P「ああ……わざわざ集まってもらって悪いな……」
加蓮「それは別に良いけどさ……ホントどうしたのプロデューサー?」
奈緒「ホントだよ、最近元気なかったしさ……そしたら謝りたいって何があったんだよ」
P「ああ……本当にすまない……」
凛「プロデューサー、謝りたいって何があったか話してくれないとわからないよ」
P「ああ……そうだな……話さないとわからないよな……」
凛「ねぇ、そんな顔されると堪らな……心配になってくるんだけど」
P「覚悟を決めたつもりだったんだが……いざとなると……な」
奈緒「ああもうっ! はっきりしろよな、プロデューサー! こっちも覚悟決めたし!」
加蓮「まったく……そんなにヤバいことしたの? プロデューサー」
P「ああ……お前たちが嫌と言うなら俺は仕事を辞めるつもりだ……」
3人「えっ」
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P「だけど……お前たちは俺を嫌いになってもアイドルを続けてほしい」
3人「プロデューサーを嫌う? …………私たちが?」
P「ははっ、身勝手なのはわかってるんだけどな……それでもお前たちには――」
加蓮「ちょっ、ちょっと待ってよプロデューサー!」
P「ん? どうした……ああ、辞めると言っても引継ぎもあるからすぐにとは――」
奈緒「だからそうじゃなくって! 辞めるってどういうことだよ!?」
凛「まさか会社のお金使っちゃったの?」
P「そんなことしたらちひろさんに消される」ガタガタ
加蓮「じゃあ……結婚とか?」ハイライトオフ
P「するにしても相手が居ないしなぁ……悲しいなぁ」
加蓮「じゃあ私が結婚してあげ――」
凛・奈緒「はいはい、ちょっと向こうで話し合おうか」
加蓮「えっ、ちょっ、た、助けてプロデューサー!?」ズルズル
P「えぇ……」
加蓮「ゴメンナサイ……スミマセンデシタ……抜け駆けシマスン」ガクガク
奈緒「反省したか? 加蓮……ん? 最後なんて言った?」
凛「ふぅ……プロデューサー、続けて?」
P「お、おう……この前お前たちのダンスレッスンに立ち会ったこと覚えてるか?」
加蓮「ああ、この前の? 久しぶりに来てくれたよね、プロデューサー」
奈緒「プロデューサー、たまにしか来てくれないから覚えてるよ」
P「すまんすまん、いろいろ忙しくてな……2週間前くらいだっけ?」
奈緒「うん、14日と2時間……と5分前だろ?」
P「あ、うん……それで途中でジャージの上着を俺に預けてレッスンをしてたと思うが」
凛「そうだね、レッスンに集中するのに邪魔だったから脱いで預けたよね」
P「それで俺は……俺は……誰も見てないところで変態行為をっ」ポロポロ
3人「えっ」
P「本当にすまないっ! 俺はなんていうことをしてしまったんだっ!」
加蓮「えっ……変態行為って……そんな綺麗な土下座するようなことした……の?」
P「ああっ……お前たちに嫌われてもしょうがないことをしてしまったっ」
奈緒「話の流れから……アタシたちの上着に何かしたのか?」
P「――っ」
凛「したんだね……」
P「ああ……お前たちの上着の…………匂いを……匂いを嗅いでしまったんだっ」
3人「…………」
P(ははっ、終わった…………プロデューサー人生どころか人として終わった……)
3人「それで?」
P「えっ?」
加蓮「あれ? 私たちの体の匂いを嗅いだんだよね?」
P「いや、私たちの体って……直接は嗅いでないが……そうだな」
奈緒「それはわかった」
P「うん」
凛「その後は?」
P「その後? その後は我に返って罪悪感が半端なかったけど……」
3人「えっ」
P「えっ?」
加蓮「えっと……まさか匂いを嗅いだだけ!?」
奈緒「それで満足したのか!?」
P「いやいやいやっ、満足してないよ? 誤解、誤解だよ?」
凛「そうだよね、物足りなかったよね」
P「んんっ? そういうことじゃないよ!? 罪悪感が半端なかったって言ったよね?」
