」
ネオニダス「オーメルの切り札が、まさか女に困っていたなどということはあるまい?」
真改「笑止」
テルミドール「それなのだよ、諸君。オッツダルヴァはオーメルにとって重要な存在だった」
テルミドール「そんな相手にハニートラップの可能性を、あのオーメルが近づけるとでも思うのか?」
メルツェル「ではレイレナードの時はどうなのだ?セロほど重要視されていたわけではあるまい?」
テルミドール「それでも私は優秀なリンクスだった。そういうことだ」
ネオニダス「企業に入る以前にも浮いた話はなかった、と」
テルミドール「その通りだ。生真面目な性格でね」
真改「童貞」
テルミドール「……そういうことだ」
ネオニダス「で、ジュリアスと話すとあがってしまう、と?随分とくだらぬ悩みで呼ぶものだな」
メルツェル「……いや、案外そうでもないかもしれん」
テルミドール「ほう、事の深刻さに気付いたか、メルツェル」
ネオニダス「どういうことだ、メルツェル?」
メルツェル「簡単なことだ。我々は同じ目的を持つ同志であり、目的のためならばいかなる犠牲をも覚悟している」
テルミドール「が……ORCAの全てがそうではない」
ネオニダス「成程……オールド・キングか」
テルミドール「あれは危険な男だ。貴重なネクスト戦力であるが故、手元に置いてはいるが……」
ネオニダス「何が原因で手を噛むかわかったものではない、か」
テルミドール「そう……飼い主が女に弱いと解ったら、取り込んだリリアナの連中を抱き込んで反乱を起こしかねん男だ」
ネオニダス(考えすぎ……とも言えんな。オールド・キングは明らかに我々の思想とは合わん。理由を見つければ離反しかねん)
メルツェル「それだけではないぞ、テルミドール」
テルミドール「む……?」
メルツェル「強敵を望むラスター18、狩猟を好むブッパ・ズ・ガン、同じく狩人のPQ、相応しい死に場所を求めるトーティエント……」
メルツェル「我らの思想とは異なる考えを持つネクスト戦力はこれだけ居る。万が一、彼らにまで貴様が見限られれば……」
テルミドール「12人中5人、か……」
メルツェル「オールド・キングほどではないにしろ、彼らも手練れだ。戦場以外で失うには惜しい」
テルミドール「なるほど、状況は考えていた以上に悪い、か」
真改「……」
ネオニダス「……ジュリアスとできるだけ会わないようにした方が良いのではないか?」
テルミドール「論外だ。彼女はクローズプランの要諦の一つ、旅団長である私と顔を合わせぬわけにもいくまい」
メルツェル「……おまけに、オッツダルヴァの回収は彼女に任せている」
テルミドール「な……!?聞いていないぞ、メルツェル!」
メルツェル「手が空いていたのがラスターとブッパ、それにヴァオーとジュリアスしかいなかったのだ。ならば、ジュリアスを選ぶのが適当だろう」
メルツェル「残念ながら、今回はそれが裏目にまわったが」
テルミドール「ぐ……まあいい、どうせオッツダルヴァが表舞台から姿を消せば、必然ジュリアスとも顔を合わせることが多くなる。ほんの少し早くなっただけだ」
メルツェル「で……それまでに弱点を克服したい、と。そういうことか」
テルミドール「その通りだ……諸君、何か考えは……」
真改「……」スッ
メルツェル「ん……?自分からとは、珍しいな真改」
ネオニダス「それだけ自信があるということか?言ってみろ」
真改「実戦」
テルミドール「……?」
真改「セックス」
テルミドール「!?」
真改「デリヘル」
テルミドール「!?!?!?!?」
テルミドール「し、真改!?何を言って……」
メルツェル「いや、それが一番かもしれん」
テルミドール「メルツェル!?貴様まで何を……!」
ネオニダス「習うより慣れろ、だ。机上の空論で事を為すことなどできまいよ」
テルミドール「銀翁……」
真改「……」ピッポッパッ プルルルル
