モバP「アイドルをオモチャにするクスリ 心・響子編」 (44)

次レス注意書き

※R-18
※P×しゅがは その後 P×響子
※MC(Mind Control)を示唆する描写がありますが、解釈はおまかせします。


※佐藤心
http://i.imgur.com/BGzlMZ9.jpg
※五十嵐響子
http://i.imgur.com/R6mslpI.jpg






――ねぇ、プロデューサー。

――アイドルをオモチャにするクスリ、欲しくない?





一ノ瀬志希からアヤシイ口上とともに押し付けられた、小瓶入りのクスリ。
色は透明で、トロミもまったくないから、ただの水と見間違えそうだ。

俺はこれを自分の担当アイドル――佐藤心に飲ませるつもりは、まったくなかった。

あのクスリを捨てずにいた理由だって、
志希が「捨てたら、もっとスゴいクスリをばらまく」と脅すから、仕方なく持ち歩いていただけ。



しかし、もはやそんな言い訳に意味はなかった。



オーディション後の会議で、心も採用を提案すると、
俺は居合わせた同僚・上長の皆から「キツい」と突っ込まれた。

「川島(瑞樹)や片桐(早苗)の開いた路線に乗りたいのは分かるが、もう少し吟味しろ」
と部門長じきじきのお言葉もいただいた。



『はぁーい、プロデューサー! スウィーティー♪ あれぇ?声が聞こえないぞ~?
 もっかいいくよーっ☆ はぁとと一緒に、せぇーのっ、スウィーティー♪』

26歳という年齢がキツい……だけならともかく、その年齢に釣り合っていないキャラ作りがキツいし、
エキストラのくせに撮影ぶち壊しにしかけるほど目立とうとしていた了見もキツいと言われた。

ルックスが水準以上だから、諦めきれずズルズルきて焦っているタイプだろうか。
でもアイドルとして容姿がよいのは当たり前、他に強みが必要だ。
そして前述の川島や片桐と違い、心には売りとなる珍しい前歴もない。



キツい。
そんなことは俺だって分かっている。

『プロデューサー、はぁとと一緒に、この厳しいアイドル界を生き残っていこうね☆
 そのためならはぁと何でもしちゃう☆ 裏工作とか☆』

心だってわかってるだろう。
ネタではなく必死である。

ただ心には見どころがある。

『後悔したくないもん! はぁとの全力見せつけちゃうぞ☆』

綺麗どころの奴が、崖っぷちにしがみついて必死になってやるからこそ、出る凄みがある。
これはティーンの小娘にも、余裕ぶった大人にも真似できない。

『飛んでる! はぁと飛んでるのぉ! みんな分かったでしょ?
 はぁとは本当にエンジェルなんだぞ☆ こらぁ、背中のワイヤーは見るな☆
 そんな悪い子には狙撃版はぁとアタックを食らわせちゃうぞ☆』

そして心は、必死だと見てもらいつつ、愛嬌も出せる。



よろしい、オーバーエイジ枠で一口買おう。

『オーバーエイジってなんだよ!? はぁとアタックかますぞ☆』

サッカーの国際大会みたいなもんだよ。



『サッカーでは、23歳以上でも同じ代表だからな! それなりの扱いを要求するぞ☆』

それなり、じゃない。
放り込まれるピッチは、ティーンと並ぶアイドル最前線だ。
覚悟しろよ。

『ほ、ホントにはぁとがアイドルに?』

まさか、冗談だったとは言わないよな。

『冗談って言ったら、殴る。グーで』

それはお互い様だ。

『……分かった。やったろうじゃんよ。限界まで』



そうして俺は、26歳にもなって本気でアイドルになろうとする心を、そのままのキャラで売り出した。
心が一発当てるならここしかない――という目論見だ。

根拠はいくつかある。

まず、心のこのキャラはバラエティでいじられるときに使いやすい。
バラエティ番組の司会をやる芸人は、年も中年以上。これでティーンのアイドルをヘタにいじると、
若い子をいびっている老害みたいな絵面になってしまい、司会として扱いにくいらしい。

逆に高橋礼子や篠原礼のような、オーバーエイジでも落ち着いたキャラとして売っていると、
ヘタな笑いのネタにされたらキャラがぶち壊しになってしまい、こちらが痛い目を見る。

心はイタいオトナというキャラなので、どちらの問題もない。



次に、心はアイドルにしてはトークがこなれている(年の功かもしれない)。
俺との最初のやり取りで既に透けて見えていたが、心はボケもツッコミも愛嬌があってハマる。
「しゅがーはぁとあたっく」なんて一発芸も――これを本人の目の前でいったら殴られるだろうが――持っている。

そんなネタキャラで知名度を稼ぎつつ、頃合いを見計らってアイドルとしてのパフォーマンスを見せる。
すると不良が野良猫を助けるようなもので、同レベルのパフォーマンスでも印象がぜんぜん変わってくる。



俺の目論見はうまく的中し、心は主にバラドルとして仕事を増やしていった。
最近は、合コンなどで女性の好みを聞かれて、心と答えると笑いが取れるらしい。
男性からは悪趣味と思われず、女性からは嫌味と思われないちょうどいい塩梅なのだと。

とてもありがたい話だ。
しかし俺もそう言われたら笑うと思う。




――あ、その感覚あたしも知ってる。

――人がナニやってるかの評価って、評価者・実行者それぞれの年齢とかポジションが、
  どーしよーもなくついて回るんだよね。

――『同じexperiment(実験)すれば、誰でも同じeffect(結果)を得られる』ことから始まった科学でさえ、
  あたしが若すぎるオンナノコってだけで、ミョーに大騒ぎされた覚えがあるし。


――で、そんなはぁとさんが、なんでオモチャになっちゃったの?


きっかけは、夜の居酒屋ロケだった。

心はビールの注ぎ方や酒の勧め方が堂に入っていて、
共演者を片っ端から上手く酔わせるという技能があった。
それが絵的にいけると判断されたか、飲み歩き番組のオファーが増えた。

あの夜の仕事も、繁華街で飲み屋を朝までハシゴして収録するものだった。



ただプロデューサーとして心の売り方を考えると、
酒を飲んだり飲ませたりの番組は、あまりやらせたくなかった。

柊志乃や高垣楓のように当人が酒好きならともかく、心の酒量はたしなむ程度。
酒のうんちくをキメるキャラでもない。
アルコールまじりだと現場がどうしても弛緩するから、心の必死さが浮く。
もちろん体にも負担がかかる。

よほどうまい話でもなければ、受けたくなかった。



『プロデューサーの言うコトも分かるけどね……でも、シゴト選ぶのは、抵抗あるわ』

俺の話を聞いても、心はまだ仕事を受けるつもりだった。
そこで切り口を変え、プロデューサーの立場を持ち出した。



心のプロデュース方針は、心自身ばかりではなく、プロデュースする俺の都合も絡む。
俺の担当アイドルの中では、心は(芸歴はともかく人生の上では)古参兵である。
古参兵が必死にやると、新兵への良い刺激となる。

逆に古参兵は、なるべく見目の良い仕事をコンスタントに回す必要がある。
後輩からは「はぁとさんは10年後の私の姿かも」と思われる立場だから、
いい感じの――心の必死さが格好良さへ引き立つ――仕事以外は、やらせたくない。

『いやん☆ 照れるなーもー!
 やっぱりプロデューサーったら、なんだかんだで、はぁとに気を遣ってくれちゃってさ。
 おかげさまで、こんなはぁとでもなんとかアイドルができてる』



