提督「艦娘とはなにか」 (39)
大和「昨日の瑞雲祭り楽しかったですね」
提督「そういうメタなのはなしで」
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大和「それは、様々な人が考えて、様々な答えがある問ですね」
提督「人間とは何かみたいな問だな。時代や地域等で大きく変わる。しかしそう言ったら終わってしまうだろ?」
大和「そうですね。例えば生物学的に言えば、人間には定義があります」
提督「なるほど、型に嵌めて考えるか。で人間の定義とは?」
大和「………」
提督「………まあ俺も知らん」
大和「二足歩行ですね」
提督「それは違うんじゃないか、というかその調子でいくとゴールまで長すぎるだろ。えっと……オッケーグーグル!」
大和「それ使う人初めて見ました」
提督「…」
大和「…」
提督「オッケーグーグル」
大和「……」
提督「……OK.Google」
大和「」
提督「」
提督「ハイ…」ノスマホ
大和「オッケーグーグル、人間、定義。どうぞ提督」
提督「うん…」
大和「そんな顔なさらないでください」
提督「よく分からなかったがDNAと頭の良さって感じか」
大和「二足歩行もですね」
提督「遺伝子操作なんて言葉も聞くし、今の時代生物的にはDNAは絶対的な指標と言えるのかもな」
大和「二足歩行もありましたね」
提督「さてこうした定義を確認した上で艦娘についての問に「二足歩行」直立二足歩行ってあったじゃん不正解だ不正解!近いけど、惜しいけど、だからそのドヤ顔をやめい!」
大和「私は元人間です」
提督「そして今は艦娘だ。こうして元がつくあたり本人にも周りにもは人とは違うという意識は間違いなくあるわけだ」
大和「普段でも単純な数値ならオリンピックでダース単位でメダルが取れる身体能力ですし、艤装を付ければ小国くらいなら吹き飛ばせますから」
提督「改めてヤバイよなお前ら。縛っといた方がいいんじゃないか、ゴムとかで」
大和「縛りプレイでゴムはあまり好ましくないと聞きますが」
提督「誰から聞いたおい、いや青葉だろ絶対青葉だろ」
大和「提督の好みについて聞いた時に教えてくれました」
提督「スマンちょっと待っててくれ用事ができた」
提督「逃げられた」
大和「提督はほぼ一般人ですからね。鍛えていても所詮人です。あともう歳ですね」
提督「こうグサッと言われると艦娘反対派の気持ちも分からなくもない」
大和「でも、そうですね。提督はほぼ一般人ですね」
提督「ああまずはそこからいくか。確かに一般人だな。ほぼ」
大和「提督になるための第一要素が妖精が見える事」
提督「実際には艦娘とシンクロというか、心を通わせられる?みたいな才能で、艦娘と繋がりの強い妖精が見えるというのはそのわかり易い判断材料と言うだけだな」
大和「実際提督は妖精が見えても見えなくても業務に差し障りはありませんからね」
提督「近づくと逃げるしな。眺めるのが限界だ。たまに喋っても訳の分からんことを言われる」
大和「妖精と仲のいい提督も何人か存在していますが、それで劇的に変わることもないと報告にあります」
提督「妖精については考えるだけ無駄だな。全ての元凶みたいな所もあるし謎が多すぎる」
大和「まったくです。一度締め上げるべきなのでは」
提督「人のことは言えないがお前やっぱ脳筋だよな」
大和「誰に似たのでしょうね」
提督「さてね」
大和「そうですね。しかし、シンクロなどどあやふやな点を挙げられても困りますね。心理的なものはやはり説得力に欠けます」
提督「たぬきジジイに聞いたら、なんでも催淫とかに近いものらしい。艦隊を一人でまとめるために必要な、ようはカリスマみたいなものだな」
大和「皆の信頼も、私がこうして提督をお慕いしているのもその催淫による影響だと考えるとゾッとしますね」
提督「俺としてもそんな事は考えたくないがな。でも案外逆かもしれんぞ」
大和「逆とは?」
提督「24時間ターミネーターに囲まれてるみたいな状況でも俺は特に何も感じないし、むしろお前達を部下として、あるいは対等かそれ以上として考えてる。艦娘に対して、惹かれているのはむしろ俺かもしれん」
大和「それは困りますね」
提督「え?今困る要素あったか」
大和「浮気は許しません」
提督「しねーよ信頼してよ」
大和「縛るにはやはり紐が良いと」
