絵里「怪盗エリーとデッドウェディング」 (76)

前回のエリーチカ!

自身を怪盗と名乗り日本中を暴れ回っていたエリーチカ!その目的は妹、そして同じ病に苦しむ人々を救うため…とちょっとだけカタルシスを感じるためだった!

周囲に多大な迷惑をかけながらもことを成し遂げることができ、妹の亜里沙も回復に向かっている今、エリーチカの行く末は…?

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にこ「え?結婚するぅ?」

花陽「うん!ちょっと急だけど…」

にこ「相手はどうよ?職は?土地は?」

花陽「あわわ…えっと…大手の企業の社長さん」

にこ「玉の輿じゃない!あんたもやるわね~!」

凛「………」

にこ「ほら!凛もなんか言ってやりなさい!」

凛「あっうん…かよちんおめでとうにゃ!」

花陽「えへへ、ありがとう!」


ことり「ってことがあったんだよ~」

絵里「ふ~ん良いんじゃない?」

ことり「なんだか漠然とした返事だね」

絵里「だって結婚なんてしたら我慢ばっかじゃない。私はそんなの嫌よ」

ことり「絵里ちゃんらしいね」

絵里「1人を愛し続けるなんて、つまらないでしょ?」

ことり「…最低」

ことり「もう知らないっ」プイッ

絵里「ああっ!ちょっと待ちなさいよ」

-東日本本部(勤務中)-

にこ「で?式は何処で挙げるのよ?」

花陽「それは~まだ決まってないんだけど」

にこ「ええ」

花陽「出来たらフランスとかが良いかなぁ~なんて//」

にこ「かぁーっ!腹立つわね~!この幸せ者がっ!」

にこ「まぁでも~もしにこが式を挙げるならぁ~ハワイがいいかなぁ~?」

凛「………」ボカ-ン

にこ「ちょっと!何か言いなさいって!!」

凛「あぁ…えーにこちゃんどうせまた寒いこと言ったんでしょ?」

にこ「何よ!?聞いてないくせにわざわざ人を怒らせるってスタイルなの!?」

凛「うーんごめん。凛もう上がらせてもらうにゃ」

花陽「わかったよ。お疲れ様」

にこ「ん、了解」

にこ「なーんか様子がおかしかったわね…」

-廃ビル-

にこ「おっ中は綺麗になったわね!あんたもなかなかやるじゃない!?」

真姫「そんなのわざわざ言いに来たの?」

真姫「あ、はいお茶」カチャ

にこ「あら、悪いわね。いただきます」

にこ「別にそういうわけじゃないのよ。ちょっとあんたに聞きたいことがあって」

真姫「何よ」

にこ「過去を掘り起こすみたいで悪いけど、あんたこいつ知らない?」ピラ

真姫「私警察に協力する気なんてないわ」

にこ「ちょっと待ちなさいよ。これは捜査とかじゃなくて」

真姫「じゃあなんだって言うのよ!」バンッ!

にこ「っ!?どうしたのよ?」

真姫「そんなやつと関わりたくない!政略詐欺結婚師なんかの話なんてお断りしますっ!」

にこ「えっ…どういうこと?」

真姫「どうもこうも言葉通りよ!もう用事は済んだの?」

にこ「え、ええ。これだけよ。ありがとね…」

真姫「ふーん……気をつけて帰って」ボソ

にこ「え?何か言った?」

真姫「なんでもない!」

にこ「マズいわね…1人で抱えるにはちょっと問題が大きすぎるし…」

にこ「また希に話してみて、それからってとこね」

にこ「嘘であって欲しいけど…」ハァ

にこ「あの子が嘘をつくとも思えないわね」

にこ「私たちが知らないのにあの子は知っていた…相当なやり手ね、あいつ」

にこ「よりによって大事な花陽が…ムカつくわね」ギリ

海未「へぇ、あなたが用心棒を?」

穂乃果「そうだよ!すごいでしょ!?」ドヤ

海未「はなよめさんはサツなのに用心棒が必要なのですか…」

穂乃果「まー念には念をって言うから!」

海未「そういうわけではないのですが…場所は何処か聞いてますか?」

穂乃果「フランスだってー!」

海未「ひっ!?海外…?」

穂乃果「そ、そんなに怯えなくても…それにまだ決まったわけじゃないし!」

海未「言葉が通じないじゃないですか!」

穂乃果「そこなんだ…」

海未「スリに気をつけてくださいね。食事中は音を立ててはいけませんよ。なるべく早く現地の日本人に頼ってくださいね。お洒落な帽子を被っていれば風景に馴染めますからね。えーとあとは…」

穂乃果「もう!穂乃果もそこまで子供じゃないよっ!それに後半なんかおかしいよ!最初も最初でスリって…」

海未「そうですかぁ…申し訳ありません」

ドンドン!ドンドン!

穂乃果「わわっ!?窓から!?」

絵里「私のこと、呼んだかしら?」ガチャ

海未「またあなたは…一体どうしてそんなところから入ろうと思ったのですか!」

絵里「こういう登場も、素敵じゃない!?」



穂乃果「知り合いじゃなかったらもうそれただの変態だよ!」

海未「また病院かかりますか?」

絵里「なんか2人とも私への当たりが強くない?」

穂乃果「まぁ…絵里ちゃんだし?」

海未「わ、私はその…あなたのことを思ってですね…」

絵里「ふーん…海未!」

海未「は、はいっ!?」

絵里「優しいのね」ニコ

海未「なっ!?!?///」ズキュ-ン

絵里(相変わらずちょろいのは変わってなくて安心したわ)

海未「あぁぁあああ!破廉恥ですっ!!///」バン! 
 
