ある日、リリアナは気まぐれにプレインズウォークする事にした。

リリアナ「退屈しのぎに、適当な次元に跳んでみようかしら……そう、パトロールよパトロール。ゲートウォッチですもの」

よし、と、意気込んだリリアナは椅子から立ち上がり、次の次元へ向けて一歩踏み出した。

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で、辿り着いた場所は、すべてが1m四方のブロックでできた四角い世界だった。

「ふぅん、おもしろい次元ね」

よく見れば、自分の体も角張っている。というか、四角い。

「…………まぁいいわ、ここは『平地』のようね、少し散歩してみましょう」

少し離れた場所には森が、遠景には山が見える。
とりあえず、自分のマナと相性のいい『沼』を目指してみることにした。

「豚、牛、鶏……羊に馬。人間は居ないのかしら？」

『草の生えた土』のブロックを踏みしめ、呑気にウロウロする。
そこかしこに花や長めの雑草も生えていて、ブロックでできている癖に美しい風景である。

びたん、びたん、と、何か水っぽいものが跳ねる音がする。

「なにかしら？随分とやかましいわね……」

音のする方向へと歩いていくと、濁った水と、湿気たような色の草地、ツタの絡まった木々が見えた。
そして、そこを跳ね回る大きなスライムも……

「あれが『沼』ね、折角あそこを拠点にするのだから、あそこに居られると邪魔ね……」

そろそろ日が暮れる。さっさと片付けてしまおう。
体に紋章を浮かび上がらせ、『土地』から『マナ』を吸い上げ、『呪文』を『唱える』。

「失せなさい」

放たれた魔法により体力を奪われたスライムは、倒れ、消える。

『大スライムが死亡した時、あなたは④払っても良い。そうしたなら、青の0/1スライム・クリーチャー・トークンを4体生成する。』
ぴょこん、と、小さなスライムが分裂した死体から飛び出した。

「何？もう、面倒臭いわね……！」

気がつくと、辺りは真っ暗になってしまっている。時間の進みが異様に早い次元のようだ。
そして、そこかしこに『ゾンビ』や『スケルトン』が湧き出している。

「あら、丁度いいわ、私におあつらえ向きの次元だったみたいね」

スケルトンは矢をつがえ、ゾンビは唸り声を上げながら迫ってくる。

「さぁ、私に従いなさい。アンデッド達」

そして、スケルトンの矢は過たずにスライムを居抜き、ゾンビはリリアナに跪いた

「ふふん、ゾンビやスケルトンが居るなら私の独壇場ね。他にもクリーチャーは居るかもだけど、スケルトンの方は到達もついてるし、恐れることは無いわね」

クラフトスケルトン
クリーチャー-スケルトン・射手
到達
日光があると、毎ターン0/-1のカウンターをこのカードに置く
1/2

クラフトゾンビ
クリーチャー-ゾンビ
このカードがブロックした時に、あなたは（黒）（黒）を払っても良い。そうした時、黒の2/2ゾンビクリーチャートークンを生成する。その後ライフを1失う
日光があると毎ターン0/-1のカウンターをこのカードに置く
2/2

「へぇ、ゾンビがゾンビを呼ぶのね、おもしろいじゃない？……日光に弱いの？」

「ｳﾞｧ-……」

ゾンビは、リリアナの質問に対して緩慢にうなづいた。

「それは面倒ね……日陰か何か用意できないの？」

「ｳﾞｫ-」

すると、複数のゾンビ達が木の根本を殴り始めた。
殴られた木の根本は、少しすると1m四方のブロックとなり、そこから上は浮いている。

「へぇ？」

原木のブロックから、4つの木材ブロックを作り、木材ブロックから作業台を作り、最終的には木の斧を作り出した。
斧を得たゾンビ達は更に木を破壊し、1m四方の木材ブロックを使って日陰を作り出した。

夜明け。
リリアナの支配下に居るアンデッド達は日陰の下に潜り込み、支配下にないアンデッドは日光に焼かれた。

「なるほど、私が指示してやればいいわけね……それじゃあ、ここに大きな館を建てましょうか。そこを拠点にこの次元を探索しましょう」

リリアナは、ゾンビやスケルトンに囲まれて、ニコニコと夜を待った。