私の名前は喪黒福造
人呼んで笑うセールスマン
ただのセールスマンじゃございません
私の扱う商品は『心』
人間の心でございます
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496918612
この世は老いも若きも男も女も心の寂しい人ばかり
そんな皆さんの心のスキマをお埋めいたします
いいえお金は一銭もいただきません
お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます
さて、本日のお客様は……
黒木「……」カタカタカタ…
黒木「……」カタカタカタ…
『黒木 恭太郎(くろき きょうたろう)男24』
「ブラック企業」
ホーッホッホッホッホ……
黒木「……」カタカタカタ…
黒木「……」カタカタカタ…
黒木「はぁ~~……」カタカタカタ…
課長「おーい、黒木くん」
黒木「は、はい?」
課長「あと、これも頼むよ」
ドサッ
黒木「ええっ!?こ、これもですか?」
課長「いやー、すまないと思うがうちも人手不足でな」
黒木「それにしたって、これ全部だと終わるのが1時回っちゃいますよ?」
課長「いいじゃないか。それに君、明日休みだろう?」
黒木「え、ええ、確かにそうですけど」
黒木「でも僕、もう4日も家に帰ってないんですよ?」
課長「何だ、たった4日くらい」
黒木「けど……」
課長「嫌ならいいんだよ?君の代わりなんていくらでも居るんだからね」
黒木「……」
課長「このご時世、再就職は大変らしいなあ。田舎のお母さんも、さぞかし心配して…」
黒木「……わかりました。やりますから」
課長「おお、やってくれるかね。さすがは黒木君」
―街中、深夜1時半―
黒木「ふぅ、や、やっと家に帰れる……」フラフラ
黒木「くそう、入社前は残業のないホワイトな企業なんて言ってたのに」
黒木「実際はサービス残業だらけじゃないか!」
黒木「確かに残業代が発生しないから、会社的には残業はないだろうけどさ!」
黒木「何がホワイトだ。典型的なブラック企業じゃないか」
黒木「まあ、とにかく家にかえったら一眠りしよう、それから」
黒木「コンビニのパンやカップラーメンばかりだったからな、ちゃんと栄養のある物を食おう」
黒木「じゃないと体が持たないぞ、それから……」
黒木「う……」フラ
ドン
喪黒「おっと」
黒木「あ、す、すいません」
喪黒「どうしたんですか?何だか顔色がよろしくないようですが」
黒木「あ、いえちょっと仕事が忙しくて……」
喪黒「どうやら、あなたはずい分とお疲れのようですね」
黒木「え、ええまあ」
喪黒「なら、ちょいとそこで一休みしていきませんか?」
喪黒「何か悩んでる事がおありでしたら、私で良ければ話を聞きますよ」
黒木「はあ……」
喪黒「あ、申し遅れましたが私こういう者です」
黒木「心のスキマをお埋めします?喪黒……福造?」
―バー・魔の巣―
喪黒「……なるほど」
喪黒「勤め先がブラック企業ですか」
黒木「ええ。僕の勤めてる会社は、いわゆるそのブラック企業ってやつでして」
喪黒「ああ、この頃よく耳にしますなぁ」
黒木「残業代の出ない、長時間のサービス残業を社員に強要するような会社なんです」
喪黒「それは、さぞお辛いでしょう」
黒木「ええ、残業代が出ないのはもうしょうがないと諦めてるんですけれど」
黒木「やっぱり、睡眠時間が削られたりするのが一番辛いですね」
黒木「僕も、この所毎日3時間の仮眠ぐらいしか取ってなくて……。ふぁ~」
喪黒「毎日大変ですなぁ」
黒木「そもそも、こんなに残業しなきゃ回らないような会社なら」
黒木「経営が下手くそって事なんです」