穂乃果「あっ!海未ちゃんもう帰るの?お土産は…行っちゃった」


穂乃果「絵里ちゃんは?今日はどうするの?」

絵里「泊まらせていただきます」

穂乃果「急だよ!まぁいいけどさぁ!」

穂乃果「ゆっくりしてってね!」

絵里「その対応の早さ、ハラショー!」

絵里「でも本当急で悪いわね」

穂乃果「いいのいいの!やっぱり亜里沙ちゃんとはまだ会わないの?」

絵里「ええ、あの子が自分の本当にやりたいことを見つけられた時に、今度は堂々と顔を合わせたいから」

穂乃果「それがいいかもね。雪穂も頑張ってたから何か手助けしてあげられると思うよ!もちろん穂乃果も!」

絵里「ありがたいわね…とまぁそんな感じで今は目的がないからぶらぶらしてるわ」

絵里「私も見つけなきゃいけないわね!次の私ってやつを」


絵里「そういえばことりから同期が結婚するって聞いたわ」

穂乃果「花陽ちゃんだねっ!いやーおめでたいおめでたい」

絵里「私も呼ばれないかしら?」

穂乃果「やめなよ…絶対修羅場になるから」

絵里「それもそうね、流石に人様のウェディングを邪魔するのはね…ないわ、多分」

穂乃果「最後の方怪しいよ!?」

絵里「いいのよ気にしなくて。とりあえず今日はゆっくりさせてね」

穂乃果「はーいどうぞ!」

-占いの館-

希「えっ?結婚詐欺?」

にこ「らしいのよ…あんたこいつ知らない?」ピラ

希「あーいたなぁそんな人。どっかの社長やない?」

にこ「流石希ね…」

希「でもその人もう捕まったんやなかったっけ?」

にこ「どういうことよ?」

希「ウチが聞いた話やと確か…いつもの手で逃げたけど嫁さんが組長の娘ですぐに親父さんにバレてドラマ缶に詰められて今フィリピン海漂ってるって…」

にこ「ひえっ…聞くだけでも恐ろしいわね…」

にこ「あんたも嘘を吐くとは思えないし…何が正しいのかわからないわねぇ」

希「いや、ウチも聞いた話やし、はっきり言ってマユツバモノやね」

希「気になるんならウチもまたお客さんに聞いとくー」

にこ「ありがと。じゃあ一応これ。いつものお礼よ」

希「おっお饅頭やん!ありがとにこっち」

希「穂乃果ちゃん家のは美味しいからウチ好きよ」

にこ「よかったわ。また頼むわよ!」

希「任しときっ!」

-海未居住地-

海未「はい、どなたで…少し久しぶりですね」

凛「おはよう!少し久しぶり…凛はその表現好きにゃ」

海未「もう今のあなたとは共同の活動をすることはできませんね…いつの間にかあなたも立派に成長しましたから」

凛「えへへ、実はね…」

海未「親友が結婚ですか!おめでとうございますとお伝えください」

凛「うん…でも…凛は素直におめでとうって言えないにゃ…」シュン

海未「確かになんだか友と距離が出来てしまうようで寂しさはありますよね」

凛「ちがうの!」

海未「そうですか…ならばどうして?」

凛「なんかちょっと嫌な予感がするのにゃ…」

海未「なるほど。ふふ、それで私の元へ来たということですね」

凛「こんな曖昧なこと言ってるのに…協力してくれるの?」

海未「先程は今は立場が対極と言いましたが…だからどうしたのだという話です。かつては共に手を取り合って最も危険な仕事したのですから」

海未「今再び助け合うことに何の疑問も持ちませんよ」

凛「海未ちゃん…ありがとにゃ!」



海未「ですが、何もわからないままでは何もできませんから。まずは情報集めが必要不可欠です。とにかく役に立ちそうなことを知っている可能性がある人物を探しましょう」

凛「よーしいっくにゃー!」


海未「そういえば、凛は普段の活動の拠点はどこでしょうか」

凛「凛は世界中だよ!」

海未「ということはICPO(国際刑事警察機構)ですか?」

凛「うん!凛も頑張ってかよちんを守れるようにならなきゃって」

海未「…もうあなたの方が上ですよ」

海未「そうですか…驚きました。国を跨いでで大きな事件や抗争などがあると大抵ICPOは現地警察よりもずっと早くから動いていますから大変でしょう」

凛「そうらしいにゃ。凛はまだまだ新人だからわからないことばっかだけど…怖いこともあるよ」

海未「さて、着きましたよ。ここなら何か知ることができるはずです」

希「あ、いらっしゃーい!今日はお二人さんかな?」



更新遅れて申し訳ないです
今日まで休み無しが故に…

-占いの館-

希「初めましてやね!ウチ東條希。ここで占い師やってまーす」

凛「星空凛!よろしくにゃ」

海未「そnゲフン!…海未です。よろしくお願いします」キリ

希「まあまあそう隠さんでも大丈夫よ」

希「刑事の凛ちゃんに、今はご隠居さんの園田海未ちゃんやね」

海未「なっ!?どうして…」

希「ウチを舐めたらアカンで~?」

希「あ、凛ちゃんにこっちにお饅頭ありがとって言っといて」

凛「えっ?あ、うん…」

希「今日は花陽ちゃんのことで来たんやろ?二人で来るとは思わなかったけど」

凛「ねぇ海未ちゃん…この人何者?」

海未「私に聞かないでくださいよ」

希「こらそこ!コソコソしてるとワシワシするよ~?」

海未「すみませんでした。少し動揺してしまって…」

凛「凛もごめんなさい」

希「謝らんでええよ。それにしても大変なことになったなぁ」

希「花陽ちゃんお相手さんにべったりらしいんよ。いや、別に幸せならそれでいいんやけど…」

希「やっぱかよちんの相手って…」

希「昔は結婚詐欺師で有名やった人からね。自分の企業の妨げになるものを内部から壊滅させるためにあらゆる手を尽くした…もう死んだかと思われとったけど今になってまたいきなり出てきたっちゅうことは何か企んでいるかも」

