漣「また釣りに行くの~?ぼのたんも飽きないねぇ」
曙「この秋から冬にかける時期に行かないでいつ行くのよ!」
潮「でも春も夏も時間があればいってたよね?」
曙「そう?」
朧「釣り道具とかってお金掛かりそう。大丈夫なの?」
曙「その辺は問題ないわ。スポンサーがいるんだから」
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曙「じゃあ行って来るわね」
潮「いってらっしゃい。気を付けてね曙ちゃん」
曙「大漁を期待して待ってなさい!」
漣「うう~…………うがあぁぁぁぁ!!」
潮「ぴゃっ!!ど、どうしたの?」
漣「ずるいずるいずーるーいー!!」バルンバルン
潮「お、落ち着いて漣ちゃん。そんなに揉みしだかないで……」
朧「釣りに行きたいなら漣も行けばいいのに」
漣「いやいやいや、この寒いのに釣りとかマジあり得ないっしょ?」
朧「じゃあ何が不満なの」
漣「スポンサーよ!スポンサー!!ご主人さまからたんまりお小遣い貰ってるに違いないし!」
漣「漣もご主人さまからたんまりお小遣い貰ってやるんだから!」
漣「ごーしゅーじーんーさーまー!!」
提督「廊下で騒ぐな。騒がしい」
漣「ご主人さま!ぼのたんだけにお小遣いをあげるなんて許せない党党首、漣まいりました!」
提督「小遣い?なんの話だ?」
漣「おーっとっと!しらばっくれてもネタはあがってるんだってば!」
提督「もしかして……あいつらじゃなないか?」
赤城「魚買い取ります」
加賀「イカ、高価買取中」
曙「さあ今日も釣って釣って釣りまくるわよ!」
田中「やあ曙ちゃんこんにちわ」
曙「こんにちわ。田中のお爺さん」
山中「おお、曙ちゃんが来よったぞー。ありがたやありがたや」
渡辺「ひぃー、寒い中来た甲斐があったわい」
斎藤「わしゃ孫をほっぽり出して来たんじゃ。曙ちゃんこんにちわ」
曙「みんな元気ねえ。ほんと、毎日毎日机にかじりついてるうちのクソ提督にも見習わせたいわ」
ジジイども「…………ギリッ」
ジジイどもは曙が提督の話をすると悔しがる
曙「あれっ?田中さんの釣竿そんな色だっけ?」
田中「これかい?これは新しく買った釣竿じゃよ」
曙「へー。なんだかカッコいいわね」
田中「ふぇひひっ。ゴクエボのテンヤタチウオって言うんじゃ」
山中「何がゴクエボのテンヤタチウオじゃ。あんなもん波止場で使う様な竿じゃなかろうが」
渡辺「ありゃー曙ちゃんとの話題作りの為にこうたんじゃろうて。金にものを言わせた汚い奴じゃ!」
田中「歯がゆいのう。わしらにももっと財力があれば」
山中「やはり金の力には勝てんのう…」
斎藤「やれやれ。お主ら何も分かっとらんのう」
斎藤「80過ぎのわしらが孫をほっぽり出してファンクラブまで結成した曙ちゃんはそんな子じゃなかろうが!死ね!」
田中「斎藤さん…………」
曙「どうしたのよ大きな声出して。何か釣れたの?」
山中「いいいい、いや、なんでもないんじゃよ?ふぇひひ」
曙「そう?まあいいわ。で?釣れてるの?」
渡辺「今日は潮も大潮だからアゲアゲで爆釣じゃよ」
曙「わぁー、アジとイワシがこんなに。さすが渡辺さんね」
山中「ぐぬぬ……」
曙「その感じだと山中さんはイマイチみたいね。早く沢山釣らないと私も今から釣って釣って釣りまくって追い抜いちゃうわよ!お互い頑張りましょ!じゃあね!」
山中「…………フフフ」
山中「曙ちゃんは誰にでも気さくに声を掛けてくれる。まるで天使じゃ」
渡辺「まいらぶりぃえんじぇるじゃ」
斎藤「はあ……。ワシにもコミュ力があればのう……」
斎藤「爺さん相手なら問題ないが、曙ちゃんを前にすると遠くから挨拶するのが精一杯じゃ」
曙「なーに独り言を言ってるのよ」
斎藤「はひゃわっ!あ、ああ、曙ちゃん!?」
曙「斎藤さんもサビキ?結構釣れてるじゃない」
斎藤「ち、ちいさいイワシばっかりじゃよ……ハハハハ……」
曙「言ってるそばから引いてるんじゃない?」
斎藤「こりゃまたイワシじゃなあ。もう少し食い付くまで待つかのう」
曙「あー、それ分かるわ。サビキ釣りっていっぺんに沢山釣れるのが楽しいのよねー」
斎藤(幸せじゃ……こんな美少女と並んで釣りが出来るとわ)
曙「あれ?なんだか凄い引いてない?」
斎藤「いやいや、まだまだ食い付くまで」
ギュンギュンギュン
斎藤「な、なんじゃ!?」
曙「なになに?サビキで釣れる様な魚の引きじゃないわよ!」
斎藤「見えて来た。こりゃー……カツオじゃ!」
曙「カツオ?サビキでカツオなんて釣れるの!?って言うか波止場なのに」
斎藤「たまーにイワシを追いかけて来るんじゃ」
斎藤「それでサビキにかかったイワシを食って、暴れまわって身体中にサビキの針がかかった時だけ釣り上がる……」
曙「タモは!?私が手伝ってあげる!」
曙「って、私じゃ上手く救えないし。私が竿を握っててあげるから斎藤さんは」
斎藤「曙ちゃんがワシの竿を握って!?」
曙「へー、本当にカツオなんて釣れちゃうんだ」
斎藤「た、たた、たまたまじゃよ」
曙「……ねえ、私も隣でサビキ釣りやっていい?」
斎藤「も、もちろんじゃ」
曙「よーし。私もカツオ釣ってクソ提督に見せびらかしてやるんだから」
ジジイども「…………ギリッ」
た、田中さんは2人いるだけだから
提督とは常に嫉妬される大変な仕事
曙「やっぱりカツオなんてなかなか釣れないわねー」
斎藤(カツオめ!空気をよんで釣られんか!ばかもん!)
