提督「暁の水平線に勝利を刻むわよぉ~!」曙「」 (49)

某月某日
ーー鎮守府


曙「……ここね」

曙(大本営にて建造された私は、敵の激しい攻撃にさらされる最前線の鎮守府に配備されることとなった)

曙「でも、まぁ、どーせ……」

曙(新参の、練度の低い駆逐艦なんか、よくて解体悪けりゃ捨て艦、どっちにしろロクな目には合わないわよね)

曙「だったら仲良くする必要なんてないわね……どうせ、酷い目に合わされるんだし」



妖精「ここが提督の執務室だよー」

曙「ん、あんがと」

妖精「じゃあ仕事に戻るよー」パタパタ

曙「……」コンコン

「どうぞ」

曙「失礼します、本日ヒトサンマルマルより此方の鎮守府に派遣された、駆逐艦曙です」

提督「よく来てくれたわね、本営から通達は来てる、歓迎するわよ曙ちゃん」

曙(……ん?)

曙(んん?)

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曙「……失礼ですが、その、提督、ですよね?」

提督「ええ、アタシがここの提督よ。家族か友達とでも思って気さくに接してね☆」



曙「……男ですよね?」

提督「……」

曙「いや、あの、男……」

島風「てーいとく!演習終わったよー!」バーン!

提督「お疲れサマ~島風ちゃん!」

曙「」

島風「あれ?だぁれこの人」

提督「新しい仲間の曙ちゃんよ、仲良くしてあげなさい」

島風「はぁーい!」

曙「……あの、えと、島風、さん?」

島風「ん、なに?」

曙「提督って……おとこ、よね?」

島風「え?提督は提督だけど」

曙「え、いや。そうじゃなくて」

島風「提督は提督」

曙「あの」

島風「提督は提督」

曙「あっ、はい……」

提督「んー、うちの主力艦隊は帰還した第四以外出払ってるし……顔合わせは後にして、鎮守府の中を案内するわ、曙ちゃん」

曙「い、いやその」

島風「あ!わたしもついてく!みんなもよんでくる?」

提督「んー、帰ってきたばかりでしょ?島風ちゃんは元気だけど、疲れてるかもだし休ませときましょ。疲れはお肌の大敵よ?」

島風「そっかー。うんわかった!」

提督「じゃあ早速駆逐艦宿舎から案内するわね、曙ちゃんも置いてく荷物あったらそこに置いちゃいなさいな」

曙「な、なんかすいません」

提督「敬語なんていいわよぉ~!さ、いくわよ」

曙「は、はぁ……」



曙「って!流されちゃダメだって!!」バンッ!

島風「おうっ!?」

提督「ん?」

曙「イヤイヤナンデ!?オカマナンデ!?」

提督「む、失礼ね、確かにアタシは体は男だけどハートは誰よりもレディーなのよ」

島風「だよねー!」

提督「ねー!」

曙「うっさい!!なんなのよもー!なんで最前線の激戦地にこんな変態やろうが着任してんのよー!」バンバン

提督「戦果と人柄は関係なくない?」

曙「こ、こ、こっちの気分の問題よ!こんなやつの下じゃロクにやる気起きないわよ!」

提督「んー、参ったわねぇ、この反応は天龍ちゃんが来て以来だわ」

島風「それ一番最近じゃん!」

提督「そうだったかしら」

曙「だぁぁぁもぉぉぉ!!」バンバンバン

提督「コラ!女の子が机バンバンなんて!手が赤くなるわよ!」

曙「知るかクソ提督!!」

提督「レディーにクソってなによ!」

曙「あんたは男だろーが!」

では提督の性格を某存在しない13番めの方に似せて差別化を図りまするでございまする



曙「てーかなんであんたみたいなオカマが提督になれんのよ!!」

提督「文武両道眉目秀麗戦果多大なアタシが提督なのは当然ですぅ~!」

島風「ねーふたりともー、はやく宿舎いこ~よ~」

提督「いいえ、この子にはアタシが提督たるものということをわからせてあげないといけないのよ島風ちゃん」

曙「なにがアタシよこの残念な提督!略して提念!」

提督「定年みたいな言い方はやめなさいよぉ!アタシは今花のハタt」

木曾「提督、第四艦隊旗艦木曾、ただいま帰還したぞ……島風、また一番乗りにここに来たのか」

島風「あ、木曾~!おっそいキソー!」

木曾「はいはいわるかったな」ナデナデ

提督「あぁ、木曾ちゃんおかえり」

木曾「ただいま。提督からも島風に注意してやってくれ。こうも一番乗りされたら旗艦として面目立たんからな」

島風「えへへー、だって、私早いもん!」

木曾「まったく」

曙(や、やっと話が通じそうな大人が来た……!)

木曾「ん?お前は?」

曙「あ、えと、特型駆逐艦18番艦曙です……」

木曾「あぁ、本日付でここに着任と知らされてたな。少し変わった鎮守府だけど、住めば都とも言う。仲良くやってこう」

曙「は、はい!(かっこいい……!」

提督「ふぅ、木曾ちゃんが来てくれて助かったわぁ。なんとか言ってよ、曙ちゃんがオカマオカマって騒ぐのよ」

木曾「なにいってるんだ、オカマなのは事実だろう」

提督「うっ」

曙(そうよ!もっと!)

