ガヴリール「神足通失敗したらハゲた……」 (16)

ガヴリール「これまで私は2度、神足通を使って教室に飛ぼうとして失敗した」

ガヴリール「これはきっと人に見られてはいけないというルールが頭の中に引っかかって、無意識のうちに失敗したんだろう」

ガヴリール「つまり飛ぶ先を人気のない場所、例えばトイレをイメージすれば成功するはずだ」

ガヴリール「物は試しだ、神足通!」シュン

ガヴリール「やった成功!やればできるじゃないか!」

ガヴリール「あれ?妙に頭が軽い気がする…」サワサワ

ガヴリール「…………髪の毛がない」ツルーン

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ガヴリール「やばいやばいやばいやばい!!」

ガヴリール「どうすんのこれ! こんなんで外に出られるわけないじゃん!!」

ガヴリール「とりあえずまた神足通で家に戻って………」

ガヴリール「いや待てよ」

ガヴリール「今回は髪の毛だったが、考えてみれば内臓が取り残される、なんてこともあり得るわけだよな……」

ガヴリール「」ゾクッ

ガヴリール「と、とりあえずトイレから見つからないように出よう……」ガチャ

ガヴリール「あ」

サターニャ「あ」

サターニャ「あんたガヴリール!? その頭、グラサンみたいにツルツ…」

ガヴリール「ふんっ!」ボコォ

サターニャ「グエッ!」

ガヴリール「サターニャとりあえずこっち来い!」ガチャ バタン

サターニャ「ちょっ、何よトイレの個室に2人とか狭いんだけど……」

サターニャ「それにその頭どうしちゃったのよ」

ガヴリール「いや、神足通で学校に行こうとしたら、失敗して髪だけが……」

サターニャ「どんな失敗なのよ……それ」

キーンコーンカーンコーン

サターニャ「あっ、授業開始のチャイム……」

ガヴリール「すまん、お前にまで授業サボらせちゃって……」

サターニャ(今日のガヴリールなんだか少し気弱ね……)

サターニャ「ま、まあ……それは別にいいわよ! 授業をサボるなんてなかなかの悪魔的行為だわ!!」

ガヴリール「そっか、ごめんな……」シュン

サターニャ「だから謝らなくていいわよ!」

サターニャ「それよりあんた、その頭でこれからどうするのよ」

ガヴリール「そうだよな…………」

ガヴリール「うっ……うっ……この頭でこれからどう過ごせばいいんだよ……」ポロポロ

サターニャ「ガヴリール……」

ガヴリール「隠す為にパーカーのフード被っても普通の学校生活なんてもう無理だよ!」ポロポロ

サターニャ「仕方ないわね……」

ガヴリール「サターニャ?」グスン

サターニャ「私が魔界通販でよく効く毛生え薬を見つけて買ってあげるから……」

サターニャ「もう泣くのはやめなさい!」

ガヴリール「優しいんだな、正直からかわれるとばかり思ってた……」グスン

サターニャ「からかわないわよ、だってライバルがこんな調子じゃ物足りないし……」

サターニャ「そ、それに髪は女の命だって言うじゃない」

ガヴリール「ありがとうな、サターニャ」クスン

サターニャ「す、素直に感謝されると照れるじゃないのよ……!」

サターニャ「それじゃ早速スマホアプリの魔界通販で……」タプタプ

ガヴリール「でもさ、そういう通販で注文だと結構時間かかるんだろ?」

サターニャ「安心しなさい、私は魔界通販プライム会員だから今頼めば夕方には届くのよ」

ガヴリール「へぇ、すごいんだな」

サターニャ「いいわよ、もっと褒めなさい」フフン

ガヴリール「お前じゃなくて魔界通販がな」

サターニャ「ぐぬぬ……一応注文したから私の家行って待ちましょう」

ガヴリール「サターニャも来てくれるのか?」

サターニャ「当然よ、どうせ今から戻っても廊下に立たされるだけだろうし」

サターニャ「ほら、とりあえずフード被って外出るわよ」

ガヴリール「ああ」

サターニャ「注文した品物が届いたわよ!」

ガヴリール「本当にはやいんだな」

サターニャ「当然よ!」フフンッ

ガヴリール「だから褒めてないって、それよりさっさとくれよ」

サターニャ「まあ待ちなさい、ガヴリール」

ガヴリール「なんだよ」

サターニャ「確かにこの薬を渡すのはやぶさかじゃないわ」

サターニャ「ただし」

ガヴリール「ただし?」

サターニャ「髪が生えたら私がしたい時にしたいだけモフモフさせなさい!」

ガヴリール「はぁ?」

サターニャ「嫌ならこの薬を渡すわけにはいかないわね!」

ガヴリール「いや、別にいいんだけどさ、なんでモフモフなんだよ」

サターニャ「ふっふっふっ、契約成立ね!」

サターニャ「モフモフしたいのはなんとなく気持ち良さそうだからよ!!」

ガヴリール「なんだそりゃ……いいからはやくしてくれ」

サターニャ「そうね、折角だし私が塗るわよ」ペタペタ

ガヴリール「あ、ありがと」

後日

サターニャ「ガヴリール~♪」モフモフ

ヴィーネ「サターニャ、最近やけにガヴの髪触ってるわね」

サターニャ「えへへ~、まぁね~」モフモフ

ヴィーネ「それにガヴもそのまま受けるなんて珍しい」

ガヴリール「まあ、色んな意味での命の恩人だからな……」モフラレモフラレ

ヴィーネ「命って……あんた達に何があったのよ……」

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