提督「お前はまずその思考に縛られてるのをなんとかしろ」
大和「そもそも1人が100を超えるターミネーターを指揮するというのもおかしな話です」
提督「お前がターミネーターって言っちゃうのか。言い出したの俺だから止めないけどさ」
大和「最大の鎮守府として第2秘書艦の青葉や他にも事務処理等の手伝いとして人間、つまり提督としての素質がある人間が複数いるここですが、それでも指揮系統はほぼアナタです」
提督「艦娘ってのは既存の航海術戦術一切通用しない全く新しい存在だからな。これまでの常識に沿わなくてもこれが今の常識だ」
大和「ここに至るまで様々な変遷を重ねていますからね」
提督「捨て艦、なんて言葉が生まれた時代もあったしな」
大和「はい。もう半世紀以上も昔ですね」
提督「最初なんて誰も艦娘の扱い方なんて知らなかったからな、本人含めて。それで艦娘の数が増えたらそりゃ捨て石作戦になるのも分からんでもない」
大和「決して許されることではありませんが、間違いだっとはやはり言えませんね」
提督「数多の犠牲があったからこそ、こうして人類が反撃に出れているわけだ」
大和「何としてでも勝たなくてはなりません」
提督「これ以上の犠牲も出さないようにしなきゃな」
大和「提督、という存在が必要だと分かったのは30年程前でしたよね」
提督「装備の組み合わせ、陣形などが判明する中最も現状を変えた発見が練度の存在だったからな」
大和「艤装と長くリンクする事で身体に馴染み、結果より強くなる。今ではおおよそとはいえ数値化までされていますね」
提督「艦娘なんて人の形をした兵器でしか無かった時代に、人間のように努力と鍛錬で強くなるという事実はさぞ衝撃的だったろうよ」
大和「軍もそれまでの過ちを認めすぐに方針を変えました。艦娘を兵器として扱う事は変わりありませんでしたが」
提督「地位と親光だけのバカが捨て石してる中で艦娘を人として扱い育てる人間が結果を伸ばしてきたんだ。腐りきった上の連中も流石に動かざるを得なくなってきた」
大和「訓練による練度より、提督からの信頼と自信こそが私達の力の源ですから」
提督「それまでは化物と罵られながら訓練をし、お国のためと捨てられてたわけだらな。ひでぇ話だ」
大和「それにこの様な見た目ですから、性的なトラブルも多かったそうですし。ほとんどか手を出した上官が殺されるか大怪我をして、艦娘が処分されるといった流れでしたが」
提督「あれ、じゃあ俺もアウトか?」
大和「合意なのでセーフですよ。私意外となら当然処分ですが」
提督「一応言っとくがその拳銃は護身用だからな?な?」
大和「やはり縛るとは言わないまでも首輪くらいは付けるべきでしょうか」
提督「紐ネタから離れろよ…」
大和「…」
提督「…」
大和「えっと…」
提督「いや思いつかないならいいじゃねえか!」
大和「結局、軍は、世界は変わりました。変わったけれど、変わりきれなかった」
提督「心も体も丈夫な艦娘に対し、ブラック企業も真っ青な地獄の訓練を課したりな。練度だどうこう言っても人扱いする気はさらさらなかったわけだ」
大和「そこで提督が、アナタが現れた」
提督「たぬきジジイに担ぎ挙げられただけだよ。一般人出の、艦娘と共に進む提督としてな」
大和「提督のおかげで私達の扱いは変わりました。艦娘も人と同じだ、という考えは随分広がりました」
提督「なにせ国の英雄が艦娘と結婚だものな。軍は口出しできねえし、政治家共はこぞって艦娘に人と同じ権利を~なんて言い出す」
大和「今までの扱いからしたら天と地ほどの差があります」
提督「逆に言えば俺がしくじれば終わり、だ。その時の計画もあるんだろうけどな」
大和「提督の代わりも用意されてるのでしょうか」
提督「いるんじゃねえか?これまでの知識が通用しないって事で新しい常識を吸収し放題の若者を育てるって建前で俺を担いだんだ。同じようなヤツ見つけてんだろ」
大和「提督に代わりはいませんからね」
提督「お前の代わりもな」
大和「そうかもしれません」
提督「怖い事を言う」
大和「大和ですから」
提督「お前はお前さ」
提督「だが、まあそうだな。使い捨てではなく使い潰すようになったわけだな」
大和「でも私はそれでも構いません。この身は、血の一滴に至るまでアナタのためと決めましたから」