海未「いつ頃なんですか?式は」

希「ごめん、それはわからんよ。でも花陽ちゃんが望んでいるからフランスの可能性が高いって」

海未「フランス…挙式…用心棒…あっ!?」

海未「繋がりました…」

海未「まずいです。このままだと穂乃果が!」

希「そういえばさっき言ったのこの前貰ったお饅頭、あれ穂むらのだったよ」

海未「そうですか!美味しいですよね…って今はそれどころじゃないです!」

海未「穂乃果が!その結婚式に呼ばれているのです!」

希「海未ちゃんそう焦らんでも」

海未「何故ですか?」

希「焦っても周りが見えなくなるだけや。落ち着いて動かんとなんでもないことが深刻なことに変わっちゃうかもしれないやん」

海未「…その通りです。私がしっかりしなければならないのに」

凛「でも凛は海未ちゃんの気持ちわかるにゃ。凛も…かよちんが酷い目にあうなんて…絶対嫌!」

希「よーしなら決まりやね!」

希「ウチもお二人さんと協力するよ!その方がウチとしても都合がいいし」

海未「チーム結成ですね」

凛「3人で活動するのが一番チームとしては理にかなっているって先輩が言ってたにゃ!」

希「あの子に純白なウェディングドレスを着せてあげんとね…」

希「チーム名はlilywhite!よーしやるでー!」

海未「良い名前ですね!よろしくお願いします」

-新オフィス-

真姫「どう?結構良い場所でしょ?引っ越したのよ」

にこ「頑張ったわね。なかなか厳しかったでしょ」

真姫「まぁ…また色んなとこ回らないと採算取れないけど」ハァ

にこ「そんなあんたに今日は仕事持ってきたわ」

真姫「本当!?あっ…何よ//」

にこ「別に?まぁそれはいいとして」

にこ「かなり大きい仕事よ。本部の私がこうして直々に伝えるんだから」

真姫「勿体ぶらないで早く教えて」

にこ「あの詐欺師の…逮捕よ」

真姫「はぁ…それは私情で?仕事で?場合によってはお断りよ」

にこ「悪いけど、どっちも」

真姫「そう…考えさせて」

にこ「わかったわ。1日待つから、それまでに決めておきなさい」

にこ「言い忘れたけど、報酬はかなり弾むわ。もちろん敵が敵だけにね…」バタン

真姫「私だって変に意地を張るつもりはない。けど…誰かが背中を押してくれないと…」

にこ「ふぅ…あの子どうかしらね。協力してくれれば助かるんだけど」

にこ「う…でも幾ら隠密行動といってもちょっと人数が足りなさすぎるわね…」

パーティーでもするの?それなら私も混ぜてほしいんだけど、いいかしら

にこ「とてもそんなこと言ってる場合じゃ…っ!?」

絵里「ことりがお世話になってるそうね」

にこ「あんたことりとどういう関係よ!?」

絵里「えっと、恋人?」

にこ「ふざけてんの?」

絵里「ふざけてるか?酷ーいことりに言ったら悲しむわね…」

にこ「ちっ…悪かったわ。もういいでしょあんたには関係ないから」

絵里「人手が足りないって聞いたわ」

にこ「はぁ…あんた、どこまで知ってる?」

絵里「ことりの同期の子が式挙げるけどワケありってとこまで?で、あなたがどうにかしたいけど頭数が少ないんでしょ?」

にこ「何もかもお見通しってことね…明日私のとこ来てくれない?合わせたい人がいるのよ」

絵里「いいわ…待って!可愛い?」

にこ「それはあんたがその目で確かめなさいよ!」イラッ

絵里「わかったわ。よろしくね、あっお勘定お願い」ダッ!

にこ「ちょっと待ちなさいよ!はぁ…全く」

-翌日-

にこ「ここよ。入って」

絵里「もう、こんな朝早くにしなくてもいいんじゃない?」

にこ「しょうがないの。あの子夜行性だから昼は寝ちゃうのよ」

にこ「ちょっと待っててよ」

コンコン

どうぞー

にこ「おはよう。どう?決めた?」

真姫「ごめん…私一人じゃどうも決められなくて」

絵里「しっかりしなさい!いくら周りに助けられても最終的にどうするか決めるのは自分自身よ」

にこ「馬鹿っ!まだダメだって

真姫「エリー?」

絵里「久しぶりね、真姫」

真姫「ううっ本当に…よかった」グスッ

絵里「ごめんね心配かけちゃって。奇襲はほどほどにね?」

真姫「もう行かないで!」ダキ

絵里「あら、嬉しい」

にこ「あの…私置いてかないでよ…」

にこ「どういうこと?」

絵里「いろいろあったのよ。それより真姫、どうするの?」

真姫「私も協力するわ!」

にこ「??そう…よかったわ」

にこ「とりあえずこのメンバーで動くようにするわ」

絵里「折角3人組なんだし、なんか良いコードネームみたいのないの?」

真姫「私はなんでもいい」

にこ「しょうがないわね~素敵な名前にしてよ?」キラキラ

真姫「すごく嬉しそう…」

にこ「べっ別にぃ?まぁつけるなら~お洒落な感じがいいわね」

絵里「お洒落…美…あっ!」

絵里「ねぇ!BiBiってどうかしら?」

真姫「良いと思うわ」

にこ「まぁそれなら~にこも納得するかなぁ~?」

絵里「決まりね!私たち3人のパーティネームBiBi!」

一応前作リンク貼っておきます

怪盗エリーの恋泥棒 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1488714467/)


花陽「あのね…プラン立てたんだ!これ、見てくれる?」パサ

ほぉ、いいねぇ流石だ。1ヶ月後か?君が一生で一番素敵な1日になるのは

花陽「も、もう!そんなこと言われたら…照れちゃいます///」

ははは、そういう可愛らしい所が君の良いところだよ

花陽「ありがとうございます!私…今、とっても幸せ!」

そう言ってくれると嬉しいよ

にこ「きぃぃいいい!む・か・つ・く~!」ジタバタ

真姫「ちょっとにこちゃんうるさい」

絵里「ホント良いわね愛って」

にこ「あんたはどっちの味方よ!?」

絵里「愛を突き通す者の味方よ」

真姫「何それ意味わかんない」

絵里「真姫にもいずれわかる時が来るわ!」

にこ「馬鹿言ってないで偵察…ああっ!もう!いないじゃない!!」

にこ「このポンコツ!邪魔するなら報酬無しよ!」

絵里「ちょっと!ポンコツはやめてよ!せめて無能とか

真姫「しっ!静かにして」

真姫「ふぅ…気づかれそうだったわ」

にこ「…しっかりやりましょ」

希「まずは潜入捜査や!」

海未「盗聴器はどうします?」

凛「かよちんが可哀想だから凛はちょっと…」

海未「それもそうですね。やめましょう」

希「ほんなら偵察は?」

凛「それなら良いにゃ!早速忍び込むよ」

凛「よーいしょ…えっ…?」

にこ「あっ…」

凛「にこちゃん何してるの…?」

にこ「あんたこそ…こんなとこで」

絵里「あら、凛!奇遇ね」

凛「えっ?なんで絵里ちゃんもいるの?」

絵里「昨日の敵は今日の友ってとこよ!」

海未「………」ポカ-ン

希「おーい海未ちゃん大丈夫?」

海未「いえ…ちょっと頭の整理がつきません」

真姫「よく状況が掴めないから、一旦離れましょ」

-焼き肉チェーン店-

希「とりあえず大人数で集まるって言ったらここで決まりやん?」

真姫「意味わかんないんだけど」

希「おっあなた顔に悩み事があるって出とるよ」

真姫「えっ本当?」

希「後で占ってあげるで!」

真姫「お、お願いします」

にこ「希!どういうことよ!?」

希「多分、いや、確実に今集まってるみんなの目的は同じや」

希「花陽ちゃんの結婚式の阻止…違う?」

にこ「そ、そうよ。そのはず」

絵里「でも…ちょっといいかしら」

希「あ、えりち!何?」

絵里「正直私はあまり気が乗らないわ」

海未「どうしてですか?あなたはこういう類は許さないでしょう」

絵里「確かに政略的な目的の為に誰かの愛を利用するなんて許せないわ。でもね…」

絵里「その、花陽は…もし私たちが無理やり結婚式をやめさせたり、荒らしたりしたらどう思うかしら?」

絵里「私が言っても何の説得力もないけど…たとえ相手がどんなに罪を犯した悪党だとしても、穏便に挙式を済ます権利が花陽にはあるんじゃないかしら」

絵里「一生に一度の特別な日なのよ。それを

にこ「その特別な日が良い意味じゃないかもしれなくなるのよ」

にこ「私の大事な仲間だからこそ…これっきりは情けをかけるつもりはないわ」

絵里「私たちにとっては敵かもしれないけど!花陽にとっては心から愛する人なのよ!?」

にこ「それくらい私だって痛いほどわかるわよっ!」バン!

