とら「おい、人間」ぬ~べ~「なんだ、妖怪」とら (3)

キーンコーンカーンコーン

ぬーべー「よし、じゃあ気を付けて帰れよ。天気も悪くなってきたからな」

広「なんか嫌な天気だなー、雨もそうだけど、雲が分厚くてもう夜みたいだ」

響子「大雨になりそうね……アンタこの前大雨の中サッカーやって風邪引いたんだから今日は真っ直ぐ帰りなさいよね!」

広「わ、わかってるよ!」

まこと「でも本当におかしな天気なのだ……ゴロゴロゴロゴロ言ってるのだ……」

ぬーべー(…………)

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ぬーべー「この感じはなんだと思う?」

玉藻「この感じと言うと?」

ぬーべー「確かに、今朝から何か禍々しい妖気がどこかで発生しているのは感じていたさ」

玉藻「ええ」

ぬーべー「しかし」

玉藻「……強まっている……ですね?」

ぬーべー「……ああ」

玉藻「この妖気……恐怖を煽るような……危険を感じさせるような、そう感じませんが?」

ぬーべー「……ああ」

玉藻「今は霊能力を持つ者か、妖怪にしか感じ取れないレベルですが、いずれ普通の人間もこの妖気に毒されるでしょう」

ぬーべー「すると、どうなる?」

玉藻「……白面の者」

ぬーべー「……!」

ぬーべー「白面の者……」

玉藻「人や妖怪の恐怖を吸い、吸い取った者の力の最大値を自らの力とする妖怪」

ぬーべー「……」

玉藻「……既に、感じています。恐怖を」

ぬーべー「……」

玉藻「私も。……そして」

玉藻「鵺野先生、あなたも」

ぬーべー「……俺だけじゃない」

玉藻「え?」

ぬーべー「こんな事は始めてだよ、玉藻」

玉藻「……」

ぬーべー「俺の左手の鬼も……そして、美奈子先生も……畏怖している。その、白面の者にな」

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