提督「愛が重いね。しかし、アナタのため、か」
大和「所詮は人ですから。お国のために身を張る英雄なんて言われていてもその実、たった1人の殿方のために戦場に赴いているのです」
提督「いいんだよそれで、それがいいんだ。そうあるべきなんだ」
大和「…しかし、結局艦娘とは何か分かりませんね」
提督「そうだな、よし」スマホ
大和「流石のGoogle様も軍事機密は無理かと」
提督「だよね」
提督「分からないってのは怖い。周りも当事者ですら」
大和「反対派の意見ですね。とはいえ賛成派でもそこは同じですか」
提督「昔はモノ扱いだったからな」
大和「兵器ですから」
提督「最近ようやく人権等が認められてきた」
大和「人間ですから」
提督「どっちでもあるって難しいな」
大和「艦娘にも兵器派と人間派がいます」
提督「ん、それはあまり知らないな」
大和「私達の力は心理的なものが大きいです。愛の力です。つまり個人的な理由で、至極人間的な理由で戦場に出ます」
提督「愛の力は世界を救うんだなって」
大和「ですがそれだけでは勝てません。私達も沈みます。思い届かず果てます。場合によっては陸の上で死ぬこともあります」
提督「そうだな」
大和「時には犠牲を出してでも勝たなくてはならない時もあります。そしてそれを私達は理解しています」
提督「納得はしていなくても、か」
大和「犠牲、とまでいかなくとも、沈まなければ殆どの怪我が治る以上囮や身代わりになる事もあります」
提督「…」
大和「自分や、あるいは仲間の、吹き飛んだ腕や無くなった足を、そして入渠すればすぐさま治るそれを見ても私達は特に何も思いません。兵器として」
提督「ハッ、平気じゃなさそうだな」
大和「茶化さないでください」
大和「誰かのためとごく人間的な理由で動くこの体は、どこまでも非人間的なんです」
提督「さっきの派閥はそのどちらに寄ってるかって話か」
大和「人として生きる艦娘が最近では殆どですが、やはり自分を一兵器として勘定する者もいます」
提督「そこに関しちゃ俺がとやかく言える内容じゃないな。無責任かもしれんが個人の問題だ」
大和「何が悪いということでは無いのですけれどね。課せられた命題という所でしょうか」
提督「逃げてもいい放置してもいいってとこだがな」
大和「私は、これという答えを持つべきだと思います。それは私達にとって強さの源になる」
提督「しかし難しい問題だ。個人の問題ではあるが一人では中々答えが出ない」
大和「困ったら提督に頼りますよ」
提督「おいおい俺ができることなんてそうはないぜ」
大和「私が無理難題を言い出したらどうしますか?」
提督「その口塞いでやる」
大和「激しいのをお願いします」
提督「基本的に衣服、というか艤装のおかげで1発は耐えるわけだよな」
大和「脳とコアは守られます。そこがあれば時間の程度はあれど修復可能ですから」
提督「なんつーか都合のいいものだよな」
大和「心臓には悪いですけれどね。それにあくまで1発までです」
提督「大破進軍ダメ絶対」
提督「派閥といえば例えば人間をよく思わない派とか、クーデターなんてのもあるんじゃないのか?」
大和「そういった考えもあります。ですがあまりにも非現実的なとものですからね。本気で思う者もいるでしょうけど、本気で行動する者はいないでしょう」
提督「艦娘全員でくらいじゃないと成功は無理だろうからなあ」
大和「何より不満をぶつける相手と原因が別ですから。艦娘だけの国ができたところで何の解決にもなりません」
提督「存在そのものがってことか」
大和「強いていえば妖精さん当たりが原因でしょうか。それとも神が元凶でしょうか」
提督「そんな不満や不安を深海棲艦にぶつけるわけか」
大和「戦争が終われば全て終わる。そう愚直にも信じているしかないのです」
提督「神様か。結婚式の時はキリストだったよな」
大和「見栄えがいいですからね。和服はゴテゴテしてて嫌いです」
提督「大和魂の欠片もないなおい」
大和「それに私が信仰しているのは今も昔も朝7時の星座占いのみです」
提督「さすが八百万の神とか言われる国だな」
大和「不満があるとすれば、この体である限り成長も老いもしない事ですかね」
提督「ならさっさと戦争終わらせなきゃな。そしたら解体してどっか田舎にいって淫な生活を送ろうぜ」
大和「もうそういう歳でもないでしょう」