加蓮「何だ、変態行為って言うからてっきり食べたのかと思ったよ」
P「何その変態上級者……食べないよ……というか食べられないよ」
奈緒「そうだよ、加蓮。食べたら上着が残らないからバレるじゃん」
P「いや、まるで残ったらOKみたいに言われても」
奈緒「アレだろ、プロデューサー。アタシたちの上着で出汁を取って――」
P「取らないから」
凛「匂いぐらいなら私たちも普段からプロデューサーのうわ――げふんげふん」
P「ん?」
加蓮「プロデューサーも言ってくれればいくらでも嗅がせてあげたのに」
P「えっ?」
加蓮「その代わりプロデューサーも……ね?」
P「お、おう? …………その代わりって何のことだ?」
奈緒「そ、それで……どうだったんだ?」
P「どうって……何が?」
奈緒「アタシたちの匂いを嗅いだんだろ?」
P「このやり取りもうやったけど……ああ、すまない嗅いでしまった……」
奈緒「肺にまでアタシたちの匂いを入れたんだろ? JKのアイドルの匂いを」
P「言い方。そのとおりだけどさ」
奈緒「正直に言ってくれよ、プロデューサー。そうじゃないとアタシ……」
P「奈緒……そうだよな、本人としては気になる? ……よな?」
奈緒「はよ」ハァハァ
P「素直に言って最高だったよ」
3人「――っ」ゾクゾクッ
P「でも嗅いだのはその一回だけなんだっ、それだけはわかってほしい!」
3人「はぁ?」
P「ひっ」ビクッ
凛「何で嗅いでないの!? 最高なら普通嵌まるでしょ、ガチャみたいに!」
P「い、いや……だからその後冷静になってだな……」
加蓮「世の中にはお金を出してでも嗅ぎたい人は居るんだよ? プロデューサー」
P「俺も男だからわかるけど……お前たちとの信頼をこれ以上裏切りたくは……」
奈緒「はぁ…………がっかりだよ、プロデューサー」
P「――っ、すまん」
P「…………あれ? 嗅いだことにがっかりされてるんだよな? んん?」
凛「そうだ、上着で思い出したけどプロデューサー」
P「俺……ちゃんと謝ってるよな…………ん? 何だ、凛」
凛「お義母さんに服のお礼としてうちの花を贈りたいんだけど、お義母さんって好きな花ってある?」
P「いや、俺に聞かれたってそんなの知らないが。自分の母親なんだから自分で聞きなよ」
凛「いや、プロデューサーの母親のことなんだけど?」
P「あっ、俺のか。まるで自分の親みたいに言うから…………うーん、でも知らないなぁ」
凛「はぁ……まぁ、プロデューサーがそういうの知ってるわけないか」
P「すまん……でも何でうちの母親にお礼を?」
凛「お義母さんにプロデューサーの古着を貰ったからだけど?」
P「んん? 古着?」
凛「そのときはお礼言ったけど、やっぱり形になるものでお礼したくて」
P「何かよくわからんが……それで俺の古着はどうしてんだ? 雑巾にでもしてるのか?」
凛「え? パジャマに使ってるけど?」キョトン
P「…………まぁ、もう着ないから良いけど」
加蓮「あっ、プロデューサー、お義母さんにお土産にくれたお菓子おいしかったって伝えておいて?」
P「お前もか」
加蓮「あと子供はもうちょっと待ってほしいってのもね」サスサス
P「母親の顔でお腹を……相手は誰だっ。うちのアイドルに手を出すなんて!!」
加蓮「もー、プロデューサー。わざわざ恥ずかしいこと言わせないでよ、そういうプレイ?」
P「違うよ? えっ、ホント違うからね? えっ、ホント相手だれ!?」
加蓮「プロデューサー、早く見せられるように頑張ろうね」
P「お、おう?」
奈緒「プロデューサー、今度アタシの親がお義母さんたちに挨拶したいって」
P「どうせうちの親に話は行ってるんだろ? わかってるわかってる」
奈緒「そうだけどさ……こういうのはプロデューサーから言うのが筋だと思うんだよ」
P「普通ならそうだろうけどこれって普通じゃないよね?」
