男｢というわけなんだ｣

男友｢あれか、アニメの見すぎで妄想と現実の区別がつかなくなったあれだな｣

男｢マジだって！｣

男友｢はいはい｣

幼馴染｢何々、メイドがどうしたの？｣

男友｢男がついにあっちの世界へいってしまったんだ｣

幼馴染｢へぇ｣

男｢ほんとだって！｣

男友｢そんな曲がり角で美少女とぶつかる、しかも相手がメイドなんてどこのラノベの冒頭だよ｣

幼馴染｢あ、そういえば最近メイドが出没するって話聞いたことあるよ｣

男｢マジ？｣

幼馴染｢友達から聞いた話なんだけど、なんでも盛大にずっこけて荷物散らかしたとか｣

男友｢絵にかいたようなドジメイドだな、二次元なら萌えるが三次でやったらうざいだけだろ｣

男｢同一人物か……？｣

幼馴染｢メイド服なんて着る人はこの辺には普通いないだろうしねぇ｣

男友｢こんな僻地だしメイド喫茶とかも無いしな｣

男｢うーん、だとすればなんであんな格好を？｣

幼馴染｢コスプレ？｣

男友｢それで外出するとかどんな変人だよ……｣

男｢ふーむ｣

―帰宅路―

男｢ま、変わった人がコスプレして外出したって感じかなやっぱり｣

男｢うーん、でもなかなか似合ってたよなぁ｣

男｢まるで本物のメイドさんのような……｣

？？｢とうっ！｣

男｢ん？ 上で何かやってるのかな？｣

？？｢どいてどいてー！｣ﾋﾟｭｰ

男｢ちょ、さっきのメイドさん！？ ってなんでマンションの屋上から飛び降りてんの！？｣

？？｢どいてえええええ｣

ｽﾀｯ

男｢ぎゃああああああ……って、華麗に着地！？｣

メイド｢どーも、また会いましたね！｣

男｢え、えっ何が起こってるのこれ｣

メイド｢これも運命の出会いってやつですね！｣

男｢は、はい｣

メイド｢まさにフラグです！ ベタすぎる展開です！ つまり貴方には私を雇う義務があります！｣

男｢ちょ、ちょっ

メイド｢というわけで、メイドいりませんか！？｣

男｢ちょっとまって、落ち着いて考

メイド｢メイドいりませんか！？｣

男｢だかr

メイド｢メイドいりませんか！？｣


男｢いりません！｣

メイド｢｣

メイド｢は！？ どうしてですか！？ こんな美少女しかもメイドが空から落っこってきたのに！？｣

男｢いや、マンションの屋上だよね？ それと自分の事美少女って言ったよね今？｣

メイド｢なんなんですか？ ホモかなんかなんですか！？｣

男｢ちげーよ！｣

メイド｢じゃあ二次元にしか興味ない(ｷﾘｯとか言っちゃう側の人間とか！？｣

男｢むしろそういう側なら喜ぶシチュだと思うけど……｣

メイド｢きいいいい！｣

男｢ちょ、落ち着いて！｣

男(回りの目線が痛い……)

