李衣菜「絵の販売...?」 (19)

絵売り「はい!お客様のようなクールな方に、ぜひとも絵を買っていただきたくって!」

李衣菜「ク、クールだなんてそんなぁ...へへへ」

絵売り「一度見ていただくだけでも結構ですので、さあ、こちらへ!」ウデグイッ

李衣菜「えっ、ちょっと!...」

~店内~

絵売り「こちらの絵なんていかがでしょう?」

李衣菜(正直わけわからない絵だなぁ...)

絵売り「こちら、マリリンマンソンの描いた{美しき人}という作品なのですが...」

李衣菜(マリリンマンソン...?どこかで聞いたことある気が...確か...)

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~一週間前~

李衣菜「なつきちえもーん!ギター全然弾けないよぉー...」

夏樹「誰がなつきちえもんだ。ったく...。アタシが教えてやるから。」

李衣菜「我が心の友よ!!!」

夏樹「悪いが熊本弁はさっぱりだ。それで、何練習してるんだ?」

李衣菜「DragonForceのThrough The Fire And Flames...」

夏樹「いきなりDragonForce!?お前、ある意味ロックだな!」

李衣菜「へへへ///」

夏樹「とりあえず、練習の成果をみせてみ。」

李衣菜「オッケー!」ペットボトルトリダシ

夏樹「?」

李衣菜「ゴクゴク」ニオウダチ デノム

李衣菜「以上です。」

夏樹「それPVのギターソロ弾く前のサムトットマンじゃねーか!物まねかよ!」

夏樹「まあ、好きな曲を練習するのは悪いことじゃねーけど、ドラフォは相当ムズイぜ?アタシも弾ける気がしないぜ。」

李衣菜「ハーマンみたいに弾きたかったのに...」

夏樹「最初は難しくない曲からやって、弾ける喜びを得た方がいいと思うけどなぁ...」

李衣菜「ちなみに、なつきちはギター始めたてのころ、何を練習してたの?」

夏樹「アタシか?アタシはやっぱり、マリリンマンソンのThe Beautiful Peopleかな。」

夏樹「そこまで難しくないけどめちゃくちゃカッコイイ曲だぜ?」

李衣菜「へえ...」

夏樹「今度CD貸すぜ」

李衣菜「おおー!ありがとー!」

~回想終わり~

李衣菜(マリリンマンソン...!なつきちが言ってたアーティストだ!へえ、絵も描いていたんだ。)

絵売り「お客様、いかがでしょう?」

李衣菜「そうですねー...この絵、ロックですね!」

絵売り「さっすがお客様!お目が高い!この絵はロックンローラーの間で人気なんですよ!ということは、お客様もロックンローラーだったりして!」

李衣菜「そ、そうですよ!私はロックなんですよ!」

絵売り「そんなロックなお客様には、この絵画を特別な値段でお売りしちゃいます!!!」

李衣菜「ホ、ホントですか!」

絵売り「ええ!いつもは100万円のところを、今回は69万円でお売りしちゃいます!」

李衣菜(69万円!?高っ!?)

李衣菜「すいません...69万円はちょっと...」

絵売り「そうですか...ロックなお客様には似合うと思ったのに...」

李衣菜「す、すいません...」

絵売り「なら、この絵のレプリカはいかがでしょう?レプリカのため、お値段は6万9千円です!」

李衣菜(69000円...それならギリギリ買えそうかな...)

李衣菜(...)

