キャンディアイランドの一貫して毒にも薬にもならないおしゃべり (26)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります



-----事務所-----

ガチャ
智絵里「……おはよう……ございます」

かな子「おはようございますっ!」

杏「まーす」

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智絵里「えぇと……今日は次のCDについてのインタビューと、とときら学園の収録があるんだよね……?」

かな子「そうだね。今日も一日、頑張っちゃおう!」

杏「うっ」パタリ

かな子「あ、杏ちゃん!?」

智絵里「わわっ! だっ、大丈夫!?」

杏「……杏、『頑張る』っていうワードを聞くと、発作が起きるんだよ……」

かな子「……って! ちょっと、そういう冗談はやめてよっ! 心配しちゃうじゃない」プンスコ

杏「んー、ごめんごめん」ムクリ

智絵里「もう、杏ちゃんったら」

杏「仕方ないなぁ……倒れない程度に、がんば……あっ」

智絵里「あっ。今、自分で『頑張る』って」

かな子「……言いそうになったよね?」ジー

杏「気のせいだよ、気のせい」

かな子「ふふっ。杏ちゃんは、不言実行タイプだもんねー?」

杏「デキる女は背中で語る、ってね」ドヤァ

智絵里「おなかには、『寝転ぶとすげー楽』って書いてるけど……」

かな子「あはは……相変わらず、個性的なファッション、だね……?」

杏「ふふん。杏は個性の嵐を起こすよ」

杏「……二人もするでしょ? 寝転がりながらマンガ読んだり、テレビ見たり。ポテチ片手にさ」

智絵里「え、えっと……ポテチ以外は、私も家でならやってるけど……」

かな子「うん」

杏「で、そのまま気が付いたら寝落ちしてるんだよね」

かな子「それは……あるかな?」

智絵里「私は……お布団に入らないと、落ち着いて寝られないから……」

杏「……マジか。これ万人共通の文化だと思ってたよ」

かな子「……寝落ちって、文化なの?」

杏「『寝る子は落ちる』って、諺もあるんだし」

かな子「それを言うなら、『寝る子は育つ』でしょ?」クスクス

杏「いやー、それに関しては、実際よく寝てる杏がまるっきり育ってないんだから、信憑性に欠けるよね」

かな子「それはほら……個人差じゃない?」

杏「あぁ……。CMの画面端に小さな文字で、『効能には個人差があります』、みたいな」

智絵里「お薬とか、サプリメントとかで見ますね、それ」

かな子「『良薬は口に苦し』……でも個人差があります。なんてね」

杏「『石の上にも三年』……でも個人差があります。的なね」

かな子「人によっては、四年かかったり、二年で終わったりするのかな?」

杏「逆に、人によっては石じゃなくて座布団とかでもOKなんだよ」

かな子「かなり難易度下がるね……」

杏「ま、そもそも杏的には、石の上にどうこうってよりも、『棚からぼた餅』、みたいな話のほうが好きだけどね!」ドヤァ

かな子「ぼた餅、美味しいもんね」

杏「ほんと、甘いものは正義だよねー」

かな子「わかるよぉ! ねっ、智絵里ちゃんっ!」

智絵里「あっ、うん。……私も、好きですよ。甘いもの」

杏「……」ジー

杏「ねぇ、智絵里ちゃん?」

智絵里「は、はい」

杏「なんか今日、元気無いっぽい?」

智絵里「……ふぇっ!? そ、そう見えますか?」

杏「んー、なんとなく……いつもより口数も少ないしさ」

杏「いや、杏の気のせいならいいんだけど」

かな子「言われてみれば、そうかも……。智絵里ちゃん、何か困ったことでも、あった?」

智絵里「い、いえ……そういうわけではなくて、そんな、大したことじゃないから……」ゴニョゴニョ

かな子「でも……」

杏「まあ、アレだよ。別に、プライベートなことなら深入りしようとは思わないからさ」