男｢と、とりあえず俺んち行こうか｣

メイド｢連れ込んで何するつもり……！？｣ｷﾞｭｯ

男｢じゃあね｣ｽﾀｽﾀ

メイド｢ああん！ 冗談ですって！｣

――

メイド｢ここが男さんの家か……｣

男｢おう｣

メイド｢なにもないんですね｣

男｢悪かったな｣

メイド｢それで、私を連れてきたってことは私を雇う気になったということでいいんですね？｣

男｢それはない｣

メイド｢why!?｣

男｢いや、普通に金無いからだが｣

メイド｢あ、それなら大丈夫です！ 居候させてくれれば給料いらないんで！｣

男｢今さらっと居候って言ったよねもうメイドじゃないよね｣

メイド｢今ならこんなにお買い得ですよ！？｣

男｢得があまりないような……｣

メイド｢炊事洗濯お掃除その他完璧にこなしますよ！｣

男｢最近ドジっ子メイドが出没するっていう情報あるけど……あれお前じゃないの？｣

メイド｢あぁ、あれは萌えるメイドとなるためにキャラ立てしてたんです｣

男｢いや意味不明だからね？｣

メイド｢とにかく！ 私はどんな仕事も完璧にこなすスーパーエリートメイドなんです！｣

男｢んー……｣

メイド｢それじゃ実践してみましょう！ そうすれば私のスキルに驚嘆して両手を掲げて私を受け入れてくれるはずです！｣

男｢でもなぁ……｣

メイド｢まずはお掃除……って｣

男｢ん｣

メイド｢なんでこんな綺麗なんですか！ これが男の部屋だなんて信じられません！｣

男｢まぁ汚い部屋は嫌いだからな｣

メイド｢それなら料理を……｣ｶﾞﾁｬｯ

男｢あ、朝作った肉じゃがの余りがあるから大丈夫｣

メイド｢そして豊富な食材……いかにも料理できる男子みたいな冷蔵庫｣

男｢不味い飯は嫌いだからな｣

メイド｢しかも超美味しい！｣ﾊﾟｸﾊﾟｸ

男｢勝手に食うなよ！｣

メイド｢そんな、私の仕事がない……！！｣

男｢全部自分でやれば事足りるからな｣

メイド｢oh...｣

男｢まぁ、そんな感じでメイド雇うのはちょっと無理かな｣

メイド｢……私にしかできない仕事もありますよ？｣

男｢ほう？｣

メイド｢夜のご奉仕……とか♪｣ﾑｷﾞｭ

男｢｣

男(おおおおおおおおおっぱいにおおお俺の手が！？)

メイド｢どうですか……これでも雇ってくれませんか？｣ｼﾞｰｯ

男(からの上目使いだと！？)ｸﾗｸﾗ

メイド｢？｣ﾆｺｯ

男｢……｣ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

男｢だー！ やめろ変態が！｣ﾊﾞｼｯ

メイド｢ああん！｣

男(よく耐えた俺！)