提督「艦娘の応用で俺も若返ったりしないかね」
大和「そもそも何故艦娘が若い娘なのか、主に若い女性にしか適性がないのか分かりませんから」
提督「深海棲艦も分からんし、分からんづくしだ。でも分からなくていいのかもな。その方が、幸せなのかもわからん。」
大和「そういうものですかね」
提督「なんつーか、どう考えても分かりようがないよな。それこそ神様の意思っていうかさ」
大和「妖精の意思ですか」
提督「頑張って翻訳しても絶対に齟齬が出るっていうか、なんつーかな。人間どんなに頑張ったって猫の考えてる事なんか分からんだろ。そんな感じ」
大和「全然分かりません」
提督「多分、そんな感じ」
提督「わかってはいたが結局この結論か」
大和「皆個性的だと思えばいいと思います。半分が人で半分が兵器。でも決して人間らしさが半分なのではなく、一人の人間なのです。そしてそれは半身が兵器だからこそ、人でないからこそより引き立ち際立つ。個として人よりも人らしく集団として人ほどに人らしくあれない。それが艦娘だと、私は思います」
提督「…ごめんもっかい言って」
大和「私はアナタが大好きだということです。この先もずっと」
提督「なるほど、そうあって欲しいね。さてそろそろ演習の時間だ。後輩に英雄と呼ばれるその由縁、しっかり見せてやらにゃあな」
大和「たまには手加減しないと心が折れてしまいますよ」
提督「そう言って真っ先にえげつないのぶっぱなすじゃねえかお前は」
大和「さてどうでしょう」
提督「怖い女だ。そら、行くぞ」
大和「私は」
提督「ん?」
大和「私はいつまで提督のお側にいられるでしょうね」
提督「それは、俺のセリフだな」
大和「私達は老いません。それはもう神の如く」
提督「老いないというと凄そうな感じかするが、成長しないというのは少し寂しいな」
大和「身長も伸びません」
提督「それ以上大きくなられると抜かされちまうよ」
大和「いやですか?」
提督「無理なく抱きしめられる今のままが一番いいな」
大和「提督は少し縮んだ気がします」
提督「歳だからな…」
大和「髪も伸びません」
提督「切ってもバケツかぶると元に戻るしな。昔みたいな短髪も結構好きなんだが」
大和「提督もバケツかぶります?」
提督「やめろ…髪の話は俺に効く…」
大和「暫くは出撃もないですし切りましょうか?」
提督「いや、今のも今ので好きだよ」
大和「…歳のせいか恥ずかしいセリフも動じず言うようになりましたね」
提督「歳は余計だ」
大和「出来れば若い時に言って欲しかったですね」
提督「おっさんに告られるのはいやか?」
大和「好きですよ、アナタは。だから差を感じるのは辛いです」
大和「胸も一向に育ちませんでした」
提督「昔あれだけ揉んだのになあ」
大和「少数ですが育つ娘もいるみたいですね」
提督「髪が伸びるやつもいたな。それがいいかどうかは賛否両論だったが」
大和「イヤらしいことをすると髪が伸びると聞いたことがあります」
提督「なるほど、お前には当てはまらなかったみたいだな」
大和「せめてもう少し胸は欲しいです…」
提督「え、別に俺は巨乳好きとかじゃねえぞいやホントマジで」
大和「巨乳も、でしょう。そうではなく、その、大和として威厳というかその」
提督「ああだからパット入れてたりするのか」
大和「他の大和は結構大きかったりするんですよ。こんな所で個性が出なくでいいのに…」
提督(大和って皆同じ理由でパット入なんじゃねえのかこれ)
大和「でも、個性がないと困りますしね」
提督「そこまで気にするか」
大和「胸がというわけではなく、つまるところ私達はクローンのようなものですから。自分というものが不安になる時があるんです」
提督「お前は大和としては相当個性的だろうよ」
大和「まあ私はそうですね。でも世間から求められるらしさは私としてではなく大和としてなんです」
提督「ここでも二面性というか、二つに悩まされるわけか」
大和「これに関してもやはり、大小たれど艦娘に限らずですが」
提督「艦娘の人ならざる身体の利点は耐久、抵抗が強いことだな」
大和「少なくとも向かい合って私達を傷つけるなら武器か、そうでないなら霊長類最強レベルを連れてくる必要があるでしょう」
提督「致死性のやべぇのとかじやなきゃ病気や薬なんかも効かないしな」
大和「病気に罹らないのはありがたいです。生理もないですし」