喪黒「ほう?」
黒木「下っ端社員の犠牲の上に経営が成り立ってるんですから」
黒木「経営者が社員を使い潰してるのと一緒ですよ」
喪黒「ええ、そうかも知れませんねぇ」
黒木「仕事のスケジュールを調整するなりして時間の余裕を作れば」
黒木「新しい知識や技術なんかも学ぶ時間が出来て、能率も上がると思うんです」
黒木「社員の成長は、会社にとって絶対プラスになるはずなんです」
喪黒「ええ確かに。あなたの仰る通り」
黒木「今の環境じゃ、家に帰っても寝る時間を確保するのが精一杯で……」
黒木「何か新しい事をしよう、なんて気にはとてもなれませんね」
喪黒「それじゃ、モチベーションも上がりませんなぁ」
黒木「はぁ……。もし僕が経営者なら、絶対ブラック企業にしないのにな」
黒木「社員が成長していけるような、余裕のある環境の会社にするのに」
喪黒「えらい!素晴らしい心意気です」
黒木「え?いやぁ、そんな」
喪黒「自分の事しか考えてない人間の多い昨今、あなたのような方はとても貴重です」
喪黒「私、あなたのその心意気に感心しました」
喪黒「ですので、あなたにいい所を紹介してあげましょう」
黒木「いい所?」
喪黒「これです。この名刺をあなたに差し上げます」
黒木「黒木商事…?僕と一緒の名前だ」
喪黒「あなたがもし、どーしても今の環境に耐えられなくなったら」
喪黒「そこを尋ねてごらんなさい」
喪黒「あなたのその心のスキマが、埋まる事をお約束致しますよ」
黒木「はぁ……」
―アパート―
ガチャ…バタン
黒木「ふぅ、4日ぶりに帰ってこれた……」
黒木「久しぶりにゆっくり寝れる」ゴロン
黒木「よーし、午後までゆっくり寝て、あとは……」
黒木「zzz……」
・
・
・
・
・
・
PiPiPiPi!
黒木「うわっ!」
黒木「な、何だ、会社から着信?まだ朝の8時だぞ……」
ピッ
黒木「……はい」
課長「黒木くぅーん。お休みの所悪いんだがねぇ」
課長「今日、これから出勤できないかな?」
黒木「は?」
課長「いやねぇ、ちょっとトラブルがあってさ。手が回んないんだよ」
黒木「え?いやしかし2週間ぶりの休みですから」
課長「もちろん、代休はつけるよ?」
黒木「この前もそう言って、結局まだ貰ってないんですけど」
課長「いいから、今すぐ来なさい。これは命令だ」
課長「全く。普通は休みなんて遠慮して取らないもんだろう。近頃の若い者は…」ブツッ
黒木「……」
―街中―
黒木「何なんだよ、折角の休みなのに」
黒木「全然、疲れが取れた気がしない」
黒木「はぁ~、行きたくないなぁ」
黒木「どうせ、行ったら行ったでそのまま明日の1時2時まで……」カサ
黒木(ん?ポケットの中に名刺?これは……)
・
・
・
喪黒「あなたがもし、どーしても今の環境に耐えられなくなったら」
喪黒「そこを尋ねてごらんなさい」
喪黒「あなたのその心のスキマが、埋まる事をお約束致しますよ」
・
・
・
黒木(……)
―雑居ビル3階―
黒木「ここか。名刺にあった黒木商事は。何だか誰もいないみたいだけど」
黒木「ここに、一体何が……?」
黒木「……とりあえず、入ってみよう」
ガチャ
黒木「お邪魔しまーす……」
社員1「あ、おはようございます黒木社長!」
社員2「社長、この件なんですけど……」
社員3「社長、例の契約、本決まりになりました!」
黒木「え?え?なにこれどういう事?」
社員1「どうしたんですか社長?」
社員2「どうかされましたか?」
黒木「僕が、社長……?」
社員1「ええ、そうですよ?黒木社長」
社員3「社長は冗談がお好きだなぁ」
黒木(そ、そうか……。喪黒さんが昨日言ってたのは、こういう事だったのか!)