杏「ただ、そーゆーのって一人で抱え込んでると重たくなる一方だよ?」

かな子「わっ、私で役に立つか分からないけど、お話を聞くくらいだったら、いくらでも……!」

智絵里「あ、ありがとう……! でっ、でも本当に、全然大袈裟な話じゃなくって。ただ……」

杏・かな子「ただ?」

智絵里「あの……朝、テレビで見た星座占いが、最下位だったなぁ、って……」

杏「……あー……」

かな子「……なあんだ。そういうことか~」

智絵里「あうぅ……これくらいで、ずっと気にしちゃうのって、子供っぽい、よね……?」カァァ

杏「別に、そこまでは言わないけど。杏は、その手のモノは特に気にしないけどね」

かな子「でもよかった。深刻な話じゃなくって」

智絵里「うぅ。ごめんね、かな子ちゃん。余計な心配かけて……」

かな子「ふふっ、気にしないで。……それに、はい! 甘いものを食べれば、不安も吹き飛ぶよ、きっと」

杏「ごく自然にポッケからクッキーが出てきたんだけど」

智絵里「あ……ありがとう」サクッ

杏「何、かな子ちゃんのポッケは四次元的なアレなの?」

かな子「はい、杏ちゃんも、よかったらどうぞ」

杏「あ、うん」サクッ

かな子「占いかぁ……智絵里ちゃんは、よくテレビの占い、見てるの?」

智絵里「いつもじゃないけど……今朝は情報番組を見てて、その流れで……」

杏「ふーん。でもあんなの、所詮十二分の一じゃん? 気に病むことないよ」

かな子「ば、バッサリだね……」

智絵里「でも、『緊張からミスをしやすい日』って、すごく的を射たことを言ってて、どうしても……」シュン

かな子「なるほど……」

かな子「そうだ! ああいう占いのコーナーって、最後に幸運の手助けをしてくれるラッキーアイテムとか、紹介してくれたりしない?」

杏「ああ、あるねー」

智絵里「確かに、あるにはあったんだけど……」

かな子「じゃあ、それを身に着けてみたら、少しは気が楽になるんじゃないかなぁ?」

智絵里「それが、アイテムとかじゃなくって」

智絵里「……ラッキースポットが、『見晴らしのいい丘』だって……」

杏「……うわぁ」

かな子「それはまた……難しいね」

智絵里「うん……お仕事もあるし、そんな丘を探して出掛ける時間なんて、到底無いし……」

杏「丘はいくらなんでも無茶振りだね」

かな子「だっ、大丈夫だよ! もし何か失敗しそうになっても、私と杏ちゃんがしっかりフォローするから!」フンス

杏「えー、杏も? ……まぁ、たまにはいいけどさ。それくらい」

智絵里「で、でも、私のせいで二人に迷惑をかけるのは……」

かな子「緊張でお腹が空いた時のために、お菓子も準備しておくよ!」

杏「いやそれ、たぶんかな子ちゃんだけだよ」




コンコン ガチャ
藍子「あのー……失礼します」

かな子「あれ、藍子ちゃん? おはよう! どうかしたの?」

藍子「あっ、かな子ちゃん。智絵里ちゃんに杏ちゃんも。おはようございますっ」ペコリ

藍子「えぇと、今日は未央ちゃんと、ちょっと約束があって……。ここにいるかなと思ったんですけど……」キョロキョロ

智絵里「未央ちゃん……? 今日はまだ、会ってないですね」

かな子「たぶん、まだ事務所に来てないんじゃないかな?」

藍子「そっかぁ……。なら、少しここで待たせてもらっても、いいですか?」

かな子「うん! もちろんだよ~!」

杏「杏はそのへんで寝てるから、どうぞおかまいなくー。……ふあぁ」

藍子「ありがとうっ。……ふふっ。杏ちゃん、ソファで丸くなって、まるで猫さんみたい」

かな子「あっ。それ、私達もよく言ってるよね」

智絵里「杏ちゃんは、いつもこんな感じですよ」

杏「じゃあ、前世が猫なんだよきっと」ニャーン

藍子「杏ちゃんの寝顔、撮っておこうかな?」

杏「えー? いいの? 杏は高いよー?」

