真姫「良いわ、この真姫ちゃんが解決してあげる」 (20)

にこの場合

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にこ「絵里、少し相談いいかしら…」


絵里「あら、どうしたの?珍しく落ち込んでるようね」


にこ「ええ、実はね…虎太郎が何も無い空間に向かって話しかけたり、相槌をうったりしてるのよ…」


絵里「え…」


にこ「でね?にこが虎太郎にどうしたの?って聞いても何も無い空間を指差して『ともだちー』って言うのよ…」


絵里「…」ミミフサギ


にこ「って!なんで耳塞いでんのよ!」


絵里「だって!そんなの怖いじゃない!」


にこ「逆ギレしないでよ!現場に居合わせたにこがどれ程怖かったと思ってんのよ!」


絵里「そ、そうよね…一度お祓いに行ったほうが行った方が良いんじゃないかしら?」


にこ「そうよね。帰ってからママに電話してみるわ」


真姫「あら、にこちゃんとエリーだけなの?」ガラッ

絵里「うひゃいっ!?」


にこ「絵里、あんたビビりすぎよ」


絵里「だ、だってしょうがないじゃない!あんな話聞いた後だし…」


真姫「あんな話?」


にこ「実はね、最近虎太郎が何も無い空間に向かって話しかけたりしてるのよ。それで心配になって…」


真姫「あぁ、そんな事」


にこ「ちょっと!そんな事って何よ!」


絵里「そうよ真姫!にこは家族の事を心配して…」


真姫「え、二人共イマジナリーフレンドって知らないの?」


絵里にこ「?」


真姫「あのね、イマジナリーフレンドって言うのは幼児の発達についても重要な事なの」


真姫「幼児ってね、普段過ごすのが家の中じゃない?」


絵里「確かに虎太郎君くらい小さかったら家で過ごすわよね…」

にこ「まぁそうなるわね」


真姫「でね、虎太郎君ってまだ同年代のお友達居ないでしょ?」


にこ「そう言えばそうね」


真姫「同年代のお友達が居ない場合はイマジナリーフレンドって子供の成長過程や発達にとても重要なのよ」


絵里「?」


真姫「イマジナリーフレンドって言うのは大抵が本人…この場合だと虎太郎君と対等な関係が多いの」


真姫「その空想上の友達と接しているうちに友達との付き合い方等も学べる…と言った考え方もあるの」

にこ「つまり虎太郎は友達が出来た時の予行演習みたいな事ををしてるって事?」


真姫「そう考えて貰っても構わないわ」


真姫「まぁ、外国では『イマジナリーフレンドは普通』と言う国もあるしね」


真姫「それに大抵は成長と共に居なくなるの。だからにこちゃんは何も心配しなくても良いのよ」


真姫「どう?これでも心配?」


にこ「いや、真姫ちゃんから話を聞いたら安心出来たわ。ありがとう」


真姫「ふふっこれでも医者を目指してるからね」


絵里「成長と共に居なくなる?居なくなるっていっても元は自分の空想よね?て事は無くなってほしい記憶?」ブツブツ


にこ「どうしたのよ絵里?」


絵里「もしかして…虎太郎君って厨二病なの?」


にこ「はぁ!?なんで虎太郎が」


絵里「だって時間が経てば消えるんでしょ?つまり成長するにつれて消し去りたい記憶…そう!それは厨二病!Q.E.Dよ!」


絵里「虎太郎君も若かりし自分の事を考えて恥ずかしさで布団の上をバタバタするのかしらね」フフフ


真姫「エリーってここまで残念だったかしら…」


にこ「って絵里って今『も』って言ったわよね…て事は」


真姫「全くしょうがない先輩ね」クスクス

解決!!