社員1「あ、銀行から融資の案内が届いてますよ」
社員2「この件、こうした方がコストカットに……」
社員3「はい、黒木商事です。あ、お世話になっております」
社員1「社長?」
黒木「あ、ああ大丈夫。何でもない」
黒木「それより、仕事上で何かトラブルや困ってる事はないかな?」
社員1「いえ、順調です社長」
社員2「ええ、業績も延びてますし」
社員3「今のところ、特に何もありませんよ」
黒木「それならよろしい。……ん?」
PiPiPiPi……
ピッ
黒木「はい」
課長「黒木君!君は一体何をやっとるんだね」
課長「もう9時を過ぎて……」
黒木「……チッ、うるさいな」
課長「なに?」
黒木「ええ、わかりました。今すぐ行きますんで」
課長「おい、黒」
ピッ
―会社―
黒木「どうも、遅くなりました」
課長「全く、何をやっていたんだね黒木君」
課長「まあいい、早速業務に……」
黒木「課長、これを」スゥ
課長「ん?何だねこれは」
課長「え?じ、辞表?黒木君、これは一体どういう事だね?」
黒木「今日かぎりでここを辞めさせて頂きます」
課長「何だって?そんな、急に!」
黒木「こんな、人を使い潰す事しか考えてない会社なんてもうウンザリです!」
課長「す、少し落ち着きたまえ黒木君」
黒木「僕は、もっと人が人らしく扱われる環境で」
黒木「あなた方を超える結果を出したいと思ってます」
課長「何を夢みたいな事を言ってるんだね」
黒木「それでは。これで失礼します」
課長「あ、黒木君、ちょっと待ちたまえ、黒木君!」
―黒木商事―
バタン
黒木「ふぅ……」
社員1「あ、お帰りなさい社長」
社員2「何か用事があるんでしたら、私達に仰ってくれればいいのに」
黒木「あ、いやいいんだ」
黒木「さぁ、それより働くぞー!」
社員1「ええ、頑張りましょう!」
社員2「よーし、やるぞ!」
社員3「さぁ、張り切るぞー!」
黒木(業務は、前の会社でやっていた事とほぼ一緒)カタカタ…
黒木(だから戸惑わずにやれる。けど……)カタカタ
黒木(た、楽しい……。自分のために働くのが、こんなにやりがいがあるなんて!)
―夕方5時―
黒木「……ん?もうこんな時間か」
社員1「ええ、そうですね」
社員2「えーと、ここがこうで」カタカタ
社員3「さーて、この書類を郵送して……」
黒木「みんな、もう帰る時間だぞ」
社員1「ええ。これが片付いたら帰ります」カタカタ
社員2「はい、もう少しで終わりますよ」カタカタ
社員3「お、もうそんな時間ですか」
黒木「業務時間は5時までと決まっている」
黒木「決められた時間内に、仕事は終わらせるようにな?」
社員1「あ、ハイ!すいません!」カタカタ
社員2「ひえっ、怒られちゃった」カタカタ
社員3「スケジュールの管理も仕事の内ですからね!」カタカタ
―1ヵ月後―
社員1「社長、今月の決済です」
黒木「おう、ごくろうさん」
黒木「うん、順調だな」
社員1「ええ、仕事は忙しいですが時間内で終わらせるよう工夫してますから」
社員2「能率的に仕事をやるノウハウも蓄積して来てますし」
社員3「疲れもないですから全力で働けます」
黒木「無理はするな。ただし、常に工夫は考えろ」
社員1「社長の口癖ですね」
社員2「ええ、そのお陰で仕事の効率がだいぶ上がりました」
社員3「仕事が早いっていうんでわが社の評判も上々です」
黒木「みんな、良く働頑張ってくれた。これはボーナスを弾まなきゃな」
黒木「さて、みんな明日は休みだな?」
黒木「じゃあ、今日は俺のおごりで飲みにいくぞー!」
社員1「はい!」
社員2「いやー、社長の会社は素晴らしい!」
社員3「こんなホワイト企業、めったにありませんよ」
―夜半、街中―
黒木「うぃ~、ヒック」
黒木「この上なく順調、順調……」
黒木「どうだ、社員に無茶苦茶な残業なんかさせなくたって」
黒木「ちゃんとやれば、結果なんか出せるんだ……ヒック」
喪黒「どうやら、うまく行ってるようですなぁ黒木さん」
