文香「……夏コミ?」 (82)
※作者はコミケ初心者です。なので色々間違ってる事もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
※C84を参考にしています。
※由里子ちゃんの口調が変かもしれません……
ダメそうな人はブラウザバック推奨です。
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———8月 事務所———
文香「……」ペラッ
由里子「文香さん文香さん」
文香「……?」
由里子「いつも本を読んでる見たいやけど、本好きなのっ?」
文香「ええ……本は私に違う世界を見せてくれますから」
由里子「でへへ……それじゃあ、夏コミに興味あるかい?」
文香「夏コミ……?」
由里子「うん、本の祭典って呼ばれてる一大イベントだよ!」
文香「本の……祭典……」
由里子「今度の月曜日に私は行こうと思ってるんだけど、一緒にどう?」
文香「プロデューサーさんに……聞いてみないことには」
由里子「そっか!じゃあ楽しみにしてるよー!」タッタッタ
文香「……本の、祭典……か」
———数分後———
P「ただいまー」
文香「おかえりなさい……」
P「文香だけか。由里子もいたと思ったんだが」
文香「……何処かへ行ってしまいました」
P「全くアイツは……」
文香「あの……プロデューサーさん」
P「ん?」
文香「その……今度の月曜日、お休みもらえませんか?」
P「……文香もか」
文香「えと、すみません……」
P「由里子とか比奈とかも休んでたな……一体月曜日に何があるんだ?」
文香「本の祭典……らしいです」
P「本の祭典?なんじゃそりゃ」
文香「本の祭典らしいです」キラキラ
P「(こんなに生き生きしてる文香は初めて見たなぁ)」
P「わかった。俺の方から申請しておくよ」
文香「ありがとう、ございます……!」ニパッ
P「文香が楽しそうで何よりだよ」
文香「あっ、えと。その///」
P「(……これで何人休むことになるのやら)」
P「(っていうか、月曜日に何かあったか?本の祭典……?)」
P「……あっ」
———月曜日 早朝 東京国際展示場外———
文香「……」ボーッ
由里子「文香さん、大丈夫かい?」
文香「眠いです……あと、人ごみは苦手なので……」
由里子「そっかぁ。酔い止めあるけど、飲む?」
文香「いえ……大丈夫です。本の祭典なんですから……人がいるのは、当たり前です」メラメラ
由里子「そっか〜。燃えてるね〜!」
文香「はい……!」
由里子「あ、開場前にこのカタログを読んでおいてね」
文香「カタログ……?」
由里子「そそ、このイベントのパンフレットみたいなもんだよー」
文香「わかりました」
由里子「そこに基本的なルールとか書いてあるから、ちゃんと読んでおいてね!」
文香「……」ジーッ
由里子「って、文香さんだから大丈夫か」
由里子「それと、会場が開いてからが本番だから」
文香「……はい?」
由里子「壁サークル、とシャッター前って知ってるかな?」
文香「……いえ。すみません」
由里子「いやいやいいよ。要は人気サークルって事」
由里子「正直、会場が開いた瞬間は本当に走ってるくらい人が一気に移動するから……覚悟しててね?」
文香「……」ゴクリ
由里子「私達はコスプレとかはしないし、あとの基本的なルールはカタログに書いてあるよっ」
文香「わかりました……」
由里子「おっ、そろそろ開場だね」
文香「……」ドキドキ
警備員「それでは、コミックマーケットC○○開場と———」
由里子「だらっしゃああああ!!どけどけどけーい!!」ダッダッダッダ!
