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あお「えーと!えーと!」
バーゼ「あー、流れ星終わっちゃった」
あお「ううう、折角のチャンスだったのに……」
轟雷「あお、何がチャンスだったのですか?」
あお「うん、願い事のチャンスだよ」
轟雷「願い事?」
あお「流れ星が消えないうちに願い事を三回唱えると、それが叶うって言い伝えがあるの」
轟雷「ほう、そんな言い伝えが……」
バーゼ「まあ、流れ星が消えるまでに三回唱えるなんて絶対無理なんだけどね~」
あお「まあねえ、私も何度か流れ星見てるけど、願い事三回唱えられたことなんてないし」
轟雷「あおには、そこまでして叶えたい願いがあるのですか……」
轟雷「あお、その願いを私に言ってみてください!」
あお「へ?」
轟雷「もしかしたら、私にも何か手伝えることがあるかもしれません!」
あお「ええ~、無理だと思うんだけどなぁ……」
バーゼ「駄目もとで言っちゃえ言っちゃえ~!」
あお「んんー、最近ね、お父さんとお母さんに会えてないから、夏休みくらいは一緒に過ごしたいなって」
轟雷「ご両親と……」
バーゼ「あおの両親って、海外赴任なんだっけ~?」
あお「うん、えーと、日程通りだと確か、今は太平洋の上で船旅って感じかな」
轟雷「……」
7月20日 午前2時16分
残されたのは私だけになった。
最後まで抵抗していた船長も、もう居ない。
私は、五番倉庫の中で座り込んでいる。
体が冷える。
恐らく、船内の暖房機能が死んでしまっているのだろう。
入口の外からは、音がする。
カリカリ、カリカリと、何かが引っかく音が。
中に入ってこようとする音が、聞こえる。
もう希望は何も残っていない。
どうして。
どうして、こんな事になってしまったのだろう。
あの時、船長の意見を聞かなければ、こんな事にはならなかったのだろうか。
そうだ、あの時、全員で武装して対処していれば、こんな事には……。
ああ、けれども、もう遅い。
全てはもう遅いのだ。
奴等は解放されてしまった。
箱の中から、解き放たれてしまった。
私は、思い返す。
あの時の出来事を。
そうだ、全ては船内に物資を運び込んだ時から始まった。
7月15日 午後17時04分
荷物係「船内への物資搬入完了しました~」
船長「はい、ご苦労さま、荷物の状態はどう?」
荷物係「異常はないですね」
荷物係「梱包状態も正常ですし、傷がついてる様子もありません」
荷物係「ただ……」
船長「ただ?」
荷物係「コンテナが、一つ多いんです」
船長「多い……とは?」
荷物係「文字通りの意味です、リストにないコンテナが一つだけ存在します」
荷物係「まあ、多分配送元のミスだと思うますけど……」
船長「いえ、配送元にミスはありえないわ」
船長「あの荷物がここに来るまでに何十もの検査が行われてるのよ」
船長「そこには数だけじゃなくて重量的な検査もあったはずよ」
船長「それを潜り抜けてここまで来たって言うことは……」
荷物係「……誰かが、故意にこのコンテナを紛れ込ませたって事ですか?」
船長「可能性としては十分有り得ることよ」
荷物係「考えすぎだと思いますが……どうします、開けて確認します?」
船長「嫌よ、私の船の中でそんなワケの判らない物を開けるのは」
船長「……そうね、五番倉庫が空だったでしょう、あそこに入れておきましょう」
船長「仮に荷物が爆発物だったとしても、あそこなら被害を最小限に抑えられるわ」
荷物係「はーい」
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