黒木「あ、喪黒さん!お久しぶりです!」
喪黒「私の紹介した会社はいかがですか?」
黒木「ええ、もう最高です!急に社長になったんで、最初はびっくりしましたが……」
喪黒「ホッホッホ、まあそうでしょうなぁ」
こっからブラックに転落...というのは凡人の発想
>>1はそんなことしないよな?(威圧)
黒木「自分だったらああするのに、こうするのにって思ってた事が全部試せて」
黒木「それが上手く行ってるんですから、最高ですよ!」
喪黒「それは私も紹介した甲斐がありました」
黒木「これからも、もっともっと会社を大きくして……」
喪黒「ええ、夢を大きく持つのは大変結構な事です」
喪黒「ただし、忘れてはいけませんよ」
黒木「え?な、何がですか?」
喪黒「今、順調に行ってるのは」
喪黒「全てあなたについてきてくれている従業員のお陰だという事を」
黒木「え、ええ……」
>>53
さぁて、どうでしょうかねぇ……ホッホッホ…
喪黒「やがて、利益を追求するために従業員を酷使し始めて」
喪黒「結局はあなたも同じ穴のムジナでしたー、なんて事になったら」
喪黒「何もかも、失う事になりますからね?」
黒木「や、やだなぁ、そんな事あるわけないじゃありませんか」
喪黒「それを聞いて安心しました。では、くれぐれも私の言った事を」
喪黒「お忘れにならないでくださいね?」
黒木「え、ええ」
―3日後―
黒木「みんな、今日もよく頑張ってくれた」
社員1「いえ、当然ですよ」
社員2「働き甲斐を持ってやってますから」
社員3「業績も好調です。じきに業界のトップ10に入る所まで来てますよ」
黒木「え?本当か?」
社員1「ええ。社長の経営方針がそれだけ素晴らしいんですよ」
社員2「環境がいいと、みんなの力がフルに発揮できますからね」
社員3「この調子でいけば、まだまだ延びますよ」
黒木(業界でトップ10か……)
黒木(前に働いてた会社、あそこは確か業界8位くらいだったな)
黒木(よーし、あと少し……。あと少しで追い抜けるぞ!)
社員1「それじゃ社長、お疲れ様でした」
社員2「また明日も宜しくお願いします」
社員3「さーて、帰ったらゆっくり休んで明日に備えるか」
黒木(もうちょっとだ、もうちょっと業績を伸ばせれば……)
社員1「あれ?社長は帰らないんですか?」
黒木「ん?あ、ああ。少しだけ残務の整理をしてからな。終わったら帰るよ」
社員1「そうですか。それじゃ、お先に失礼します」
ガチャ、バタン
黒木(……)
黒木(……)カタカタカタ……
―1週間後―
社員1「社長、今日もまた帰らないんですか?」
黒木「うん、あ、ああ。今軌道に乗り始めた所だからな、今のうちにやれるだけやっておかないと」
社員2「無理しすぎじゃありませんか?」
黒木「大丈夫だ。少しだけだから。君たちは帰っていいよ」
社員3「社長……」
社員1「……じゃあ、僕たちも社長に付き合いますよ!」
黒木「え?」
社員2「社長ばかり働かせるわけには行きませんよ」
社員3「社長の力になります!」
黒木「みんな……」
黒木「……すまない。残業代はちゃんと出すから」
社員1「そんな、気にする事ありませんよ社長」
社員2「会社のためですもの」
社員3「頑張りましょう!」
―数週間後―
黒木「みんな悪い、今日も残って貰っていいかな?」
黒木「無理して大きな仕事を3つも取ったから、どうしても手が回らなくて……」
社員1「え、ええ」
社員2「……社長、何だか人が変わりましたね」
社員3「まぁ、社長が言うなら付いて行きますけど」
―1ヵ月後―
黒木「何だ、この業績は!」
黒木「全然伸びてないじゃないか!」
社員1「し、しかし社長」
社員2「仕事が詰まりすぎて、とてもこなし切れません」
社員3「連日深夜まで働いてますから、ミスも増えて能率も落ちてますし」
黒木「口答えするな!」
黒木「業績が伸びなかった分の穴埋めで、残業代はカットだ」