メイド｢ここまでしても私を襲わないなんて……やっぱりほm

男｢ちげーから！｣

メイド｢じゃあなんでですか！？ 美少女とこんなエッチな状況になったら襲うのが普通の男ですよ！？｣

男｢いやその理屈はおかしい｣

メイド｢いーや男さんがおかしいです｣

男｢大体、そういうのは愛しあってる男女がすることで……｣

メイド｢セックスから始まる恋があってもいいと思います！｣

男｢よくねーよ！ あと生々しい表現自重しろ！｣

メイド｢それに、私男さん好きですし｣

男｢え、えっ！？｣

メイド｢初めてあった日、私のハートは貴方に全て持っていかれました｣

男｢初めてあった日って、今朝だよね！？｣

メイド｢いえ、三日前です｣

男｢全く記憶にないが｣

メイド｢忘れもしません、ある晴れた日の午後……｣

男｢いや、三日前だよね｣

――
｢恵まれない子供のために募金お願いしまーす｣

男｢暑い中お疲れさまです｣ﾁｬﾘﾝ

｢ご協力ありがとうございまーす！｣
――

メイド｢って｣

男｢あれメイドさんだったの！？ 超普通の格好だったよね！？｣

メイド｢いやですね、私だって普通の服着ますよ｣

男｢じゃあそれ何だよ！？｣

メイド｢メイドの仕事中なので｣ｷﾘｯ

男｢……仕事してなくね？｣

メイド｢間違えました、就活ですね｣ｷﾘｯ

男｢いや、それよりもなんで募金活動してたの！？ 偉いけど！｣

メイド｢生活費稼ぐために｣

男｢それ詐欺だよもう！｣

メイド｢いえ、恵まれない子供＝私なので大丈夫です｣

男｢め、恵まれない……？｣

メイド｢そうです、私は幼少期からずっと使えてきたご主人様に解雇を言い渡されたのです｣

男｢そ、そんな｣

メイド｢度重なるセクハラ、嫌がらせ……私の態度が気に入らなかったのでしょうか、つい三日前に解雇となりました｣

男｢……｣

メイド｢まぁ、冗談ですけどね｣

男｢シリアス枠返せ！｣

メイド｢あ、でも解雇はほんとですよ｣

男｢一体何したんだよ……｣

メイド｢お嬢様とエッチしてたのがバレました｣

男｢お前いっぺん死んでこいマジで｣

メイド｢ま、理由はどうあれ私は男さんが好きなので雇われる理由は十二分にあるかと思います！｣

男｢あー……でも、俺他に好きな子が｣

メイド｢え｣

男｢ご、ごめんね？ 気持ちは嬉しいけど……｣

メイド｢こんな冴えないモヤシ男に人生初の失恋を食らうなんて……｣orz

男｢お前ほんとに俺のこと好きなの？｣

メイド｢好きな人ってもしかして幼馴染みさん？｣

男｢ちちちちげーよちげーから違いますから！｣

メイド｢ほぅ｣

男｢って、大体なんで幼馴染みの事知ってんの！？｣

メイド｢恋する乙女のたしなみです｣

男｢それストーカーって言わね？｣

メイド｢それに、転校先の学校くらいリサーチしておかないといけませんし｣

男｢転校してくんのかよ！ まぁあらかた想像ついてたけど！｣

メイド｢流石です｣

男｢嬉しくねえよ！｣

メイド｢あ、そうだもし私を雇わなければ、学校で死ぬほどベタベタしますよ｣

男｢今思い付いたろ！｣

男｢……そしてかなり被害大きいぞこれ｣ｶﾞｸﾌﾞﾙ

メイド｢幼馴染みさんどう思うでしょうねぇ？｣

男｢……わかった、雇います｣orz

メイド｢いぇーい☆｣

男｢もうどっちが立場上なのかわかんねえよこれ｣

再開
酉合ってるかテスト

あれ

マジか

これか

メイド｢というわけで、フツツカモノですがよろしくお願いしますねご主人様！｣

男｢その呼び名やめてくれ恥ずい｣

メイド｢でもこの呼び方に慣れてるんで……｣

男｢普通に名前で呼べばいいから！｣

メイド｢あ、それなら豚とかどうです？｣

男｢どういう発想だよ｣

メイド｢いえ、前のご主人様の夜限定の呼び名ですが｣

男｢うわー嫌なこと知った｣

メイド｢じゃ普通に男さんと呼びますね！ 夜はモヤシ野郎で！｣

男｢その昼と夜で呼び名変える方式やめない？｣

メイド｢じゃ、夕飯作っちゃいますね！｣

男｢いや、てかモヤシ野郎はやめてね？ あと全然ついていけないからいきなり話題変えるのやめて？｣

メイド｢お食事の準備が整いました！｣

男｢おう普通にうまそうだ｣

メイド｢召し上がれー｣

男｢あれ、メイドさんは食べないの？｣

メイド｢メイドが同席するなんてとんでもないですよ｣

男｢うーん、ずっと見られてるのもあれだし普通に一緒に食べようよ｣

メイド｢あれですか、視姦みたいな｣

男｢視姦の意味知ってる？｣

メイド｢でも、メイド風情がご主人様と一緒にご飯たべるだなんて｣

男｢変に気を使ってもらうより、一緒に食べた方が楽しいし美味しいよ｣

メイド｢つまり、私をオカズに……！？//｣