提督「それは前にも聞いたな。そんなにいい事なのか?」
大和「絶対に勃起して欲しくない時に何があってもしなくなるくらいには」
提督「すんげぇわかり易かったけど勃起とかいうなよ」
大和「ではなんと?」
提督「あぁ…スタンディングオb「全砲門」なんでもこざあやせん!」
大和「少し怖くはありますね」
提督「主語を入れてくれ主語を」
大和「艦娘でなくなった時、この身体出なくなった時です」
提督「頑丈な身体からひ弱な身体に戻るわけだ」
大和「一度便利なものを手に入れると中々手放せません」
提督「老いるという事とは、だな」
大和「私達には老いる、変化するという概念がありませんからね。基本的には」
提督「兵器も人も老化するのに、そこはどちらにも当てはまらないな」
大和「付喪神の神の部分という事でしょうか」
提督「そういう事なのかね」
大和「そういう事なのでしょう」
提督「ん?そこいくとお前ら記憶はどうなってんだ」
大和「記憶、ですか?」
提督「身体が変わるということをしないのなら脳に記憶させる、変化させるというのはおかしくないか」
大和「それを言ったら食事も排泄もしてますね。まあこちらは身体に影響はないですし人らしくあるための一種の娯楽ですかね」
提督「極端な話燃料弾薬があれば栄養は必要ないものな。にも関わらず食欲やらはあるわけだもんな」
大和「脳だけが人らしさを残しているのでしょうか」
提督「ここら辺は流石に難しいな」
大和「数多の研究者が生涯をかけて解き明かせなかったような謎ですからね」
提督「なら俺が一人目になろうじゃないか。コロンビアの卵というわけだ」
大和「コロンブスの卵です」
提督「…」
大和「後表現としてもイマイチ…」
提督「…」
大和「…行きましょうか」
提督「慣れないことはするなってさ」
大和「それで、貴重な休日の朝から何故このような話題を?」
提督「いやな、もう随分と戦争が続いてるけど、もう佳境を迎えるような段階、覚悟を決める時期だろ?」
大和「決戦、ですね」
提督「でだ、俺の中でお前らがどういった存在なのか改めてここでハッキリさせようかなって思ったんだ」
大和「それでこんな回りくどい会話を」
提督「露骨に嫌そうな顔をするな。会話の中身は正直どうでもいいんだよ。お前とこうしてゆっくり話したかったんだ」
大和「それで結論はどうなりましたか」
提督「分からん。まだ分からん。今日1日ゆっくり考えるさ」
大和「止めません、というか止めても無駄なんでしょうけど、休日何ですからしっかり休んでくださいよ」
提督「わあってるよ」
大和「提督」
提督「どうした?」
大和「これは」
提督「ん?」
大和「指輪による限定解除とは、何なんでしょうか」
提督「おいおい、指輪なんざただの道具だろ」
大和「そうで、しょうか」
提督「お前も人間なら分かるだろ」
提督「誰かのためにいつも以上に頑張れるなんて、誰だって同じことだろ。俺もお前も」
大和「……ふふ」
提督「くく」
大和「今の撮れましたか?」
青葉「そりゃもうバッチシ!」
提督「おいいぃぃいいぃぃ!!」
青葉「いやぁさっすが英雄様は言うことが違いますねえ艦隊からも世間からも好感度爆上げですねこれは。ついでに爆売れですねこのボイスは」
提督「ちょっ!てめ、いつからだぁあ!」
大和「盗み撮りすると言うので話題を振りました」
提督「はなっからグルかあ!」
青葉「それではアデュー!」
提督「待てやゴルゥァア!!」
青葉「無駄ですよ~所詮提督は一般速い!なんかさっきより速い!」
提督「これが人の力だぁぁあ!」
青葉「そのセリフそこで使っちゃっていいんですかあぁ!?待って待って速いぃ」
大和「さてと」
提督室に一人残った大和は、当然のように提督の椅子に腰掛け、その手に光る指輪を見つめる。
大和「誰かのために、ですか」
大和「アナタは、みんなのためにあって欲しいですね」
少し寂しげな顔に窓から太陽の光が差し込む。
眩しすぎるその光に手を翳し、煌めく指輪を見つめて呟いた。
大和「暁の水平線に…」
艦娘って髪伸びるのかなって思って書いた。
難しいこと言おうとして盛大に失敗してるけど反省はしていない。
個人的に髪は伸びる方が捗る
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