文香「……え?」
文香「……えっ?あの、由里子さん……?」
文香「きゃっ、お、押さないで……ください……」
文香「あうっ、えうっ」ギュゥギュゥ
文香「誰、か……」
P「文香っ!」ダキッ
文香「ひゃっ!?……プロデューサー、さん」
P「全く、由里子のヤツはやっぱ暴走したか……頼子に話聞いといてよかった」
文香「あの、その」
P「ごめんな、ちょっとだけ我慢してくれ。まずはホールに入ろう」
文香「は、はい……///」
P「まったく……後で由里子は叱ってやらないとな」
文香「由里子さんも……悪気は、なかったと思いますよ……?」
P「そりゃあ知ってるが、誘った子を無視して一人で暴走しちゃアカンだろ」
文香「そう、ですね……でも、こうやってしてもらえるなら……」
P「え?」
文香「なんでも……ないです」プイッ
———数十分後 ホール内 休憩所———
由里子「いやー。ごめんごめん文香さん。どうも私、コミケになると熱く———」
P「よぉ」
由里子「ぷ、プロデューサー?!」
P「お前な……文香、潰されそうになってたぞ」
文香「……息苦しさで、死ぬかと」
由里子「ほ、本当にごめん!」
P「俺が来てたから良いものの……」
由里子「ってかそうだよ!なんでプロデューサーいるの?」
P「お前、去年頼子誘っただろ」
由里子「……あ」
P「頼子にその時のお前の様子聞いて、行かなくちゃ文香がヤバイなと思ってさ」
P「そもそもうちの事務所のほとんどのヤツが今日休んでるから、俺の仕事ないし」
P「ちひろさんに聞いてみたら、休んでいいって言われたから」
由里子「そうだったんだー」
文香「あの……プロデューサーさん、ありがとうございました」
P「いやいや。担当アイドルを体張ってでも守るのがプロデューサーの仕事だからな」
由里子「ひゅー。プロデューサーカッコイイ!」
P「茶化すな。お前は反省してろ」
由里子「はーい……」
P「まぁいいか。文香は行きたいサークルとかはないんだよな?」
文香「はい……初めてなので、よくわかりません……」
P「ならちょっと落ち着いてからゆっくり回ることにしようか」
由里子「え?プロデューサーも来るの?」
P「そりゃ、またお前が暴走したら誰が文香の近くにいるんだよ」
由里子「それもそっか。じゃあよろしくねん♪」
P「よろしくねんじゃねぇよ」ペシッ
由里子「あうっ」
P「……ん?」
???「あー。すみませんッス。完売しちゃいましたッス」
客1「そっかぁ。ひなあられ先生の作品、楽しみにしてたのになぁ」
???「委託販売もやってるので、そちらもよろしくお願いしまッス」
客2「わかりました。これからも頑張ってください!」
???「ありがとうございまス!」
P「……あれさ」
由里子「……見間違いじゃなければ」
文香「比奈さん……ですよね?」
由里子「しかも壁サーじゃん!」
P「……ちょっと行ってくる」
P「すみませーん。荒木比奈先生の作品って」
比奈「あー。もう完売しちゃいまし……え?」
P「よぉ」
比奈「」
P「壁サークルなんてな。かなり有名みたいじゃないか。なぁ、ひなあられ先生?」
比奈「ぷ、ぷぷぷ、プロデューサー?!なんでこんなとこにいるんスか?!」
P「こいつらの付き添い」
由里子「比奈ちゃんども!ひなあられ先生って、比奈さんの事だったんだね!」
文香「ど、どうも……」ペコッ
比奈「由里子さんに文香さん……ッスか」
P「なんとなく、休んだ理由はわかってたけど、売る側だったとはなぁ」
比奈「いやー。こ、これはその———」
奈緒「比奈さーん!このサンプル本ってどう、す、る……」
P「奈緒……お前……なんだその赤いフリッフリの服……普段絶対そんなの着ないのに」
奈緒「」