が、これを心に言ったのは悪手だった。

『でも……プロデューサーは、はぁとがこの仕事を、
 若い子たちから見てかっこよくデキないだろうなぁ、って言いたいんだよね』

佐藤心26歳。
乙女の繊細さと大人の意地を持つオンナである。

『はぁと、ムリって言われると、燃えるタチなんだ……
 プロデューサーったら、はぁとを煽ってお人の悪い……ヤラせてみろよ、なっ☆』

シラフの仕事ならともかく、酒が入る前提の仕事でこのノリでは、うまく行きそうもなかった。
しかしここで無理に止めても、しこりを残すばかり。

俺は止めるのを諦め、急なトラブルに備えて予定を調整し、心を送り出した。



あらかじめ俺は、心の収録へ付き添うマネージャーに、
『アブないと思ったら俺を呼びつけろ』と言っておいた。

丑三つ時頃、案の定マネージャーから携帯で泣きが入った。
社用車だと角が立つので、自分の車で近くまで行って現場に顔を出す。

『あれぇ? プロデューサー、はぁとのおシゴトはまだ終わってないぞー☆
 こんな時間だし、うぇへへへ……終電、もうないぞ☆ あ、アイドルが終電ないとか言っちゃマズイわな☆』

心は酔いのあまり、キャラがボロを出していた。
強くないくせに意地を張ったまま仕事に出て、酒量が増えてしまったのか。
これでは収録終わりまで持たないだろう。



『あ、ちょっとプロデューサー? 逃げんな☆ はぁと、アナタのために頑張ってるんだからぁー』

俺はそそくさと荷物を置き、番組のディレクターらスタッフに平謝りして休憩時間をとってもらった。

最初からこう対処するつもりだった。心が今回の仕事で粗相したときには、
こうして先方に『プロデューサーへの貸しを作らせて収める』ために待機していたわけだ。

この対処は、アイドル自身やマネージャーへやらせるわけにはいかない。



が、あの時に心の目前に荷物を放置するべきでなかった。

『おープロデューサー、いいの持ってるじゃん☆』

俺が持ち歩かされていた志希の正体不明のクスリを、
心は酔い覚ましと勘違いして飲んでしまったのだ。

『……え、違うの? でもなんか、アタマがスッキリした気がするー』



そして休憩時間が終わった。
心が回復(?)し、また休憩でメリハリがついたのか、現場も緊張を取り戻す。
深夜の収録に活気が戻る。

その中で、俺だけが綱渡りの観客のような気持ちで心を見ている。

心が一発芸のように『しゅがーはぁとって呼べよ☆』というたびに、
調子よくビール中瓶を傾けて黄金色の液体をフワフワと泡立てるたびに、
こなれてきたトークで場を和ませたり笑わせたり自在に切り回すたびに、

俺の頭では『オモチャ』という志希の囁きがリフレインする。

心は、本調子であるはずがないのに、本調子のようなパフォーマンスを見せる。
少しでもおかしな様子を見せたら『すぐ止めさせる』と思っても、
心は『邪魔すんな☆』と言わんばかりに収録を進めていく。



そのまま時計の数字は進み、

『はぁああーっ☆ どうだプロデューサー! はぁと、やり通したぞ☆』

空が白み、繁華街が遅い眠りに落ちる頃、ついに収録は終わった。

『おっ――とっとと、やばっ、今更になって足に……って、はぁとはそんなトシじゃ――っ』

気が抜けたのか、心は俺のそばで足をふらつかせ、俺はとっさに心の上体を支えた。


その時だった。

『あ……プロデューサー……そ、その、手が……』

クスリの影響などなかった――と安堵しかけたこの瞬間、
俺はやっと『オモチャ』の意味に気づかされた。

『いや……離すんじゃなくて、さ』



逆に、心が熱い体温で俺の手を掴む。

『……や。離さない。お酒はキライじゃないけど、酔ったまま一人寝は、イヤ。わかるでしょ?』

手と手、肌と肌の触れ合った部分から、クスリの毒気が回っている気がする。

『……ムリして騒いだ後は、部屋で一人になると、反動でキツくて……』

こいつ、人を終電もなくなった時間に仕事へ呼びつけておいて、
さんざっぱらヤキモキさせておいて、今度は。

『プロデューサーのおかげで、アイドルになれたけど、物寂しさには、弱いままだね……』

俺のせいだって言いたいのかよ。

こんちくしょうめ。



『プロデューサーも今回ばかりは、はぁとのコト見直しただろ? だから……☆』

俺が手を回して心の肩を引き寄せる。
加減ができなくて、乱暴な手つきだと自分でも思うぐらいだったが、
心はまったく逆らわず俺の懐に落ちてきた。





――プロデューサー、やっとわかったんだ♪

――オモチャは、手でいじりまわして遊ぶモノでしょ? だから、手で触れれば……





早朝は、東京の一般道でもトラックが流している程度だ。これでは尾行も待ち伏せも難しい。
だからアイドルを乗せた車でホテルを探してても、神経を尖らせずに済んだ。

駐車場でキーを抜いてそそくさとドアを開ける。
心はこの手のホテルに慣れてないらしく、
おぼつかない足取りで回りをチラチラとうかがっていたので、俺は手を握って引き出した。

「強引な王子様だなぁ……もー……」

ナニを抜かすか。
王子様は深夜に呼び出しかけられていきなり飛んで来るほど融通は効かないし、
オンナの誘いにいきなり乗ったりもしない。

「ちょ――だ、ダメっ、はぁと、シャワーも浴びて――」

心をホテルの部屋に連れ込むやいなや、俺は靴だけ脱いで心の体をベッドに押し倒した。
仕事後の汗がべったりと吐息に絡む。
心を横抱きにすると、彼女のシュリンプ・ツインテールが乱れて俺の肩にもかかる。

「もぁっ、ん、む、んぐ――」

うるさい口をふさぐと、乾きかけたアルコールのニオイ。シラフの俺には少々キツい。

「プロデューサーの、ケダモノぉ……」



心の上着の裾と体の間に両手を突っ込んで、服さえ脱がさずに心の肌をまさぐる。

胸のふくらみ――まるで『触れよ☆』とばかりの挑発的な肉感――にぶちあたると、
驚きと恨みの混じった目が、びくりと揺らぐ。
その目を見つめ返しながらアンダーバストに指を食い込ませると、俺よりも数段早い拍動を感じる。

「だ、黙ってないで、なんか言えよ……」

そういえば俺は、アイドルと担当プロデューサーという間柄なのに、
心のスリーサイズを知らなかった。今、手で測ってしまうか。

「プロデューサー、そんなにヒトのオッパイ触り慣れてるようには見えないケドな……。
 い、いや、慣れてたらイヤだから、慣れてなくても……ううっ」



そのままブラの下に手をねじ込んで、両手で両胸を包もうとして……覆い切れない。
さすがは『ぼんっ』と自称するだけある。しっとりした肌と火照った柔らかさが心地よい。

「そ、そうだぞっ、オンナノコの大事なトコロは、やさーしく……」

90はあるだろうか。心は170cm弱もタッパがある分、肩幅もあるから、
もしトップが互角なら、例えば片桐早苗のようなトランジスタ・グラマーよりボリュームは上か。

……って、いつまで俺はプロデューサーのつもりなんだか。
もうプロデューサーとアイドルにあるまじき行為へ及んでいるのに。


「わ、わぁっ、ちょっとプロデューサー……ん、んんっ!」

強引に心の上着とブラをたくしあげ、胸の素肌を晒す。
ぶるんとまろび出る膨らみの迫力に目を奪われる。

「や、プロデューサー、み、みない、でっ」

心は胸を隠そうとしたが、その両手を黙って俺が掴むと、ほどなく観念したように手を下ろした。



心のバストの全貌は、ちょっとおもしろい形をしていた。

だいたい心ぐらいボリュームがあると、重力に従って釣り鐘ぎみの形になるのだが、
心は乳房を支える靭帯がしっかりしているのか、かなり球に近い均整の取れた曲線。

なのに乳輪は大きめでちょっと色の濃い、主張の強いタチ。
手を突っ込んだ時に伝わる感触で、もしやと思っていたが、
人形のように整った乳肉から、おてんばの跳ねっ返りのように出るパフィーニップルだった。
しかも、つぷつぷとした乳腺までちらほら――いちご、というとちょっと大げさかもしれないが。