木曾「でも、まぁ」スゥ

曙「ヲ?」

ギュッ

木曾「そんな提督に惚れちまった俺も俺だな」

提督「あらも~、木曾ちゃんったら甘えん坊ね」

木曾「あんたの前でならそれもいいな……」

曙「」

島風「あ~、ずっるーい!」ギュッ

提督「あらあらもう」

曙「どういう、ことなの……」

宿舎 アケボノルーム

曙「この鎮守府おかしいわ……なにかがおかしい」

曙「おかしいのはあの提督だけじゃない、他の奴らもなんかネジ外れてる……」

曙「こんなとこで、こんなとこで活躍できるわけがないわ……!!」ワナワナ

曙「ああもう、なんでこんなところに着任しちゃったのよぉ……」

コンコンッ

曙「うぅ、誰よ……」ガチャ

摩耶「お、いたいた。新入りの曙だよな?アタシ、第三艦隊の旗艦の摩耶、よろしくな!」

曙「あ、よろしく……」

摩耶「なんだよじめじめしてるな……提督からの言伝だ。明日から第四艦隊にて練度向上のための演習及び実践にでてもらう」

曙「じ、実践て……」

摩耶「安心しろって!木曾ならお前をしっかりフォローしてくれるからよ!新入りは新入りらしく縮こまって先輩方を眺めてな!」

曙「な、なによそれ!」

摩耶「アハハハ!じゃ、また後でな、夕食は六時からだ。遅れんなよ」



曙「……なんか、まともに使ってくれるみたいね」

提督「んー、とりあえず今週のノルマは、と」サラサラ

コンコン

提督「どうぞー」

曙「は、入るわよ……」

提督「あら、どしたの?」

曙「……さ、さっきは悪かったわね、いろいろナーバスになってて、そこに来てあんたみたいな変人にあって、混乱してたのよ……」

提督「謝るかけなすかどっちかにしなさいよ……まぁいいわよ、慣れたもんよあんなの」

曙「と、ところで、なんで私を第四艦隊に加えたのよ」

提督「そりゃ人手不足だからだけど」

曙「え?」

提督「ん?」

曙「ここ最前線よね?何隻の艦娘がいるの?」

提督「第一から第三に六人ずつ、第四に二人の20人ね」

曙「少なっ!!?」

提督「そうよ、慢性人手不足なのよ」

曙(ああぁぁぁだめだよこれぇ、どう考えてもこいつが無能で沈めまくってるパターンよぉぉぉ……)

提督「安心して、たとえ人手不足でも週休二日は保証するから」

曙「そこじゃなくてさ!!いやそれはありがたいけども!」

曙「はぁぁ……じゃあ、その二十隻って、なにがいるのよ」

提督「えーと、第四艦隊の木曾ちゃんと島風ちゃんにはあったわね、あと第三艦隊の旗艦の摩耶ちゃんも」

曙「そうね」

提督「で、第三艦隊にはその摩耶ちゃんに、天龍ちゃんと龍田ちゃんに、不知火ちゃんと時雨ちゃんと夕立ちゃん」

曙「ふむ」

提督「第二艦隊には、旗艦の榛名ちゃん、比叡ちゃんに雲龍ちゃん、熊野ちゃんと鈴屋ちゃんとВерный」

曙「ほー」

提督「で、第一艦隊は、武蔵ちゃん大和ちゃん長門ちゃん陸奥ちゃん赤城ちゃん加賀ちゃん」

曙「ん?」

提督「なに?」

曙「え、なにそのメンツ、つよい」

提督「そりゃ最前線の第一艦隊だもの」

曙「そ、そりゃそうよね……」

提督「だいじょーぶよ、みんな艦種を気にせず仲良くしてくれるわ。アタシの自慢の艦娘達だものね!」

曙「……随分と艦娘を大切にしてるのね」

提督「そりゃ、みんなアタシの娘みたいなもんだからね、もちろん曙ちゃ、ん、も☆」

曙(うえっ)

提督「まぁアタシの指揮下に入ったからには安心なさい、絶対に満足行く成果を出させてあげるわ!」

曙「そりゃどーも、期待なんてさらさらしてないけど……」

曙(そろそろ摩耶に言われた夕食の時間だったかしら)

曙「じゃあ私いくから、精々がっかりさせないでよね、クソ提督」

提督「んー、そこまで嫌われることした?」

曙「無駄に整った顔にそのテラテラ光る口紅が見ててイライラするのよ!!」

提督「ひどいわぁ……」メソメソ

曙「ふんっだ」



曙「ここが食堂ね」ガラガラッ

シーン……

曙「……まだ誰もいない?」

木曾「そりゃ、第一と第二はまだ帰還してねーからな」

曙「わぅっ!?」

木曾「いや、びっくりしたからってその犬みたいな叫びはどーよ」

曙「う、うっさいわね!」

木曾「ほら、さっさと入るぞ、混みはしないだろうがな」

曙「そ、そう」

木曾「さて、何食べる?ここはなんだってうまいぞ。ほらメニュー」サッ

曙「ども……」

メニュー
海軍カレー
ラーメン(しょうゆ・みそ・とんこつ・しお)
フルーツサンド
ヘルシー定食etc

曙(うん、まぁやけに女性向けっぽいのが多いけど艦娘がたくさんいるとこだし別に。カレーとラーメンは本当どこにでも……)

曙「……あのさ」

木曾「どうした?」

曙「この、全メニューの3/4を占める大量のスイーツはなんなの」

木曾「提督の趣味だ、俺も甘味は好きだから助かる」

曙「本当に軍の施設なのか怪しくなって来たわね……ところで、さっきの摩耶とかの、第三艦隊は帰還してるんでしょ?まだこないの?」

木曾「たぶんまだ入居中だ」

曙「え?」

ちげぇ!入居やない入渠や!訂正おながいします

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