由里子「魔法少女な奈緒ちゃん萌えー!!」
文香「に、似合ってると……思います」
奈緒「なん、で……Pさんが……ここ、に」
加蓮「どしたの奈緒?……あ、Pさん!やっほー」
P「っ!?加蓮、お前、なんつー格好を?!」
加蓮「なんかね?奈緒が着てる魔法少女モノのアニメの敵の衣装なんだって。ちょっと恥ずかしいな」
由里子「ひゃー!露出度高いなー……」
文香「……め、目のやり場に……」
P「二人がいるって事は……」
凛「二人共どうし……プロデューサー?」
P「やっぱり凛もいたか。凛は奈緒の色違いで青色か」
凛「うん。奈緒のキャラの相方なんだって。似合う?」
P「おう、似合ってるぞ」
奈緒「そそそそそ、それよりっ!!」
P「うん?」
奈緒「なんで!Pさんが!ここに!いんだよ!!」
P「逆に聞こう。なんでお前らここでそんなコスプレしてんの?」
加蓮「比奈さんに売り子の仕事手伝ってくれないかって」
凛「奈緒がやりたいやりたいって五月蝿かったから。しょうがなく」
奈緒「べ、べべべべ!別に、やりたいとか言ってねーし!」
P「そっかぁ。奈緒はコスプレがしたかったのか……ごめんな?今度そういう仕事入れてやるから」
奈緒「ちげーし!!入れなくていいし!!」
P「で、比奈」
比奈「な、なんスかね」
P「一つ聞くけど、奈緒の持ってるサンプル本に小さく18禁って書いてあるのは俺の見間違いだよな?」
比奈「み、見間違いじゃないッスかね」
奈緒「……?!ほ、本当だ!!」
加蓮「え?奈緒知らなかったの?」
凛「知っててこの仕事引き受けたんだと思ってた」
P「……比奈?」
比奈「あう……」
P「帰ったら説教な。覚悟しとけ」
比奈「……うう……」
P「片付けもあるだろうから俺らはもう行くけど……」
由里子「比奈さんばいばーい!」
文香「あ……えっと、お疲れ様でした……」
加蓮「後で一緒に回ろうねー!」
凛「少ししたら追いつくよ」
奈緒「べ、別にあたしは……一緒に回りたいとか、思ってねぇし」
比奈「帰りたくないッス……」
奈緒「……」チラッ
加蓮「ん?サンプル本なんでそんなチラチラ見てるの奈緒」
奈緒「べ、別に見てねーし……///」
凛「顔赤いよ?」
奈緒「赤くねーし!」
加蓮「開けちゃえばいいじゃん。ほら」ペラッ
比奈「あっ」
奈緒「あ!」
加蓮「……う、うわ。これはまた///」
凛「す、凄い体位だね……///」
奈緒「う、うわっ!?あたしは見ない!見ないからな!!///」
加蓮「じゃあまずはその手の隙間どうにかしなよ……」
凛「……ん」
加蓮「どうしたの凛?」
凛「この男の人……心なしか、プロデューサーに似てない?」
比奈「っ!?」
加蓮「あ、本当だね」
奈緒「……こ、こっちは比奈さんに似てないか?」
加蓮「言われてみれば」
比奈「も、もう終わりっス!ほら片付けまスよ!!」バッ
凛「あっ」
加蓮「あーあ。もうちょっと見たかったのになぁ」
奈緒「べ、別にあたしは見たくねーし……」
凛「それより比奈さん」
比奈「な、なんスか」
凛「比奈さんって……プロデューサーに、あーゆー事されたいの?」
比奈「!!」ボッ
加蓮「へー。比奈さんってそういう……」
比奈「ば、馬鹿な事言ってないで、さっさと片付けるッスよ!」
奈緒「なんか怪しいなー」
加蓮「比奈さん。事務所でPさんに説教される時に、私達が口添えしてあげるのと……」
凛「そのままプロデューサーに説教されるの、どっちがいい?」
比奈「……ううう……今日は不幸ッス……」
とりあえず書き溜めが切れたので今日はここまで。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
投下再開しまする。
今日中に完結できるかなぁ……?