藍子「ふふ、冗談です♪」

かな子「藍子ちゃん、今日もカメラを持ってるんだね」

藍子「はいっ。お仕事の合間でも、共演したアイドルのオフショットとか、ロケ地の風景とか……いろいろ思い出になりますから」

智絵里「そういうの、素敵ですね……!」

かな子「風景の写真、かぁ……」

藍子「この間も、MVの撮影で行った高原の景色がすごく綺麗で、いっぱい写真を撮っちゃいました」

杏「……! ねぇ、かな子ちゃん」

かな子「う、うん! あの、藍子ちゃん。今、その写真手元にある?」

藍子「えっ? 現像はしていないから、データでよければ……どうぞ」

かな子「どれどれ……うわぁ、本当に綺麗……!」

杏「うん。これ、いけるよね? かな子ちゃん」

智絵里「二人とも……どうかしたの?」

かな子ちゃん「藍子ちゃん! この写真のデータ、智絵里ちゃんにも送ってあげてもらえないかな?」

智絵里「え、えぇっ!?」

藍子「智絵里ちゃんに? 別に、構わないけれど……どうかしたんですか?」

かな子「実は……」



藍子「なるほど……幸運の鍵が、『見晴らしのいい丘』なんですね。確かに、この写真なら、条件を満たしてますねっ」

かな子「でしょ? その写真を待ち受け画面とかにしておけば、きっとお仕事もうまくいくよ!」

藍子「それなら、スマホでも写真を撮ってるから、それを智絵里ちゃんに送りますね」スマホポチー

智絵里「いっ、いいんですか?」

藍子「もちろん♪」

杏「ま、減るもんじゃないしね」

かな子「よかったね、智絵里ちゃん!」

智絵里「う、うん! ありがとうございます……っ!」

藍子「いえいえ。私も、智絵里ちゃんのお役に立てたなら、嬉しいなっ」

かな子「今日の藍子ちゃんは、智絵里ちゃんにとっての四つ葉のクローバーだね♪」

智絵里「はいっ!」エヘヘ

杏「……そういえば智絵里ちゃん。今更だけど、こういう時こそ四つ葉のクローバーじゃないの?」

智絵里「あっ、クローバーは、持ってるよ? 押し花の栞に、四つ葉の形のストラップに、あとハンカチも……」ガサゴソ

杏「お、おう……智絵里ちゃんは智絵里ちゃんで、クローバーの持ち物に関しては割と四次元だね……」

智絵里「でも、これだけだと結局普段通りだし、まだ少し不安だったから……」

藍子「クローバーといえば、さっきの丘にもたくさんありましたよ。もしかしたら、四つ葉もあったのかな?」

かな子「そうなんだ~! 私達も、いつか一緒に行ってみたいね!」

智絵里「うん……! このメンバーでピクニックとか、やってみたいな」

杏「……え、それって杏も? ……出来れば、野外活動は極力避ける方向でお願いしたいんだけど……」

藍子「そんなこと言わないで。お日様の光を浴びるのも、いいものですよ? のんびり日向ぼっこするのもいいし、スポーツなんかもしたりして」

かな子「そうだね~」

智絵里「ぽかぽかして、気持ちよさそうだよね」

杏「うえぇ……」




ガチャ
卯月「おはようございます!」



杏「っ! 助けて卯月ちゃん! このままだと杏、灼熱の地獄に連れ出されちゃう!」

卯月「うええぇ!? しゃ、灼熱っ!? あわわ、どうしましょう!? とりあえず、氷とか、持ってきましょうか!?」



おわり


以上、お付き合いありがとうございました。

書いてる時に気付いたのですが、デレステでCIの3人が揃うコミュってまだ無いんですね。
……Heart Voice、イベントで来ないかなぁ


前作
キャンディアイランドの当然毒にも薬にもならないおしゃべり

も、よろしければどうぞ。

追記

「sage saga」をメール欄じゃなくて名前にしちゃってるあたり、相当疲れてますね……

寝ます。

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