「いちごってなんだよ! いちごに喩えられてこんなに不本意なのは初めてだよ!」

とか言いつつも心の呼吸は、それだけで大きな胸さえかすかに上下させるほど荒い。



「ひぁっ! あっ――プロデューサーっ……!」

出っ張っているところは、どうしてもいじりたくなる。古事記からのお約束だ。
俺は心の、少しこわばりはじめた乳首を指先で小突きまわす。

「あ、あっ、んんっ――や、やだっ、そんな乱暴な触り方、はぁとは――ん、んんんっ!」

心が両手で口を抑えだして邪魔がなくなったので、俺は無防備な心のバストに指を絡ませる。
特に乳首のコリコリとした感触は、扱いにくくもクセになる心を象徴しているようで、
触っているだけで面白くてたまらない。



「はぁぅっ、う、ふーっ……ふぁああぅっ……」

心は声を殺しているつもりだが、息がひゅうひゅうと荒くなる音は隠しようもなく、
また衣服の下で、鎖骨や首筋やらの肌が興奮で赤く浮き沈みするのがまるわかりだ。

それにしても、俺がけっこう乱暴に扱っているつもりなのに、心のカラダときたら妙に嬉しそうな反応を返してくる。
乳房の稜線と乳首の回りを爪先だけでスルスル掃いてやると、焦れったいという目つきで睨んでくる。

そこは触るな、じゃないのかよ。

「プロデューサー……そんな、意地悪な、やり方……ダメ、もっと――んんっ!」

ダメの響きに抗って、俺は心への責めを重ねる。
乳首を強めに挟んで転がしてやると、心はイヤイヤと首を横に振るが、
それと同時にさらなる刺激をねだるように、上体を反らし胸を突き出してくる。

「こんな有様じゃあ、水着撮影のときは、特注のニプレス用意しないとならんかもな」

俺の下卑たつぶやきを聞いて、心は唇をかみしめて声を殺そうとするが、
心の果実はどんどん充血していって、熱と弾力を増していく。
ほのかなアルコールの匂いと混じって流れる汗は、胸への刺激で浮き沈みする心の肌に張り付いたり流れ落ちたり。

「……お前が『ぼんっ♪』って言ってる大きな胸ごしにも、脈拍が分かる……興奮してるのか?」
「こんなドキドキのさせ方、しやがって……☆」

さすがに乳首をいじっているだけでは心の脈拍も感じ取れないが、
手を膨らみに少し深く埋めてアンダーバストに迫ると、はぁとのハートの拍つリズムに触れられる。

それを片手で堪能しながら、もう片方で胸全体の熱と柔らかさを撫で擦っていると、
心の胸の中と外をいっぺんに手中としたような達成感に包まれる。


「ところで心、お前ってけっこう足癖悪いんだなぁ。ほら、もうシーツがぐしゃぐしゃで……」

胸を一頻りいじって満足すると、俺の意識は心の下肢へ移った。

30デニールもいかないぐらいの薄いストッキングと、ふわふわと媚びるスカートに包まれたままの心の下半身は、
両方の膝と太腿もぴったりとくっつけつつ、その柔らかそうな足同士をしきりにすり合わせ、
足首より下は、シーツをかきむしるように右往左往していた。

心の足の動きは、止めろと言っているのか、もっとやれと煽っているのか、両方に見える。



「おぼこ娘みたいに緊張して、力入っちゃってなぁ……まぁ、それはそれで触ってる側としても楽しいが」

俺は自分の欲望に合わせて、心の所作の解釈を捻じ曲げる。
心のくっついて震える両の膝頭を、指先で撫でてやる。
そのまま膝と膝を開いてやろうとすると、心はまた首を振って抵抗する。

「や、やぁっ……はぁと、そんなはしたないカッコは……っ!」

俺は心の膝から、緊張を孕む太腿に触れる。
ストッキングで張り付く陰影が、俺の指先でなぞられてぐいぐいと引きつる。

「ぷ、プロデューサーにそんな触られ方したら、力が、抜けちゃう……っ」
「これからするんだから、力抜けてたほうがいいじゃないか」

やたら心が力んでいるので、俺はマッサージ気分で心の腿をほぐす。
びくつく筋の表情の豊かさから、心がちゃんとレッスンに励んでいることが分かって、
別に自分の脚でもないのに俺は誇らしい気分になる。
すべらかなストッキングごしにも、彼女の体熱と皮膚呼吸を感じる。

「プロデューサーって……結構、オラついてるヒトなの……?」

そうして我が物顔で心の曲線美を愛でていると、思わず笑ってしまう抗議をぶつけられる。

「オラついてるって、お前」
「だって、普段は面倒見良さそうなツラしてて……なのに、今は、はぁとのコト、オモチャみたいに、好き勝手……」



――プロデューサーったら、まるでフツーのオンナとセックスするみたいしちゃってさぁ。

――もっと、オトコの子の怪獣と人形遊びみたいにシちゃってもいいんだよ?



――だって、あたしのクスリを飲んじゃったら……オモチャになっちゃうんだから。


ああ、そうか。
オモチャは、遊び手の邪魔をしないようにできている。
志希が作ったなら、手抜かりはないだろう。

「ちょ……ぷ、プロデューサー、まっ――だ、ダメっ、ココロの、準備がっ――」

心の言葉と裏腹に、俺が彼女の両膝を手で押し開こうとすると、
さっきまでふるふると強張っていた二本足が、コンパスでも開くようにあっさりと緩んだ。

続けてスカートをみっともなく跳ね上げ、色が変わりヨレてしまっているストッキングと下着を露わにする。

「ひぁうっ……! も、もう……っ」

心はついに手で顔を隠してしまうが、足を閉じたり体をよじることはできない。

「膝下は慎み深いフリをしていたが、膝上は逆にシて欲しがっていたみたいだなぁ」
「は、はぁと、こんなえっちなんかじゃ……っ! な、なんで……ふぁっ、あああっ!」

俺はストッキングを脱がすのももどかしく、
心の薄いベージュを引き裂いて、それが包んでいた赤い肌に指を食い込ませる。
まだ下着にすら触れていないのに、心は悲鳴じみた高さの声を漏らす。

「俺はイヤじゃないけどな。12時なんてとっくに過ぎた時間、心から手を握られて、正直期待してたし」
「……プロデューサーがベタベタ触ったせいで、プロデューサーのえっちさが、はぁとに伝染した気がする……」

心は奇妙な弁解をした。俺に責任転嫁するにしても、普通は出てこない言い方。
いいように自分を弄ぶこの手が何かおかしいというのを、うすうす感じ取っていたのか。

「そうだな。今日は全部が俺のせい。だから安心しろ。グダグダな仕事も、心がえっちなのも、全部俺のせい」



心を仰向けにベッドへ押し倒す。
自慢のツーテールは、シーツと彼女の濡れた背中に挟まれぐしゃぐしゃになる。

両足を開かせ、濡れた下着をずり下げる。
下腹部に張り付いてぺたぺたになった薄い陰毛と、ちょっと控えめな恥丘から、
酔っ払ったように充血しつつも閉じたままの陰唇を指でくじる。

「ひあっあ! い、いきなり……乱暴に、しない、でっ……はぁと、は、あたしは……」
「ああ、もしかして処女か」

心は、のしかかってくる俺を見上げたまま目を丸くしたが、やがて口を尖らせると、

「……訳知り顔で、ヒトに処女とか言うなよ……」
「お前のホテル入る時の足取りの心細さったら、端で見てるだけでも面白かったぞ」

趣味はイタイが、見た目はよくて気立てもいい心のことだ。
真面目にアイドル目指していたこともあったし、結構な数のオトコをソデにしてきたんだろうなぁ。

とは思っていたが、まさか処女とは。

「だ、だから……プロデューサー……わ、分かるよな? あまり、はぁとをイジめないで……」
「え、どうして?」
「どうしてって――なっ、プロデューサー……ちょ、それ、今、ホントに、入れ――」