———屋上展示場———
P「ここがコスプレゾーンとか言う場所か」
文香「皆さん……凄い衣装です……」
由里子「おっ!あんなところに美少年……なんだ美少女だったかぁ!でも似合ってるなぁ!」
加蓮「Pさーん」
P「お、三人共」
凛「奈緒がどうしてもここに来たいって」
奈緒「そんな事言ってねぇし……」
P「結局着替えたんだな」
加蓮「あはは、やっぱりあの衣装は少し恥ずかしくて。あと奈緒が」
奈緒「もうアタシのことはいいだろ!」
文香「……これは皆さん、漫画のキャラとかの格好を真似してるのでしょうか?」
由里子「そうだよ!文香さんもやってみる?!」ガタッ
P「落ち着け由里子。文香はこういうのにも興味があるのか?」
文香「どちらかといえば……あります。物語の役になるというのは、ある意味夢みたいな物ですから……」
P「そっか。気が向いたらでいいから、文香のコスプレも見てみたいな。似合うと思うし」
文香「き、気が向いたら……///」
凛「それにしてもどこもかしこも、凄い人だかりだね」
由里子「本じゃなく、コスプレの撮影をメインに来てる人もいるからねー」
奈緒「……」コソコソ
加蓮「なんで何処かに行こうとしてるの?奈緒」
奈緒「っ!」バッ
凛「無理しないでいいんだよ。今、カメラ隠したの見えたし」
奈緒「うう……い、いいだろ!凄く楽しみにしてたんだよ!昨日あまり眠れなかったくらい!」
凛「そっか」クスクス
奈緒「わ、笑うなよな」
P「いやいや、可愛いと思うぞ。そんな奈緒も」ナデナデ
奈緒「あ、頭撫でるなよ……あと可愛いとか言うな……///」
文香&加蓮&凛『いいなぁ……』
文香&加蓮&凛『えっ?』
由里子「ねぇねぇプロデューサー!あっちの凄い人だかりが出来てるとこ行ってみようよ!」
P「俺はいいけど……文香、大丈夫か?」
文香「私は……大丈夫です」
凛「私も。加蓮がちょっと心配だけど」
加蓮「ふふっ。そこまで病弱じゃないよ」
奈緒「……」ウズウズ
P「奈緒がウズウズしてるから早く行こうか」ニヤニヤ
奈緒「なっ……た、楽しみなんだよ。悪いか」
P「悪くない悪くない」
由里子「なんでも、完璧で瀟洒なメイドさんがいるらしいでー」
P「時間でも止められるのかね」
奈緒「武器はナイフかな」
文香「……?なんの話をしているんですか?」
P「こっちの話……って、フラッシュ気をつけろよ」
凛「大丈夫。変装用にサングラスは持ってきてるから」
カメラマン1「はーい!こっちにポーズお願いします!」
カメラマン2「おお!いいですねぇ!あ、スカートつまんでもらっていいですか?」
カメラマン3「瀟洒!瀟洒!瀟洒!」
のあ「……」サッ
P「」
加蓮「……の、のあさん……?」
奈緒「何してんだあの人……いや確かに似てるけど」
文香「無表情でポーズ決めてるのが……なんか……」
凛「凄くシュールだね……」
由里子「ってかあれ、この前事務所で着てたメイド服……」
P「……のあ」
のあ「P」
カメラマン1「ちょ、横入りとかやめてくださいよ!」
P「あ、すみません。知り合いな者で」
カメラマン2「え?!のあにゃんの知り合い?!」
のあ「……知り合い、ではないわ」
P「まぁ、そうなんですけど。ここで本当の事言うわけには———」
のあ「恋人、よ」
P&のあ以外『……ええええええええ!?』
P「のあ?!」
加蓮「ちょっとPさん!?」ギリギリ
凛「プロデューサー、説明」ギリギリ
奈緒「な、な、な」パクパク
文香「プロデューサーさんには……恋人が……」ブツブツ
由里子「プロデューサーとアイドルの間に育まれる禁断の恋っ……!!」
P「り、凛と加蓮、首絞めるのやめて……」
のあ「さ、行きましょ。ダーリン(棒)」ギュッ
P「未だかつてここまで棒読みなダーリンがあっただろうか」
のあ「……ごめんなさい。少しだけ。ここを出るまで付き合って」ボソッ
P「……わかったよ」