希の場合


希「えりちちょっと聞いてくれへん?」


絵里「どうしたのよ希」


希「実はな…昨日金縛りにあってん」


絵里「OK、OKよ希。私を怖がらそうと思ってるんでしょう?残念ながら賢い私はお見通しよ」


希「いや、ほんまなんやけど…」


絵里「金縛りってあれでしょ?体が動かなくなるとかいう…」


希「そうやね、息も苦しかったしほんま怖かった…」


絵里「嘘ね」


希「嘘?」


絵里「金縛りにあって幽霊さんを見たって言ったら私が怖がると思ったんでしょ!怒るわよ!」

希「もう怒ってるやん…」


真姫「エリーの怒鳴り声が聞こえたんだけど」ガラッ


絵里「ちょっと真姫聞いてよ!」


真姫「どうしたのよ」


絵里「希が金縛りにあったって嘘を私について怖がらせようとしてくるのよ!」
 
希「いや、だからほんまなんやって」


真姫「希、それってホントに金縛り?」


希「なんや、真姫ちゃんまでウチを疑うなんて…」オヨヨ


真姫「いや、金縛りって医学的に充分説明がつくんだけど…」

絵里「そうなの!?全く希ったら、何が『ウチ、金縛りにあったんやけどぉ』よ。おちゃめさんなんだから」ウフフ


希「…」イラッ


絵里「ウチぃ~金縛りにぃ~あったんやけ…」


真姫「絵里、黙って」


絵里「あ、はい」


真姫「で、起きたら体が動かなかったって事で良いのよね?」

希「そうやね、目が覚めて体が動かんかったのよ」


希「怖いけど目を開けようと思っても目も開かなかったんよ…」


真姫「金縛りの理由は諸説あるけど、今回はノンレム睡眠だと思うわ」


希「ノンレム睡眠?」


真姫「ええ、ノンレム睡眠と言うのはいわゆる脳が起きて、体が起きていない状態なのよ」


真姫「それで希、最近ストレスとか疲れとか溜まるような事はあった?」


希「そうやなぁ…ストレスはお母さんとお父さんと会える予定がなくなってしまった事かなぁ」


希「疲れは…昨日は海未ちゃんの山頂アタックに付き合って…」


絵里「うわぁ…」

真姫「ありがと。でね簡単に言うとノンレム睡眠って言うのはストレスや疲労で睡眠のリズムが崩れる睡眠の事なのよ」


真姫「普通はね、ノンレム睡眠から入って、レム睡眠へと移行するの」


真姫「ちなみにノンレム睡眠は『深い眠りで、脳が眠っていて体が起きている状態』レム睡眠はその逆ね」


真姫「そして、ノンレム睡眠とレム睡眠は90分単位で変わっていると言われてるの。でも逆に浅い眠りのレム睡眠からノンレム睡眠に入ると所謂金縛りに合うわけね」


希「なるほど、けどすっごく怖い感覚と苦しかったのは?」


真姫「それはね、脳なのよ」 


希「脳?」

真姫「ええ、怖いと思うのは脳の偏桃体と言う恐怖を感じる部分が活発になっているせいね」


真姫「息苦しいのはその脳が創り出した恐怖によってパニック状態になって呼吸が不規則になるからよ」


希「そうやったんや、けど何で金縛りの事をノンレム睡眠って言うんかな?レム睡眠でもいいんと違う?」


真姫「そこまでは調べてないから分からないわよ…私まだ高校一年生よ?」


希「それもそうやね、真姫ちゃんのお陰で怖く無くなったわ!ありがとうのわしわしやー!」


真姫「ちょっと希!?」
 
絵里「……」


絵里「ウチぃ~金縛りにぃ~…」


希「黙れ」


真姫「エリーはしょうがないんだから」クスクス

解決!!

真姫ちゃんの場合


真姫「全く、エリーもにこちゃんも希も、私が居ないとダメダメね」


真姫「上級生なんだからもうちょっとしっかりとしてもらいたいものね」クスクス


ガタッ


真姫「!!」ビクッ


真姫「あ、あ~あ、ホントに今日は疲れたわね~」


真姫(大丈夫、これは何かの拍子で少し家具がずれただけ)  


ガタンガタン


真姫「イ、イミワカンナイ…」ビクビク 


ガタンガタン


真姫「…」

~~~~


真姫ママ「あら、真姫ちゃんどうしたの?」


真姫「こ、怖くて…」ゴニョゴニョ
 
真姫ママ「全く、しょうがないわね」クスクス


真姫「ごめんなさい…」


真姫ママ「真姫ちゃんも高校生なんだからしっかりしてちょうだいね?」


真姫「うん…」


真姫ママ「ほら、こっちに来なさい」
 
真姫「うんっ!」

解決!!

そしておしまい

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