バスが治ってかばんちゃんが海へ出発する前
サーバル「みずでっぽー? それみずでっぽーっていうの? なにそれー!」ワクワク
かばん「えっとね、水を飛ばして遊ぶおもちゃで―」
かばん「こうやって、切り取った竹の片方の面に穴を空けて、もう片方を棒で押したり引いたりできるようにすると・・・」ギコギコ
トンテンカン トンテンカン
かばん「できた。はい、サーバルちゃんの分」
サーバル「わぁー・・・! ありがとうかばんちゃん!」キラキラ
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かばん「それでね? こうやって先っぽを水面に付けて棒を引っ張ると・・・」グイー
サーバル「こう?」グイー
かばん「うん。そうすると中に水が入るから、今度は棒を押すと―!」グッ
シュバッ バッシャーン
サーバル「わぁ・・・! すごいすごーい!」
かばん「サーバルちゃんもやってみて」
サーバル「よーし・・・! ・・・それっ!」グッ
シュバッ バッシャーン
サーバル「おお~・・・!」キラキラ
サーバル「わーい! たーのしー!」グイー グッ グイー グッ
シュバッ バッシャーン シュバッ バッシャーン
サーバル「かばんちゃんはやっぱりすごいよ! どうしてこういうものつくれるの!?」グイー グッ グイー グッ
かばん「えへへ・・・♪ ライオンさん達にね、また新しい遊び考えてくれって頼まれたから、ちょっと図書館で調べてみたんだ」
サーバル「そうなんだー!」グイー グッ グイー グッ
かばん「これで・・・そうだなぁ・・・お互いに水を掛け合って、先に濡れちゃった方の負け、とかどうかな?」
サーバル「それいいんじゃない! なんだかすっごくたのしそー!」
かばん「うん!」
・・・
・・・
サーバル「うわわ!」ピョーン
バシャッ
カメレオン「ふっふっふ・・・! 必ず誰かが水を汲みに来ると待ちかまえていたのでござる」スゥ・・・
サーバル「ううう~・・・どうしよう、これじゃみずがくめないよ~・・・」
カメレオン「さあ、大人しく覚悟するでござ―ガボガボガボ」 バシャバシャ
かばん「カメレオンさんならきっとそうすると思っていました」ザッ
サーバル「かばんちゃん!」
カメレオン「む、無念・・・でござる~・・・」
オリックス「こいつは防御が堅い! 油断するなよ!」バシャバシャ
オーロックス「おう! この前みたいにはいかないぞ!」バシャバシャ
シロサイ「この勝負だと守りはそれほど関係な―あんっ! 鎧の中までぇ・・・!」ビショビショ
ライオン「背中を合わせて反対に10歩進んで振り向いて撃つ、っていうのはどうかな?」
ヘラジカ「早撃ちか。面白そうだ」
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ クルッ ズキューン!
サーバル「みんな楽しそうだね」
かばん「うん! よかったぁ」
ゴゴゴゴゴ…!
サーバル「うわっ! なになに!?」
ボス「注意、注意、多量のサンドスター・ロウが放出されました。超大型セルリアンの出現が予想されます。注意、注意」
サーバル「ああっ、ボスがまたっ!」
かばん「またあの黒いセルリアンみたいのが・・・!?」
かばん「火口のフィルターがまた開いちゃったのかも・・・バスをいったん陸に上げよう、サーバルちゃん!」
サーバル「う、うん!」
・・・
・・・
かばん「よいしょっと」
サーバル「そういえば、いまのボスにバスって運転できるのかな?」
かばん「どうですか、ラッキーさん?」
ラッキービースト「まかせて。もともと、ハンドルで操作していなかったしね」
ラッキービースト「かばん、運転席に」
かばん「はい。あ、そうだ水鉄砲・・・」
かばん「セルリアンは海水が苦手・・・これに入れたら、僕でももしかしたら・・・」
バス「生態系の維持の原則から考えるとおすすめはできないかな。津波や海水による被害で作物が枯れてしまうことがあるんだ」
バス「だから、セルリアンに向けて撃つ時はなるべくに外さないでね」
かばん「あ・・・はい・・・!」
ブロロロロロロ・・・
・・・
ドシーン
「きゃー!」
ドシーン バキバキバキ
かばん「! 誰かの悲鳴が―!」
サーバル「セルリアンが出たのかも・・・! あっちだよ! ボス!」
ブロロロロロロ・・・
かばん「木がこんなに倒れてる・・・たぶん、ここにいたんだ・・・」
かばん(途切れたフレンズの足跡・・・きっと、ここで・・・)
かばん(この木、すごく抉れてる・・・あ、あの木も、その次も、ずっと続いている・・・大きさは・・・そんなに、かな・・・?)
かばん(たぶんこのセルリアン、そこまで大きくない・・・)
かばん(この前の黒いやつはだんだん大きくなっていったんだっけ・・・? いやでも足跡がない・・・)
かばん(セルリアン・・・浮いてたり跳ねたりして動いてるよね・・・でも、それにしては木の抉れた場所が直線状になってて、地面にも向かってない・・・?)