李衣菜「それください!」

李衣菜「...ってことがあったから、マリリンマンソンの絵のレプリカを買ったんだよねー。」

みく「...。」

李衣菜「みくにはこの絵の良さがわからないだろうなぁ...。」

みく「こ...」

みく「このバカリーナちゃんがあああああああああ!!!!!」

李衣菜「ロックンローラーにバカは褒め言葉だからなぁ。」

みく「うっさいわ!褒めとらんわ!なんやねん!」

李衣菜「みく落ち着いて!関西弁でてる!」

みく「フシャァーッ!!!」

李衣菜「何でそんな怒ってるの!?あっ、みくもこれ欲しかった?」

みく「いらないにゃ!!!というか李衣菜チャン世間知らずすぎにゃ!!!」

みく「李衣菜チャンは騙されたんだニャ!!!」

李衣菜「...えーっ!!!!!」

・・・

李衣菜「じゃあこの絵には何の価値もないってこと!?」

みく「そうにゃ。価値のない絵のレプリカとかもう価値ナシナシにゃ。」

李衣菜「そんなぁ...。」

みく「どうせ〈この絵はロックなお客様にふさわしいと思いますぅー。〉みたいな口車に乗せられて買っちゃったとかでしょ?」

李衣菜「うっ...」

みく「図星かにゃ...。まったく...李衣菜チャンはダメダメにゃ...」

李衣菜「うっ...」

李衣菜「うわーん!!!!!」

・・・

李衣菜「グスン...」

みく「やっと泣きやんだかにゃ?」

李衣菜「うん...」

みく「今回は勉強代だと割り切るしかないと思うにゃ。」

李衣菜「うん...そうだね...」


――――


???「今の話聞いたか?」

???「ああ。ロックで人を悪いように騙すだなんて許せないね。」

???「力、貸すぜ?」

~翌日~

李衣菜「おはようございまーす...ってあれ?みくしかいないの?」

みく「...」チョイチョイ

李衣菜「えっ...ちひろさんの説教部屋に!?」

李衣菜「...」ソーッ


ちひろ「...で?拓海ちゃんと夏樹ちゃんと乗り込んで泣かせたと?」

P「はい...」

ちひろ「泣かせて撤退させた上に、志希ちゃん特性の{泣かされた記憶を忘れさせる薬}を相手に振りかけたと?」

拓海「はい...」

ちひろ「さらに、晶葉ちゃん特性の{真人間にさせるマシーン}を使って、相手を真人間にさせたと?」

夏樹「はい...」

ちひろ「証拠は完璧に消したから大丈夫だと?」

3人「はい...」

ちひろ「いいわけあるかあああああ!!!」

~説教終了~

P「ウッ...ウッ...」ガチャッ

拓海「いい大人が泣くんじゃねーよ。いい加減泣き止め。」

夏樹「そういう拓海も涙目だったけどね。」

拓海「うるせえ!お互い様だろ!」

李衣菜「あ、あのっ...」

夏樹「あっ、だりー来てたのか。」

李衣菜「その...みんな私のために...」

拓海「違ーよ。」

拓海「筋を通した...それだけさ。」

夏樹「アタシも、自分のロックを通しただけだよ。」

P「二人に脅されて連れていかれました...」

拓海「嘘つけっ!テメエ、〈よーし!じゃあPさん、正義の鉄槌をふるっちゃおうかなー!〉みたいなこと言ってただろーが!」

李衣菜「だとしてもっ...!本当...ありがとうございます!」ウルウル

P「泣くなって。ロックな笑顔が台無しだぜ?」マンカイスマイル

みく「Pチャンが堕としにかかったにゃ。しかも雑に。さすがの李衣菜チャンもこれでは堕ちない...」

李衣菜「キュンッ...///」

みく「堕ちてるやん。」

~後日~

李衣菜「なつきちー!マリリンマンソンのThe Beautiful People、できるようになったよー!」

夏樹「へえ、ちょっと弾いてみてよ。」

李衣菜「...」カクカクカクカク

夏樹「それPVでのかくついた動きの物まねじゃねーか!ギター練習しろよ!!!」

李衣菜「嘘嘘。本当に練習してきたから。それじゃ弾いてみるね。」

ジャジャージャジャジャ ジャジャージャジャージャ

夏樹「おっ、弾けてるじゃん。ロックだね。」

李衣菜「へへへ。」

夏樹(全音下げチューニングできてないけど、まあ、いっか。)

夏樹「そういえばさ。だりーは何で偽物のマリリンマンソンの絵を買おうとしたんだ?」

李衣菜「いやあ...その、ロックかなーって思って...へへへ。」

夏樹「ったく...」

李衣菜(プレゼントしたらなつきちに喜んでもらえるかもって思った...なんて言えないよなぁ...)

夏樹「まあ、マンソンは絵も描いたりするからなぁ...それで騙されるのもわからなくもないな....」

李衣菜「えっ!?そうだったの!?マンソンって絵もかくの!?」

夏樹「いや、知らずに買ったのかよ!!!それはそれでロックだな!!!」

おしまい

~後日談~

P「ちひろさん!シンデレラフェスなのに、SSRが全然でないんですけど...本当に2倍ですか?まさかあの絵売りみたいに嘘を...」

ちひろ「...説教部屋行きましょうか。」

P「すいませんって...冗談ですって...え?マジで怒ってます?」ガシィッ

P「何で無言で俺の腕を掴むんすか!!!ちょ、すいませんでした!すいませんでした!」ズルズルズルズル

P「拓海ィ!夏樹ィ!李衣菜ァ!助けに来てくれえええええ!!!!」

バタンッ


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