希「えりち、にこっちも落ち着いて!」

希「難しい話やけど…凛ちゃん。決めて」

希「一番付き合いの長い凛ちゃんに決定権がある」

凛「凛には…決められないにゃ」

海未「あなたが花陽さんだったらどう思うか…どういう結末を望むかを考えてくださいね」

凛「…結婚式は、挙げさせてあげるにゃ」

にこ「ちょっと!凛!」

希「にこっち!今は我慢!」ガシ

凛「でも…やっぱ悪い奴は絶対に許さないにゃ!だから」

凛「凛に…あいつの目の前で今までの悪事を暴く時間をください!」

凛「みんな!凛の一生に一度のお願い聞いてほしいにゃ!」

絵里「土下座までされちゃったら…やるしかないわね!」

海未「私は最初からあなたの判断に任せると決めていますので」

真姫「無茶しないでよ?」

にこ「ったく…しょーがないわねー!」

希「ふふっ決まりやん?」

凛「みんな…ありがとう!かよちんには悪いけど…あいつは地獄に落としてやるにゃ!」

にこ「猶予は1ヶ月よ!それまでに徹底的に準備しておくこと!多分相手が相手だから当日…いや、もしかしたらその前にもそれなりにドンパチ起こるのは間違いないわね。全員死ぬんじゃないわよ!」

絵里「1ヶ月ね…何するの?」

にこ「調べんのよ!奴のこと」カタカタ

絵里「あなた職務は?」

にこ「部下に任せたわ。たまにはいいのよ」

絵里「税金泥棒ね…余計嫌いになったわ」

にこ「私だってあんたのこと大っ嫌いよ。反吐が出るほどね」

絵里「悪態を吐いてる時の顔、私結構好きよ」

にこ「あっそ!真姫にでも言ってやんなさい!」

絵里「また怒っちゃった…嫌ね。公務員は変なとこ真面目なんだから」

絵里「真姫!遊びましょ!」

真姫「なっ何?もう…」

絵里「にこが構ってくれないのよ」

真姫「だかららって私のとこ来ないで!…っ!?もう!近いって///」

にこ「…よしっ!決めたわ!」

にこ「怪盗エリーの囮作戦!」

絵里「ごめんって!流石に悪ふざけがすぎたわ」

にこ「いいのよ。もうあんたなんかに期待してないから」

絵里「私が悪かったわ。ごめんなさい。ホント囮はやめてよ私結構怖がりなんだから…」

真姫「装備考えとく…はぁ…また密輸ね…」ズゥン

にこ「私が黙認してあげるんだから、頼むわよ。こんなことあんたにしかお願いできないの」

絵里「バカね…そういう時のエリーチカじゃない?」

にこ「あんたに何が出来るっていうのよ」

絵里「30丁でいい?1週間あれば用意出来るわ」

にこ「…言ったわね、約束よ。もし出来なかったら?」

絵里「もしもは欲しくないわ。私はもっとが好きよ」

絵里「幾つ増えるか賭けでもしてなさい!じゃあね、ここからは私ちょっと一人で動きたいから」

にこ「ったく…信用できるかしら」

凛「あれで…よかったのかな」

海未「何を言っているのですか。結果良いか悪いかはあなた次第なんですよ」

海未「もちろん私たちも最善を尽くしますが」

凛「そうだよね…ごめん。凛がしっかりしないと」

希「そんなことないで」

希「海未ちゃんの言うことも正しいけど、どんな人もずっと頑張り続けるのは不可能や。だからたまには誰かに弱音を吐いたってええんよ」

希「人間一人では生きていけないから気づかないところで誰かに寄り添って支え合って生きているんよ、それは当たり前だと思っていても大丈夫。やる事なす事全てにありがたみを感じる必要も、隅々まで厳格にする必要もないんやから、もっと気楽にいこ?」

凛「そっか…ありがとう希ちゃん!」

希「うん!だから海未ちゃんもたまには力抜いて生きなよ」

海未「そうですね、わかりました。私も気をつけなければ」

希「だからそういうところが堅いんよ…」

海未「あっそうですよね…」

海未「そういえば凛、あなたはやはり仕事として今回タマを追うのですか?」

凛「うん!凛たちは普段は極秘で捜査したりするから、今回の件もその手の理由にすれば大丈夫にゃ」

希「よかった。みんな急な集会も問題なさそうやね」

海未「私は武器を揃えます。昔のツテでどうにかなると思うので」

希「ウチはお店にいるからいつでも来てな!常に情報網を広げてるから」

凛「二人とも、よろしくにゃ!」

穂乃果「1ヶ月後に決まったんだね!楽しみ~!」

ことり「あはは…私たちは楽しむものではないから…」

穂乃果「ええーっ?ことりちゃんも警備?」

ことり「うん!だって穂乃果ちゃん一人じゃ可哀想だし」

穂乃果「ことりちゃん…駄目だよっ!」

ことり「へっ?」

穂乃果「ことりちゃんは招かれた側なんだよ?だから楽しむのが相手に対する礼儀だよ!」

ことり「そう、だね。間違ってた。ありがとう穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ううん、いいのいいの!」