心は、俺が穿いていたスラックスをくつろげてペニスを露出させると、
見慣れていないらしく動揺を見せた。

俺は心に覆いかぶさって、その顔を見下ろしながら、心の女陰にペニスをねじ込む。

「かっ――は、あっ、ぐ――い、イタ、あっ、くぅっ――」

心のうめき相応に中は狭く硬かったが、俺が体重をかけると、
まるで切り取り線でも仕込んでいたかのように、心の純潔は小気味よく破れた。



「やっぱり初めてって痛いいのか。気が紛れるようにしてやるよ」

キツイまま奥まで貫かれてしまった心は、
声も出ないまま荒く細かい呼吸を半開きの唇からこぼす。

ちょっと乱暴だったかもしれない。ダメダメ。
小さな男の子じゃないんだから、人形を手荒に扱って手足とかもいでしまうような真似はしちゃいけない。

「ひぎゃっ――あ、うあぁあっ! イタ、あっ――んんんぅうっ!」

さんざっぱら弄ってきた胸をもう一度手で襲うと、心の声や悶えに艶がいくぶん戻る。
痛みを快楽で上塗りしてやるように、下で突いて、上で揉んで、下でひねって、上でさする。

「い、イタいのと、ダメなの、両方――き、キてて、ひぁっ、あ、ううぁぁああっ!」



心の瞳は、目蓋の裏に隠れたり出たり。文字通り目が白黒している。

形相も、眉根は愁眉どころではない乱れっぷりで、化粧は汗やよだれで流れ落ちて、
身をよじらせ、肩と鎖骨を引きつらせ、振り乱された髪がそれらに張り付き、
可愛らしさとか、美しさとか、そういうアイドルらしさがどんどん剥がれ落ちる。

「いくら心のファンだって、コレは見せたらドン引きされるだろうなぁ」

心が頑張って磨いてきたアイドルとしての姿が、ペニスを一往復させるたびに、
ひび割れて、痛みに見苦しくのたうつ姿を見下ろす。元の魅惑的な姿を知るだけに正視は辛い。

でも、それを自分がやっている――やらせていると思うと、見て触って感じるのが楽しくてたまらない。
なるほど、見るだけじゃ楽しみ尽くせないんだ、これは。

「か――はっ、ひっ、ひぅっ、ふーっ……!」

気道に唾液でも入り込んだか、痛みと快楽で神経が焼け付いて過呼吸でも起こしたか、
心は気管支をひゅうひゅうと鳴らす。

「……しょうがないやつだな」

俺は酔っ払いを介抱するように――そういえば心は、ものの数時間前まで酒を飲んでたっけ――
仰向けになっていた心を、ペニスを突っ込んだまま肩と尻を転がして横倒しにする。
その横倒しにした拍子に、俺の手が心の下腹部をかすめると、心の腹直筋あたりがびくりと震え、
ペニスもいきなり締め付けのリズムが跳ねた。

「ああ、そうか。そういう遊び方も……」
「ひぁ、はっ――プロ、デューサー、そ、そこ、マジで、や、やめて、なんか、アブない、絶対それアブない――」
「しゅがーはぁと、ロストヴァージンで痛いんだろう? どうせならこの手で……」



いたいのいたいのとんでけー、とばかりに俺は心のヘソ回りを指でなぞる。

「ここ出しっぱの衣装もあるしな。温めてやろうか」

指一本伸ばして、そこの肌を軽く指が沈むほど突っつく。
その瞬間、キツく単調だった膣内の締め付けに、うねりというかうごめきというか、連続的な柔らかさが兆す。

「ひぁっ――い、いあっ、ああっ、ふぁああぁっ!」

痛い痛いとギシギシきしんでいた心の嬌声も、下っ腹を構ってやると甘さが戻ってくる。

「そういや、子宮ってこのあたりだったっけ? まぁ、触っても分からんだろうけど……」

今度は手のひらを広く使って肌を押し込んでやる。
すると押された腹筋が、ペニスに串刺しにされた膣内ともつれてきゅうきゅうと呻く。

「ココ、シてやると、ほぐれてく気がするな……初めては痛いだけじゃつまらないから、
 心のために、みっちりやってやろう」

と言いつつ俺は、腰を動かすよりも手で心の肌をもんでいた。
くにくにと躍る心の下っ腹の肌の下が、まるで女ざかり間近の子宮が動いてるように思えてきて、
腰でペニスを抜き差しするより面白い反応をする。

しかも締め付けはキツイが単調。
心の肉を手でにぎにぎしてオナホール代わりに使ってる気分だ。
これでペニスは心地良い刺激に浸っていられるから、つい手に没頭してしまう。


「ぷ、プロデューサーっ、それ、続けられたら、もう――スキにしていいから、それ、やめっ」

心は俺の手を止めようとするが、俺が心の顔を見下ろしているのに気づくと、
羞恥心が勝ったのか、両手は表情を隠し声を殺す方に回った。

押し付ける手が、熱い体温の反発を受ける。
膣内もキツさのあまり、ペニスを押し返されるんじゃないかという勢い。

「あ――はっ、ふ、あっ――くああぁああっ!」

シクシクと刺さる破瓜の痛みを取り払ってやるように、
オモチャの遊びの快楽を腹の底へ届かせてやるように、
何度も、何度も押したりこねたりする。

「あぐ――あぅああっ、ああっあっ、お、おなか、さわられ――んふぁああああっ!」

愛撫を繰り返す。
心のびくつきは、下腹部と膣内から、だんだん尻や脚のほうに滲んで広がっていく。
尻えくぼが浮いたり沈んだりする。鼠径部と内腿がピンと張ったり弛緩したりをいったり来たりする。
気を良くした俺は、もっと深く、じっくり、ぐいぐいと押し込む。心のオンナとしての中核に迫る。

「な、なかに、ナカ、キちゃって、くぁああっ、んぁああ、お、おかしく、なっちゃうっ!」

俺が子宮なんてポロッとこぼしたのを耳で拾ったのか、心も――たぶん錯覚だろうが――
子宮を俺にもまれてる心地がするらしい。普通では絶対に味わえない感覚だろう。
そりゃおかしな気分にもなるか。

「ひああっ、だ、だめ、こんなの、絶対、ぜったい、おかし、おかしいのっ、だめ、だから――っ」

心はあくまでその感覚を拒絶し続けている。
それはよくない。遊びはイヤイヤでは楽しくない。
さて心の精神的なつっかえを、どう取っ払ってやるか……と考えた瞬間、俺の口から台詞が滑り出た。



「大丈夫、何があっても俺のせいだって思っていいから」

「――っ」

俺は心に、贖宥状を投げ渡してやった。

「だから、俺のせいにして、我慢するのやめちゃえよ」




不意に、俺の手首は生暖かい液体の奔流を味わった。

それがたぶん引き金となって、アイドルとしての矜持か、もう少し深いオンナとしての廉恥心か、
おそらく心を縛るなにやらかの鎖がちぎれ飛んだ。

心の膣内は豹変し、貪欲にペニスを絞りに来る。



「ふぁっ、んぁあ、はぁあぁっ♡ あっ、あっ、あぁぁぁぁっ……♡」

もう心は、ペニスを突っ込まれるだけの処女穴ではない。
ぶしゅ、ぶしゅとあられもなく雌液を噴き出しながら、意思を持っているように抽送をねだってくる。

「心、いいぞ……油断したら、今にも出しちまいそうだ……」

手付かずだった心を、この手で一気にここまで開発した達成感が、
五感と一緒になってぐるぐる回って俺を突き動かす。

絡みつく弾力と体温やら、いつの間にか心が垂れ流している濃密な雌臭やら、
興奮しきった肢体からにじみ出る嬌声やら――そこまで乱れて歪んでも、
シーツにシワを寄せて咽ぶ心の体は美しかった。

「……出すぞ、中に」

度重なる刺激で、ペニスがいい感じに盛り上がってくる。
別に言わなくても良いのだが、心の反応が気になったので、射精が近づいてきたことを告げてみた。

「んなぁ、あっ、プロ、デューサーっ! ナカ、は、あっ、ふあっ、あっあっ――」

数時間前まで酔っぱらいの処女だった心は、避妊具うんぬんまで気が回ってなかったらしく、
今更になってわたわたし始め――いや、少し手で下っ腹を撫でてやると、
膣内射精の危険に狼狽しているのか、手でいじくりまわされる感覚に翻弄されてるのか区別がつかない。