真改「いつもの。2時間後。場所はこの後送付」
テルミドール「真改!?」
ネオニダス「あいつがここまで長くしゃべったのは初めてだな」
メルツェル「それだけ気合が入っているということだろう」
およそ1時間後
テルミドール「ふ、ふむ……そろそろか……」
メルツェル「落ち着けテルミドール、今からそんな調子でどうする」
ネオニダス(こりゃ、嬢が到着したら緊張でぶっ倒れるかもしれんのぉ)
ガチャッ
真改「来た」
テルミドール「ッ!」
「お待たせしました、レイ・クールで……オッツダルヴァ!?」
テルミドール「エイ=プール!?」
メルツェル「!?」
ネオニダス「!?」
エイ「オッツダルヴァ、なぜ貴方が……」
テルミドール「そ、それはこちらのセリフだ。なぜこのようなことをしている……?」
エイ「ふ、普段の仕事だけでは修理費と弾薬代でギリギリで……貯蓄ができなくて……」
テルミドール「ASミサイルなど使うから……リンクスもここまで堕ちたものか……っ!」
真改「……」
真改「仕事」
エイ「は、はい。ええと、皆さんが……?」
真改「オッツダルヴァのみ。向こうの部屋」
メルツェル(今日の真改はよく喋るな……)
ネオニダス(……気持ちは解るが現実から目を背けるな、小僧。カラードに我々の集まりが知られるぞ)
メルツェル(……どうということはあるまいよ。そもそもレイレナードに所属していた真改が常連になっていたくらいだ)
メルツェル(エイ=プールとてインテリオルへの忠誠がそう高いというわけではないのだろうさ)
ネオニダス(……多分に希望的な考えじゃのう……)
メルツェル(……そうでもなければこんなくだらないことで人類は終わりだ……)
そして二人が向こうの部屋に移り2時間後
真改「……」
メルツェル「……長い、な」
ネオニダス「初めての女に相当夢中になっているのではないか?」
メルツェル「それはそれで問題だが……ん?」
ガチャッ
テルミドール「……」
メルツェル「終わったか、テルミドール」
ネオニダス「ん?エイ=プールはどうした?」
テルミドール「……を」
真改「?」
テルミドール「ゴムの追加を買ってきてくれ、切れた」
メルツェル「……は?」
テルミドール「まだ足りない……しばらく挿れずに遊んでいるから、その間に買ってきてくれ」
バタンッ
メルツェル「……」
ネオニダス「……」
真改「……」
メルツェル「随分夢中になっているようだな……」
ネオニダス「……童貞だったほうがマシだった、ということになるかものう……」
真改「計算外」
ネオニダス「……というか、エイ=プール、一言もしゃべらんかったのう」
メルツェル「……うめき声一つあげられない状態、か?」
真改「危険」
「……」
メルツェル・ネオニダス「止めろぉ!」
真改「応」ダッ
これにより、旅団長テルミドールは己に秘められていた欲望に気付かされることになる
テルミドール「ぬう……普通の女では物足りん……リンクスの体でなければ……」
しかし、普段の活動の中ではそれを隠す程度の理性を保っていた
テルミドール「例の、カブラカンを破った首輪付き……いよいよ、首輪を外す時が来たのではないか?」
テルミドール(ハァハァ……霞スミカ、オリジナルの体はどれほどに甘美なのだろうか……)
しかし、溜まり、淀んだ欲望は
テルミドール「グ……オッツダルヴァだった時に一度はウィンの体を味わっておくべきだった……!」
オッツダルヴァ「……いや、まだ遅くないのではないか……?」
最悪のタイミングで爆発するのだった。
アルテリア・クラニアム襲撃(HARD)に続く
AC20周年という記念すべき時に何書いてるんだ俺は……
ORCAはキャラとして魅力的だしいろんな人にSS書いてほしい。
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