ことり「でも穂乃果ちゃんもちょっとはご馳走頂いてもいいんだよ」

穂乃果「本当?やったーーー!」

穂乃果「やっぱり楽しみ!!」

ことり「ふふ、いつも元気で穂乃果ちゃんは太陽みたい」

前文読み返しやすいからここで書いてますがやはり渋の文字数わかる機能は神ですね

穂乃果「えへへ、この前は絵里ちゃんで今日はことりちゃんが泊まりに来てくれて、最近ずっと楽し…ん!?どうしたの?」

ことり「おかしいなぁ…絵里ちゃんね、この前ことりと二人で食事の約束したはずなんだよ」

ことり「ことりはすっごく嬉しかったんだよ。すっごく楽しみにしてたんだよ」

穂乃果「ごごごごめんなさいっ!」

ことり「穂乃果ちゃんは全く悪くないの。じゃあ、誰が悪いのかなぁ?」

穂乃果「怖っ…まるでゼウスに怒りを露わにした時のヘラみたいな顔…!」

ことり「悪い人は、ことりのおやつにしちゃうぞ」

穂乃果「あわわ…」

ことり「…なーんて、冗談!」ニコ

穂乃果「ホント?よかったぁ~」ヘナヘナ

ことり「でも、絵里ちゃんが約束破ったのは本当だよ?」

穂乃果「ええっ?それ絵里ちゃんに言わなきゃ!酷いよっ!」

ことり「うん、許さない」

穂乃果「っ!?やっぱり本気だ…」

-真姫新オフィス-

真姫「ここは自由に使っていいから」

にこ「ありがと…ねぇ、絵里のやつ、どう思う?」

真姫「私は50丁だと思うわ」

にこ「うわっ…そんなに信用できる?」

真姫「エリーはやると言ったらやるわ。たとえ死んだとしてもね」

にこ「ちょっと!いくらあいつでも死なれては困るわよ!?」

真姫「だから例えばの話じゃない。それにエリーは絶対に帰ってくるわ」

にこ「まああんたがそこまで言うなら私も信じてやってもいいけど?」

真姫「ねぇ、にこちゃんはどうするの?」

にこ「ん?何を?」

真姫「賭けよ。私は50に入れるから」

にこ「警察に賭け事は厳禁よ!たまの休みにパチスロ行くやつとか結構いるけど自分の仕事に自覚持ってるのかしら」

真姫「そういうにこちゃんも今絶賛職務放棄中じゃない」

にこ「揚げ足取るんじゃないわよ!」

にこ「…私45で」

真姫「覚えておくわ」クスッ


-三森組-

海未「久しぶりですね」

三森「おう、”小野田”か!生きてたのか。最近どうだ?」

海未「絶好調です」

三森「そりゃよかった。今日は何しに来たんだ?」

海未「折り入っての頼みなのですが…」

海未「マルジ狩りにパチンコお借りしてもよろしいでしょうか」

三森「おう!幾つだ?」

海未「6で。利子付きます?」

三森「馬鹿野郎お前には世話になったからな。金は取らん!返さなくていい」

海未「ありがとうございます。使用後は?相変わらず墓地ですか?」

三森「いや、もうそんなことわざわざする奴ァいねぇな」

海未「そうですか。では処理はまた考えます」

三森「おう!気をつけろよ!最近やたらうるせぇからな!」

-飯田商店-

店主「へいらっしゃ…お!”由未”ちゃんか!久しぶりだねぇ」

海未「ふふ、お久しぶりです。今日はお願いがあるのですが」

店主「お、なんだい?」

海未「黒星6丁」ボソ

店主「…あいよ。なんだ、まだ血を啜ってんのかい?」

海未「そんなものではないですよ。ふふ、あなたも悪だと隠しきれてませんね」

店主「ったく勘弁してくれよ~今は素面で通してんだからよ!」

店主「内緒だぜ?」カチャ

海未「他言するわけないじゃないですか」

海未「ありがとうございました」ペコ

海未「次は楠田です!」

海未「次!徳井!」

海未「最後は久保です!」

海未「これで予定通り30丁集まりました!」

海未「…私は何をしているのでしょうか。やはり完全に足を洗うことは不可能ということですね…」

海未「テメーのケツはテメーで拭けと、それは当たり前ですが、人に囲まれてる時間だけは心が少し安らぎました…」

海未「今の私といえば…表にも裏にも完全に身を置くことができていなくて」

海未「どこかひとりぼっち…」

海未「寂しい…」ポロッ

海未「うっ…駄目です…こんな場所で」ポロポロ

海未「はぁ…帰りましょうか」


海未「……」ガチャ

海未「帰ってきて、おかえりと言ってくれる…暖かい家庭というのはどれほど幸せなのでしょうか」

海未「ポストに何か入っていますね…何でしょうか」ゴソ

海未「…!?絵里から?」

絵里『この前海未が作ってくれたザッハトルテを再現してみたわ!今度会う時に感想聞かせてよ」

海未「ふっ…こんなの…手渡しでいい…じゃないですか…」

海未「いつも大胆なくせしてどこか照れ屋ですから…」

海未「グスッ美味しい…美味しいです!」ポロポロ

海未「こんなに小さいものでも…心は満たされるのですね」

海未「ふふっ人って不思議な生き物ですね」

海未「そろそろ希の元へ向かいましょうか」

海未「もうつらくても泣きませんから!独りぼっちは卒業です!」

絵里「時間があるからまた寄ってみたけど」

絵里「改めて見ると和洋折衷でなかなか素敵じゃない」

絵里「花陽…」

絵里「あら?ここ聞こえるわね」

で?式終わったら幾ら入る?

今算出中でございまして

わかってるな?10倍だぞ

重々承知しております

絵里「聞~ちゃった、聞~ちゃったお宝目当ての結婚式!」

絵里「ふふっ私がいるとも知らずにねっ!」

絵里「さーてそろそろ仕事に移りましょ」

絵里「ノルマ幾つだっけ?忘れちゃった」

絵里「まぁ、80は用意しとけば文句はないわよね」

絵里「ルートだけは確立しておいて…後は現場任せと行きましょ」

-BiBi活動拠点-

にこ「あと4日ね。あいつ今何してるのかしら」

真姫「意外とせっかちね。運気が逃げるわよ」

にこ「もしかしてあんた、希に何か仕込まれたんじゃないでしょうね?」

真姫「そんなことない!」

にこ「ふーんならよかったわ…」

真姫「ねぇ、あいつらの規模わかる?」

にこ「さぁ?少数精鋭かも無数の軍団かもわからないわ」

にこ「なに?びびってるの?」

真姫「べ、別に?気になっただけよ」

絵里「ただいまー!」バタン!

真姫「お疲れ様。どうしたの?」

にこ「もうあと4日しかないけど?」

絵里「終わりよ。はい、開けなさい」

真姫「ちょっと何?このコンテナ…」

絵里「私は一度盗むと決めたら腕がもげようと持ち帰るわよ。ほら、見てよ」ガバッ

真姫「うそ…すごい…」

にこ「79…80…81丁あるわ…あんた…どこでこんなに?」

絵里「なに、簡単な話よ!ちょっと輸送前のモノを幾つか頂戴しただけ。管理が甘くて楽だったわ。ざっと80と見積もってたけどほぼ丁度だったわね」

にこ「これは流石というべきね…あんたのこと舐めてたわ。ごめん」

絵里「私は天下の怪盗エリーチカよ?これくらい造作もないわ」

にこ「早くも武器は揃ったわね。弾も大体2000~3000の半ばくらいあるし。後は…」

絵里「ある程度事前に敵の数を減らす…違う?」

にこ「その通りよ。あんまり騒ぎ起こすと面倒だから…どうしましょ」

真姫「相手の棲家ごと消せばいいんじゃない?」

にこ「それが出来れば苦労しないわよ!せめてスパイでも送れたらいいんだけど…」

真姫「顔が割れてなくて尚且つ緊急離脱出来る人なんてなかなかいないわ」

絵里「先に言っとくけど、私はやめてよ?」

にこ「わかってるわよ。困ったわね…」

真姫「とりあえず向こうの3人にも連絡してみるのは?」

絵里「それがいいわね。また集めましょ」


-焼き肉-

希「はーいみんなご苦労さん!で、今日は何やったっけ?」

にこ「あいつらの情報が足りないわ!そこで誰か潜入してもらいた…ちょっとそれ私の焼いた肉!」

凛「ふっふーん早い者勝ちにゃ!」

にこ「きぃーっ!凛のクセに生意気よ!」

真姫「もう、静かに食べなさいよ…」

海未「心中お察しします」

真姫「あ、どうも…えっと海未だっけ?」

海未「はい、真姫ですね?面倒な二人に挟まれて大変でしょう」

真姫「そうね…うるさいけど、ちょっとだけ楽しい…かも?」

海未「そうですか、それはよかったです。お互い頑張りましょう」ニコ

真姫「まともな人がいてよかったわ」

希「ほらほらお二人さん!沢山食べな、元取れんで?」

海未「私たち何のために集まったんでしょうか…」

真姫「…私知らない」ハァ

絵里「腹が減っては戦はできぬって言うじゃない?スタミナ付けておけってことよ」モグモグ

凛「あー!にこちゃんフライングにゃ!」

にこ「ふん!これはミディアムレアよ!」

ワ-!ギャ-!