奈緒「うちの親もこういうの気にするタイプでさ。親族になるんだし早めに挨拶したいらしくて」
P「もうお腹いっぱい」
P「あのさ……もしかして俺のこと嫌いになったり距離を取りたくなってない?」
3人「えっ、うん」
P「あれぇ? ………………おかしいな、予定では変態発言で…………あれぇ?」
凛「プロデューサー?」
奈緒「なぁ、加蓮。プロデューサーどうしたんだろ」
加蓮「さぁ? スタドリでも切れたんじゃない?」
P「次のプランは…………エロ本か」
3人(急にメモを見だした……)
P「例えばの話だけどさ、俺がアイドルとプロデューサーのエロ本を持ってたらどう思う?」
奈緒「プロデューサーがアイドル×Pもののエロ本を隠し持ってた!」(歓喜)
P「えぇ……」
P「例えば……俺がいつも頭の中でアイドルにすんごいことする想像してるとしたら?」
加蓮「本番は待ってれば良い?」
P「えぇ……」
P「た、例えば……俺がお前たちの水着の写真を持ち歩いていたら?」
凛「はいこれ、新しい写真。他に要望があったら言ってね?」
P「えぇ……」
P「マジかぁ……嘘だろ……プラン全滅やん…………どうすればいいの……」
凛「プロデューサー?」
奈緒「なぁ、加蓮。プロデューサーどうしたんだろ」
加蓮「さぁ? でも絶望した表情のプロデューサーも最高じゃない?」
凛・奈緒「わかる」
P「あれも駄目……これも駄目……えっと……えっと……」
3人「プロデューサー? そんな顔してもしかして誘ってるの?」
P「よ、よしっ!」
P「先にシャワー浴びて来いよ」
3人「!?」
3人「わかった、待ってて」
P「ウソウソウソ!? えっ、ちょっ、ちょっと待って!? 嘘だから!?」
凛「そうだよね、シャワー浴びずにするんだよね」
P「違うよ?」
加蓮「服は着たまま? タオルだけ?」
P「それってシャワー浴びてる前提?」
奈緒「初めてが3人まとめてか……鬼畜だな、プロデューサー」ゾクゾク
P「何か興奮してね?」
凛「とりあえずここじゃ邪魔が入りそうだから場所を変えようか」
加蓮「そうだね。じゃあプロデューサーの家かな?」
奈緒「プロデューサー、先に帰ってるから家の鍵ちょうだい」
P「お、おう……」チャリッ
凛「それじゃあ、行こうっか」
加蓮「うん。あ、そうだ、親に今日は帰らないって連絡しなきゃ」
奈緒「こういうときもあろうかと、着替え置いてて良かったな」
P「………………」
ワイワイガヤガヤ
P「………………」
P「…………行ったか」
P「……………………行っちゃったかぁ……帰りたくないなぁ」
P「最近上から距離が近いことを注意されたからそれとなく言ったら逆効果だったし」
P「わざと嫌われて距離を取る予定だったんだが……どうしてこうなった」
P「はぁ……」
ちひろ「プロデューサーさん、どうでした?」ガチャ
P「ちひろさん……」
ちひろ(まるでガチャ爆死した人の表情をしてる……)
P「駄目でした……今3人は俺の家に向かってるはずです……」
ちひろ「どういうことなの」
P「あ、あと実家も押さえられてました。親込みで」
ちひろ「どういうことなの」
P「もうトライアドはお手上げです。次のPCSに切り替えていく」
ちひろ「はぁ……」
P「PCSの3人なら距離を取るように言えばわかってくれるはずですよ」
ちひろ「はぁ……」
P「さすがに今度は大丈夫でしょう。嫌われるのはダメージでかいですが」
ちひろ「まぁ……頑張ってください」
P「はいっ! じゃあ、今日は帰りたくないので仕事してますね!」
ちひろ「はぁ……」
ちひろ「次のPCSは病んだらお仕舞いなんですよねぇ……大丈夫かしら?」
ちひろ「……無理ですよねぇ……この事務所はもう……」ハイライトオフ
―おわり―
そりゃあ、ガチャ運悪ければスランプにもなりますよね
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