「そと、なかっ、もっ、だめ、ぁあぁあぁっ! はぁぁあああっ……♡」
「いいよな――いいだろ、出すぞ」

俺は景気づけに深く突っ込んで、そのまま心の中に精液をぶちまけた。
心は射精そのものは感じていないようだったが、俺の反応を見て事の終わりを察したようだった。



「……こ、こんなの、覚えたら……プロデューサーに、ダメに、されちゃう……っ」

恨み節とともに、心はがっくりと首を曲げてシーツに突っ伏した。



あれ以来、心はことあるごとに俺の『手』をねだってくる。

特に水着などヘソ周りを露出する衣装を提案すると、

『プロデューサー……はぁとがたるんでないか、チェックしなくていいの……☆』

などと言ってベタベタ触らせて、なし崩しでセックスに及ぶのが通例となってしまった。
これでは遊んでるんだか遊ばれてるんだかわからん。



心のウエスト回りを中から外から刺激してやると、
すごい勢いでぎゅうぎゅう反応するから、エクササイズの効果はあるのかもしれない。

そうして俺が心のスタイルをじっと眺めていると、

『おっ☆ プロデューサーもはぁとのボディラインにメロメロかぁ~?』

と茶化す――それは前々からなのだが、今やその目は笑っていない。




――へぇ、だからはぁとさんは夏の水着の仕事の前、やけに張り切ってたんだー。

――アイドルとプロデューサーで、カンケイをおおっぴらにデキないからこそ、
  二人でシたことの証は、ほんの少しでも見せつけたいよねー。

――そういえばこの間、はぁとさんうっすら腹筋割れてるように見えたから、
  それ聞いてみたら顔真っ赤にして怒られちゃった。
  もしかしてプロデューサーとイイことしてたの思い出しちゃったのかな?



――ところで、さ。

――はぁとさんだけじゃないよね? キミのオモチャ。

――だってあたしが渡したクスリは、一瓶じゃないもん。





(心編終わり/以降は響子編です)



俺が五十嵐響子をアイドルとしてスカウトした理由を端的に述べるとすれば、
一言「見知らぬ人に自然といい挨拶ができるから」で済ませることができる。



実際、俺が響子を意識したきっかけは、鳥取に出張していたある朝、
道端で「おはようございます!」と元気よく響子に声をかけられたことである。

その姿が頭に残っていたままの数日後の別の朝、重そうなゴミ袋を引きずっていた響子を見つけ、
チャンスだと思った俺はゴミ捨てを手伝った勢いで響子をスカウトした。



心と違って、響子は俺がスカウトしなかったとしても、いつか必ず誰かがスカウトした人材だ。
芸能界にちょっとでも心得のある人間であれば、
これで響子がきわめてアイドルに向いている、とわかる。



この話を上京したばかりの響子にしたとき、響子は冗談だと思ったのか苦笑いした。

そんな響子を、俺はプロダクションのエントランスに連れていき、
来客者や軽い打ち合わせのための椅子に響子を座らせ、受付を眺めているよう指示した。

受付では、受付嬢が座っているとなりで、
響子より少し年上の先輩アイドル――担当外だったし、もう引退したので名前は伏せる――が立っていて、
目の前を来客者が通るたびに「おはようございます」と頭を下げて挨拶していた。



『あの人を見ていればいいんですか? でもプロデューサーさん、あの人は何をして……?』

俺は響子に、

『彼女がああしている理由が分かったら……
 あるいは、どうしても理由が分からなかったら、俺のデスクに戻って来るんだ』

と言い置いて、書類仕事に戻った。



2時間ぐらい経った頃、内線が鳴って、
件の先輩アイドルのプロデューサーから、『頼むから挨拶の邪魔をしないでくれ』と連絡があった。

エントランスに行くと、響子は先輩アイドルと並んで「おはようございます!」と挨拶をしていた。
俺は先輩アイドルに一言謝って――彼女の表情は泣きだす寸前に見えた――響子を連れ出した。

『えっ、ぷっプロデューサーさん!? もしかして私、余計なことしちゃいましたか……?』

俺が響子に『理由はわかったか?』と聞くと、響子は

『そ、その……私、どうしても理由が分からなくて、同じことをすれば理由が分かるんじゃないか、
 って思って一緒に挨拶していたんですけど……ごめんなさい、分かりません……』

と返してきた。



彼女――先輩アイドルが、ひたすら出入りする人に挨拶をしていた理由は、
出入りするマスコミ関係者の一人にでも顔か声を覚えてもらおうとしていたからである。

この振る舞い、芸能界の外の人間には理解しがたいだろう。

実際、この理由を聞かせた時の響子は目を丸くして半信半疑の様子だった。



しかし芸能人にとっては、顔や、声や、立ち居振る舞いが商品である。
そこにたたずむこと自体が売り込みである。

だから、ひたすら『おはようございます!』と言い続ける行為は、
他の業界で言えば試供品の配布や飛び込み営業に相当する。
メインではないが、決して軽視はできない。

極論すれば『おはようございます!』の一言で『そういえばあんな奴いたな』
ぐらいの印象を相手に残せなければ、アイドルとしての大成は望めない、ともいえる。



『あ、挨拶が重要なのはわかりましたけど……でも、私は何も特別な……』

響子の『挨拶』は(生来の才能か、環境の賜物かは知らないが)、
初めて聞いたとき『今日はいいことありそうだな』と相手に思わせ、
二度目に聞いたときは『あの時のあの子だ!』と相手に思わせる、そんな特別な一言だった。

そのとてつもない武器を、アイドルになる前から、他人(俺)へごく自然に繰り出して見せた。
野球で言えば、素人がいきなり飛距離160mの場外ホームランを叩き込んだ感じだ。

『じゃあ、まさか私が隣で挨拶してたのは……もしかして、あの人の邪魔に……』

俺にも響子にも悪気は無かったが、結果として件の先輩には悪いことをしてしまった。
響子には絶対に言えないが、あの子が辞めたのは俺と響子のせいかも知れない。



俺はそんな響子を、アットホームな雰囲気を持つアイドルとして売り出した。

響子もよくそれに応えてくれて、「お嫁さんにしたい有名人アワード グランプリ」をまず勝ち取り、
それを皮切りに「姉にしたい~」「娘にしたい~」「後輩にしたい~」などの実績を挙げている。

『アイドルって、すごいんですね。
 私は、素敵なお嫁さんになって、両親みたいな家庭を作りたいと思ってましたが、
 ……まさか結婚より前に、こんな素敵なお嫁さんにしてもらえるとは思いませんでしたっ』

そうしていろいろな称号を獲得しているが、最大公約数的に言えば、
響子のファンは老若男女みんな響子から「おはようございます!」と言われて朝を迎えたいのだ。
響子はそういう需要に応えるアイドルなのだ。

『……ということは、私をお嫁さんにしてくださったプロデューサーさんって――』

だから響子をスカウトした理由を一言で片付けるなら「見知らぬ人に自然といい挨拶ができるから」となる。




――なるほどねー。確かにあたしも、響子ちゃんの前ではお寝坊できないなぁ。

――で、そんなステキなアイドル響子ちゃんは、なんでまたキミのオモチャになっちゃったのかな?