絵里「こんな時間がいつまでも続けばいいのにね…」

-結婚前夜-

花陽「なんだか…ドキドキしますね///」

そうだな

花陽「私はもう明日に向けての準備はバッチリですから!」

そうか、私もだよ…ニヤ

花陽「?そうですか!ふふっ…楽しみ…」

花陽「今日は…一緒に寝ませんか?」

ああ、もちろんだよ

花陽「ありがとうございます!ほわぁ…あったかい…

絵里「花陽…」

絵里「…本当に、やるのね」

凛「うん、これ以上かよちんが不幸になっちゃうのは凛が許さないにゃ」

にこ「曲がりなりにも私たちは警察だから…ここで悪を見逃すわけにはいかないのよ」

絵里「私のことは見逃すクセに?」

希「ならウチが呼んであげる?」

絵里「いえ、遠慮しておきます」

真姫「ふざけてないで、配役するわよ」

海未「最も動き回れるのが立場上にこと凛でしょう。2人とも、最前線での活動になりますがよろしくお願いします」

にこ「まぁ止むを得ずってトコね。わかったわ、任せなさい」

海未「援護は私と真姫で行います。主ににこと凛のサポートや緊急時の狙撃を担当します。敵の勢いが想定を上回った場合私も前に出ますので」

真姫「なるべく面倒ごとは少なくしなきゃね」

にこ「あんた、大丈夫?」

真姫「別に大した問題はないわ。こんなの慣れっこ」

海未「希は当日は指令塔です。人を動かすことに長けるあなたにしか任せられません。全員に指示を飛ばすことは大変ですが…おねがいします」

希「よっし任せときっ!」

海未「そして最後に絵里ですが…」

海未「あなたはわからないので好き勝手暴れてください」

絵里「何よそれ!どういうこと?」

にこ「あんた次第でどうにでも状況を転がせるってことよ」

絵里「…ふふっわかってるじゃない」

絵里「信用してくれるの?」

にこ「…成功するまでね」

海未「以上で役割の通達は終わりです。疑問はありますでしょうか?」

凛「大丈夫にゃ!やるよ…!」

海未「では、今日は早いですが解散とさせていただきます。各自当日まで好きなように過ごしてください。ただし!遅刻は厳禁ですよ!?」

海未「では、私は用事があるので先に上がらせていただきます。お疲れ様でした」

希「は~いお疲れさん」

にこ「さてと、私たちも明日に備えてそろそろ支度しましょ」

にこ「あっ…でもその前に…」

にこ「真姫!先に絵里と帰っててくれない?」

真姫「わかったわ。でも早くしてよ?」

にこ「悪いわね、お願い」

にこ「ちょっと話したいことがあって…いい?」

希「どうしたん?」

にこ「あの海未って子のことちょっと気になったから調べたわ…」

希「そうなんや、驚いたやろ?」

にこ「ええ…ホントびっくりしたってもんじゃないわよ!確かに、今日も全員をまとめてるの見て戦闘スキル以外にリーダーシップもあるんだ、とか思ってたけど…」

にこ「よく考えたら当然といえば当然よね」

にこ「海未は元内田組の幹部なんだから」

にこ「しかもあの子…昔いろんな組渡ってた…普通おかしいじゃない?」

希「指詰めろっていうトコもあるしなぁ」

にこ「今はもうどっかで隠居してるっぽいけど…あいつらの決まりだったら絶対あんだけ跨いだら生かしておかないわよ」

希「それなんに誰も手を出さず、特に問題なく生きてるっちゅうことは」

にこ「相当強いわね…規格外よ」

希「まぁ、ウチらのチームには常識…普通なんて通用せんって!」

希「規格外の経歴の持ち主に、世の中を騒がせた大泥棒。そんな悪~い人たちと協力する本部の警察と、ICPOもおるし、大企業の大悪党の娘、何度も命狙われた占い師…ほら、トンデモ集団なんよ」

