ヒトの世界に憧れたアライさん (26)
ヒトの世界に憧れたアライさん
勢いで書いたので、読み図来の葉ご容赦を
かばんさんは、優しかったのだ
泥棒呼ばわりしても許してくれて、聡明で偉大だったのだ
だから、そんな かばんさんの世界ならきっと凄いと思ったのだ
なのに
アラーイさーん、私もう疲れたよ
へ、ヘネック
もう、このまま動物園にしばらく居るよー
ヘネック諦めてはだめなのだ
アライさんは諦めないのだ、ヘネックもそうするのだ
アライさんは元気だね
(でも、私はもう無理みたい。うん、私は もう付いていけない)
アライさん、アライさんなんかここから出て行って顔も見たくない
ヘネック、どうしたのだ
アライさんが、ヒトの世界に行きたいっていうから付いてきたんだよ
それが、こんな事になって
アライさんなんか嫌い、どこか行っちゃってよ!
へネックが、ヘネックがそんなことを、考え直すのだヘネック
もうアライさんのことなんが嫌いって行ってるじゃない
ヘネック,,,アライさん分かったのだ、
ヘネックとも、ここでお別れなのだ
動物園をでたアライさん
アライさんのこと、どこも雇ってくれないのだ
おかね?がないと何も買えないのだ
やっと美味しいものを見つけたと思ったら
ヒトに追いかけられて殺されそうになったのだ
いっぱいあったのだ、アライさんが見つけたのだ
アライさんのものなのだ
なのにヒトはアライさんのことを害獣って呼ぶのだ
でもこうして食べ物はあるのだ、アライさんは逞しいのだ
そう簡単にはやられないのだ。(生ゴミをあさりながら)
トン
ん、おまえ誰なのだ
話せないのか、何なのだお前、アライさんの邪魔をするのか
アライさんは食事中なのだ
それは、アライさんに擦り寄り、離れない
おまえなんなのだ、アライさんに何か用なのか
アライさんの服を軽く咥えると引っ張っている
なんなのだ、アライさんをどこか連れて行きたいのか
伝わったようで、うれしそうなアライグマがそこに居た
ここは、お前の住処なのか、いいところなのだ
そこは、寝床があって食べ物の蓄えもあった
お前、アライさんと一緒にいたいのか
するとまた、あの笑顔でアライグマは答えた
アライさんは、お前たちとは違うのだ
悲しそうな顔をしたアライグマがアライさんに擦り寄りってきた
こらやめるのだ、くすぐったいのだ
こんなやり取りが、心が安らぐ一時となっていった
アライさんは、食べ物を探しに外に出ていた
お前、アライさんだな
ヒトが声をかけてきた
手には、追い掛け回された時にみた、怖いものが握られていた
なんなのだ、アライさんは忙しいのだ
アライさんはわるくないのだ
悪くないって言い出すって事はこれ(銃)がなんだかわかっている様だな
猟師は銃を構えた
やめるのだ、アライさん何もしてないのだ
まあ、今日はお前を探していたわけじゃない
お前が見つかってのはたまたまだ
アライさんは黙っていた
丁度いい、このあたりのアライグマの巣を教えるんだ
アライさんそんなの知らないのだ
パン
アライさんの耳が急に熱くなった
い、痛いのだ アライさんに何をするのだ、アライさん何も悪くないのだ
もう一度だけ聞こう、アライグマの巣はどこだ
銃が向けられた
ガチャ 銃が鳴る
あ、あっちにアライグマがいるのだ
アライさんは耳の痛みと恐怖に震えながら
自分の過ごしていたアライグマの巣を教えた
案内しろ、逃げられると思うなよ
この距離で、お前の大きさなら簡単に当たる
わかったのだ、痛いのだぁ
アライさんが巣に戻ると、出迎えの様にアライグマが出て来た
その時、パンと音が響いた
アライグマが、血を流し足をバタつかせていた
何をするのだ、アライさん撃つなんて聞いてないのだぁ
何も悪いことしてないのだぁ
黙れ、
銃を構えなおし猟師がいった。
アライさん、お前のことも何時でも撃てるぞ!
アライさんは耳を押さえうずくまった
ま、この時期なら一匹5000円になる(地域により金額は」異なります)
アライさんにも分け前をやろう
分け前なんかいらないのだ
そう言うなよ、アライさんがこのアライグマを教えてくれたんじゃないか
アライさんが、仲間を売ったんだからさあ
アライさんそんなことしてないのだ、お前が殺したのだ
ほら、仲間を売った金だ、何か食いもんでも買うといい
アライさんなら金の価値は判るだろう、ほら
う、うう、アライさんが、アライさんがぁ
猟師は獲物を持つと帰っていった
アライさんはわるくないのだ
でもアライさんがいたから、あのアライグマは死んだのだ
もう、ここには居られないのだ...
ヘネック
そうだ、ヘネック、ヘネックに会いに行くのだ
きっとヘネックも思い直してくれるのだ
急いで動物園までいって居なかったら、どこへいったか聞くのだ
やっぱり、あそこでヘネックと別れたのが良くなかったのだ
動物園近くのコンビニに入ると変な目で見られはしたが売ってもらえた
あんまんを買ったのだ
へネックにお土産なのだ、きっと喜ぶのだ
ヘネックどこなのだ
アライさんが迎えにきたのだ
ヘネック?
その時、ヘネックの声が聞こえた
やっぱりここにいたのだ、アライさんがすぐに行くのだぁ
ヘネックはいた檻の中に、動物として
ああ、気持ちいいよう、幸せだよう
ヘネック、どうしたのだアライさんなのだ返事をするのだ
でもヘネックは答えてくれない
交尾をしたまま
アライさんは檻の外から見ていることしか出来なかった
ヘネックの交尾が終わった
さっきから煩い、あなた誰?
ヘネック、アライさんなのだ、アライさんがわからないのか
アライさーん?、誰?知らないよー
へ、ヘネック
ヘネックがアライさんを忘れたのだ
そんな、ヘネックが
とぼとぼ
キキー、バン
あーあ、なんか轢いちまったぞー
アライさんじゃねーか
まあ、ヒトじゃなくて良かったよ
でも、汚ねえなぁ
血と糞まみれだよー
車は明日洗うとして、
おっ、あそこにゴミ捨て場があるな、ちょうどいい
ん、なんだこれ?
冷たくなった、あんまんか何でこんなとこに
まあ良いや、さっさと捨ててここを離れることにしよう
今日はやな日になっちまったなあ
(ヘネック、アライさんどこで間違えたのだ、ヘネック...)
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