志希や心などの問題児(そのくせ数字は出しているから切るに切れない)を抱えて、
俺はプロデューサーという仕事に疲れていた。

そこで響子と話したり、お茶や食事をともにすると安心して、
うっかりすると響子に甘えてしまうようになった。



そんな関係が続いたある時、ブライダル関係の仕事で見事なウェディングドレス姿を見せた響子に、
俺は『どんなワガママでも何か一つだけ聞こう』と申し出た。

「なんでも……ですか。では……」

響子には世話になってばかり……という負い目を、軽くしたかった。
それでつい勢い良く『どんなワガママでも~』と言った。



できた性格の響子なら無茶は言わない――はずだった。
だが俺の見通しは甘かった。

「……私を抱いてください。はぁとさんみたいに」



不意打ちに思考が凍る。どうして、それを響子が知っている?
響子に、何も返事できない。



響子は俺を責めるでもなく、驚いた様子さえうかがわせずに俺を見つめ、語る。

「私、思うんです。自分の今の年齢について……良いこともあれば、悪いこともあるって。

 年少さんからは『お姉ちゃん』と慕われて、大人の方からは『若いわねぇ』って言われて、
 だから『お嫁さん』役も、『お姉ちゃん』役も、『娘』役もできて……都合がいいですよね。

 でもその都合のよさは、アイドルとしての……プロデューサーさんがプロデュースしてくれる限りの話、なんです」



響子は「おはようございます!」の響きに挨拶以上の力を上乗せしていたように、
ただの言葉にそれ以上のメッセージ――ここからの話は、アイドルとしてではない――を上乗せする。

「もし私が、例えばレナさんの真似をして大人びた雰囲気を出そうとしても、
 あなたは背伸びしてるとしか見ないでしょう。

 もし私が、例えばこずえちゃんの真似をして擦り寄って甘えようとしても、
 あなたは子供じゃないんだからといって押し返すでしょう。

 私はどっちつかずなんです」



響子が俺に腕を回してくる。
ほどかなければ、戻れなくなるとわかった。
だが、ほどいてどうなるというのだろう。

「大人には、いつかなれます。でも、さっきわかってしまいました。
 私はやっぱり、自分が大人になるまで待っていられない」

響子は既に、俺と心の関係を知っている。

「今から私は……大人にとっては体面のせいで、子供にとっては未知のせいで、できないことをします」

本来は守るべきアイドルという体面を、響子は無造作にかなぐり捨てた。
かなぐり捨てた素の響子は、それでもスカウトしたあの朝より綺麗だった。



「もう一度言います……私を、抱いてください」

響子はノーガードで俺の懐に肉薄してきた。
響子は既に知っていたようだ――俺が響子を受け止め要求を呑むほかないという状況を。

けれど響子は知らなかったようだ――俺がいかにして心を抱いたかという手段を。
そして志希のクスリのもう一瓶を、その時の俺が隠し持っていたということを。



――うん、そうだね。

――ぜんぶ、ぜーんぶ、あたしのせい♪


それから、響子との関係が始まった。

響子は、催したときは所構わず俺の手を握ってくる。
イヌがお気に入りの道具を持ってきて、飼い主に遊んでとねだってくるのに似ている。

アイドルをオモチャにするクスリを盛ったはずが、
これでは逆に俺の手が響子のオモチャにされているのではないか?



ある日、プロダクション内の打ち合わせで、
俺と響子とトレーナーさんで小さな机を囲み額を突き合わせている最中、
響子はトレーナーさんの話を殊勝な顔でコクコクと頷きながら、
テーブルの下では手を延ばして、俺の手を我が物のようにぎゅっぎゅっと握ってきた。

「五十嵐。顔が赤く見えるが、まさか熱を出してないだろうな」
「そうですか? 朝は何ともなかったのですが……今日のレッスンまでは少し時間があるので、
 大事を取って、仮眠室で少し休ませていただくことにしますっ」

心配げなトレーナーさんに対し、響子はしれっと明るい返事。
真面目で気立ての良いことで通っている響子だから、この程度では疑われない。

仮眠室は(杏や志希など一部のアイドルが濫用したせいで)それなりに面倒な使用申請が必要になり、
申請の時に確認すれば、誰がどのくらいの時間に使っているか検討がつくようになった。
そのエアポケットを響子は見切って潜り込んだ――もちろん、俺の手を握ったまま。



仮眠室のドアがしまった瞬間、喜々として体をすり寄せてくる響子を、俺は制止した。

「手だけ……ですか? プロデューサーさんだって、私に手をにぎにぎされてる間、期待してくれてたと思ってたのに」
「このあとレッスンだろうが」

俺は響子の口を左手で覆った。
誰もいない仮眠室ではあるが、本当に体調を崩したアイドルが使うかもしれない。

「……遠慮しなくてもいいのに……」

響子は渋い表情をしつつも、口を塞ぐ俺の左手の上から、自分の両手を重ねた。



俺は、響子を俺に寄りかからせながら、
明るいクリーム色のワンピース――響子の私服をばさりと右手でまくり上げる。

暗い仮眠室では、すらりとした響子のふくらはぎも白くぼやっと見える。
俺の狼藉に、響子は恥じらうどころか物足りなさそうに床を踏み鳴らす。

「ほら、裾は自分で持つんだよ。床なら拭けば済むけど、服やベッドは困る」

手探りで太腿の体温を頼りに響子の下着までたどり着くと、
指先を軽く触れさせただけで既に濡れていると分かってしまった。
構ってもらって嬉しくて漏らすなんて、本当にメスイヌか。



下着の横から、右手の指を響子の女陰へ滑り込ませる。
陰毛は入念に処理されているらしく、濡れてヨレた下着と、こもった体温に蒸れる肌と、
その間に垂れ落ちるぬらつきの三つだけを感じる。

「……っ……んんっ……っ!」

響子の吐息にぎこちなさを感じた俺は、いったん指を抜いて、下着ごしに響子の秘所をなぞる。
響子は眉をかすかにしかめて俺を見上げてくる。

さらに指の腹で響子のそこを舐める。
確信を持っているわけではないが、響子は十分濡れきっていない。
俺はいったん指を出した。

「そう急かすなよ。ここは『まだ』って言ってる」

俺の判定が不満だったのか、響子は背中を壁に張り付けたまま、
はしたなく腰を使って俺の手にそこを押し付ける。

「子供じゃないんだから、駄々こねないこと。いいな」

こんな言い方をしてやって、ようやく響子はおとなしくなる。


俺は響子の下着を脱がさず、下着の上から右の手のひらをあてがう。
面の刺激に押されたのか、響子の吐息の熱が絞り出される。
あてがっただけでこの有様。響子の肌の下は、そこまでパンパンに張り詰めているのか。

「レッスン前だし、直には触らないぞ」

俺はそのまま手のひらの付け根を中心に、下着越しに響子の秘所へ力を込める。
秘所はぎゅっとした圧力で歪ませられる。
響子は眉根をしかめ、奥歯を噛み締め、内腿と鼠径部の筋をこわばらせる。



心と違って、成熟しきっていない響子の体は、オモチャを操る手へ過敏に反応してしまうようだった。
勃起したクリトリスを直に指先でいじろうものなら、それだけで悲鳴とともに悶絶してしまう。

さりとてここで俺が愛撫を手控えようものなら、響子は頬を膨らませツンとヘソを曲げてしまう。
手加減は子供扱いされた気がしてイヤらしい。

「ふあぁっ、う、んん――っ!」

右手でぐりぐりと響子をいじめていると、ほどなくして手触りが変わってくる。
下着の濡れ具合がわかりやすくなって、衣擦れにもぬらつきが混じってくる。

「響子は、ここを自分でいじるのか?」

響子の興奮具合は、彼女の気分に火がついている一方、体はまだトロ火ぐらいのもの。
クリトリスや陰唇を手のひらだけで「ここ」と名指しできるほどではなかった。

中指を屈曲させて、指先でするすると響子を包む下着の表面をすべらせる。
指の尋問に響子は腰を揺すって応えてくる。



「……いけませんか? 私が、し、シてちゃ……」

俺はアイドルとして、響子の家庭的で甲斐甲斐しく親しみやすい面を拡大・強調して売っている。
それゆえ、セックスシンボル的な方面の売り方は極力抑えていた。

響子のファンも、今やその売り方に応じた層が主なので、響子の自涜を想像する奴は少ないだろう。

しかし響子とて、健全な二次性徴を迎えた少女である。



「いいけど、秘密だ。知られたら、たいへんだから」

俺が下着ごしに響子のクリトリス――らしき突起――を指の腹でとらえて囁くと、
響子は声を殺そうとしていたようで、無理に引き結んでいたピンクのくちびるが震えていた。

「プロデューサーさんには、見せても……いいんですよねっ」

響子は俺に持たされたワンピースの裾を、より高くまくりあげる。
その手が心なしかぎこちなくて、挑発半分、懇願半分といったところ。

「自分でするのじゃ、満足できないのか」
「そもそも、できるわけないじゃないですかっ……寮だと、他の子だっているんですよ……?」



俺は響子の突起の回りを、爪先で一周なぞる。ゆっくりと、一定のペースでもう一度、またもう一度。
腫れ物を扱うような、もし心相手だったら焦れて文句を言いそうな指遣い。

「あっ、あぅ……ん、んんっ……」

響子の幼さを残す体には、それぐらいがちょうどいい。

「はぁうっ、ん、んあぁあっ、ああっ」

響子の下肢がぐずつく。
踵が浮いて、ふくらはぎがよじれて、膝が傾ぐ。

「……背中、もっと俺に預けていいぞ」

膣穴がトロトロと緩んで、指先だけでもよだれが滲んでいると分かってしまう。

「だ、大丈夫です、私は、だいじょうぶですから……」

それでも響子は声を殺そうとする。
首から上は良妻のように健気だ。腰から下は娼婦よりも放埒だったが。

「んっ――んっうぅうぅ……っ! ふぅうっ……」

クリトリスへの刺激を味わいながらのたうつ響子の下肢は、
色欲に耽る浅ましさよりも、蜘蛛の巣にかかった羽虫がもがく痛ましさを連想させる。

「んあっ、はあぁあぁっっ、うあぁっ、あっあっ――ああっ!」

絶頂が近づいているのか、腿の突っ張りがキツく飛び飛びになり、
響子の重心がふらふらと揺らいでいるのを、響子がすがる左腕の負荷で感知する。



「イっても、いいぞ」
「や、やぁっ、いや、ですっ、やっぱり、プロデューサーさんのが――」

俺は左手で響子の口を強引に抑えると、
右手の中指、人差し指で響子の急所を小突き回した。

「ひぁっ、や、ぁ……んっ、あ、くぁああっ、ああっ、あ――っ」

やがて響子は俺の体にしがみつくばかりになり、
それにも耐えられなくなって、響子は自重とともに床へ崩れ落ちた。


「下着、ダメにしちゃいましたね」

荒い呼吸が収まった後、下から聞こえてきた響子のつぶやきは、台詞と裏腹に妙な達成感を帯びていた。

「悪い、このあとレッスンだったのに」
「買いに行けば大丈夫ですよ。近くには……緊急事態ですから、ドラッグストアで我慢します」

言うと響子は、スルスルとよどみない動きで下着から足を抜いて――



「響子、まさかそのまま買いに行こうなんて思ってないだろうな」
「この有様ですから、穿いたままでは……」
「そんな格好で一人で外に出せるかっ」
「でも、プロデューサーが代わりに買ってくるわけにもいきません。女性用下着ですよ」

穿ける下着がないのは響子なのに、響子は俺より落ち着いていた。



結局、俺は下着なしの響子に随伴してドラッグストアまで行った。
俺は店先で待っているつもりだったが、響子に手を握られ引っ張り込まれた。

「いいから、早く来てください……私が、このワンピースまでダメにしないうちに」



俺は響子の後をついて、ドラッグストアのパーソナルケアの棚の間を歩き、
ほとんどバリエーションのない下着売り場に立ち尽くして、
レッスン開始直前まで響子の隣で延々待たされた。

もちろん会計まで付き合わされた。
レジ打ちの人は、やたらニコニコと機嫌良さそうな響子と、
彼女に手を引かれている俺の顔を見てぎょっとしていた。俺は晒し者か。

「すみません、領収書いただけますか? 宛名は――」

響子が領収書を貰おうとしたところで、俺はかろうじて割って入った。

「これ、経費で落ちませんか」
「これを経理へ提出しろというのか!?」
「冗談ですよ」

どうやら指だけで済ませたのが、響子の気に障ったらしい。
この素敵なショッピングは意趣返しか。

「ダメにしたほうは、プロデューサーが持っててください。
 ……レッスンが終わったら、取りに行きますから」

レッスン後に改めて抱くことを約束させられ、俺は響子をレッスンへ送り出した。




――にゃははっ、キョーミ深い現象だねコレ。

――プロデューサーったら、オモチャに遊ばれてるー♪



レッスン後、シャワーで濡れた髪も乾ききらないままに、響子は俺の元へやってきた。

「ごめんなさい。私のそれ、預かっていただいて。仕事になりました?」

いやらしいのが、べったりついた――と、響子は唇だけで言葉を続けた。

俺は仕事を強引に切り上げた。
響子の言うとおり、どうせこの調子では仕事どころではない。



響子は自分がセックスしたいというとき、それを大袈裟な態度で表す向きがある。
肉欲に溺れているというより、行為へしがみついているような気さえする。

「大袈裟でしょうか? 例えば私のファンの方たちは、私を『お嫁さんにしたい』と平気でいいますが、
 その言葉の中には『セックスしたい』という意味も含みますよね。それと、何が違うのでしょう」

響子の疑問も一理あるが、響子のファンたちの大半はそれを意識していないだろう。
もし今の響子に、もっと露骨なセックスアピールを売らせたら、きっとファンは引いてしまう。



「それは、少し不思議ですね。私にとっては、気が楽ですけど」

いわゆる『お嫁さん』に求める素質として、
淫乱さと貞淑さのどちらが優先されるだろうか?
そういう話である。

「まぁ、今いるファンを大事にしていきたい、という気持ちも私の本心です。
 できれば、今のプロデューサーさんのやり方のままアイドルを続けたい、とも思ってますから」

プロ野球ファンがひいきの選手へ、ホームランを打つという結果を求めるように、
アイドルのファンは五十嵐響子へ、お嫁さんアイドルという言行と内心を求める。

その意味でファンは、アイドルの人格を、ビジネスとして提供すべきモノと扱っている。

これが心のファンだったら、それに気づきつつある程度はネタとして楽しんでくれる。
しかしアットホームさ――ビジネスとかけ離れた建前――に惹かれた響子のファンは、
それに気づかないフリをする。あるいは本気で気づかない。



「……もしファンの方たちが、今の私とプロデューサーさんを見てしまったら、どう思われるでしょうか」

響子が、実は年長アイドルに張り合ってプロデューサーにセックスを求める女で、
それが響子の本心から出た行動だったとしても、ファンは絶対にそれを受け入れない。

「そうですよね。失望されるでしょう。今のファンは、プロデューサーさんが、
 『お嫁さん』に相応しく仕立て上げてくれた五十嵐響子を求めているんですから」

ファンのことを口にしながら、響子は俺を見て笑っていた。



長引いた話に終わりが見えたと同時に、俺と響子はその部屋に着いた。

「でも、プロデューサーさん。あなたは違う」

人目を忍び、二人だけで部屋に入る。

「あなたの口からは、『お嫁さん』なんて言葉を気楽に聞かせないで」

俺は部屋に一つだけのベッドへ、響子と倒れ込んだ。

レッスン後の火照りか、仮眠室での指戯の残り火かわからないが、響子は前戯もそこそこに、俺を秘所へ導こうとする。

「いいですよね。さっきは、私がシてもらっただけでしたから」

かくいう俺も、あんなお土産を持たされたせいで、響子の痴態が影送りのように目蓋をチラチラしてばかりだ。
おかげでペニスにも鬱屈が溜まってしまって、勝手に性急な響子へ応じようとしている。



「手、握っててください。それなら、私からできますから」

響子は受け身を好まない。
愛撫されるよりはする側を好むし、つながるときは自分が上に乗りたがる。

「指を絡めると、こんな時でも、ちょっとロマンチックな気がします」

確かに手より上だけを見れば、俺と響子は十本の手指をしっかり組んで、響子は潤んだ目で俺を見下ろしている。
ここだけ切り取れば愛でも語らっているようだ。

しかしそれ以外はどうか。
仰向けに寝た俺の体を、響子は一糸まとわぬまま膝立ちでまたいでいる。
手のひらで包めるほどの丸みを帯びた胸と、少し汗の浮いた鎖骨や首筋が、
深くやや速い呼吸に合わせてかすかに上下している。