にこ「…そうね、よく考えたら全員頭おかしいわね。個性強すぎる集まりねぇ…」

希「だから明日は、なんとかなるって!」

にこ「ふふっ頼むわよ?」

希「もっちろん!」

海未「やはり心配です…電話入れましょう」プルルル

穂乃果『あーもしもし海未ちゃん?どうしたのー?』

海未「もう着きましたね?」

穂乃果『うん!すっごくお洒落な街で、ことりちゃんとお揃いの服を買ったんだ!ん?あっ…ごめん…』

海未「別にいいんですよ、後でお店教えてください」

穂乃果『えっ?教えたところで

海未「とりあえず、スタバに行ってください。近くに彫刻のある店舗です」

穂乃果『ええっ!?それってここから近く?』

海未「そうですよ。ことりもすぐそばにいますよね?」

穂乃果『うん、いるよ!代わる?』

海未「いえ、大丈夫です。とにかくなるべく早めに行ってください」

穂乃果『うん、わかったよっ!でも…どうして?』

海未「それも後で伝えますから!」ピッ

-スタバ-

穂乃果「なんか海未ちゃんがここに行ってって」

ことり「うーんなんでだろ?」

海未「お疲れ様です。急な連絡で申し訳ないですが」

穂乃果「えっっ!?なんで海未ちゃんがここに?」

海未「実は3日程前から滞在しています」

穂乃果「またまた急だね…なんで?」

海未「実は今日来てもらったのもそれを伝えるためなのです」

海未「私…いえ、私たちは」

海未「花陽さんの結婚式で一仕事しなければなりません」

穂乃果「…どういうこと?」

海未「極端な話、邪魔させてもらいます」

穂乃果「それは…それは人としてどうなの?何がしたいの?海未ちゃん!」

ことり「穂乃果ちゃん!待って!」

ことり「何か理由があるってことだよね?そうだよね、海未ちゃん」

海未「ええ、実は…花陽さんのお相手の方なのですが…」


ことり「えっ…え?その話…確証は?」

海未「あなたの周りの人はもう知っています。凛やにこ、希、それに絵里も…確認しますか?」

ことり「ううん、大丈夫。そんなにみんな関わってるってことは、事実なんだよね…」

穂乃果「………ごめん!」ガバッ

穂乃果「また穂乃果が早まっちゃった!何も聞かずに…」

海未「仕方のないことです。実際私たちの計画は許されざるものですから」

ことり「大変なことになっちゃったね…」

穂乃果「穂乃果たちはどうしようか?」

海未「他のご来賓の方々にケガがないように誘導と、いざとなったら救援をお願いしたいのですが」

ことり「協力するよ!こんなの…放っておかない!」

穂乃果「穂乃果も!やれることはやるよ!」

海未「では、お願いします」

-早朝-

絵里「ちょっと早過ぎじゃない?まだ眠い…」

にこ「今日だけだから我慢しなさい。シャンゼリゼまで行くんだから」

絵里「私知ってるわよ。ここから2時間ちょっとで着くって」

にこ「うっさいわね!仕込みの為なの!」

絵里「そんなの昨日終わらせたじゃない!」

真姫「もう、静かにして」

真姫「希から連絡が入った時すぐに対応出来るように早めの支度でしょ?しょうがないわよ」

絵里「定番の流れでいくなら10時始まり12時ランチ、そこからガヤガヤしてて気がついたら19時にディナーでしょ?もう…」

にこ「言われてみれば確かにしんどいわね…約10時間監視ってことになるわ」

にこ「まぁそこんとこは美味しいもの食べれるからチャラにしましょ」

絵里「チョコフォンデュとかあるのかしら…うーん暇なのに食べ物の話なんてしないでよ!お腹空くじゃない!気分変えたいから音楽かけましょ」カチャッ
フ-ンフフ-ン

真姫「そういえば…エリーあんなにあった銃は?」

絵里「あっ…」

絵里「忘れてきた…」ガチャン

にこ「こんのぉ~馬鹿っ!なんのための予備よ!結局30丁しかないじゃない!」

にこ「アホ!無能!ポンコツ!!」

絵里「だ、大丈夫よ。初めて海外で一仕事した時は弾12発しか使わなかったわ」

真姫「意味わかんない…」

絵里「音楽再開しましょ」ポチ

海未「凛…緊張していますか?」

凛「うん、ちょっとね…自分の判断で犯人を捕まえるのは初めてにゃ」

海未「今は立場を取り払って普段では有り得ない組み合わせで協力していますから、職務だと重く捉える必要はありませんよ。あなたはあなたの与えられたこのチームでの役割をこなせばいいのです」

凛「海未ちゃん…ありがとにゃ!」

希「うん…はいね、ありがと!またよろしく~!」ガチャ

希「動きがあったみたいやね。ウチらもそろそろ会場行こっか」

海未「わかりました。では、私と希で潜伏、凛は普通に中へ入るということで!」

凛「了解にゃ!」

-式場-

穂乃果「ここかぁ!お城みたいで素敵っ!」

ことり「こんなところで愛の誓いをするなんて、まるでお伽話のプリンセスだね!はああ…良いなぁ~」

穂乃果「穂乃果たちはここで待機していればいいのかな?」

ことり「スタッフから指示があるみたい。もう少し待ってようか」

穂乃果「うん!あっもしかしてそのスタッフさんたちはフランス語?どうしよう!やっぱり海未ちゃんの言ってた通りフランス語覚えてくれば…」

ことり「みんな日本語話せるって言ってたから大丈夫だよ!」

穂乃果「そっかよかったぁ…」

穂乃果「ああー風が気持ちいい…暖かい春風に吹かれてオシャレな街でゆっくりするのもいいよねぇ」

穂乃果「ねぇことりちゃん、春ってフランス語でなんて言うのか知らない?」

ことり「春かぁ…ええっと…printempsだね」

穂乃果「へー!素敵な名前だね!じゃあ、穂乃果とことりちゃん2人合わせてチームprintemps!」

ことり「チーム名かぁ…考えたことなかったよ。良いかも!」

穂乃果「でしょでしょ?」

ことり「うん!あっスタッフさんが来たよ!よろしくお願いします!」

穂乃果「よろしくお願いしますっ!」

-式場-

花陽「うう…緊張してきちゃった…」

花陽「挨拶は…大丈夫、ヒールも変じゃないし、えーとえーとあっ!ネイルが…でもそれより!ドレス…どうです、か?」

とても綺麗だ。まるで天使、いや、女神のように美しいよ

花陽「えへへ//なんだかあなたと一緒なら安心します」

さぁ…始まるよ。君が主役の舞台が

花陽「はい…それはきっと、一瞬だけど永遠の時間…なんですよね」

---では、新郎新婦様のご入場ですー!

-式場-

凛「わぁ!かよちん…綺麗にゃ…」

にこ「ホントねぇ…恋する女は輝いているわよねぇ」

凛「うん……」

にこ「何度も言ってきたけど、決めたのはあんたなんだから、後悔だけはするんじゃないわよ?」

凛「わかってるよ。わかってるけど…あまりに幸せそうな顔してるから…」

にこ「…バカね」

にこ「グスッそんなの当たり前じゃない!」

凛「にこちゃん…泣いてる?」

にこ「泣いてないわよ!そういうあんたこそ何?目赤いんじゃないの?」

凛「ち、違うにゃ!これは昨日結膜炎になっちゃって…」ポロ

にこ「腐っても人間なのよ。私たちも…」

にこ「行きなさい、凛」トン

----それではここ…陽様へお祝…お言葉…星空凛さん!

凛「にゃ!?は、はいっ!」

凛「えと…その、星空凛役の星空凛…です」

クスクス…ナニアレ-?

にこ「しっかりやりなさいよ」

凛「うん、えーかよちん…花陽さんは、いつも可愛くてふわふわしてます」

アハハハ!

凛「えーとアイドルの知識がすごいです。あと頭も良いです」

花陽「ちょっと凛ちゃん恥ずかしいよ///」

凛「あとすごく恥ずかしがり屋さんで、少し引っ込み思案なところもあります」

凛「でも、悪い人を許さないという正義感と人への優しさは誰にも負けません!」

凛「そんな素晴らしい私の友達のお相手は一体どれほど素晴らしいのだろう、と思って調べさせてもらいました!」

ザワ...

凛「統堂さんは有名な統堂グループの2代目で、初代社長を務めたお父様よりさらに企業を大きくするようにいろいろな方法を考えました」

ザワザワ...

あの子は何を言っているんだ?

凛「結婚詐欺グループとして数々の女性を騙し、自分たちの企業の妨げになる他社の廃除、それから…

あのクソガキ…!

花陽「り、凛ちゃん…?何を言ってるの?…っ!?あなた!どうしたの?そんなに暑くないはずだけど」

誰か!誰かあいつを止めさせろ!

にこ「かしこまり~!警備員さ~ん!」

強襲部隊は何処だ?追え!一人残らず捕まえろ!

花陽「えっえっ?どういう…こと…」

ダダダッ!

つまみ出せ!あの星空とかいうクソガキとそこの黒髪のガキだ!

