冷泉肛門廟 (5)
:自宅の居間にて
むずっ……
久子(──ん、屁か)
久子(ふん、ババァになっても屁はしっかり出よる)
久子(ま、屁がでるうちは死にゃせんじゃろ)
久子(……ん、きよるきよる──ふんッ)
──ブリュッ……!
久子(ん!? な……!?)
──るゅ……
久子「ぬ……!」
久子(ちょいとちょいと……! えぇ……?)
久子「勘弁しておくれよ、屁じゃなかったのかい……?」
……ゅル……
久子(ぐ、ぬ……ええい、畜生め)
久子「……このクソ肛門、糞と屁の区別もつかんのかっ」
久子(……まったく、接骨院に出かけようとしとったのに……)
久子「……はぁ……」
久子「……やれやれ……出たもんはしかたがない……さっさと洗っちゃろう……よっこい、せっ……」
……とろゅ……
久子「っ……まったく、尻が気持ち悪いったらありゃしない……」
……ひょこっ、ひょこっ、ひょこっ……
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497799088
:風呂場
ジャアアアアアアアアアアア……
久子「臭いねぇこのうんこタレめが。……まぁ、出るものが出るうちは、死にゃあすまいが──」
久子(──けども……屁と糞を間違うとは、やれやれ……とうとうオムツを考えにゃならんのかねぇ……?)
ジャバジャバ、ジャバ……
久子(尻の緩くなった婆ぁが一人──風呂場にかがんで、ババのついた下着を洗う……)
久子「……。」
久子(もっとこう、惨めな気持ちにでもなるかと思ったが──)
久子(──なぁに、大したことはないね)
ごっしゃ、ごっしゃ、ごっしゃ、
久子「こんなもの、あの子の癇癪にくらべれば──屁でもないわい」
久子(……癇癪を起して、あの子が糞尿をまき散らして──)
久子「……くく、いっひっひ」
久子(あぁいかん、思い出すと、笑っちまうよ……あの子、『母ちゃんに会いたい父ちゃんに会いたい』とヒドイ癇癪を起こして──その上に糞尿までまき散らされて……いや難儀したねぇ……カッカッカッ……まったく、あの時はまいったよ……)
……ごっし、ごっし、ごっし……
久子(……。……この先──この子は一体どうなってしまうのかと──あの頃はずいぶん困り果てたもんだったが……。)
久子(まぁ、なんとかなるもんさ……)
久子「──しかし、ふぅ、腰が痛いねぇ……ちくしょうめ。やれやれ、こればかりは何ともならん」
久子(……かといって……クソまみれのこの下着を、洗濯機や洗面台につけさせたくはないからねぇ……捨てるのは勿体がない)
久子「まぁ、とにかく、一休みだよ。腰がどうしようもない」
久子(風呂の縁にでも、腰掛けようか……よっこい、しょ……)
……つるッ!
久子「ほぉっ!?」
久子(床のタイルが石鹸ですべって──!!)
と、とととと、とっ──
久子(──ふんぬっ!)
グッ……!
久子(っふぅ……なんとか、転ばずに踏ん張れた……タップダンスが役に立った……のかねぇ)
久子(けどまぁ……こういうことにも気を付けにゃいかんね……)
久子「……。」
──ワー、ワー、……キャーキャー……
久子(ん……今朝は、近所の公園の子供の声が、やけににぎやかしいね……)
久子(……。)
久子(……そうか。今日は、日曜か……)
久子(……──まだ眠いとのたまうあの子をたたき起こして、よく公園へつれていってやったものだ。)
久子「……。……どれ、電話でもしてやろうかね。どうせまだ、イビキをかいて寝っ転がってるんだ。まったく……」
ごそっ……
久子「うん、ジジババ用の携帯電話は、ボタンが大きくてたすかるねぇ」
ぽち、ぽち……
────ぷるるるるる、ぷるるるるる……
────ぷるるるるる、ぷるるるるる……
久子(眠りこけて電話に気が付かないのかね)
────ぷるるるるる、ぷるる──ぷつっ
久子(お)
しもた。
またタイトル間違えた。立て直しします。
*もうこの話は完結しています。ちゃんと最後まで投稿します。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません