歩「……そうだったか?」
ひよの「ええ、最初から最後まで『あんた』呼ばわりでした」
歩「まあ、あんたの名前覚えてなかったしな」
ひよの「散々私をこき使っておいてそれって人としてあまりに非道いと思いませんか?」
歩「そう言われてもな……あんただって任務だから納得して俺にこき使われてたんじゃないのか?」
ひよの「あ、今こき使ってたと認めましたね!」
歩「……いや待て。論点をずらすなよ」
ひよの「これはもう私に感謝するしかありませんね! 感謝の証として私のことをちゃんと名前で呼ぶべきです!」
歩「話を聞け……」
歩「……大体な」
ひよの「なんですか。まだ悪あがきするつもりですか」
歩「俺はあんたにちゃんと感謝してるぞ?」
ひよの「えっ」
歩「まあたしかに、面と向かって感謝の言葉を口にしたことはあまりなかったかもしれないが」
ひよの「そ、そうですっ。だから今ここで私の名──」
歩「あんたがずっと支えてくれたおかげで俺は兄貴に勝つことができたよ。ありがとう」
ひよの「な、なっ……い、いえ、その……どういたしまして」ゴニョゴニョ
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