凛「プロデューサー?ねぇ、ねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇ」ギリギリギリギリ
加蓮「Pさん!Pさん!!」ギリギリギリ
P「凛に加蓮、洒落にならないからやめようか」
———ホール内 休憩所———
のあ「ごめんなさい。P。道具のように扱って」
P「いやいいよ。誤解も解けたし」
凛「よかった。そうだよね。プロデューサーに恋人なんていないよね」
加蓮「はぁ、びっくりして倒れちゃうかと思ったよ」
奈緒「別に誤解なんて最初からしてねーし。本当だぞ?!」
文香「……まだ……チャンスは」
由里子「あーあ。せっかくネタになりそうだったのになぁ」
のあ「恋人って言ったほうが、あの場所を抜け出すのに楽かと思ったの」
P「確かにある意味自然な流れだったけどな……」
のあ「さて、私はもう行くわ」
P「え?一緒に回らないのか?」
のあ「……あなたは、デリカシーという言葉を知っている?」
由里子「女の子だけじゃないと買いにくい作品もあるんだよ。プロデューサー」
P「そ、そうか……」
のあ「とにかく。助かったわ。それじゃあまた事務所で会いましょう」
P「おう」
のあ「それと……私は狙っていない、とは言っていないわ」
P&のあ以外『……!』
P「え、狙う?何を?」
由里子「プロデューサーはホンマに鈍感やねー」
P「俺が鈍感?何がだ?」
由里子「これはみんな苦労するわ……」
———ホール内———
P「あ、あれって」
沙織「よ、よろしくおねげーします!!」
由里子「沙織ちゃんだ!」
P「沙織も売る側で参加してたのか」
加蓮「……でも、全然売れてないみたいだね」
由里子「ある程度名前が売れてないと……コミケでは生き残れないんよ」
文香「……」スタスタ
P「文香?」
沙織「よ、よろしく……おねげー……しま……」
文香「……一冊、大丈夫ですか?」
沙織「えっ……?」
文香「……」ジーッ
沙織「あ、あの……?」
文香「……これは、オリジナルですか?」
沙織「そ、そうでず」
文香「……絵が、少し荒いと思います」
沙織「ふぇ?!」
P「お、おいおい文香……」
由里子「プロデューサー」
P「なんだよ由里子」
由里子「ここは文香さんに任せよう」
P「……」
文香「正直、ストーリーも在り来たりです。それに時々言葉使いが変なこともあります」
沙織「うぐ、そ、それを言うためだけに来たんだすか……?」
文香「……ですが」
文香「荒い絵の中にも、込められた感情を感じます」
文香「ストーリーも在り来たりですが、着眼点はいいと思います」
文香「それに……何より、一生懸命書いたという事が、本から伝わってきます」
沙織「……」
文香「……これ、一冊ください」
沙織「……い、一冊、300円になります!」パァッ
P「文香がそんなに褒めるなんて珍しいな。なら俺も一冊もらおうかな」
沙織「ぷ、プロデューサー?!」
加蓮「じゃああたしも頂戴♪」
凛「私も」
奈緒「あたしも!」
由里子「私にも一冊くださいな♪」
沙織「み、皆さん?!なんでこんなところに?!」
P「俺は文香と由里子の付き添い。で、凛達にはたまたま会った」
沙織「は、恥ずかしいでず……こ、こんなところお見せしちまって」
文香「……何も恥ずかしいことなんてありませんよ」
文香「自分で作った本なんです……自分で誇れなくて、どうしますか」
由里子「せや!著者がそんなんじゃダメ!もっと声出そう!」
沙織「……はい!」
———屋上展示場———
P「……」
奈緒「あ、あの!写真いいですか?!」
P「奈緒、生き生きしてんなぁ」
文香「そうですね……」
加蓮「あはは、あんな奈緒、久しぶりに見たよ」
P「それよりも文香。沙織の同人誌、やけに気に入ったみたいだな」
文香「はい……」
P「どうしてだ?」
文香「……沙織さんの描いたこの本からは、今の私からは足りない物が見つかるような気がするんです」
P「例えばどんな?」
文香「難しいですけど……そう……暖かさ、でしょうか」