社員1「そんな……」
社員2「僕たち、一生懸命頑張ってるんですよ?」
社員3「もっとペースを考えて、前みたいに着実に行きませんか?」
黒木「何を言っている。ついにやっと、大きな所から仕事を貰えたんだ」
黒木「これが上手く行けば、一気に業績アップが見込める」
社員1「ま、また仕事が増えるんですか?」
社員2「もう限界ですよ」
社員3「これ以上忙しくなるのは、さすがに……」
黒木「甘えたことを言うな!」
黒木「みんな、今週の休みは返上するように」
黒木「ったく。誰のお陰で給料貰えると思ってるんだ」カタカタカタ……
社員1「……」
社員2「……」
社員3「……」
―帰宅途中―
黒木「全く、どいつもこいつも」
黒木「あとちょっとで前の会社の連中の鼻を明かしてやれるってのに」
黒木「気合が足りないんだ、気合が」
喪黒「黒木さん」
黒木「うわ!も、喪黒さん?」
喪黒「あなたは、私の言った事を守りませんでしたね?」
黒木「え……?」
喪黒「あなたは従業員を」
喪黒「休みを返上させ深夜までこき使い、おまけに残業代も払わずに」
喪黒「まるで、人を人とも思わないようなひどい扱いをしてますね?」
黒木「う……」
黒木「し、仕方ないじゃありませんか。仕事なんですから」
喪黒「あなたの会社が上手く行っていたのも」
喪黒「全ては、従業員が一人一人知恵をしぼり、能率的に働いてくれたお陰なのです」
喪黒「しかし、あなたはそれに感謝するどころか」
喪黒「目先の利益のために、皆さんを使い潰すようなマネをしました」
黒木「け、けど……」
喪黒「従業員は、物ではないんです」
喪黒「それを忘れたあなたには、罰を受けてもらいます」ビシ
黒木「う……」
喪黒「そんなに仕事がお好きなら……」
喪黒「心ゆくまで、仕事漬けになりなさい!」
「ドーーーーーーン!!!!」
黒木「わぁぁぁーーーーっ!?」
―自宅―
黒木「……う?」
黒木「あれ?昨日、確か……」
黒木「いけね、こんな時間だ!」
―黒木商事―
バタン
黒木「みんな、遅くなっ……」
黒木「あれ?誰もいない?」
黒木「ん?何だこりゃ」
黒木「えっ!?じ、辞表?」
黒木「一体、これはどういう……」
PiPiPiPi……
黒木「おっと、電話だ」
ガチャ
黒木「はい、黒木商事です。あ、お世話になっております。あ、その件は今日中に……」
PiPiPiPi……
黒木「え?ちょ、ちょっとお待ちください、はい、黒木商事です。あ、どうもこの前は……」
PiPiPiPi……
黒木「ま、また?すいません少々お待ちください、はい黒木商事……」
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
黒木「ちょ、ちょっと待って」
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
黒木「待ってくれ……!」
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
黒木「だ……誰かーーーー!」
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
PiPiPiPi……
喪黒「今日も忙しそうですねぇ黒木さん」
喪黒「やれやれ、あんなに焦らないでじっくり会社を育てていけば」
喪黒「いつかは、業界でも上位を目指せたでしょうに」
喪黒「それにしても、あんなに仕事が沢山あるのに従業員がだーれもいないなら」
喪黒「お好きな残業も、さぞかしたっぷりできるでしょう」
喪黒「……最も」
喪黒「会社が潰れるより前に」
喪黒「黒木さんの方が、先に潰れてしまうかも知れませんねぇ~」
「オーッホッホッホッホ……」
終り
以上です
読んでくれた方、コメントしてくれた方感謝です
依頼出してきます
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