かばん「もしかして・・・」
キィイイィン…
キンシコウ「伏せて!」
かばん「!」バッ
ドォオオォン キィイイィン…
サーバル「キンシコウ、ヒグマ、リカオン・・・! 助かったよぉ」
ヒグマ「動けるな? あの洞窟まで走るぞ!」ダッ
サーバル「うん! さ、かばんちゃん!」ダッ
かばん「う、うん!」
キィイイィン…
かばん「やっぱり、あのセルリアン・・・・飛べる―!」
・・・
キィイイィン…
サーバル「ずっと上をぐるぐるしてるよ~!」
キンシコウ「我々を狙っているのでしょうね・・・その間は、他のフレンズは無事でいられますが」
リカオン「でもずっとここから出られなかったら・・・!」
ヒグマ「あの大きさに運動量・・・サンドスターが切れて自滅はして、はくれないだろうな・・・」
かばん「また、山のフィルターをなんとかしないと―」
サーバル「しーっ、待って! 下から何か聞こえる!」
ズポッ
フェネック「ああ、いたいた。かばんさ~ん」
かばん「フェネックさん!」
アライグマ「アライさんもいるのだー!」グイッ
フェネック「せ、せまい・・・じゃぱりまんが出ちゃうよアライさん・・・」
ヒグマ「いいぞ、ここから外に出られる!」
かばん「これなら・・・! みんな、ちょっといいかな」
アライグマ「かばんさんの作戦! これで勝てるのだ!」
かばん「まずは4人。山頂でまたあのフィルターを張りなおしてもらいます」
かばん「これは一番重要です。アライグマさん、フェネックさん、ヒグマさん、サーバルちゃんにお願いします」
かばん「やり方は前と同じだから」
サーバル「任せて!」
アライグマ「任せるのだー!」
かばん「くれぐれも気づかれないように。4人いなければできない作業です。万が一の時は逃げてください」
フェネック「ほいきたー」
ヒグマ「必ず成功させる」
かばん「それから、キンシコウさんとリカオンさんはここから雪山地方までの間のフレンズさん達を非難させてください」
かばん「フィルターが何とかなったらバスでそこまで誘導します。あの天候なら、うまく飛べないはずです」
リカオン「オーダー、了解しました」
キンシコウ「慎重に、でも迅速に、ですね」
サーバル「まって! それじゃあもしかして、かばんちゃんはここにいるの!?」
かばん「・・・ここで誰かがあのセルリアンの注意を引き付けていないと、だから」
かばん「それに、今のラッキーさんの状態だと、バスを動かすには僕がいないと」
かばん「あと、僕が一番足が遅いからね」
サーバル「そんな~・・・!」
ヒグマ「・・・無茶はするなよ。行くぞ、みんな!」
・・・
かばん「・・・よし」
かばん(この作戦には問題がある・・・)
かばん(それは、雪山地方の奥に誘導するためには一度止まってバスのタイヤに装備をつける必要があるということ)
かばん(ここで決着をつけることが、最善・・・!)
ラッキービースト「サンドスター・ロウの供給が止まったね。かばん」
かばん「! はい!」ザッ
「!」
キィイイィン…
かばん「来る・・・!」
ヒグマ「これでよし・・・! 急いで戻るぞ!」
アライグマ「ああっ!? セルリアンが洞窟に向かって降りてるのだ~!」
サーバル「そんな! かばんちゃん!」ダッ
キィイイィン!
かばん「セルリアンに向けて撃つ時は―」チャキッ
キィイイィン!!!
かばん「絶対に、外さない!」
バシュッ!
ピキッ
ピキッ ピキピキ
パッカーン!
かばん「やった!」
サーバル「かばんちゃん!」ザッ
かばん「あっ、サーバルちゃん! 僕、セルリアンを倒せた―」
サーバル「ばか! どうしてこんな無茶したの! すっごく心配したんだから!」
かばん「ご、ごめんね・・・! これしか思いつかなくて・・・」
かばん「で、でも僕なら食べられてもだし、それにそしたらラッキーさんが―」
サーバル「うみゃー! それとこれとは話が別だよー!」
かばん「うう・・・ヒグマさ~ん、キンシコウさ~ん・・・」
ヒグマ「・・・ま、結果オーライってことでお説教は短めにしてやるか。できたらな」
かばん「ええっ」
キンシコウ「でも、生きる上でもアドバイスだから、長くてもちゃんと聞くんですよ?」
かばん「そ、そんな~!」
ラッキービースト「よく反省してね」
サーバル「ボスもだよ! ずっとみんなで一緒にいるんだから!」
かばん「そっか・・・ふふ、ごめんね・・・サーバルちゃん」
かばん「これからも、よろしくね」
サーバル「うん! これからもよろしくね、かばんちゃん!」
サーバル「でもごまかされないんだからね!」
かばん「あ、あれー!?」
Welcome to ようこそジャパリパーク 今日もドッタンバッタンお・お・さ・わ・ぎ♪
お・わ・り
お読みいただきありがとうございました
アニメけものフレンズ、大変作りこまれた作品でしたね
黒いセルリアンと戦った場所に一番遠くから来たのはライオン達だとか
前回の黒いセルリアンは塩分が高い川にミライさんが落としたとかの考察には驚きました
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