凛「こっちまーでおーいで!」

統堂「撃て!多少被害が出ても構わん!」

ワ-! キャ-!

統堂「二度と立てなくしてやれ!」

花陽「あなた…これは?」

統堂「うるさい!来い!」

花陽「きゃっ!引っ張らないで…

バリ-ン!

真姫、ありがとう!

べ、別にいいのよこれくらい…

統堂「なんだおまえは!?」

絵里「ふふっ泥棒です。こんにちは、花嫁さん」

絵里「それと…地獄帰りの花婿さん?」

絵里「そろそろ化けの皮を脱いでもいいんじゃない?」

統堂「貴様…ふん、いいだろう」バッ

花陽「えっ…嘘…でしょ?ねぇ!嘘って言って!」



統堂「英玲奈だ…初めまして」

絵里「私もビックリよ」

絵里「まさかあの結婚詐欺師が実は女でした、だなんてね」

花陽「誰か…助けてぇ…」バタッ

絵里「花陽っ!しっかりしなさい!」

絵里「ねぇあなた…少しでも花陽のこと、好き?ううん、好きとは言わなくてもいいの…じゃあ、大事に思ってる?」

英玲奈「ふ、これっぽっちも思っていないな」

絵里「聞かれなくて良かったわね」

絵里「でも、言ってくれて嬉しいわ」

絵里「これで私も情けをかけなくていいから」

ズドンッ!

ぐっ!?なんだこいつら…

にこ「ただの荒らしよ…あんたら悪い奴らのね」

ことり「捕まえちゃいます!」パコ-ン!

こいつ…[ピーーー]っ!

バキュン!

ことり「きゃっ!?」

うっ…

ドサ...

真姫「あっ!当たった!?」

にこ「やるじゃない」

真姫「と、当然でしょ?」

ズバッ!

ぐはぁ…

穂乃果「峰打ちだよっ!」

海未「穂乃果、また腕を上げましたね」バキッドカッ!

ドサ...

穂乃果「流石海未ちゃん!強すぎる…」

ツ-ツ-

希『みんな、なんか強そうな人たちがそっち行ったよ!』

遊びはここまで、雑魚相手じゃ失礼だった?

うふふ、久しぶりに倒し甲斐のあるそうな子たちね

海未「…?知らない顔ですね」

にこ「何なのよあんたたち!」

ツバサ「綺羅ツバサと

あんじゅ「優木あんじゅよぉ?」

ツバサ「一匹残らず消してあげる」

バンッ...

絵里「東京湾に沈めたのは影武者ってことね」

英玲奈「ご名答。ふ、彼は今頃どうなっているのだろうか…少し気になるなぁ」

絵里「泡にでもなったんじゃない?」

英玲奈「泡といえば、人魚姫の話が有名だが、人が泡になるというのはおかしな表現ではないらしいな」

英玲奈「人間を土に埋めてしばらくしてから掘り起こすと泡となっている…なんでも昔は人間で石鹸を作っていたと聞いているが…」

英玲奈「貴様も薄汚い石鹸にしてやろうか?」

絵里「生憎私は使われる側じゃないのよっ!」ドキュン!

英玲奈「君のことはよく知っている。怪盗エリーと名乗り日本中の珍品秘宝を盗み出した小悪党だな。貴様があの美術館を荒らしてくれたおかげで私の取引先が一つ減ってしまった」

絵里「そう、それは残念ね」

英玲奈「ああ、とても残念だよ。大変な損害が出て回収が非常に困難だった」

英玲奈「だから貴様にはこの場であの時の分の恨み晴らしとさせてもらおうか」

絵里「過去をネチネチと気持ち悪いやつね。お断りするわ」

英玲奈「貴様の四肢を頂こう」

ジョキッ!

希「えりち大丈夫かなぁ…あのサイコパス相当強いやろなぁ」

希「ウチも何かしてあげたいけど…」

希「とりあえず安全の確保やね!」

希『凛ちゃん!えりちのいるフロアに花陽ちゃんもいるから助けてあげて!巻き込まれたら大変や!』

凛「了解にゃ!かよちん…ごめんね、今行くから」


海未「数的優位をつくりましょう!常に数で押せば大丈夫です!」

穂乃果「わかった!常に2対1だね!」

にこ「目離すんじゃないわよ?」

真姫「手伝いくらいしか出来ないけど…」

ことり「ことりもいます!」


ツバサ「何人いようが…一瞬で終わらせてあげる!」

あんじゅ「その前に、分断しなきゃ」ポチ

バクゥン...

穂乃果「わっ!?」

ことり「床が開くなんて…!」

真姫「聞いてないわよ!」

にこ「みんなっ!?」

ツバサ「隙ありっ!」ズバッ!

海未「はっ!」ガキン

にこ「っ…!ごめん…」

ツバサ「そんな果物ナイフよりちゃっちい刃で止めるなんて…やるじゃない」

海未「穏やかに暮らしたいのですから…法に触れない刃渡りの物しか持ち歩きませんよ」

にこ「クソ真面目ね…それがどうして…いや、だからこそか」

にこ「確保ーっ!」スカッ

ツバサ「馬鹿ね。そんなスローモーションみたいな動きで捕まるとでも?」

海未「本当に無理でしょうか?」ガシ

ツバサ「なっ…!」

海未「チームワークという武器はどんな鋭利な刃よりも強靭な槍となり、敵を穿ちます」

海未「さて、この後どうしましょうかね?」ニコ

ツバサ「この…!」

にこ「流石ね、やっぱ只者じゃないわ、あんた」




あんじゅ「あーんもぅ、3人もネズミの掃除するの疲れるわぁ~」

ことり「あれ?一瞬で片付けるんじゃなかったのかなぁ?」

あんじゅ「…何~?」

ことり「一瞬で終わらせるなら、疲れないよね」

ことり「ほ、ほら、やってみてよ!」

ことり(相手の揺さぶりだよね、絵里ちゃん)

あんじゅ「言ってくれるじゃない。あなたからやってやるわぁ」クルクル

ことり「うん、どうぞ?」

真姫「何してるのよ!」

穂乃果「………」

あんじゅ「なら、お構いなく~」

穂乃果「待って、ことりちゃんは私がトドメを刺す」

真姫「は?何言ってんのよ!?」

あんじゅ「あ~ら仲間割れしたの?」


穂乃果「ほら、私たちじゃあなたには勝てそうにないから、先に身内で自滅しようと思って」

あんじゅ「ふ~ん面白いじゃない!」

穂乃果「真姫ちゃん、そのロープでことりちゃんの腕を縛って」

真姫「意味わかんない!どういうつもり!」

穂乃果「今は従って!」

真姫「こんなの納得出来ない!3人でやれば………わかったわ」

あんじゅ「同士討ちなんて滅多に見られないわぁ。嬉しいわね」

ことり「………」ゴクリ

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