帰りたくなる家 (7)
とある少女を見かけた
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その子は走っていた
そして勢いよく家の扉を開けた
お世辞にもいい家とは言えない
それでも、その少女の顔は嬉しそうだった
何が嬉しいのかはわからない
しかし、なぜかその少女が羨ましくなった
私は親と少し仲が悪い
何か話せば必ず怒られる
どんな話題でも
だから、家族はくだらないと思っていた
その少女は家に帰ったらお母さんにその嬉しいことを話すのだろう
だから私は思った
自分の子には家族っていいなと思わせるような家庭を築きたい、と
学校帰りの自転車の上からそう思った15歳の春だった
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