P「暖かさ、か。そういう面では、文香はもう十分だと思うよ」
文香「え?」
P「自分では気づいてないかもしれないけどな」
文香「そう、でしょうか」
P「おう」
奈緒「あの、Pさん」
P「ん?」
みく「じゃじゃーん!コミケにみくにゃん登場だにゃ!」
P「……」
文香「……えっと」
奈緒「なんか付いてきたんだけど……」
みく「え?酷くない?」
P「ってかお前、ライブの衣装持ち出して何やってんだよ……」
みく「み、みくは誘われただけだもん!偶然、Pちゃんを見つけたの!」
P「誘われた?誰に?」
みく「えっと……あそこにいる……」
川島「魔法少女、わかるわ☆みずき見参よ!」
木場「……なんで私が吸血鬼の格好など」
早苗「たまにはいいじゃない♪会場のみんな!逮捕しちゃうぞ☆」
菜々「な、ナナはウサミン星から来ましたよ!ほら、皆さん一緒にミンミンミン!」
P「……」
奈緒「あの、Pさん。ゲンドウボーズしたくなる気持ちはわかるけどさ……」
P「……文香」
文香「なんですか……?」
P「文香は……こんな大人になっちゃダメだぞ?」
文香「え?あ、は、はい……」
おわり
オチが思いつかなかった……
おまけも考えてますので、明日おまけ更新して終わります。
それではここまで読んでくださってありがとうございました。
ちょっとしたおまけ 「文香さんの愛読書」
文香「……」ペラッ
由里子「結局、文香さんは沙織さんの1冊しか買わなかったね〜」
文香「私は……あまり、ああいうのは……」
由里子「うーん。それじゃあ文香さん、この前買った中から、一冊好きなの貸してあげるよ!」
文香「いえ、あの……」
由里子「ほらほら遠慮しないでっ!」ドサドサ
文香「……ええと……」
由里子「これとかどう?これとかは?」
文香「あ、あの……あれ?」スッ
由里子「ん?どうかした?」
文香「……これって……」
由里子「あ、それ間違って買っちゃったんだよね〜」
文香「その。これ、借りていいですか?」
由里子「え?あ、う、うん」
文香「ありがとうございます……」
由里子「文香ちゃんも変わってるなー」
ちひろ「あなたが言わないでください」
由里子「!?」
———二週間後———
文香「……」ペラッ
P「文香の読んでる本が変わったなぁ。もうそんな時期か」
ちひろ「どんな時期ですか」
P「いや、文香は一週間ごとに読む本を変えるので」
ちひろ「え?でもあの本、二週間前くらいから読んでましたよ?」
P「えっ、珍しいこともあるものですね……」
ちひろ「そうだ。ついでにこの書類、文香ちゃんに渡してくれませんか?」
P「あ、はい。了解しました」
文香「……」ペラッ
P「……」
ちひろ「どうかしましたか?」
P「いえ、ちょっと気になって」
ちひろ「本ですか?確かに邪魔するのも悪いですけど……」
P「仕事ですからね。よいしょっと」
P「おーい文香ー」
文香「……」ペラッ
ちひろ「気づかないほど本に熱中してますね」
P「ええ。ちょっと意地悪したくなりますね」
ちひろ「なんでですか」
P「ふーみーかー」
文香「……」ペラッ
P「文香がそんなに夢中になる本なんて珍しいな、ちょっと見せてくれよ」ヒョイッ
文香「……!?」
文香「あ、ぷ、プロデューサーさん、だ、ダメ!」
P「なになに……なんだ、『こころ』か……あれ?」
『K、君の気持ちは僕には……っ!』
『君がお嬢さんが好きなこともわかっている!だが、僕には、僕には君しか!!」
『K……』
P「」
文香「わああああ!!だ、ダメです!ダメですー!!」バッ
P「……ええと、文香?」
文香「うう……」
P「その……なんだ」
P「愛の形は、人それぞれだぞ!」
文香「違うんです……違わないけど、違うんです……ううう」
おわり
でも文香ちゃんって意外とそういう本に耐性ありそうですよね。
すみませんでした。HTML依頼出してきます……
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