山中「アジもイワシも釣れん様になってしもうたし、他の場所を回遊しとるんかもしれんのう」
曙「来るタイミングが悪かったかしら」
小学生1「それっ」
小学生2「次はあっちの方投げてみようよ」
田中「まったく、子供がバシャバシャしよって!」
曙「あの子達は何してるのかしら?」
田中「ルアー釣りだかなんだか知らんが。投げたり巻いたり繰り返してバシャバシャと迷惑な連中だよ」
曙「ふーん」
曙「じゃあちょっと他でやるように言って来るわ」
山中「そんな、何も曙ちゃんが行く事」
曙「良いから良いから。どうせ今釣れないし」
斎藤「ほおおぉぉ…ジャンヌダルクじゃ……!曙ちゃんはジャンヌダルクだったんじゃ!」
小学生1「もっとあっちまで投げないと」
曙「ちょっとあんた達、何やってんのよ」
小学生2「何って言われても……釣りだけど」
曙「釣りなら大人しく魚がかかるまで待ちなさいよ。そんな忙しなく巻き上げてちゃ釣れるもんも釣れな」
小学生1「きたっ!フィーッシュ!」
曙「はあ?フィッシュ?」
小学生2「魚がかかったらそう叫ぶって漫画に書いてあったんだよ!Mr.釣りどれんに!」
小学生1「すっげー!本当に釣れた!やっぱここは良く釣れるって本当なんだな!」
曙「随分口の大きな魚ね。なんていう魚なの?」
小学生2「これはまだセイゴかな?大きいのだと1メートルくらいになるんだよ」
曙「1メートル!?なにそれもうマグロじゃない!」
小学生2「マグロでは無いけどね」
曙「それで味はどうなのよ?美味しいの?」
小学生2「僕たちは釣ってもすぐ逃しちゃうから食べた事無いけど」
小学生1「スーパーとかでも売ってるし美味いんじゃないの?」
曙「なるほど…よし、私もそれ釣るわ!」
ジジイ達「ああ…!天使が堕天してしまう……!」
曙「餌は?」
小学生1「餌は使わないよ。使うのはルアーだから」
曙「ルアー?そういえばさっきもルアー釣りがどうとか……」
小学生2「お姉ちゃん釣りしてるのにルアー釣りも知らないの?」
曙「う、うるさいわね。文句ある!?」
小学生1「ルアーって言うのは針のついた偽物の魚で、これを上手く泳がして喰わせるんだ」
小学生2「リールの巻き方や竿先の動かし方で生きてるように動かすにはコツがいるんだ」
曙「ふーん。なかなか面白そうじゃない。それに餌がいらないって言うのは経済的よね。何度も繰り返し使えるんでしょ?」
小学生1「まあ壊れない限りは」
曙「なんにしてもまずはルアーを買わなきゃいけないわね」
小学生1「ルアーもいっぱい種類があるのに素人の姉ちゃんなんかにどれが良いのか分かるのか?」
曙「はあ?それくらう余裕よ!魚っぽいの買えば良いんでしょ!」
小学生2「大丈夫かな。ミノーだけでもノーマル、ペンシル、ダイビングとか色々あるんだけど」
小学生1「ポッパーも食いつく所が見えるからオススメだぞ!」
曙「み、みの…?ポッパー?ダイビング……?」
小学生1「しゃーねーなー。じゃあ俺のルアー貸してやるよ」
曙「そ、そう?まあそこまで言うならお試しで」
小学生2「ルアーロッドは……持ってるわけないよね。僕のを貸してあげるよ」
曙「ありがと。……へー、私のより随分短いのね。子供用?」
小学生1「ルアーロッドはこんなもんだよ。これは180だから海釣り用の半分くらいじゃね?」
曙「これを投げて巻き上げるだけで良いのよね?」
小学生2「うん。ゆっくりね」
曙「よっと……こんなもんかしら?」
小学生1「そうそう。なかなか筋がいいぜ姉ちゃん」
曙「いちいち腹立つわねあんた」
曙「すごいわねコレ。ほんとに魚が泳いでるみたいだわ」
小学生1「そりゃー魚を騙さなきゃいけないからな」
曙「でも良いの?ルアーはともかく釣竿まで借りちゃったらあんたは釣りできないじゃない」