男｢あー食欲失せたマジ失せた｣

メイド｢それでは、失礼して……｣

｢｢いただきます！｣｣

男｢ふむ｣

メイド｢ろーれるら？｣ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男｢食べながら話すの止めような｣

メイド｢ごくん、どうですか私の肉じゃがは！？｣

男｢いや、これ砂糖と塩まちがててるだろ｣

メイド｢料理できないキャラ目指そうかと思って｣

男｢お願いだから普通にしてください切実に｣

メイド｢お風呂が沸きました！｣

男｢おうサンキュ｣

メイド｢お背中お流

男｢結構です｣

メイド｢なぜですか！？｣

男｢そういうのはよくないって言ったろ！？｣

メイド｢あ、もしかして｣

男｢ちげーよ｣

メイド｢まだ何も言ってないのに！｣

男｢ふぅ……｣

メイド｢ちわーす！｣ｶﾞﾗｯ

男｢やっぱり来やがった！ てか鍵かけてたのに！？｣

メイド｢私に開けられない鍵などないのです｣

男｢さらっと犯罪者カミングアウトしたね｣

メイド｢次は男さんの心の鍵をアンロックしようと思います｣

男｢お前がそういうことするほど固くなるから！｣

メイド｢私がこういうことすると硬くなるんですか//｣

男｢うん完全に意味違うよねそれ｣

メイド｢まぁまぁそんな照れて目隠しちゃって、ウブなんですね男さん♪｣

男｢うるせー早く出てけよ！｣

メイド｢まぁ無理矢理身体洗っちゃうんですけどね｣ｶﾞｯｼ

男｢ちょ、初めからそこかよ！？ てか触んなって！！｣

ｷﾞｬｱｷﾞｬｱ

男｢落ち着いて風呂もはいってらんねー……｣

メイド｢お、これは！｣ｶﾞｻｺﾞｿ

男｢お前何勝手に漁ってんだよ！！｣

｢巫女と恋しよ！ 神道系恋愛SLG｣
｢青春巫女 ～恋するあの娘は聖なる巫女～｣

メイド｢男さん巫女好きだったんですか？｣

男｢ああまた弱味握られた……orz｣

メイド｢ふむふむ、巫女か……｣

男｢あ、もしかして巫女にジョブチェンジしてくれたりとか？｣

メイド｢それはないです｣

男｢ないのかよ！｣

メイド｢これやりましょう！ 是非！｣

男｢何が楽しくて女と一緒にエロゲやらなきゃいけないんだよ……｣

メイド｢じゃーひとりでやりますもん｣

男｢職務放棄かよ！｣

メイド｢いえ、勉強のために｣

男｢なんの勉強だよ！｣

メイド｢秘密です｣

男｢まぁ考えてることは大体わかるけどな……｣

メイド｢以心伝心ってやつですね！｣

男｢ねーよ｣

メイド｢男さん、そんなに激しく揉んじゃ駄目です//｣

男｢もみもみもみもみもみ｣

メイド｢あんっ// そこは……！//｣

男｢もみもみもみもみもみ｣

メイド｢いやーん！//｣

男｢もみもみもみもみもみ｣

―――

男｢はっ！？！？！？｣

男｢……夢か｣

男｢何て夢だ……畜生が｣

男｢ほら、起きろメイド｣ﾕｻﾕｻ

メイド｢ふにゃ、らめれすぅ……｣

男｢……つかなんで俺の布団潜り込んできてんだよ！？｣

メイド｢そこに布団があったから……｣

男｢訳わからん！｣

男｢てか、学校転校するとか言ってたけど制服あるの？｣

メイド｢やだ、朝から制服プレイをお望みですか｣

男｢お前の頭はそういう事しかないのか｣

メイド｢冗談ですよぉ！ 制服ならちゃんとあります｣ｼｬｷｰﾝ

男｢ずいぶん準備がいいな｣

メイド｢今着替えますから待っててくださいね……｣

男｢ここで着替えんな！！！｣

男｢とんだハレンチメイドだな……｣

メイド｢じゃーん！ 似合います？｣

男｢普通｣

メイド｢ガーン｣

男｢じゃ行くか｣

メイド｢淡白だなぁ……｣ｵﾖﾖ

男(なんかメイド服しか見てなかったから新鮮だなぁ……こうしてみると普通にかわいいし)

―――

男｢てかさ｣

メイド｢はい？｣

男｢俺転校生と登校してたらまずくね？ 超噂にならね？｣

メイド｢ふつうにメイドとして雇ってるって言えばいいんじゃないですか？｣

男｢絶対やだよ！ せめて親戚で近くに引っ越してきたとかにしようよ！｣

メイド｢えー｣

男｢えーじゃない！｣

メイド｢はーい｣ﾑｽｰ

男(なんで不満げなんだ？)

男「って、やっべ！もうこんな時間かっ」
メイド「やばいですね」
男「誰のせいだと」
メイド「とにかく、ひとまず今日は一緒に行きましょう」
男「いやだかr」
メイド「言い訳なら後でいくらでもできますよ」
男「…例えば？」
メイド「“実は私たち付き合ってるんです！”とか」
男「ごまかせてねえ！つか転校生がそれ言うのは苦し過ぎる！！」
メイド「(…突っ込む所が違うでしょう)」ﾑｯ
メイド「……もっと意識してくれても良いのに…」ﾎﾞｿｯ
男「エ？何だって？」