「少し手伝ってやろうか?」
「大丈夫、です……プロデューサーさんは、ゆっくりしててください……っ」

いつの間にやり方を覚えたのか、響子は手も使わず、秘所を俺のペニスの亀頭へ添える。
胸のサイズで視界に違いがあるとはいえ、この真似は確か心にはできない。響子のほうが自分で動くのは得意だ。



「んっ、くぅっ、う――はぁあっ、ど、どうです……? 私、の――」

響子の中に舐められる、包まれる。ややきつめの粘膜の包容。
しかし決して男を急き立てる緊張ではなく、響子の上の口に少し遅れて、
きゅうきゅうと絡みついてきたり、ふわふわと緩んだりする。
処女の頃は、ギリギリと男にも痛みを分け与えるヒステリックな穴だったのだが、かなり変わったものだ。

「こんなの……あなたの、せいというか、おかげというか……うううっ」

仕事では気立てよく男を立てる幼妻の顔をしていた響子が、
一度ひっくり返ると、結婚してるわけでもない男に自分の女性器の具合を誇示する。

「い、いえ……無理なんて、しちゃ……え? 私の裸をゆっくり眺めているから、急がなくても……ですか?
 もうっ、みっ……見るのは、いいですけど、口に出されたら、恥ずかしいじゃないですか……」

響子はうつむくが、響子が馬乗りになっているので、うつむいても俺からは表情を隠せない。



「恥ずかしさが気にならなくなるぐらい、動いてもいいぞ」

響子は黙ったまま、絡めた指に力を込めた。

「……大丈夫、手は離さないでいるから」

それを俺は煽り立てる。響子が口元を緩める。

「ぎゅってしてて、くださいね」



響子の下肢も腰も、舌なめずりするようにきゅうっと縮こまる。つられて、俺のペニスも角度がねじくれる。

「……ふふっ」

響子が微笑む。微笑みながら、軽いグラインドで体を揺らす。

「仮眠室では、シてもらうだけでしたから……今度は、私がご奉仕しちゃいますよ……♪」

動きが細かい縦の抽送に変わる。響子とつながっているところから、時雨が滴るのを感じる。
さらに勢いづいて、胸や髪がまたパタパタと弾みだす。

「んっ、ふあぁっ、んんんっ! 見てて、ください、感じて、くださいっ」

そうした弾みで、抽送が響子の弱いところにあたると、響子は声を一段高くする。
つい声が変わってしまうのか。わざと「そこがいい」とねだっているのか。

「ふぁああっ、んぁっ、くっ、ううぁっ、な、ナカが、んんっ――」

響子が言葉ごと息を殺しだす。喋っている余裕が剥がれ落ちていく。
甘い汗が響子の肌に張り付いて、幾筋も流れ落ちて、抽送が高まると弾けて散る。
垂れ落ちる愛液はいよいよ肌と肌のぶつかる間に入り込んで、その音までも湿らせていく。

「プロデューサー、さんっ、も、もっと、気持ち、よく、なって――」

響子も俺も感覚がどんどん高まっている。
俺の両手で支えられているのを恃んでか、響子は下腹を時折びくつかせながら、
腰から頭まで大胆に体を振る。締め付けはキツく、不規則にベクトルを変えて襲い掛かってくる。

「んあぁ、ぁっ、ひぁぁ、わたしの、からだっ、きっ、きもち……いい、ですよね? あっ――」

自分はもう男の精液を啜って孕むに足る女だ、と響子はあどけなさを残す体を懸命に揺らして主張する。



荒い息を、もっと近くに感じたくなる。

「プロデューサーさんっ……いきそう、ですかっ、わたしでっ」

響子の声調が乱高下する。膣内はぴりぴりと短い周期で痙攣しながらすがりついてくる。

「もう少しです、から、いっしょに……イクところ、みてっ、あなたも……」



響子は『イク』と声に出した瞬間から、加速度的に上り詰めていく。
声も押しとどめきれず、痙攣は下肢から背筋まで波及して、響子を翻弄する。

「あっ……はぁっ……♡ ひぁ、あっ……わ、わたしっ……♡」

きりきりと締まりがキツくなっていく響子に煽られ、俺も高まっていくが、響子が早い。
ペニスをしぼってくれる感覚に溺れようか、響子の奉仕する姿を焼き付けようか、欲望が割れて頭が揺らされる。

「だ、だめっ、わたし、だけじゃ……あなた、もっ……」

嬌声が悲鳴混じりになり、生殺しが辛いのか涙さえ浮かべている。しかし響子は抽送を止めようとしない。

「いや、響子――そのまま、そのままで。あとは、好きにさせてもらう」

俺は介錯代わりに――いい加減、俺も射精欲が高まってきていた――腰を突き上げ、響子の腹の底にペニスを打ち込む。

「ひっ、あ――あっ、だ、あっ、んあっ♡ はぁあ――あっ、あぁあっ」

響子の膣内がくらくらとわななき始めるのをペニスで感じ、下っ腹や太腿を巻き込み広がっていくのが見える。

「響子――イキ始めてるのか?」

響子は答えようとしたが、喉まで快楽にやられたのか、言葉は紡げそうもない。
嬌声はよだれのようにだらしなく垂れ落ち、文字として捉えることもできない。
愛液の熱がペニスから俺の下腹部までどっと伝わって、響子の淫熱そのものを浴びせかけられている気分だ。

「だ、めっ、あ、ぁああっ、い、ひぁああっ、いっしょ、に――っ」

もう絶頂に叩き込まれているだろうに、響子は喘ぎ混じりでまだ何か言おうとしている。

「一緒に? うん、いいな……最高、だ」

響子を無性に近くに感じたくなって、俺は腹筋で体を起こす。
響子の何もかもが、腕で引き寄せられるところにあった。響子の弾む胸を、自分の上体に押し付けて歪ませる。
そこから背中と頭を撫で――姿勢を変えた拍子に、我慢の一線を踏み越えてしまった。

「だ、だしてっ……ぷろ、でゅーさー、さんっ、わ、たし、に――あ、あああぁああっ!」

俺は響子を抱きしめながら、その膣内に精液を吐き出した。
生殖本能が――この女の、響子の中に出して種付けする欲望の堰に、がらりとヒビが入って、
ヒビから溜め込んだ欲望をだらだらと漏らしながら、俺は響子と折り重なって倒れた。



「……プロデューサー、さん」

元は甘かった響子の声は、嬌声に痛めつけられてハスキーになっていた。

「わたし……ちゃんと、できました……よね……」

かすれ混じりの安堵を漏らすと、響子は先に眠りへ落ちていった。





――へいへーい、楽しんでくれているようだねプロデューサー。



――ナニ? こんなクスリはおかしい、存在が間違ってるって?

――にゃははっ、お笑いだね!
  クチだけなら、キミでもそんなコトが言えるんだー。



――キミのやったコト言ったコト、ちゃんと振り返ってみなよ。

――キミは、あたしのせいにできるとなれば、なんでもやっちゃうコだ。



――キミがあたしのせいにするたび、キミはあたしに逆らえなくなる。
  ほら、もう一瓶どうぞ。あたしを楽しませてくれるなら、またあげる。



――そ。そーゆーコト。アイドルは、キミのオモチャ。



――そしてキミは、あたしのオモチャ♪



(おしまい)




読んで頂きありがとうございました

響子ってPをさん付けで呼ぶんでしょうかね?
デレマスではなし、一方恒常SSRとかラブレターとかデレステだとつけてて……

♡って今までなんとなく抵抗あって使ってなかったんですが
使ってみるとけっこう愉しいですね


※つながりはありませんが、コンセプトが同じ前作
志希「アイドルをオモチャにするクスリ」【R-18】(早苗、梨沙、ユッコ)
志希「アイドルをオモチャにするクスリ」【R-18】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437361049/)

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