小学生2「良いよ別に。お姉ちゃん可愛いから貸してあげる」
曙「カ、カワッ……あ、あんた、いまからそんな事言ってたら将来ろくな大人にならないわよ」
小学生2「そうなの?」
曙「……よし、あんたは後で頭撫でてあげるわ」
小学生1「俺は?」
曙「げんこつでもくれてやろうかしら」
小学生1「ええー。ルアー貸してあげてるのに。じゃあパンツ見せて」
曙「後でマジ殴るわよ」
曙「あっ、今なんか重く」
小学生1「姉ちゃん!引いてる引いてる!あわせて!!」
曙「こ、こう!?」グッ
小学生2「はやく!フィーッシュって言わなきゃ!」
曙「それ言わなきゃダメ!?」
小学生1「あったりまえだろ!グランダー武蔵見てねーのかよ!!」
曙「知らないわよ!あーもう!!フ…フィーッシュ!!」
ジジイ達「ワシらの…ワシらのマイエンジェルが……!」
曙「釣れたわ!どんなもんよ!」
小学生1「持ち方も知らないのに超偉そうだ!」
小学生2「この魚はシーバスとも呼ばれてて、持つときは口に親指を入れて持つんだよ」
曙「親指を?」
小学生1「そのアゴって言うのかな?歯がギザギザでちょっと痛いけどギュッと掴んで」
曙「こ、こう?」
小学生1「そうそう。結構さまになってんじゃん。写真撮る?」
曙「そ、そうね、せっかくだしこのスマホでお願い」
小学生1「よーし、はい笑って笑ってー」
曙「…………」
小学生1「えっ…なんで笑わないの?」
曙「こういう表情なのよ。文句ある?」
小学生2「ううん、可愛いと思うよ。こう言うのツンデレって言うんだっけ」
曙「なっ……!だ、誰がツン」
パシャッ
小学生1「おー、赤面してるなかなか良いのが撮れた」
曙「こんのガキ……」
曙「まあ良いわ。今日は色々貸してくれてありがと。お礼は言わせてもらうわ」
曙「あとあんた、頭撫でてあげるわよ」
小学生2「お姉ちゃんさっきまで魚触ってて魚臭そうだから遠慮しておくよ」
曙「よし、抱き締めてめちゃくちゃにしてやるわ」ギュ-ッ
小学生2「お姉ちゃん、臭い!生臭い!」
小学生1「……」
曙「ん?あんたもしてほしいの?」
小学生1「臭いのはかんべん」
曙「おりゃー!」ギュ-ッ
小学生1「……」
曙「なによ、反応がないとつまらないじゃない」
小学生1「姉ちゃん意外と胸あるのな。柔らかい。臭いけど」
曙「なっ……!」
小学生1「いてて……本当に殴りやがった……」
曙「じゃあもう行くわ。ばいばい」
小学生1「あっ、待って!」
曙「なによ?」
小学生1「このルアーあげるよ。初めてシーバス釣った記念に」
曙「いいわよそんなの。子供の小遣いで買った物貰えるかガキンチョ」
小学生2「それ僕が作ったルアーだから気にしなくて良いよ」
曙「オーダーメイド!?あんた凄いわね……」
小学生2「それにほら。お姉ちゃんの親指を見てよ」
曙「これ……魚の歯型?」
小学生1「そう!それこそはバスアングラーの証し!」
小学生2「バス釣りはああ言う持ち方をするから親指に傷が付いちゃうんだけど、それは沢山バスを釣った名誉の傷なんだよ」
小学生1「もちろん俺も!」
小学生2「僕も少しだけど」
曙「へー、なんかカッコいいじゃんそれ」
小学生1「だからそのルアーはシーバス釣った記念アンド仲間になった記念だな!」
曙「いつから仲間になったのよ」
小学生2「今日から?」
曙「あのねえ……仲間だったら携帯番号くらい交換するでしょ。ラインでも良いわ。良い釣り場を見つけたら教えてよね」
小学生1「マジで!やったー!初めて女の番号手に入れたぞー!」
曙「女とか言うな!」
ジジイ達「…………」
こうして曙ちゃんは子供を引き連れ釣り三昧の生活を送るのでした。
めでたしめでたし
このSSまとめへのコメント
もう釣り漫画の主人公で良いよね!ゆりっぺ見たいな雰囲気感じてきた!